JP2005041747A - 合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし。
Description
(1)分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(2)メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合体を含有するアクリルシラップであって、該部分重合体は該(メタ)アクリル系単量体の一部がガラス転移温度―10℃以下のゴム状重合体にグラフト重合した平均粒径0.05〜100μmのゴムグラフト化重合体であり、該ゴムグラフト化重合体が分散した透明性を有するアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(3)(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−((メタ)アクリロイロキシ)エチルアシッドフォスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランの群から選ばれる化合物の1種または2種以上を添加することを特徴とする上記(1)または(2)記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、(4)ラジカル重合開始剤が200〜500nmの波長範囲の光で励起し活性化する光重合開始剤であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物、を要旨とするものである。
得られた合わせガラスは硬化時の着色性および太陽光等の光による劣化や変色がなく、更に打ち破り性、こじ破り性に優れている。
本発明の第1の発明は、(1)特定のウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に係り、第2の発明は、(2)特定のアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有する硬化性樹脂組成物に係る。
また、多官能(メタ)アクリレート系単量体も反応性稀釈剤として使用することができる。該多官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。これらは、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
(ウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマー(UA−1)の合成)
温度計、還流冷却機、攪拌装置を取り付けた1.5リットルセパラブル4つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(三洋化成社製、商品名:PPG−1000)468.5g(0.47mol)、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン社製)208g(0.94mol)、ジブチル錫ラウレート0.50gを投入し、窒素雰囲気下50℃で4時間反応させた。次いで、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(精工化学(株)製、商品名:スワノックス)1.0gを加え、2−ヒドロキシエチルメタクリレート123g(0.95mol)を滴下しながら、窒素雰囲気下80℃でさらに4時間反応させウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマー(UA−1)を得た。
(ゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップ(AC−1)の合成)
温度計、還流冷却機、攪拌装置を取り付けた2.5リットルセパラブル4つ口フラスコに、メタクリル酸メチル630g、スチレン270gおよびスチレン・ブタジエンゴム(ガラス転移温度;−40℃、日本ゼオン社製、NS−310S)100gを採り溶解した。これに1−ドデカンチオール6.4gを加え、所定の温度(100℃)に昇温し、これに1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.05gを1000gのメタクリル酸メチルに溶解した溶液をモノマーの沸点下で、攪拌下に滴下して塊状重合反応を行った。次いで重合禁止剤としての2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1gを加え重合反応を停止した。その後反応物を室温まで冷却しゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップ(AC−1)を得た。得られたゴムグラフト化重合体含有アクリルシラップにおけるポリマー分子量は重量平均で100,000、ポリマー含有率は25%であった。なお、ポリマー含有率はJIS-K6901 5.11に従い測定した。
合成例2におけると同様の反応容器に、メタクリル酸メチル998gおよび1−ドデカンチオール2gを初期仕込み溶液とし、これに2,2−アゾビスイゾブチロニトリル0.055gを1000gのメタクリル酸メチルに溶解して攪拌下に滴下して塊状重合を行った。次いで重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1gを加え重合反応を停止した。その後反応物を室温まで冷却してアクリル樹脂を得た。
得られたアクリル樹脂の粘度が2000 mPa・sであったので、800gのメタクリル酸メチルを添加してアクリル樹脂(AC−2)とした。得られた樹脂中のポリマー分子量は重量平均で200,000、樹脂の粘度は200mPa・s、不揮発分(NVM)は18%であった。尚、粘度はJIS-K6901 5.5に従ってブルックフィールドB型粘度計にて測定(温度:25℃)した値である(以下同じ)。
合成例1で得たUA−1 50部、メタクリル酸メチル49部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(日本ユピカ社製、商品名:TMPTMA)1部、重合開始剤(日本油脂社製、商品名:パーロイルTCP)1部、消泡剤(ビックケミー社製、商品名:BYK−A515)0.05部を高速撹拌装置で混合し硬化性樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物の粘度は、20mPa・sであった。調製した樹脂組成物を真空脱気し、40℃に温調した20cm×30cmのガラス板一対を重ね合わせたガラス板(厚さ0.8mmのスペーサー使用)の間隙に注入した。注入時樹脂組成物は低粘度であり40秒で注入できた。スペーサーを熱融着して注入口を閉じ、60℃に調整した乾燥炉にて60分で硬化させた。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで、80℃で2時間後硬化を行い耐破壊貫通性に優れる合わせガラスを得た。得られた合わせガラスに5kgの鋼球を2mの高さから落下させ破壊貫通性の評価を行った。尚、試験体は端部を木枠で固定して落球部分を支持体より浮かして試験体の略中央部に落下して試験した。(以下、同様にして試験した)。その結果、落下面のガラスは割れたが貫通せず、打ち破り性に優れた合わせガラスであった。また試験者が全長20cmのマイナスドライバーを使用して同一の合わせガラスをこじ破り、穴が貫通するまでの時間を測定した。その結果15分を要し、耐こじ破り性にも優れた合わせガラスであった。また、(株)東洋精機製作所製のアトラスユブコン(型式;UC-1)を使用して同一の合わせガラスへ紫外線の照射試験を行い、50時間照射後の状態を目視にて判断し耐光性の評価を行った。その結果、変色などの異常は認められなかった。
