JP2005042758A - センターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フライホイール側の挿入孔に、確実且つ容易に短時間でセンターベアリングを挿入することの出来るセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法の提供。
【解決手段】フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け構造において、フライホイール(1)をクランクシャフト(3)に結合する複数のフライホイールボルト(4)を有しており、該フライホイールボルト(4)の各々は座(4b)を備えており、該座(4b)はベアリング(2)の外輪部(2o)に当接していることを最も主要な特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け構造において、フライホイール(1)をクランクシャフト(3)に結合する複数のフライホイールボルト(4)を有しており、該フライホイールボルト(4)の各々は座(4b)を備えており、該座(4b)はベアリング(2)の外輪部(2o)に当接していることを最も主要な特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンフライホイール後部の動力伝達装置のシャフト保持用として、フライホイール中心に取り付けるセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法に関するものである。
【従来技術】
【0002】
図6に示すように、フライホイール1の中心部には、エンジンフライホイールの後部に接続される動力伝達装置(例えば図示しないトランスミッションのインプットシャフト)のシャフト保持用として、センターベアリング2が取り付けられる。
【0003】
従来、そのセンターベアリング2の取り付けに際しては、図7に示す様な治具Tを用いていた。
治具Tは、図7に詳細を示すように、円形フランジ部Tfとそのフランジ部Tfの前後に円柱状の突起部Ta、Tbを有しており、フランジ部Tfの外径はフライホイール1の中心に形成されたセンターベアリング挿入孔1hの径よりも大きく、治具Tの前方突起部Taの外径はセンターベアリング2のインナーレース2iの内径よりも小さく形成されている。
ここで、センターベアリング2は、スチールボール2aとアウターレース2oとインナーレース2iとで構成されたラジアルボールベアリングである。
【0004】
センターベアリング2の取り付けに関して更に詳しく述べると、フライホイール1中心に形成されたセンターベアリング挿入孔1hにセンターベアリング2の一方の端部を挿入した後、センターベアリング2の他端2bに前記治具Tのフランジ部Tfの前面fa側を当接させ、その前面faがフライホイール1の後面1bに当接する(センターベアリング2の端面2bとフライホイール1の後面1bが面一になる)まで治具Tの後方突起部Tbの端面を例えばハンマーで叩き、センターベアリング2を圧入して取り付けていた。或いは、フライホイール1をフライホイールの後面1bが上方を向くように水平に設置し、図示しないプレス機でセンターベアリング2を挿入孔1hに挿入(圧入)する方法が採られていた。
【0005】
そのように治具T、又は図示しないプレス機を用いることはそれだけ余分な工数をかけていることになり、組立作業効率化の阻害要因となっていた。
フライホイールハウジングのセンターベアリングに関しては、参考に図示されている例(特許文献1参照)があるが、当該ベアリングの詳しい説明はもとより、組付けに関する記述もない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−47381号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来方式では特別な治具を用意しなくてはならず、又、余計な工数を要する点であり、それを解決する課題は、フライホイール側の挿入孔に、確実且つ容易に短時間でセンターベアリングを挿入することの出来るセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法の提供である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のセンターベアリングの取り付け構造は、フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け構造において、フライホイール(1)をクランクシャフト(3)に結合する複数のフライホイールボルト(4)を有しており、該フライホイールボルト(4)の各々は座(4b)を備えており、該座(4b)はベアリング(2)の外輪部(2o)に当接していることを最も主要な特徴とする(請求項1)。
【0009】
前記フライホイールボルト(4)は座(4b)が一体的に設けられている座付きボルトであることを特徴としている(請求項2)。
【0010】
