JP2005042007A - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 緑味の青色の色調を有し、普通紙に印字した際の高印字濃度の付与及び光沢紙に印字した際の高光沢性の付与が可能なインクジェット記録用水系インク並びに該水系インクに用いられる水分散体を提供すること。
【解決手段】 着色剤として無金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物又は中心金属として銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、錫、チタン、ケイ素、バナジウム、マンガン又はアルミニウムを有する金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子が水に分散してなる水系インク用水分散体並びに該水分散体を含有してなるインクジェット記録用水系インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用水系インク及び該水系インクに用いられる水分散体に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、広く用いられている。インクジェットプリンタに使用されるインクには、主として水溶性染料系インクが用いられているので、非常に鮮明な発色を示し、染料が水に溶解しているので、インクの透明性が高く、色相も鮮明である。
しかし、染料には、耐光性に劣るという欠点や、染料が水溶性であるため、耐水性に劣るという欠点がある。
これらの欠点を解消するため、近年、耐光性及び耐水性に優れた顔料が用いられている。
顔料には、水に溶けず、耐光性に優れるという利点があり、顔料系シアンインクには銅フタロシアニン顔料が汎用されている。しかし、銅フタロシアニン顔料は、染料系インクで使用されている銅フタロシアニン系染料であるダイレクト・ブルー86, 199 等が持つ緑味の青色の色相を有さないため、組み合わせるインクによっては色再現範囲を狭くしたり、見る角度により赤味を増す場合がある。さらに、普通紙への印字濃度の向上、光沢紙への印字におけるより一層の高光沢性が望まれる。
一方、耐熱性、耐溶剤性及び耐光性に優れた着色硬化皮膜を有するカラーフィルターを得るために、ハロゲン化フタロシアニンとアミノ樹脂を有するカラーフィルター用インクジェットインキ組成物が開示されている(特許文献1)が、インクジェット記録用水系インクとは使用方法及び求められる性能が異なる。
特開2003-192948 号公報
本発明は、緑味の青色の色調を有し、普通紙に印字した際の高印字濃度の付与及び光沢紙に印字した際の高光沢性の付与が可能なインクジェット記録用水系インク並びに該水系インクに用いられる水分散体を提供することを課題とする。
本発明は、着色剤として無金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物又は中心金属として銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、錫、チタン、ケイ素、バナジウム、マンガン又はアルミニウムを有する金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子が水に分散してなる水系インク用水分散体並びに該水分散体を含有してなるインクジェット記録用水系インクに関する。
本発明の水分散体を含有したインクジェット記録用水系インクは、緑味の青色の色調を有しており、普通紙に印字した際の高印字濃度の付与及び光沢紙に印字した際の高光沢性の付与が可能であるという優れた効果を奏するものである。
本発明は、着色剤を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子が水に分散した水分散体において、着色剤として、無金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物又は中心金属として銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、錫、チタン、ケイ素、バナジウム、マンガン又はアルミニウムを有する金属フタロシアニン顔料(以下、単に「金属フタロシアニン顔料」という)のハロゲン化物が用いられている点に1つの特徴がある。本発明の水分散体は、上記フタロシアニン顔料のハロゲン化物が選択して用いられているため、銅フタロシアニン染料なみの緑味の青色の色調を有しており、さらに顔料がポリマー粒子に含有されているので、本発明の水分散体を水系インクに用いることにより、普通紙に印字した際の印字濃度、光沢紙に印字した際の光沢性が向上する。
金属フタロシアニン顔料の中心金属としては、銅、チタン及びアルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。
無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物は、製造コストの観点から、臭素化物又は塩素化物であることが好ましい。
無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物は、ハロゲン原子の導入量が多いほど色調を緑味に変化させることができるが、銅フタロシアニン系染料であるダイレクト・ブルー86, 199 等が有する色を維持する観点から、フタロシアニン骨格1分子中に導入するハロゲン原子の数は、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜8個、特に好ましくは1〜6個である。
商業的に入手しうる金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物としては、例えば、Cyanine Blue G-500(山陽色素(株)製、フタロシアニン骨格1分子当たり塩素原子3個が導入された、トリクロロ銅フタロシアニン顔料)等が挙げられる。
また、金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物は、例えば、特開2002-161220 号公報の実施例1等に記載の方法に準じて製造することもできる。
無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物の含有量は、水分散体中、1〜25重量%であるのが好ましく、水系インク中では、0.5 〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
本発明の水分散体においては、ポリマーとして、顔料への吸着性を高める観点から、水不溶性ビニルポリマーが用いられる。
