JP2006194262A - ダンパ機能を備えたプーリ - Google Patents

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Abstract

【課題】 取付手段に対するプーリ手段の組み付け位置を軸方向に調整可能なダンパ機能を備えたプーリを提供することと、ダンパ機能を備えたプーリの径方向寸法を小さくすることである。
【解決手段】 ダンパプーリ11はダンパ部15とプーリ部16とを有しており、ダンパ部15はスリーブ17がハブ12に軸方向に圧入して嵌合されることによりハブ12に対する固定位置が軸方向に調整可能とされている。プーリ部16はダンパ部15の外側に装着される円筒部21と円筒部21から中心方向に延びるカバー部22とを有しており、カバー部22とハブ12に設けられた押圧部26との間には予備圧縮されたアイソレータゴム27が設けられている。ハブ12に対するスリーブ17の固定位置を軸方向に調整すると、ハブ12の基準面13bとプーリ部16の基準位置との離間長Lが変化するので、これを公差内に収めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトに装着され、クランクシャフトのトルクを無端ベルトを介して各種の補機へ伝達するプーリに関し、特に、アイドリング回転時等のエンジン低回転時におけるクランクシャフトの速度変動を遮断するとともに、クランクシャフトの捩じり振動を低減するダンパ機能を備えたプーリに関する。
従来から、エンジンのクランクシャフトのトルクを無端ベルトを介してオルタネータや各種ポンプ等の補機に伝達するプーリにダンパ部を設け、このダンパ部によりクランクシャフトの捩じり振動を吸収させるようにした技術が知られている。このようなプーリでは、ハブ部の外周にゴム等の弾性体を介して慣性質量体を装着することによりダンパ部が構成され、クランクシャフトの捩じり振動により生じるハブ部に対する慣性質量体の相対運動を弾性体の内部摩擦で吸収して捩じり振動を低減させるようにしている。
一方、クランクシャフトを備えたエンジンでは、アイドリング回転時のようにエンジン低回転時においてはエンジンのトルク変動が大きくなり、これによりクランクシャフトの速度変動が大きくなる。クランクシャフトの速度変動が大きくなると、無端ベルトの張力が繰り返し変動し、その耐久性が低下することになる。そのため、ダンパ部に加えてクランクシャフトの速度変動がベルトへ伝達されることを防止する遮断機能を設けたプーリが開発されている。このようなプーリでは、ハブ部と無端ベルトが掛け渡されるプーリ部とは別体に形成され、ハブ部の外周部には上述のようなダンパ部が設けられる。一方、プーリ部にはダンパ部の外側に配置される円筒部と円筒部から中心方向に延出するカバー部が設けられ、円筒部の外周面には無端ベルトが掛け渡されるプーリ溝が形成される。カバー部とハブ部に固定される支持部材との間にはゴム等により形成される環状弾性体が設けられ、ハブ部とプーリ部はこの環状弾性体を介して連結される。また、ハブ部にはカバー部を支持部材に向けて押す押圧部材が固定され、この押圧部材により環状弾性体を軸方向に予備圧縮させてその耐久性を高めるようにしている。このような構造により、クランクシャフトの速度変動は環状弾性体の捩じれ変形により吸収され、当該速度変動のプーリ部つまり無端ベルトへの伝達が遮断される。
しかしながら、このようなプーリでは、ハブ部や支持部材、押圧部材の厚みや形状あるいはこれらの組み付け精度等により環状弾性体の圧縮度合いが変化し、これによりハブ部に対するプーリ部の軸方向の位置が変化することになる。そのため、ハブ部に対するプーリ部の軸方向の組み付け位置を所定の公差の範囲内に収めるためには、ハブ部や支持部材、押圧部材等の厚みや形状等の加工精度や、これらの部材の組み付け精度を高める必要がある。また、プーリ部の組み付け位置が公差を超えてずれた場合には、構造上その修正は困難なものとなる。
これに対して、本出願の発明者は、特許出願(PCT/JP2004/010156号)に示されるように、ハブ部に対するプーリ部の軸方向の組み付け位置を調整することが可能なプーリを開発した。このプーリでは、ハブ部に第1の環状部と第1の環状部の内側に配置される第2の環状部とを設け、ダンパ部を第1の環状部の外周部に設けるとともに第1と第2の環状部の間に環状弾性体を配置し、押圧部材を第2の環状部の外周部に圧入嵌合により固定するようにしている。これにより、第2の環状部に対する押圧部材の固定位置を軸方向に調整することにより、弾性体の圧縮度合いを変えてハブ部に対するプーリ部の組み付け位置を調整することができる。
しかしながら、このプーリにあっては、プーリ部とダンパ部、環状弾性体が径方向に並べて配置されることになるので、プーリの軸方向寸法は小さくなるが、径方向寸法は大きくなり、プーリの径方向寸法が所定の範囲に制限される場合等には、かかるプーリを配置することが困難となる。
