JP2005048320A - 防臭塗工紙及び防臭段ボールシート - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、段ボール箱等で製品を梱包して保存、もしくは輸送する際に、周囲のカビ臭等、各種臭気の製品への付着を防止するために使用する防臭塗工紙、及び段ボールシートを提供する。
【解決手段】 紙基材の片面に合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱耐摩耗性樹脂層を設けた防臭塗工紙。該合成樹脂エマルジョンは、ガラス転移温度が−10〜40℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体のエマルジョンである上記防臭塗工紙。
【解決手段】 紙基材の片面に合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱耐摩耗性樹脂層を設けた防臭塗工紙。該合成樹脂エマルジョンは、ガラス転移温度が−10〜40℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体のエマルジョンである上記防臭塗工紙。
Description
本発明は、段ボール箱等で製品を梱包して保存、もしくは輸送する際に、周囲のカビ臭等、各種臭気の製品への付着を防止するために使用する防臭塗工紙、及び段ボールシートに関する。
従来、段ボール箱は、各種製品を梱包して保管もしくは輸送する流通の過程で一般的に使用される包装材料である。しかし、通常の段ボール箱には、ガスバリア性が付与されていない。従って、各種の臭気物質が存在する環境条件においては、その臭気物質が段ボール箱を透過し、内容物の製品にまで付着するという問題が発生する。臭気物質の例としてはカビ臭が挙げられるが、これは段ボール箱を積載する木製パレットから発生することが多く、また浸透性が強いために流通の過程で問題になりやすい臭気物質である。
従って、カビ臭をはじめとする臭気物質の付着を特に嫌う製品を梱包する場合には、内容物をバリア性のあるフィルム等で包装してから段ボール箱で梱包するか、内面や外面にフィルムによるバリア層を設けた防臭段ボール箱が使用される。また、特に木製パレットのカビ臭を防止するためには、段ボール箱をパレットに積載する際、段ボール箱とパレットの間にバリア層を有する防臭シートを挟むことが広く行われている。
従って、カビ臭をはじめとする臭気物質の付着を特に嫌う製品を梱包する場合には、内容物をバリア性のあるフィルム等で包装してから段ボール箱で梱包するか、内面や外面にフィルムによるバリア層を設けた防臭段ボール箱が使用される。また、特に木製パレットのカビ臭を防止するためには、段ボール箱をパレットに積載する際、段ボール箱とパレットの間にバリア層を有する防臭シートを挟むことが広く行われている。
しかし、内容物をフィルム等で包装してから段ボール箱で梱包する方法は、包材が余分に必要で不経済であるばかりか、作業効率が劣る。
そこで、各種合成樹脂フィルムやアルミ箔等によるバリア層を設けた防臭段ボール箱や防臭シートが使用されている。例えば、基材紙もアルミ箔を貼合した防臭シートや、表面にポリビニルアルコールフィルムをラミネートした段ボール箱等である。
そこで、各種合成樹脂フィルムやアルミ箔等によるバリア層を設けた防臭段ボール箱や防臭シートが使用されている。例えば、基材紙もアルミ箔を貼合した防臭シートや、表面にポリビニルアルコールフィルムをラミネートした段ボール箱等である。
しかし、上記のような、基材シートに合成樹脂やアルミ箔を積層して得た防臭段ボール箱や防臭シートは、ラミネートされたアルミ箔や合成樹脂フィルムが、一般のパルパー等で容易に分散することができない等の理由から、一般の紙や段ボールと異なり、使用後に回収し古紙として再生利用できない。(財)古紙再生促進センターの古紙標準品質規格においても禁忌品に指定されており、一般段ボールとは分別して、焼却、もしくは埋め立て処理しなくてはならず、問題であった。
また、一般段ボール同様に使用後に古紙として回収し再利用できる、バリア性を有する段ボールシートの技術としては、特開平10−194326号公報(特許文献1)記載のものが存在する。
上記技術は、主として合成樹脂エマルジョンと平板状顔料からなる塗工層が、防湿性を有するものであるから、防湿性、即ち水蒸気のみならず、各種臭気物質、例えばカビ臭等の主成分であるトリクロロアニソール(以下TCA)等に対してバリア効果があるものと考えられ、かつ、使用後には離解して紙へのリサイクルが可能である。
しかしながら、上記技術による塗工層は耐熱性に劣る。即ち、上記の塗工紙を段ボールのライナとして用いようとしても、表面が段ボールシートを製造するときのシングルフェーサやダブルフェーサにおける熱によって塗工面が損傷したり、熱盤への融着などの貼合トラブルが発生する恐れがある。
上記トラブル防止のために、塗工層に耐熱性を付与するために、特開2003−3394号(特許文献2)記載の技術が存在する。
特開平10−194326号公報
特開2003−3394号公報
しかしながら、上記技術による塗工層は耐熱性に劣る。即ち、上記の塗工紙を段ボールのライナとして用いようとしても、表面が段ボールシートを製造するときのシングルフェーサやダブルフェーサにおける熱によって塗工面が損傷したり、熱盤への融着などの貼合トラブルが発生する恐れがある。
上記トラブル防止のために、塗工層に耐熱性を付与するために、特開2003−3394号(特許文献2)記載の技術が存在する。
上記技術は、塗工層に段ボール貼合に十分な耐熱性付与するためバリア性に関与しない顔料(炭酸カルシウム等)を添加することによって、バリア性自体が若干低下する傾向があり、防臭塗工紙として使用する場合に十分なガスバリア性が得られない。
更に、塗工層表面に顔料が露出することによって表面が粗面化することによって塗工面の耐摩耗性が劣り、また塗工面同士の摩擦による損傷が発生しやすくなる。
特に、防臭段ボール箱は、通常の段ボール箱と異なり、コスト面等から使い捨てではなく、通い箱として数十回繰り返し使用することが求められる。即ち、使用後、折り畳んで輸送、保管、必要に応じて再度組み立てて再使用することを繰り返すものであるが、この際、上記塗工層は箱の内側に設けられている場合が多いため、塗工面同士が擦られることによって塗膜に損傷が発生しやすく、このために防臭性が低下する。
