JP4599479B2 - 防滑性樹脂塗工紙およびその製造法並びに樹脂塗工紙を使用した包装箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として輸送用包装箱として使用されるカートン、段ボ−ル箱などに使用する樹脂塗工紙およびそれを使用した包装箱に関する。中でも、光沢性と防滑性に優れた樹脂塗工紙およびそれを使用したカートン、段ボール箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
農産物、水産物をはじめとする種々の食品、あるいは各種工業製品などは、板紙製箱(カートン)、段ボール箱等で包装されて輸送されている。
【0003】
近年、各種包装ラインの自動化、輸送ラインのパレット化などによる物流の効率化が進んでいるが、その際、段ボール箱などが滑ると荷崩れが発生し、非常に危険であると共に、運送の効率低下などの生じる原因となっている。
これを防止するために、段ボール箱及びカートンなどの箱の表面に各種の防滑性組成物を塗布する方法が知られている。
【0004】
段ボール箱及びカートン等の箱の表面に紫外線もしくは電子線硬化防滑性樹脂層を設け、トラック、自動物流ライン等での荷崩れを防止する技術については、特開平5−162740号公報に提案されている。
紫外線硬化又は電子線硬化による塗工方法は、塗工後に乾燥工程を必要とせず、瞬時に硬化するので、場合によっては、段ボールライナーや板紙などの表面塗工にも十分に使用され得るものである。
【0005】
しかしながら、段ボール箱及びカートン等の箱全面に防滑性樹脂が塗布されている場合、防滑性を必要としない箱の横面まで防滑性が高まる結果、例えば、個々の箱をプッシャーやソータ等の仕分け装置により出荷先別に仕分けするとき、箱の横面同志の強い摩擦抵抗により仕分け効率が悪くなり、個々の箱を正確かつ円滑に搬送させることできないという問題がある。また、複数の箱を集積して一のハンドリングしやすいユニット包装体に集積包装する作業時においても、箱の横面の滑り性が低いことに起因して個々の箱が動きずらくなる。そして、片寄り、回転、ズレなどの配列乱れが生じて、集積機による集積が難しくなり、集積効率が低下する等の問題がある。
【0006】
また、段ボール箱の美粧性を高める要求も出ており、印刷の上に樹脂塗工したライナーにおいて、樹脂層の光沢性、耐摩耗性などが要求されている。
更に、プレプリント方式と呼ばれる段ボール製造方法では、あらかじめ印刷が施されたライナーを使用してコルゲーターで段ボールシートを製造するため、印刷表面に傷がつき易く、その保護が必要とされている。印刷面上にオーバープリントニスを塗って保護する方法が知られているが、熱可塑性樹脂を塗工するとコルゲーター上で熱板に付着する問題があり、熱硬化性樹脂を使用すると、表面が滑り過ぎるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、前記した紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かしながら、光沢性、防滑性、耐摩耗性に優れた段ボール箱や板紙箱などの紙製カートンを提供し、更には前記搬送適性やハンドリング適性を改良したカートンを提供することを課題とし、それに使用する樹脂塗工紙を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の(1)〜(3)の構成を採用する。
(1)紙の上に下塗り層を介して活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られる硬化樹脂層を表面に有する防滑性樹脂塗工紙において、
部分的に性状の異なる下塗り層を別個に形成することにより、硬化樹脂層表面のJISP−8147に規定する傾斜法滑り開始角度の値が相対的に高い領域(A領域)と低い領域(B領域)とを形成させた防滑性樹脂塗工紙であって、
前記A領域に対応する第1下塗り層はスチレン・アクリル酸共重合物からなる高分子物質を含有し、前記B領域に対応する第2下塗り層はスチレン・アクリル酸エステル共重合物からなる高分子物質および合成シリカ微粒子無機顔料、ポリエチレン球状微粒子有機顔料、ポリプロピレン球状微粒子有機顔料の群から選ばれる少なくとも一種の顔料から構成され、顔料と高分子物質の合計重量に対して、平均粒子径1.5μm〜30μmの顔料を5〜50重量%含有することにより、
温度20℃におけるJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角度が、硬化樹脂層表面のA領域で40°以上、B領域で35°以下であることを特徴とする、防滑性樹脂塗工紙である。
(2) 巻き取り状の紙に硬化性樹脂組成物を塗工して巻き取る樹脂塗工紙の製造方法において、
紙の特定の位置に第1下塗り層を形成し、残りの位置に前記第1下塗り層とは性状の異なる第2下塗り層を形成して乾燥した後、巻き取りの全幅に活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して硬化樹脂層を形成する、(1)項に記載の防滑性樹脂塗工紙の製造方法である。
(3)(1)項に記載の樹脂塗工紙を使用して作られた箱であり、
前記硬化樹脂層を箱の表面に有し、かつ箱の天面または地面の少なくとも一部が前記A領域を有することを特徴とする防滑性包装箱である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の樹脂塗工紙は、活性エネルギー線硬化性組成物を紙に塗工し、活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化樹脂層を形成することを要件とする。活性エネルギー線とは、不飽和結合を有する有機化合物に作用して重合反応又は架橋反応を起こす放射線であるが、安全性、使用し易さなどから、一般的には、電子線又は紫外線が使用されることが多く、本発明でも、主として電子線、紫外線を対象とする。
