JP5180015B2 - ダンパ付プーリ - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのクランクシャフト等の回転軸に装着され、回転軸のトルクを無端ベルトを介して各種の補機に伝達するためのダンパ付プーリに関する。
従来、エンジンのクランクシャフト等の回転軸の駆動力を、無端ベルトを介して発電機やコンプレッサ等の補機に伝達するために、種々のダンパ付プーリが回転軸に取り付けられている。その一例として特許文献1に示されたダンパ付プーリは、図3に示すように、クランクシャフトCsに取り付けられるダンパユニット2と、無端ベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリユニット4とを互いに組み合わせて構成されている。
ダンパユニット2には、その外周側に環状弾性体6を有するダンパ部2pが設けられており、一方、プーリユニット4には、その外周側に無端ベルトが掛け渡されるプーリ部4pが設けられている。そして、ダンパユニット2とプーリユニット4とを組み合わせた状態において、プーリ部4pは、ダンパ部2pの外周側に沿って所定の隙間を持たせて対向配置され、この隙間にジャーナルベアリング8が介在されている。
また、ダンパ部2pとプーリ部4pとの間には、ダンパユニット2とプーリユニット4との間に介在された環状弾性体10に予備圧縮が付与された状態に維持するために、プレッシャーリング12が装着されるようになっている。プレッシャーリング12には、その装着時に、上記したジャーナルベアリング8に隣り合うようにダンパ部2pとプーリ部4pとの間に挿入してプーリ部4pに嵌合させる嵌合部12aと、ダンパ部2pに押圧力を作用させる押圧部12bとが設けられている。また、当該押圧部12bとダンパ部2pとの間には、スラストベアリング14が介在されている。
このようなダンパ付プーリにおいて、エンジン回転時に、クランクシャフトCsにねじり振動が発生した際、ダンパユニット2のダンパ部2pは、クランクシャフトCsのねじり振動を低減する機能(ねじり振動低減機能)を有すると共に、エンジン回転時(主にアイドリング状態でのエンジン低回転時)に、エンジンのトルク変動が生じた際、ダンパユニット2とプーリユニット4との間に介在された環状弾性体10は、自身がせん断方向に弾性変形することで、エンジンのトルク変動によって発生するクランクシャフトCsの速度変動がプーリユニット4に伝達されるのを抑制(例えば、遮断、或いは、低減)する機能(速度変動伝達抑制機能)を有する。
特開2008−57553号公報
ところで、ダンパ付プーリには、上記したようなねじり振動低減機能及び速度変動伝達抑制機能を維持しつつ、更なるコンパクト化及び製造コストの低減化並びに軽量化が要望されている。
ここで、例えば特許文献1のダンパ付プーリ(図3参照)において、プレッシャーリング12は、その嵌合部12aがジャーナルベアリング8と軸方向(幅方向)に隣り合うように、ダンパ部2pとプーリ部4pとの間に装着されている。このため、当該ダンパ付プーリは、プレッシャーリング12の嵌合部12aとジャーナルベアリング8とを合わせた幅寸法を最低限確保して設計する必要がある。この結果、軸方向(幅方向)のコンパクト化には、一定の限界があった。
また、プレッシャーリング12の嵌合部12aとジャーナルベアリング8とを軸方向(幅方向)に隣り合うように配置構成するためには、当該ダンパ付プーリは、ダンパ部2p及びプーリ部4pを形成するための形成材料を軸方向(幅方向)に増量して設計する必要がある。この結果、形成材料の削減には一定の制限があるため、その分だけ製造コストの低減化には一定の限界があった。
そして、このように軸方向(幅方向)に形成材料を増量する設計では、その分だけダンパ付プーリ全体の重量が上昇するため、当該ダンパ付プーリの軽量化には一定の限界があった。
そこで、本発明の目的は、ねじり振動低減機能及び速度変動伝達抑制機能を維持しつつ、更なるコンパクト化及び製造コストの低減化並びに軽量化を図ることが可能なダンパ付プーリを提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、回転軸に取り付け可能に構成され、前記回転軸のねじり振動を低減するダンパ部が設けられたダンパユニットと、前記ダンパユニットと組み合わせ可能に構成され、前記ダンパ部の外周側に同心状に配置されるプーリ部が設けられたプーリユニットと、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとが互いに組み合わされた状態において、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの間に介在され、前記回転軸の速度変動が前記プーリユニットに伝達されるのを抑制する弾性体と、前記弾性体に軸方向に予備圧縮を付与した状態に維持するために前記ダンパ部と前記プーリ部との間に設けられ、前記ダンパ部と前記プーリ部との間に沿って延出し且つ装着時に前記プーリ部に嵌合させる嵌合部、及び、装着時に前記ダンパ部に軸方向の押圧力を作用させる押圧部を備えたプレッシャーリングと、前記プレッシャーリングの前記嵌合部と前記ダンパ部との間に保持され、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの相対回転を許容する機能を有するジャーナルベアリングと、前記プレッシャーリングの前記押圧部と前記ダンパ部との間に保持され、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの相対回転を許容する機能を有するスラストベアリングと、を備えたことを特徴とする。
なお、本発明において、プレッシャーリングの嵌合部とダンパ部との間に保持されるジャーナルベアリングとは、プレッシャーリングの嵌合部とジャーナルベアリングとが別体で構成されているもののみならず、プレッシャーリングの嵌合部にジャーナルベアリングとして機能する摺動層が一体化して構成されているものを含む意味で用いている。
また、本発明において、プレッシャーリングの押圧部とダンパ部との間に保持されるスラストベアリングとは、プレッシャーリングの嵌合部とスラストベアリングとが別体で構成されているもののみならず、プレッシャーリングの押圧部にスラストベアリングとして機能する摺動層が一体化して構成されているものを含む意味で用いている。
本発明において、前記ジャーナルベアリングは、前記プレッシャーリングの前記嵌合部に一体化して形成された摺動層であることを特徴とする。また、前記スラストベアリングは、前記プレッシャーリングの前記押圧部に一体化して形成された摺動層であることを特徴とする。
本発明によれば、ねじり振動低減機能及び速度変動伝達抑制機能を維持しつつ、更なるコンパクト化及び製造コストの低減化並びに軽量化を図ることが可能なダンパ付プーリを実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るダンパ付プーリについて、添付図面を参照して説明する。
図1(a)〜(d)に示すように、本実施の形態のダンパ付プーリは、エンジンのクランクシャフト等の回転軸(図示しない)の駆動力を、無端ベルト(図示しない)を介して例えば発電機やコンプレッサ等の補機に伝達するために、回転軸(クランクシャフト)に取り付け可能に構成されたダンパユニット22と、ダンパユニット22と同心状に組み合わせ可能に構成されたプーリユニット24とを備えている。
なお、クランクシャフトとは、特に図示しないが、エンジンの駆動力を取り出すための回転軸であって、1気筒毎にコンロッドとクランクが接続されており、コンロッドで伝えられるピストンの往復運動を回転運動に変換する働きをする。そして、当該クランクを気筒数分接続したものをクランクシャフトといい、このクランクシャフトの1回転がエンジンの1回転になる。また、ダンパとは、一般に回転軸のねじり振動を低減する機能を有するものを意味しているが、本実施の形態のダンパ付プーリは、かかる機能の他に、回転軸の速度変動がプーリ側に伝わるのを抑制する速度変動伝達抑制機能も備えている。
ダンパユニット22には、回転軸(クランクシャフト)に取り付けられる円形の貫通孔26hを有する環状のハブ26と、ハブ26の外周側に沿って周方向に連続して構成されたダンパ部22pとが設けられている。この場合、ハブ26は、貫通孔26hが形成されたディスク部26aと、ディスク部26aの外周側から連続し且つ貫通孔26hと同心状に延在した筒状部26bとを備えて構成されている。なお、ハブ26は、例えば鋳造や板金等に転造加工を施すことによって、ディスク部26a及び筒状部26bを含めて一体成形されている。
また、ダンパ部22pは、ハブ26の筒状部26bの外周側に環状弾性体28を介して慣性質量体30を積層して構成されている。なお、環状弾性体28は、例えばゴム等の弾性材料で形成されており、ハブ26の筒状部26bと慣性質量体30との間に圧入して位置決め固定されている。また、慣性質量体30は、例えば鋳鉄や鋳鋼等の金属材料で形成されている。