また、上記従来技術による塗工層は離解性を有する一方で、フィルムからなる皮膜と比較すると耐折性に劣る。
即ち、上記塗工紙を包装に使用する際に、生じた折れ目等から皮膜が損傷することがあり、そのためバリア性が低下する恐れがある。特に防臭塗工紙として使用するためには発揮するためには、わずかな皮膜の損傷であっても十分に性能を発揮できなくなる恐れがある。
すなわち、易離解性で古紙として再使用可能、かつ、塗膜が耐熱性を有して段ボールシートとして貼合可能で、かつ耐折性、耐摩耗性に優れるという条件を兼ね備えた防臭塗工紙は実現されていないのが現状であった。
更に、塗工層表面に顔料が露出することによって表面が粗面化することによって塗工面の耐摩耗性が劣り、また塗工面同士の摩擦による損傷が発生しやすくなる。
特に、防臭段ボール箱は、通常の段ボール箱と異なり、コスト面等から使い捨てではなく、通い箱として数十回繰り返し使用することが求められる。即ち、使用後、折り畳んで輸送、保管、必要に応じて再度組み立てて再使用することを繰り返すものであるが、この際、上記塗工層は箱の内側に設けられている場合が多いため、塗工面同士が擦られることによって塗膜に損傷が発生しやすく、このために防臭性が低下する。
また、上記従来技術による塗工層は離解性を有する一方で、フィルムからなる皮膜と比較すると耐折性に劣る。
即ち、上記塗工紙を包装に使用する際に、生じた折れ目等から皮膜が損傷することがあり、そのためバリア性が低下する恐れがある。特に防臭塗工紙として使用するためには発揮するためには、わずかな皮膜の損傷であっても十分に性能を発揮できなくなる恐れがある。
すなわち、易離解性で古紙として再使用可能、かつ、塗膜が耐熱性を有して段ボールシートとして貼合可能で、かつ耐折性、耐摩耗性に優れるという条件を兼ね備えた防臭塗工紙は実現されていないのが現状であった。
上記の問題を解決するために、本発明では以下のような手段をとる。
即ち、本発明の第1は、紙基材の片面に合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱耐摩耗性樹脂層を設けたことを特徴とする防臭塗工紙である。
即ち、本発明の第1は、紙基材の片面に合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱耐摩耗性樹脂層を設けたことを特徴とする防臭塗工紙である。
本発明の第2は、上記第1発明において、該合成樹脂エマルジョンは、ガラス転移温度が−10〜40℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体のエマルジョンであることを特徴とする防臭塗工紙である。
また、本発明の第3は、上記第1または第2発明において、耐熱耐摩耗性樹脂層がスチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョンを塗工してなる防臭塗工紙である。
また、本発明の第4は、酸素透過度が3000ml/m2・24h・atm以下である本発明の第1〜3のいずれかに記載の防臭塗工紙である。
また、本発明の第5は、少なくとも段ボールシートの片面を形成するライナとして、本発明の第1〜4のいずれかに記載の防臭塗工紙を用いた防臭段ボールシートである。
本発明によって、易離解性で古紙として再使用可能、かつ、塗膜が耐熱性を有して段ボールシートとして貼合可能で、かつ耐折性、耐摩耗性に優れるという条件を兼ね備えた防臭塗工紙を得ることが可能となった。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱性と耐摩耗性を有する樹脂層(耐熱耐摩耗性樹脂層)を有する防臭塗工紙である。
本発明は、合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱性と耐摩耗性を有する樹脂層(耐熱耐摩耗性樹脂層)を有する防臭塗工紙である。
本発明の防臭塗工紙の防臭塗工層を設けるための塗料に用いられる合成樹脂エマルジョンは、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体などが挙げられる。これらの中でもスチレン−ブタジエン系共重合体が好適である。
スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)は、スチレンと1,3-ブタジエンを主成分とした共重合体であるが、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものでも良い。その他の単量体としては、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、イソプレン、2,3ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどの共役ジエン化合物などが挙げられる。
スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)は、スチレンと1,3-ブタジエンを主成分とした共重合体であるが、これらと共重合可能なその他の単量体を共重合したものでも良い。その他の単量体としては、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、イソプレン、2,3ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどの共役ジエン化合物などが挙げられる。
合成樹脂のガラス転移温度(Tg)、粒子径、ゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフランを用いた時の不溶部分の質量)、分子量などは、特に限定されないが、一般的にTgは−10〜40℃、より好ましくは−5〜35℃、粒子径50〜500nm、ゲル分率は10〜90%、特に離解性を向上させたい場合は90%以上が好適である。
本発明においては合成樹脂及び顔料を含む塗工層中の「顔料:合成樹脂」の配合(固形分質量)比率は、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは35:65〜60:40である。
