JP2005059590A - 液体収容容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1つのケースに、複数のインクパックを重ねて収容した場合、1つのインクパックが、隣接するインクパックに対して接触し、押圧する作用が働き、インク室に収容されたインクの圧力に、差が生じてしまうという問題を有する。
【解決手段】 多色用のインクカートリッジ1は、剛性プラスチック板3の水平板部分31の表面側に形成した表面側液体収容室5(1)、5(2)とその裏面側に形成した裏面側液体収容室6(1)、6(2)を備え、これらの液体収容室は水平板部分31を挟み、幅方向に向けて、千鳥状に相互に重なり合う状態に配列されているので、液体収容室配列方向の寸法を小さくできる。各液体収容室は、水平板部分31の表面に形成した表面側凹部51、52、および裏面に形成した裏面側凹部61、62にそれぞれ、立体成形した可撓性プラスチックフィルム53、54、63、64の平面部分53b〜64bを接合することにより構成されているので、シール性の高い液体収容室を構成できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液体収容体に関し、特に、カラーインクジェットプリンタに用いられる複数のインク室を備えたインクカートリッジとして、好適に利用可能な液体収容体に関する。
液体をターゲットに噴射させる液体噴射装置の一つとして、インクジェット式プリンタが広く用いられている。このインクジェット式プリンタは、キャリッジと、キャリッジに搭載された記録ヘッドとを備える。そして、キャリッジを記録媒体に対して移動させながら、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出し、印刷用紙に対して印刷を行うようになっている。また、このようなインクジェット式プリンタにおいては、インクを貯留するための液体収容体としてのインクカートリッジが交換可能に設けられており、記録ヘッドから吐出されるインクは、インクカートリッジから供給されるようになっている。
特許文献1は、ケース内に複数のインクパックを収容するインクカートリッジを開示する。これらのインクパックは、それぞれ、複数のインク室を形成する。インクパックの一部が、その隣のインクパックの一部と互いに重なるように、インクパックは、ケース内に収容されて、ケース内のデットスペースを少なくしている。
特許文献2は、プラスチック板からなる扁平な矩形枠の両側に、可撓性プラスチックフィルムを熱融着などの方法により貼り付けて単一のインク室を形成したインクカートリッジを開示する。プラスチック製の扁平な矩形枠(ハウジング周壁)の両側の内周面に、軟質プラスチック材料かなるフィルムが弛みのある状態で接着あるいは融着されて、インク室を形成する。このインク室の内部に配置した圧縮ばねによってフィルムを外側方向に附勢して、インク室内の圧力を負圧に保持する。
特開2003−53984号公報 特開平5−201019号公報
しかしながら、特許文献1のインクカートリッジのように、1つのケースに、複数のインクパックを重ねて収容した場合、1つのインクパックが、隣接するインクパックに対して接触し、押圧する作用が働く。インクパックを構成するインク袋は、ラミネートフィルム等の可撓性のある材料からなるため、このような押圧が、インクパック内部に収容されたインクの圧力に影響を与える。したがって、インクパック、すなわち、インク室に収容されたインクの圧力に、差が生じてしまうという問題を有する。
また特許文献2のインクカートリッジでは、インクの消費に伴って各可撓性プラスチックフィルムが矩形枠に対して移動できるように、弛みを持たせた状態で、各可撓性プラスチックフィルムが、その外周縁部分において、矩形枠に貼り付けられる。可撓性プラスチックフィルムの外周縁部分には多数のギャザーがあり、この結果、可撓性プラスチックフィルムを矩形枠に熱融着などにより貼り付ける際にシール不良が発生しやすい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、本発明の第一の目的は、可撓性フィルムで形成された複数の液体収容室を効率よく配置した液体収容体を提供することである。
本発明の第二の目的は、可撓性フィルムにより形成された複数の液体収容室に収容された液体の圧力差を小さく抑えることができる液体収容体を提供することにある。
本発明の第三の目的は、可撓性フィルムにより気密シールされた複数の液体収容室を有する液体収容体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の液体収容容器は、剛性プラスチック板と、前記剛性プラスチック板の表面に形成されている表面側液体収容室と、前記剛性プラスチック板の裏面に形成されている裏面側液体収容室とを有し、前記表面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板の表面に形成した表面側凹部と、この表面側凹部を封鎖している立体成形した表面側可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜とによって形成され、前記裏面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板の裏面に形成した裏面側凹部と、この裏面側凹部を封鎖している立体成形した裏面側可撓性プラスチックフィルムまたはゴム製の膜とによって形成され、前記表面側液体収容室および前記裏面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板を挟み、少なくとも一部分が重なる位置に形成されていることを特徴としている。
本発明の液体収容容器では、立体成形した可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜を用いて液体収容室を形成している。したがって、フィルムに弛みを持たせて剛性プラスチック板に貼り合せなくとも、必要なインク貯留容積を確保できる。よって、可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜を、その外周縁部分にギャザーが付いた状態で剛性プラスチック板に貼り付ける必要がないので、フィルムあるいは膜と剛性プラスチック板の間を確実にシールすることができる。
