JP2005040685A - 重金属吸着材及び重金属処理方法 - Google Patents

重金属吸着材及び重金属処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005040685A
JP2005040685A JP2003201580A JP2003201580A JP2005040685A JP 2005040685 A JP2005040685 A JP 2005040685A JP 2003201580 A JP2003201580 A JP 2003201580A JP 2003201580 A JP2003201580 A JP 2003201580A JP 2005040685 A JP2005040685 A JP 2005040685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heavy metal
hydrate
calcium aluminate
metal adsorbent
aluminate hydrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003201580A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Koide
貴夫 小出
Masayoshi Konishi
正芳 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP2003201580A priority Critical patent/JP2005040685A/ja
Publication of JP2005040685A publication Critical patent/JP2005040685A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

【課題】重金属吸着材自体から有害重金属類が溶出せず、浄化または処理対象物に含有される単一または複数の有害重金属類を同時に効率よく吸着できる安価な重金属吸着材及び重金属処理方法を提供する。
【解決手段】重金属吸着材は、300〜1100℃で仮焼したカルシウムアルミネート水和物を主成分とし、好適には、カルシウムアルミネート水和物は、合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物を使用することができる。また、かかる重金属吸着材を、重金属を含有する処理対象物に混合することにより、重金属を有効に処理することができる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属吸着材及び当該重金属吸着材を用いた重金属処理方法に関し、特に有害重金属類を含有する排水、廃液、焼却灰や汚染土壌等に含まれる重金属を有効に浄化処理することができる重金属吸着材及び重金属処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平成15年2月15日から土壌汚染対策法が施行され、六価クロム、モリブデン、砒素、セレン、アンチモン、鉛、カドミウム、水銀、銅、亜鉛、ニッケル等の有害重金属類を含有する工場排水や鉱山廃水等の浄化、汚染土壌や各種廃棄物等の処理等、環境浄化に関するニーズはますます増大している。
【0003】
これまでに有害重金属類に汚染された土壌の改良方法として、アルミン酸カルシウム(カルシウムアルミネート;CaO・Al、CaO・2Al、3CaO・Al、12CaO・7Al等)、ハロアルミン酸カルシウム(11CaO・7Al・CaFなど)を含有するセメントや、これらの水和物を重金属固定剤またはセメント系固化材として使用する提案が、特開昭53−11758号公報や特開平10−279937号公報に開示されている。
【0004】
しかしながら、かかるアルミン酸カルシウムやハロアルミン酸カルシウムを多く含有するアルミナセメントやジェットセメントは、汚染土壌等の処理対象物に添加混合した場合、処理対象物を高アルカリ性とするため、高アルカリ性下で難溶性の水酸化物を形成するカドミウムの不溶化には効果があるが、両性金属である鉛に対しては、酸化鉛(PbO)や水酸化鉛(Pb(OH))が、高アルカリ性下では亜鉛酸イオン(HPbO )や鉛酸イオン(PbO 2−)として再溶解する場合があるため、不溶化効果は不十分である。
【0005】
さらに六価クロムやモリブデンは、クロム酸イオン(CrO 2−)、ニクロム酸イオン(Cr 2−)、モリブデン酸イオン(MoO 2−)等の非常に安定な陰イオンの状態で存在し、高アルカリ性下では難溶性の水酸化物を形成しないため、六価クロムやモリブデンに対する不溶化効果はほとんど期待できない。
【0006】
また上記提案では、アルミン酸カルシウムやハロアルミン酸カルシウムが、共存する石膏と反応することによって生成するアルミン酸硫酸カルシウム水和物であるエトリンガイト(3CaO・Al・3CaSO・32HO)による重金属類の固定化方法が開示されているが、エトリンガイトによるクロム酸イオン(CrO 2−)、ニクロム酸イオン(Cr 2−)、モリブデン酸イオン(MoO 2−)の吸着量は低く、またエトリンガイトは熱及び化学的に不安定であるため、いずれも実用上において、十分な重金属吸着能力を有するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、重金属吸着材自体から有害重金属類が溶出せず、浄化または処理対象物に含有される単一または複数の有害重金属類を同時に効率よく吸着できる安価な重金属吸着材を提供することである。