本発明の目的は、かかるプーリの径方向の小型化を達成しつつ、クランクシャフトへ取り付けられる取付手段に対するプーリ手段の組み付け位置を軸方向に調整可能な、ダンパ機能を備えたプーリを提供することにある。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、環状体の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、前記慣性質量体の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、前記環状体と一体に回転し、前記環状体に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、前記カバー部と前記押圧部との間に、軸方向に予備圧縮された状態で設けられた第2の弾性体と、前記環状体と一体に回転し、前記環状体に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記カバー部は前記慣性質量体の端面に対向して設けられ、前記端面と前記カバー部との間にベアリングを設けたことを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記押圧手段の環状部と前記取付手段の環状部が一体となっていることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記押圧手段の環状部の外周部と前記取付手段の環状部の外周部に、前記環状体の内周部が嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記押圧手段の環状部の外周部と前記取付手段の環状部の外周部に、前記環状体の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、第1の環状部の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、前記第1の環状部の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、前記第1の環状部と一体に回転し、前記第1の環状部の内方に同軸状に設けられた第2の環状部と、前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に設けられ、一端が前記ダンパ手段側に固定され、他端が前記プーリ手段側に固定された第2の弾性体と、前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、前記第2の環状部と一体に回転し、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、第1の環状部の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、前記第1の環状部の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、前記第1の環状部と一体に回転し、前記第1の環状部の内方に同軸状に設けられた第2の環状部と、前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部の裏面に対向する支持部を有する支持手段と、前記支持手段の前記支持部と前記カバー部の前記裏面との間に、軸方向に予備圧縮された状態で設けられた第2の弾性体と、前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、前記第2の環状部と一体に回転し、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部と前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部と前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が嵌合し、前記支持手段の前記環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合し、前記支持手段の前記環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合し、前記押圧手段の前記環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記第2の環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合し、前記押圧手段の前記環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とする。
本発明のダンパ機能を備えたプーリは、前記プーリ手段の前記カバー部と前記押圧手段の前記押圧部との間にベアリングを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、クランクシャフトに取り付けられる取付手段に対するプーリ手段の組み付け位置を軸方向に調整することができるので、取付手段や押圧手段、支持手段の加工精度を高めることなく、取付手段に対するプーリ手段の軸方向の位置を所定の公差の範囲内に収めることができる。
また、本発明によれば、第2の弾性体はダンパ手段に対して軸方向に並べて配置され、あるいはプーリ手段はダンパ手段に対して軸方向に並べて配置されるので、プーリ手段とダンパ手段と第2の弾性体とが径方向に並ぶことがなく、取付手段に対するプーリ手段の組み付け位置を軸方向に調整可能な構造とした場合であっても、ダンパ機能を備えたプーリの径方向寸法を小さくすることができる。
さらに、本発明によれば、取付手段や押圧手段、支持手段は環状体や第2の環状部あるいは互いに嵌合により組み付けられるので、位置合せや組み付け作業が容易となる。特に、取付手段や押圧手段、支持手段を環状体や第2の環状部あるいは互いに軸方向に圧入して嵌合させるようにすると、溶接に起因する組立作業の繁雑さが解消されるとともに、各部材の材料選択の自由度が高められる。また、押圧手段の環状部と取付手段の環状部を一体に形成することにより、このプーリの組立作業をさらに容易にすることができる。
さらに、本発明によれば、カバー部と慣性質量体との間、カバー部と押圧手段の押圧部との間にベアリングを配することにより、慣性質量体あるいは押圧手段に対するプーリ手段の相対回転を滑らかにして、第2の弾性体によるクランクシャフトの速度変動を遮断する効果を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態であるダンパ機能を備えたプーリを示す断面図であり、このダンパ機能を備えたプーリ11(以下、ダンパプーリ11とする)はエンジンのクランクシャフト(不図示)の先端部に装着されるハブ12を有している。
