JP2005057157A - 積層型セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ビアホール導体および内部導体膜を備え、ビアホール導体についての電気的接続の信頼性が高められた、積層型セラミック電子部品を、高い生産性をもって製造できる方法を提供する。
【解決手段】 キャリアフィルム4によって裏打ちされたセラミックグリーンシート5の外方に向く第1の主面2側からレーザ光を照射して、第1の主面2側に開いたテーパ状の内周面を有する貫通孔7を形成し、第1の主面2上に、導電性ペースト14からなる導電性ペースト膜15を形成するとともに、貫通孔7内に導電性ペースト14を導入し、そして、吸引圧を与えることによって、貫通孔7を導電性ペースト14によって充填し、キャリアフィルム4を剥離した後、複数のセラミックグリーンシート5を積層し、生の積層体1を得、これを焼成することによって、積層型セラミック電子部品を製造する。
【選択図】 図2
【解決手段】 キャリアフィルム4によって裏打ちされたセラミックグリーンシート5の外方に向く第1の主面2側からレーザ光を照射して、第1の主面2側に開いたテーパ状の内周面を有する貫通孔7を形成し、第1の主面2上に、導電性ペースト14からなる導電性ペースト膜15を形成するとともに、貫通孔7内に導電性ペースト14を導入し、そして、吸引圧を与えることによって、貫通孔7を導電性ペースト14によって充填し、キャリアフィルム4を剥離した後、複数のセラミックグリーンシート5を積層し、生の積層体1を得、これを焼成することによって、積層型セラミック電子部品を製造する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、積層型セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、ビアホール導体および内部導体膜を備える積層型セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
この発明にとって興味ある第1の従来技術として、次のような積層型セラミック電子部品の製造方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
すなわち、キャリアフィルムによって裏打ちされたセラミックグリーンシートに対して、たとえばメカニカルパンチャーなどを用いて貫通孔を形成する工程を実施する。この貫通孔は、セラミックグリーンシートだけでなく、キャリアフィルムをも貫通する。次に、キャリアフィルムをマスクとして用いて、キャリアフィルム側から導電性ペーストを貫通孔内に導入し、貫通孔を導電性ペーストによって充填し、それによって、ビアホール導体を形成する。次に、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷などを用いて、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を形成する。次に、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離し、剥離された複数のセラミックグリーンシートを積層し、次いでプレスすることによって、生の積層体を得る。そして、この生の積層体を焼成することによって、積層型セラミック電子部品を得る。
第2の従来技術として、次のような積層型セラミック電子部品の製造方法もある(たとえば、特許文献2参照)。
すなわち、キャリアフィルムによって裏打ちされたセラミックグリーンシートの外方に向く主面側からレーザ光を照射し、セラミックグリーンシートのみを貫通する凹部を形成する。次に、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストからなる導電性ペースト膜をスクリーン印刷するとともに、凹部を導電性ペーストによって充填した状態とする。次に、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離し、剥離された複数のセラミックグリーンシートを積層し、次いでプレスすることによって、生の積層体を得る。そして、生の積層体を焼成することによって、積層型セラミック電子部品を得る。
特開平5−167254号公報
特開平7−193375号公報
しかしながら、上述した第1および第2の従来技術には、いずれも、解決されるべき課題がある。
第1の従来技術では、内部導体膜となる導電性ペースト膜を形成するための印刷工程とは別に、ビアホール導体を形成するための貫通孔への導電性ペーストの充填工程を実施する必要があり、工程数が増えることによるコストの上昇を招く。