また、剛性プラスチック板の表裏にそれぞれ液体収容室が形成されていると共に、各液体収容室が相互に重なった配置関係となっている。したがって、液体収容室を並べて配置する場合に比べて、平面方向の所要スペースが少なくなる。よって、複数の液体収容室を備えた長さの短い液体収容容器を実現できる。
特に、複数の前記表面側液体収容室と複数の前記裏面側液体収容室を形成し、これら表面側液体収容室および裏面側液体収容室を、前記剛性プラスチック板を挟み千鳥状に配列した構成を採用した場合には、平面方向の所要スペースが少なくで済む。例えば、表裏にそれぞれ2個ずつの液体収容室を形成すれば、全長の短い多数の液体収容室を一体的に備えた液体収容容器を実現できる。
ここで、可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜は、球面状に隆起した隆起部分と、この隆起部分の外周縁に連続している平面部分とを備えた構成となるように立体成形すればよい。この場合、前記平面部分を、前記剛性プラスチック板の前記表面側凹部を取り囲んでいる表面側平坦面部分および前記裏面側凹部を取り囲んでいる裏面側平坦面部分に融着すればよい。可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜の平面部分と、剛性プラスチック板の平面部分とを相互に融着すればよいので、これらの間を確実にシールすることができる。
次に、液体収容室に貯留されている液体を取り出すための取り出し口を、前記表面側凹部および裏面側凹部にそれぞれ形成することができる。
また、各液体収容室を形成している可撓性プラスチックフィルムあるいはゴム製の膜を保護すると共に、各液体収容室のガスバリヤ性および防湿性を確保するためには、必要とされるバリア性を備えたケースに、液体収容室が形成された剛性プラスチック板を収容すればよい。
この場合、ケースの内部の空きスペースを利用して廃液を回収するための廃液回収室を形成すれば、液体収容容器の寸法の増加を招くことなく、廃液を回収できるので望ましい。
本発明の液体収容容器は、第一の凹部と、第一の凹部から分離した第二の凹部と、第一の凹部の開口の周縁を囲む第一の平坦面と、および、第二の凹部の開口の周縁を囲む第二の平坦面とが形成されたベースと、
前記第一の凹部及び第二の凹部を封止するように前記第一、第二の平坦面に接合された少なくとも一つの可撓性フィルムと、
前記ベースに形成された、前記第一の凹部と連通する第一の供給口、及び前記第二の凹部に連通する第二の供給口と、を有することを特徴とする。
単一のベースに複数の凹部を形成して、これら凹部と少なくとも一つの可撓性フィルムを利用して、複数の室を効率よく形成することできる。
また、第一の凹部と第二の凹部とは、ベースを介して互いに分離されているので、第一の凹部により形成された室に収容された液体と、第二の凹部により形成された室に収容された液体とは、ベースを介して分離される。したがって、これら室に収容された液体間の圧力伝達を、ベースにより防止できる。
また、少なくとも一つの可撓性フィルムは、第一、第二の平坦面に取り付けられるので、可撓性フィルムとベースとの間の気密性を向上できる。特に、可撓性フィルムを、熱溶着により、第一、第二の平坦面に取り付ける場合に、容易かつ確実に、可撓性フィルムとベースとの間の気密性を確保できる。
また、ベースは、第一、第二の凹部にそれぞれ連通する第一、第二の供給口を有しているので、ベースに第一、第二の可撓性フィルムを取り付けることにより、それぞれの室から第一、第二の供給口に至る流路が、形成できる。
この液体収容体は、第一、第二の平坦面は、同一平面上にあり、少なくとも一つの可撓性フィルムは、第一、第二の平坦面の双方に取り付けられる単一の可撓性フィルムを含む構成を採用できる。単一のフィルムをベースに取り付けることにより、容易に、複数の室を形成できる。
この場合、単一の可撓性フィルムは、第一、第二の凹部に対応する第一、第二の畳み込みが可能な部分と、第一、第二の畳み込みが可能な部分を囲む平坦面部とからなり、平坦面部が、第一、第二の畳み込みが可能な部分の間の境界を有していることが、好ましい。このような可撓性フィルムは、立体成形により、容易に作成が可能である。
この液体収容体は、少なくとも一つの可撓性フィルムが、別体である第一、第二の可撓性フィルムを含み、第一の可撓性フィルムが第一の平坦面に取り付けられ、第二の可撓性フィルムが第二の平坦面に取り付けられる構成を採用できる。第一、第二の平坦面が同一平面上に配置されていない場合や、第一、第二の平坦面が連続していない場合に、この構成は、有効である。例えば、ベースの表面側に第一の凹部が形成され、ベースの裏面側に第二の凹部が形成されている場合に、この構成は、有効である。
この場合、第一、第二の可撓性フィルムの各々は、畳み込みが可能な部分と、畳み込みが可能な部分を囲む平坦面部とを有することが好ましい。このような可撓性フィルムは、立体成形により、容易に作成が可能である。
この液体収容体では、第一の凹部が、ベースの第一の側に形成され、第二の凹部が、ベースの第一の側と反対の第二の側に形成することが可能である。ベースにより、複数の室が、互いに、完全に分離されるので、一つの室に収容された液体の圧力が、もう一つの室に収容された液体に影響を与えることを、確実に防止できる。
更に、この場合、第一の凹部と第二の凹部とを部分的に重ねて、ベースの第一の側と第二の側とに、配置することができるので、複数の室をスペース効率よく配置するためのデザイン自由度が増す。
この液体収容体では、第一、第二の凹部は、ベースの同一側に配置してもよい。すなわち、複数の室をスペース効率よく配置するために、第一、第二の凹部をベースの同一側に配置してもよい。
