JP2004291246A - 液体収容体形成用部材、液体収容体及び液体収容体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクパック形成用部材81は、導出部37、導入部83、袋部を備える。導出部37は、上流側管体42、下流側管体43、第1の弁装置44、第2の弁装置45を備える。第1の弁装置44は、インクパック形成用部材81の内部空間S1から外部への流れを許容するとともに、その逆の流れを遮断する逆止弁として機能する。導入部83はインク流路83cを備え、インクパック形成用部材81の内部空間S1は、インク流路83cを介して外部と連通する。排出段階において、導出部37を介して内部空間S1内の流体を外部に排出し、注入段階において、導入部83のインク流路83cを介して、内部空間S1にインクを注入する。その後、二点鎖線Aと二点鎖線Bとの間を熱溶融して二点鎖線Bの位置で導入部83を切断する。
【選択図】 図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体収容体形成用部材、液体収容体及び液体収容体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式記録装置が広く用いられている。詳しくは、このインクジェット式記録装置は、キャリッジと、同キャリッジに搭載された記録ヘッドと、液体としてのインクを貯留するインクカートリッジとを備えていた。そして、キャリッジを記録媒体に対して相対移動させながら、インクカートリッジから記録ヘッドへとインクを供給し、記録ヘッドに形成されたノズルからインクを吐出することによって、記録媒体に対して印刷が行われるようになっていた。
【0003】
なお、このようなインクジェット式記録装置の中には、キャリッジへの負荷を低減させたり、装置を小型化、薄型化させたりするために、インクカートリッジをキャリッジに搭載させない構成(いわゆるオフキャリッジ型)とするものがあった。そして、このようなインクカートリッジは、通常、インクを収容するインクパックと、同インクパックを収容するケースとを備えていた。
【0004】
インクパックは、インクパック内のインクを外部に排出するためのインク導出部を備え、このインク導出部には、インク供給チューブの一端に設けられているインク導入管が挿入されるようになっていた。すなわち、インクパック内のインクは、インク導出部からインク供給チューブを介して記録ヘッドへと供給されるようになっていた。
【0005】
そして、従来、このようなインクパックの中には、前記導出部に、第1の弁装置と第2の弁装置とを備えるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。詳しくは、第1の弁装置は、円環状のゴムパッキンと、同ゴムパッキンの開口部をコイル状ばね部材の付勢力によって閉塞し得る弁体とを備えていた。そして、インク導出部に前記インク導入管が挿入されていない状態では、ゴムパッキンの開口部が弁体によって閉塞され、インクパックからのインクが、インク導出部から外部に漏れ出さないようになっていた。また、インク導出部にインク導入管が挿入されている状態では、弁体がインク導入管の押圧によって移動され、ゴムパッキンの開口部が開放されているため、インクパックから記録ヘッドへとインクが供給可能とされるようになっていた。
【0006】
一方、第2の弁装置は、前記第1の弁装置よりも上流側に位置しており、導出部の管路を常時閉塞し、かつ、インクパック内のインクの圧力が高くなることによって開放する逆止弁となっていた。従って、インクパックとケースとの間に空気を導入してインクパックを押し潰したり、インクパックの位置を重力方向に上方に位置させたりすることによって、第2の弁装置の上流における圧力が、下流よりも高くなり、第2の弁装置が開弁するようになっていた。
【0007】
従って、例えば、ユーザーがインクパックの前記第1の弁装置を、スクリュードライバ等で強制的に開弁させたとしても、第2の弁装置が閉弁状態となっていることにより、インクパック内のインクが外部に漏れだしたり、外気等がインクパック内に流入したりすることが防がれるようになっていた。その結果、インクパック内におけるインクの脱気度やクリーン度を向上させることができるようになっていた。
【0008】
ところで、上記のように、導出部に2つの弁装置を備えたインクパックを製造する方法としては、図14に示すようなインク注入装置111を使用する方法が知られていた(例えば、特許文献2参照。)。詳しくは、このインクパックの製造方法は、図14に示すように、インクパック112をインク注入装置111の減圧室114内に入れて、その上端が拡開した状態で支持棒115にて支持させるようになっていた。そして、減圧室114の扉117を閉め、止弁118を閉弁状態とするとともに、止弁119を開弁状態とし、真空ポンプ121を作動させて減圧室114、計量管122等を所定の圧力まで減圧させるようになっていた。
【0009】
その後、止弁119を閉弁してから止弁118を開弁して、インクタンク124から気液分離ユニット125を介して所定量のインクを計量管122に分注し、止弁118を閉弁してから、止弁119を開弁するようになっていた。そして、計量管122のピストン122aを押圧して所定量のインクを注入針126を介してインクパックに注入するようになっていた。続いて、押さえ板127,128によってインクパック112の側部を所定の厚みまで押さえてインクの液面を上昇させ、熱圧着具131,132によってインクパックを封止し、気泡の少ないインクを封止したインクパック112が得られるようになっていた。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−192739号公報
【特許文献2】
特開平10−193635号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなインク注入装置111は、減圧室114全体を減圧する必要があり、装置全体が大がかりなものとなって、コスト高となる可能性があった。そこで、インクパック112の上端の拡開している部分からインクを注入するのではなく、拡開している部分を閉じた状態で、インクパック112の導出部112aを介してインクを注入する、という方法が考えられていた。この方法によれば、インクパック112の内部のみを減圧すればよく、減圧室114等を設ける必要がないので、装置全体を小さくすることができるようになっていた。しかし、上記のように、導出部112aに逆止弁が設けられているインクパック112については、導出部112aを介してインクを注入させようとすると、逆止弁が閉弁するように作用するため、インクを注入させることができなくなっていた。従って、導出部112aに逆止弁が備えられているインクパック112については、依然として、上記のようなインク注入装置111を使用しなくてはならず、コスト高を解決することができなくなっていた。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、内部への外気等の流入を防ぐための逆止弁を備えた液体収容体について、その製造コストを低減させることのできる液体収容体形成用部材、液体収容体及び液体収容体の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体を収容可能な液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体形成用部材において、前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記流体の流れを許容する第2の流路を備えた。
【0014】
