JP2003034004A - 防滑性樹脂塗工シート及び包装箱 - Google Patents

防滑性樹脂塗工シート及び包装箱

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JP2003034004A
JP2003034004A JP2001224879A JP2001224879A JP2003034004A JP 2003034004 A JP2003034004 A JP 2003034004A JP 2001224879 A JP2001224879 A JP 2001224879A JP 2001224879 A JP2001224879 A JP 2001224879A JP 2003034004 A JP2003034004 A JP 2003034004A
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cured resin
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JP2001224879A
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English (en)
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Masahiro Kumabe
正博 隈部
Hiroaki Mikamo
弘明 三鴨
Takeo Oishi
丈夫 大石
Takuzo Uchiyama
卓三 内山
Hitoshi Komaki
仁 古巻
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New Oji Paper Co Ltd
Nippon Kako Toryo Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Nippon Kako Toryo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点
を活かしながら、更に、防滑性、光沢性、耐摩耗性が良
好で、更には、低温・低湿下でも十分な防滑性を備えた
防滑性シート及び防滑箱を得る。 【解決手段】 基材シートの上に活性エネルギー線硬化
性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られる
硬化樹脂層を表面に有する防滑性樹脂塗工シートにおい
て、該硬化樹脂層中に保湿剤を含有する防滑性樹脂塗工
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として輸送用包
装箱として使用されるカートン、段ボ−ル箱などに使用
する樹脂塗工紙を含む樹脂塗工シート及びそれを使用し
た包装箱に関する。中でも、光沢性と防滑性に優れた樹
脂塗工シート及びそれを使用したカートン、段ボール箱
に関する。
【0002】
【従来の技術】農産物、水産物をはじめとする種々の食
品、あるいは各種工業製品などは、板紙製箱(カート
ン)、段ボール箱等で包装されて輸送されている。
【0003】近年、各種包装ラインの自動化、輸送ライ
ンのパレット化などによる物流の効率化が進んでいる
が、その際、段ボール箱などが滑ると荷崩れが発生し、
非常に危険であると共に、運送の効率低下などの生じる
原因となっている。これを防止するために、段ボール箱
及びカートンなどの箱の表面に各種の防滑性組成物を塗
布する方法が知られている。
【0004】段ボール箱及びカートン等の箱の表面に紫
外線もしくは電子線硬化防滑性樹脂層を設け、トラッ
ク、自動物流ライン等での荷崩れを防止する技術につい
ては、特開平5−162740号公報に提案されてい
る。紫外線硬化又は電子線硬化による塗工方法は、塗工
後に乾燥工程を必要とせず、瞬時に硬化するので、場合
によっては、段ボールライナーや板紙などの表面塗工に
も十分に使用され得るものである。
【0005】本発明者らは、フレキソ印刷可能な紫外線
硬化又は電子線硬化型塗料に関して先に特願2000−
107928として出願している。しかしながら、本発
明者らによる更なる研究によれば、前記特開平5−16
2740号公報、特願2000−107928などに記
載されている防滑性塗膜は、低湿度下、特に低温・低湿
度下における防滑性が十分ではないことが判明した。
【0006】また、段ボール箱の美粧性を高める要求も
出ており、印刷の上に樹脂塗工したライナーにおいて、
樹脂層の光沢性、耐摩耗性などが要求されている。更
に、プレプリント方式と呼ばれる段ボール製造方法で
は、あらかじめ印刷が施されたライナーを使用してコル
ゲーターで段ボールシートを製造するため、印刷表面に
傷がつき易く、その保護が必要とされている。印刷面上
にオーバープリントニスを塗って保護する方法が知られ
ているが、熱可塑性樹脂を塗工するとコルゲーター上で
熱板に付着する問題があり、熱硬化性樹脂を使用する
と、表面が滑り過ぎるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記した
紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かしな
がら、光沢性、防滑性、耐摩耗性に優れ、更には、低温
・低湿下でも十分な防滑性を備えた防滑性シート及び防
滑箱を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の構成を採用する。即ち、本発明の第
1は、基材シートの上に活性エネルギー線硬化性組成物
を塗布し活性エネルギー線を照射して得られる硬化樹脂
層を表面に有する防滑性樹脂塗工シートにおいて、該硬
化樹脂層中に保湿剤を含有する防滑性樹脂塗工シートで
ある。
【0009】また、本発明の第2は、該保湿剤が該硬化
樹脂層全体に対して0.5〜15重量%である、本発明
の第1に記載の防滑性樹脂塗工シートである。
【0010】また、本発明の第3は、該保湿剤が20℃