光沢紙での光沢性を向上させる観点からは、ポリマー量が多いことが好ましいが、多すぎると水分散体の粘度が高くなり、インクの適正粘度を超えるので、水不溶性ビニルポリマーの量は、無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物100 重量部に対して、好ましくは10〜500 重量部、より好ましくは20〜200 重量部である。
水不溶性ビニルポリマーの代表例としては、
(A)式(I):
Figure 2005042007
(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基を有していてもよいフェニル基、R3 はオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基からなる群より選ばれた少なくとも1種のオキシアルキレン基、mは1〜30の数を示す)
で表されるモノマーより選ばれた少なくとも1種のモノマーA(以下、単に「モノマーA」という)、
(B)塩生成基含有モノマー、並びに
(C)モノマーA及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー(以下、単に「共重合可能なモノマー」という)
を含有するモノマー混合物(以下、単に「モノマー混合物」という)を重合させることによって得られた水不溶性ビニルポリマーが挙げられる。
式(I) において、R1 は水素原子又はメチル基である。R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基を有していてもよいフェニル基である。これらの中では、オクチル基及びノニルフェニル基が耐水性及び耐擦過性の観点から好ましい。R3 はオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基からなる群より選ばれた少なくとも1種のオキシアルキレン基を示し、該オキシアルキレン基として2種以上の基が付加している場合、2種以上のオキシアルキレン基はブロック付加又はランダム付加、交互付加等のいずれであってもよい。
mは1〜30の数である。吐出性及び印字濃度の観点から、mは2〜25の数が好ましい。
水不溶性ビニルポリマーには、ノニオン性、かつ親水性を有するモノマーAが用いられているために、本発明の水分散体を用いて、印刷画像の濃度及び光沢に優れた水系インクを得ることができる。これは、モノマーAが有するオキシエチレン基、オキシプロピレン基等の、親水性の高いオキシアルキレン基の親水性水和層が水系インクの中で広がることに基づくものと考えられる。
モノマーAの代表例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」又は「メタクリ」を意味する。
商業的に入手しうるモノマーAの具体例としては、新中村化学(株)製のNKエステル M-20G, 40G, 90G, 230G, 日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ, PME-100, 200, 400, 1000, PP-1000, PP-500, PP-800, AP-150, AP-400, AP-550, AP-800, 50PEP-300, 70PEP-350B, AEPシリーズ,30PPT-800, 50PPT-800, 70PPT-800, APTシリーズ,10PPB-500B, 10APB-500B, 50POEP 800B, 50AOEP-800B, ASEPシリーズ,PNEPシリーズ,PNPEシリーズ,43ANEP-500, 70ANEP-550等が挙げられる。
モノマー混合物におけるモノマーAの含有量は、印字物の光沢及び高い印字濃度の観点から、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは5〜35重量%である。
塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが好ましい。アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー及び不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーの中では、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有ビニルモノマー及び不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
不飽和3級アミン含有ビニルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアリールアミン、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン性モノマーの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
モノマー混合物における塩生成基含有モノマーの含有量は、分散安定性及び吐出安定性の観点から、3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香環含有モノマー、マクロマー等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。共重合可能なモノマーには、耐水性及び耐擦過性の観点から、芳香環含有モノマー及びマクロマーからなる群より選ばれた1種以上が含有されていることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
芳香環含有モノマーは、耐水性の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中ではスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、耐水性及び耐擦過性の観点からより好ましい。
マクロマーの代表例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500 〜500000、より好ましくは1000〜10000 であるマクロマーが挙げられる。
マクロマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中では、水不溶性ビニルポリマーに着色剤を十分に含有させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレンの含有量は、顔料が十分に水不溶性ビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS-6, AS-6S, AN-6, AN-6S, HS-6S, HS-6 等が挙げられる。
シリコーンマクロマーの中では、式(II):