従って、本発明によれば、液体収容体形成用部材の第2の流路から、液体収容部の内部に液体を注入することが可能となる。すなわち、第1の流路には、逆止弁が設けられているので、第1の流路を介して液体収容部の内部に液体を供給することが不可能となっているが、第2の流路を介して液体を注入することが可能となっている。その結果、液体収容部の内部のみを減圧させてから、第2の流路を介して液体収容部の内部に液体を注入することで、液体をクリーンでかつ脱気された状態で注入させることができる。従って、液体収容部の外部から内部への液体の流れを遮断する逆止弁が設けられていても、液体収容部の内部のみを減圧させることで、クリーンでかつ脱気された状態の液体を液体収容部に注入させることができる。その結果、液体収容部にクリーンでかつ脱気された状態の液体を注入させるために、大きな減圧室等を設ける必要がなくなり、低コストとなる。
【0015】
この液体収容体形成用部材において、前記液体収容部は、袋状に形成された袋部と、前記第1の流路を備えた第1の流路形成部材と、前記第2の流路を備えた第2の流路形成部材とを備え、前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを、前記袋部の開口に挟み込んだ状態で前記開口を封止することにより形成されている。
【0016】
これによれば、第1の流路と第2の流路とが、それぞれ、第1の流路形成部材及び第2の流路形成部材に設けられ、別々の流路形成部材に設けられることとなるので、各流路形成部材の大きさを小さくすることができる。その結果、液体収容部から液体を最大限排出させたときに、袋部と各流路形成部材との間に形成される空間の大きさを小さくすることができる。そして、液体収容部内に残留する液体の量を少なくすることができ、液体を効率的に使用することができる。
【0017】
この液体収容体形成用部材において、前記液体収容部は、袋状に形成された袋部と、前記第1の流路と前記第2の流路とを備えた第3の流路形成部材とを備え、前記第3の流路形成部材を、前記袋部の開口に挟み込んだ状態で前記開口を封止することにより形成されている。
【0018】
これによれば、第1の流路と第2の流路とが、ともに、第3の流路形成部材に設けられ、同じ流路形成部材に設けられることとなるので、部品点数を減らすことができ、コストダウンがはかれる。
【0019】
この液体収容体形成用部材において、前記液体は、インクであり、前記液体収容体形成用部材は、インクジェット式記録装置に使用されるインクパックを形成するためのインクパック形成用部材である。
【0020】
これによれば、インクパックに収容されるインクをクリーン度及び脱気度の高いものとすることができる。その結果、インクパックを使用して印刷を行うインクジェット式記録装置において、良好な印刷を行うことができるようになる。また、インクパックを製造するために、大規模の減圧室等を設ける必要がないため、インクパックの製造コストを低下させることができる。
【0021】
本発明は、液体を収容した液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体において、前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記流体の流れを許容する第2の流路を封止することにより形成された栓体を備えた。
【0022】
従って、本発明によれば、第2の流路を封止する前に、第2の流路から液体収容部の内部に液体を注入することが可能となる。すなわち、第1の流路には、逆止弁が設けられているので、第1の流路を介して液体収容部の内部に液体を供給することが不可能となっているが、封止前の第2の流路を介して液体を注入することが可能となっている。その結果、液体収容部の内部のみを減圧させてから、第2の流路を介して液体収容部の内部に液体を注入することで、液体をクリーンでかつ脱気された状態で注入させることができる。
【0023】
従って、液体収容部の外部から内部への液体の流れを遮断する逆止弁が設けられていても、液体収容部の内部のみを減圧させることで、クリーンでかつ脱気された状態の液体を液体収容部に注入させることができる。その結果、液体収容部にクリーンでかつ脱気された状態の液体を注入させるために、大きな減圧室等を設ける必要がなくなり、低コストとなる。また、液体を注入した後に、第2の流路が封止され、栓体となっているので、第2の流路を介して液体が外部に漏れ出すことを防ぐことができる。
【0024】
この液体収容体において、前記液体収容部は、袋状に形成された袋部と、熱可塑性を有し、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材とを備え、前記栓体は、前記流路形成部材を熱溶着して前記流路形成部材に形成された前記第2の流路を封止することにより形成されている。
【0025】
これによれば、第2の流路が、熱溶着によって封止されているので、第2の流路を確実に封止することができる。そして、第2の流路を介して液体が外部に漏れ出すことをより確実に防ぐことができる。
【0026】
この液体収容体において、前記袋部は、熱可塑性を有しており、前記栓体は、前記流路形成部材を、前記袋部と重なっている位置において、前記袋部とともに熱溶着して前記第2の流路を封止することにより形成されている。
【0027】
これによれば、第2の流路が、流路形成部材が袋部と重なっている位置において袋部とともに熱溶着されることによって封止される。従って、例えば、流路形成部材の熱溶着されている部分およびその周辺が、薄肉になり、封止の信頼性が低下するようなことがあっても、薄肉になっている部分が、袋部によって覆われているので、袋部によって信頼性の低下を補うことができる。その結果、第2の流路における封止の信頼性の低下を防ぐことができる。
【0028】
この液体収容体において、前記液体は、インクであり、前記液体収容体は、インクジェット式記録装置に使用されるインクパックである。
これによれば、インクパックに収容されているインクをクリーン度及び脱気度の高いものとすることができる。その結果、インクパックを使用して印刷を行うインクジェット式記録装置において、良好な印刷を行うことができるようになる。また、インクパックの製造するために、大規模の減圧室等を設ける必要がないため、インクパックの製造コストを低下させることができる。
【0029】
本発明は、液体を収容可能な液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体の製造方法において、前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記液体の流れを許容する第2の流路を介して、前記液体収容部に前記液体を注入する注入段階と、前記第2の流路を前記液体収容部の前記内部に対して非連通状態とする封止段階とを備えた。
【0030】
従って、本発明によれば、第2の流路を介して液体収容部の内部に液体を注入し、その後、第2の流路を封止する。すなわち、第1の流路には、逆止弁が設けられているので、第1の流路を介して液体収容部の内部に液体を供給することが不可能となっているが、液体を液体収容部の内部に供給可能な第2の流路を介して液体を注入するようになっている。その結果、第2の流路を介して液体収容部の内部に液体を注入することで、液体をクリーンな状態で注入させることができる。また、液体を注入した後に、第2の流路が封止されるので、第2の流路を介して液体が外部に漏れ出すことを防ぐことができる。
【0031】
この液体収容体の製造方法において、前記液体収容部は、袋状に形成された袋部と、熱可塑性を有し、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材とを備え、前記注入段階は、前記流路形成部材に形成されている前記第2の流路を介して前記液体収容部に前記液体を注入する段階であり、前記封止段階は、前記流路形成部材を熱溶着して前記第2の流路を封止する段階である。
【0032】
これによれば、第2の流路は、流路形成部材の熱溶着によって封止されるようになる。その結果、第2の流路をより確実に封止することができ、第2の流路を介して外部に漏れ出すことをより確実に防ぐことができる。
【0033】