において液状を呈する物質である本発明の第1又は第2
のいずれかに記載の防滑性樹脂塗工シートである。
【0011】また、本発明の第4は、該保湿剤が、グリ
セリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリオキシプロピレングリコールからなる群よ
り選択される一種以上である、本発明の第1〜第3のい
ずれかに記載の防滑性樹脂塗工シートである。
【0012】また、本発明の第5は、該硬化樹脂層表面
の水に対する接触角が72度以下である、本発明の第1
に記載の防滑性樹脂塗工シートである。
【0013】また、本発明の第6は、該硬化樹脂層表面
の、温度5℃、相対湿度35%におけるJIS P−8
147に規定する傾斜法滑り開始角度が40度以上であ
る、本発明の第1に記載の防滑性樹脂塗工シートであ
る。
【0014】また、本発明の第7は、立方形又は直方形
等の6面体形状の箱であり、少なくとも一面に、活性エ
ネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照
射して得られた硬化樹脂層を表面に有する防滑性箱にお
いて、該硬化樹脂層中に保湿剤を含有する防滑性箱であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂塗工紙は、活性エネ
ルギー線硬化性組成物を紙に塗工し、活性エネルギー線
を照射して硬化させた硬化樹脂層を形成することを要件
とする。活性エネルギー線とは、不飽和結合を有する有
機化合物に作用して重合反応又は架橋反応を起こす放射
線であるが、安全性、使用し易さなどから、一般的に
は、電子線又は紫外線が使用されることが多く、本発明
でも、主として電子線、紫外線を対象とする。
【0016】<基材シート>本発明の基材シートとして
は、一般に包装材料として使用されている、紙(板紙を
含む)、プラスチックシート、ガラス板、金属板が使用
できる。本発明に使用する紙としては、従来から段ボー
ルに使用されているクラフトライナー、ジュートライナ
ー、白板紙などが使用できる。紙の米坪としては、特に
限定があるものではないが、50〜300g/m2程度が好
ましい。パルプとしては、未晒しクラフトパルプ、段ボ
ール古紙パルプなどが使用できる。本発明の紙には、前
記した従来の段ボールに使用されている、いわゆる段ボ
ール原紙及び板紙以外に、米坪30〜130g/m2の上質
紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用できる。これらの
紙に使用されるパルプとしては、晒しクラフトパルプ、
脱墨古紙パルプなどが使用できる。
【0017】前記した各種の紙には、填料、サイズ剤、
紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各
種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
耐水化剤としては、例えばロジン系サイズ剤、合成系サ
イズ剤、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、環状尿
素−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキ
ザール反応物共重合体、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、ポリアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂等が挙げられる。これらは、対パルプ乾
燥重量で0.01〜5重量%程度の範囲で使用される。
【0018】撥水剤としては、ワックス、石油樹脂、高
級脂肪酸塩、シリコーン樹脂、フッ素系撥水剤、エチレ
ン尿素系撥水剤、ピリジン系撥水剤、オレフィン系樹脂
等を任意に使用することができる。耐油剤としては、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、フッ素系耐油
剤などが使用できる。フッ素系耐油剤としては、パーフ
ロロ炭化水素のカルボン酸エステル又は塩、パーフロロ
炭化水素のリン酸エステル又は塩などが使用できる。
【0019】また、合成繊維を配合し、軽量化、耐水性
の向上を図ることができる。合成繊維を配合すると、加
熱成形後の寸法安定性も向上する。合成繊維としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエス
テルなど、各種のものが使用できる。使用する場合に
は、使用量は対パルプ3〜40重量%、好ましくは5〜
20重量%である。
【0020】<活性エネルギー線硬化性組成物>本発明
でいう活性エネルギー線硬化性組成物とは、活性エネル
ギー線硬化性化合物の単体又は混合物であり、必要に応
じて、重合開始剤、紫外線増感剤、顔料、活性エネルギ
ー線で硬化しない樹脂などを含有しても良い。活性エネ
ルギー線硬化性組成物中における活性エネルギー線硬化
性化合物の合計量は、30重量%以上、好ましくは50
重量%以上であり、最も好ましくは80重量%以上であ
る。
【0021】<活性エネルギー線硬化性化合物>本発明
に使用できる活性エネルギー線硬化性化合物としては、
モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでも良く、具
体的には、例えば、以下のようなものが例示される。 (1)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アル
コール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)ア
クリレート。 (2)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アル
コールにアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコ
ールのポリ(メタ)アクリレート。 (3)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート。 (4)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート。 (5)エポキシポリ(メタ)アクリレート。 (6)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート。 (7)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸
エステル。 (8)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末端
に有するビニル系又はジエン系化合物。 (9)単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリド
ン、(メタ)アクリロイル化合物。 (10)エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物。 (11)エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポ
リカルボン酸、及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニ
ウム塩、アミン塩など(12)エチレン性不飽和(メ
タ)アクリルアミド又はアルキル置換(メタ)アクリル
アミド及びその多量体。 (13)ビニルラクタム及びビニルラクタム化合物。 (14)エチレン性不飽和結合を有するポリエーテル及
びそのエステル。 (15)エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエ
ステル。 (16)エチレン性不飽和結合を有するポリアルコール
及びそのエステル。 (17)スチレン、ジビニルベンゼンなど1個以上のエ
チレン性不飽和結合を有する芳香族化合物。 (18)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、又は末
端に有するポリオルガノシロキサン系化合物。 (19)エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合
物。 (20)上記(1)〜(19)記載の化合物の多量体あ
るいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物。
【0022】防滑性と塗工適性から、上記のうち、ポリ
エステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポ
リエステルウレタンアクリレート及びエポキシアクリレ
ートからなる群より選択される少なくとも一種の1〜2
官能オリゴマーを含有し、更に、多価アルコールのアク
リレートから選択される少なくとも一種の3官能以上の
アクリレートを含有する構成が好ましい。
【0023】<水溶性活性エネルギー線硬化性組成物>
本発明は、段ボール用のライナーが主たる対象であり、
段ボールシートあるいは段ボールライナーはフレキソ印
刷機で印刷されることが多く、フレキソ印刷機での塗工
を容易にし、また、塗工後に水又は水とアルコールで容
易に清掃できるようにするため、活性エネルギー線硬化
性化合物を水溶性とすることが好ましい。以下、本発明
に推奨される水溶性活性エネルギー線硬化性化合物につ
いて説明する。この場合、光沢性、耐ブロッキング性、
耐摩耗性のバランスから、以下のようにA成分とB成分
を混合して使用することが好ましい。
【0024】活性エネルギー線硬化性化合物のA成分と
して、3官能以上の活性エネルギー線硬化性化合物、即
ち、1分子の中に不飽和結合を3個以上有する化合物を
使用する。また、B成分として、2官能又は1官能の活
性エネルギー線硬化性化合物を使用する。2官能とは、
1分子の中に不飽和結合を2個有する化合物であり、1
官能とは不飽和結合を1分子中に1個有する化合物であ
る。なお、以後、本明細書の説明では、3官能以上を
「多官能」と称することとし、3価以上を「多価」と称
して説明する。
【0025】A成分について更に説明する。A成分とし
ては、水溶性を有する3官能以上の活性エネルギー線硬
化性化合物が必要であり、多官能アクリレートに親水基
を導入することにより得られる。多官能アクリレート
は、多価アルコールの1分子中において、3箇所以上の
OH基をアクリル酸でエステル化することによって得ら
れる。 上記において、アクリレートはメタクリレート
でも良く、アクリル酸はメタクリル酸でも良いが、本発
明では、以下、アクリレートのみを例示して説明する。
【0026】多官能アクリレートとしては、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリ
セリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールの低級脂肪酸及びアクリル酸のエス
テル(アクリル酸が3個以上)などが例示される。ま
た、多官能アクリレートは、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート
などのオリゴマーでも良い。前記各種の多官能アクリレ
ートは2種以上を併用することも可能である。
【0027】多官能アクリレートに導入される親水基と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボン酸塩
基、スルホン酸塩基、水酸基、エーテル基、酸アミド
基、第1〜第3アミノ基、第4級アンモニウム基、アル
キレンオキサイド基などが使用できる。前記において、
カルボキシル基を導入するために使用する酸としては、
ジメチルプロピオン酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ
酸、コハク酸等が例示される。これらの酸を前記した多
官能アクリレートの主鎖に結合する形でカルボキシル基
を導入することができる。カルボキシル基の導入量は、
多官能アクリレートの親水性にもより、一概には言えな
