JP2001303484A - 防滑性樹脂塗工紙およびその製造法並びに樹脂塗工紙を使用した包装箱 - Google Patents

防滑性樹脂塗工紙およびその製造法並びに樹脂塗工紙を使用した包装箱

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JP2001303484A JP2000123097A JP2000123097A JP2001303484A JP 2001303484 A JP2001303484 A JP 2001303484A JP 2000123097 A JP2000123097 A JP 2000123097A JP 2000123097 A JP2000123097 A JP 2000123097A JP 2001303484 A JP2001303484 A JP 2001303484A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点
を活かしながら、紙と硬化樹脂層との中間層(下塗り
層)として、滑り性を調整可能とするため、部分的に性
状の異なる第2下塗り層を別個に形成することにより、
光沢性、防滑性、耐摩耗性、更に物流時のハンドリング
性に優れた樹脂塗工紙及びそれを使用した包装箱を提案
する。 【解決手段】 B領域に対応する下塗り層(第2下塗り
層)の部分に、顔料と高分子物質の合計重量に対して、
平均粒子径1.5μm〜30μmの顔料を5〜50重量
%含有する塗料を塗工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として輸送用包
装箱として使用されるカートン、段ボ−ル箱などに使用
する樹脂塗工紙およびそれを使用した包装箱に関する。
中でも、光沢性と防滑性に優れた樹脂塗工紙およびそれ
を使用したカートン、段ボール箱に関する。
【0002】
【従来の技術】農産物、水産物をはじめとする種々の食
品、あるいは各種工業製品などは、板紙製箱(カート
ン)、段ボール箱等で包装されて輸送されている。
【0003】近年、各種包装ラインの自動化、輸送ライ
ンのパレット化などによる物流の効率化が進んでいる
が、その際、段ボール箱などが滑ると荷崩れが発生し、
非常に危険であると共に、運送の効率低下などの生じる
原因となっている。これを防止するために、段ボール箱
及びカートンなどの箱の表面に各種の防滑性組成物を塗
布する方法が知られている。
【0004】段ボール箱及びカートン等の箱の表面に紫
外線もしくは電子線硬化防滑性樹脂層を設け、トラッ
ク、自動物流ライン等での荷崩れを防止する技術につい
ては、特開平5−162740号公報に提案されてい
る。紫外線硬化又は電子線硬化による塗工方法は、塗工
後に乾燥工程を必要とせず、瞬時に硬化するので、場合
によっては、段ボールライナーや板紙などの表面塗工に
も十分に使用され得るものである。
【0005】しかしながら、段ボール箱及びカートン等
の箱全面に防滑性樹脂が塗布されている場合、防滑性を
必要としない箱の横面まで防滑性が高まる結果、例え
ば、個々の箱をプッシャーやソータ等の仕分け装置によ
り出荷先別に仕分けするとき、箱の横面同志の強い摩擦
抵抗により仕分け効率が悪くなり、個々の箱を正確かつ
円滑に搬送させることできないという問題がある。ま
た、複数の箱を集積して一のハンドリングしやすいユニ
ット包装体に集積包装する作業時においても、箱の横面
の滑り性が低いことに起因して個々の箱が動きずらくな
る。そして、片寄り、回転、ズレなどの配列乱れが生じ
て、集積機による集積が難しくなり、集積効率が低下す
る等の問題がある。
【0006】また、段ボール箱の美粧性を高める要求も
出ており、印刷の上に樹脂塗工したライナーにおいて、
樹脂層の光沢性、耐摩耗性などが要求されている。更
に、プレプリント方式と呼ばれる段ボール製造方法で
は、あらかじめ印刷が施されたライナーを使用してコル
ゲーターで段ボールシートを製造するため、印刷表面に
傷がつき易く、その保護が必要とされている。印刷面上
にオーバープリントニスを塗って保護する方法が知られ
ているが、熱可塑性樹脂を塗工するとコルゲーター上で
熱板に付着する問題があり、熱硬化性樹脂を使用する
と、表面が滑り過ぎるなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記し
た紫外線硬化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かし
ながら、光沢性、防滑性、耐摩耗性に優れた段ボール箱
や板紙箱などの紙製カートンを提供し、更には前記搬送
適性やハンドリング適性を改良したカートンを提供する
ことを課題とし、それに使用する樹脂塗工紙を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の構成を採用する。 (1)請求項1の防滑性樹脂塗工紙は、紙の上に下塗り
層を介して活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性
エネルギー線を照射して得られる硬化樹脂層を表面に有
する防滑性樹脂塗工紙において、部分的に性状の異なる
下塗り層を別個に形成することにより、硬化樹脂層表面
のJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角度
の値が相対的に高い領域(A領域)と低い領域(B領
域)とを設けたことを特徴とする。 (2)請求項2の防滑性樹脂塗工紙は、下塗り層が高分
子物質または高分子物質および顔料を含有し、該両下塗
り層において、顔料の配合量、その粒子径および顔料の
種類のいずれかひとつに差異を設けて得られたものであ
る。 (3)請求項3の防滑性樹脂塗工紙は、B領域に対応す
る下塗り層の部分は、顔料と高分子物質の合計重量に対