ハブ12は取付手段としての機能を有しており、クランクシャフトの中心軸Oに垂直な円盤状に形成された取付部13と中心軸Oと同軸の円筒状に形成された環状部14とを備えている。取付部13の軸心には貫通孔13aが形成され、貫通孔13aにクランクシャフトの先端部が組み込まれた状態で取付部13はクランクシャフトの先端部に固定される。図示する場合では、ハブ12は鋼板等の板材をプレス加工することにより、取付部13と環状部14とが一体となった底付き円筒状に形成されている。
このダンパプーリ11にはダンパ部15とプーリ部16とが設けられ、ダンパ部15によりダンパ手段が構成され、プーリ部16によりプーリ手段が構成されている。ダンパ部15は、環状体としてのスリーブ17と慣性質量体としてのイナーシャリング18および第1の弾性体としてのダンパゴム19を備え、クランクシャフトの捩り振動を低減する機能を有する。
スリーブ17は鋼板等の板材によりクランクシャフトの中心軸Oと同軸の円筒状に形成され、その内周部17aにおいてハブ12の環状部14の外周部14aに嵌合し、これによりハブ12と一体に回転する。本実施の形態においては、スリーブ17はその内周部17aがハブ12の環状部14の外周部14aに軸方向に圧入されることにより嵌合しており、ハブ12の環状部14に対するスリーブ17の圧入量を変えることにより、スリーブ17に対するハブ12の固定位置を軸方向に調整することができるようになっている。
イナーシャリング18は鋼材等によりスリーブ17より大径の円環状に形成され、スリーブ17の外周部17cの外側に所定の隙間を空けて同軸状に配置される。ダンパゴム19は加硫ゴム等の弾性材料により円環状に成形され、スリーブ17とイナーシャリング18との間に圧入されている。スリーブ17の軸方向中間部には径方向外側に突出する突起部17bが形成され、イナーシャリング18には突起部17bに対応する凹部18aが形成され、突起部17bと凹部18aとによりダンパゴム19は湾曲されてダンパ部15からの離脱が防止される。このように、スリーブ17の外周部17cにダンパゴム19を介してイナーシャリング18を装着することによりダンパ部15が構成され、クランクシャフトの捩じり振動はスリーブ17に対するイナーシャリング18の相対回転がダンパゴム19の内部摩擦で吸収されることにより低減される。
一方、プーリ部16はイナーシャリング18の外周部18bを覆う円筒状の円筒部21を有し、この円筒部21がイナーシャリング18と同軸となるようにイナーシャリング18の外周部18bに装着されている。円筒部21の軸方向の端部には中心方向つまりクランクシャフトの中心軸Oに向けて延出するカバー部22が一体に設けられ、このカバー部22はイナーシャリング18の軸方向の端面18cに対向している。イナーシャリング18の外周部18bと円筒部21との間にはジャーナルベアリング23が装着され、イナーシャリング18の端面18cとカバー部22との間にはスラストベアリング24が装着され、これによりプーリ部16はイナーシャリング18つまりダンパ部15に対して周方向に相対回転自在となっている。なお、ダンパ部15に対するプーリ部16の相対回転が所定の範囲(回転角度)内に収まるように構成されており、これにより、後述するアイソレータゴムの破損が防止される。
また、円筒部21の外周部には環状のプーリ溝25が軸方向に所定の間隔で複数本形成され、これらのプーリ溝25には補機駆動用の無端ベルト(不図示)が掛け渡される。
ハブ12の環状部14の取付部13と連なる側とは逆側の軸方向端部には、環状部14から径方向外側に延出する押圧部26が一体に形成されており、環状部14と押圧部26とによりハブ12は押圧手段を構成している。このように、本実施の形態においては、ハブ12の環状部14は、取付手段の環状部と押圧手段の環状部とが一体に形成された態様となっており、ハブ12は取付手段と押圧手段の両方を構成している。したがって、押圧手段は、ハブ12の環状部14の外周部14aがスリーブ17の内周部17aに軸方向に圧入して嵌合することにより、スリーブ17に対する固定位置が軸方向に調整可能とされるとともに、環状部14においてスリーブ17に嵌合してスリーブ17と一体に回転するようになっている。
押圧部26の内面26aとカバー部22の外面22aは軸方向に所定の間隔を空けて対向しており、押圧部26とカバー部22との間には第2の弾性体としてのアイソレータゴム27が設けられている。アイソレータゴム27は加硫ゴム等の弾性材料により円環状に形成され、軸方向の一端がカバー部22の外面22aの径方向内方部に固定され、他端が押圧部26の内面26aに固定されている。クランクシャフトが回転すると押圧部26はハブ12やスリーブ17と一体に回転し、そのトルクは押圧部26からアイソレータゴム27を介してプーリ部16に伝達される。つまり、ハブ12とプーリ部16はアイソレータゴム27を介して連結されており、ハブ12とプーリ部16との間の動力伝達はアイソレータゴム27を介して行われる。また、アイソレータゴム27の捩り変形によりクランクシャフトの速度変動が吸収され、アイドリング回転時などのエンジン低回転時におけるクランクシャフトの速度変動がプーリ部16に伝達されるのを抑制することができる。