【0010】
<紙材料>
本発明に使用する紙としては、従来から段ボールに使用されているクラフトライナー、ジュートライナー、白板紙などが使用できる。紙の米坪としては、特に限定があるものではないが、50〜300g/m2程度が好ましい。パルプとしては、未晒しクラフトパルプ、段ボール古紙パルプなどが使用できる。
本発明の紙には、前記した従来の段ボールに使用されている、いわゆる段ボール原紙及び板紙以外に、米坪30〜130g/m2の上質紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用できる。
これらの紙に使用されるパルプとしては、晒しクラフトパルプ、脱墨古紙パルプなどが使用できる。
【0011】
前記した各種の紙には、填料、サイズ剤、紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
耐水化剤としては、例えばロジン系サイズ剤、合成系サイズ剤、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、環状尿素−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキザール反応物共重合体、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。これらは、対パルプ乾燥重量で0.01〜5重量%程度の範囲で使用される。
【0012】
撥水剤としては、ワックス、石油樹脂、高級脂肪酸塩、シリコーン樹脂、フッ素系撥水剤、エチレン尿素系撥水剤、ピリジン系撥水剤、オレフィン系樹脂等を任意に使用することができる。
耐油剤としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、フッ素系耐油剤などが使用できる。フッ素系耐油剤としては、パーフロロ炭化水素のカルボン酸エステル又は塩、パーフロロ炭化水素のリン酸エステル又は塩などが使用できる。
【0013】
また、合成繊維を配合し、軽量化、耐水性の向上を図ることができる。合成繊維を配合すると、加熱成形後の寸法安定性も向上する。合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなど、各種のものが使用できる。使用する場合には、使用量は対パルプ3〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。
【0014】
<活性エネルギー線硬化性組成物>
本発明でいう活性エネルギー線硬化性組成物とは、活性エネルギー線硬化性化合物の単体または混合物であり、必要に応じて、重合開始剤、紫外線増感剤、顔料、活性エネルギー線で硬化しない水溶性樹脂、水分散性樹脂などを含有しても良い。
活性エネルギー線硬化性組成物中における活性エネルギー線硬化性化合物の合計量は、30重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、最も好ましくは80重量%以上である。
【0015】
<活性エネルギー線硬化性化合物>
本発明に使用できる活性エネルギー線硬化性化合物としては、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでも良く、具体的には、例えば、以下のようなものが例示される。
(1)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
(2)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
(3)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
(4)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
(5)エポキシポリ(メタ)アクリレート
(6)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
(7)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
(8)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物
(9)単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
(10)エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
(11)エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など
(12)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
(13)ビニルラクタムおよびビニルラクタム化合物
(14)エチレン性不飽和結合を有するポリエーテルおよびそのエステル
(15)エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
(16)エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールおよびそのエステル
(17)スチレン、ジビニルベンゼンなど1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