この液体収容体では、第一、第二の供給口は、それぞれ、第一、第二の凹部に第一、第二の流路を介して、連通され、第一、第二の流路は、それぞれ、第一、第二の凹部の底部で開口させるのが好ましい。液体の消費に伴い可撓性フィルムは凹部の底部に接近し、液体がすべて消費されたときに、可撓性フィルムは凹部の底部に接触する。したがって、底部で、流路を開口させることにより、可撓性フィルムが底部に接触するまで、室に収容された液体を消費できる。したがって、液体収容体内に液体を残すことなく、すべての液体を使用することができる。
なお、この液体収容体において、第一、第二の供給口の各々は、凹部とフィルムとで形成した室に収容した液体を、外部に流出するために使用されても良いし、また、凹部とフィルムとで形成した室に、液体を外部から流入させるために使用されても良い。
本発明は、多色用インクカートリッジなどのように複数の液体収容室を備えた液体収容体の小型化、コンパクト化に極めて有利である。また、本発明によれば、シール性の高い液体収容室を容易に形成できる。更に、本発明によれば、一の液体収容室に収容された液体の圧力が、もう一つの液体収容室に収容された液体の圧力に、影響を与えることを防止できる。
つぎに、本発明を実施するための最良の実施形態を説明する。
以下に、添付図面を参照して、液体収容容器として、本発明を適用したインクカートリッジの実施の形態を説明する。図1は本実施の形態に係る多色用インクカートリッジを示す外観斜視図であり、図2はその分解斜視図であり、図3はその縦断面図であり、図4はその横断面図であり、図5は剛性プラスチック板の斜視図である。
インクカートリッジ1は、プラスチック製のカートリッジケース2と、このカートリッジケース2に収納されている剛性プラスチック板3および廃インク吸収材4とを有しており、剛性プラスチック板3の表面および裏面には、それぞれ2個ずつの表面側インク室(表面側液体収容室)5(1)、5(2)および裏面側インク室6(裏面側液体収容室)(1)、6(2)が形成されている。例えば、表面側インク室5(1)、5(2)にはそれぞれブラックおよびシアンの色インクが貯留され、裏面側インク室6(1)、6(2)にはそれぞれマゼンタおよびイエローの色インクが貯留されている。本実施例では、プラスチック板3がベースとして機能する。
カートリッジケース2は、扁平な横長の直方体形状をしており、上板部分21、下板部分22、左右の側板部分23、24、および後端の端板部分25を備え、その前側端面が横長の矩形開口部26とされている。側板部分23、24および端板部分25の内側面にはそれぞれ剛性プラスチック板3の差し込み溝23a、24a、25aが形成されている(図3、4参照)。このカートリッジケース2はガスおよび水蒸気のバリア性を備えたプラスチック素材から形成されている。
剛性プラスチック板3は、カートリッジケース2に挿入されている水平板部分31と、水平板部分31の前端に直角に取り付けられている前板部分32とを備えており、前板部分32はカートリッジケース2の前端輪郭と同一の矩形形状をしており、矩形開口部26を規定している上板部分21、下板部分22および左右の側板部分23、24の各前端面に接着され、これによりカートリッジケース2の矩形開口部26が封鎖されている。この前板部分32には表面側インク室5(1)、5(2)および裏面側インク室6(1)、6(2)のそれぞれに貯留されているインクを外部(インクジェットヘッドの側)に供給するためのインク供給口7〜10が形成されている。また、廃インクを回収するための廃インク回収口11も形成されている。
剛性プラスチック板3の水平板部分31は、その左右の側端部分31a、31bおよび後端部分31cが、カートリッジケース2の差し込み溝23a、24a、25aに差し込まれた状態で当該カートリッジケース2に挿入されている。この水平板部分31の表面31dには2個の表面側凹部51、52が形成されており、裏面31eにも2個の裏面側凹部61、62が形成されている。本例では、これらの凹部51、52、61、62が同一形状とされており、前後に長い長円形の内周縁51a、52a、61a、62aから略球面状に湾曲している。なお、図2および図5においては、湾曲状態が分かるように、一点鎖線によってそれを示してある。
図4に示すように、各凹部51、52、61、62の深さは水平板部分31の板厚t1とほぼ同一である。また、これらの凹部51、52、61、62が形成されている部分の板厚t2は薄く、その板厚t2の分だけ、板本体部分31の表面および裏面から上下に突出した状態になっている。
表面側凹部51、52は、立体成形された表面側可撓性プラスチックフィルム53、54によって覆われて、それぞれ、表面側インク室5(1)、5(2)が形成されている。同様に、裏面側凹部61、62も、立体成形された裏面側可撓性プラスチックフィルム63、64によって覆われて、それぞれ、裏面側インク室6(1)、6(2)が形成されている。
本例では、これらのプラスチックフィルム53、54および63、64は同一形状とされている。すなわち、ほぼ球面状に隆起している隆起部分53a、54a、63a、64aと、その長円形の外周縁を取り囲む平面部分53b、54b、63b、64bとを備えており、平面部分53b、54b、63b、64bの輪郭形状は前後に長い矩形形状とされている。また、隆起部分53a、54a、63a、64aは水平板部分31に形成されている凹部51、52、61、62と面対称な形状とされている。かかる立体状のプラスチックフィルム53、54、63、64は、例えば、プラスチックフィルムを真空成形することにより得ることができる。
このように立体成形されている表面側可撓性プラスチックフィルム53、54は、それらの平面部分53b、54bが超音波融着、熱融着、あるいは接着剤などによって、水平板部分31の表面側凹部51、52を取り囲む表面31dの部分であって、平坦面を形成する部分に接合され、液密状態のシール部が形成されている。同様に、裏面側可撓性プラスチックフィルム63、64もそれらの平面部分63b、64bが水平板部分31の裏面側凹部61、62を取り囲む裏面31eの部分であって、平坦面を形成する部分にシールされている。
なお、可撓性プラスチックフィルムの変形圧力(背圧)はフィルムの厚さのみだけでもコントロールできるが、フィルムの立体成型時にフィルム表面にリブを設けることで、より精度の高い変形圧力のコントロールが可能となる。