フライホイールボルト(4)が貫通しているフライホイール(1)のクランクシャフトが当接する面と反対側の面(1b)は、ベアリング外輪(2o)のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)と面一に構成されており、フライホイール(1)のクランクシャフト(3)が当接する面と反対側の面(1b)及びベアリング外輪(2o)のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)はフライホイールボルト(4)の座(4b)と当接していることを特徴としている(請求項3)。
【0011】
本発明のセンターベアリングの取り付け方法は、フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け方法において、フライホイール(1)の中央部に形成されたベアリング挿入孔(1h)にベアリング(2)を挿入する工程と、座付きボルトであるフライホイールボルト(4)を締め付ける工程とを有しており、該フライホイールボルト(4)の各々における座(4b)はベアリングの外輪部(2o)に当接しており、フライホイールボルト(4)を締め込むことにより前記座(4b)がベアリングの外輪部(2o)を押圧して、フライホイールのクランクシャフト(3)が当接する面と反対側の面(1b)とベアリング外輪のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)とが面一になるまでベアリング外輪(2o)をクランクシャフト(3)側に押し込むことを特徴としている(請求項4)。
【0012】
前記フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、複数のフライホイールボルト(4)を同時に締め込むことを特徴としている(請求項5)。
【0013】
前記フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、ナットランナー(5)を用いて複数のフライホイールボルト(4)を同時に締め込むことを特徴としている(請求項6)。
【発明の実施の形態】
【0014】
図1〜図3を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0015】
図1は、既にセンターベアリング2及びフライホイールボルト4がフライホイール1の所定の位置に取り付けられた状態を示している。尚、フライホイール1の全断面形状は実質的に図6の従来技術と同様であり、以降の説明において図6をも参照する。
【0016】
図1(及び図6)において、フライホイール1の中心にはセンターベアリングを挿入するための挿入孔1hが形成されている。
フライホイール1のクランクシャフト3を取り付ける側の面1aの中心部には、クランクシャフト3を挿入するための深さの浅い穴部1cが形成されている。
【0017】
フライホイール1の前記ベアリング挿入孔1hの外周方向には挿入孔1hと同芯の図示しないピッチサークル円上に複数のフライホイールボルト取り付け孔1dが形成されている。
【0018】
クランクシャフト3のフライホイール1と結合される側の端面3aには、前記フライホイールに形成されたフライホイールボルト取付孔1dと同一のピッチサークル円で同数の取付孔3dが形成されている。
【0019】
センターベアリング2は、スチールボール2aとアウターレース(ベアリング外輪)2o、インナーレース(ベアリング内輪)2iとから構成されるラジアルボールベアリングである。
【0020】
フライホイールボルト4について、図2を参照して説明する。当該ボルト4は頭部4aと該頭部に隣接する座部4bとその座部4bに隣接する軸部4cとその軸部4cに隣接するねじ部4dとから成る。そして、座部4bの外径はフライホイール1側のボルト取付孔1dに当該ボルト4を挿入した際には部分的に前記センターベアリング挿入孔1hにオーバーラップする大きさに形成されている。
【0021】
したがって、組立完了時には、フライホイール1のクランクシャフト3が当接する面と反対側の面1bとベアリング外輪のクランクシャフト3側の面に対する反対側の面2bとが面一(所定の位置)になる。
【0022】
図3は、センターベアリング2をベアリング挿入孔1hに挿入し、フライホイールボルト4をボルト取付孔1dに挿入し、ボルト4をレンチLで締め付けていく過程を示した部分断面図である。フライホイールボルト4の座部4bによって、センターベアリング2のアウターレース2oの端面が押圧されてボルトの締込みと同時にベアリング挿入孔1hに圧入されていく様が示されている。
【0023】
図3は1箇所のみのボルト締込みの様子を示しているが、そのように1箇所毎にボルトを締め込むと、押圧されているベアリング2には1箇所に集中して力が作用するため、ベアリング2は挿入孔1hに対して傾いてしまい、平行には入り難い。
【0024】
そこで、本実施形態では、図4に示す様なナットランナー5を用いる。
図4において、ナットランナー5は、フライホイール側のボルト取付孔1dと同じ直径のピッチサークル円内に配置され、フライホイールボルト4と同数(図示の例では6本)のレンチ部材5aが設けられている。
【0025】