いが、0.2〜5モル%程度が好ましく、特に0.5〜
2モル%が好ましい。この方法により水溶性とした活性
エネルギー線硬化性化合物を使用することにより、硬化
後の耐水性を向上させることができる。
【0028】本発明で推奨される最も好ましい組み合わ
せとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
トにコハク酸を0.5〜2.0モル付加させたものであ
る。これにより、後述するように、塗工の際にはフレキ
ソ印刷機に適した粘度とすることができ、耐水性も高
く、光沢性、耐摩耗性にも優れた硬化樹脂層が得られ
る。コハク酸のモル付加が0.5未満のものは水溶性が
やや低く、2.0を越えるたものは粘度が高くなるとい
う問題を有する。
【0029】次に、B成分である、1〜2官能の水溶性
活性エネルギー線硬化性化合物について説明する。1〜
2官能の水溶性活性エネルギー線硬化性化合物として
は、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチ
ルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、ジアクリロイルエチルオキシホスフェー
ト、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホ
リン、グリコシルエチルメタアクリレート等の内1種、
又は2種以上を組み合わせて使用できる。必要な場合、
上記化合物のうちから選択して、フレキソ印刷に適した
粘度とすることが可能である。この他、ポリエステルア
クリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアク
リレートなどのオリゴマーのうち、1〜2官能性のもの
も使用できる。
【0030】水溶性を有する1〜2官能の活性エネルギ
ー線硬化性化合物としては、ポリエチレングリコールジ
アクリレートが水溶性も良く、粘度もフレキソ印刷機に
適した粘度であり、耐水性の低下も少ないことから好ま
しい。
【0031】A成分とB成分の比率としては、A成分が
10〜90重量%、B成分が90〜10重量%がフレキ
ソ印刷機塗工適性、硬化樹脂層の光沢、耐摩耗性などの
点から好ましい。A成分が10重量%未満では、硬化樹
脂層の耐水性が不足する。90重量%以上では、硬化が
進み過ぎ、防滑性が得られない。また、特に防滑性、フ
レキソ印刷機塗工適性、耐熱性、耐ブロッキング性、防
滑性のバランスを考慮すると、A成分が40〜90重量
%、B成分が60〜10重量%の範囲が好ましい。配合
をこの範囲にした場合、硬化樹脂層のガラス転移温度を
50〜250℃にすることが可能であり、耐熱性があ
り、耐ブロッキング性があると同時に、モノマーの親水
性と架橋構造による弾性により防滑性も得られると考え
られる。
【0032】A成分としてジペンタエリスリトールペン
タアクリレートにコハク酸を0.5〜2.0モル付加さ
せたもの、B成分として、ポリエチレングリコールジア
クリレートを選択した場合、A成分が50〜85重量
%、B成分50〜15重量%の範囲が好ましい。この配
合であれば、耐熱性、耐摩擦性、防滑性、耐汚染性、耐
水性、光沢度を同時に満足することができる。また、こ
の配合であれば、全固形分80%の水/イソプロピルア
ルコール液とした時に、ザーンカップ4番測定で10〜
40秒程度とすることが容易である。
【0033】また、本発明で使用する硬化樹脂層の硬化
樹脂は、ガラス転移温度が50〜250℃(DSC法に
よる)であることが望ましい。ガラス転移温度が50℃
未満の場合は、硬化樹脂層の耐熱性、耐ブロッキング性
が十分でない場合があり、また、250℃を越える場合
は、防滑性が十分でない場合がある。
【0034】<滑り角度の調整>本発明の硬化樹脂層表
面のJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角
度が温度20℃における測定で40°以上であるように
することが好ましい。そのためには、前記したようにA
成分が40〜90重量%、B成分が60〜10重量%の
範囲とすることが好ましく、更に必要に応じて、以下の
ように滑り開始角度を調整することが可能である。な
お、硬化樹脂層の滑り開始角度をより高く調整するため
には、つまり防滑性をより向上させるためには、B成分
としてポリエステルアクリレートを使用することが望ま
しい。
【0035】また、硬化樹脂層の滑り開始角度をより低
く調整するためには、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリテトラフルオロエチレン、カルナバ、ラノリン等の
合成系又は天然系ワックス、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸エステル等の微粒子などを塗料組成物に配合するこ
とが可能である。更に本発明においては、滑り開始角度
を調整する等の目的で、塗料組成物に公知の顔料を適宜
配合することも可能である。
【0036】活性エネルギー線硬化性組成物には、水溶
性高分子の水溶液又は合成樹脂の水分散液を添加しても
良い。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドンなどが挙げられる。合成樹脂の水分散液と
しては、アクリル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エ
マルジョンなど、通常の紙塗工用の樹脂エマルジョンが
使用できる。
【0037】<保湿剤>本発明では、低湿度下における
滑り角度を高く維持するために、保湿剤を使用する。保
湿剤とは、25℃相対湿度50%の雰囲気下で、平衡水
分10重量%以上の物質である。具体的には、水溶性高
分子物質又はその低分子量物であり、分子量としては1
00〜1000が好ましいが、分子量1000を越える
ものでも、使用可能である。
【0038】水溶性高分子物質又はその低分子量物の具
体例としては、澱粉、澱粉誘導体、セルロース誘導体、