X(Y)q Si(R4 3-r (Z)r (II)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R4 はそれぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基、Zは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基、qは0又は1、rは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーが、インクジェットプリンターのヘッドの焦げ付きを防止する観点から好ましい。
式(II)で表されるシリコーンマクロマーにおいて、Xは重合可能な不飽和基である。重合可能な不飽和基の代表例としては、 CH2=CH- 基、 CH2=C(CH3)- 基等の炭素数2〜6の1価の不飽和炭化水素基が挙げられる。
Yは、2価の結合基である。2価の結合基の代表例としては、-COO- 基、-COO Ca H2a - 基(aは1〜5の整数を示す)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられる。これらの中では-COOC3H6- が好ましい。
4 は、それぞれ独立して水素原子、低級アルキル基、アリール基又はアルコキシ基である。R4 の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基;フェニル基等の炭素数6〜20のアリール基、メトキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中では、メチル基が好ましい。
Zは、好ましくは500 以上の数平均分子量を有する1価のシロキサンポリマーの残基である。好ましいZとしては、数平均分子量500 〜5000のジメチルシロキサンポリマーの1価の残基が挙げられる。
qは0又は1であるが、好ましくは1である。rは1〜3の整数であるが、より好ましくは1である。
シリコーンマクロマーの代表例としては、式(III):
CH2 =CR5-COOC3H6-[Si(R6)2-O]b -Si(R6)3 (III)
(式中、R5 は水素原子又はメチル基、R6 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、bは5〜60の数を示す)で表されるシリコーンマクロマー、式(IV):
CH2 =CR5-COO-[Si(R6)2-O]b -Si(R6)3 (IV)
(式中、R5 、R6 及びbは前記と同じ)で表されるシリコーンマクロマー、式(V):
CH2 =CR5-Ph-[Si(R6)2-O] b -Si(R6)3 (V)
(式中、Phはフェニレン基、R5 、R6 及びbは前記と同じ)で表されるシリコーンマクロマー、式(VI):
CH2 =CR5-COOC3H6-Si(OE)3 (VI)
〔式中、R5 は前記と同じ。Eは式: -[Si(R5)2-O]c -Si(R5)3 基(R5 は前記と同じ。cは5〜65の数を示す)を示す〕
で表されるシリコーンマクロマー等が挙げられる。
これらの中では、式(III) で表されるシリコーンマクロマーが好ましく、特に式(VII):
CH2 =C(CH3)-COOC3H6-[Si(CH3)2-O]d -Si(CH3)3 (VII)
(式中、dは8〜40の数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーが好ましい。その例として、FM-0711 〔チッソ(株)製〕等が挙げられる。
なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
モノマー混合物における共重合可能なモノマーの含有量は、印字濃度及び耐水性の観点から、好ましくは15〜87重量%、より好ましくは35〜85重量%である。
また、モノマー混合物における芳香環含有モノマーの含有量は、耐水性、耐擦過性、インク粘度及び吐出安定性の観点から、好ましくは0.1 〜70重量%、より好ましくは1〜50重量%である。
モノマー混合物におけるマクロマーの含有量は、耐水性及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.1 〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量(後述する製造例1〜3に記載の方法で測定)は、印字濃度と吐出安定性の観点から、好ましくは3000〜300000、より好ましくは5000〜200000である。
水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2, 2' −アゾビスイソブチロニトリル、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2, 2' −アゾビスブチレート、2, 2' −アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1, 1' −アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001 〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
なお、重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、9, 10−ジヒドロアントラセン、1, 4−ジヒドロナフタレン、インデン、1, 4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2, 5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマー混合物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100 ℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した水不溶性ビニルポリマーを単離することができる。また、得られた水不溶性ビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有させたポリマー粒子が水に分散した水分散体を得る方法としては、ポリマーを有機溶媒に溶解させ、無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物、水、中和剤及び必要に応じて界面活性剤を加えて混練した後、必要に応じて水で希釈し、有機溶媒を留去して水系にする方法が好ましい。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒等の親水性有機溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、イソプロパノール、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