そのレンチ部材5aは、例えば図5に示す様な駆動機構によって、夫々同一回転速度で回転するように構成されている。
【0026】
図5は、前記ナットランナー5を用いて、フライホイールボルト4全数を同時に締め込む途中の様子(過程)を示した断面図である。
【0027】
各レンチ部材5aのケーシング5c内側の一端には、ピニオンギア5bが系止されており、そのピニオンギア5bは電動モータ5eによって駆動されるセンターギア5dに噛合っている。
【0028】
そして、電動モータ5eを作動させることにより、全てのレンチ部材5aが同一方向且つ同一回転速度で回転し、フライホイールボルト4全数を同時に締め込むように構成されている。
【0029】
そのように、フライホイールボルト4全数を同時に締め込むので、センターベアリング2のアウターレース2oの端面は全数のフライホイールボルト4の座部4bによって均一に押圧されるので、ベアリング挿入孔1hに対して平行に、したがってスムースに挿入される。しかも、ボルト4の締込み工程と同時にベアリング2の挿入(圧入)が行われるので極めて効率的に作業が進行する。
【0030】
しかも、フライホイールボルト4の締め込み完了位置がセンターベアリング2の挿入完了位置に一致するので、特別な調整工程は不要である。
【0031】
【発明の効果】
本発明のセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法は、図5で説明した従来技術のように、特別な治具(T)によってセンターベアリング(2)をフライホイール(1)の挿入孔(1h)に圧入する工程が省略出来るという利点がある。
即ち、フライホイールボルト(4)を締めこむ際に、フライホイールボルト(4)に形成された座面(4b)によって、センターベアリング外輪(2o)が当接されているために、フライホイールボルト(4)の締め込みと同時にセンターベアリング外輪(2o)が挿入孔(1h)に挿入される。しかも、フライホイールボルト(4)の締め込み完了位置がセンターベアリング(2)の挿入位置に一致するので、特別な調整工程は不要である。
【0032】
フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、ナットランナー(5)を用いて複数(全数)のフライホイールボルト(4)を同時に全数締め込むことが出来るため、作業効率は極めてよい。しかも、複数のフライホイールボルト(4)の座面は締め込みの際には同一面を保ちつつ進行するため、センターベアリング(2)も挿入孔(1h)に対して真っ直ぐで円滑に挿入されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるセンターベアリングの取り付け要部の断面構造を示す部分断面図。
【図2】本発明の実施形態で用いる座付きボルトの側面図。
【図3】フライホイールボルト及びセンターベアリングを取り付ける工程の途中を示した部分断面図。
【図4】本発明の実施形態で用いるナットランナーの斜視図。
【図5】本発明の実施形態において、ナットランナーでフライホイールボルト及びセンターベアリングを取り付ける工程の途中を示した断面図。
【図6】フライホイールにセンターベアリングを取り付け、そのフライホイールをフライホイールボルトでクランクシャフトに取り付けた状態を示した断面図。
【図7】従来技術において、治具を用いてセンターベアリングをフライホイールに取り付ける工程を示した断面図。
【符号の説明】
1・・・フライホイール
1b・・・反対側の面
1d・・・ボルト取付孔
1h・・・ベアリング挿入孔
2・・・センターベアリング
2a・・・スチールボール
2o・・・アウターレース
3・・・クランクシャフト
4・・・フライホイールボルト
4b・・・座部
5・・・ナットランナー
5a・・・レンチ部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンフライホイール後部の動力伝達装置のシャフト保持用として、フライホイール中心に取り付けるセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法に関するものである。
【従来技術】
【0002】
図6に示すように、フライホイール1の中心部には、エンジンフライホイールの後部に接続される動力伝達装置(例えば図示しないトランスミッションのインプットシャフト)のシャフト保持用として、センターベアリング2が取り付けられる。
【0003】
従来、そのセンターベアリング2の取り付けに際しては、図7に示す様な治具Tを用いていた。
治具Tは、図7に詳細を示すように、円形フランジ部Tfとそのフランジ部Tfの前後に円柱状の突起部Ta、Tbを有しており、フランジ部Tfの外径はフライホイール1の中心に形成されたセンターベアリング挿入孔1hの径よりも大きく、治具Tの前方突起部Taの外径はセンターベアリング2のインナーレース2iの内径よりも小さく形成されている。
ここで、センターベアリング2は、スチールボール2aとアウターレース2oとインナーレース2iとで構成されたラジアルボールベアリングである。
【0004】