して、平均粒子径1.5μm〜30μmの顔料を5〜5
0重量%含有する。 (4)請求項4の防滑性樹脂塗工紙は、温度20℃にお
けるJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角
度が、硬化樹脂層表面のA領域で40°以上、B領域で
35°以下である。 (5)請求項5の防滑性樹脂塗工紙の製造方法は、巻き
取りから繰り出して塗工して巻き取る塗工方式おいて、
紙の特定の位置に第1下塗り層を形成し、残りの位置に
前記第1下塗り層とは性状の異なる第2下塗り層を形成
して乾燥した後、巻き取りの全幅に活性エネルギー線硬
化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して硬化樹
脂層を形成する方法である。 (6)請求項6の防滑性包装箱は、請求項1〜請求項4
のいずれかに記載の樹脂塗工紙を使用して作られた箱で
あり、前記硬化樹脂層を箱の表面に有し、かつ箱の天面
または地面の少なくとも一部が前記A領域を有すること
を特徴とする。 (7)請求項7の防滑性包装箱は、立方形または直方形
状等の6面体形状をした箱全面が、活性エネルギー線硬
化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して得られ
た硬化樹脂層を表面に有する防滑性箱において、硬化樹
脂層表面のJISZ−8741に規定する60度鏡面反
射光沢度が60%以上の光沢度を有し、温度20℃にお
けるJIS P−8147に規定する傾斜法滑り開始角
度が、天面および地面で40°以上、側面で35°以下
であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂塗工紙は、活性エネ
ルギー線硬化性組成物を紙に塗工し、活性エネルギー線
を照射して硬化させた硬化樹脂層を形成することを要件
とする。活性エネルギー線とは、不飽和結合を有する有
機化合物に作用して重合反応又は架橋反応を起こす放射
線であるが、安全性、使用し易さなどから、一般的に
は、電子線又は紫外線が使用されることが多く、本発明
でも、主として電子線、紫外線を対象とする。
【0010】<紙材料>本発明に使用する紙としては、
従来から段ボールに使用されているクラフトライナー、
ジュートライナー、白板紙などが使用できる。紙の米坪
としては、特に限定があるものではないが、50〜30
0g/m2程度が好ましい。パルプとしては、未晒しクラフ
トパルプ、段ボール古紙パルプなどが使用できる。本発
明の紙には、前記した従来の段ボールに使用されてい
る、いわゆる段ボール原紙及び板紙以外に、米坪30〜
130g/m2の上質紙、中質紙、印刷用塗工紙なども使用
できる。これらの紙に使用されるパルプとしては、晒し
クラフトパルプ、脱墨古紙パルプなどが使用できる。
【0011】前記した各種の紙には、填料、サイズ剤、
紙力増強剤、耐水化剤、撥水剤、耐油剤など、通常、各
種用途に合わせて添加される添加剤を含有しても良い。
耐水化剤としては、例えばロジン系サイズ剤、合成系サ
イズ剤、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホル
ムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、環状尿
素−グリオキザール反応物、アクリルアミド−グリオキ
ザール反応物共重合体、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、ポリアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂等が挙げられる。これらは、対パルプ乾
燥重量で0.01〜5重量%程度の範囲で使用される。
【0012】撥水剤としては、ワックス、石油樹脂、高
級脂肪酸塩、シリコーン樹脂、フッ素系撥水剤、エチレ
ン尿素系撥水剤、ピリジン系撥水剤、オレフィン系樹脂
等を任意に使用することができる。耐油剤としては、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、フッ素系耐油
剤などが使用できる。フッ素系耐油剤としては、パーフ
ロロ炭化水素のカルボン酸エステル又は塩、パーフロロ
炭化水素のリン酸エステル又は塩などが使用できる。
【0013】また、合成繊維を配合し、軽量化、耐水性
の向上を図ることができる。合成繊維を配合すると、加
熱成形後の寸法安定性も向上する。合成繊維としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエス
テルなど、各種のものが使用できる。使用する場合に
は、使用量は対パルプ3〜40重量%、好ましくは5〜
20重量%である。
【0014】<活性エネルギー線硬化性組成物>本発明
でいう活性エネルギー線硬化性組成物とは、活性エネル
ギー線硬化性化合物の単体または混合物であり、必要に
応じて、重合開始剤、紫外線増感剤、顔料、活性エネル
ギー線で硬化しない水溶性樹脂、水分散性樹脂などを含
有しても良い。活性エネルギー線硬化性組成物中におけ
る活性エネルギー線硬化性化合物の合計量は、30重量
%以上、好ましくは50重量%以上であり、最も好まし
くは80重量%以上である。
【0015】<活性エネルギー線硬化性化合物>本発明
に使用できる活性エネルギー線硬化性化合物としては、
モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれでも良く、具
体的には、例えば、以下のようなものが例示される。 (1)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アル
コール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)ア