この液体収容体の製造方法において、前記封止段階は、前記流路形成部材を、前記袋部と重なっている位置において、前記袋部とともに熱溶着して前記第2の流路を封止する段階である。
【0034】
これによれば、第2の流路が、流路形成部材が袋部と重なっている位置において袋部とともに熱溶着されることによって封止される。従って、例えば、流路形成部材の熱溶着されている部分が、薄肉になり、封止の信頼性が低下するようなことがあっても、薄肉になっている部分が、袋部によって覆われているので、袋部によって信頼性の低下を補うことができる。その結果、第2の流路における封止の信頼性の低下を防ぐことができる。
【0035】
この液体収容体の製造法において、前記液体収容体は、袋状に形成された熱可塑性を有する袋部と、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材とを備え、前記注入段階は、前記流路形成部材に形成されている前記第2の流路を介して前記液体収容部に前記液体を注入する段階であり、前記封止段階は、前記袋部を熱溶着して前記第2の流路を前記液体収容体の前記内部に対して非連通状態とする段階である。
【0036】
これによれば、第2の流路が、袋部の熱溶着によって封止されるようになる。従って、熱溶着された部分において袋部を切断することにより、液体収容体から流路形成部材を除去することができる。その結果、液体収容体への液体の注入にのみ必要な流路形成部材を、液体収容体の完成品から除去することができ、液体収容体から無駄な部品を除去することができる。
【0037】
この液体収容体の製造方法において、前記注入段階の前に、前記液体収容部の内部の流体を前記外部に排出する排出段階を備えた。
これによれば、液体収容体へと液体を注入する前に、液体収容体の内部の流体を排出するようになるので、液体収容体内のクリーン度及び脱気度を高めることができる。その結果、液体収容体に、液体を注入させたとき、液体収容体内に注入された液体の純度を高めることができる。
【0038】
この液体収容体の製造方法において、前記排出段階は、前記第1の流路を介して、前記液体収容部の内部の流体を前記外部に排出する段階である。
これによれば、第1の流路を介して液体収容体の内部の流体が排出されるので、第1の流路内における流体も外部に排出することができる。その結果、液体収容体内のクリーン度及び脱気度をより高めることが可能となる。従って、液体収容体に液体を注入させたとき、液体収容体内に注入された液体の純度をより高めることができる。
【0039】
この液体収容体の製造方法において、前記注入段階の前であり、かつ、前記排出段階の後に、前記第2の流路を介して、前記液体収容部に少量の前記液体を注入する少量液体注入段階と、同少量液体注入段階で注入した前記液体を前記外部に排出する少量液体排出段階とを備えた。
【0040】
これによれば、第1の流路を介して、液体収容体の内部の流体が排出された後に、第2の流路を介して、液体収容部に少量の液体を注入し、その後、その少量の液体を外部に排出するようにした。そして、その後、第2の流路を介して液体収容体に液体を注入し、第2の流路を封止するようにした。従って、液体収容部に少量の液体を注入し、排出することで、液体収容部内に残留している塵埃や空気等を液体とともに、外部に排出することができる。その結果、液体収容部の内部を洗浄することができ、液体収容体内に注入された液体の純度をより高めることができる。
【0041】
この液体収容体の製造方法において、前記封止段階は、前記第2の流路を、前記液体収容体の重力方向の上部に位置させた状態で、前記第2の流路を封止する段階である。
【0042】
これによれば、第2の流路を封止するときに、第2の流路が液体収容体の重力方向の上部に位置した状態となるようにした。従って、第2の流路を封止する前において、液体収容部内に残留する空気は、液体よりも比重が小さい場合には、液体収容体の重力方向の上部、すなわち、第2の流路内に移動するようになる。そして、この状態で、第2の流路を、液体が充填されている部分、すなわち、空気が充填されている部分よりも下方において封止することにより、液体収容部内の空気を液体収容部から隔離することができる。そして、液体収容部内の脱気度をより高めることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
【0044】
図1に示すように、本実施形態におけるインクジェット式記録装置としてのプリンタ11は、上側が開口する略直方体形状のフレーム12を備え、そのフレーム12に紙送り部材13が架設されており、図示しない紙送り機構により、この紙送り部材13上を紙が給送されるようになっている。そして、フレーム12には前記紙送り部材13に平行にガイド部材14が架設されており、このガイド部材14には、前記キャリッジ15がガイド部材14の軸線方向に移動可能に挿通支持されている。また、このキャリッジ15は、タイミングベルト16を介してキャリッジモータ17に接続されており、キャリッジモータ17の駆動によってガイド部材14に沿って往復移動されるようになっている。
【0045】
キャリッジ15の紙送り部材13に対向する面には、記録ヘッド20が搭載されている。そして、キャリッジ15上には記録ヘッド20に液体としてのインクを供給するバルブユニット21K,21C,21M,21Y(なお、以下においては各バルブユニットを代表して、単に「バルブユニット21」として示す場合もある)が搭載されている。このバルブユニット21K,21C,21M,21Yは、本実施形態においては、その内部にインクを一時的に貯留するために、インクの色(ブラックインクKと、シアンC、マゼンタM、イエローYの各カラーインク)に対応して4個具備されている。
【0046】
なお、記録ヘッド20の下面には図示しないノズル吐出口が設けられており、図示しない圧電素子の駆動により、前記バルブユニット21K,21C,21M,21Yから記録ヘッド20にインクが供給され、紙上にインク滴が吐出され、印刷が行われるようになっている。
【0047】
フレーム12の右端にはカートリッジホルダ22が形成されている。そして、このカートリッジホルダ22には、インクカートリッジ23K,23C,23M,23Y(なお、以下においては各インクカートリッジを代表して、単に「インクカートリッジ23」として示す場合もある)が着脱可能に備えられている。このインクカートリッジ23K,23C,23M,23Yは、それぞれ、内部が気密状態となっている外郭ケース24と、その内側に設けられた液体収容体としてのインクパック25(図2参照)とによって構成されている。インクパック25には、前記したブラックインクKおよび各カラーインクC,M,Yがそれぞれ貯留されているが、その詳細な説明については後述する。
【0048】
インクカートリッジ23のインクパック25と前記バルブユニット21とは、可撓性を有する供給チューブ28K,28C,28M,28Y(なお、以下においては各供給チューブを代表して、単に「供給チューブ28」として示す場合もある)を介して接続されている。
【0049】
また、イエローインクYを貯留するインクカートリッジ23Yの上には、加圧ポンプ33が備えられており、この加圧ポンプ33は、空気供給チューブ34K,34C,34M,34Yを介して前記インクカートリッジ23K,23C,23M,23Yの各外郭ケース24と接続されている。従って、加圧ポンプ33により加圧された空気は、空気供給チューブ34K,34C,34M,34Yを介して各インクカートリッジ23K,23C,23M,23Yの外郭ケース24内に導入され、外郭ケース24とインクパック25との間に形成された図示しない空間に導入されるようになっている。
【0050】
すなわち、加圧ポンプ33が駆動されることにより、外郭ケース24内に空気が導入されると、インクパック25は加圧空気によって押し潰されるようになる。そして、インクパック25に貯留されている各インクは、供給チューブ28K,28C,28M,28Yを介してバルブユニット21K,21C,21M,21Yに供給されるようになる。