センターベアリング2の取り付けに関して更に詳しく述べると、フライホイール1中心に形成されたセンターベアリング挿入孔1hにセンターベアリング2の一方の端部を挿入した後、センターベアリング2の他端2bに前記治具Tのフランジ部Tfの前面fa側を当接させ、その前面faがフライホイール1の後面1bに当接する(センターベアリング2の端面2bとフライホイール1の後面1bが面一になる)まで治具Tの後方突起部Tbの端面を例えばハンマーで叩き、センターベアリング2を圧入して取り付けていた。或いは、フライホイール1をフライホイールの後面1bが上方を向くように水平に設置し、図示しないプレス機でセンターベアリング2を挿入孔1hに挿入(圧入)する方法が採られていた。
【0005】
そのように治具T、又は図示しないプレス機を用いることはそれだけ余分な工数をかけていることになり、組立作業効率化の阻害要因となっていた。
フライホイールハウジングのセンターベアリングに関しては、参考に図示されている例(特許文献1参照)があるが、当該ベアリングの詳しい説明はもとより、組付けに関する記述もない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−47381号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来方式では特別な治具を用意しなくてはならず、又、余計な工数を要する点であり、それを解決する課題は、フライホイール側の挿入孔に、確実且つ容易に短時間でセンターベアリングを挿入することの出来るセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法の提供である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のセンターベアリングの取り付け構造は、フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け構造において、フライホイール(1)をクランクシャフト(3)に結合する複数のフライホイールボルト(4)を有しており、該フライホイールボルト(4)の各々は座(4b)を備えており、該座(4b)はベアリング(2)の外輪部(2o)に当接していることを最も主要な特徴とする(請求項1)。
【0009】
前記フライホイールボルト(4)は座(4b)が一体的に設けられている座付きボルトであることを特徴としている(請求項2)。
【0010】
フライホイールボルト(4)が貫通しているフライホイール(1)のクランクシャフトが当接する面と反対側の面(1b)は、ベアリング外輪(2o)のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)と面一に構成されており、フライホイール(1)のクランクシャフト(3)が当接する面と反対側の面(1b)及びベアリング外輪(2o)のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)はフライホイールボルト(4)の座(4b)と当接していることを特徴としている(請求項3)。
【0011】
本発明のセンターベアリングの取り付け方法は、フライホイール(1)にベアリング(2)を取り付けるベアリング取り付け方法において、フライホイール(1)の中央部に形成されたベアリング挿入孔(1h)にベアリング(2)を挿入する工程と、座付きボルトであるフライホイールボルト(4)を締め付ける工程とを有しており、該フライホイールボルト(4)の各々における座(4b)はベアリングの外輪部(2o)に当接しており、フライホイールボルト(4)を締め込むことにより前記座(4b)がベアリングの外輪部(2o)を押圧して、フライホイールのクランクシャフト(3)が当接する面と反対側の面(1b)とベアリング外輪のクランクシャフト側の面に対して反対側の面(2b)とが面一になるまでベアリング外輪(2o)をクランクシャフト(3)側に押し込むことを特徴としている(請求項4)。
【0012】
前記フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、複数のフライホイールボルト(4)を同時に締め込むことを特徴としている(請求項5)。
【0013】
前記フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、ナットランナー(5)を用いて複数のフライホイールボルト(4)を同時に締め込むことを特徴としている(請求項6)。
【発明の実施の形態】
【0014】
図1〜図3を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0015】
図1は、既にセンターベアリング2及びフライホイールボルト4がフライホイール1の所定の位置に取り付けられた状態を示している。尚、フライホイール1の全断面形状は実質的に図6の従来技術と同様であり、以降の説明において図6をも参照する。
【0016】
図1(及び図6)において、フライホイール1の中心にはセンターベアリングを挿入するための挿入孔1hが形成されている。
フライホイール1のクランクシャフト3を取り付ける側の面1aの中心部には、クランクシャフト3を挿入するための深さの浅い穴部1cが形成されている。