クリレート (2)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アル
コールにアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコ
ールのポリ(メタ)アクリレート (3)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート (4)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート (5)エポキシポリ(メタ)アクリレート (6)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート (7)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸
エステル (8)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末
端に有するビニル系またはジエン系化合物 (9)単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリド
ン、(メタ)アクリロイル化合物 (10)エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物 (11)エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポ
リカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩、アミン塩など (12)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまた
はアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量
体 (13)ビニルラクタムおよびビニルラクタム化合物 (14)エチレン性不飽和結合を有するポリエーテルお
よびそのエステル (15)エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエ
ステル (16)エチレン性不飽和結合を有するポリアルコール
およびそのエステル (17)スチレン、ジビニルベンゼンなど1個以上のエ
チレン性不飽和結合を有する芳香族化合物 (18)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または
末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物 (19)エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合
物 (20)上記(1)〜(19)記載の化合物の多量体あ
るいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物
【0016】防滑性と塗工適性から、上記のうち、ポリ
エステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポ
リエステルウレタンアクリレートおよびエポキシアクリ
レートからなる群より選択される少なくとも一種の1〜
2官能オリゴマーを含有し、更に、多価アルコールのア
クリレートから選択される少なくとも一種の3官能以上
のアクリレートを含有する構成が好ましい。
【0017】<水溶性活性エネルギー線硬化性組成物>
本発明は、段ボール用のライナーが主たる対象であり、
段ボールシートあるいは段ボールライナーはフレキソ印
刷機で印刷されることが多く、フレキソ印刷機での塗工
を容易にし、また、塗工後に水又は水とアルコールで容
易に清掃できるようにするため、活性エネルギー線硬化
性化合物を水溶性とすることが好ましい。以下、本発明
に推奨される水溶性活性エネルギー線硬化性化合物につ
いて説明する。この場合、光沢性、耐ブロッキング性、
耐摩耗性のバランスから、以下のようにA成分とB成分
を混合して使用することが好ましい。
【0018】活性エネルギー線硬化性化合物のA成分と
して、3官能以上の活性エネルギー線硬化性化合物、即
ち、1分子の中に不飽和結合を3個以上有する化合物を
使用する。また、B成分として、2官能又は1官能の活
性エネルギー線硬化性化合物を使用する。2官能とは、
1分子の中に不飽和結合を2個有する化合物であり、1
官能とは不飽和結合を1分子中に1個有する化合物であ
る。なお、以後、本明細書の説明では、3官能以上を
「多官能」と称することとし、3価以上を「多価」と称
して説明する。
【0019】A成分についてさらに説明する。A成分と
しては、水溶性を有する3官能以上の活性エネルギー線
硬化性化合物が必要であり、多官能アクリレートに親水
基を導入することにより得られる。多官能アクリレート
は、多価アルコールの1分子中において、3箇所以上の
OH基をアクリル酸でエステル化することによって得ら
れる。上記において、アクリレートはメタクリレートで
も良く、アクリル酸はメタクリル酸でも良いが、本発明
では、以下、アクリレートのみを例示して説明する。
【0020】多官能アクリレートとしては、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、グリ
セリンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトール
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールの低級脂肪酸及びアクリル酸のエス
テル(アクリル酸が3個以上)などが例示される。ま
た、多官能アクリレートは、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート
などのオリゴマーでも良い。前記各種の多官能アクリレ
ートは2種以上を併用することも可能である。
【0021】多官能アクリレートに導入される親水基と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボン酸塩
基、スルホン酸塩基、水酸基、エーテル基、酸アミド
基、第1〜第3アミノ基、第4級アンモニウム基、アル
キレンオキサイド基などが使用できる。前記において、
カルボキシル基を導入するために使用する酸としては、
ジメチルプロピオン酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ
酸、コハク酸等が例示される。これらの酸を前記した多
官能アクリレートの主鎖に結合する形でカルボキシル基
を導入することができる。カルボキシル基の導入量は、
多官能アクリレートの親水性にもより、一概には言えな
いが、0.2〜5モル%程度が好ましく、特に0.5〜
2モル%が好ましい。この方法により水溶性とした活性
エネルギー線硬化性化合物を使用することにより、硬化
後の耐水性を向上させることができる。
【0022】本発明で推奨される最も好ましい組み合わ
せとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
トにコハク酸を0.5〜2.0モル付加させたものであ
る。これにより、後述するように、塗工の際にはフレキ
ソ印刷機に適した粘度とすることが出来、耐水性も高
く、光沢性、耐摩耗性にも優れた硬化樹脂層が得られ
る。コハク酸のモル付加が0.5未満のものは水溶性が
やや低く、2.0を超えるたものは粘度が高くなるとい
う問題を有する。
【0023】次に、B成分である、1〜2官能の水溶性
活性エネルギー線硬化性化合物について説明する。1〜
2官能の水溶性活性エネルギー線硬化性化合物として
は、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシメチ
ルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、ジアクリロイルエチルオキシホスフェー
ト、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリロイルモルホ
リン、グリコシルエチルメタアクリレート等の内1種、
又は2種以上を組み合わせて使用できる。必要な場合、
上記化合物のうちから選択して、フレキソ印刷に適した
粘度とすることが可能である。この他、ポリエステルア
クリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアク
リレートなどのオリゴマーのうち、1〜2官能性のもの
も使用できる。
【0024】水溶性を有する1〜2官能の活性エネルギ
ー線硬化性化合物としては、ポリエチレングリコールジ
アクリレートが水溶性も良く、粘度もフレキソ印刷機に
適した粘度であり、耐水性の低下も少ないことから好ま
しい。
【0025】A成分とB成分の比率としては、A成分が
10〜90重量%、B成分が90〜10重量%がフレキ
ソ印刷機塗工適性、硬化樹脂層の光沢、耐摩耗性などの
点から好ましい。A成分が10重量%未満では、硬化樹
脂層の耐水性が不足する。90重量%以上では、硬化が
進み過ぎ、防滑性が得られない。また、特に防滑性、フ
レキソ印刷機塗工適性、耐熱性、耐ブロッキング性、防
滑性のバランスを考慮すると、A成分が40〜90重量
%、B成分が60〜10重量%の範囲が好ましい。配合
をこの範囲にした場合、硬化樹脂層のガラス転移温度を
50〜250℃にすることが可能であり、耐熱性があ
り、耐ブロッキング性があると同時に、モノマーの親水
性と架橋構造による弾性により防滑性も得られると考え
られる。
【0026】A成分としてジペンタエリスリトールペン
タアクリレートにコハク酸を0.5〜2.0モル付加さ
せたもの、B成分として、ポリエチレングリコールジア
クリレートを選択した場合、A成分が50〜85重量
%、B成分50〜15重量%の範囲が好ましい。この配
合であれば、耐熱性、耐摩擦性、防滑性、耐汚染性、耐
水性、光沢度を同時に満足することができる。また、こ
の配合であれば、全固形分80%の水/イソプロピルア
ルコール液としたときに、ザーンカップ4番測定で10
〜40秒程度とすることが容易である。
【0027】また、本発明で使用する硬化樹脂層の硬化
樹脂は、ガラス転移温度が50〜250℃(DSC法に
よる)であることが望ましい。ガラス転移温度が50℃
未満の場合は、硬化樹脂層の耐熱性、耐ブロッキング性
が充分でない場合があり、また、250℃を越える場合
は、防滑性が充分でない場合がある。
【0028】本発明の硬化樹脂層表面のうち、スベリ角
度(摩擦係数)が高い方の領域、即ちA領域では、JI
S P−8147に規定する傾斜法滑り開始角度が温度
20℃における測定で40°以上であるようにすること
が好ましい。そのためには、前記したようにA成分が4
0〜90重量%、B成分が60〜10重量%の範囲とす
ることが好ましく、更に必要に応じて、以下のように滑
り開始角度を調整することが可能である。なお、硬化樹
脂層の滑り開始角度をより高く調整するためには、つま
り防滑性をより向上させるためには、B成分としてポリ
エステルアクリレートを使用することが望ましい。ま
た、硬化樹脂層の滑り開始角度をより低く調整するため
には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフル
オロエチレン、カルナバ、ラノリン等の合成系又は天然
系ワックス、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル等
の微粒子などを塗料組成物に配合することが可能であ
る。さらに本発明においては、滑り開始角度を調整する