(18)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
(19)エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
(20)上記(1)〜(19)記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物
【0016】
防滑性と塗工適性から、上記のうち、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルウレタンアクリレートおよびエポキシアクリレートからなる群より選択される少なくとも一種の1〜2官能オリゴマーを含有し、更に、多価アルコールのアクリレートから選択される少なくとも一種の3官能以上のアクリレートを含有する構成が好ましい。
【0017】
<水溶性活性エネルギー線硬化性組成物>
本発明は、段ボール用のライナーが主たる対象であり、段ボールシートあるいは段ボールライナーはフレキソ印刷機で印刷されることが多く、フレキソ印刷機での塗工を容易にし、また、塗工後に水又は水とアルコールで容易に清掃できるようにするため、活性エネルギー線硬化性化合物を水溶性とすることが好ましい。
以下、本発明に推奨される水溶性活性エネルギー線硬化性化合物について説明する。この場合、光沢性、耐ブロッキング性、耐摩耗性のバランスから、以下のようにA成分とB成分を混合して使用することが好ましい。
【0018】
活性エネルギー線硬化性化合物のA成分として、3官能以上の活性エネルギー線硬化性化合物、即ち、1分子の中に不飽和結合を3個以上有する化合物を使用する。また、B成分として、2官能又は1官能の活性エネルギー線硬化性化合物を使用する。2官能とは、1分子の中に不飽和結合を2個有する化合物であり、1官能とは不飽和結合を1分子中に1個有する化合物である。
なお、以後、本明細書の説明では、3官能以上を「多官能」と称することとし、3価以上を「多価」と称して説明する。
【0019】
A成分についてさらに説明する。A成分としては、水溶性を有する3官能以上の活性エネルギー線硬化性化合物が必要であり、多官能アクリレートに親水基を導入することにより得られる。多官能アクリレートは、多価アルコールの1分子中において、3箇所以上のOH基をアクリル酸でエステル化することによって得られる。
上記において、アクリレートはメタクリレートでも良く、アクリル酸はメタクリル酸でも良いが、本発明では、以下、アクリレートのみを例示して説明する。
【0020】
多官能アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールの低級脂肪酸及びアクリル酸のエステル(アクリル酸が3個以上)などが例示される。
また、多官能アクリレートは、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマーでも良い。
前記各種の多官能アクリレートは2種以上を併用することも可能である。
【0021】
多官能アクリレートに導入される親水基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、水酸基、エーテル基、酸アミド基、第1〜第3アミノ基、第4級アンモニウム基、アルキレンオキサイド基などが使用できる。
前記において、カルボキシル基を導入するために使用する酸としては、ジメチルプロピオン酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ酸、コハク酸等が例示される。これらの酸を前記した多官能アクリレートの主鎖に結合する形でカルボキシル基を導入することができる。
カルボキシル基の導入量は、多官能アクリレートの親水性にもより、一概には言えないが、0.2〜5モル%程度が好ましく、特に0.5〜2モル%が好ましい。
この方法により水溶性とした活性エネルギー線硬化性化合物を使用することにより、硬化後の耐水性を向上させることができる。
【0022】
本発明で推奨される最も好ましい組み合わせとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートにコハク酸を0.5〜2.0モル付加させたものである。
これにより、後述するように、塗工の際にはフレキソ印刷機に適した粘度とすることが出来、耐水性も高く、光沢性、耐摩耗性にも優れた硬化樹脂層が得られる。
コハク酸のモル付加が0.5未満のものは水溶性がやや低く、2.0を超えるたものは粘度が高くなるという問題を有する。
【0023】
次に、B成分である、1〜2官能の水溶性活性エネルギー線硬化性化合物について説明する。
1〜2官能の水溶性活性エネルギー線硬化性化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジアクリロイルエチルオキシホスフェート、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホリン、グリコシルエチルメタアクリレート等の内1種、又は2種以上を組み合わせて使用できる。必要な場合、上記化合物のうちから選択して、フレキソ印刷に適した粘度とすることが可能である。
この他、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどのオリゴマーのうち、1〜2官能性のものも使用できる。
【0024】
水溶性を有する1〜2官能の活性エネルギー線硬化性化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレートが水溶性も良く、粘度もフレキソ印刷機に適した粘度であり、耐水性の低下も少ないことから好ましい。