【0051】
次に、前記インクパック25について、図2〜図6に従って詳しく説明する。図2及び図3に示すように、本実施形態におけるインクパック25は、第1の流路形成部材としての導出部37、栓体としての導入部38、袋部41を備える。導出部37は、インクパック25内のインクを外部に流出させるためのものとなっており、図4に示すように、上流側管体42、下流側管体43、第1の弁装置44、第2の弁装置45を備える。
【0052】
上流及び下流側管体42,43は、インクの流れ方向において、上流側から下流に向かって並ぶようにして設けられており、本実施形態においては、プラスチック等の合成樹脂により形成されている。そして、図4及び図5に示すように、上流側管体42は、上流側から順に、フランジ部46、嵌合凸部47を一体に備える。フランジ部46は、本実施形態では、断面楕円形状に形成されており、左右一対の挿通孔46a,46bが設けられている。嵌合凸部47は、その断面形状が、前記フランジ部46よりも小さい楕円形状に形成されている。
【0053】
また、図4に示すように、上流側管体42には、上流側の上端面42aから下流に向かって、第1の導出孔48が凹設されており、さらに、この第1の導出孔48から下流に向かって、第1の導出孔48よりも小径の第2の導出孔49が形成されている。そして、図4及び図5に示すように、上流側管体42の下端面42bには、左右一対の凹部51,52が設けられている。
【0054】
下流側管体43は、上流側から順に、嵌合部55、舟形部56、円筒部57を一体に備える。嵌合部55は、その上端面55aから下流に向かって、嵌合凹部59が凹設されており、この嵌合凹部59は、前記上流側管体42の嵌合凸部47が嵌合可能な形状を有している。そして、嵌合部55には、その上端面55aから上流側に向かって、左右一対の位置決め用凸部61a,61bが突設されている。
【0055】
また、この嵌合凹部59の底面59aからは、下流に向かって第3の導出孔62が形成されている。さらに、嵌合部55の嵌合凹部59の底面59aからは、第3の導出孔62を挟むようにして左右一対の凸部63,64が上流側に向かって突設されている。そして、以上のように構成された嵌合部55には、嵌合凹部59に上流側管体42の嵌合凸部47が嵌合されるとともに、位置決め用凸部61a,61bが、上流側管体42の挿通孔46a,46bに挿通される。また、嵌合凹部59の凸部63,64は、上流側管体42の凹部51,52に嵌合される。そして、この結果、上流側管体42と下流側管体43との間の位置決めがなされている。また、嵌合部55の第3の導出孔62は、上流側管体42の第2の導出孔49と連通する。
【0056】
舟形部56は、図2及び図3に示すように、断面形状が舟形となるように形成されている。また、円筒部57は、略円筒形状に形成されている。そして、これら舟形部56及び円筒部57には、図4に示すように、その下流側の下端面57aから上流に向かって、第4の導出孔66が形成されている。そして、この第4の導出孔66は、前記嵌合部55の第3の導出孔62と連通しており、前記第3の導出孔62よりも大径となっている。従って、第1の導出孔48、第2の導出孔49、第3の導出孔62、第4の導出孔66は連通しており、第1の流路が形成されるようになっている。また、第4の導出孔66は、その内周面に、インクの流れ方向に沿うようにして、左右一対の溝66a,66bが凹設されている。
【0057】
第1の弁装置44は、弁座68と第1の弁体69とを備える。弁座68は、上流側管体42の下端面42bにおいて、前記第2の導出孔49を囲むようにして環状に突設されている。また、第1の弁体69は、円盤形状に形成されており、前記第3の導出孔62内に位置している。そして、第1の弁体69は、インクの流れ方向に沿って、前記第3の導出孔62内を移動可能となっており、下流側管体43に設けられている凸部63,64によって、インクの流れと直交する方向における移動が規制されるようになっている。
【0058】
そして、この第1の弁体69は、第2の導出孔49内における流体と、第3の導出孔49内における流体の圧力差によって、移動するようになっている。すなわち、第2の導出孔49内における流体の圧力が、第3の導出孔62内における流体の圧力よりも低いとき、すなわち、第3の導出孔62から第2の導出孔49へと流体が移動しようとしているときには、第3の導出孔62内の流体によって上流側に押圧され移動する。そして、第1の弁体69が最も上流側に位置した状態においては、第1の弁体69は、前記弁座68に当接し、第2の導出孔49と第3の導出孔62との間の流路を遮断するようになっている。
【0059】
また、その逆、すなわち、第2の導出孔49から第3の導出孔62へと流体が移動しようとしているときには、第1の弁体69は、下流側に移動する。その結果、第2の導出孔49と第3の導出孔62とは連通する。すなわち、この第1の弁装置44は、第2の導出孔49から第3の導出孔62への流体の流れを許容するとともに、その逆の流れを遮断する、逆止弁として機能するようになっている。
【0060】
第2の弁装置45は、ゴムパッキン71,第2の弁体72、コイルばね73を備える。ゴムパッキン71は、本実施形態においては、円環状に形成されており、第4の導出孔66に対して、同心円に位置するように、また、最下流に位置するようにして埋め込まれている。
【0061】
第2の弁体72は、本実施形態においては、略円柱形状に形成されており、前記第4の導出孔66内において、前記ゴムパッキン71よりも上流側に位置している。そして、第2の弁体72は、第4の導出孔66の内周面に沿ってインクの流れ方向に摺動可能となるような大きさを有している。また、第2の弁体72は、第4の導出孔66内において、最も下流側に位置することによって、前記ゴムパッキン71に当接し、第4の導出孔66の流路を遮断するようになっている。さらに、第2の弁体72は、その上流側の端部がテーパ状となっている。
【0062】
コイルばね73は、圧縮ばねとなっており、前記第4の導出孔66内において、前記第2の弁体72よりも上流側に位置している。そして、コイルばね73は、その外径が、前記第2の弁体72とほぼ同じ大きさとなっており、その上流側の端部が前記下流側管体43の壁面に当接するとともに、下流側の端部が前記第2の弁体72のテーパ状となっている部分に当接している。すなわち、コイルばね73は、第4の導出孔66の内側において、伸縮可能となっており、前記第2の弁体72を前記ゴムパッキン71に当接する方向に付勢している。そして、コイルばね73に対して外部から力が加わっていない状態においては、前記第2の弁体72は、コイルばね73の付勢力によってゴムパッキン71に当接した状態とされており、第4の導出孔66の流路が遮断された状態となっている。
【0063】
図2〜図4に示すように、導入部38は、チューブ形状に形成されており、一端38aが開放されており、他端38bが熱溶着により閉塞された状態となっている。
【0064】
袋部41は、本実施形態では、同じ大きさの2枚の長方形形状を有するラミネートフィルム41a,41bによって構成されている。そして、このラミネートフィルム41a,41bは、例えば、ガスバリア性を有するポリエチレンフィルムにアルミニウムを蒸着することにより形成されている。そして、袋部41は、前記2枚のラミネートフィルム41a,41bを重ね合わせて、それぞれの4辺の縁を熱溶着することにより袋状に形成され、図4に示すように、内部空間S1を形成する。そして、この内部空間S1には、インクが収容されている。なお、袋部41の4辺のうちの1つである辺75については、前記導出部37と導入部38とが挟まれた状態で熱溶着されている。
【0065】