スリーブ17に対するハブ12の軸方向の固定位置は、押圧部26とカバー部22との軸方向の間隔がアイソレータゴム27の軸方向の長さ寸法よりも狭くなるように設定され、これにより押圧部26はアイソレータゴム27を介してカバー部22をイナーシャリング18の端面に向けて軸方向に押圧つまり押し付けるようになっている。カバー部22は押圧部26に押圧されることによりスラストベアリング24を介してイナーシャリング18の端面18cに当接した状態に保持され、これによりプーリ部16はダンパ部15を基準として軸方向の位置決めがなされる。また、アイソレータゴム27は押圧部26とカバー部22との間で押されて軸方向に予備圧縮されており、これによりその耐久性が高められている。なお、アイソレータゴム27の予備圧縮の度合いはハブ12の環状部14に対するスリーブ17の固定位置を軸方向に調整することにより所望の度合いに設定される。
図2は図1に示すプーリ部とハブとの組立工程を示す断面図であり、図3は図1に示すダンパ部の組立工程を示す断面図、図4は図1に示すハブに対するダンパ部の組み付け工程を示す断面図である。次に、図2〜図4に基づいて図1に示すダンパプーリの製造方法の一例について簡単に説明する。
まず、ハブ12とプーリ部16との組立工程を図2に基づいて説明すると、プーリ部16のカバー部22の外面22aとハブ12の押圧部26の内面26aとの間にアイソレータゴム27が加硫接着され、これによりハブ12とプーリ部16は準備工程において図2に示すように組み立てられる。また、プーリ部16の円筒部21の内側にジャーナルベアリング23が装着され、ハブ12とプーリ部16との組立工程が完了する。
一方、ダンパ部15は、図3に示すように、スリーブ17の外周部17cの外側にイナーシャリング18を配置し、これらの隙間にダンパゴム19を圧入することにより予め準備工程において組み立てられる。
次に、ハブ12に対するダンパ部15の組み付け工程を図4に基づいて説明する。プーリ部16のカバー部22の内側にスラストベアリング24を装着するとともに、所定箇所に一時的に固定されたハブ12に対し、油圧アクチュエータ(不図示)を用いてダンパ部15を軸方向にスライドさせ、油圧アクチュエータの押圧力によってハブ12の環状部14の外周部14aにダンパ部15のスリーブ17の内周部17aを軸方向に圧入する。これにより、ハブ12の環状部14の外周部14aとスリーブ17の内周部17aとが嵌合し、ダンパ部15がハブ12に組み付けられる。ハブ12とダンパ部15との組み付けの際には、ハブ12の取付部13の基準面(エンジン側の端面)13bから軸方向に長さL1だけ離間した位置にレーザー光を照射し、アイソレータゴム27を圧縮させながらプーリ部16がダンパ部15により軸方向に押されて、レーザー光の照射位置がプーリ部16の基準位置つまり基準となるプーリ溝25aの底部と一致したときに、油圧アクチュエータの押圧力を解除すると、ハブ12の取付部13の基準面13bとプーリ部16の基準位置との軸方向の離間長Lが所定の公差の範囲内に確実に収められる。
以上のように、本実施の形態に係るダンパプーリ11によれば、ハブ12に対するスリーブ17つまりダンパ部15の固定位置は軸方向に調整可能であり、ハブ12の取付部13の厚みや押圧部26の加工に高い精度を要求することなく、ハブ12の基準面13bとダンパ部15に装着されるプーリ部16の基準位置との軸方向の離間長Lを所定の公差の範囲内に収めることができる。また、スリーブ17はハブ12に対して圧入による嵌合により固定されるので、組み付けの際の溶接が不要となり、溶接に起因する組立作業の繁雑さが解消されるとともに各部材の材料選択の自由度が高められる。なお、本実施の形態においては、スリーブ17はハブ12に対して圧入して嵌合するように構成したが、スリーブ17はハブ12に嵌合するのみで、それらの固定に溶接等を用いてもよい。
また、押圧手段と取付手段とをハブ12により一体に構成したので、これらの手段を別体として構成した場合に比して部品点数を低減させて、ダンパプーリ11の組立作業をさらに容易にすることができる。
さらに、本実施の形態に係るダンパプーリ11によれば、プーリ部16はダンパ部15に対して径方向に配置されるが、アイソレータゴム27はダンパ部15に対して軸方向に並べて配置されることになるので、ハブ12に対するプーリ部16の組み付け位置を軸方向に調整可能な構造とした場合であっても、ダンパプーリ11の径方向寸法を小さくすることができる。これにより、プーリ装着場所における径方向のスペース的な制限を回避して、このダンパプーリ11の装着の自由度を高めることができる。
図5は図1に示すダンパプーリの変形例を示す断面図であり、上述した実施の形態にあっては、取付手段と押圧手段はハブ12により一体に構成されているが、図5に示す場合では、取付手段を構成するハブ12に対して押圧手段を構成する押圧部材31が別体に形成されている。したがって、押圧部材31の環状部32の外周部32aとハブ12の環状部14の外周部14aは、それぞれ別々にスリーブ17の内周部17aに対して軸方向に圧入により嵌合されている。これにより、押圧部材31のスリーブ17に対する固定位置をハブ12と別に設定することが可能となり、ハブ12とプーリ部16との離間長Lに拘わらず、アイソレータゴム27に付与する予備圧縮の度合いを任意に調整することができる。なお、図5においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本変形例のように、押圧部材31とハブ12とを別体に形成した場合には、スリーブ17の内周部17aにハブ12の環状部14の外周部14aを嵌合させるとともに押圧部材31の環状部32の外周部32aをハブ12の環状部14の内周部14bに嵌合するようにしてもよく、あるいはスリーブ17の内周部17aに押圧部材31の環状部32の外周部32aを嵌合させるとともに押圧部材31の環状部32の内周部32bにハブ12の環状部14の外周部14aを嵌合させるようにしてもよい。