なお、可撓性プラスチックフィルム53、54の代わりに、ゴム製の膜を用いることもできる。この場合には、膜厚を200ミクロン〜1.5mmの範囲内の値とすることが望ましい。
ここで、図4から良く分かるように、表面側インク室5(1)、5(2)と裏面側インク室6(1)、6(2)とは、剛性プラスチック板3の水平板部分31を挟み、千鳥状となるようにインクカートリッジ1の幅方向に配列されている。また、表面側インク室5(1)、5(2)と裏面側インク室6(1)、6(2)は水平板部分31を挟みそれぞれ相互に部分的に重なる配置関係とされている。例えば、表面側インク室5(2)は、裏面側において左右に隣接している裏面側インク室6(1)、6(2)に対して、両側がインク室幅のほぼ1/4だけ幅方向に重なっている。同様に、裏面側インク室6(1)は、表面側において左右に隣接している表面側インク室5(1)、5(2)に対して両側がインク室幅のほぼ1/4だけ幅方向に重なっている。
次に、各インク室5(1)、5(2)、6(1)、6(2)のインク供給口7〜10の構造を説明する。これらは同一であるので、図3を主に参照して、表面側インク室5(1)のインク供給口7について説明し、それ以外のインク供給口8〜10の説明は省略する。インク供給口7は、剛性プラスチック板3の前板部分32から水平板部分31にかけて形成した円形孔71を備え、この円形孔71の底に連続して同軸状態に小径の円形孔72が形成され、さらに、この小径の円形孔72の底に連続してより小径の円形のインク通路73が同軸状態で形成されている。このインク通路73の端部は上下方向に延びているインク取り出し口74に連通している。インク取り出し口74は、表面側凹部51に開口しており、表面側インク室5(1)に連通している。
円形孔71には円環状のシールゴム75が液密状態で装着され、その背面側には、小径の円形孔72に装着された弁76が配置されている。弁76は、シールゴム75の端面に押し付けられている弁本体76aと、弁本体76aの背面から同軸状態に延びている中空軸76bを備え、中空軸76bはインク通路73にスライド可能な状態で差し込まれている。中空軸76bにおける弁本体76aの付け根部分にはインク穴76cが形成され、ここを介して中空軸76bの中空部が円形孔72に連通している。弁76は、弁ばね77によって常にシールゴム75の側に押し付けられており、その弁本体76aによってシールゴム75の中心に形成されているインク供給穴75aが封鎖されている。インク供給穴75aに外側からインク供給針(図示せず)を差し込むと、弁76が押されて開き、円形孔72がインク供給穴75aに連通して、ここに差し込まれたインク供給針に、インク室5(1)の側からインクを供給可能になる。
本例においては、表面側インク室5(1)、5(2)と裏面側インク室6(1)、6(2)が剛性プラスチック板3の水平板部分31を挟み千鳥状に配列されているので、これに対応して、インク供給口7〜10も千鳥状に配置されている。
次に、剛性プラスチック板3の水平板部分31によって上下に仕切られているカートリッジケース2の内部の上側の区画部分28には、廃インク吸収材4が挿入され、この区画部分28が廃インク回収室として機能する。廃インク吸収材4は、図2から分かるように、表面側インク室5(1)、5(2)を構成している表面側可撓性プラスチックフィルム53、54の隆起部分53a、54aに干渉しないように、矩形の切り欠き41、42が形成されている。剛性プラスチック板3の前板部分32の端には、裏面側インク室6(2)のインク供給口10に隣接して廃インク回収口11が形成されている。この廃インク回収口11の構造は、インク供給口7〜10と同様であり、ここに廃インク回収用の針を差し込むと、当該廃インク回収口11が開き、廃インク吸収材4によって廃インクを吸収可能になる。なお、廃インクを廃インク吸収材4によって吸収できるように、区画部分28は、カートリッジケース2に形成した大気連通穴(図示せず)を介して大気開放されている。
また、カートリッジケース2には、表面側インク室5(1)、5(2)、裏面側インク室6(1)、6(2)に収容されたインクに大気圧を作用させるための大気連通孔が、複数形成されてもよい。
以上説明したように、インクカートリッジ1においては、剛性プラスチック板3の水平板部分31の表面および裏面に、それぞれ2個ずつの表面側インク室5(1)、5(2)と裏面側インク室6(1)、6(2)が形成されている。各インク室5(1)、5(2)、6(1)、6(2)は、剛性プラスチック板3の水平板部分31の表面および裏面に形成した表面側凹部51、52および裏面側凹部61、62を、立体成形した表面側可撓性プラスチックフィルム53、54および裏面側可撓性プラスチックフィルム63、64によって覆って封鎖することにより形成されている。また、これらのインク室5(1)、5(2)、6(1)、6(2)は、インクカートリッジ1の幅方向に向けて、水平板部分31を挟み、相互に重なる状態で千鳥状に配列されている。
各インク室5(1)、5(2)、6(1)、6(2)にインクを充填した状態では、各可撓性プラスチックフィルム53、54、63、64は立体成形状態に保持される。インクの消費に伴って、可撓性プラスチックフィルム53、54、63、64の隆起部分53a〜64aが萎み、インク室容積が減少する。したがって、弛みのある状態でプラスチックフィルムを剛性プラスチック板に接合してインク室を構成している従来のインク室と同様に機能する。
本例のインクカートリッジ1では、立体成形された可撓性プラスチックフィルム53、54、63、64を用いているので、その隆起部分53a〜64aの外周縁を取り囲む平面部分53b〜64bを、剛性プラスチック板3の水平板部分31の表面31dおよび裏面31eの平坦面部分に接合してシールすればよい。よって、プラスチックフィルムの外周縁部分を、ギャザーをつけて、剛性プラスチック板の表面に接合して、インク消費に伴ってプラスチックフィルムが面外方向に移動してインク室容積が小さくなるようにインク室を構成していた場合とは異なり、プラスチックフィルムの平面部分を剛性プラスチック板の平坦面部分に接合すればよいので、両者の間を確実にシールすることができる。