【0025】
A成分とB成分の比率としては、A成分が10〜90重量%、B成分が90〜10重量%がフレキソ印刷機塗工適性、硬化樹脂層の光沢、耐摩耗性などの点から好ましい。A成分が10重量%未満では、硬化樹脂層の耐水性が不足する。90重量%以上では、硬化が進み過ぎ、防滑性が得られない。
また、特に防滑性、フレキソ印刷機塗工適性、耐熱性、耐ブロッキング性、防滑性のバランスを考慮すると、A成分が40〜90重量%、B成分が60〜10重量%の範囲が好ましい。配合をこの範囲にした場合、硬化樹脂層のガラス転移温度を50〜250℃にすることが可能であり、耐熱性があり、耐ブロッキング性があると同時に、モノマーの親水性と架橋構造による弾性により防滑性も得られると考えられる。
【0026】
A成分としてジペンタエリスリトールペンタアクリレートにコハク酸を0.5〜2.0モル付加させたもの、B成分として、ポリエチレングリコールジアクリレートを選択した場合、A成分が50〜85重量%、B成分50〜15重量%の範囲が好ましい。
この配合であれば、耐熱性、耐摩擦性、防滑性、耐汚染性、耐水性、光沢度を同時に満足することができる。
また、この配合であれば、全固形分80%の水/イソプロピルアルコール液としたときに、ザーンカップ4番測定で10〜40秒程度とすることが容易である。
【0027】
また、本発明で使用する硬化樹脂層の硬化樹脂は、ガラス転移温度が50〜250℃(DSC法による)であることが望ましい。ガラス転移温度が50℃未満の場合は、硬化樹脂層の耐熱性、耐ブロッキング性が充分でない場合があり、また、250℃を越える場合は、防滑性が充分でない場合がある。
【0028】
本発明の硬化樹脂層表面のうち、スベリ角度(摩擦係数)が高い方の領域、即ちA領域では、JIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角度が温度20℃における測定で40°以上であるようにすることが好ましい。そのためには、前記したようにA成分が40〜90重量%、B成分が60〜10重量%の範囲とすることが好ましく、更に必要に応じて、以下のように滑り開始角度を調整することが可能である。
なお、硬化樹脂層の滑り開始角度をより高く調整するためには、つまり防滑性をより向上させるためには、B成分としてポリエステルアクリレートを使用することが望ましい。
また、硬化樹脂層の滑り開始角度をより低く調整するためには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、カルナバ、ラノリン等の合成系又は天然系ワックス、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル等の微粒子などを塗料組成物に配合することが可能である。
さらに本発明においては、滑り開始角度を調整する等の目的で、塗料組成物に公知の顔料を適宜配合することも可能である。
【0029】
活性エネルギー線硬化性組成物には、水溶性高分子の水溶液又は合成樹脂の水分散液を添加しても良い。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。合成樹脂の水分散液としては、アクリル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エマルジョンなど、通常の紙塗工用の樹脂エマルジョンが使用できる。
【0030】
<硬化方法>
硬化に電子線照射を用いる場合は、透過力、硬化力の面から加速電圧が100〜1000KVであり、より好ましくは100〜300KVの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradになるようにすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射量がこの範囲より低いと電子線の透過力が低すぎて支持体の内部まで十分な硬化が行なわれず、またこの範囲より大きすぎるとエネルギー効率が悪化するばかりでなく、支持体の強度低下や樹脂、添加剤の分解など品質上好ましくない影響が現れる。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等のいずれでも良いが、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式の電子線加速器を用いることが好ましい。このカーテンビーム方式においては、加速電圧が100〜300KVであり、吸収線量は、0.5〜10Mradであることが好ましい。
【0031】
なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高いと電子線硬化性樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは500ppm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
【0032】
硬化に紫外線照射を用いる場合には、80W/cm以上のランプを用いることが好ましい。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。また、樹脂中に光反応開始剤を混合して用いることができる。
更に、硬化に紫外線を用いる場合には、樹脂中に光反応開始剤が必要である。使用できるものとしては、例えば、ジ及びトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物等がある。
【0033】