また、ビアホール導体を形成するための貫通孔の径がセラミックグリーンシートの厚みに対して大きい場合やセラミックグリーンシートが薄層化された場合には、貫通孔に充填された導電性ペーストが保持される面積が小さくなるため、導電性ペーストの抜け落ちが発生しやすい。
また、セラミックグリーンシートとキャリアフィルムとを互いに剥離したとき、貫通孔の、セラミックグリーンシートによって規定される部分にある導電性ペーストは、セラミックグリーンシート側に留まり、他方、貫通孔の、キャリアフィルムによって規定される部分にある導電性ペーストは、キャリアフィルム側に留まることが望まれるが、上述したように、ビアホール導体を形成するための貫通孔の径がセラミックグリーンシートの厚みに対して大きい場合やセラミックグリーンシートが薄層化された場合には、セラミックグリーンシート側に留まるべき導電性ペーストがキャリアフィルム側に奪われたり、キャリアフィルム側に留まるべき導電性ペーストがセラミックグリーンシート側に奪われたりするなど、導電性ペーストの挙動すなわち行き先が不安定になりやすい。そのため、セラミックグリーンシート側の貫通孔に充填されるべき導電性ペーストの量が過多になったり不足したりして、得られた積層型セラミック電子部品において、ビアホール導体による電気的接続の信頼性が低くなることがある。
さらに、貫通孔に導電性ペーストを充填する工程を実施した後に、キャリアフィルム上にある余分な導電性ペーストを拭き取る必要があり、この場合、導電性ペーストの乾燥粉末が飛び散ったり、キャリアフィルムを剥離する際にキャリアフィルム上の余分な導電性ペーストが飛び散ったりし、その結果、得られた積層型セラミック電子部品の内部においてショート不良を招くことがある。
他方、第2の従来技術によれば、上述した第1の従来技術において遭遇した問題を解消することができるが、凹部への導電性ペーストの導入の際、凹部内に空気が取り込まれやすく、凹部を導電性ペーストによって完全に充填することが非常に困難である。このように、導電性ペーストの充填が不十分な場合、得られた積層型セラミック電子部品において、断線などの不良が発生し、セラミック層間の電気的接続の信頼性が低下する。
また、凹部内での導電性ペーストの充填不足を補うため、導電性ペーストにおける導電成分の含有率を上げることが考えられるが、この場合には、内部導体膜となる導電性ペースト膜が厚くなり、セラミックグリーンシートの積層時に層剥がれが生じたり、得られた積層型セラミック電子部品においてデラミネーションが生じたりする原因となる。
この問題を解決するため、凹部内への導電性ペーストの充填工程と内部導体膜となる導電性ペースト膜の印刷工程とを別に行なうことも考えられるが、この場合には、第1の従来技術の場合と同様、工程数が増えることになる。
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る積層型セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
まず、第1の主面を外方に向けかつ第1の主面に対向する第2の主面側においてキャリアフィルムによって裏打ちされた、セラミックグリーンシートを用意する、第1の工程が実施される。
次に、第1の主面側からレーザ光を照射し、それによって、セラミックグリーンシートおよびキャリアフィルムを貫通しかつ第1の主面側に開いたテーパ状の内周面を有する貫通孔を形成する、第2の工程が実施される。
次に、第1の主面上に導電性ペーストを供給し、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を第1の主面上に形成するとともに、貫通孔の、第1の主面側の開口から、貫通孔内に導入された導電性ペーストに対して、貫通孔の、キャリアフィルム側の開口から吸引圧を与え、それによって、貫通孔の、少なくともセラミックグリーンシートによって規定される部分に導電性ペーストを付与する、第3の工程が実施される。
その後、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離する、第4の工程と、複数のセラミックグリーンシートを積層し、それによって、生の積層体を得る、第5の工程と、生の積層体を焼成する、第6の工程とが実施される。
なお、上記第4の工程と第5の工程とについては、いずれが先に実施されてもよい。