アルギン酸ソーダ、グアーガム、ポリビニルアルコー
ル、ポリマレイン酸重合物、ポリアクリルアミド、ポリ
アクリルアミド共重合体、ヒアルロン酸、ポリアルキレ
ングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリビニルアミン、ポリグルタミン酸ソーダ、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアルキレンイミン、などが挙げ
られる。ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコー
ルなど、あるいは、これらの共重合体などが挙げられ
る。中でも、分子量が100〜1000のポリアルキレ
ングリコールが防滑性、汚れ防止性の点で好ましい。
【0039】前記以外の保湿剤として、グリセリンなど
の多価アルコール又は多価アルコールのポリアルキレン
オキサイド付加物も使用できる。
【0040】保湿剤の使用量としては、硬化樹脂層固形
分中で0.5〜15重量%程度が目安であるが、好まし
くは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%であ
る。多すぎると塗膜の耐水性、耐摩耗性が低下する恐れ
がある。特に、10重量%を越えると、耐水性、耐摩耗
性の低下が数値的に現れ、段ボール箱などが水滴に触れ
る可能性が高い用途では、10重量%以下とすることが
推奨される。
【0041】本発明では、保湿剤により、温度5℃、相
対湿度35%におけるJIS P−8147に規定する
傾斜法滑り開始角度が40度以上とすることが好まし
い。そのため、硬化樹脂層表面の水に対する接触角が7
2度以下となるように、保湿剤の量を設定することが好
ましい。該接触角はより好ましくは70度以下である。
【0042】<硬化方法>硬化に電子線照射を用いる場
合は、透過力、硬化力の面から加速電圧が100〜10
00KVであり、より好ましくは100〜300KVの
電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.5〜2
0Mradになるようにすることが好ましい。加速電
圧、あるいは電子線照射量がこの範囲より低いと電子線
の透過力が低すぎて支持体の内部まで十分な硬化が行な
われず、またこの範囲より大きすぎるとエネルギー効率
が悪化するばかりでなく、支持体の強度低下や樹脂、添
加剤の分解など品質上好ましくない影響が現れる。電子
線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステ
ム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイ
プ等のいずれでも良いが、比較的安価で大出力が得られ
るカーテンビーム方式の電子線加速器を用いることが好
ましい。このカーテンビーム方式においては、加速電圧
が100〜300KVであり、吸収線量は、0.5〜1
0Mradであることが好ましい。
【0043】なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高
いと電子線硬化性樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、
ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行
い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは500p
pm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好まし
い。
【0044】硬化に紫外線照射を用いる場合には、80
W/cm以上のランプを用いることが好ましい。例え
ば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタ
イプもある。また、樹脂中に光反応開始剤を混合して用
いることができる。更に、硬化に紫外線を用いる場合に
は、樹脂中に光反応開始剤が必要である。使用できるも
のとしては、例えば、ジ及びトリクロロアセトフェノン
のようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエ
ーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウ
ラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物
等がある。
【0045】上記一般的な光反応開始剤を、更に具体的
に述べるならば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタ
ン-1-オン(イルガキュア651、チバガイギー製)、1-ヒ
ドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキ
ュア184、チバガイギー製)、A:1-ヒドロキシ-シクロ
ヘキシル-フェニル-ケトンとB:ベンゾフェノンの共融
混合物(イルガキュア500、チバガイギー製)、2-メチ
ル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプ
ロパノン-1(イルガキュア907、チバガイギー製)、2-
ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ
ル)-ブタノン-1(イルガキュア369、チバガイギー
製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-
オン(ダロキュア1173、チバガイギー製)、 A:2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-フォスフィン
オキサイドの共融混合物(ダロキュア4265、チバガイギ
ー製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-