また、本発明の他の目的は、排水、廃液、焼却灰、汚染土壌等の重金属を含有する浄化または処理対象物への安定的な直接適用が幅広く可能となる重金属吸着材を提供することである。
本発明の他の目的は、前記本発明の重金属吸着材を用いて、重金属類を含有する排水、廃液、焼却灰や汚染土壌等に含まれる種々の重金属を有効に同時に浄化処理することが可能となる簡便な重金属処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した如き課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、様々な有害重金属類(六価クロム、モリブデン、砒素、セレン、アンチモン、鉛、カドミウム、水銀、銅、亜鉛、ニッケルなど)を広範なpH域で効果的に同時吸着できる安価な重金属吸着材を見出した。
【0009】
本発明の重金属吸着材は、300〜1100℃で仮焼したカルシウムアルミネート水和物を主成分とすることを特徴とする。
好適には、上記本発明の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が、水酸化カルシウムと金属アルミニウムと水とから合成した合成カルシウムアルミネート水和物であることを特徴とする。
好適には、上記本発明の重金属吸着材において、水酸化カルシウムと金属アルミニウムとのモル比が2:1〜1:2の範囲であることを特徴とする。
【0010】
または好適には、上記本発明の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が、アルミナセメントまたはジェットクリンカの水和反応によって得られたカルシウムアルミネート水和物であることを特徴とする。
好適には、上記本発明の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が3CaO・Al・6HOであることを特徴とする。
【0011】
好適には、上記本発明の重金属吸着材において、更にシリカヒューム、非晶質シリカ、シリカゲル、ゼオライト、酸性白土、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、カオリン、メタカオリン、バーミキュライト、アロフェン、イモゴライト、アルミナゲル、ベーマイト、ギブサイト、活性アルミナ、カルサイト、ポルトランドセメント、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、活性炭、金属アルミニウム粉、鉄粉からなる群より選ばれた少なくとも一種の吸収助剤を含有することを特徴とする。
また、本発明の重金属処理方法は、上記本発明の重金属吸着材を、重金属を含有する処理対象物に混合することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を以下の好適例を用いて説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の重金属吸着材は、カルシウムアルミネート水和物を300〜1100℃で仮焼したものを主成分するものである。
ここで、仮焼とは、カルシウムアルミネート水和物を種々の温度で加熱処理することであり、仮焼対象物中の水分(付着水や結晶水)または炭酸ガスを飛散させる程度の温度で加熱処理することを目的とするものをいう。一方、焼成とは、仮焼よりは高温で加熱処理することをいい、対象物を溶融、半溶融または焼結させることを目的とするものである。
【0013】
本発明の重金属吸着材に用いるカルシウムアルミネート水和物としては、水酸化カルシウムと金属アルミニウムと水とから合成して得られる合成カルシウムアルミネート水和物、あるいはカルシウムアルミネートを多量に含有するセメントまたはクリンカを水和させて得られるカルシウムアルミネート水和物が好適に使用できる。
【0014】
前記合成カルシウムアルミネート水和物の原料となる水酸化カルシウムは、工業用消石灰等の高純度で粒度が小さく比表面積の大きい反応性の高いものが好ましいが、有害重金属類を含有していない水酸化カルシウムであれば、ケイ素、アルミニウム、鉄、マグネシウム等の多少の不純物を含有していても問題なく使用できる。例えば、通常廃棄物として処理されるホタテやカキ等の貝殻を焼成した後に水で消化して得た水酸化カルシウムや、安価な工業用生石灰を水で消化して得た水酸化カルシウムを使用することができる。
【0015】
同様に、合成カルシウムアルミネート水和物の原料となる金属アルミニウムも、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)製造に使用する発泡剤のような高純度で粒度が小さく比表面積の大きな反応性の高いものが好ましいが、有害重金属類を含有していないアルミニウムであれば、ケイ素、カルシウム、鉄、マグネシウム等の多少の不純物を含んでいても問題なく使用でき、例えば、金属アルミニウム加工業や溶融精錬業から排出される廃アルミスラッジ、アルミドロス、また粒度の大きいアルミニウム粒や安価なアルミスクラップ等を微粉砕して得られたアルミニウム微粉末を使用することができる。
【0016】
上記水酸化カルシウムと金属アルミニウム粉末とを、所定のモル比、好適にはモル比2:1〜1:2で、例えば50℃の水中で反応させると、ハイドロガーネット(3CaO・Al・6HO)やハイドログロシュラー(3CaO・Al・6HO)等の種々のカルシウムアルミネート水和物を得ることができ、特にカルシウムアルミネート水和物としては、3CaO・Al・6HOを使用することが、より低い仮焼温度で重金属吸着能力が発現する点から望ましい。