一方、プーリユニット24には、当該プーリユニット24と上記ダンパユニット22とが互いに組み合わされた状態において、ダンパ部22pを覆うように配置される環状のプーリ本体32が設けられている。この場合、プーリ本体32は、その外周側に、ダンパ部22pの外周に沿って対向して同心状に延出した円筒状のプーリ部24pと、プーリ部24pから径方向内側に向けて連続し且つダンパ部22pの一方側周に沿って延出した円板状のカバー部24fとを備えて構成されている。また、プーリ部24pの外周には、無端ベルトが掛け渡されるプーリ溝24gが複数形成されている。なお、プーリ本体32は、所定の金属材料によって、プーリ部24p及びカバー部24fを含めて一体成形されている。
また、プーリユニット24には、当該プーリユニット24と上記ダンパユニット22とが互いに組み合わされた状態において、ダンパユニット22とプーリユニット24との間に介在される環状弾性体34が設けられている。具体的に説明すると、プーリユニット24には、プーリ本体32のカバー部24fに対向するように、ダンパユニット22のハブ26寄りの位置に環状の支持リング36が設けられている。支持リング36は、ハブ26のディスク部26aに対向し且つプーリユニット24とダンパユニット22とが互いに組み合わされた際に当該ディスク部26aに当接する環状のディスク部36aと、ディスク部36aの外周側から連続し且つプーリ本体32に向けて延在する筒状部36bと、筒状部36bから径方向外側に向けて連続し且つハブ26寄りに傾斜したフランジ部36cとを備えて構成されている。この場合、環状弾性体34は、その一端がプーリ本体32のカバー部24fに加硫接着されていると共に、その他端が支持リング36のフランジ部36cに加硫接着されている。また、環状弾性体34は、例えばゴム等の弾性材料で形成されている。なお、支持リング36は、所定の金属材料によって、ディスク部36a及び筒状部36b並びにフランジ部36cを含めて一体成形されている。
ここで、上記したようなプーリユニット24とダンパユニット22とを互いに組み合わせると、環状弾性体34の他端に加硫接着した支持リング36のフランジ部36cが、ハブ26のディスク部26aに当接し、このとき、環状弾性体34は、ダンパユニット22とプーリユニット24との間に介在された状態となる。
本実施の形態のダンパ付プーリは、かかる状態において、環状弾性体34に軸方向に予備圧縮を付与した状態に維持するために、環状のプレッシャーリング38を備えている。プレッシャーリング38は、ダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着されるようになっており、ダンパ部22pとプーリ部24pとの間に沿って所定の長さ延出し且つ装着時にプーリ部24pの内周面に嵌合させる筒状の嵌合部38aと、装着時にダンパ部22pに押圧力を作用させる円板状の押圧部38bとを備えて構成されている。なお、プレッシャーリングは、例えば鋼板等をプレス加工することによって、嵌合部38a及び押圧部38bを含めて一体成形されている。
また、本実施の形態のダンパ付プーリは、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着した状態において、プレッシャーリング38の嵌合部38aの内周面とダンパ部22pの慣性質量体30の外周面との間に保持され、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転を許容する機能を有する樹脂製で環状のジャーナルベアリング40と、プレッシャーリング38の押圧部38bとダンパ部22pの端面との間に保持され、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転を許容する機能を有する樹脂製で環状のスラストベアリング42とを備えている。なお、ジャーナルベアリング40は、樹脂の単体で構成されたもののみならず、例えば、金属と樹脂の複合材や、金属と青銅層とPTFE層から構成されるものであってもよい。
ここで、ダンパ部22pは、上記したようにハブ26の筒状部26bの外周側に環状弾性体28を介して慣性質量体30を積層して構成されており、プーリユニット24とダンパユニット22とが互いに組み合わされた状態において、慣性質量体30の外周がプーリ部24pの内周に対向した状態に位置付けられる。この場合、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着すると、当該プレッシャーリング38の嵌合部38aは、ダンパ部22pの慣性質量体30とプーリ部24pとの間に押し込まれてプーリ部24pの内周面に嵌合される。これにより、プレッシャーリング38は、プーリ部24p(プーリユニット24)と一体化された状態となる。この状態において、ジャーナルベアリング40は、プレッシャーリング38の嵌合部38aと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間に挟持された状態で保持される。これにより、プレッシャーリング38の嵌合部38aと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間の摩擦抵抗の低減が図れるため、両者の摺動性が向上し、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転が許容される。