図6は本発明の他の実施の形態であるダンパ機能を備えたプーリを示す断面図であり、このダンパ機能を備えたプーリ41(以下、ダンパプーリ41とする)はエンジンのクランクシャフト(不図示)の先端部に装着されるハブ42を有している。
ハブ42は取付手段としての機能を有するものであり、クランクシャフトの中心軸Oと同軸の円筒状に形成された第1の環状部43と、第1の環状部43の内方つまり内側に同軸状に設けられた第2の環状部44と、中心軸Oに垂直な円盤状に形成された取付部45とを備えている。図示する場合では、ハブ42は鋼板等の板材をプレス加工することにより、第1の環状部43と第2の環状部44、取付部45が一体に形成された板金製とされており、第1の環状部43と第2の環状部44を連ねる部分は中心軸Oに垂直な連接壁46となっている。取付部45の軸心には貫通孔45aが形成され、貫通孔45aにクランクシャフトの先端部が組み込まれた状態で取付部45はクランクシャフトの先端部に固定される。これにより、クランクシャフトが回転すると、第1の環状部43と第2の環状部44は取付部45と一体にクランクシャフトとともに回転する。
このダンパプーリ41にはダンパ部47とプーリ部48とが設けられ、ダンパ部47によりダンパ手段が構成され、プーリ部48によりプーリ手段が構成されている。ダンパ部47は、第1の弾性体としてのダンパゴム51と慣性質量体としてのイナーシャリング52を備えており、クランクシャフトの捩じり振動をダンパゴム51により吸収して低減する機能を有する。
イナーシャリング52は鋼材等により第1の環状部43より大径の円環状に形成され、その軸方向の一端面が連結壁46と面一となるように第1の環状部43の外周部43aの外側に同軸状に配置されている。ダンパゴム51は加硫ゴム等の弾性材料により円環状に成形され、第1の環状部43とイナーシャリング52との間に圧入されている。このように、第1の環状部43の外周部43aにダンパゴム51を介してイナーシャリング52を装着することによりダンパ部47が構成され、クランクシャフトの捩じり振動は第1の環状部43に対するイナーシャリング52の相対回転がダンパゴム51の内部摩擦で吸収されることにより低減される。
一方、プーリ部48は第1の環状部43の外周部43aの一部を覆う円筒状の円筒部53を有し、円筒部53はダンパ部47に対して軸方向に並べて第1の環状部43の外周部43aに同軸状に装着されている。円筒部53の軸方向の端部には中心方向つまり中心軸Oに向けて延出するカバー部54が一体に設けられ、このカバー部54は第1の環状部43と第2の環状部44との間に形成される収容部55の開口部分を覆っている。第1の環状部43と円筒部53との間にはジャーナルベアリング56が装着され、これによりプーリ部48は第1の環状部43に対して周方向に相対回転自在となっている。なお、第1の環状部43(第2の環状部44)に対するプーリ部48の相対回転が所定の範囲(回転角度)内に収まるように構成されており、これにより、後述するアイソレータゴムの破損が防止される。
また、円筒部53の外周部には環状のプーリ溝57が軸方向に所定の間隔で複数本形成され、これらのプーリ溝57には補機駆動用の無端ベルト(不図示)が掛け渡される。
第2の環状部44の外周部44aには支持手段を構成する支持部材58が固定されている。支持部材58は円筒状の環状部61と環状部61の軸方向の一端から径方向外側に延出する支持部62とを備えており、支持部62はカバー部54の裏面54aに所定の間隔を空けて対向している。環状部61の内周部61aは第2の環状部44の外周部44aに嵌合しており、クランクシャフトが回転すると支持部材58は第2の環状部44つまりハブ42と一体に回転する。本実施の形態においては、支持部材58の環状部61は第2の環状部44の外周部44aに軸方向に圧入されることにより嵌合しており、第2の環状部44に対する支持部材58の環状部61の圧入量を変えることにより、第2の環状部44に対する支持部材58の固定位置を軸方向に調整することができる。
第1の環状部43と第2の環状部44との間に形成される収容部55には第2の弾性体としてのアイソレータゴム63が設けられている。アイソレータゴム63は加硫ゴム等の弾性材料により円環状に形成され、軸方向の一端がダンパ部47側つまり支持部材58の支持部62に固定され、軸方向の他端がプーリ部48側つまりカバー部54の裏面54aに固定されている。また、アイソレータゴム63は支持部材58の支持部62とカバー部54の裏面54aとの間で軸方向に予備圧縮された状態とされており、これにより耐久性が高められるようにされている。
クランクシャフトが回転すると支持部材58は第2の環状部44と一体に回転し、そのトルクは支持部材58からアイソレータゴム63を介してプーリ部48に伝達される。つまり、ハブ42とプーリ部48はアイソレータゴム63を介して連結されており、ハブ42とプーリ部48との間の動力伝達はアイソレータゴム63を介して行われる。また、アイソレータゴム63の捩り変形によりクランクシャフトの速度変動が吸収され、アイドリング回転時などのエンジン低回転時におけるクランクシャフトの速度変動がプーリ部48に伝達されるのを抑制することができる。
カバー部54を支持部62に向けて軸方向に押圧するために、第2の環状部44の外周部44aには支持部材58よりも開口部側に位置して押圧手段を構成する押圧部材64が固定されている。押圧部材64は円筒状の環状部65と環状部65の軸方向の一端から径方向外側に延出する押圧部66とを備えており、押圧部66はカバー部54の表面に対向している。環状部65は内周部65aにおいて第2の環状部44の外周部44aに嵌合しており、クランクシャフトが回転すると押圧部材64は第2の環状部44と一体に回転する。本実施の形態においては、押圧部材64の環状部65は第2の環状部44の外周部44aに軸方向に圧入されることにより嵌合しており、第2の環状部44に対する押圧部材64の環状部65の圧入量を変えることにより、第2の環状部44に対する押圧部材64の固定位置を軸方向に調整することができる。また、押圧部66とカバー部54の表面との間にはスラストベアリング67が装着され、これによりプーリ部48は押圧部材64に対して相対回転自在となっている。