【0017】
かかる3CaO・Al・6HOカルシウムアルミネート水和物を合成する場合には、水酸化カルシウムと金属アルミニウムとの理論モル比は3:2であるが、モル比に多少幅があっても、合成したカルシウムアルミネート水和物の仮焼後の重金属吸着能力には差が少ないため、本発明においては水酸化カルシウムと金属アルミニウムとのモル比は2:1〜1:2の範囲であることが好ましい。
【0018】
カルシウムアルミネート水和物を合成するには公知の方法を使用することができ、例えば水酸化カルシウムに約3〜10倍容量の清浄な水を加えてスラリーとし、当該スラリーに金属アルミニウム粉末を少しずつ添加して撹拌しながら反応させて水酸化カルシウムを合成する方法を好適に使用することができる。この場合、粒度の大きいアルミニウム粒を使用する場合は、ボールミル等に、アルミニウム粒と水酸化カルシウムと水とを共に入れて湿式混合粉砕しながら反応させても良い。
【0019】
反応系中の金属アルミニウムが完全に溶解した後、スラリーを約50〜100℃で数時間〜数日間養生して、合成カルシウムアルミネート水和物を得る。なお、反応時に発生する水素ガスは適宜回収して、燃料等として有効利用することが可能である。
【0020】
また、本発明で好適に使用することができる他のカルシウムアルミネート水和物としては、カルシウムアルミネートを多量に含有するセメントまたはクリンカを水和させて得られるカルシウムアルミネート水和物がある。
前記カルシウムアルミネートを多量に含有するセメントまたはクリンカとしては、アルミナセメント(CaO・Al、CaO・2Al、12CaO・7AlOを高含有するセメント)や、超速硬セメントの原料となるジェットクリンカ(11CaO・7Al・CaFを高含有するクリンカ)などが挙げられるが、特に限定されず、種々のセメントやクリンカを使用することができる。
【0021】
前記アルミナセメントやジェットクリンカに、約3〜10倍程容量の清浄な水を加えてスラリーとし、当該スラリーを常温で数時間〜数日間撹拌して、アルミナセメントやジェットクリンカを水和反応させ、3CaO・Al・6HO等の各種カルシウムアルミネート水和物を得る。特にカルシウムアルミネート水和物として、3CaO・Al・6HOを好適に用いることができることは上記と同様である。水和反応を促進させたい場合には、熱水を使用したり、スラリーを加温あるいはボールミルなどで湿式粉砕しながら、水和反応を行うことにより実施できる。
このようにして得られた各種カルシウムアルミネート水和物を多量に含むスラリーを、デカンタやろ過器を使用して余分な水分を分離した後、例えば約50〜200℃で乾燥する。
【0022】
次いで、乾燥した各種カルシウムアルミネート水和物を、空気中で300〜1100℃の温度範囲で仮焼、例えば1時間仮焼するが、各種カルシウムアルミネート水和物は、乾燥後いったん解砕してから仮焼しても、未解砕のブロック状乾燥ケーキを仮焼しても、いずれの方法を用いても良い。
このように仮焼することにより、カルシウムアルミネート水和物の有害重金属類に対する吸着能力が著しく向上改善される。かかる仮焼による水和物の変化や重金属吸着原理はまだ十分に解明できていないが、カルシウムアルミネート水和物中の水分子が失われ、極めて多孔質で比表面積の大きな12CaO・7AlやCa12Al1433などの各種カルシウムアルミネートが生成するためであることも1つの要因と考えられる。
【0023】
仮焼温度は、少なくとも300℃以上であることが、カルシウムアルミネート水和物の重金属類の吸着性能を向上させる点から望ましく、これは、300℃未満では重金属吸着能力が十分に改善されないからである。一方、1100℃を超える温度での仮焼は、得られるカルシウムアルミネートが溶融または焼結するおそれがある上に、加熱エネルギーが過大となりコスト的にも好ましくない。カルシウムアルミネートが一旦溶融したり、または焼結すると、得られるカルシウムアルミネートが重金属類を有効に吸着することができなくなるためである。
仮焼を終了した材料は、その後急冷あるいは除冷しても良い。このようにして得られた仮焼重金属吸着材は、用途に応じて粉体、ブロック状または造粒して使用することができる。
【0024】
このようにして得られた重金属吸着材には、浄化または処理対象となる排水、廃液、焼却灰、汚染土壌などの性状に応じて、様々な吸着助剤を更に混合添加することができ、その方法は特に限定されず、均一に混合できれば任意の方法を用いることができる。
吸着助剤としては、そのものから有害重金属類が環境基準値を越えて溶出しない限り特に限定されず種々のものが使用できるが、例えばシリカヒューム、非晶質シリカ、シリカゲル、ゼオライト、酸性白土、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、カオリン、メタカオリン、バーミキュライト、アロフェン、イモゴライト、アルミナゲル、ベーマイト、ギブサイト、活性アルミナ、カルサイト、ポルトランドセメント、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、活性炭、金属アルミニウム粉、鉄粉からなる群より選ばれる少なくとも一種以上を、所望する性状に応じて任意量で混合することができ、ポルトランドセメントとしては、改良対象となる土壌の性状や施工コストを考慮した上で、普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩などの各種ポルトランドセメントから任意に一種以上を選択することができる。
【0025】
