JP2005041747A - 合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】打ち破りやこじ破りにより容易に破壊されたり穴が開いたりすることがない、耐破壊貫通性に優れた合わせガラスを提供し得る硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、耐破壊貫通性に優れる合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物に関する。
近年、空き巣の件数が増加しその被害の大きさから社会問題となっている。空き巣などの犯罪行為を目的とした外部侵入者は、特に一戸建ての場合ガラス窓を破壊して、あるいは窓ガラスの一部を破壊し、または穴を開けてサッシのクレセント錠を開けて建物内部に進入する場合が多い。
これら犯罪者の進入防止には、容易に穴が開かない、または容易に割れないガラスを使用することが好ましい。この要求に対して、2枚のガラスをポリビニルブチラール(以下、PVBと略する)などからなる中間膜により接着し、ガラスが割れたとしても中間膜であるPVB膜が貫通しない構造の合わせガラスが幅広く使用されている。また、ポリエチレンテレフタレートを一対の板ガラスの間に装着し、耐破壊貫通性を保持させるとともに更に耐火炎熱照射性を付与した技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、PVBのごとき熱可塑性樹脂シートやフィルムを使用する技術はオートクレーブやそれに準じた加熱加圧設備といった高価な製造設備が必要となる。必然的に生産拠点は少なくなり、ガラスを運ぶ際の緩衝材の影響から多量輸送は困難であり全国各地への輸送費が高くなることで製造コストが高くなるという問題を生ずる。これに対しこれら熱可塑性樹脂シートやフィルムを接着剤や接着樹脂でガラスに固着する積層ガラスに関する技術も知られているが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、接着ムラや気泡の混入等で不良率が高くなるという問題を生じる。
特開2002−321948号公報 特開平8−15618号公報 特開平10−119184号公報
本発明は、上記の事情に鑑み為されたもので、打ち破りやこじ破りにより容易に破壊されたり穴が開いたりすることがない、耐破壊貫通性に優れた合わせガラスを提供し得る合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題につき鋭意研究した結果、以下に示す特定組成の樹脂組成物により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(2)メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合体を含有するアクリルシラップであって、該部分重合体は該(メタ)アクリル系単量体の一部がガラス転移温度―10℃以下のゴム状重合体にグラフト重合した平均粒径0.05〜100μmのゴムグラフト化重合体であり、該ゴムグラフト化重合体が分散した透明性を有するアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(3)(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−((メタ)アクリロイロキシ)エチルアシッドフォスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランの群から選ばれる化合物の1種または2種以上を添加することを特徴とする上記(1)または(2)記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(4)ラジカル重合開始剤が200〜500nmの波長範囲の光で励起し活性化する光重合開始剤であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、を要旨とするものである。
本発明の耐破壊貫通性に優れる合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物は、低粘度で扱い易く合わせガラス間に短時間で注入可能であり、注入後、容易に硬化可能で、安価な製造設備で容易に耐破壊貫通性に優れる合わせガラスを得ることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、太陽光等の光に長期間暴露されても劣化や変色が見られない耐光性に優れた硬化物が得られる。
得られた合わせガラスは硬化時の着色性および太陽光等の光による劣化や変色がなく、更に打ち破り性、こじ破り性に優れている。
本発明は、耐破壊貫通性に優れる合わせガラスを安価な製造設備で製造可能な合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物に関する。
本発明の第1の発明は、(1)特定のウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に係り、第2の発明は、(2)特定のアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に係る。
本発明における上記、(1)および(2)に示す硬化性樹脂組成物は優れたラジカル硬化性および適度な伸び率を有すると共に、耐光性に優れており、合わせガラスに耐貫通性を付与し、太陽光等に暴露されても劣化や変色を起こさない硬化物を与えることができる。
本発明の第1の発明に係る特定のウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーとは、分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族及び/又は脂環式多価イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られる。
本発明に係る上記(1)の硬化性樹脂組成物におけるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマー(以下、単に「反応性オリゴマー」と称することがある)の調製に使用される分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物としては、特に制限されないが、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)ジオール、ポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、コポリ(テトラメチレン)オキサイドジオール、ポリエステルポリオール、(水添)ポリブタジエンポリオール、カプロラクトン変性ジオール、ポリカーボネートジオール等の多価アルコール類が挙げられる。さらには、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化樹脂類、さらに飽和ポリエステル等の熱可塑樹脂等も例示できる。これらは、2種類以上を適宜混合して用いても良い。これらのうち主として多価アルコール類が汎用される。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーの調製に使用される脂肪族多価イソシアネートとしては、特に制限されないが、例えば、代表的なものとしてヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルジイソシアネート等が例示され、脂環式多価イソシアネートとしては、例えば、代表的なものとしてイソホロンジイソシアネート、メチレン(ビス)4−シクロヘキシルイソシアネート等が例示される。これらは、2種類以上を適宜混合して用いても良い。