また同時に、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着する際に、プレッシャーリング38の押圧部38bは、ダンパ部22pの慣性質量体30の端面に対向した状態に位置付けられる。この場合、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に押し込むと、スラストベアリング42は、押圧部38bによって慣性質量体30の端面に押圧される。この状態において、スラストベアリング42は、プレッシャーリング38の押圧部38bと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間に挟持された状態で保持される。これにより、プレッシャーリング38の押圧部38bと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間の摩擦抵抗の低減が図れるため、両者の摺動性が向上し、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転が許容される。
また、支持リング36のディスク部36aをハブ26のディスク部26aに溶接して両者を一体化し、その後に、上記したようにプレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に押し込むと、環状弾性体34を軸方向に圧縮しつつ、プレッシャーリング38の嵌合部38aはプーリ部24pの内周面に嵌合しながら押し込まれる。このため、プレッシャーリング38の嵌合部38aの外周面とプーリ部24pの内周面との間の機械的な嵌合力により、プレッシャーリング38の嵌合部38aは、押し込まれた位置でプーリ部24pに固定される。また、プレッシャーリング38の嵌合部38aがプーリ部24pに嵌合しながら押し込まれる間、プレッシャーリング38の押圧部38bがダンパ部22p(慣性質量体30)の端面を軸方向に押圧し続けることで、当該ダンパ部22pを介してダンパユニット22の慣性質量体30(ダンパ部22p)をプーリ本体32のカバー部24fに接近させる。そして、嵌合部38aが押し込まれた位置でプーリ部24pに固定されたとき、プレッシャーリング38の押圧部38bによって、ダンパユニット22の慣性質量体30(ダンパ部22p)は、プーリ本体32のカバー部24fに接近した状態に維持される。
そして、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に押し込む際の押し込み量を増減することにより、ハブ26に構成されたディスク部26aの端面とプーリ溝24gとの軸方向距離を調整することができ、即ち、プーリユニット24とダンパユニット22との相対的な位置関係を調整することができる。なお、この状態において、ダンパユニット22のハブ26に構成されたディスク部26aと、プーリユニット24の支持リング36に構成されたディスク部36aとは互いに当接した状態に維持される。
このとき、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に押し込んだ際の押し込み力は、ダンパ部22pからハブ26を介してディスク部26aに作用した後、当該ディスク部26aに当接している支持リング36のディスク部36aから支持リング36に伝達され、支持リング36をプーリ本体32のカバー部24fに向けて押圧する。このとき、支持リング36のフランジ部36cとプーリ本体32のカバー部24fとが相対的に接近することで、その接近した量に応じた分だけ、フランジ部36cとカバー部24fとに加硫接着されている環状弾性体34が軸方向に圧縮される。これにより、環状弾性体34に所定の予備圧縮を付与することができる。なお、環状弾性体34に付与する予備圧縮は、ダンパ付プーリの例えば使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