このようにして得られた重金属吸着材は、有害重金属類を含む排水、廃液、焼却灰、汚染土壌等、広範な浄化、処理対象物に直接適用することにより、有効に重金属類を吸着処理することができる。重金属吸着材の使用量は、含有される重金属の種類、量によって異なるが、例えば、通常、処理対象物100重量部に対して、重金属吸着材を10〜100重量部混合することで、十分に重金属類を吸着処理することができる。
また、重金属を含有する排水、廃液、焼却灰、汚染土壌等を処理するにあたっては、本発明の重金属吸着材を、粉末状で散布混合したり、スラリー状にして混合する方法等、従来の混合方法を使用することで、後述する効果を十分に得ることができる。
【0026】
【実施例】
本発明を、以下の実施例及び比較例を示して更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成カルシウムアルミネート水和物及びその仮焼品の調製
以下の実施例及び比較例で使用する重金属吸着材としての合成カルシウムアルミネート水和物及びその仮焼品を、次のようにして調製した。
特級試薬水酸化カルシウム(キシダ化学株式会社製)に、当該水酸化カルシウムに対して10倍容量の蒸留水を添加して攪拌し、スラリー状にした。当該スラリーを温度50℃に保持しながら、該スラリーにALC発泡用金属アルミニウム微粉末(大和金属粉工業株式会社製)を、水酸化カルシウムと金属アルミニウムとのモル比が1:1となるように少しずつ添加し、攪拌して反応させ、反応系中の金属アルミニウムを完全に溶解させた。
【0027】
得られたスラリーを温度50℃で24時間養生し、次いで50℃で乾燥後、粒径125μm以下になるまで解砕してカルシウムアルミネート水和物を得た。
得られたカルシウムアルミネート水和物をアルミナルツボに入れて電気炉内で60分間それぞれ仮焼し、仮焼後は空気中で放冷して、合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を調製した。
【0028】
アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物及び普通ポルトランドセメント水和物、並びにその仮焼品の調製
以下の実施例及び比較例で使用する重金属吸着材としてのアルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物及び普通ポルトランドセメント水和物、並びにその仮焼品を、次のようにして調製した。
アルミナセメント(製品名 セカール51;ラファージュ社製)、ジェットクリンカ(住友大阪セメント株式会社製)及び普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)を使用し、それぞれ10倍容量の蒸留水を加えて常温(20℃)で24時間撹拌し、次いで50℃で乾燥後、粒径125μm以下になるまで解砕してカルシウムアルミネート水和物、ジェットクリンカ水和物及び普通ポルトランドセメント水和物を得た。
得られた各水和物をアルミナルツボに入れて電気炉内で60分間、それぞれ下記実施例または比較例で示す温度で仮焼し、仮焼後は空気中で放冷して、各仮焼品を調製した。
【0029】
実施例1〜4
蒸留水に二クロム酸カリウム試薬(キシダ化学株式会社製)を溶解して、pH5の六価クロム(濃度;1000mg/l)の重金属溶液を調製した。
一方、仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を重金属吸着材として用い、当該粉末状重金属吸着材1gと前記重金属溶液50mlとを、100mlポリエチレン瓶に密封し、振とう機で4時間撹拌後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表1に示す。
ただし、六価クロムの残存濃度は、JISK0102に準拠してICP−AES(誘導結合型プラズマ発光分光装置)により測定した。また吸着率は、ブランク(比較例1)の六価クロム濃度に対する上記残存濃度の減少量から算出したものである。
【0030】
比較例1
上記実施例1で使用した重金属溶液に、重金属吸着材を添加しない以外は、実施例1と同様にして、ブランク溶液としての六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
比較例2〜4
重金属吸着材として、特級試薬水酸化カルシウム(キシダ化学株式会社製)、仮焼する前の合成カルシウムアルミネート水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
【0031】
実施例5〜8
重金属吸着材として、仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られたアルミナセメント水和物仮焼品を用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表1に示す。
【0032】
比較例5〜7
重金属吸着材として、アルミナセメント(製品名 セカール51;ラファージュ社製)、仮焼する前のアルミナセメント水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃として得られたアルミナセメント水和物仮焼品をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
【0033】
実施例9〜12
重金属吸着材として、仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られたジェットクリンカ水和物仮焼品を用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表1に示す。