合成例2で得たAC−1 60部、メタクリル酸メチル27.3部、スチレン11.7部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部、重合開始剤「パーロイルTCP」1部、消泡剤「BYK−A515」0.05部を高速撹拌装置で混合し硬化性樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物の粘度は、30mPa・sであった。調製した樹脂組成物を真空脱気し、40℃に温調した20cm×30cmのガラス板一対を重ね合わせたガラス板(厚さ0.8mmのスペーサー使用)の間隙に注入した。注入時樹脂組成物は低粘度であり50秒で注入できた。実施例1と同様にして硬化させ合わせガラスを得た。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが貫通せず、打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は20分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
合成例1で得たUA−1 50部、メタクリル酸メチル44部、アクリル酸5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は10mPa・sであった。実施例1と同様の一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。低粘度で注入時間は30秒であった。更に実施例1と同様に硬化して合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスはひびが入っただけで割れず、より一層打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は60分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
合成例2で得たAC−1 60部、メタクリル酸メチル24.3部、スチレン11部、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(日本ユニカー社製:A−174)3部、トリメチロールプロパントリメタクリレート1部を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は5mPa・sであった。実施例1と同様に一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。注入時間は20秒であった。更に実施例1と同様に合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。次いで実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスはひびが入っただけで割れず、より一層打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は65分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
ラジカル重合開始剤として光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガキュア 184)を使用する以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の粘度は30mPa・sであった。次いで実施例1と同様に一対のガラス板間に樹脂組成物を注入した。注入時間は50秒であった。次いでアイグラフィックス社製紫外線硬化用電源装置(UB061−5A−BM)を用いて、水銀ランプ(波長350nm)により500mJ/cm2のエネルギーで樹脂組成物を硬化させ合わせガラスを得た。尚、硬化時間は5分であり後硬化も不要であった。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は20分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
40℃にガラスを保温して注入する代わりに、常温において一対のガラス板の間隙を減圧として真空下で実施例1に使用した硬化性樹脂組成物を注入した。尚、注入時間は30秒であった。硬化条件等は実施例1と同様にして合わせガラスを得た。なお、硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は18分であり、また実施例1と同様に紫外線照射試験を行った結果、変色などの異常は認められなかった。
芳香族系多価イソシアネートを使用した市販のウレタンアクリレート反応性オリゴマー(日本ユピカ社製、商品名:ユピカ8930)を50部使用する以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は30mPa・sであった。実施例2と同様に一対のガラス板間に注入して硬化させた。尚、注入時間は30秒であった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、落下面のガラスは割れたが、貫通せず打ち破り性に優れた合わせガラスであった。ただし、硬化後の合わせガラスは黄色透明で着色性があり、合わせガラスには不適であった。実施例1と同様のこじ破り時間は15分で問題なかったが、紫外線照射後の変色が大きく耐光性に劣る。
合成例3で得たAC−3を60部使用する以外は実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は10mPa・sであった。実施例2と同様にして一対のガラス板間に注入して硬化させた。尚、注入時間は30秒であった。硬化後の合わせガラスは無色透明であり着色性はなかった。得られた合わせガラスについて実施例1と同様の鋼球の落下試験を行った結果、ガラスおよび樹脂膜共に粉々に割れてしまい容易に打ち破れる合わせガラスであった。実施例1と同様のこじ破り時間は1分であり、容易に貫通できる合わせガラスであった。紫外線照射試験後の変色などの異常は認められなかった。
Claims (4)
- 分子内に少なくとも2つの水酸基を有する化合物と、脂肪族および/または脂環式多価イソシアネートおよびヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との縮合反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート反応性オリゴマーと、(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
- メタクリル酸メチルとベンジルメタクリレートもしくはスチレンを必須成分とする(メタ)アクリル系単量体およびゴム状重合体の部分重合体を含有するアクリルシラップであって、該部分重合体は該(メタ)アクリル系単量体の一部がガラス転移温度−10℃以下のゴム状重合体にグラフト重合した平均粒径0.05〜100μmのゴムグラフト化重合体であり、該ゴムグラフト化重合体が分散した透明性を有するアクリルシラップと(メタ)アクリル系単量体、ラジカル重合開始剤を必須成分として含有することを特徴とする合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
- (メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−((メタ)アクリロイロキシ)エチルアシッドフォスフェート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランの群から選ばれる化合物の1種または2種以上を添加することを特徴とする請求項1または2記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
- ラジカル重合開始剤が200〜500nmの波長範囲の光で励起し活性化する光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合わせガラス注入用硬化性樹脂組成物。
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