このように、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着する際、ダンパユニット22とプーリユニット24との間に介在されている環状弾性体34に所定の予備圧縮が付与されると共に、ジャーナルベアリング40がプレッシャーリング38の嵌合部38aと慣性質量体30との間に挟持された状態で保持されると同時に、スラストベアリング42がプレッシャーリング38の押圧部38bと慣性質量体30との間に挟持された状態で保持される。これにより、プレッシャーリング38によって、ジャーナルベアリング40及びスラストベアリング42が同時且つ一体的に保持されたダンパ付プーリが構成される。
ここで、上記したダンパ付プーリを回転軸(クランクシャフト)に取り付けた状態で、エンジン回転時(クランクシャフトの回転に伴ってダンパ付プーリが回転したとき)に、クランクシャフトにねじり振動が発生した際、ダンパユニット22のダンパ部22pは、クランクシャフトのねじり振動を低減する。また、エンジン回転時(主にアイドリング状態でのエンジン低回転時)に、エンジンのトルク変動が生じた際、ダンパユニット22とプーリユニット24との間に介在された環状弾性体34は、自身がせん断方向に弾性変形することで、エンジンのトルク変動によって発生するクランクシャフトの速度変動がプーリユニット24に伝達されるのを抑制(例えば、遮断、或いは、低減)する。
これにより、ダンパユニット22のダンパ部22pによるねじり振動低減機能と共に、ダンパユニット22とプーリユニット24との間に介在された環状弾性体34による速度変動抑制機能を維持したダンパ付プーリが実現される。よって、エンジンのクランクシャフト等の回転軸の駆動力を、当該ダンパ付プーリから無端ベルトを介して発電機やコンプレッサ等の補機に安定して伝達させることができる。
また、本実施の形態によれば、ジャーナルベアリング40をプレッシャーリング38の嵌合部38aとダンパユニット22のダンパ部22p(慣性質量体30)との間に挟持した状態で保持するようにしたことにより、従来のような嵌合部12aをジャーナルベアリング8と幅方向に隣り合う構成(図3参照)とした場合に比べて、ダンパ付プーリの軸方向(幅方向)の寸法をコンパクト化することができる。
また、プーリ溝24gの本数が少ない小型のダンパ付プーリにおいても、プレッシャーリング38の嵌合部38aの外周面とプーリ部24pの内周面との間に、軸方向に十分な長さの嵌合部を確保することができるため、図3に示す従来のダンパ付プーリとの比較においてもプレッシャーリング38の嵌合力の低下を抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、従来(図3参照)のように嵌合部12aとジャーナルベアリング8とを合わせた幅寸法を確保することが不要となり、その分だけダンパ部22p及びプーリ部24pを形成するための形成材料を幅方向に確保して設計する必要は無い。この結果、ダンパ部22p及びプーリ部24pの形成材料を大幅に削減することができるため、その分だけダンパ付プーリの製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態によれば、このようにダンパ部22p及びプーリ部24pの形成材料を削減する分だけダンパ付プーリ全体の重量を軽減することができる。この結果、当該ダンパ付プーリの軽量化を図ることができる。なお、ダンパ付プーリの軽量化のために、例えばプーリユニット24(プーリ本体32)のカバー部24fに、円弧状に形成した複数の貫通孔24h(図1(a)〜(c))を周方向に等間隔に設けてもよい。この場合、当該貫通孔24hからダスト等の異物がダンパ付プーリ内に浸入するのを防止するために、各貫通孔24hを覆うようにゴム等の弾性材料により形成されたシール部材44をカバー部24fに沿って配設することが好ましい。
また、上記した一実施の形態並びに他の構成において、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着する方法としては、例えばジャーナルベアリング40を予めダンパ部22pとプーリ部24pとの間に、スラストベアリング42を予めダンパ部22pの側周に配置した後、プレッシャーリング38を装着する方法や、例えばジャーナルベアリング40を予め嵌合部38aに固定すると共に、スラストベアリング42を予め押圧部38bに固定した後、プレッシャーリング38を装着する方法等を適用することができる。いずれの場合も、プレッシャーリング38を装着するだけで、ワンタッチで、上記実施の形態ではジャーナルベアリング40を嵌合部38aとダンパ部22pとの間(又は、上記他の構成ではジャーナルベアリング40を嵌合部38aとプーリ部24pとの間)に保持すると共に、スラストベアリング42を押圧部38bと慣性質量体30との間に保持することができるといった効果が得られる。
また、上記した一実施の形態並びに他の構成において、ジャーナルベアリング40やスラストベアリング42を成形するために用いる樹脂材料としては、例えば、PTFE、PA、PPS等の樹脂材料を適用すれば良い。