2-ヒドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガ
キュア2959、チバガイギー製)、ビス(シクロペンタジ
エニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)チ
タニウム(CGI-784、チバガイギー製)、 A:2-ヒドロ
キシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:ビス
アシルフォスフィンオキサイド(イルガキュア1700、チ
バガイギー製)等を挙げることができるが、これらに限
られるものではない。
【0046】<下塗り層の形成>次に、紙と硬化樹脂層
の中間に設けても良い合成樹脂の中間層について説明す
る。活性エネルギー線硬化性組成物の塗工を少量で均一
とするために、合成樹脂中間層を設けることも好ましい
実施態様である。中間層は水溶性高分子の水溶液又は合
成樹脂水性エマルジョンを紙に塗工し乾燥して得ること
が好ましい。水溶性高分子としては、澱粉類、セルロー
ス誘導体、ポリビニルアルコール類、カゼイン、ゼラチ
ンなどが挙げられる。澱粉類としては、澱粉、変性澱
粉、セルロース誘導体としては、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
スなどが挙げられる。ポリビニルアルコール類として
は、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ
ビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコー
ル、シリル変性ポリビニルアルコールなどが挙げられ
る。合成樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢
酸ビニル、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重
合体などが挙げられる。これらは、いずれも、紙の塗工
材料として公知のものが使用できる。塗工量としては乾
燥固形分で1〜10g/m2程度が好ましい。
【0047】<光沢について>また、本発明における樹
脂塗工層は表面光沢度の向上も目的としている。特に、
紙の上に印刷層を有し、その上に硬化樹脂層を保護層と
して設ければ、特に優れた光沢度が得られ、また印刷部
の保護になる。従って、本発明において、硬化樹脂層表
面のJIS Z−8741に規定する60度鏡面反射光
沢度が60%以上の光沢を有することが好ましく、70
%以上が更に好ましい。
【0048】<塗工方法>本発明を一般用の樹脂塗工
紙、又はプレプリント方式段ボール用ライナーに適用す
る場合には、巻取状の紙に一般のコーターを使用して塗
工できる。即ち、エアーナイフコーター、ロールコータ
ー、バーコーターなど、ごく一般的なコーターを使用で
きる。なお、本発明の硬化樹脂は、紙あるいは箱全体の
光沢度を概略同一として美粧性を上げるため、紙の全面
に塗工することが好ましい。しかしながら、例えば、箱
製造時の糊接着性などのため、端に近い所や箱の内フラ
ップは塗布しないなど、必要に応じて部分的に塗工しな
い部分があっても良い。また、プレプリント方式の段ボ
ールとは、あらかじめ印刷された巻取状のライナーを使
用して、通常のコルゲーターにより段ボール成形を行う
方法であり、多くの場合、ダブルフェーサー側のライナ
ーにプレプリントライナーを使用する。プレプリントラ
イナーは、貼合時の熱や摩擦等から印刷層の保護を必要
とする場合があるため、前記印刷層上に更に本発明の硬
化樹脂層を設けることで、印刷層の保護層とすることが
できる。
【0049】また、下塗り層、活性エネルギー線硬化樹
脂層は、印刷機において印刷層を設けた後、巻取らず
に、連続する工程で形成することが更に好ましい。本発
明の塗工をフレキソ印刷機で行う場合、フレキソ印刷機
は、スタックプレスタイプ、ベルトタイプ、センタード
ラムタイプ(又はドラムプレスタイプ)のいずれのタイ
プでも使用できる。いずれのタイプにおいても、必要な
模様や文字等を通常のフレキソインキを使用して印刷を
行った後、残りの印刷ユニットでインキの代わりに下塗
り塗料、活性エネルギー線硬化性組成物を使用して印刷
することによって本発明の硬化樹脂層を設けることがで
きる。ただし、この場合、通常のフレキソインキによる
印刷後、残りのユニットで下塗り層を形成し、ドライヤ
ーゾーンを通して乾燥した後、活性エネルギー線硬化性
組成物を塗工し、更に乾燥した後に、活性エネルギー線
を照射することが更に好ましい。
【0050】
【実施例】<実施例1>多色フレキソ輪転印刷機にて、
FXコート紙(王子製紙製、坪量220g/m2)に青色イ
ンクで1色印刷を行い、ヒーターロールで乾燥した。そ
の上に、中間層としてPW−62K(日本化工塗料製、
スチレン・アクリル酸エステル共重合物、TG=25
℃)を4g/m2(固形分)塗工し、乾燥した。その上に、
下記活性エネルギー線硬化性組成物1を乾燥固形分で5
g/m2(固形分)塗工し、エアードライヤーゾーンで乾燥
し、次いで紫外線照射により硬化させ、FXコート紙に
硬化樹脂層を設けた。この原紙をコルゲーターにて表ラ
イナー(ダブルフェーサー側ライナー)に使用し、中芯
に坪量120g/m2(高崎三興製)の中芯と裏ライナー
(シングルフェーサー側ライナー)に坪量220g/m2
NRK220(王子製紙製)使用して貼合し、段ボール
シートを得た。
【0051】[活性エネルギー線硬化性組成物1]ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸1モ
ル付加させたもの(A成分)=60部、ポリエチレング
リコールジアクリレート(B成分)=35部、重合開始
剤イルガキュア2959(チバスペシャルティーケミカ
ルズ製)=5部の重量組成物100部に対して、ポリエ
チレングリコール(分子量200)を2部混合した組成
物に、水/イソプロピルアルコール=50/50の希釈
液24部を混合し、その粘度をザーンカップ4番測定=
20秒にした。