この発明は、セラミックグリーンシートの厚みが15〜30μmであり、キャリアフィルムの厚みが50〜70μmであるとき、特に有利に適用される。この場合において、貫通孔の断面が円形であるとき、貫通孔の、第1の主面側の開口の直径は100〜250μmであり、同じくキャリアフィルム側の開口の直径は10〜30μmであることが好ましい。
この発明において、第3の工程は、キャリアフィルムを真空吸引に基づき吸着固定するテーブル上で実施され、第3の工程で与えられる上記吸引圧は、テーブルから与えられることが好ましい。
この発明によれば、キャリアフィルムによって裏打ちされたセラミックグリーンシートの外方に向く第1の主面側からレーザ光を照射し、それによって、セラミックグリーンシートおよびキャリアフィルムを貫通しかつ第1の主面側に開いたテーパ状の内周面を有する貫通孔が形成され、次いで、第1の主面上に導電性ペーストを供給し、導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を第1の主面上に形成するとともに、貫通孔の、第1の主面側の開口から、貫通孔内に導入された導電性ペーストに対して、貫通孔の、キャリアフィルム側の開口から吸引圧を与え、それによって、貫通孔の、少なくともセラミックグリーンシートによって規定される部分に導電性ペーストを付与するようにしている。
したがって、まず、たとえば内部導体膜となる導電性ペースト膜とビアホール導体となる貫通孔内の導電性ペースト体とを同時に形成することができるので、その分、工程数を削減することができる。
また、貫通孔への導電性ペーストの付与に際して、吸引圧を貫通孔に与えるようにしているので、貫通孔への導電性ペーストの付与を能率的に行なうことができるとともに、貫通孔の、少なくともセラミックグリーンシートによって規定される部分では、導電性ペーストを空隙なく付与することができる。
また、貫通孔は、第1の主面側に開いたテーパ状の内周面を有しているので、貫通孔に付与された導電性ペーストが流れ出たり、抜け落ちたりするといった不都合が生じにくい。
また、セラミックグリーンシートをキャリアフィルムから剥離した際、貫通孔の、キャリアフィルムによって規定される部分に位置していた導電性ペーストをも、セラミックグリーンシート側に残すことができる。したがって、貫通孔内の導電性ペースト体による電気的接続の信頼性を高めることができるとともに、導電性ペーストの行き先が安定するので、セラミックグリーンシート側に保持される導電性ペーストの量が変動することを防止することができる。
この発明において、セラミックグリーンシートの厚みが15〜30μmであり、キャリアフィルムの厚みが50〜70μmである場合において、貫通孔の、第1の主面側の開口の直径が100〜250μmとされ、同じくキャリアフィルム側の開口の直径が10〜30μmとされると、上述したような効果がより確実に達成される。
図1および図2は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものである。ここで、図2(4)には、この実施形態に従って製造しようとする積層型セラミック電子部品の一例としての多層セラミック基板を得るために作製される生の積層体1が図解的に断面図で示されている。
上述の生の積層体1を作製するため、まず、図1および図2(1)に示すように、第1の主面2を外方に向けかつ第1の主面2に対向する第2の主面3側においてキャリアフィルム4によって裏打ちされた、セラミックグリーンシート5が用意される。
このような構造物を得るため、たとえば、ドクターブレードを適用して、セラミックスラリーをキャリアフィルム4上でシート状に成形し、これを乾燥することが行なわれる。キャリアフィルム4としては、たとえばポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが用いられる。
図1に示すように、セラミックグリーンシート5の厚みT1は、15〜30μmとされ、キャリアフィルム4の厚みT2は、50〜70μmとされることが好ましい。
なお、図1および図2を含む、すべての図面において、キャリアフィルム4およびセラミックグリーンシート5等は、その主面方向での一部のみが図示されている。
次に、同じく図1および図2(1)に示すように、セラミックグリーンシート5の第1の主面2側からレーザ光6が照射され、それによって、セラミックグリーンシート5およびキャリアフィルム4の双方を貫通する貫通孔7が形成される。
上述のレーザ光6を与えるレーザとしては、たとえばCO2 レーザが用いられ、ここから発生するレーザ光6は、レンズで集光されかつマスクで絞られることによって、セラミックグリーンシート5の第1の主面2の所望の位置に到達するようにされる。