押圧部材64はカバー部54を支持部62に向けて軸方向に押圧しており、これにより、アイソレータゴム63は支持部62とカバー部54との間で押されて軸方向に予備圧縮されている。また、押圧部材64の第2の環状部44への固定位置を軸方向に調整することにより、アイソレータゴム63の予備圧縮の度合いを変化させるとともに、ハブ42の取付部45の基準面(エンジン側の端面)45bとプーリ部48の基準位置つまり基準となるプーリ溝57aの底部との軸方向の離間長Lを調整することができる。
図7は図6に示すプーリ部と支持部材との組立工程を示す断面図であり、図8は図6に示すハブとダンパ部の組立工程を示す断面図、図9は図6に示すハブに対するプーリ部と押圧部材の組み付け工程を示す断面図である。次に、図7〜図9に基づいて図6に示すダンパプーリ41の製造方法の一例について簡単に説明する。
まず、プーリ部48と支持部材58との組立工程を図7に基づいて説明すると、プーリ部48のカバー部54の裏面54aと支持部材58の支持部62との間にアイソレータゴム63が加硫接着され、これによりプーリ部48と支持部材58は準備工程において図7に示すように組み立てられる。また、プーリ部48の円筒部53の内側にジャーナルベアリング56が装着され、プーリ部48と支持部材58の組立工程が完了する。
一方、ダンパ部47は、図8に示すように、ハブ42の第1の環状部43の外周部43aの外側にイナーシャリング52を配置し、これらの隙間にダンパゴム51を圧入することにより予め準備工程において組み立てられる。
次に、ハブ42に対するプーリ部48と押圧部材64の組み付け工程を図9に基づいて説明する。プーリ部48のカバー部54の表面側にスラストベアリング67を装着するとともに、所定箇所に一時的に固定されたハブ42に対し、油圧アクチュエータ(不図示)を用いて支持部材58を軸方向にスライドさせ、油圧アクチュエータの押圧力によってハブ42の第2の環状部44の外周部44aに支持部材58の環状部61の内周部61aを軸方向に圧入する。これにより、ハブ42の第2の環状部44の外周部44aに支持部材58の環状部61の内周部61aが嵌合し、ハブ42とプーリ部48とが組み付けられる。次いで、油圧アクチュエータ(不図示)を用いて押圧部材64を軸方向にスライドさせ、油圧アクチュエータの押圧力によってハブ42の第2の環状部44の外周部44aに押圧部材64の環状部65の内周部65aを軸方向に圧入する。これにより、ハブ42の第2の環状部44の外周部44aに押圧部材64の環状部65の内周部65aが嵌合し、ハブ42に押圧部材64が組み付けられる。押圧部材64の組み付けの際には、ハブ42の取付部45の基準面45bから軸方向に長さL2だけダンパ部47側に離間した位置にレーザー光を照射し、支持部材58によりアイソレータゴム63の一端が支持された状態のもとで押圧部材64により軸方向に押されるプーリ部48の基準位置つまり基準となるプーリ溝57aの底部がレーザー光の照射位置と一致したときに、油圧アクチュエータの押圧力を解除すると、ハブ42の取付部45の基準面45bとプーリ部48の基準位置との軸方向の離間長Lが所定の公差の範囲内に確実に収められる。
以上のように、本実施の形態に係るダンパプーリ41によれば、ハブ42の第2の環状部44に対する支持部材58や押圧部材64の固定位置は軸方向に調整可能であり、これによりプーリ部48のハブ42に対する軸方向の位置を調整することができるので、ハブ42の取付部45の厚みや、支持部材58、押圧部材64の加工に高い精度を要求することなく、ハブ42の基準面45bとプーリ部48の基準位置との軸方向の離間長Lを所定の公差の範囲内に収めることができる。また、支持部材58や押圧部材64はハブ42の第2の環状部44に対して圧入による嵌合により固定されるので、組み付けの際の溶接が不要となり、溶接に起因する組立作業の繁雑さが解消されるとともに各部材の材料選択の自由度が高められる。なお、本実施の形態においては、支持部材58や押圧部材64をハブ42の第2の環状部44に圧入して嵌合するように構成したが、支持部材58や押圧部材64をハブ42の第2の環状部44に嵌合するのみで、それらの固定に溶接等を用いてもよい。
また、本実施の形態に係るダンパプーリ41によれば、アイソレータゴム63はプーリ部48に対して径方向に配置されるが、ダンパ部47はプーリ部48に対して軸方向に並べて配置されることになるので、ハブ42に対するプーリ部48の組み付け位置を軸方向に調整可能な構造とした場合であっても、ダンパプーリ41の径方向寸法を小さくすることができる。これにより、プーリ装着場所における径方向のスペース的な制限を回避して、このダンパプーリ41の装着の自由度を高めることができる。
図10,11は、それぞれ図6に示すダンパプーリの変形例を示す断面図である。