本発明における上記ウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーの調製に使用されるヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とは、特に制限されないが、例えば、代表的なものとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示される。これらは、2種類以上を適宜混合して用いても良い。
本発明のウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーを得る方法は、特に限定されない。例えば、まず多価アルコールと多価イソシアネートとを−OH基または−NCO基のモル比が1以下の割合で混合し、錫化合物等の触媒存在下で反応させてプレポリマーを得る。次にこのプレポリマーにヒドロキシ(メタ)アクリレートを、−OH基または−NCO基のモル比が1以上となる割合で加えて反応させウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーを得る。該反応性オリゴマーに、更に反応性稀釈剤である(メタ)アクリル系単量体を加えて硬化性樹脂組成物が調製される。
本発明において上記反応性稀釈剤として使用される(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が例示できる。これらは、2種類以上を適宜混合して用いても良い。
また、多官能(メタ)アクリレート系単量体も反応性稀釈剤として使用することができる。該多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
次に、本発明における第2の発明に係る特定のアクリルシラップとは、メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合体を含有するアクリルシラップであって、該部分重合体は上記(メタ)アクリル系単量体の一部がガラス転移温度―10℃以下のゴム状重合体にグラフト重合した平均粒径0.05〜100μmのゴムグラフト化重合体であり、該ゴムグラフト化重合体が分散した透明性を有するアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物である。ここに使用されるベンジルメタクリレートもしくはスチレンは、ゴム状重合体とメタクリル酸メチルとの重合体の屈折率を調整する機能を有し、透明性を維持するうえに重要である。従って、その配合比は透明性を維持し得る範囲であれば特に限定されないが、上記アクリルシラップに対し、通常5〜40重量%の範囲で使用される。尚、(メタ)アクリル系単量体は、反応性希釈剤として上記に挙げたものが使用される。
本発明における上記のガラス転移温度−10℃以下のゴム状重合体は、特に制限されないが、例えば、アクリルゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリクロロプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、などの共役ジエン系ゴムまたはその水素添加物、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム、ポリイソブチレンゴムなどのオレフィン系ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑エラストマー等が例示できる。尚、ゴム状重合体が共重合体の場合はガラス転移温度の低い方の重合体が−10℃以下であれば良い。これらは単独で使用してもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明における上記メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合を含有するアクリルシラップを得る重合方法は、特に限定されないが塊状重合が好ましく用いられる。得られる重合体は、ゴム状重合体にメタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体がゴム状重合体にグラフトしたゴムグラフト化重合体およびポリ(メタ)アクリレートからなるシラップで、その重量平均分子量は、10,000〜600,000の範囲にあるものが機械的特性、作業性、取扱性が良好で好ましく、30,000〜250,000の範囲であることが更に好ましい。上記シラップの重量平均分子量が10,000未満であると、得られる硬化物の機械的物性が低下し、600,000を超えると、得られるシラップの粘度が高くなりすぎ作業性が低下するため好ましくない。上記の部分重合を行うに際して、モノマー成分の重合反応を制御して、ゴムグラフト化重合体およびポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量およびアクリルシラップ全体における部分重合体の含有率を調節するために、連鎖移動剤を添加することができる。
上記連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオン酸のアルキルエステル等のチオール化合物が好ましく用いられるが、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。上記連鎖移動剤の使用量は、所望するゴムグラフト化重合体およびポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではない。尚、ここでいう重量平均分子量とはゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
ゴムグラフト化重合体は、アクリルシラップ中に平均粒径0.05〜100μmの範囲で良好な分散状態で分散しており、硬化後も硬化物中に上記の平均粒径の範囲で良好に分散して優れた耐衝撃性を発現する。ただし、本発明においてはベンジルメタクリレートもしくはスチレンがゴム状重合体成分の屈折率とメタクリル酸メチルの屈折率とを合わせ得るような範囲で配合されているので得られる重合体(アクリルシラップ)は無色透明なものである。ゴムグラフト化重合体の分散状態が十分でない場合には所望する十分な耐衝撃性が発現されず、更には硬化物への色むら等外観不良の発生の原因ともなる。なお、本発明においてはゴムグラフト化重合体がアクリルシラップ及び硬化物中に良好な分散を示すために、特に合成時及び硬化時の条件や方法は制限されない。上記ゴムグラフト化重合体の粒径が0.05μm未満であると、分散状態は良好であっても衝撃エネルギーを吸収する効果が不十分となる。一方、100μmを超えると、分散が不十分となり衝撃エネルギーを吸収する効果が不十分である。また、ゴム状重合体のガラス転移温度が−10℃よりも高いと十分に衝撃エネルギーを吸収できない。尚、ゴムグラフト化重合体の分散状態は、例えば、平板成形品を薄くスライスしてオスミウム酸で染色しこれを透過型電子顕微鏡で粒子を撮影し観察することにより確認することができる。