【0017】
フライホイール1の前記ベアリング挿入孔1hの外周方向には挿入孔1hと同芯の図示しないピッチサークル円上に複数のフライホイールボルト取り付け孔1dが形成されている。
【0018】
クランクシャフト3のフライホイール1と結合される側の端面3aには、前記フライホイールに形成されたフライホイールボルト取付孔1dと同一のピッチサークル円で同数の取付孔3dが形成されている。
【0019】
センターベアリング2は、スチールボール2aとアウターレース(ベアリング外輪)2o、インナーレース(ベアリング内輪)2iとから構成されるラジアルボールベアリングである。
【0020】
フライホイールボルト4について、図2を参照して説明する。当該ボルト4は頭部4aと該頭部に隣接する座部4bとその座部4bに隣接する軸部4cとその軸部4cに隣接するねじ部4dとから成る。そして、座部4bの外径はフライホイール1側のボルト取付孔1dに当該ボルト4を挿入した際には部分的に前記センターベアリング挿入孔1hにオーバーラップする大きさに形成されている。
【0021】
したがって、組立完了時には、フライホイール1のクランクシャフト3が当接する面と反対側の面1bとベアリング外輪のクランクシャフト3側の面に対する反対側の面2bとが面一(所定の位置)になる。
【0022】
図3は、センターベアリング2をベアリング挿入孔1hに挿入し、フライホイールボルト4をボルト取付孔1dに挿入し、ボルト4をレンチLで締め付けていく過程を示した部分断面図である。フライホイールボルト4の座部4bによって、センターベアリング2のアウターレース2oの端面が押圧されてボルトの締込みと同時にベアリング挿入孔1hに圧入されていく様が示されている。
【0023】
図3は1箇所のみのボルト締込みの様子を示しているが、そのように1箇所毎にボルトを締め込むと、押圧されているベアリング2には1箇所に集中して力が作用するため、ベアリング2は挿入孔1hに対して傾いてしまい、平行には入り難い。
【0024】
そこで、本実施形態では、図4に示す様なナットランナー5を用いる。
図4において、ナットランナー5は、フライホイール側のボルト取付孔1dと同じ直径のピッチサークル円内に配置され、フライホイールボルト4と同数(図示の例では6本)のレンチ部材5aが設けられている。
【0025】
そのレンチ部材5aは、例えば図5に示す様な駆動機構によって、夫々同一回転速度で回転するように構成されている。
【0026】
図5は、前記ナットランナー5を用いて、フライホイールボルト4全数を同時に締め込む途中の様子(過程)を示した断面図である。
【0027】
各レンチ部材5aのケーシング5c内側の一端には、ピニオンギア5bが系止されており、そのピニオンギア5bは電動モータ5eによって駆動されるセンターギア5dに噛合っている。
【0028】
そして、電動モータ5eを作動させることにより、全てのレンチ部材5aが同一方向且つ同一回転速度で回転し、フライホイールボルト4全数を同時に締め込むように構成されている。
【0029】
そのように、フライホイールボルト4全数を同時に締め込むので、センターベアリング2のアウターレース2oの端面は全数のフライホイールボルト4の座部4bによって均一に押圧されるので、ベアリング挿入孔1hに対して平行に、したがってスムースに挿入される。しかも、ボルト4の締込み工程と同時にベアリング2の挿入(圧入)が行われるので極めて効率的に作業が進行する。
【0030】
しかも、フライホイールボルト4の締め込み完了位置がセンターベアリング2の挿入完了位置に一致するので、特別な調整工程は不要である。
【0031】
【発明の効果】
本発明のセンターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法は、図5で説明した従来技術のように、特別な治具(T)によってセンターベアリング(2)をフライホイール(1)の挿入孔(1h)に圧入する工程が省略出来るという利点がある。
即ち、フライホイールボルト(4)を締めこむ際に、フライホイールボルト(4)に形成された座面(4b)によって、センターベアリング外輪(2o)が当接されているために、フライホイールボルト(4)の締め込みと同時にセンターベアリング外輪(2o)が挿入孔(1h)に挿入される。しかも、フライホイールボルト(4)の締め込み完了位置がセンターベアリング(2)の挿入位置に一致するので、特別な調整工程は不要である。
【0032】
フライホイールボルト(4)を締め付ける工程では、ナットランナー(5)を用いて複数(全数)のフライホイールボルト(4)を同時に全数締め込むことが出来るため、作業効率は極めてよい。しかも、複数のフライホイールボルト(4)の座面は締め込みの際には同一面を保ちつつ進行するため、センターベアリング(2)も挿入孔(1h)に対して真っ直ぐで円滑に挿入されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるセンターベアリングの取り付け要部の断面構造を示す部分断面図。
【図2】本発明の実施形態で用いる座付きボルトの側面図。
【図3】フライホイールボルト及びセンターベアリングを取り付ける工程の途中を示した部分断面図。