詳しくは、図2及び図3に示すように、前記導出部37は、ラミネートフィルム41a,41bによって形成された開口に、舟形部56が挟み込まれ、舟形部56の外周面に対してがラミネートフィルム41a,41bが片面ずつ熱溶着されることによってこの袋部41に挟み込まれている。そして、導出部37のうち、円筒部57のみが外部に露出した状態となっている。従って、図4に示すように、袋部41の内部空間S1と、導出部37の第1の導出孔48とは連通された状態となっている。
【0066】
また、図2〜図4に示すように、前記導入部38は、その外周面に対してラミネートフィルム41a,41bによって形成された開口が熱溶着されることによってこの袋部41に挟み込まれている。そして、導入部38のうち、開放された状態となっている一端38aについては、袋部41の内部空間S1と連通された状態となっている。また、導入部38のうち、閉塞された状態となっている他端38b側のみが外部に露出した状態となっている。従って、インクパック25の内部空間S1に収容されているインクは、この導入部38を介して外部に流出しないようになっている。
【0067】
そして、以上のように構成されているインクパック25は、その導出部37に前記供給チューブ28(図1参照)が接続されていない状態においては、インクパック25の前記第2の弁装置45は、閉じた状態となっている。従って、この状態においては、インクパック25内のインクは、前記第1の弁装置44の開閉と関係なく、導出部37を介して外部に流出しないようになっている。
【0068】
一方、図6に示すように、インクパック25の導出部37に対して、供給針77を挿入させた場合には、前記第2の弁体72が、供給針77によって上流方向に向かって押圧され、移動する。そして、第2の弁装置45が開状態となる。なお、供給針77は、供給チューブ28(図1参照)の端部に設けられている中空状の針であり、その先端部に複数の供給孔77aが形成されている。従って、この状態においては、第4の導出孔66と供給針77の供給孔77aとが連通状態となる。
【0069】
そして、この状態において、前記加圧ポンプ33(図1参照)が駆動されることにより、インクパック25の袋部41(図2及び図3参照)が押し潰されると、袋部41内のインクによって、前記第1の弁体69が下流に向かって押圧され、第1の弁装置44は開状態とされる。この結果、第1〜第4の導出孔48,49,62,66は全て連通状態となり、インクパック25の内部空間S1に充填されていたインクは、これらの第1〜第4の導出孔48,49,62,66を介して供給チューブ28(図1参照)へと供給されるようになる。
【0070】
なお、このとき、供給針77の外径は、前記ゴムパッキン71の内径に対して閉まり嵌めとなるような大きさを有しており、ゴムパッキン71と供給針77との間の隙間からインクが外部に漏れ出すことが防がれるようになっている。
【0071】
他方、インクパック25の導出部37に対して、前記供給針77ではなく、図示しないスクリュードライバ等が強制的に挿入された場合にも、第2の弁装置45は開状態となる。しかし、このような場合には、前記第1の弁装置44を閉状態に維持することにより、内部空間S1内に空気が流入することを防ぐことが可能となっている。
【0072】
次に、上記のように構成されたインクパック25を形成するためのインクパック形成用部材について、図7〜図9に従って説明する。なお、このインクパック形成用部材81は、加工されることによってインクパック25となるものであり、インクパック25と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図7〜図9に示すように、本実施形態におけるインクパック形成用部材81は、導出部37、流路形成部材及び第2の流路形成部材としての導入部83、袋部41を備え、その内部空間S1(図9参照)には、インクが充填されていない状態となっている。そして、導出部37、導入部38、袋部41によって液体収容部が構成されている。図9に示すように、導入部83は、チューブ形状に形成されており、その一端83a及び他端83bがともに開放された状態となっている。また、導入部83は、袋部41の辺75において、袋部41のラミネートフィルム41a,41bによって形成される開口に挟み込まれた状態で熱溶着されている。なお、このとき、導入部83の他端83bは外部に露出された状態となっているとともに、一端83aは袋部41の内部空間S1と連通された状態となっている。
【0074】
すなわち、このインクパック形成用部材81は、その内部空間S1が、導入部83に形成されている第2の流路としてのインク流路83cを介して外部と連通された状態となっている。
【0075】
次に、上記のように構成されたインクパック形成用部材81を使用して、インクパック25を製造するためのインク注入装置について、図10に従って説明する。
【0076】
図10に示すように、インク注入装置85は、インクタンク86、気液分離ユニット87、計量管88、廃タンク89、熱圧着具90を備える。インクタンク86は、インクを貯留している。気液分離ユニット87は、真空ポンプ87aと、図示しない中空糸束を備え、インクの脱気を行うためのユニットとなっている。そして、前記インクタンク86と気液分離ユニット87とは、第1のインク流路91を介して接続されており、第1のインク流路91上には、インク圧送用ポンプ92が設けられている。
【0077】
また、計量管88は、シリンダ88aとピストン88bとを備える。そして、計量管88と前記気液分離ユニット87とは、第2のインク流路93を介して接続されている。そして、第2のインク流路93の流路途中には、第1の止弁94が設けられている。また、第2のインク流路93からは、第1の止弁94よりもシリンダ88a寄りの位置において、第3のインク流路95が分岐するようにして設けられている。そして、この第3のインク流路95の終端部には、前記インクパック形成用部材81の導入部83と接続するための接続部材95aが設けられている。また、第3のインク流路95の流路途中には、第2の止弁96が設けられている。
【0078】
廃タンク89は、不要となったインク等を貯留するためのものである。そして、廃タンク89には、第4のインク流路97の一端が接続されており、この第4のインク流路97の流路途中には、吸引ポンプ98と第3の止弁99とが設けられている。また、第4のインク流路97の他端には、図示しない中空針が設けられている。この中空針は、前記供給チューブ28に設けられている供給針77(図6参照)と同様のものである。
【0079】
熱圧着具90は、前記インクパック形成用部材81の導入部83を前記第3のインク流路95の接続部材95aに接続させたときに、導入部83付近に位置するようにして設けられている。そして熱圧着具90は、導入部83を熱溶融して封止することが可能となっている。
【0080】
次に、以上ように構成されたインク注入装置85を使用して、インクパック25を製造する方法について、図9及び図10に従って説明する。
まず、図10に示すように、インクパック形成用部材81を用意し、インクパック形成用部材81の導入部83と、第3のインク流路95の接続部材95aとを接続する。また、インクパック形成用部材81の導出部37に、第4のインク流路97の他端に設けられている中空針を挿入する。なお、本実施形態においては、このインクパック形成用部材81は、導入部83が、重力方向に最も上部に位置するようにして接続部材95a及び中空針に接続されているものとする。
【0081】
そして、排出段階に移り、第1の止弁94を閉弁状態とするとともに、第2及び第3の止弁96,99を開弁状態とし、前記吸引ポンプ98を稼働させる。すると、前記第4のインク流路97、インクパック形成用部材81、第3のインク流路95、第2のインク流路93、計量管88の内部が順次減圧される。そして、所定の圧力までの減圧が進行されると、第2及び第3の止弁96,99を閉弁状態とした後に、第1の止弁94を開弁状態とする。
【0082】