等の目的で、塗料組成物に公知の顔料を適宜配合するこ
とも可能である。
【0029】活性エネルギー線硬化性組成物には、水溶
性高分子の水溶液又は合成樹脂の水分散液を添加しても
良い。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、
ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドンなどが挙げられる。合成樹脂の水分散液と
しては、アクリル系エマルジョン、ポリ酢酸ビニル系エ
マルジョンなど、通常の紙塗工用の樹脂エマルジョンが
使用できる。
【0030】<硬化方法>硬化に電子線照射を用いる場
合は、透過力、硬化力の面から加速電圧が100〜10
00KVであり、より好ましくは100〜300KVの
電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.5〜2
0Mradになるようにすることが好ましい。加速電
圧、あるいは電子線照射量がこの範囲より低いと電子線
の透過力が低すぎて支持体の内部まで十分な硬化が行な
われず、またこの範囲より大きすぎるとエネルギー効率
が悪化するばかりでなく、支持体の強度低下や樹脂、添
加剤の分解など品質上好ましくない影響が現れる。電子
線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステ
ム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイ
プ等のいずれでも良いが、比較的安価で大出力が得られ
るカーテンビーム方式の電子線加速器を用いることが好
ましい。このカーテンビーム方式においては、加速電圧
が100〜300KVであり、吸収線量は、0.5〜1
0Mradであることが好ましい。
【0031】なお、電子線照射に際しては酸素濃度が高
いと電子線硬化性樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、
ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行
い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは500p
pm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好まし
い。
【0032】硬化に紫外線照射を用いる場合には、80
W/cm以上のランプを用いることが好ましい。例え
ば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハラ
イドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタ
イプもある。また、樹脂中に光反応開始剤を混合して用
いることができる。更に、硬化に紫外線を用いる場合に
は、樹脂中に光反応開始剤が必要である。使用できるも
のとしては、例えば、ジ及びトリクロロアセトフェノン
のようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエ
ーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウ
ラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物
等がある。
【0033】上記一般的な光反応開始剤を、更に具体的
に述べるならば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタ
ン-1-オン(イルガキュア651、チバガイギー製)、1-ヒ
ドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(イルガキ
ュア184、チバガイギー製)、A:1-ヒドロキシ-シクロ
ヘキシル-フェニル-ケトンとB:ベンゾフェノンの共融
混合物(イルガキュア500、チバガイギー製)、2-メチ
ル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプ
ロパノン-1(イルガキュア907、チバガイギー製)、2-
ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニ
ル)-ブタノン-1(イルガキュア369、チバガイギー
製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-
オン(ダロキュア1173、チバガイギー製)、 A:2-ヒ
ドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニル-フォスフィン
オキサイドの共融混合物(ダロキュア4265、チバガイギ
ー製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-
2-ヒドロキシジ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガ
キュア2959、チバガイギー製)、ビス(シクロペンタジ
エニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)チ
タニウム(CGI-784、チバガイギー製)、 A:2-ヒドロ
キシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとB:ビス
アシルフォスフィンオキサイド(イルガキュア1700、チ
バガイギー製)等を挙げることができるが、これらに限
られるものではない。
【0034】<下塗り層の形成>次に、別紙の図1から
図3に基づいて、紙3と硬化樹脂層1の中間に設ける下
塗り層2について説明する。図1は本発明の防滑樹脂塗