このとき、レーザ光6がセラミックグリーンシート5を貫通する状態となった時点でレーザ光6のエネルギー量を落としていくと、レーザ光6のエネルギー分布は中央部が大きく周辺になるほど小さいため、これによって形成された貫通孔7は、セラミックグリーンシート5の第1の主面2側から第2の主面3側へと次第に径が小さくなるようなテーパが付与された状態、すなわち第1の主面2側に開いたテーパ状の内周面を有する状態となる。
貫通孔7は、後述するように、ビアホール導体を形成するためのものであるが、たとえば断面円形とされる。この場合、図1に示すように、好ましくは、貫通孔7の、第1の主面2側の開口7aの直径D1は100〜250μmとされ、同じくキャリアフィルム4側の開口7bの直径D2は10〜30μmとされる。この場合において、セラミックグリーンシート5が薄くなればなるほど、キャリアフィルム4側の開口7bの直径D2は大きくなる。したがって、前述したように、セラミックグリーンシート5の厚みが15〜30μmの範囲にされるとき、セラミックグリーンシート5の厚みが15μmに近いほど、直径D2は30μmに近づき、他方、セラミックグリーンシート5の厚みが30μmに近いほど、直径D2は10μmに近づくことになる。
以上のように貫通孔7が形成された状態が図1および図2(1)に示されている。
次に、図2(2)に示すように、テーブル8が用意され、テーブル8上に、通気性シート9を挟んだ状態で、セラミックグリーンシート5を裏打ちするキャリアフィルム4が置かれる。テーブル8は、図示しない真空源に接続される空気室10、および空気室10に連通するとともにテーブル8の上面にまで届くように設けられる多数の通気孔11を備えている。したがって、空気室10に負圧が与えられたとき、この負圧は、通気孔11および通気性シート9を通してキャリアフィルム4に及ぼされ、キャリアフィルム4が真空吸引に基づき、テーブル8に対して吸着固定される。また、これと同時に、貫通孔7の、キャリアフィルム4側の開口7bには、吸引圧が与えられる。
上述のように、テーブル8上に配置されたセラミックグリーンシート5の第1の主面2に対して、たとえばスクリーンマスク12およびスキージ13を用いたスクリーン印刷が実施され、それによって、導電性ペースト14が、セラミックグリーンシート5の第1の主面2上に供給され、導電性ペースト14からなる導電性ペースト膜15が第1の主面2上に形成される。導電性ペースト膜5は、たとえば内部導体膜を形成するためのものである。
また、上述した導電性ペースト膜15の形成と同時に、貫通孔7の、第1の主面2側の開口7aから、貫通孔7内に導電性ペースト14が導入される。
上述の工程は、テーブル8にキャリアフィルム4が吸着固定され、したがって、貫通孔7の、キャリアフィルム4側の開口7bから吸引圧が与えられた状態で実施される。そのため、前述のように、貫通孔7内に導入された導電性ペースト14は、直ちに、貫通孔7内に付与された状態、より具体的には、貫通孔7を充填する状態となるように挙動する。
この工程において、貫通孔7は、前述したように、第1の主面2側に開いたテーパ状の内周面を有しているので、貫通孔7への導電性ペースト14の充填が進み、貫通孔7での導電性ペースト14が未だ充填されていない空間がより狭くなるほど、より強い吸引作用が導電性ペースト14に及ぼされることになり、したがって、貫通孔7への導電性ペースト14の完全な充填を円滑に行なうことができる。
なお、上述の吸引作用が強すぎる場合には、導電性ペースト膜15の印刷中に、スキージ13によってスクリーンマスク12を通して付与された導電性ペースト14がセラミックグリーンシート15の第1の主面2上でにじむことがある。この不都合を解消するためには、次のような方法を採用すればよい。
すなわち、キャリアフィルム4を吸着固定する吸引圧を、キャリアフィルム4の図示しない周辺部において強くし、中央部において弱くすることによって、貫通孔7に対してはそれほど強い吸引圧が及ぼされないようにすればよい。この場合、このような吸引圧の分布をもたらすため、たとえば、周辺部に位置する通気孔11の径に比べて、中央部に位置する通気孔11の径を小さくしたり、あるいは、通気性シート9として、周辺部における通気性に比べて、中央部における通気性が劣るものを用いたりすることができる。
また、導電性ペースト膜15の印刷および貫通孔7への導電性ペースト14の導入の初期の段階では、比較的弱い吸引圧とし、スクリーンマスク12がセラミックグリーンシート5から離れた段階で、吸引圧を強くするといった方法も採用することができる。