また、必要により、有機溶媒と、高沸点親水性有機溶媒とを併用してもよい。高沸点親水性有機溶媒としては、例えば、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
中和剤として、塩生成基の種類に応じて酸又は塩基を使用することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、及び酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸が挙げられる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
中和度には、特に限定がない。通常、得られる水分散体のpHが4.5 〜10であることが好ましい。中和後の水不溶性ビニルポリマーの25℃の水に対する溶解度は、水系インクの低粘度化の観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下が更に好ましい。
無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有するポリマー粒子の平均粒径は、ノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜0.50μm、より好ましくは0.02〜0.30μm、更に好ましくは0.05〜0.20μmである。
かくして、本発明の水分散体を得ることができる。本発明の水分散体における水の含有量は、40〜90重量%が好ましい。
本発明のインクジェット記録用水系インクは、前記水分散体を含有するものである。水系インクにおける無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有するポリマー粒子の水分散体の量は、通常、印字濃度及び吐出安定性の観点から、水系インクにおけるポリマー粒子の含有量(固形分)が、好ましくは0.5 〜30重量%、より好ましくは1〜15重量%となるように調整することが望ましい。
本発明の水系インクにおいて、ポリマー粒子以外は水であるが、必要により、湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤等の添加剤を含有させることできる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数2〜8のアルキルジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリセリンモノn−ブチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の含窒素化合物を使用することができる。水系インク中における湿潤剤の量は、好ましくは0.1 〜50重量%、より好ましくは0.1 〜30重量%である。水系インクにおける水の量は、40〜90重量%が好ましい。
また、分散剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系又は両性系の分散剤を用いることができる。
また、本発明の水系インクの着色剤として、顔料である無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物が用いられているので、耐光性及び耐水性に優れた印字物を得ることができる。
更に、水不溶性ビニルポリマーとして、芳香環含有モノマー及びマクロマーの1種以上を用いた場合には、耐水性及び耐擦過性により優れた印字物を得ることができる。
また、本発明の水系インクは、付与された高い疎水性により、親水性表面をもつ紙への浸透が抑制されるので、着色剤を紙表面に効果的に残留させることができるため、高い印字濃度を得ることができる。
製造例1〜3〔水分散体の製造〕
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03重量部、及び表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちのそれぞれ10重量%ずつを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロート中に、表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちの残りの90重量%ずつを仕込み、次いで重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.27重量部、メチルエチルケトン60重量部及び2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)1.2 重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、その混合溶液の液温を65℃で2時間維持した後、2, 2' −アゾビス(2, 4−ジメチルバレロニトリル)0.3 重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を該混合溶液に加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下で105 ℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、得られたポリマーの重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
なお、表1に示す各化合物の詳細は、以下のとおりである。
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート:新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM-90G 、式(I) において、R1 及びR2 がそれぞれメチル基、R3 がオキシエチレン基、mが9である。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマーPP-500、式(I) において、R1 がメチル基、R2 が水素原子、R3 がオキシプロピレン基、mが5である。
・スチレン系マクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS-6S(スチレン単独重合マクロマー)、数平均分子量:6000 、重合性官能基:メタクロイルオキシ基
Figure 2005042007
実施例1〜3
製造例1〜3で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー6重量部を、メチルエチルケトン45重量部に溶かし、その中に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を1.41重量部加えて塩生成基を中和した後、銅フタロシアニン顔料の塩素化物(テトラクロロ銅フタロシアニン顔料)18重量部を加え、3本ロールミルで30分間混練した。