【図4】本発明の実施形態で用いるナットランナーの斜視図。
【図5】本発明の実施形態において、ナットランナーでフライホイールボルト及びセンターベアリングを取り付ける工程の途中を示した断面図。
【図6】フライホイールにセンターベアリングを取り付け、そのフライホイールをフライホイールボルトでクランクシャフトに取り付けた状態を示した断面図。
【図7】従来技術において、治具を用いてセンターベアリングをフライホイールに取り付ける工程を示した断面図。
【符号の説明】
1・・・フライホイール
1b・・・反対側の面
1d・・・ボルト取付孔
1h・・・ベアリング挿入孔
2・・・センターベアリング
2a・・・スチールボール
2o・・・アウターレース
3・・・クランクシャフト
4・・・フライホイールボルト
4b・・・座部
5・・・ナットランナー
5a・・・レンチ部材
Claims (6)
- フライホイールにベアリングを取り付けるベアリング取り付け構造において、フライホイールをクランクシャフトに結合する複数のフライホイールボルトを有しており、該フライホイールボルトの各々は座を備えており、該座はベアリングの外輪部に当接していることを特徴とするベアリング取り付け構造。
- フライホイールボルトは座が一体的に設けられている座付きボルトである請求項1のベアリング取り付け構造。
- フライホイールボルトが貫通しているフライホイールのクランクシャフトが当接する面と反対側の面は、ベアリング外輪のクランクシャフト側の面に対して反対側の面と面一に構成されており、フライホイールのクランクシャフトが当接する面と反対側の面及びベアリング外輪のクランクシャフト側の面に対して反対側の面はフライホイールボルトの座と当接している請求項1、2の何れかのベアリング取り付け構造。
- フライホイールにベアリングを取り付けるベアリング取り付け方法において、フライホイールの中央部に形成されたベアリング挿入孔にベアリングを挿入する工程と、座付きボルトであるフライホイールボルトを締め付ける工程とを有しており、該フライホイールボルトの各々における座はベアリングの外輪部に当接しており、フライホイールボルトを締め込むことにより前記座がベアリングの外輪部を押圧して、フライホイールのクランクシャフトが当接する面と反対側の面とベアリング外輪のクランクシャフト側の面に対して反対側の面とが面一になるまでベアリング外輪をクランクシャフト側に押し込むことを特徴とするベアリング取り付け方法。
- 前記フライホイールボルトを締め付ける工程では、複数のフライホイールボルトを同時に締め込む請求項4のベアリング取り付け方法。
- 前記フライホイールボルトを締め付ける工程では、ナットランナーを用いて複数のフライホイールボルトを同時に締め込む請求項4、5の何れかのベアリング取り付け方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003200402A JP2005042758A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | センターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法 |
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JP2003200402A JP2005042758A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | センターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法 |
Publications (1)
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JP2003200402A Pending JP2005042758A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | センターベアリングの取り付け構造及び取り付け方法 |
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JP (1) | JP2005042758A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102374132A (zh) * | 2010-08-26 | 2012-03-14 | 哈尔滨建成集团有限公司 | 轴承座固定及中心调整装置 |
JP5612744B1 (ja) * | 2013-09-03 | 2014-10-22 | 日鉄住金物流大分株式会社 | トルクレンチ受け治具、ハブレンチ押さえ及びハブベアリングの調整方法 |
-
2003
- 2003-07-23 JP JP2003200402A patent/JP2005042758A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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