上述のように、貫通孔7に充填された導電性ペースト14からなる導電性ペースト体16は、ビアホール導体となるものである。
以上のように導電性ペースト膜15および導電性ペースト体16が形成された後、たとえば乾燥炉において、これを乾燥する工程が実施される。
このような貫通孔7への導電性ペースト14の充填を終えた後のセラミックグリーンシート5の取り扱いに際して、貫通孔7のキャリアフィルム4側の開口7bの直径D2が比較的小さいため、導電性ペースト14が、この開口7bから流れ出たり、抜け落ちたりすることがない。
次に、図2(3)に示すように、セラミックグリーンシート5をキャリアフィルム4から剥離する工程が実施される。このとき、貫通孔7はテーパ状の内周面を有しているので、貫通孔7の、少なくともセラミックグリーンシート5によって規定される部分内にある導電性ペースト14は、キャリアフィルム4側に奪われることがほとんどない。
むしろ、貫通孔7の、キャリアフィルム4によって規定される部分にある導電性ペースト14も、図2(3)に示すように、セラミックグリーンシート5側に残り、貫通孔7の内周面形状に相関する外面形状を有する導電性ペースト体16のほぼ全体が一体的にセラミックグリーンシート5に保持された状態となる。
したがって、導電性ペースト体16は、セラミックグリーンシート5の第2の主面3から凸状に盛り上がった状態を与えることになる。なお、図2(3)では、この盛り上がりがやや誇張された状態で図示されている。また、導電性ペースト体16のほぼ全体が一体的にセラミックグリーンシート5に保持されることになるので、すなわち、導電性ペースト14の行き先が安定するので、セラミックグリーンシート5側に保持される導電性ペースト14の量が変動することを防止することができる。
次に、複数のセラミックグリーンシート5が積層され、次いで積層方向にプレスされることによって、図3(4)に示すような生の積層体1が得られる。この積層工程において、図2(3)に示した導電性ペースト体16の、第2の主面3からの盛り上がりは、その下に位置する導電性ペースト膜15または導電性ペースト体16との電気的接続の信頼性を高めるように作用する。
なお、上述の説明では、セラミックグリーンシート5をキャリアフィルム4から剥離する工程を実施した後に、複数のセラミックグリーンシート5を積層する積層工程が実施されたが、セラミックグリーンシート5を積層し、これを必要に応じて圧着した後、キャリアフィルム4を剥離するようにしてもよい。
次に、生の積層体1は、必要に応じて分割され、次いで焼成されることによって、目的とする多層セラミック基板のような積層型セラミック電子部品が得られる。
以上説明した実施形態では、図2(2)に示した工程において、通気性シート9を用いているので、これが導電性ペースト14によって汚されても、これを交換すれば足りる。したがって、通気性シート9の目詰まりによる吸引圧の低下を生じさせないようにすることができ、ひいては、吸引圧の低下による貫通孔7への導電性ペースト14の充填不足を生じさせないようにすることができる。
なお、上述のような利点を特に望まないならば、通気性シート9を用いず、かつテーブル8の、通気孔11が設けられていた上面壁を、多孔質材料から構成してもよい。
図3は、この発明の第2の実施形態を説明するためのもので、第1の実施形態における図2(2)に示した工程を終えた後の状態に相当する状態が示されている。図3において、図2(2)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示した実施形態では、図2(2)に示した工程において、吸引圧が制御され、導電性ペースト14が、貫通孔7の全域にわたって充填されないようにすることを特徴としている。すなわち、貫通孔7の、セラミックグリーンシート5によって規定される部分には、導電性ペースト14が充填されるが、貫通孔7の、キャリアフィルム4によって規定される部分には、導電性ペースト14が完全には充填されていない。
この実施形態によっても、貫通孔7の、少なくともセラミックグリーンシート5によって規定される部分が導電性ペースト14によって充填されているので、この導電性ペースト14からなる導電性ペースト体16によってビアホール導体が与えられても、その電気的接続の信頼性を維持することができる。
また、この実施形態によれば、導電性ペースト14によって、通気性シート9さらにはテーブル8が汚されることを防止することができる。したがって、通気性シート9を用いず、テーブル8の上面壁が多孔質材料からなる場合であっても、目詰まりによって引き起こされる問題を回避することができる。