次に、本発明の他の実施の形態に係るダンパ付プーリについて、図2(a),(b)を参照して説明する。なお、本実施の形態に係るダンパ付プーリは、上記した一実施の形態(図1(a),(b))の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記したダンパ付プーリ(図1)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の参照符号を本実施の形態に用いた図面(図2)に付することにより、その説明を省略する。
図2(a),(b)に示すように、本実施の形態のダンパ付プーリにおいて、プレッシャーリング38の嵌合部38aは、ダンパ部22pとプーリ部24pとの間に沿って延出し且つ装着時に、その外周面がプーリ部24pの内周面に嵌合するよう構成されている。また、プレッシャーリング38の嵌合部38aの内周面には、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転を許容するために、ジャーナルベアリングとして機能をする摺動層40sが一体化して形成されている。また、プレッシャーリング38の押圧部38bには、ダンパ部22pに押圧力を作用させる押圧面Lに、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転を許容するために、スラストベアリングとして機能する摺動層42sが一体化して形成されている。
ここで、上記した一実施の形態と同様に、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着すると、当該プレッシャーリング38の嵌合部38aの外周面は、ダンパ部22pの慣性質量体30とプーリ部24pとの間に押し込まれてプーリ部24pの内周面に嵌合される。この状態において、摺動層40sは、慣性質量体30(ダンパ部22p)の外周に接した状態で、プレッシャーリング38の嵌合部38aとダンパ部22pとの間に保持される。これにより、プレッシャーリング38の嵌合部38aと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間の摩擦抵抗の低減が図れるため、両者の摺動性が向上し、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転が許容される。
同時に、プレッシャーリング38の押圧部38bは、ダンパ部22pの慣性質量体30の端面に当接した状態に位置付けられる。この状態において、摺動層42sは、慣性質量体30(ダンパ部22p)の端面に圧接した状態で、プレッシャーリング38の押圧部38bとダンパ部22pとの間に保持される。これにより、プレッシャーリング38の押圧部38bと慣性質量体30(ダンパ部22p)との間の摩擦抵抗の低減が図れるため、両者の摺動性が向上し、ダンパユニット22とプーリユニット24との相対回転が許容される。
以上、本実施の形態によれば、ジャーナルベアリング40と同様の機能を有する摺動層40sをプレッシャーリング38の嵌合部38aの内周面に一体化させると共に、及びスラストベアリング42と同様の機能を有する摺動層42sをプレッシャーリング38の押圧部38b(押圧面L)に一体化させたことにより、上記した一実施の形態の効果に加えて、更に以下のような効果を得ることができる。
即ち、本実施の形態では、上記一実施の形態に適用したジャーナルベアリング40やスラストベアリング42が不要となるため、その分だけ部品点数が削減でき、ダンパ付プーリの製造時の組み付け作業性を向上させることができる。
また、上記した他の実施の形態並びに他の構成において、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着する方法では、プレッシャーリング38をダンパ部22pとプーリ部24pとの間に装着するだけで、ワンタッチで、環状弾性体34に所定の予備圧縮を付与することができると共に、摺動層40sをプーリ部24pの内周面に接した状態でプレッシャーリング38の嵌合部38aとプーリ部24pとの間に保持すると同時に、摺動層42sをダンパ部22pの端面に圧接した状態で押圧部38bとダンパ部22pとの間に保持することができる。
また、上記した他の実施の形態並びに他の構成において、摺動層40sや摺動層42sを成形するために用いる材料としては、例えばフッ素樹脂(テフロン(登録商標))等の樹脂材料を適用すれば良い。この場合、プレッシャーリング38に摺動層40sや摺動層42sを一体化させる方法としては、例えば、加圧エアによる霧吹きの原理によって摺動層40sや摺動層42sを対象物表面(嵌合部38a、押圧部38b)に塗装する方法、或いは、フッ素樹脂材料を環状に成形した摺動層40sや摺動層42sを予め用意し、これを対象物表面(嵌合部38a、押圧部38b)に後付けする方法を適用することができる。