顔料が30%未満の場合には、合成樹脂が多く存在するため、十分な離解性が得られない恐れがある。また顔料が70%を越えた場合には、塗料の皮膜状態が悪化し、十分なバリア性が得られない恐れがある。
本発明においては合成樹脂及び顔料を含む塗工層中の「顔料:合成樹脂」の配合(固形分質量)比率は、好ましくは30:70〜70:30、より好ましくは35:65〜60:40である。
顔料が30%未満の場合には、合成樹脂が多く存在するため、十分な離解性が得られない恐れがある。また顔料が70%を越えた場合には、塗料の皮膜状態が悪化し、十分なバリア性が得られない恐れがある。
本発明においては、上記顔料として、平板状顔料を使用する。本発明においては平板状顔料とはアスペクト比5以上の顔料を意味する。アスペクト比10以上のものが更に好適に用いられる。
アスペクト比が5未満の顔料は平板性が不足しているため、塗工時に塗工面に対して平行に配向できなくなるため、優れたバリア性を得ることができない。またアスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が多くなるため、高いバリア性能を発揮する。
アスペクト比が5未満の顔料は平板性が不足しているため、塗工時に塗工面に対して平行に配向できなくなるため、優れたバリア性を得ることができない。またアスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が多くなるため、高いバリア性能を発揮する。
具体的な平板状顔料としては、フィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)が挙げられる。フィロケイ酸塩化合物に属するものは、板状又は薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白雲母、金雲母又は絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比などの点から更に好適である。
更には、膨潤性雲母鉱物と称される合成雲母、あるいは合成スメクタイトなども使用できる。
これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白雲母、金雲母又は絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比などの点から更に好適である。
更には、膨潤性雲母鉱物と称される合成雲母、あるいは合成スメクタイトなども使用できる。
また本発明で好適に用いられる平板状顔料の平均粒子径は1〜100μm、更に好ましくは5〜50μmである。
平均粒子径が5μm未満の平板状顔料は、塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにくく、50μm以上になると平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうためにバリア性向上効果が減少する。
なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法で測定したものである。またアスペクト比とは、前記平均粒子径を板状粒子の平均厚さで割った値である。レーザー回折法による粒子径測定は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000J」等により測定できる。
平均粒子径が5μm未満の平板状顔料は、塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにくく、50μm以上になると平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうためにバリア性向上効果が減少する。
なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法で測定したものである。またアスペクト比とは、前記平均粒子径を板状粒子の平均厚さで割った値である。レーザー回折法による粒子径測定は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000J」等により測定できる。
以下、本発明の耐熱耐摩耗性樹脂層について説明する。この樹脂層は、コルゲーターにおける貼合時の熱で防臭層がロールや熱板に取られないようにするために必要であり、耐熱性が要求される。また、該耐熱層を形成した結果、防臭層の耐摩耗性が向上するのであるが、更には、該耐熱層自体も、こすれにより傷がつかないように耐摩耗性を必要とする。
本発明で使用する耐熱耐摩耗性樹脂の耐熱性は、該樹脂を一般ライナー紙(NRK)の上に1g/m2の厚さで塗工し、該樹脂層の上に厚さ10μmのアルミニウム箔(市販品)のマット面が塗工面と接するように置き、その上から、ヒートシーラーで200℃の温度で3kg/cm2の圧力で3秒間圧着させ、樹脂がアルミニウム箔に取られないものであれば良い。同条件で230℃でも樹脂がアルミニウム箔に取られないものが更に望ましい。
本発明で使用する耐熱耐摩耗性樹脂の耐熱性は、該樹脂を一般ライナー紙(NRK)の上に1g/m2の厚さで塗工し、該樹脂層の上に厚さ10μmのアルミニウム箔(市販品)のマット面が塗工面と接するように置き、その上から、ヒートシーラーで200℃の温度で3kg/cm2の圧力で3秒間圧着させ、樹脂がアルミニウム箔に取られないものであれば良い。同条件で230℃でも樹脂がアルミニウム箔に取られないものが更に望ましい。
本発明では、再離解可能な防臭紙の提供を目的の一つとしており、従って、防臭性を付与する層、耐熱性を付与する層のいずれも、合成樹脂エマルジョンを塗布し乾燥して層を形成することが望ましい。
通常、合成樹脂エマルジョンから塗布層を形成する際には、乾燥時の温度で樹脂粒子が融合し皮膜を形成する。従って、このような皮膜は通常、耐熱性は有していない。そこで本発明においては、上記のような耐熱性を実現するため、例えば以下のような手段で耐熱性を向上させる必要がある。
(1)合成樹脂として官能基を共重合させた樹脂を使用し、該官能基と反応する架橋剤を混合する。
(2)コア・シェル型のエマルジョンとし、シェル層にガラス転移温度が高い樹脂を配置する。
(3)合成樹脂と無機粒子を化学結合させる。