工紙の断面図、図2(a)(b)は、下塗り層の形成状
態を示したJIS Z-1507で規定するコード02
01の段ボール箱の展開図、同図(c)はその組立図で
ある。図3(a)は同じようにラップラウンド形箱の展
開図、同図(b)はその組立図である。一般的には、活
性エネルギー線硬化性組成物の塗工を少量で均一とする
ため、即ち目留め作用を持たせるために下塗り層が設け
られる。本発明では、防滑性樹脂層表面のスベリ角度を
制御するために下塗り層2が必要である(図1)。A領
域に対応する場所の下塗り層(第1下塗り層)は、高分
子物質の溶液または分散液を塗布して形成するが、水溶
性高分子の水溶液又は合成樹脂水性エマルジョンを紙に
塗工し乾燥して得ることが好ましい。水溶性高分子とし
ては、澱粉類、セルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル類、カゼイン、ゼラチンなどが挙げられる。澱粉類と
しては、澱粉、変性澱粉、セルロース誘導体としては、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロースなどが挙げられる。ポリビニル
アルコール類としては、完全ケン化ポリビニルアルコー
ル、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボン酸変性
ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコー
ルなどが挙げられる。合成樹脂としては、ポリ酢酸ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル、アクリル系樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体などが挙げられる。なお第1下塗
り層には平均粒子径1.5μm未満の顔料を含有しても
良い。また1.5μm以上の顔料は5重量%未満含有し
ても良いが、好ましくは3重量%以下、最も好ましくは
0重量%である。
【0035】B領域に対応する場所の下塗り層(第2下
塗り層)は、顔料と高分子物質から構成することが好ま
しく、顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれでも
良い。無機顔料としては、ガラスビーズ、シリカ、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等が例示される。
有機顔料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
テフロン(登録商標)、シリコーン樹脂などの微粒子が
使用できる。また、コラーゲン、ウールパウダー、シル
クパウダーなども使用できる。B領域に対応する場所の
下塗り層に使用する高分子物質としては、前記したA領
域に使用できる高分子物質と同様のものが好ましく使用
できる。
【0036】前記顔料は、その領域の下塗り層における
顔料と高分子物質の合計量に対して、5〜50重量%で
あることが好ましい。50重量%を超えて配合すると、
接着性の低下、塗膜の透明性の低下を起こし好ましくな
い。5重量%未満では十分なスベリ角度の低下が得られ
ない。前記顔料の平均粒子径は1.5μm〜30μmで
あることが好ましい。1.5μm未満であるとスベリ角
度の低下が充分でなく、30μmを超えると光沢性の低
下、印刷適性の低下が起こり好ましくない。
【0037】A領域、B領域とも、下塗り層の塗工量と
しては乾燥固形分で1〜10g/m2程度が好ましい。ま
た、本発明における樹脂塗工層は表面光沢度の向上も目
的としている。特に、紙の上に印刷層を有し、その上に
硬化樹脂層を保護層として設ければ、特に優れた光沢度
が得られ、また印刷部の保護になる。従って、本発明に
おいて、硬化樹脂層表面のJIS Z−8741に規定
する60度鏡面反射光沢度が60%以上の光沢を有する
ことが好ましく、70%以上が更に好ましい。
【0038】本発明を一般用の樹脂塗工紙、又はプレプ
リント方式段ボール用ライナーに適用する場合には、巻
取状の紙に一般のコーターを使用して塗工できる。即
ち、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコー
ターなど、ごく一般的なコーターを使用できる。なお、
本発明の硬化樹脂は、紙あるいは箱全体の光沢度を概略
同一として美粧性を上げるため、紙の全面に塗工するこ
とが好ましい。しかしながら、例えば、箱製造時の糊接
着性などのため、端に近い所や箱の内フラップは塗布し
ないなど、必要に応じて部分的に塗工しない部分があっ
ても良い。また、プレプリント方式の段ボールとは、あ
らかじめ印刷された巻取状のライナーを使用して、通常
のコルゲーターにより段ボール成形を行う方法であり、
多くの場合、ダブルフェーサー側のライナーにプレプリ
ントライナーを使用する。プレプリントライナーは、貼
合時の熱や摩擦等から印刷層の保護を必要とする場合が
あるため、前記印刷層上にさらに本発明の硬化樹脂層を
設けることで、印刷層の保護層とすることができる。
【0039】また、下塗り層、活性エネルギー線硬化樹
脂層は、印刷機において印刷層を設けた後、巻取らず
に、連続する工程で形成することが更に好ましい。本発
明の塗工をフレキソ印刷機で行う場合、フレキソ印刷機
は、スタックプレスタイプ、ベルトタイプ、センタード
ラムタイプ(又はドラムプレスタイプ)のいずれのタイ
プでも使用できる。いずれのタイプにおいても、必要な
模様や文字等を通常のフレキソインキを使用して印刷を
行った後、残りの印刷ユニットでインキの代わりに下塗
り塗料、活性エネルギー線硬化性組成物を使用して印刷
することによって本発明の硬化樹脂層を設けることがで
きる。ただし、この場合、通常のフレキソインキによる