そして、インク圧送用ポンプ92を稼働させると、前記インクタンク86に貯留されているインクが、第1のインク流路91を介して気液分離ユニット87に供給され脱気される。そして、脱気されたインクが、第2のインク流路93を介して計量管88に供給される。続いて、少量液体注入段階に移り、第1の止弁94を閉弁状態とするとともに、第2の止弁96を開弁状態とし、計量管88のピストン88bを所定量押圧して、微量のインクを排出する。すると、排出された微量のインクは、第2及び第3のインク流路93,95を介してインクパック形成用部材81内に供給される。
【0083】
そして、インクパック形成用部材81内に、微量のインクが供給されると、少量液体排出段階に移り、第2の止弁96を閉弁状態とした後に、第3の止弁99を開弁状態とし、吸引ポンプ98を稼働させる。すると、インクパック形成用部材81内に存在するインクが、第4のインク流路97を介して廃タンク89に移送される。なお、このとき、インクとともに、インクパック形成用部材81内にわずかに存在していた、塵埃や空気等も廃タンク89に移送され、インクパック形成用部材81内の脱気度及びクリーン度が向上するようになっている。
【0084】
続いて、第3の止弁99を閉弁状態として、インクパック形成用部材81の導出部37から、第4のインク流路97の他端に設けられている中空針を抜く。そして、注入段階に移り、第2の止弁96を開弁状態とし、計量管88のピストン88bを押圧して、シリンダ88a内のインクを全てインクパック形成用部材81に移送する。その後、封止段階に移り、第2の止弁96を閉弁状態とし、熱圧着具90にて、インクパック形成用部材81の導入部83を熱溶融する。なお、導入部83は、熱圧着具90によって、図9に示すように、二点鎖線Aと二点鎖線Bとの間の範囲が熱溶融される。そして、本実施形態においては、この二点鎖線Aと二点鎖線Bとの間の範囲にまで、インクが注入されているものとする。そして、その後、二点鎖線Bの位置において、導入部83を切断されることにより、図2〜図4に示すようなインクパック25が完成される。
【0085】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、インクパック形成用部材81に、インク流路83cを有する導入部83を設けるようにし、インクパック形成用部材81の内部空間S1が、このインク流路83cを介して外部と連通された状態となるようにした。従って、注入段階において、インクパック形成用部材81に、このインク流路83cを介してインクを注入することが可能となる。そして、その結果、インクパック形成用部材81の内部空間S1のみを減圧させてから、インク流路83cを介してインクパック形成用部材81の内部にインクを注入することで、クリーンでかつ脱気された状態のインクをインクパック形成用部材81の内部に注入させることができる。
【0086】
従って、インクパック形成用部材81に、内部空間S1への流体の流入を遮断する第1の弁装置44が備えられていても、このインク流路83cを介して内部空間S1への液体を流入させることができる。そして、インクパック形成用部材81の内部空間S1のみを減圧させることで、クリーンでかつ脱気された状態の液体を内部空間S1に注入させることができる。その結果、内部空間S1にクリーンでかつ脱気された状態のインクを注入させるために、インクパック形成用部材81そのものを収容可能な減圧室等を設ける必要がなくなり、低コストにインクパック25を製造することができる。
【0087】
(2)上記第1の実施形態では、インクパック形成用部材81の導出部37と導入部83とが、別々の部材に設けられるようにした。従って、インクパック25の導出部37と導入部38とが、別々の部材となり、導出部37、導入部38のそれぞれの大きさを小さくすることができる。その結果、インクパック25からインクを最大限排出させるときに、インクパック25の袋部41と、導出部37及び導入部38との間に形成される空間の大きさを小さくすることができる。そして、インクパック25内に残留するインクの量を少なくすることができ、インクを効率的に使用することができる。
【0088】
(3)上記第1の実施形態では、封止段階において、インクパック形成用部材81の導入部83を熱溶着することによって、導入部83のインク流路83cを封止し、インクパック25の導入部38を形成するようにした。従って、インク流路83cを確実に封止し、導入部83を介してインクパック25内のインクが外部に漏れ出すことをより確実に防ぐことができる。
【0089】
(4)上記第1の実施形態では、注入段階において、インクパック形成用部材81の内部空間S1にインクを注入する前に、排出段階において、内部空間S1内の流体を排出するようにした。従って、インクパック形成用部材81にインクを注入する前に、内部空間S1のクリーン度および脱気度を高めることができる。その結果、注入段階において、内部空間S1にインクを注入させたときに、内部空間S1に注入されたインクの純度を高めることができる。
【0090】
(5)上記第1の実施形態では、排出段階において、導出部37を介してインクパック形成用部材81の内部空間S1内の流体を排出させるようにした。従って、導出部37の、第1の弁装置44と第2の弁装置45との間の空間における流体も、外部に排出されるようになる。その結果、インクパック形成用部材81内のクリーン度及び脱気度をより高めることが可能となる。従って、インクパック形成用部材81にインクを注入させたとき、インクパック形成用部材81内に注入されたインクの純度をより高めることができる。
【0091】
(6)上記第1の実施形態では、排出段階の後に、少量液体注入段階に移り、インクパック形成用部材81の内部空間S1内に、少量のインクを注入し、その後、少量液体排出段階に移って、内部空間S1内の少量のインクを廃タンク89に排出するようにした。そして、その後、導入部83を介してインクパック形成用部材81の内部にインクを注入し、封止段階に移るようにした。
【0092】
従って、インクパック形成用部材81の内部空間S1に、少量のインクを注入してから排出することで、内部空間S1内に残留している塵埃や空気等をインクとともに廃タンク89に排出することができる。その結果、インクパック形成用部材81の内部空間S1内を洗浄することができ、完成品としてのインクパック25内に注入されているインクの純度をより高めることができる。
【0093】
(7)上記第1の実施形態では、封止段階において、インクパック形成用部材81の導入部83は、インクパック形成用部材81の中で、重力方向の最も上部に位置するようにした。そして、注入段階において、導入部83の二点鎖線Aと二点鎖線Bとの間の範囲にまで、インクを注入し、封止段階において、熱圧着具90によって、この二点鎖線Aと二点鎖線Bとの間の範囲において熱溶着を行い、導入部83のインク流路83cを封止するようにした。
【0094】
従って、インクパック形成用部材81の内部空間S1に空気が残留していた場合には、空気はインクよりも比重が小さいため、インクパック形成用部材81の重力方向の最上部、すなわち、導入部83に向かって移動するようになる。そして、本実施形態においては、封止段階において、導入部83を、インクの存在する部分において、熱溶着するようにしたので、残留する空気は、熱溶着する部分よりも重力方向の上部に位置するようになり、完成品としてのインクパック25内には存在しないようになる。その結果、インクパック25内のインクの脱気度をより高めることができる。
【0095】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図11に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態におけるインクパック形成用部材81の構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0096】
図11に示すように、本実施形態におけるインクパック形成用部材100は、導出部37、導入部83、袋部41を備える。そして、袋部41は、その辺75から、前記導出部37と同じ方向に向かって延びるようにして、短冊部101を備える。そして、この短冊部10は、前記ラミネートフィルム41a,41bと一体となっている短冊形フィルム101a,101bを、その縁にて熱溶着することにより形成されるようになっており、その内側には、前記内部空間S1と連通する延設空間S2が形成されるようになっている。