上記一般的な光反応開始剤を、更に具体的に述べるならば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(イルガキュア651、チバガイギー製)、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキュア184、チバガイギー製)、A:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとB:ベンゾフェノンの共融混合物(イルガキュア500、チバガイギー製)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1(イルガキュア907、チバガイギー製)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(イルガキュア369、チバガイギー製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(ダロキュア1173、チバガイギー製)、 A:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-フォスフィンオキサイドの共融混合物(ダロキュア4265、チバガイギー製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア2959、チバガイギー製)、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)チタニウム(CGI-784、チバガイギー製)、 A:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:ビスアシルフォスフィンオキサイド(イルガキュア1700、チバガイギー製)等を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0034】
<下塗り層の形成>
次に、別紙の図1から図3に基づいて、紙3と硬化樹脂層1の中間に設ける下塗り層2について説明する。
図1は本発明の防滑樹脂塗工紙の断面図、図2(a)(b)は、下塗り層の形成状態を示したJIS Z-1507で規定するコード0201の段ボール箱の展開図、同図(c)はその組立図である。図3(a)は同じようにラップラウンド形箱の展開図、同図(b)はその組立図である。
一般的には、活性エネルギー線硬化性組成物の塗工を少量で均一とするため、即ち目留め作用を持たせるために下塗り層が設けられる。本発明では、防滑性樹脂層表面のスベリ角度を制御するために下塗り層2が必要である(図1)。
A領域に対応する場所の下塗り層(第1下塗り層)は、高分子物質の溶液または分散液を塗布して形成するが、水溶性高分子の水溶液又は合成樹脂水性エマルジョンを紙に塗工し乾燥して得ることが好ましい。
水溶性高分子としては、澱粉類、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール類、カゼイン、ゼラチンなどが挙げられる。澱粉類としては、澱粉、変性澱粉、セルロース誘導体としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。ポリビニルアルコール類としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
合成樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。
なお第1下塗り層には平均粒子径1.5μm未満の顔料を含有しても良い。また1.5μm以上の顔料は5重量%未満含有しても良いが、好ましくは3重量%以下、最も好ましくは0重量%である。
【0035】
B領域に対応する場所の下塗り層(第2下塗り層)は、顔料と高分子物質から構成することが好ましく、顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれでも良い。無機顔料としては、ガラスビーズ、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等が例示される。有機顔料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、テフロン、シリコーン樹脂などの微粒子が使用できる。また、コラーゲン、ウールパウダー、シルクパウダーなども使用できる。
B領域に対応する場所の下塗り層に使用する高分子物質としては、前記したA領域に使用できる高分子物質と同様のものが好ましく使用できる。
【0036】
前記顔料は、その領域の下塗り層における顔料と高分子物質の合計量に対して、5〜50重量%であることが好ましい。50重量%を超えて配合すると、接着性の低下、塗膜の透明性の低下を起こし好ましくない。5重量%未満では十分なスベリ角度の低下が得られない。
前記顔料の平均粒子径は1.5μm〜30μmであることが好ましい。1.5μm未満であるとスベリ角度の低下が充分でなく、30μmを超えると光沢性の低下、印刷適性の低下が起こり好ましくない。
【0037】
A領域、B領域とも、下塗り層の塗工量としては乾燥固形分で1〜10g/m2程度が好ましい。
また、本発明における樹脂塗工層は表面光沢度の向上も目的としている。特に、紙の上に印刷層を有し、その上に硬化樹脂層を保護層として設ければ、特に優れた光沢度が得られ、また印刷部の保護になる。従って、本発明において、硬化樹脂層表面のJIS Z−8741に規定する60度鏡面反射光沢度が60%以上の光沢を有することが好ましく、70%以上が更に好ましい。
【0038】
本発明を一般用の樹脂塗工紙、又はプレプリント方式段ボール用ライナーに適用する場合には、巻取状の紙に一般のコーターを使用して塗工できる。即ち、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーターなど、ごく一般的なコーターを使用できる。