本発明におけるラジカル重合開始剤は、加熱もしくは触媒の作用により自らもしくはその分解物が、反応性オリゴマーや(メタ)アクリル系単量体の活性部位と反応し、硬化反応を促進する作用を有するものである。このような重合開始剤は特に限定されないが、次のようなものが例示される。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,4,4−トリメチルベンジルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−イソブチレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−アミルクメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。また、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
これらの重合開始剤の使用量も特に限定されないが、本発明においては、通常は、反応性オリゴマーと(メタ)アクリル系単量体からなる樹脂組成物もしくはアクリルシラップ100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
本発明に係る合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物には、硬化性樹脂組成物(1)および(2)とガラスとの接着性を高める目的で、(3)さらに(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−((メタ)アクリロイロキシ)エチルアシッドフォスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランの群から選ばれる化合物の1種もしくは2種以上を添加することができる。これらの化合物は、反応性オリゴマーと(メタ)アクリル系単量体からなる樹脂組成物もしくはアクリルシラップ100重量部に対して、0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜3.0重量部が添加される。添加量が0.1重量部未満の場合は初期の目的が達成されず、5.0重量部を超える添加量では、コストアップを招き、また硬化物に黄変がみられる虞がある。
本発明の硬化性樹脂組成物(1)および(2)の硬化反応を促進させるのに使用するラジカル重合開始剤として、上記した重合開始剤の他に200〜500nmの波長範囲の紫外線または可視光線で励起され活性化し硬化反応を促進する光重合開始剤を使用することもできる。
このような光重合開始剤としては特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジルケタール類、α−ヒドロキシアセトフェノン類、α−アミノアセトフェノン類、チオキサントン類、アシルフォスフィンオキサイド類が例示できる。
本発明の硬化性樹脂組成物を、スペーサーを挟んでガラス板を重ねた一対のガラス板の間隙に注入するに際しては、重ね合わせたガラス板を10〜80℃の温度に加温し、上記した(1)または(2)の樹脂組成物、またはこれらに更に上記の(3)の化合物を添加した樹脂組成物を合わせガラスの間隙に注入し、10〜150℃の温度範囲で硬化させることができる。また重ね合わせたガラス板の間隙を減圧して強制的に上記樹脂組成物を注入することもできる。
重合開始剤として、光重合開始剤を用いた場合は、200〜500nmの波長を有する紫外線または可視光線、例えば水銀ランプ等の照射下に硬化させることができる。
本発明の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物には半透明の風合いを付与し収縮率を抑制する目的で無機系または有機系充填材を併用することができる。無機系充填剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク、ミルドファイバー、珪砂、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、寒水砂、アスベスト粉等の無機系充填剤、および、ポリマービーズ等の有機系充填剤が挙げられる。上記充填剤のうち、水酸化アルミニウム、シリカ、およびガラスパウダーからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機系充填剤が特に好ましい。上記充填剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、充填剤の平均粒径等の形態は、特に限定されるものではない。
充填剤の配合量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、100重量部以下の範囲で使用されるのが好ましい。充填剤の配合量が100重量部を超えると、透明性が失われ合わせガラスとして好ましくない。上記充填剤は、さらに、本発明の硬化性樹脂組成物界面との接着性を向上させるためにカップリング処理したものであってもよい。これにより、合わせガラスとした際、硬化物(接着層)の耐衝撃性、強度、耐水性等の物性を向上させることができる。これら、カップリング処理剤としては、特に限定されるものではないが、シラン系カップリング剤、クロム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物には、所望に応じてその他の公知の添加剤を使用することができる。具体的には、硬化時の硬化収縮を抑制する効果を与える低収縮剤、機械強度を向上させる効果がある繊維強化材、重合調節剤、酸化防止剤、湿潤剤(減粘剤)、着色剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、難燃剤等それ自体公知のものを例示できる。これら添加剤の使用量はその種類、目的および所望する効果により適宜定めればよく特に限定されるものではない。また、その使用方法も単独で用いてもよく、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
上記低収縮剤としては、具体的には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクタム、飽和ポリエステル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸メチル−多官能メタクリレート共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのゴム状重合体などが用いられる。また、これらの熱可塑ポリマーは部分的に架橋構造を導入されたものであっても良い。使用量に関しては、前記のように特に限定されないが、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、20重量部以下の範囲とするのが好適である。20重量部を越える場合は透明感等を低下させ合わせガラスとして好ましくない。