印刷後、残りのユニットで下塗り層を形成し、ドライヤ
ーゾーンを通して乾燥した後、活性エネルギー線硬化性
組成物を塗工し、更に乾燥した後に、活性エネルギー線
を照射することが更に好ましい。
【0040】
【実施例】<実施例1>多色フレキソ輪転印刷機にて、
FXコート紙(王子製紙製,秤量220g/m)に、A
領域に対応する場所の下塗り層(第1下塗り層)として
PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸
エステル共重合物,Tg=25℃)を箱の天地となる部
分に2g/m(固形分)塗工し、B領域に対応する場
所の下塗り層(第2下塗り層)として下記滑り性付与組
成物1を箱の側面となる部分に2g/m(固形分)塗
工し乾燥した後に、下記活性エネルギー線硬化性組成物
を第1下塗り層と第2下塗り層のそれぞれの上へ5g/
(固形分)同時に塗工し、次に紫外線照射により硬
化させ、FXコート紙に硬化樹脂層を設けた。この原紙
をコルゲーターにて表ライナー(ダブルフェーサー側ラ
イナー)に使用し、中芯に坪量120g/m(高崎三興
製)の中芯と裏ライナー(シングルフェーサー側ライナ
ー)に坪量220g/mのNRK220(王子製紙製)
使用して貼合し、段ボールシートを得た。
【0041】滑り性付与組成物1:PW−62K(日本
化工塗料製,スチレン・アクリル酸エステル共重合物,
Tg=25℃,固形分30重量%)=86部,平均粒子
径3.5μm,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ
微粒子=1部,平均粒子径7.0μm,軟化点132℃
のポリエチレン球状微粒子=1部,水/イソプロピルア
ルコール=50/50の稀釈液12部を混合し、固形分
28重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成
物を得た。 活性エネルギー線硬化性組成物 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸
1モル付加させたもの(A成分)=60部、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート(B成分)=35部、重合
開始剤イルガキュア2959(チバスペシャルティーケ
ミカルズ製)=5部の重量組成物100部に対して、水
/イソプロピルアルコール=50/50の希釈液25部
を混合し、その粘度をザーンカップ4番測定=20秒に
した。
【0042】<実施例2>滑り性付与組成物1を下記滑
り性付与組成物2に変更した他は実施例1と同様にして
段ボールシートを得た。 滑り性付与組成物2:PW−62K(日本化工塗料製,
スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25
℃,固形分30重量%)=70部,平均粒子径5.5μ
m,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=8
部,平均粒子径10.0μm,細孔容積1.25ml/
gの合成シリカ微粒子=2部,水/イソプロピルアルコ
ール=50/50の稀釈液20部を混合し、固形分31
重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を
得た。
【0043】<実施例3>滑り性付与組成物1を下記滑
り性付与組成物3に変更した他は実施例1と同様にして
段ボールシートを得た。 滑り性付与組成物3:PW−62K(日本化工塗料製,
スチレン・アクリル酸エステル共重合物,Tg=25
℃,固形分30重量%)=80部,平均粒子径3.5μ
m,細孔容積1.25ml/gの合成シリカ微粒子=5
部,平均粒子径25.0μm,軟化点145℃のポリプ
ロピレン球状微粒子=2部,水/イソプロピルアルコー
ル=50/50の稀釈液13部を混合し、固形分31重
量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組成物を得
た。
【0044】<参考例>滑り性付与組成物1を下記滑り
性付与組成物4に変更した他は実施例1と同様にして段
ボールシートを得た。 滑り性付与組成物4:(無機系微粒子を塗膜中に50重
量%以上含む場合) PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸
エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)
=40部,平均粒子径3.5μm,細孔容積1.25m
l/gの合成シリカ微粒子=13部,水/イソプロピル
アルコール=50/50の稀釈液47部を混合し、固形
分25重量%,ザーンカップ4番測定で粘度16秒の組
成物を得た。
【0045】<比較例1>滑り性付与組成物1を下記滑
り性付与組成物6に変更した他は実施例1と同様にして
段ボールシートを得た。 滑り性付与組成物6:(微粒子を塗膜中に含まない場
合) PW−62K(日本化工塗料製,スチレン・アクリル酸
エステル共重合物,Tg=25℃,固形分30重量%)
=97部,水/イソプロピルアルコール=50/50の
稀釈液3部を混合し、固形分30重量%,ザーンカップ
4番測定で粘度15秒の組成物を得た。以上の実施例、
比較例に対して下記の評価を行い、結果を表1及び表2
に示した。
【0046】<試験方法及び評価基準> (1)滑り開始角度 JIS P−8147規定の傾斜方法で滑り開始角度を
測定(20℃と5℃で測定)した。尚、測定は塗工面同
士について、紙の縦方向について行った。
【0047】(2)密着性 ニチバンセロテープを使用し、硬化樹脂層に密着させ、
90°方向へ剥離した時の中間層と硬化樹脂層の付着性
を観察する。 (評価基準) ◎:紙層から剥離する。 ○:1部紙層から剥離する。 △:1部中間層から剥離する。 ×:硬化樹脂層が中間層から剥離する。