【0097】
そして、導入部83は、前記短冊部101の辺のうちの一つ、例えば、辺102において、短冊部101の短冊形フィルム101a,101bの間に挟み込まれた状態で熱溶着されている。なお、このとき、導入部83の他端81bは外部に露出された状態となっているとともに、一端81aは短冊部101の延設空間S2と連通された状態となっている。
【0098】
従って、本実施形態におけるインクパック形成用部材100は、その内部空間S1が、延設空間S2及び導入部82を介して外部と連通された状態となっている。
【0099】
次に、以上のように構成されたインクパック形成用部材100を使用して、インクパック25を製造する方法について説明する。なお、本第2の実施形態は、第1の実施形態におけるインクパック形成用部材81の構成を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0100】
排出段階から注入段階までの処理は、本実施形態においては、上記第1の実施形態と同様となっている。従って、本実施形態においては、封止段階の説明のみ行う。本実施形態においては、前記注入段階までの処理を行うと、封止段階に移り、第2の止弁96を閉弁状態とし、熱圧着具90にて、インクパック形成用部材100の袋部41を熱溶融する。詳しくは、袋部41は、熱圧着具90によって、図11の二点鎖線Cと二点鎖線Dとによって囲まれた範囲が熱溶着される。そして、その後、二点鎖線Dの位置において、袋部41が切断されることにより、インクパック25が完成される。
【0101】
なお、本実施形態において作成されるインクパック25は、袋部41が、二点鎖線Dの位置において切断されるようになっているため、第1の実施形態のインクパック25に備えられていたような導入部38(図2参照)は、切断時に袋部41から切り離されるようになっている。その結果、本実施形態におけるインクパック25の完成品には、無駄な部品が設けられないようになっている。
【0102】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1),(2),(4)〜(6)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(8)上記第2の実施形態では、インクパック形成用部材100は、袋部41に短冊部101を延設するようにし、その内部空間S1が、延設空間S2及び導入部82を介して外部と連通された状態となるようにした。そして、封止段階において、インクパック形成用部材100の袋部41を、二点鎖線Cと二点鎖線Dとの間の範囲において熱溶着することによって、導入部83のインク流路83cを封止するようにした。また、二点鎖線Dの位置において切断することにより、導入部83は、インクパック形成用部材100から切り離されるようにした。
【0103】
従って、インクパック形成用部材100へのインクの注入にのみ必要な部材である導入部83を、インクパック25の完成品から除去することができる。すなわち、インクパック25の完成品から無駄な部品を除去することができる。
【0104】
(9)上記第2の実施形態では、封止段階において、インクパック形成用部材100の導入部83は、インクパック形成用部材100の中で、重量方向の最上部に位置するようにした。そして、注入段階において、袋部41の二点鎖線Cと二点鎖線Dとの間の範囲にまで、インクを注入し、封止段階において、熱圧着具90によって、この二点鎖線Cと二点鎖線Dとの間の範囲において熱圧着を行い、インクパック形成用部材100の内部空間S1を外部に対して封止するようにした。
【0105】
従って、インクパック形成用部材100の内部空間S1に空気が残留していた場合には、空気はインクよりも比重が小さいため、インクパック形成用部材100の重力方向の最上部、すなわち、導入部83に向かって移動するようになる。そして、本実施形態においては、封止段階において、袋部41を、インクの存在する部分において、熱溶着するようにしたので、残留する空気は、熱溶着する部分よりも重量方向の上部に位置するようになり、完成品としてのインクパック25内には存在しないようになる。その結果、インクパック25内のインクの脱気度をより高めることができる。
【0106】
なお、上記第1及び第2の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、封止段階において、インクパック形成用部材81の導入部83のうち、二点鎖線Aと二点鎖線Bとによって囲まれた範囲、すなわち、袋部41と重なっていない部分を、熱溶着するようにした。これを、図9に示すように、インクパック形成用部材81の導入部83のうち、二点鎖線Eと二点鎖線Fとによって囲まれた範囲、すなわち、袋部41と重なっている部分を、熱溶着するようにしてもよい。そして、二点鎖線Fの位置において切断するようにしてもよい。
【0107】
このようにすれば、例えば、導入部83のうち、熱溶着されている部分及びその周辺が、薄肉になり、封止の信頼性が低下するようなことがあっても、薄肉なっている部分が、袋部41によって覆われるようになるので、袋部によって信頼性の低下を補うことができる。その結果インク流路83cの信頼性の低下を防ぐことができる。
【0108】
・上記第1の実施形態では、インクパック形成用部材81の導出部37及び導入部38は別体に設けるようにした。これを、図12及び図13に示すように、第3の流路形成部材としての導出部103に一体となるように導入部104を設けるようにしてもよい。そして、このような場合には、導入部104を、導出部103の舟形部105に設けるようにしてもよい。このようにすれば、インクパック形成用部材81の部品点数を減らすことができ、コストダウンがはかれる。
【0109】
・上記第1の実施形態では、インクパック形成用部材81の導入部83は、袋部41の辺75の位置に設けるようにした。これを、袋部41のその他の辺に設けるようにしてもよい。
【0110】
・上記第2の実施形態では、インクパック形成用部材100の導入部83は、短冊部101の辺102の位置に設けるようにした。これを、短冊部101のその他の辺に設けるようにしてもよい。
【0111】
・上記第1及び第2の実施形態では、封止段階は、導入部83、あるいは、袋部41を熱圧着具90によって熱溶着することにより封止する段階としたが、その他の手段によって封止するようにしてもよい。例えば、接着剤により封止するようにしてもよい。
【0112】
・上記第1及び第2の実施形態では、インクパック25を製造する方法として、注入段階と封止段階に加えて、排出段階及び少量液体注入段階、少量液体排出段階を備えるようにした。これを、注入段階と封止段階のみとしてもよい。また、注入段階と封止段階に加えて、排出段階のみを備えるようにしてもよい。さらに、注入段階と封止段階に加えて、少量液体注入段階、少量液体排出段階のみを備えるようにしてもよい。
【0113】
・上記第1及び第2の実施形態では、排出段階において、導出部37を介してインクパック形成用部材81の内部空間S1内の流体を外部に排出するようにした。これを、導入部83を介して排出するようにしてもよい。
【0114】
・上記第1及び第2の実施形態では、液体収容体及び液体収容体形成用部材として、インクを吐出するプリンタ11(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)に備えられているインクパック25及びインクパック形成用部材81,100を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に備えられている液体収容体及び液体収容体形成用部材に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体もインク以外の液体を使用するようにしてももちろんよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるプリンタの平面図。