上記繊維強化材としては、具体的には、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維;アラミドやポリエステル等からなる有機繊維;天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、繊維の形態は、ロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービング、チョップドストランド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら繊維補強材は、単独で用いてもよく、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。使用量に関しては、前記のように特に限定されないが、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、20重量部以下の範囲とするのが好ましい。20重量部を超える場合は樹脂組成物の粘度が高すぎ重ね合わせたガラス板の間隙に流し込むことが極めて困難となる。
上記湿潤剤としては、市販されているものがそのまま使用できる。例えば、BYKケミー株式会社から市販されている「W−995」、「W−996」、「W−9010」、「W−960」、「W−965」、「W−990」等が挙げられるが、これらはその使用目的によって適宜選択して使用される。
また、上記重合調整剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン等の重合禁止剤が挙げられる。上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール系のものが好んで用いられる。
上記着色剤は、公知の無機顔料や有機顔料、紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン等、チクソトロピー付与剤は、シリカ等、難燃剤は、リン酸エステル類等それぞれ市販されているものが使用できる。
以下に、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
合成例1
(ウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマー(UA−1)の合成)
温度計、還流冷却機、攪拌装置を取り付けた1.5リットルセパラブル4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(三洋化成社製、商品名:PPG−1000)468.5g(0.47mol)、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン社製)208g(0.94mol)、ジブチル錫ラウレート0.50gを投入し、窒素雰囲気下50℃で4時間反応させた。次いで、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(精工化学(株)製、商品名:スワノックス)1.0gを加え、2−ヒドロキシエチルメタクリレート123g(0.95mol)を滴下しながら、窒素雰囲気下80℃でさらに4時間反応させウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマー(UA−1)を得た。
合成例2
(ゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップ(AC−1)の合成)
温度計、還流冷却機、攪拌装置を取り付けた2.5リットルセパラブル4つ口フラスコに、メタクリル酸メチル630g、スチレン270gおよびスチレン・ブタジエンゴム(ガラス転移温度;−40℃、日本ゼオン社製、NS−310S)100gを採り溶解した。これに1−ドデカンチオール6.4gを加え、所定の温度(100℃)に昇温し、これに1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05gを1000gのメタクリル酸メチルに溶解した溶液をモノマーの沸点下で、攪拌下に滴下して塊状重合反応を行った。次いで重合禁止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1gを加え重合反応を停止した。その後反応物を室温まで冷却しゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップ(AC−1)を得た。得られたゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップにおけるポリマー分子量は重量平均で100,000、ポリマー含有率は25%であった。なお、ポリマー含有率はJIS-K6901 5.11に従い測定した。
合成例3
合成例2におけると同様の反応容器に、メタクリル酸メチル998gおよび1−ドデカンチオール2gを初期仕込み溶液とし、これに2,2−アゾビスイゾブチロニトリル0.055gを1000gのメタクリル酸メチルに溶解して攪拌下に滴下して塊状重合を行った。次いで重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1gを加え重合反応を停止した。その後反応物を室温まで冷却してアクリル樹脂を得た。
得られたアクリル樹脂の粘度が2000 mPa・sであったので、800gのメタクリル酸メチルを添加してアクリル樹脂(AC−2)とした。得られた樹脂中のポリマー分子量は重量平均で200,000、樹脂の粘度は200mPa・s、不揮発分(NVM)は18%であった。尚、粘度はJIS-K6901 5.5に従ってブルックフィールドB型粘度計にて測定(温度:25℃)した値である(以下同じ)。
実施例1
合成例1で得たUA−1 50部、メタクリル酸メチル49部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(日本ユピカ社製、商品名:TMPTMA)1部、重合開始剤(日本油脂社製、商品名:パーロイルTCP)1部、消泡剤(ビックケミー社製、商品名:BYK−A515)0.05部を高速撹拌装置で混合し硬化性樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物の粘度は、20mPa・sであった。調製した樹脂組成物を真空脱気し、40℃に温調した20cm×30cmのガラス板一対を重ね合わせたガラス板(厚さ0.8mmのスペーサー使用)の間隙に注入した。注入時樹脂組成物は低粘度であり40秒で注入できた。スペーサーを熱融着して注入口を閉じ、60℃に調整した乾燥炉にて60分で硬化させた。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで、80℃で2時間後硬化を行い耐破壊貫通性に優れる合わせガラスを得た。得られた合わせガラスに5kgの鋼球を2mの高さから落下させ破壊貫通性の評価を行った。尚、試験体は端部を木枠で固定して落球部分を支持体より浮かして試験体の略中央部に落下して試験した。(以下、同様にして試験した)。その結果、落下面のガラスは割れたが貫通せず、打ち破り性に優れた合わせガラスであった。また試験者が全長20cmのマイナスドライバーを使用して同一の合わせガラスをこじ破り、穴が貫通するまでの時間を測定した。その結果15分を要し、耐こじ破り性にも優れた合わせガラスであった。また、(株)東洋精機製作所製のアトラスユブコン(型式;UC-1)を使用して同一の合わせガラスへ紫外線の照射試験を行い、50時間照射後の状態を目視にて判断し耐光性の評価を行った。その結果、変色などの異常は認められなかった。
実施例2