また、各インク室5(1)、5(2)、6(1)、6(2)は、水平板部分31を挟み相互に重なる状態で千鳥状に配列されているので、インクカートリッジ1の幅寸法を小さくすることができる。よって、複数のインク室を形成する必要のある多色用インクカートリッジの小型化、コンパクト化に極めて有利である。
(その他の実施の形態)
本発明を多色用インクカートリッジに適用した場合について説明したが、インク室を複数備えた単色用のインクカートリッジに対しても本発明を同様に適用できる。また、インク室の数は上記の例に限定されるものではなく、2個、または3個であってもよく、5個以上であってもよい。
さらに、剛性プラスチック板に形成した表面側凹部および裏面側凹部の形状も上記の例に限定されるものではなく、浅い円形凹部など別の形状とすることも可能である。同様に、立体成形された可撓性プラスチックフィルムの隆起部分の形状も、上記の例に限定されるものではなく、例えば扁平な多角錐状、多角柱状などの別の形状とすることも可能である。
変形例1として、2個のインク室を有し、その各々が多角柱状の凹部と多角柱状の可撓性フィルムとにより形成されたインクカートリッジを、第6−9図に示す。変形例1の詳細については、後述する。
さらには、表面側凹部および裏面側凹部を同一形状としてあるが、異なる形状としてもよい。同様に、表面側可撓性プラスチックフィルムおよび裏面側可撓性プラスチックフィルムを同一形状としてあるが、異なる形状としてもよい。同一形状にすれば部品の共通化を図ることができるという利点がある。使用量の多いブラックインクのインク室を他のインク室に比べて大きな容量にする場合などには、他のインク室に比べて大きな寸法の隆起部分が形成された可撓性プラスチックフィルムを用いれば、大容量のインク室を簡単に構成できる。
変形例2として、異なった形状の可撓性フィルムを使用するインクカートリッジを第10−14図に示す。変形例2の詳細については後述する。
更には、複数のインク室を表面側凹部と裏面側凹部とにより形成しているが、複数のインク室を複数の表面側凹部または複数の裏面側凹部により形成してもよい。
変形例3として、複数の表面側凹部により複数のインク室を形成したインクカートリッジを第15−17図に示す。変形例3の詳細については後述する。
(変形例1)
図6−9は、変形例1のインクカートリッジ101を示し、図6は、インクカートリッジ101の分解斜視図、図7は、インクカートリッジ101の縦断面図、図8は、図7における線8−8で見た断面図、図9は、図7における線9−9でみた断面図である。
インクカートリッジ101は、カートリッジケース102と、このカートリッジケース102に収納されているベース103とを有する。インクカートリッジ101には、表面側インク室105と裏面側インク室106が形成されている(図9参照)。変形例1のインクカートリッジ101は、廃インク吸収部材と廃インク回収口を有していないが、これらを追加してもよい。また、表面側インク室105と裏面側インク室106の一方の内部に、廃インク吸収体を配置して、廃インク室として機能させることも可能である。
カートリッジケース102は、上板部分121、下板部分122、左右側板部分123、124、および後端板部分125を備える。差し込み溝123a、124a、125aに、ベース103の水平板部分131の側端部分131a、131bおよび後端部分131cが挿入保持されて、カートリッジケース102の開口部126が、ベース103の前板部分132により封鎖される。
この前板部分132は、表面側インク室105および裏面側インク室106にそれぞれ連通するインク供給口107、109を有している。
ベース3の水平板部分131は、その左右の側端部分131a、131bおよび後端部分131cが、カートリッジケース102の差し込み溝123a、124a、125aに差し込まれた状態でカートリッジケース102に挿入されている。この水平板部分131の表面131dには、表面側凹部151が、裏面131eには、裏面側凹部161が、それぞれ、形成されている。凹部151,161の各々は、図7に示す断面および図9に示す断面のいずれでも、台形形状を呈している。
同様に、凹部151、161にそれぞれ対応する可撓性フィルム153、163も、図7に示す断面および図9に示す断面のいずれでも、台形形状を呈している。本変形例のように、可撓性フィルム153、163は、凹部151、161に、それぞれ、整合する形状を有しているのが好ましい。
水平板部分131の表面131dは、凹部151の四角形状開口の周縁を囲む平坦面131dPSを有している。平坦面131dPSは、一平面上にある。同様に、裏面131eは、凹部161の四角形状開口の周縁を囲む平坦面131ePSを有している。平坦面131dPSは、一平面上にある。
フィルム153,163は、四角柱状に隆起している隆起部分(畳込み可能部分)153a、163aと、その隆起部分の基端部の外周縁を取り囲む平面部分153b、163bとを有する。
平面部分153bは、超音波融着、熱融着、あるいは接着剤などによって、水平板部分131の表面31dの部分であって、平坦面131dPSを形成する部分に取り付けられて、液密状態のシール部が形成されている。同様に、平面部分163bは、水平板部分131の裏面131eの部分であって、平坦面131ePSを形成する部分に液密シール状態で取り付けられている。
図7および図9において、インクがインク室105にフル充填されているときは、フィルム153は、実線で示した状態にある。一方、インク室のインクがすべて消費されたときは、フィルム153は、2点鎖線で示した状態となる。すなわち、インクの消費に伴い、フィルム153は、実線でしめした状態から、徐々に、凹部151に向かって、移動され、凹部151の内面に沿うように畳み込まれていき、最終的に、2点鎖線で示した状態となる。なお、インクカートリッジを製造する過程で、インクをインク室105に初期充填する場合は、インク供給口107を介して、インク室105内の空気を真空吸引し、フィルム153を2点鎖線で示した状態にする。その後に、インク供給口107を介してインク室105にインクを充填するのが好ましい。
図9で、インク室のインクがすべて消費されたときのフィルム161の状態も、2点鎖線で示されている。