【図2】同じく、インクパックの斜視図。
【図3】同じく、インクパックの正面図。
【図4】同じく、インクパックの部分断面図。
【図5】同じく、上流側管体の底面図。
【図6】同じく、インクパックの作用図。
【図7】同じく、インクパック形成用部材の斜視図。
【図8】同じく、インクパック形成用部材の正面図。
【図9】同じく、インクパック形成用部材の部分断面図。
【図10】同じく、インク注入装置の概念図。
【図11】第2の実施形態におけるインクパック形成用部材の部分断面図。
【図12】別例におけるインクパック形成用部材の正面図。
【図13】別例におけるインクパック形成用部材の部分断面図。
【図14】従来におけるインク注入装置の概念図。
【符号の説明】
11…インクジェット式記録装置としてのプリンタ、25…液体収容体としてのインクパック、37…第1の流路形成部材としての導出部、38…栓体としての導入部、41…袋部、44…逆止弁としての第1の弁装置、48…第1の流路を構成する第1の導出孔、49…第1の流路を構成する第2の導出孔、62…第1の流路を構成する第3の導出孔、66…第1の流路を構成する第4の導出孔、81,100…液体収容体形成用部材としてのインクパック形成用部材、83…流路形成部材及び第2の流路形成部材としての導入部、83c…第2の流路としてのインク流路、103…第3の流路形成部材としての導出部。
Claims (16)
- 液体を収容可能な液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体形成用部材において、
前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記流体の流れを許容する第2の流路を備えたことを特徴とする液体収容体形成用部材。 - 請求項1に記載の液体収容体形成用部材において、
前記液体収容部は、
袋状に形成された袋部と、
前記第1の流路を備えた第1の流路形成部材と、
前記第2の流路を備えた第2の流路形成部材と
を備え、
前記第1の流路形成部材と前記第2の流路形成部材とを、前記袋部の開口に挟み込んだ状態で前記開口を封止することにより形成されていることを特徴とする液体収容体形成用部材。 - 請求項1に記載の液体収容体形成用部材において、
前記液体収容部は、
袋状に形成された袋部と、
前記第1の流路と前記第2の流路とを備えた第3の流路形成部材と
を備え、
前記第3の流路形成部材を、前記袋部の開口に挟み込んだ状態で前記開口を封止することにより形成されていることを特徴とする液体収容体形成用部材。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の液体収容体形成用部材において、
前記液体は、インクであり、
前記液体収容体形成用部材は、インクジェット式記録装置に使用されるインクパックを形成するためのインクパック形成用部材であることを特徴とする液体収容体形成用部材。 - 液体を収容した液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体において、
前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記流体の流れを許容する第2の流路を封止することにより形成された栓体を備えたことを特徴とする液体収容体。 - 請求項5に記載の液体収容体において、
前記液体収容部は、
袋状に形成された袋部と、
熱可塑性を有し、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材と
を備え、
前記栓体は、前記流路形成部材を熱溶着して前記流路形成部材に形成された前記第2の流路を封止することにより形成されていることを特徴とする液体収容体。 - 請求項6に記載の液体収容体において、
前記袋部は、熱可塑性を有しており、
前記栓体は、前記流路形成部材を、前記袋部と重なっている位置において、前記袋部とともに熱溶着して前記第2の流路を封止することにより形成されていることを特徴とする液体収容体。 - 請求項5〜7のいずれか1つに記載の液体収容体において、
前記液体は、インクであり、
前記液体収容体は、インクジェット式記録装置に使用されるインクパックであることを特徴とする液体収容体。 - 液体を収容可能な液体収容部と、同液体収容部の内部と外部との間を連通させる第1の流路とを備え、同第1の流路に、前記液体収容部の前記外部から前記内部への流体の流れを遮断する逆止弁が備えられている液体収容体の製造方法において、
前記液体収容部の前記外部から前記内部への前記液体の流れを許容する第2の流路を介して、前記液体収容部に前記液体を注入する注入段階と、
前記第2の流路を前記液体収容部の前記内部に対して非連通状態とする封止段階と
を備えたことを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項9に記載の液体収容体の製造方法において、
前記液体収容部は、袋状に形成された袋部と、熱可塑性を有し、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材とを備え、
前記注入段階は、前記流路形成部材に形成されている前記第2の流路を介して前記液体収容部に前記液体を注入する段階であり、
前記封止段階は、前記流路形成部材を熱溶着して前記第2の流路を封止する段階であることを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項10に記載の液体収容体の製造方法において、
前記封止段階は、前記流路形成部材を、前記袋部と重なっている位置において、前記袋部とともに熱溶着して前記第2の流路を封止する段階であることを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項9に記載の液体収容体の製造法において、
前記液体収容体は、袋状に形成された熱可塑性を有する袋部と、前記袋部の開口に挟み込まれた状態で前記開口を封止する流路形成部材とを備え、
前記注入段階は、前記流路形成部材に形成されている前記第2の流路を介して前記液体収容部に前記液体を注入する段階であり、
前記封止段階は、前記袋部を熱溶着して前記第2の流路を前記液体収容体の前記内部に対して非連通状態とする段階であることを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項9〜12のいずれか1つに記載の液体収容体の製造方法において、
前記注入段階の前に、前記液体収容部の内部の流体を前記外部に排出する排出段階を備えたことを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項13に記載の液体収容体の製造方法において、
前記排出段階は、前記第1の流路を介して、前記液体収容部の内部の流体を前記外部に排出する段階であることを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項13又は14に記載の液体収容体の製造方法において、
前記注入段階の前であり、かつ、前記排出段階の後に、
前記第2の流路を介して、前記液体収容部に少量の前記液体を注入する少量液体注入段階と、
同少量液体注入段階で注入した前記液体を前記外部に排出する少量液体排出段階と
を備えたことを特徴とする液体収容体の製造方法。 - 請求項9〜15のいずれか1つに記載の液体収容体の製造方法において、
前記封止段階は、前記第2の流路を、前記液体収容体の重力方向の上部に位置させた状態で、前記第2の流路を封止する段階であることを特徴とする液体収容体の製造方法。
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