通常、合成樹脂エマルジョンから塗布層を形成する際には、乾燥時の温度で樹脂粒子が融合し皮膜を形成する。従って、このような皮膜は通常、耐熱性は有していない。そこで本発明においては、上記のような耐熱性を実現するため、例えば以下のような手段で耐熱性を向上させる必要がある。
(1)合成樹脂として官能基を共重合させた樹脂を使用し、該官能基と反応する架橋剤を混合する。
(2)コア・シェル型のエマルジョンとし、シェル層にガラス転移温度が高い樹脂を配置する。
(3)合成樹脂と無機粒子を化学結合させる。
このような手法を採用するには、合成樹脂を形成するモノマーの一部として、官能基を有するモノマーを使用することが最も代表的な手法であり、特にアクリル酸エステルを主体としたアクリル系樹脂で行なわれることが多い。以下、アクリル系耐熱性樹脂について説明する。以下アクリルとメタクリルを相称して(メタ)アクリルのように表記する。
本発明で使用するアクリル系耐熱樹脂は、アクリル系単量体、及び、アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体とを重合させて得られるアクリル系樹脂が好ましい。
アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ヘキシル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが用いられる。
アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ヘキシル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが用いられる。
また、さらに好適には、上記アクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体、もしくはアクリル系単量体と芳香族ビニル系単量体とこれら単量体と共重合可能な単量体を共重合させて得られるアクリル系共重合体樹脂が用いられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエンp-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物が用いられる。
また、本発明で用いられる耐熱耐摩耗性樹脂のTgは、0〜100℃が好ましい。0℃未満であると、塗工層がブロッキングし易く、100℃を越えると成膜性が悪く、耐摩耗性を損なうおそれがある。同様の理由でより好ましくは40〜90℃である。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエンp-t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物が用いられる。
また、本発明で用いられる耐熱耐摩耗性樹脂のTgは、0〜100℃が好ましい。0℃未満であると、塗工層がブロッキングし易く、100℃を越えると成膜性が悪く、耐摩耗性を損なうおそれがある。同様の理由でより好ましくは40〜90℃である。
以下、耐熱アクリル樹脂の具体例を挙げる。
一般的に、耐熱性を向上させるためにアクリル酸エステルと共重合するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレンなどのガラス転移温度が比較的高いモノマーが使用される。また、アクリル酸エステルのうち、メチルメタクリレートが良く使用される。本発明でもこれらのモノマーを適宜使用することが好ましい。
アクリル酸エステルと官能基を有するモノマーを共重合する場合、官能基としては、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。モノマーとして例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸モノマー、あるいはアクリルアミドなどが挙げられる。
官能基を有するアクリル樹脂エマルジョンに架橋剤を混合して耐熱性を挙げることができ、架橋剤としては、末端に水酸基やカルボン酸基を有するオリゴマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。
一般的に、耐熱性を向上させるためにアクリル酸エステルと共重合するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレンなどのガラス転移温度が比較的高いモノマーが使用される。また、アクリル酸エステルのうち、メチルメタクリレートが良く使用される。本発明でもこれらのモノマーを適宜使用することが好ましい。
アクリル酸エステルと官能基を有するモノマーを共重合する場合、官能基としては、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。モノマーとして例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸モノマー、あるいはアクリルアミドなどが挙げられる。
官能基を有するアクリル樹脂エマルジョンに架橋剤を混合して耐熱性を挙げることができ、架橋剤としては、末端に水酸基やカルボン酸基を有するオリゴマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドなどが挙げられる。
エマルジョン粒子の構造をコア・シェル型とすることにより耐熱性を向上する方法も知られており、本発明においても、コア・シェル型エマルジョンは有効な手段である。
一例として、コア部分にはガラス転移温度が−20〜+25℃程度のアクリル系樹脂、シェル部分にはガラス転移温度が70〜230℃のアクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂を使用したアクリル系コア・シェル型エマルジョンが使用できる。
ここでシェル部の樹脂を構成するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレンなどを主成分とすることが好ましい。特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などを使用することは、エマルジョン粒子の親水性を向上し、塗料のレベリング適性を向上すると同時に、架橋剤により架橋して耐熱性を向上することも可能となり、好ましい態様である。