変形例1のインク供給口107,109は、前板部分132から突出する。変形例1のインク供給口107,109では、インク通路173の一端は、小径円形孔172の底において、円形孔172および円形孔171の共通中心軸からオフセットされた位置で、開口している。インク通路173の他端は、凹部151,161の底部で開口している(174)。シールゴム175に弁ばね177により押し付けられる弁176には、中空軸の代わりに、複数のリブ176Rが、その外周に設けられている(図8参照)。複数のリブ176Rが、円形孔172の内周面に接触ガイドされることで、弁176は、小径孔172の中心軸方向に移動可能である。
カートリッジケース102および/またはベース103の前板部分132に大気連通孔を形成して、インクを消費する際に、インク室105,106に大気圧を作用させる構成としてもよい。また、カートリッジケース102とベース103を気密状態で接合するとともに、カートリッジケース102および/またはベース103の前板部分132に圧力空気導入口を形成して、インク室105,106とカートリッジケースとの間の気密空間に、圧力空気を導入して、インクを消費する際に、大気圧以上の圧力をインク室105,106に作用させる構成としてもよい。なお、インク室105,106の一方を廃インク室として使用する場合は、インク室105,106の他方にのみ、大気圧以上の圧力を作用させる。この場合、ベース103とカートリッジケース102との間の接合部を気密状態とすることで、ベース103がカートリッジケース102の内部空間を、互いに圧力遮断された領域(室105が配置される領域と室106が配置される領域)に分割できる。
(変形例2)
図10−14は、変形例2のインクカートリッジ201を示す。図10は、インクカートリッジ201の分解斜視図、図11は、インクカートリッジ201のベース203を下からみた斜視図、図12は、図10における線12−12で見たインクカートリッジ201の縦断面図、図13は、図10における線13−13で見たインクカートリッジ201の縦断面図、図14は、図14における線14−14で見た断面図である。
変形例2のインクカートリッジ201は、異なった形状の可撓性フィルム253、263を使用している。また、裏面側凹部261(1)、261(2)および261(3)の各々は、大きさが、表面側凹部251(1)とは異なり、表面側凹部251(1)は、裏面側凹部261(1)、261(2)および261(3)の各々より大きい。表面側可撓性フィルム253と表面側凹部251により、表面側インク室205(1)が形成され、例えば、ブラックインクがこの表面側インク室205(1)に収容される。裏面側可撓性フィルム263と、複数の裏面側凹部261(1)、261(2)および261(3)とにより、複数の裏面側インク室206(1)、206(2)、206(3)が形成され、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエローインクが収容される。
カートリッジケース202は、表面側カートリッジケース202Aと裏面側カートリッジケース202Bから構成され、これらが、ベース203に取り付けられた表面側可撓性フィルム253と裏面側可撓性フィルム263を覆うように、ベース203に取り付けられる。表面側カートリッジケース202Aは、上板部分221、左右側板部分223A,224Aを有している。裏面側カートリッジケース202Bは、下板部分222と、左右側板部分223B,224Bとを有している。表面側カートリッジケース202Aと裏面側カートリッジケース202Bとが組み合わされることにより、左右側板部分223A,224A,223B,224Bが、カートリッジケース202の左右側板部分223,224を形成する。インクカートリッジ201の外壁の一部を構成する、カートリッジケース202の後端板部分225は、表面側カートリッジケース202Aおよび/または裏面側カートリッジケース202Bに設けても良いが、変形例2では、後端板部分225は、ベース203に設けられている。カートリッジケース202A,202Bがベース203に取り付けられると、ベース203の前板部分232が、カートリッジケース202の前側開口部を封止し、ベース203の後端板部分225が、カートリッジケース202の後側開口部を封止する(第12図参照)。
前板部分232は、表面側インク室205(1)、裏面側インク室206(1)、206(2)、206(3)にそれぞれ連通するインク供給口207(1)、209(1)、209(2)、209(3)を有している。これらインク供給口207(1),209(1)、209(2)、209(3)の具体的構成(バルブ機構を含む)は、変形例1と同様なので、詳細な説明は省略する。変形例1からの変形例2の主な変更点は、以下である。インク供給口207(1),209(1)、209(2)、209(3)が、前板部分232の中心線に沿って一列に配置されている。インク通路273の一端は、小径孔272の底において、円形孔272および円形孔272の共通中心軸上で、開口している。インク通路273は、表面側インク室205(1)と、裏面側インク室206(1)、206(2)、206(3)とをわける、ベース203の水平板部分231の隔壁231P内を伸長する。
この隔壁231Pは、表面側凹部251(1)、裏面側凹部261(1)、261(2)および261(3)の各々のボトムを形成している。凹部251(1)、261(1)、261(2)、261(3)の各々は、図12、図13、図14に示す断面において、四角形状を呈している。
ベース203の水平板部分231は、凹部251(1)、261(1)、261(2)、261(3)が形成された箱型形状を呈している。水平板部分231は、凹部251(1)の四角形状開口の周縁を囲む表面側平坦面231dPSを有している。平坦面231dPSは、一平面上にある。水平板部分231は、凹部261(1)、261(2)、261(3)の四角形状開口のすべてを囲む裏面側平坦面231ePSを有している。平坦面231ePSは、一平面上にある。なお、平坦面231ePSは、凹部261(1)と261(2)の間に位置する平坦面231ePS(1)−(2)および凹部261(2)と262(3)との間に位置する平坦面231(e)PS(2)−(3)を含む。平坦面231ePS(1)−(2)は、凹部261(1)の開口の周縁の一部および、凹部261(2)の開口の周縁の一部の双方に隣接している。また、平坦面231ePS(2)−(3)は、凹部261(2)の開口の周縁の一部および、凹部261(3)の開口の周縁の一部の双方に隣接している。