【0048】(3)耐摩耗性 学振型試験機を使用し、500gの荷重で300回摩擦
した時の防滑性樹脂層の損傷の状態を観察する。 (評価基準) ◎:防滑性樹脂層の損傷がない。 ○:防滑性樹脂層に筋状の損傷がある。 △:防滑性樹脂層全面に損傷がある。 ×:基材に及ぶ損傷がある。
【0049】(4)光沢度 グロスメーターVGS−ID(日本電色工業社製)を使
用し、JIS Z−8741に規定される方法で、60
°/60°における光沢度を測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば紫外線硬
化又は電子線硬化型樹脂塗工の利点を活かしながら、紙
と硬化樹脂層との中間層(下塗り層)として、滑り性を
調整可能とするため、部分的に性状の異なる第2下塗り
層を別個に形成することにより、光沢性、防滑性、耐摩
耗性、更に物流時のハンドリング性に優れた樹脂塗工紙
及びそれを使用した包装箱を得ることができる。また、
多官能アクリレートを使用し三次元架橋をした硬化樹脂
層の場合、輸送時に床面等にこすられても、汚れがつか
ないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防滑樹脂塗工紙の断面図である。
【図2】(a)と(b)は、下塗り層の形成状態を示し
たJIS Z-1507で規定するコード0201の段
ボール箱の展開図、(c)はその組立図である。
【図3】(a)は同じようにラップラウンド形箱の展開
図、(b)はその組立図である。
【符号の説明】
1 硬化樹脂層 2 下塗り層 3 紙層 A 傾斜法滑り開始角度の値が相対的に高い領域 B 傾斜法滑り開始角度の値が相対的に低い領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 27/10 D21H 27/10 (72)発明者 三鴨 弘明 東京都中央区銀座四丁目7番5号 王子製 紙株式会社内 (72)発明者 古巻 仁 神奈川県高座郡寒川町一之宮7−12−1 日本化工塗料株式会社内 (72)発明者 内山 卓三 神奈川県高座郡寒川町一之宮7−12−1 日本化工塗料株式会社内 Fターム(参考) 3E075 BA02 CA01 DE21 GA05 4L055 AG18 AG34 AG59 AG63 AG71 AG89 AG94 AH02 AH37 AH50 AJ01 AJ02 AJ04 BE07 BE09 EA19 FA11 GA05 GA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の上に下塗り層を介して活性エネルギ
    ー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー線を照射して
    得られる硬化樹脂層を表面に有する防滑性樹脂塗工紙に
    おいて、部分的に性状の異なる下塗り層を別個に形成す
    ることにより、硬化樹脂層表面のJIS P−8147
    に規定する傾斜法滑り開始角度の値が相対的に高い領域
    (A領域)と低い領域(B領域)とを形成させたことを
    特徴とする防滑性樹脂塗工紙。
  2. 【請求項2】 A領域に対応する下塗り層は高分子物質
    または高分子物質および顔料を含有し、B領域に対応す
    る下塗り層は高分子物質および顔料を含有し、該両下塗
    り層において、顔料の配合量、その粒子径および顔料の
    種類のいずれかひとつに差異を設けて得られたものであ
    る請求項1に記載の防滑性樹脂塗工紙。
  3. 【請求項3】 B領域に対応する下塗り層の部分は、顔
    料と高分子物質の合計重量に対して、平均粒子径1.5
    μm〜30μmの顔料を5〜50重量%含有する、請求
    項2に記載の防滑性樹脂塗工紙。
  4. 【請求項4】 温度20℃におけるJIS P−814
    7に規定する傾斜法滑り開始角度が、硬化樹脂層表面の
    A領域で40°以上、B領域で35°以下である請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の防滑性樹脂塗工紙。
  5. 【請求項5】 巻き取りから繰り出して塗工して巻き取
    る塗工方式おいて、紙の特定の位置に第1下塗り層を形
    成し、残りの位置に前記第1下塗り層とは性状の異なる
    第2下塗り層を形成して乾燥した後、巻き取りの全幅に
    活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エネルギー
    線を照射して硬化樹脂層を形成する、請求項1に記載の
    防滑性樹脂塗工紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    樹脂塗工紙を使用して作られた箱であり、前記硬化樹脂
    層を箱の表面に有し、かつ箱の天面または地面の少なく
    とも一部が前記A領域を有することを特徴とする防滑性
    包装箱。
  7. 【請求項7】 立方形または直方形等の6面体形状の箱
    全面が、活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し活性エ
    ネルギー線を照射して得られた硬化樹脂層を表面に有す
    る防滑性箱において、硬化樹脂層表面のJIS Z−8
    741に規定する60度鏡面反射光沢度が60%以上の
    光沢度を有し、温度20℃におけるJIS P−814
    7に規定する傾斜法滑り開始角度が、天面および地面で
    40°以上、側面で35°以下であることを特徴とする
    防滑性包装箱。
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