図6に示すダンパプーリ41では、支持部材58と押圧部材64を、それぞれハブ42の第2の環状部44の外周部44aに別々の位置で嵌合させるようにしているが、図10、図11に示すダンパ機能を備えたプーリ71(以下、ダンパプーリ71とする。)のように、支持部材58と押圧部材64を相互に嵌合させるようにしてもよい。つまり、図10に示すように、ハブ42の第2の環状部44の外周部44aに支持部材58の環状部61の内周部61aを嵌合させるとともに、支持部材58の環状部61の外周部61bに押圧部材64の環状部65の内周部65aを嵌合させるようにしてもよい。また、図11に示すように、ハブ42の第2の環状部44の外周部44aに押圧部材64の環状部65の内周部65aを嵌合させるとともに、押圧部材64の環状部65の外周部65bに支持部材58の環状部61の内周部61aを嵌合させるようにしてもよい。これらの場合においても、支持部材58の環状部61や押圧部材64の環状部65、第2の環状部44は、互いに軸方向に圧入されることにより嵌合しており、その組み付け作業性が高められている。なお、図10、図11においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。たとえば、本実施の形態においては、イナーシャリング18,52やダンパゴム19,51、アイソレータゴム27,63はそれぞれ環状に形成されているが、これに限らず、たとえば扇形状を成す複数個に分割されたものであってもよい。
また、図1、図6に示すダンパプーリ11,41では、ハブ12,42は鋼材等をプレス加工することにより形成されているが、これに限らず、たとえば図10、図11に示すように、ハブ42を鋳造により形成するようにしてもよい。
さらに、ハブ42を鋳造により形成する場合には、図10、図11に示すように、ハブ42の連接壁46をダンパ部47とプーリ部48との間に設けるようにしてもよい。また、ダンパ部47とプーリ部48の軸方向の配置順も、図6に示す形態に限らず、図10、図11に示すように、ダンパ部47をプーリ部48よりも取付部45側に配置するようにしてもよい。
さらに、図6、図10及び図11に示すダンパプーリ41,71では、アイソレータゴム63の一端を支持部材58を介してダンパ部47側に固定しているが、これに限られるものではなく、要はアイソレータゴム63の一端が何らかの手段でダンパ部47側に固定されていればよい。
本発明の一実施の形態であるダンパ機能を備えたプーリを示す断面図である。 図1に示すプーリ部とハブとの組立工程を示す断面図である。 図1に示すダンパ部の組立工程を示す断面図である。 図1に示すハブに対するダンパ部の組み付け工程を示す断面図である。 図1に示すダンパプーリの変形例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態であるダンパ機能を備えたプーリを示す断面図である。 図6に示すプーリ部と支持部材との組立工程を示す断面図である。 図6に示すハブとダンパ部の組立工程を示す断面図である。 図6に示すハブに対するプーリ部と押圧部材の組み付け工程を示す断面図である。 図6に示すダンパプーリの変形例を示す断面図である。 図6に示すダンパプーリの変形例を示す断面図である。
符号の説明
11 ダンパ機能を備えたプーリ(ダンパプーリ)
12 ハブ(取付手段、押圧手段)
13 取付部
13a 貫通孔
13b 基準面
14 環状部
14a 外周部
14b 内周部
15 ダンパ部(ダンパ手段)
16 プーリ部(プーリ手段)
17 スリーブ(環状体)
17a 内周部
17b 突起部
17c 外周部
18 イナーシャリング(慣性質量体)
18a 凹部
18b 外周部
18c 端面
19 ダンパゴム(第1の弾性体)
21 円筒部
22 カバー部
22a 外面
23 ジャーナルベアリング
24 スラストベアリング
25,25a プーリ溝
26 押圧部
26a 内面
27 アイソレータゴム(第2の弾性体)
31 押圧部材(押圧手段)
32 環状部
32a 外周部
32b 内周部
41 ダンパ機能を備えたプーリ(ダンパプーリ)
42 ハブ(取付手段)
43 第1の環状部
43a 外周部
44 第2の環状部
44a 外周部
45 取付部
45a 貫通孔
45b 基準面
46 連接壁
47 ダンパ部
48 プーリ部
51 ダンパゴム(第1の弾性体)
52 イナーシャリング(慣性質量体)
53 円筒部
54 カバー部
54a 裏面
55 収容部
56 ジャーナルベアリング
57,57a プーリ溝
58 支持部材(支持手段)
61 環状部
61a 内周部
61b 外周部
62 支持部
63 アイソレータゴム(第2の弾性体)
64 押圧部材(押圧手段)
65 環状部
65a 内周部
65b 外周部
66 押圧部
67 スラストベアリング
71 ダンパ機能を備えたプーリ
O クランクシャフトの中心軸
L 離間長

Claims (14)

  1. エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、
    環状体の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、
    前記慣性質量体の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、
    前記環状体と一体に回転し、前記環状体に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、
    前記カバー部と前記押圧部との間に、軸方向に予備圧縮された状態で設けられた第2の弾性体と、
    前記環状体と一体に回転し、前記環状体に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、