なお、本発明の硬化樹脂は、紙あるいは箱全体の光沢度を概略同一として美粧性を上げるため、紙の全面に塗工することが好ましい。しかしながら、例えば、箱製造時の糊接着性などのため、端に近い所や箱の内フラップは塗布しないなど、必要に応じて部分的に塗工しない部分があっても良い。
また、プレプリント方式の段ボールとは、あらかじめ印刷された巻取状のライナーを使用して、通常のコルゲーターにより段ボール成形を行う方法であり、多くの場合、ダブルフェーサー側のライナーにプレプリントライナーを使用する。
プレプリントライナーは、貼合時の熱や摩擦等から印刷層の保護を必要とする場合があるため、前記印刷層上にさらに本発明の硬化樹脂層を設けることで、印刷層の保護層とすることができる。
【0039】
また、下塗り層、活性エネルギー線硬化樹脂層は、印刷機において印刷層を設けた後、巻取らずに、連続する工程で形成することが更に好ましい。
本発明の塗工をフレキソ印刷機で行う場合、フレキソ印刷機は、スタックプレスタイプ、ベルトタイプ、センタードラムタイプ(又はドラムプレスタイプ)のいずれのタイプでも使用できる。いずれのタイプにおいても、必要な模様や文字等を通常のフレキソインキを使用して印刷を行った後、残りの印刷ユニットでインキの代わりに下塗り塗料、活性エネルギー線硬化性組成物を使用して印刷することによって本発明の硬化樹脂層を設けることができる。ただし、この場合、通常のフレキソインキによる印刷後、残りのユニットで下塗り層を形成し、ドライヤーゾーンを通して乾燥した後、活性エネルギー線硬化性組成物を塗工し、更に乾燥した後に、活性エネルギー線を照射することが更に好ましい。
【0040】
【実施例】
<実施例1>
多色フレキソ輪転印刷機にて、FXコート紙(王子製紙製,秤量220g/m)に、A領域に対応する場所の下塗り層(第1下塗り層)としてPW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃)を箱の天地となる部分に2g/m2(固形分)塗工し、B領域に対応する場所の下塗り層(第2下塗り層)として下記滑り性付与組成物1を箱の側面となる部分に2g/m2(固形分)塗工し乾燥した後に、下記活性エネルギー線硬化性組成物を第1下塗り層と第2下塗り層のそれぞれの上へ5g/m2(固形分)同時に塗工し、次に紫外線照射により硬化させ、FXコート紙に硬化樹脂層を設けた。
この原紙をコルゲーターにて表ライナー(ダブルフェーサー側ライナー)に使用し、中芯に坪量120g/m2(高崎三興製)の中芯と裏ライナー(シングルフェーサー側ライナー)に坪量220g/m2のNRK220(王子製紙製)使用して貼合し、段ボールシートを得た。
【0041】
滑り性付与組成物1:
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)=86部,平均粒子径3.5μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=1部,平均粒子径7.0μm,軟化点132℃のポリエチレン球状微粒子=1部,水/イソプロピルアルコール=50/50の稀釈液12部を混合し、固形分28重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を得た。
活性エネルギー線硬化性組成物
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させたもの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジアクリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5部の重量組成物100部に対して、水/イソプロピルアルコール=50/50の希釈液25部を混合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒にした。
【0042】
<実施例2>
滑り性付与組成物1を下記滑り性付与組成物2に変更した他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。
滑り性付与組成物2:
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)=70部,平均粒子径5.5μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=8部,平均粒子径10.0μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=2部,水/イソプロピルアルコール=50/50の稀釈液20部を混合し、固形分31重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を得た。
【0043】
<実施例3>
滑り性付与組成物1を下記滑り性付与組成物3に変更した他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。
滑り性付与組成物3:
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)=80部,平均粒子径3.5μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=5部,平均粒子径25.0μm,軟化点145℃のポリプロピレン球状微粒子=2部,水/イソプロピルアルコール=50/50の稀釈液13部を混合し、固形分31重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を得た。