一例として、コア部分にはガラス転移温度が−20〜+25℃程度のアクリル系樹脂、シェル部分にはガラス転移温度が70〜230℃のアクリル系樹脂あるいはスチレン系樹脂を使用したアクリル系コア・シェル型エマルジョンが使用できる。
ここでシェル部の樹脂を構成するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレンなどを主成分とすることが好ましい。特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などを使用することは、エマルジョン粒子の親水性を向上し、塗料のレベリング適性を向上すると同時に、架橋剤により架橋して耐熱性を向上することも可能となり、好ましい態様である。
無機物質とアクリル系樹脂を結合する方法も公知の耐熱化方法であり、例えば、特公平7-94620号公報、特開平7-304999号公報に記載された技術を参照することができる。
一例として、アクリル酸エステル、アクリル酸、粒子径1〜100nm程度のコロイダルシリカを混合して重合した、シリカ複合アクリル系樹脂が挙げられる。また、ビニルアルコキシシランをモノマー成分として含むアクリル系樹脂を乳化重合し該エマルジョンに粒子径が5〜50nm程度の微細シリカ粒子を混合し、エマルジョン粒子の廻りにシリカを結合させる方法などが挙げられる。
一例として、アクリル酸エステル、アクリル酸、粒子径1〜100nm程度のコロイダルシリカを混合して重合した、シリカ複合アクリル系樹脂が挙げられる。また、ビニルアルコキシシランをモノマー成分として含むアクリル系樹脂を乳化重合し該エマルジョンに粒子径が5〜50nm程度の微細シリカ粒子を混合し、エマルジョン粒子の廻りにシリカを結合させる方法などが挙げられる。
なお、上記耐熱耐摩耗性樹脂による塗工層は、合成樹脂と顔料を含む塗工層のSBR臭を押さえる効果を有する。
本発明の防臭塗工紙の塗工量であるが、合成樹脂と顔料を含む塗工層は固形分で10〜30g/m2が好適である。塗工量が10g/m2未満の場合は、その上に耐熱耐摩耗性樹脂を塗工しても、十分な防臭性が発揮されない。また30g/m2を越えて塗工量が多いと防臭性能は十分だが過剰品質となり実用的でなく、また離解性が悪化する恐れがある。
前記合成樹脂と顔料を含む塗工層上に塗工する耐熱耐摩耗性樹脂の塗工量は、固形分で0.5〜10g/m2が好適である。塗工量が0.5g/m2未満の場合は、段ボールシートとする場合の貼合時の熱と圧力により塗膜が損傷しやすく、十分な防臭性能が発揮されない恐れがある。また前記段ボールシートによって製造した段ボール箱使用した場合、塗工面同士の擦れによる傷が発生し繰り返し使用時に防臭性能が低下する恐れがある。10g/m2を越えて塗工量が多い場合は、上記性能は十分であるが過剰品質となり実用的でなく、また離解性が悪化する恐れがある。
前記合成樹脂と顔料を含む塗工層上に塗工する耐熱耐摩耗性樹脂の塗工量は、固形分で0.5〜10g/m2が好適である。塗工量が0.5g/m2未満の場合は、段ボールシートとする場合の貼合時の熱と圧力により塗膜が損傷しやすく、十分な防臭性能が発揮されない恐れがある。また前記段ボールシートによって製造した段ボール箱使用した場合、塗工面同士の擦れによる傷が発生し繰り返し使用時に防臭性能が低下する恐れがある。10g/m2を越えて塗工量が多い場合は、上記性能は十分であるが過剰品質となり実用的でなく、また離解性が悪化する恐れがある。
なお、より防臭性能を必要とする場合には、必要に応じて、合成樹脂と顔料からなる塗料を2回以上塗工した上、最外層に耐熱耐摩耗性樹脂の塗工層を設けることも可能である。また、合成樹脂と顔料からなる塗工層上に、ガスバリア性に優れるポリビニルアルコール(以下PVA)による塗工層を設けた上、最外層に上記耐熱耐摩耗性樹脂の塗工層を設けることも可能である。
しかし、塗工紙表面にPVA層が露出すると上記コルゲータでの貼合適性が悪く塗工層が傷つき防臭性能が低下する。またPVAは水分を吸着することでバリア性が低下する。以上のような防臭性能の低下を防ぐために本発明の耐熱耐摩耗性樹脂層をPVA層に上に設ける必要がある。
しかし、塗工紙表面にPVA層が露出すると上記コルゲータでの貼合適性が悪く塗工層が傷つき防臭性能が低下する。またPVAは水分を吸着することでバリア性が低下する。以上のような防臭性能の低下を防ぐために本発明の耐熱耐摩耗性樹脂層をPVA層に上に設ける必要がある。
前述の方法にて得た防臭塗工紙は、段ボールライナとして他の段ボール原紙と貼合し、段ボールシートとすることができる。この段ボールシートは、防臭段ボール箱の素材として使用可能である。
防臭塗工紙の基材紙としては、通常用いられるライナ原紙、板紙、クラフト紙、上質紙等、その目的や使用方法に応じて適宜選択可能である。
例えば、ライナ原紙に本発明の塗工層を設けたものは、防臭塗工ライナとして防臭段ボール箱の素材とすることが可能である。また、クラフト紙等に塗工することで、防臭包装紙や防臭シート等に使用できる。また板紙に塗工することで、防臭塗工板紙とし、紙器等に利用することが可能である。
例えば、ライナ原紙に本発明の塗工層を設けたものは、防臭塗工ライナとして防臭段ボール箱の素材とすることが可能である。また、クラフト紙等に塗工することで、防臭包装紙や防臭シート等に使用できる。また板紙に塗工することで、防臭塗工板紙とし、紙器等に利用することが可能である。
本発明における防臭塗工紙は、酸素透過度(JIS K−7126 B法)が3000ml/m2・24h・atm以下であることが望ましい。
3000ml/m2・24h・atm以下であれば、PVAフィルムラミネート品と同等の優れた防臭効果を得ることが可能となる。特にカビ臭の主成分であるTCAに対して優れたバリア性を発揮することができる。
3000ml/m2・24h・atm以下であれば、PVAフィルムラミネート品と同等の優れた防臭効果を得ることが可能となる。特にカビ臭の主成分であるTCAに対して優れたバリア性を発揮することができる。
前述のようにして得られた防臭塗工紙をライナ原紙として用いて、防臭段ボールシートを作製する。
段ボールシートはコルゲータと呼ばれる段ボールシート製造装置でライナ原紙と中芯原紙を貼合して製造される。
コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯原紙を貼合するSF部と、SF部で貼合した片段ボールシートの中芯側に更にライナ原紙を貼合するDF部とから構成される。コルゲータにおける貼合時に段ボールシートはSF部のプレスロール部で温度150〜200℃、線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01〜0.20秒、DF部の熱盤部分で温度150〜200℃、線圧0.3kg/cm2という条件で貼合されるが、本発明の防臭塗工紙は、塗工層表面に耐熱性、耐摩耗性アクリル樹脂を塗工しているので耐熱性を有するため、塗工面のプレスロールや熱盤への融着トラブルが発生せず、通常のライナ原紙と全く同様に貼合、段ボールシートを製造することができる。なお、防臭段ボールシート製造の際には、片面にのみ塗工層を設けた防臭塗工紙をライナとして使用、非塗工面側に中芯原紙を貼合するものである。
また、本発明の防臭塗工紙は段ボールシートのSF側とDF側のどちら側のライナとしても使用可能である。また、段ボールシートの両面とも本発明の防臭塗工紙を用いてもよく、どちらか片方のライナとのみ用い、他方は一般のライナ原紙を使用して防臭段ボールシートを製造することも可能である。
このようにして得られた防臭段ボールシートより、フレキソフォルダーグルアー(FFG)により、印刷、打抜き、グルー糊付けを行い、防臭段ボール箱を製造可能である。なお、いずれか片面のも防臭塗工層を有する防臭段ボールシートは、その塗工面が、箱の内側となるように段ボール箱を製函することが、防臭性を発揮する上で望ましい。
段ボールシートはコルゲータと呼ばれる段ボールシート製造装置でライナ原紙と中芯原紙を貼合して製造される。
コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯原紙を貼合するSF部と、SF部で貼合した片段ボールシートの中芯側に更にライナ原紙を貼合するDF部とから構成される。コルゲータにおける貼合時に段ボールシートはSF部のプレスロール部で温度150〜200℃、線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01〜0.20秒、DF部の熱盤部分で温度150〜200℃、線圧0.3kg/cm2という条件で貼合されるが、本発明の防臭塗工紙は、塗工層表面に耐熱性、耐摩耗性アクリル樹脂を塗工しているので耐熱性を有するため、塗工面のプレスロールや熱盤への融着トラブルが発生せず、通常のライナ原紙と全く同様に貼合、段ボールシートを製造することができる。なお、防臭段ボールシート製造の際には、片面にのみ塗工層を設けた防臭塗工紙をライナとして使用、非塗工面側に中芯原紙を貼合するものである。
また、本発明の防臭塗工紙は段ボールシートのSF側とDF側のどちら側のライナとしても使用可能である。また、段ボールシートの両面とも本発明の防臭塗工紙を用いてもよく、どちらか片方のライナとのみ用い、他方は一般のライナ原紙を使用して防臭段ボールシートを製造することも可能である。
このようにして得られた防臭段ボールシートより、フレキソフォルダーグルアー(FFG)により、印刷、打抜き、グルー糊付けを行い、防臭段ボール箱を製造可能である。なお、いずれか片面のも防臭塗工層を有する防臭段ボールシートは、その塗工面が、箱の内側となるように段ボール箱を製函することが、防臭性を発揮する上で望ましい。
以下実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
SBRラテックス(HOJ4027、固形分48%:日本ゼオン)100質量部、白雲母(マイカA21:山口雲母工業所)50質量部、アミノシランカップリング剤(KBM603:信越化学工業)0.5質量部を混合して塗料を調製し(1層目塗料)、220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が20g/m2となるように塗工し、更に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)をその上に4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
<実施例1>
SBRラテックス(HOJ4027、固形分48%:日本ゼオン)100質量部、白雲母(マイカA21:山口雲母工業所)50質量部、アミノシランカップリング剤(KBM603:信越化学工業)0.5質量部を混合して塗料を調製し(1層目塗料)、220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が20g/m2となるように塗工し、更に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)をその上に4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
<実施例2>
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が40g/m2となるように2回に分けて塗工し、更に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)をその上に4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が40g/m2となるように2回に分けて塗工し、更に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)をその上に4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
<実施例3>
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙に20g/m2となるように塗工し、その上にPVA(ベルコートHG500:固形分8%:鈴川化学)を4g/m2塗工した。更にその上に実施例1で使用した耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂を4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙に20g/m2となるように塗工し、その上にPVA(ベルコートHG500:固形分8%:鈴川化学)を4g/m2塗工した。更にその上に実施例1で使用した耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂を4g/m2塗工して防臭塗工紙を作製した。