    を備えたことを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  2. 請求項1記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記カバー部は前記慣性質量体の端面に対向して設けられ、前記端面と前記カバー部との間にベアリングを設けたことを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  3. 請求項1または2記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記押圧手段の環状部と前記取付手段の環状部が一体となっていることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記押圧手段の環状部の外周部と前記取付手段の環状部の外周部に、前記環状体の内周部が嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  5. 請求項4記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記押圧手段の環状部の外周部と前記取付手段の環状部の外周部に、前記環状体の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  6. エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、
    第1の環状部の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、
    前記第1の環状部の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、
    前記第1の環状部と一体に回転し、前記第1の環状部の内方に同軸状に設けられた第2の環状部と、
    前記第1の環状部と前記第2の環状部との間に設けられ、一端が前記ダンパ手段側に固定され、他端が前記プーリ手段側に固定された第2の弾性体と、
    前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、
    前記第2の環状部と一体に回転し、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、
    を備えたことを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  7. エンジンのクランクシャフトに装着されるダンパ機能を備えたプーリであって、
    第1の環状部の外周部に第1の弾性体を介して装着された慣性質量体を有するダンパ手段と、
    前記第1の環状部の外周部にベアリングを介して装着され、外周部にプーリ溝を有するとともに、中心方向に延出するカバー部を有するプーリ手段と、
    前記第1の環状部と一体に回転し、前記第1の環状部の内方に同軸状に設けられた第2の環状部と、
    前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部の裏面に対向する支持部を有する支持手段と、
    前記支持手段の前記支持部と前記カバー部の前記裏面との間に、軸方向に予備圧縮された状態で設けられた第2の弾性体と、
    前記第2の環状部と一体に回転し、前記第2の環状部に対する固定位置が軸方向に調整可能な環状部を有するとともに、前記カバー部を軸方向に押圧する押圧部を有する押圧手段と、
    前記第2の環状部と一体に回転し、前記クランクシャフトへの取付部を有する取付手段と、
    を備えたことを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  8. 請求項7記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部と前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  9. 請求項8記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部と前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  10. 請求項7記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が嵌合し、前記支持手段の前記環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  11. 請求項10記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合し、前記支持手段の前記環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  12. 請求項7記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が嵌合し、前記押圧手段の前記環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  13. 請求項12記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記第2の環状部の外周部に、前記押圧手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合し、前記押圧手段の前記環状部の外周部に、前記支持手段の前記環状部の内周部が軸方向に圧入して嵌合していることを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
  14. 請求項6〜13のいずれか1項に記載のダンパ機能を備えたプーリにおいて、前記プーリ手段の前記カバー部と前記押圧手段の前記押圧部との間にベアリングを設けたことを特徴とするダンパ機能を備えたプーリ。
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