凹部251(1)に対応する可撓性フィルム253は、微細な蛇腹が形成された蛇腹部253aBを含む畳み込み可能部分253aと、畳み込み可能部分253aの基端部の外周縁を取り囲む平面部分253bを有する。平面部分253bは、超音波融着、熱融着、あるいは接着剤などによって、水平板部分231の平坦面231dPSに取り付けられて、液密状態のシール部が形成されている。
凹部261(1)、261(2)、261(3)に対応する可撓性フィルム263は、複数の折り畳み可能部分263a(1)、263a(2)、263a(3)を有し、折り畳み可能部分263a(1)、263a(2)、263a(3)は、それぞれ、微細な蛇腹が形成された蛇腹部263a(1)B、263a(2)B、263a(3)Bを含む。フィルム263は、更に、折り畳み可能部分263a(1)、263a(2)、263a(3)の基端部の外周縁のすべてを取り囲む平面部分263bを有する。平面部分263bは、超音波融着、熱融着、あるいは接着剤などによって、水平板部分231の平坦面231ePS(平坦面231ePS(1)−(2)、231ePS(2)−(3)を含む)に取り付けられて、液密状態のシール部が形成されている。
図12、図13および図14において、インクがインク室205(1)、206(1)、206(2)、206(3)にフル充填されているときは、フィルム253、263は、実線で示した状態にある。一方、インク室のインクがすべて消費されたときは、フィルム253、263は、2点鎖線で示した状態となる。すなわち、インクの消費に伴い、フィルム253、263は、フィルム自身のフレキシビリティと蛇腹部とにより、実線でしめした状態から、徐々に、凹部251(1)、261(1)、261(2)、261(3)に向かって、移動され、凹部251(1)、261(1)、261(2)、261(3)の内面に沿うように畳み込まれていき(伸ばされていき)、最終的に、2点鎖線で示した状態となる。
カートリッジケース202および/またはベース203の前板部分232および/または後端板部分225に大気連通孔を形成して、インクを消費する際に、インク室205(1),206(1)、206(2)、206(3)に大気圧を作用させる構成としてもよい。また、表面側カートリッジケース202A、裏面側カートリッジケース202Bとベース203を気密状態で接合するとともに、カートリッジケース202および/またはベース203の前板部分232および/または後端板部分225に、圧力空気導入口を形成して、インク室205(1),206(1)、206(2)、206(3)とカートリッジケースとの間の気密空間に、圧力空気を導入して、インクを消費する際に、大気圧以上の圧力をインク室205(1),206(1)、206(2)、206(3)に作用させる構成としてもよい。廃インク回収部材と廃インク回収口を、インクカートリッジ201に追加してもよい。
(変形例3)
図15−17は、変形例3のインクカートリッジ301を示す。図15は、インクカートリッジ301の分解斜視図、図16は、図15における線16−16で見たインクカートリッジ301の縦断面図、図17は、図16における線17−17で見た断面図である。
インクカートリッジ301は、ベース303の複数の表面側凹部351(1)、351(2)、351(3)、351(4)により複数のインク室305(1)、305(2)、305(3)、305(4)を形成して、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローインクを、インク室305(1)、305(2)、305(3)、305(4)に収容している。ベース303の単一の裏面側凹部361(1)により廃インク室306(1)を形成して、廃インク室306(1)に、廃インク吸収部材304を収容している。裏面側凹部361(1)の深さは、表面側凹部351(1)、351(2)、351(3)、351(4)に対し、浅い。ベース303の前板部分332は、廃インク室306(1)に連通する廃インク回収口311を有する。裏面側凹部361(1)の四角形状の周縁を囲む平坦面331ePSに取り付けられるフィルム363は、可撓性を有してなくても良い。ベース303の前板部分332および/または後端板部分325に、裏面側凹部361(1)とフィルム363とにより形成される廃インク室306(1)に連通する大気連通孔を形成する。廃インク回収口311とインク供給口307(1)、307(2)、307(3)、307(4)は、ベース303の前板部分332の中心線より下側にオフセットした位置で、一直線上に配置される。
変形例3のインクカートリッジ301は、上記以外は、変形例2のインクカートリッジ201と同様であるので、詳細な説明は省略する。
表面側カートリッジケース302Aおよび/またはベース303の前板部分332および/または後端板部分325に大気連通孔を形成して、インクを消費する際に、インク室305(1)、305(2)、305(3)、305(4)に大気圧を作用させる構成としてもよい。また、表面側カートリッジケース302Aとベース303を気密状態で接合するとともに、表面側カートリッジケース302Aおよび/またはベース303の前板部分332および/または後端板部分325に、圧力空気導入口を形成して、インク室305(1)、305(2)、305(3)、305(4)と表面側カートリッジケース302Aとの間の気密空間に、圧力空気を導入して、インクを消費する際に、大気圧以上の圧力をインク室305(1)、305(2)、305(3)、305(4)に作用させる構成としてもよい。