<比較例1>
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙に20g/m2となるように塗工して塗工紙を作製した。
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙に20g/m2となるように塗工して塗工紙を作製した。
<比較例2>
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が40g/m2となるように2回に分けて塗工して塗工紙を作製した。
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に、全塗工量が40g/m2となるように2回に分けて塗工して塗工紙を作製した。
<比較例3>
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に20g/m2となるように塗工し、その上にPVAを4g/m2塗工して塗工紙を作製した。
実施例1で調製した1層目塗料を220g/m2のライナ原紙(ONRK220:王子製紙)に20g/m2となるように塗工し、その上にPVAを4g/m2塗工して塗工紙を作製した。
<比較例4>
220g/m2ライナ原紙(ONRK220:王子製紙)の表面に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)を4g/m2塗工して塗工紙を作製した。
220g/m2ライナ原紙(ONRK220:王子製紙)の表面に耐熱性、耐摩耗性アクリル・スチレン樹脂(OP71ニス:固形分25%:日本化工塗料)を4g/m2塗工して塗工紙を作製した。
<比較例5>
220g/m2ライナ原紙(ONRK220:王子製紙)の表面に14μm厚PVAフィルム(BOVLON:日本合成化学)を貼合し、PVAフィルムラミネート紙を作製した。
220g/m2ライナ原紙(ONRK220:王子製紙)の表面に14μm厚PVAフィルム(BOVLON:日本合成化学)を貼合し、PVAフィルムラミネート紙を作製した。
<評価方法>
以下の方法で、実施例及び比較例を評価、その結果を表1に示す。
1)リサイクル性評価
実施例、比較例で得た塗工紙を試料とし、約3cm四方の防湿性ライナ8gを500mlの水と共に家庭用ミキサー(刃は繊維を切らないようにヤスリで削り落としたものを使用)で1分30秒間攪拌した。得られたスラリーで坪量70g/m2の手抄きシートを作製した。
未離解物(フィルム片、紙片)の有無を目視で評価し、未離解物を含まないものを○、含むものを×とした。
2)防臭性評価
2−1)酸素ガス透過度測定
実施例、比較例で得たテストコルゲーター通し後の塗工紙をガス透過率測定装置GPM-250(ジーエルサイエンス製)を用いて同圧法で、酸素透過度を測定した(この方法はJIS−K−7126 B法による測定値と一致)。測定条件は23℃、湿度0%とした。(単位:ml/m2・24h・atm)
2−2)TCA臭試験
デシケーターのふた部分に実施例、比較例で得た試料を挟んで上部空間を区切り、下部空間に1000μg/mlのTCA標準エタノール溶液30μlを添加する(1400ppb(vol)相当)。40℃の乾燥機に入れ、24時間後、ガスタイトシリンジで上部空間より0.2mlサンプリングして、試料を透過したTCA量を測定する。
TCA量の測定は、GC/MS(SIM)によって行う。測定装置としてJMS−700(日本電子製)を用いる。(装置の測定下限1ppb)
測定値が1ppb未満であれば、防臭性は十分であると考えられる。10ppbを越えた場合は防臭紙としての機能を有しない。
3)耐熱性評価
テストコルゲーターPM9001CG型(SMT製)を用いて、実施例、比較例で得た塗工紙(A4サイズ)の塗工面、又はボブロンフィルム貼合面をプレスロール面に接触するように、また、中芯原紙(坪量120g/m2)を段ロール側となるように重ねて、温度180℃、線圧40kg/cm、加圧時間0.1秒の条件で貼合時を想定した耐熱試験を行った。
貼合後、防湿紙の塗工面に段ロールの跡が付かないものを○、段ロールの跡が付くが、剥がれた塗工層がプレスロールに付着しなかったものを△、剥がれた塗工層がプレスロールに付着したものを×とした。
4)耐摩耗性評価
実施例、比較例で得た塗工紙の塗工面同士を摩擦試験機FR2(スガ試験機製)を用いて荷重200g、毎分30往復の速さで摩擦試験を行った。
摩擦回数100往復でも塗工表面に擦れ傷の発生しないものを○、それ以下で発生するものを×とした。
5)耐水性評価
実施例、比較例で得た塗工紙の表面(塗工面)を水に濡らした綿棒で擦り、塗工層が剥がれないものを○、剥がれたものを×とした。
以下の方法で、実施例及び比較例を評価、その結果を表1に示す。
1)リサイクル性評価
実施例、比較例で得た塗工紙を試料とし、約3cm四方の防湿性ライナ8gを500mlの水と共に家庭用ミキサー(刃は繊維を切らないようにヤスリで削り落としたものを使用)で1分30秒間攪拌した。得られたスラリーで坪量70g/m2の手抄きシートを作製した。
未離解物(フィルム片、紙片)の有無を目視で評価し、未離解物を含まないものを○、含むものを×とした。
2)防臭性評価
2−1)酸素ガス透過度測定
実施例、比較例で得たテストコルゲーター通し後の塗工紙をガス透過率測定装置GPM-250(ジーエルサイエンス製)を用いて同圧法で、酸素透過度を測定した(この方法はJIS−K−7126 B法による測定値と一致)。測定条件は23℃、湿度0%とした。(単位:ml/m2・24h・atm)
2−2)TCA臭試験
デシケーターのふた部分に実施例、比較例で得た試料を挟んで上部空間を区切り、下部空間に1000μg/mlのTCA標準エタノール溶液30μlを添加する(1400ppb(vol)相当)。40℃の乾燥機に入れ、24時間後、ガスタイトシリンジで上部空間より0.2mlサンプリングして、試料を透過したTCA量を測定する。