【0044】
<参考例>
滑り性付与組成物1を下記滑り性付与組成物4に変更した他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。
滑り性付与組成物4:(無機系微粒子を塗膜中に50重量%以上含む場合)
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)=40部,平均粒子径3.5μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=13部,水/イソプロピルアルコール=50/50の稀釈液47部を混合し、固形分25重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を得た。
【0045】
<比較例1>
滑り性付与組成物1を下記滑り性付与組成物6に変更した他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。
滑り性付与組成物6:(微粒子を塗膜中に含まない場合)
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)=97部,水/イソプロピルアルコール=50/50の稀釈液3部を混合し、固形分30重量%,ザーンカップ4番測定で粘度15秒の組成物を得た。
以上の実施例、比較例に対して下記の評価を行い、結果を表1及び表2に示した。
【0046】
<試験方法及び評価基準>
(1)滑り開始角度
JIS P−8147規定の傾斜方法で滑り開始角度を測定(20℃と5℃で測定)した。尚、測定は塗工面同士について、紙の縦方向について行った。
【0047】
(2)密着性
ニチバンセロテープを使用し、硬化樹脂層に密着させ、90°方向へ剥離した時の中間層と硬化樹脂層の付着性を観察する。
(評価基準)
◎:紙層から剥離する。
○:1部紙層から剥離する。
△:1部中間層から剥離する。
×:硬化樹脂層が中間層から剥離する。
【0048】
(3)耐摩耗性
学振型試験機を使用し、500gの荷重で300回摩擦した時の防滑性樹脂層の損傷の状態を観察する。
(評価基準)
◎:防滑性樹脂層の損傷がない。
○:防滑性樹脂層に筋状の損傷がある。
△:防滑性樹脂層全面に損傷がある。
×:基材に及ぶ損傷がある。
【0049】
(4)光沢度
グロスメーターVGS−ID(日本電色工業社製)を使用し、JIS Z−8741に規定される方法で、60°/60°における光沢度を測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かしながら、紙と硬化樹脂層との中間層(下塗り層)として、滑り性を調整可能とするため、部分的に性状の異なる第2下塗り層を別個に形成することにより、光沢性、防滑性、耐摩耗性、更に物流時のハンドリング性に優れた樹脂塗工紙及びそれを使用した包装箱を得ることができる。
また、多官能アクリレートを使用し三次元架橋をした硬化樹脂層の場合、輸送時に床面等にこすられても、汚れがつかないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防滑樹脂塗工紙の断面図である。
【図2】(a)と(b)は、下塗り層の形成状態を示したJIS Z-1507で規定するコード0201の段ボール箱の展開図、(c)はその組立図である。
【図3】(a)は同じようにラップラウンド形箱の展開図、(b)はその組立図である。
【符号の説明】
1 硬化樹脂層
2 下塗り層
3 紙層
A 傾斜法滑り開始角度の値が相対的に高い領域
B 傾斜法滑り開始角度の値が相対的に低い領域
Claims (3)
- 紙の上に下塗り層を介して活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られる硬化樹脂層を表面に有する防滑性樹脂塗工紙において、
部分的に性状の異なる下塗り層を別個に形成することにより、硬化樹脂層表面のJISP−8147に規定する傾斜法滑り開始角度の値が相対的に高い領域(A領域)と低い領域(B領域)とを形成させた防滑性樹脂塗工紙であって、
前記A領域に対応する第1下塗り層はスチレン・アクリル酸共重合物からなる高分子物質を含有し、前記B領域に対応する第2下塗り層はスチレン・アクリル酸エステル共重合物からなる高分子物質および合成シリカ微粒子無機顔料、ポリエチレン球状微粒子有機顔料、ポリプロピレン球状微粒子有機顔料の群から選ばれる少なくとも一種の顔料から構成され、顔料と高分子物質の合計重量に対して、平均粒子径1.5μm〜30μmの顔料を5〜50重量%含有することにより、
温度20℃におけるJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角度が、硬化樹脂層表面のA領域で40°以上、B領域で35°以下であることを特徴とする、防滑性樹脂塗工紙。 - 巻き取り状の紙に硬化性樹脂組成物を塗工して巻き取る樹脂塗工紙の製造方法において、
紙の特定の位置に第1下塗り層を形成し、残りの位置に前記第1下塗り層とは性状の異なる第2下塗り層を形成して乾燥した後、巻き取りの全幅に活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して硬化樹脂層を形成する、請求項1に記載の防滑性樹脂塗工紙の製造方法。 - 請求項1に記載の樹脂塗工紙を使用して作られた箱であり、
前記硬化樹脂層を箱の表面に有し、かつ箱の天面または地面の少なくとも一部が前記A領域を有することを特徴とする防滑性包装箱。
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