本発明を適用した多色用のインクカートリッジを示す外観斜視図である。 図1のインクカートリッジの分解斜視図である。 図1のインクカートリッジの縦断面図である。 図1のインクカートリッジの横断面図である。 図1のインクカートリッジの剛性プラスチック板を示す斜視図である。 変形例1のインクカートリッジの分解斜視図である。 変形例1のインクカートリッジの縦断面図である。 図7における線8−8で見た断面図である。 図7における線9−9でみた断面図である。 変形例2のインクカートリッジの分解斜視図である。 変形例2のインクカートリッジのベースを下からみた斜視図である。 図10における線12−12で見たインクカートリッジの縦断面図である。 図10における線13−13で見たインクカートリッジの縦断面図である。 図14における線14−14で見た断面図である。 変形例3のインクカートリッジの分解斜視図である。 図15における線16−16で見たインクカートリッジの縦断面図である。 図16における線17−17で見た断面図である。
符号の説明
1 インクカートリッジ、2 カートリッジケース、3 剛性プラスチック板、5(1)、5(2) 表面側インク室、6(1)、6(2) 裏面側インク室、51、52 表面側凹部、61、62 裏面側凹部、53、54 表面側可撓性プラスチックフィルム、63、64 裏面側可撓性プラスチックフィルム。

Claims (18)

  1. 剛性プラスチック板と、
    前記剛性プラスチック板の表面に形成されている表面側液体収容室と、
    前記剛性プラスチック板の裏面に形成されている裏面側液体収容室とを有し、
    前記表面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板の表面に形成した表面側凹部と、この表面側凹部を封鎖している立体成形した表面側可撓性プラスチックフィルムとによって形成され、
    前記裏面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板の裏面に形成した裏面側凹部と、この裏面側凹部を封鎖している立体成形した裏面側可撓性プラスチックフィルムとによって形成され、
    前記表面側液体収容室および前記裏面側液体収容室は、前記剛性プラスチック板を挟み、少なくとも一部分が重なる位置に形成されている液体収容容器。
  2. 請求項1において、
    複数の前記表面側液体収容室と複数の前記裏面側液体収容室を有し、
    これら表面側液体収容室および裏面側液体収容室は前記剛性プラスチック板を挟み千鳥状に配列されている液体収容容器。
  3. 請求項2において、
    前記表面側可撓性プラスチックフィルムおよび前記裏面側可撓性プラスチックフィルムは、ほぼ球面状に隆起している隆起部分と、この隆起部分の外周縁を取り囲む平面部分とを備え、
    前記平面部分は、前記剛性プラスチック板の前記表面側凹部を取り囲んでいる表面側平坦面部分および前記裏面側凹部を取り囲んでいる裏面側平坦面部分にそれぞれ接合されている液体収容容器。
  4. 請求項1において、
    前記表面側凹部および裏面側凹部が形成されている前記剛性プラスチック板の部位に、それぞれインク取り出し用の貫通孔が形成されている液体収容容器。
  5. 請求項1において、
    前記表面側および裏面側液体収容室を備えた前記剛性プラスチック板が収納されている液体収容容器を有している液体収容容器。
  6. 請求項5において、
    前記液体収容容器の内部には廃インク回収室が形成されている液体収容容器。
  7. 請求項1において、
    前記表面側可撓性プラスチックフィルムの代わりにゴム製の膜を用いる液体収容容器。
  8. 請求項1において、
    前記裏面側可撓性プラスチックフィルムの代わりにゴム製の膜を用いる液体収容容器。
  9. 第一の凹部と、第一の凹部から分離した第二の凹部と、第一の凹部の開口の周縁を囲む第一の平坦面と、および、第二の凹部の開口の周縁を囲む第二の平坦面とが形成されたベースと、
    前記第一の凹部及び第二の凹部を封止するように前記第一、第二の平坦面に接合された少なくとも一つの可撓性フィルムと、
    前記ベースに形成された、前記第一の凹部と連通する第一の供給口、及び前記第二の凹部に連通する第二の供給口と、を有することを特徴とする液体収容容器。
  10. 請求項9において、
    第一、第二の平坦面は、同一平面上にあり、少なくとも一つの可撓性フィルムは、第一、第二の平坦面の双方に取り付けられる単一の可撓性フィルムを含む液体収容容器。
  11. 請求項10において、
    単一の可撓性フィルムは、第一、第二の凹部に対応する第一、第二の畳み込みが可能な部分と、第一、第二の畳み込みが可能な部分を囲む平坦面部とからなり、平坦面部が、第一、第二の畳み込みが可能な部分の間の境界を有している液体収容容器。
  12. 請求項9において、
    少なくとも一つの可撓性フィルムが、別体である第一、第二の可撓性フィルムを含み、第一の可撓性フィルムが第一の平坦面に取り付けられ、第二の可撓性フィルムが第二の平坦面に取り付けられる液体収容容器。
  13. 請求項12において、
    第一、第二の可撓性フィルムの各々は、畳み込みが可能な部分と、畳み込みが可能な部分を囲む平坦面部とを有する液体収容容器。
  14. 請求項9において、
    第一の凹部が、ベースの第一の側に形成され、第二の凹部が、ベースの第一の側と反対の第二の側に形成する液体収容容器。
  15. 請求項14において、
    第一の凹部と第二の凹部とを部分的に重ねて、ベースの第一の側と第二の側とに、配置する液体収容容器。
  16. 請求項9において、
    第一、第二の凹部は、ベースの同一側に配置する液体収容容器。
  17. 請求項16において、
    第一、第二の供給口は、それぞれ、第一、第二の凹部に第一第二の流路を介して、連通され、第一、第二の流路は、それぞれ、第一、第二の凹部の底部で開口されている液体収容容器。
  18. 請求項9において、
    第一、第二の供給口の各々は、凹部とフィルムとで形成した室に収容した液体を、外部に流出する液体収容容器。
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