図4は、この発明の第4の実施形態を説明するためのものである。図4には、第1の実施形態における図1および図2(1)に示した構造物に相当する構造物が図示されている。図4において、図1および図2(1)に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
たとえば第1の実施形態において、貫通孔7の径をより大きくするため、レーザ光6の照射領域を広げると、この照射領域における周囲と中央部との間でのレーザ光のエネルギー差が大きくなる。このエネルギー差の問題を回避するため、レーザの出力を落とすと、貫通孔7の径を大きくできなかったり、セラミックグリーンシート5が完全に貫通されずに残ったりし、他方、レーザの出力を上げると、貫通孔7が大きくなりすぎたりすることがある。
上述の問題を解決するためには、図4(a)に示すように、貫通孔を形成すべき領域21を、複数個、たとえば6個の区域22〜27に分割し、これら区域22〜27の各々についてレーザ加工を施せばよい。図4(a)において、区域22にはハッチングが施されている。これら区域22〜25は、互いに隣り合うものとの間でオーバーラップ部分28を有している。したがって、区域22〜27の各々についてレーザ加工を施せば、オーバーラップ部分28において、レーザ加工がより進むため、このオーバーラップ部分28において、図4(b)に示すように、貫通孔7の、キャリアフィルム4側の開口7bが形成される。したがって、貫通孔7の、第1の主面2側の開口7aの径が大きくなっても、キャリアフィルム4側に比較的小さい開口7bを設けることができる。
なお、図示した実施形態では、貫通孔7に導電性ペースト14が充填されたが、導電性ペーストは貫通孔の内周面上にのみ付与されてもよい。
1 生の積層体
2 第1の主面
3 第2の主面
4 キャリアフィルム
5 セラミックグリーンシート
6 レーザ光
7 貫通孔
7a 貫通孔の、第1の主面側の開口
7b 貫通孔の、キャリアフィルム側の開口
8 テーブル
9 通気性シート
11 通気孔
12 スクリーンマスク
14 導電性ペースト
15 導電性ペースト膜
16 導電性ペースト体
2 第1の主面
3 第2の主面
4 キャリアフィルム
5 セラミックグリーンシート
6 レーザ光
7 貫通孔
7a 貫通孔の、第1の主面側の開口
7b 貫通孔の、キャリアフィルム側の開口
8 テーブル
9 通気性シート
11 通気孔
12 スクリーンマスク
14 導電性ペースト
15 導電性ペースト膜
16 導電性ペースト体
Claims (3)
- 第1の主面を外方に向けかつ前記第1の主面に対向する第2の主面側においてキャリアフィルムによって裏打ちされた、セラミックグリーンシートを用意する、第1の工程と、
前記第1の主面側からレーザ光を照射し、それによって、前記セラミックグリーンシートおよび前記キャリアフィルムを貫通しかつ前記第1の主面側に開いたテーパ状の内周面を有する貫通孔を形成する、第2の工程と、
前記第1の主面上に導電性ペーストを供給し、前記導電性ペーストからなる導電性ペースト膜を前記第1の主面上に形成するとともに、前記貫通孔の、前記第1の主面側の開口から、前記貫通孔内に導入された前記導電性ペーストに対して、前記貫通孔の、前記キャリアフィルム側の開口から吸引圧を与え、それによって、前記貫通孔の、少なくとも前記セラミックグリーンシートによって規定される部分に前記導電性ペーストを付与する、第3の工程と、
前記セラミックグリーンシートを前記キャリアフィルムから剥離する、第4の工程と、
複数の前記セラミックグリーンシートを積層し、それによって、生の積層体を得る、第5の工程と、
前記生の積層体を焼成する、第6の工程と
を備える、積層型セラミック電子部品の製造方法。 - 前記貫通孔は、断面円形であり、前記第1の主面側の開口の直径は100〜250μmであり、前記キャリアフィルム側の開口の直径は10〜30μmであり、前記セラミックグリーンシートの厚みは15〜30μmであり、前記キャリアフィルムの厚みは50〜70μmである、請求項1に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記第3の工程は、前記キャリアフィルムを真空吸引に基づき吸着固定するテーブル上で実施され、前記第3の工程において、前記吸引圧は前記テーブルから与えられる、請求項1または2に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
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