【0052】<実施例2>活性エネルギー線硬化製組成
物1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物2に変更し
た他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。
【0053】[活性エネルギー線硬化性組成物2]ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸1モ
ル付加させたもの(A成分)=60部、ポリエチレング
リコールジアクリレート(B成分)=35部、重合開始
剤イルガキュア2959(チバスペシャルティーケミカ
ルズ製)=5部の重量組成物100部に対して、ポリエ
チレングリコール(分子量200)を4部混合した組成
物に、水/イソプロピルアルコール=50/50の希釈
液22部を混合し、その粘度をザーンカップ4番測定=
20秒にした。
【0054】<実施例3>活性エネルギー線硬化製組成
物1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物3に変更し
た他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。 [活性エネルギー線硬化性組成物3]ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させた
もの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュ
ア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5
部の重量組成物100部に対して、ポリエチレングリコ
ール(分子量200)を6部混合した組成物に、水/イ
ソプロピルアルコール=50/50の希釈液20部を混
合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒にし
た。
【0055】<実施例4>活性エネルギー線硬化製組成
物1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物4に変更し
た他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。 [活性エネルギー線硬化性組成物4]ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させた
もの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュ
ア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5
部の重量組成物100部に対して、ポリエチレングリコ
ール(分子量400)を6部混合した組成物に、水/イ
ソプロピルアルコール=50/50の希釈液21部を混
合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒にし
た。
【0056】<実施例5>活性エネルギー線硬化製組成
物1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物5に変更し
た他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。 [活性エネルギー線硬化性組成物5]ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させた
もの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュ
ア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5
部の重量組成物100部に対して、ポリエチレングリコ
ール(分子量400)を8部混合した組成物に、水/イ
ソプロピルアルコール=50/50の希釈液19部を混
合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒にし
た。
【0057】<実施例6>活性エネルギー線硬化製組成
物1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物6に変更し
た他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。 [活性エネルギー線硬化性組成物6]ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させた
もの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュ
ア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5
部の重量組成物100部に対して、ポリエチレングリコ
ール(分子量400)を10部混合した組成物に、水/
イソプロピルアルコール=50/50の希釈液17部を
混合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒にし
た。
【0058】<比較例>活性エネルギー線硬化製組成物
1を下記の活性エネルギー線硬化性組成物7に変更した
他は実施例1と同様にして段ボールシートを得た。 [活性エネルギー線硬化性組成物7]ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートのコハク酸1モル付加させた
もの(A成分)=60部、ポリエチレングリコールジア
クリレート(B成分)=35部、重合開始剤イルガキュ
ア2959(チバスペシャルティーケミカルズ製)=5
部の重量組成物100部に対して、水/イソプロピルア
ルコール=50/50の希釈液25部を混合し、その粘
度をザーンカップ4番測定=20秒にした。
【0059】<試験方法及び評価基準> (1)滑り開始角度 JIS P−8147規定の傾斜方法で滑り開始角度を