TCA量の測定は、GC/MS(SIM)によって行う。測定装置としてJMS−700(日本電子製)を用いる。(装置の測定下限1ppb)
測定値が1ppb未満であれば、防臭性は十分であると考えられる。10ppbを越えた場合は防臭紙としての機能を有しない。
3)耐熱性評価
テストコルゲーターPM9001CG型(SMT製)を用いて、実施例、比較例で得た塗工紙(A4サイズ)の塗工面、又はボブロンフィルム貼合面をプレスロール面に接触するように、また、中芯原紙(坪量120g/m2)を段ロール側となるように重ねて、温度180℃、線圧40kg/cm、加圧時間0.1秒の条件で貼合時を想定した耐熱試験を行った。
貼合後、防湿紙の塗工面に段ロールの跡が付かないものを○、段ロールの跡が付くが、剥がれた塗工層がプレスロールに付着しなかったものを△、剥がれた塗工層がプレスロールに付着したものを×とした。
4)耐摩耗性評価
実施例、比較例で得た塗工紙の塗工面同士を摩擦試験機FR2(スガ試験機製)を用いて荷重200g、毎分30往復の速さで摩擦試験を行った。
摩擦回数100往復でも塗工表面に擦れ傷の発生しないものを○、それ以下で発生するものを×とした。
5)耐水性評価
実施例、比較例で得た塗工紙の表面(塗工面)を水に濡らした綿棒で擦り、塗工層が剥がれないものを○、剥がれたものを×とした。
本発明で得られる防臭塗工紙、及び防臭段ボールシートは、防臭性を必要とする包装容器の素材として使用することができる。
Claims (5)
- 紙基材の片面に合成樹脂エマルジョンと平板状顔料を含む塗料を塗布し乾燥して防臭塗工層を設け、その上に耐熱耐摩耗性樹脂層を設けたことを特徴とする防臭塗工紙。
- 該合成樹脂エマルジョンは、ガラス転移温度が−10〜40℃であるスチレン−ブタジエン系共重合体のエマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の防臭塗工紙。
- 耐熱耐摩耗性樹脂層がスチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョンを塗工してなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の防臭塗工紙。
- 酸素透過度が3000ml/m2・24h・atm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防臭塗工紙。
- 少なくとも段ボールシートの片面を形成するライナとして、請求項1〜4のいずれかに記載の防臭塗工紙を用いたことを特徴とする防臭段ボールシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003281546A JP2005048320A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 防臭塗工紙及び防臭段ボールシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003281546A JP2005048320A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 防臭塗工紙及び防臭段ボールシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005048320A true JP2005048320A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34267019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003281546A Pending JP2005048320A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | 防臭塗工紙及び防臭段ボールシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005048320A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214844A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-09-18 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 樹脂塗工シート |
JP2008248463A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-10-16 | Oji Paper Co Ltd | クッションフロアー裏打ち材およびクッションフロアー |
JP2020523457A (ja) * | 2017-06-15 | 2020-08-06 | ケミラ ユルキネン オサケイティエKemira Oyj | バリアコーティング組成物、シート状製品及びその使用 |
-
2003
- 2003-07-29 JP JP2003281546A patent/JP2005048320A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214844A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-09-18 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 樹脂塗工シート |
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US11525218B2 (en) | 2017-06-15 | 2022-12-13 | Kemira Oyj | Barrier coating composition, sheet-like product and its use |
JP7193483B2 (ja) | 2017-06-15 | 2022-12-20 | ケミラ ユルキネン オサケイティエ | バリアコーティング組成物、シート状製品及びその使用 |
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