また、プレッシャーリング38を形成するための金属等の板状体の所定箇所に摺動層40s及び摺動層42sを予め塗布し、所定形状に切断加工した後に曲げ加工を行っても良い。なお、ジャーナル摺動層40sやスラスト摺動層42sの成形材料としては、上記したフッ素樹脂以外に、例えば、ポリアミド樹脂、二硫黄モリブデン、PPS等の材料を適用しても良い。
なお、上記2つの実施の形態にあっては、プレッシャーリング38、ジャーナルベアリング40及びスラストベアリング42を別体としたもの、及び、プレッシャーリング38に摺動層40sと摺動層42sを一体化したものを例示したが、例えば、ジャーナルベアリング40を別体とし、プレッシャーリング38の押圧部38bに摺動層42sを一体化して設けてもよく、また、スラストベアリング42を別体とし、プレッシャーリング38の嵌合部38aに摺動層40sを一体化して設けてもよい。
また、上記の実施の形態にあっては、ダンパ部22pが慣性質量体30と環状弾性体28とを備えたラバーダンパタイプのものを例示したが、ダンパ部は、粘性流体を封入した環状ケーシングとこのケーシング内に収容された慣性質量体とを備えたビスカスダンパタイプとしてもよい。
(a)は、本発明の一実施の形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示されたダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す断面図、(c)は、同図(a)の矢印cから見たダンパ付プーリ全体の平面図、(d)は、同図(a)の矢印dから見たダンパ付プーリ全体の平面図。 (a)は、本発明の他の実施の形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示されたダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す断面図。 従来のダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す断面図。
符号の説明
22 ダンパユニット
22p ダンパ部
24 プーリユニット
24p プーリ部
34 環状弾性体
38 プレッシャーリング
38a 嵌合部
38b 押圧部
40 ジャーナルベアリング
42 スラストベアリング

Claims (3)

  1. 回転軸に取り付け可能に構成され、前記回転軸のねじり振動を低減するダンパ部が設けられたダンパユニットと、
    前記ダンパユニットと組み合わせ可能に構成され、前記ダンパ部の外周側に同心状に配置されるプーリ部が設けられたプーリユニットと、
    前記ダンパユニットと前記プーリユニットとが互いに組み合わされた状態において、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの間に介在され、前記回転軸の速度変動が前記プーリユニットに伝達されるのを抑制する弾性体と、
    前記弾性体に軸方向に予備圧縮を付与した状態に維持するために前記ダンパ部と前記プーリ部との間に設けられ、前記ダンパ部と前記プーリ部との間に沿って延出し且つ装着時に前記プーリ部に嵌合させる嵌合部、及び、装着時に前記ダンパ部に軸方向の押圧力を作用させる押圧部を備えたプレッシャーリングと、
    前記プレッシャーリングの前記嵌合部と前記ダンパ部との間に保持され、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの相対回転を許容する機能を有するジャーナルベアリングと、
    前記プレッシャーリングの前記押圧部と前記ダンパ部との間に保持され、前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの相対回転を許容する機能を有するスラストベアリングと、
    を備えたことを特徴とするダンパ付プーリ。
  2. 前記ジャーナルベアリングは、前記プレッシャーリングの前記嵌合部に一体化して形成された摺動層であることを特徴とする請求項1に記載のダンパ付プーリ。
  3. 前記スラストベアリングは、前記プレッシャーリングの前記押圧部に一体化して形成された摺動層であることを特徴とする請求項1又は2に記載のダンパ付プーリ。
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