測定(20℃と5℃で測定)した。測定は温度20℃湿
度65%、及び温度5℃湿度35%について行った。な
お、測定は塗工面同士について、紙の縦方向について行
った。
【0060】(2)耐摩耗性 学振型試験機を使用し、500gの荷重で300回摩擦
した時の防滑性樹脂層の損傷の状態を観察する。 (評価基準) ◎:防滑性樹脂層の損傷がない。 ○:防滑性樹脂層に筋状の損傷がある。 △:防滑性樹脂層全面に損傷がある。 ×:基材に及ぶ損傷がある。
【0061】(3)汚れ防止性 JIS P−8136に準じて、下記の方法で試験し
た。乾式複写機用トナー(フジゼロックス社製トナーカ
ートリッジ−TC450の内容物)1gを塗布した不織
布を摩擦部Aの円弧部に取り付け、次に、摺動台Bに試
験片(活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し硬化させ
たライナー)を取り付け、摺動台を20回作動させる。
その後、試験片を取り出し、以下の基準で目視評価す
る。 (評価基準) ◎:試験片の汚れが殆どない ○:試験片の汚れが少しあるが目立たない △:試験片の汚れがやや目立つ ×:試験片の汚れが目立つ
【0062】(4)耐水性 学振型試験機を使用し、500gの荷重で綿布に水を含
ませて20回摩擦した時の防滑性樹脂層の損傷の状態を
観察する。 (評価基準) ◎:防滑性樹脂層の損傷がない。 ○:防滑性樹脂層に筋状の損傷がある。 △:防滑性樹脂層全面に損傷がある。 ×:基材に及ぶ損傷がある。
【0063】(5)光沢度 グロスメーターVGS−ID(日本電色工業社製)を使
用し、JIS Z−8741に規定される方法で、60
°/60°における光沢度を測定した。
【0064】(6)接触角 共和界面科学製の「CONTACT-ANGLE-METER」を使用し、
20℃65%に調温・調湿された部屋で、硬化樹脂層表
面に純水を2μl滴下し、10秒後の接触角を測定し
た。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明により、紫外線硬
化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かしながら、更
に、防滑性、光沢性、耐摩耗性が良好で、更には、低温
・低湿下でも十分な防滑性を備えた防滑性シート及び防
滑箱が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 丈夫 東京都中央区銀座四丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 (72)発明者 内山 卓三 神奈川県高座郡寒川町一之宮七丁目12番1 号 日本化工塗料株式会社内 (72)発明者 古巻 仁 神奈川県高座郡寒川町一之宮七丁目12番1 号 日本化工塗料株式会社内 Fターム(参考) 3E060 BC04 BC08 DA30 3E086 AB01 AD02 BA04 BA14 BA15 BA24 BA26 BB02 BB22 BB55 CA01 CA15 DA01 4F100 AH02B AH02H AK01B AK25B AK25J AT00A BA02 BA10A BA10B CA30B DA01 GB16 JB05B JB14B JK16B YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの上に活性エネルギー線硬化
    性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られる
    硬化樹脂層を表面に有する防滑性樹脂塗工シートにおい
    て、該硬化樹脂層中に保湿剤を含有することを特徴とす
    る防滑性樹脂塗工シート。
  2. 【請求項2】 該保湿剤が該硬化樹脂層全体に対して
    0.5〜15重量%であることを特徴とする請求項1に
    記載の防滑性樹脂塗工シート。
  3. 【請求項3】 該保湿剤が20℃において液状を呈する
    物質である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の防
    滑性樹脂塗工シート。
  4. 【請求項4】 該保湿剤が、グリセリン、ポリエチレン
    グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプ
    ロピレングリコールからなる群より選択される一種以上
    である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の防滑性樹
    脂塗工シート。
  5. 【請求項5】 該硬化樹脂層表面の水に対する接触角が
    72度以下である請求項1に記載の防滑性樹脂塗工シー
    ト。
  6. 【請求項6】 該硬化樹脂層表面の、温度5℃、相対湿
    度35%におけるJIS P−8147に規定する傾斜
    法滑り開始角度が40度以上である請求項1に記載の防
    滑性樹脂塗工シート。
  7. 【請求項7】 立方形又は直方形等の6面体形状の箱で
    あり、少なくとも一面に、活性エネルギー線硬化性組成
    物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られた硬化樹
    脂層を表面に有する防滑性箱において、該硬化樹脂層中
    に保湿剤を含有することを特徴とする防滑性箱。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193850A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Daio Paper Corp 撥水防湿ライナー紙とその製造方法
WO2022255367A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 レンゴー株式会社 防炎段ボール及びその製造方法

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