得られた混練物に、イオン交換水120 重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の着色剤含有水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた着色剤含有水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体40重量部、グリセリン10重量部、2−ピロリドン5重量部、イソプロパノール2重量部及びイオン交換水43重量部を混合し、得られた混合液を0.5 μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm 、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、表2に示す組成の水系インクを得た。
比較例1
実施例2において、フタロシアニン顔料として、銅フタロシアニン顔料の塩素化物の代わりに、銅フタロシアニン顔料〔C.I.ピグメント・ブルー15:3、東洋インキ製造(株)製、商品名:LIONOL BLUE 7350〕を用いた以外は、実施例2と同様にして処理し、表2に示す組成の水系インクを得た。
比較例2
イオン交換水96重量部に、フタロシアニン顔料として、銅フタロシアニン顔料の塩素化物(テトラクロロ銅フタロシアニン顔料)18重量部及びアクリル樹脂〔ジョンソンポリマー社製、商品名:ジョンクリル 62 〕6重量部を加え、ビーズミルで2時間混練することにより、固形分濃度が20重量%の顔料粒子の水分散体を得た。
着色剤含有水不溶性ビニルポリマー粒子の水分散体の代わりに得られた顔料粒子の水分散体を用い、実施例1と同様にして処理し、表2に示す組成の水系インクを得た。
次に、得られた水系インクの物性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
(1) 印字濃度
市販のインクジェットプリンター〔エプソン(株)製、型番:EM-900C 〕を用い、市販の普通紙〔上質普通紙、エプソン(株)製、商品名:KA4250NP〕にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:普通紙、モード設定:速い〕、25℃で1時間放置後、印字濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、品番:RD914) で測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:印字濃度が1.1 以上
○:印字濃度が1.0 以上1.1 未満
△:印字濃度が0.9 以上1.0 未満
×:印字濃度が0.9 未満
(2) 光沢
前記プリンターを用い、市販の専用紙〔MC光沢紙、エプソン(株)製、商品名:KA420MK 〕にベタ印字し〔印字条件=用紙種類:専用光沢フィルム、モード設定:フォト〕、25℃で1時間放置後、60°の光沢を光沢計〔日本電色(株)製、商品名:HANDY GLOSSMETER、品番:PG-1〕で測定し、以下の基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:光沢が40以上
○:光沢が35以上40未満
△:光沢が30以上35未満
×:光沢が30未満
(3) 色再現範囲
前記印字濃度を測定したベタ印字物を、NIPPON DENSHOKU Spectro Color Meter SE2000〔日本電色工業(株)製、商品名〕を用い、印字物をD65/2の光の波長で反射光の測定を行い、色再現範囲を測定し、以下の基準に基づいて評価した。a* のマイナスの値が大きい程、緑味が強いことを示す。
〔評価基準〕
◎:a* の値が−20未満
○:a* の値が−20以上−10未満
△:a* の値が−10以上0未満
×:a* の値が0以上
Figure 2005042007
表2に示された結果から、各実施例で得られた水系インクは、いずれも、緑味の色調を示すことが分かる。さらに、各実施例で得られた水系インクは、普通紙に高濃度での印字を、光沢紙に光沢性の高い印字を、それぞれ与えるものであることがわかる。
本発明の水分散体は、インクジェット記録用水系インクに好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 着色剤として無金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物又は中心金属として銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、錫、チタン、ケイ素、バナジウム、マンガン又はアルミニウムを有する金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物を含有する水不溶性ビニルポリマーのポリマー粒子が水に分散してなる水系インク用水分散体。
  2. 水不溶性ビニルポリマーが
    (A)式(I):
    Figure 2005042007
    (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキル基を有していてもよいフェニル基、R3 はオキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基からなる群より選ばれた少なくとも1種のオキシアルキレン基、mは1〜30の数を示す)
    で表されるモノマーより選ばれた少なくとも1種のモノマーA、
    (B)塩生成基含有モノマー、並びに
    (C)モノマーA及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー
    を含有するモノマー混合物を重合させてなる水不溶性ビニルポリマーである請求項1記載の水分散体。
  3. 共重合可能なモノマーが、芳香環含有モノマー及びマクロマーからなる群より選ばれた1種以上を含有する請求項1又は2記載の水分散体。
  4. 金属フタロシアニン顔料のハロゲン化物が、銅フタロシアニン顔料の塩素化物又は臭素化物である請求項1〜3いずれか記載の水分散体。
  5. 芳香環含有モノマーが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上である請求項3記載の水分散体。
  6. マクロマーが、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーである請求項3記載の水分散体。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の水分散体を含有してなるインクジェット記録用水系インク。
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