合成例2で得たAC−1 60部、メタクリル酸メチル27.3部、スチレン11.7部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部、重合開始剤「パーロイルTCP」1部、消泡剤「BYK−A515」0.05部を高速撹拌装置で混合し硬化性樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物の粘度は、30mPa・sであった。調製した樹脂組成物を真空脱気し、40℃に温調した20cm×30cmのガラス板一対を重ね合わせたガラス板(厚さ0.8mmのスペーサー使用)の間隙に注入した。注入時樹脂組成物は低粘度であり50秒で注入できた。実施例1と同様にして硬化させ合わせガラスを得た。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが貫通せず、打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は20分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
実施例3
合成例1で得たUA−1 50部、メタクリル酸メチル44部、アクリル酸5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は10mPa・sであった。実施例1と同様の一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。低粘度で注入時間は30秒であった。更に実施例1と同様に硬化して合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスはひびが入っただけで割れず、より一層打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は60分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
実施例4
合成例2で得たAC−1 60部、メタクリル酸メチル24.3部、スチレン11部、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(日本ユニカー社製:A−174)3部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は5mPa・sであった。実施例1と同様に一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。注入時間は20秒であった。更に実施例1と同様に合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスはひびが入っただけで割れず、より一層打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は65分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
実施例5
ラジカル重合開始剤として光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア 184)を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は30mPa・sであった。次いで実施例1と同様に一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。注入時間は50秒であった。次いでアイグラフィックス社製紫外線硬化用電源装置(UB061−5A−BM)を用いて、水銀ランプ(波長350nm)により500mJ/cmのエネルギーで樹脂組成物を硬化させ合わせガラスを得た。尚、硬化時間は5分であり後硬化も不要であった。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は20分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
実施例6
40℃にガラスを保温して注入する代わりに、常温において一対のガラス板の間隙を減圧として真空下で実施例1に使用した硬化性樹脂組成物を注入した。尚、注入時間は30秒であった。硬化条件等は実施例1と同様にして合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は18分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
比較例1
芳香族系多価イソシアネートを使用した市販のウレタンアクリレート反応性オリゴマー(日本ユピカ社製、商品名:ユピカ8930)を50部使用する以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は30mPa・sであった。実施例2と同様に一対のガラス板間に注入して硬化させた。尚、注入時間は30秒であった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。ただし、硬化後の合わせガラスは黄色透明で着色性があり、合わせガラスには不適であった。実施例1と同様のこじ破り時間は15分で問題なかったが、紫外線照射後の変色が大きく耐光性に劣る。
比較例2
合成例3で得たAC−3を60部使用する以外は実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は10mPa・sであった。実施例2と同様にして一対のガラス板間に注入して硬化させた。尚、注入時間は30秒であった。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、ガラスおよび樹脂膜共に粉々に割れてしまい容易に打ち破れる合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は1分であり、容易に貫通できる合わせガラスであった。紫外線照射試験後の変色などの異常は認められなかった。
Figure 2005041747
表中、落球試験評価において、
◎:ガラスにヒビが入っただけ。 ○:ガラスは割れても樹脂層が割れていない。 ×:ガラスおよび樹脂層全てが割れた。

Claims (4)

  1. 分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
  2. メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合体を含有するアクリルシラップであって、該部分重合体は該(メタ)アクリル系単量体の一部がガラス転移温度−10℃以下のゴム状重合体にグラフト重合した平均粒径0.05〜100μmのゴムグラフト化重合体であり、該ゴムグラフト化重合体が分散した透明性を有するアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−((メタ)アクリロイロキシ)エチルアシッドフォスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランの群から選ばれる化合物の1種または2種以上を添加することを特徴とする請求項1または2記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
  4. ラジカル重合開始剤が200〜500nmの波長範囲の光で励起し活性化する光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
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