【0034】
比較例8〜10
重金属吸着材として、ジェットクリンカ(住友大阪セメント株式会社製)、仮焼する前の前記ジェットクリンカ水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃として得られたジェットクリンカ水和物仮焼品を用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
【0035】
比較例11〜12
重金属吸着材として、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)、仮焼する前の普通ポルトランドセメント水和物(50℃乾燥)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
【0036】
比較例13〜15
重金属吸着材として、高炉水砕スラグ(セメント混合用スラグ;住友金属工業株式会社製)、活性白土(製品名 SA1;日本活性白土株式会社製)、カルシウム型ベントナイト(製品名ベンゲルライト11;豊順鉱業株式会社製)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、六価クロムの残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2005040685
【0038】
【表2】
Figure 2005040685
【0039】
上記実施例1〜12及び比較例2〜10より、合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物をそれぞれ300〜1100℃で仮焼した場合には、六価クロム吸着率が著しく改善され、一方、本発明の重金属吸着材の原料である、水酸化カルシウム、アルミナセメント、ジェットセメントや、仮焼を実施していない水和物(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)や、仮焼温度を200℃として得られた水和物仮焼品(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)は、六価クロム吸着率が極めて低いことがわかる。
【0040】
比較例11〜15より、普通ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント水和物、高炉水砕スラグ、活性白土、カルシウム型ベントナイトには、六価クロムに対する吸着効果はなく、六価クロム吸着率が極めて低いことがわかる。
【0041】
実施例13〜16
pH11のアンモニア水に試薬ニクロム酸カリウム(キシダ化学株式会社製)、試薬モリブデン酸(キシダ化学株式会社製)、試薬亜砒酸(キシダ化学株式会社製)を溶解して、六価クロム(濃度;507mg/l)、モリブデン(濃度;454mg/l)、砒素(濃度;71mg/l)の重金属を3種含有する重金属混合溶液を調製した。仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を重金属吸着材として用い、当該粉末状重金属吸着材5gと前記重金属混合溶液50mlとを、100mlポリエチレン瓶に密封し、振とう機で4時間撹拌後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、前記3種の重金属の残存濃度と吸着率とをそれぞれ測定した。その結果を下記表3に示す。
ただし、各重金属残存濃度は、実施例1と同様に、JISK0102に準拠してICP−AESにより測定した。また吸着率は、ブランク(比較例16)中の各重金属濃度に対する残存濃度の減少量から算出したものである。
【0042】
比較例16
上記実施例13で使用した重金属混合溶液に、重金属吸着材を添加しない以外は、実施例13と同様にして、ブランク溶液としての各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表4に示す。
比較例17〜19
重金属吸着材として、特級試薬水酸化カルシウム(キシダ化学株式会社製)、仮焼する前の合成カルシウムアルミネート水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表4に示す。
【0043】
実施例17〜20
重金属吸着材として、仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られたアルミナセメント水和物仮焼品を用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表3示す。
【0044】
比較例20〜22
重金属吸着材として、アルミナセメント(製品名 セカール51;ラファージュ社製)、仮焼する前の前記アルミナセメント水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃として得られたアルミナセメント水和物仮焼品をそれぞれ用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表4に示す。
【0045】
実施例21〜24
重金属吸着材として、仮焼温度をそれぞれ300℃、600℃、800℃、1100℃として得られた上記ジェットクリンカ水和物仮焼品をそれぞれ用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表3に示す。
【0046】
比較例23〜25
重金属吸着材として、ジェットクリンカ(住友大阪セメント株式会社製)、仮焼する前の前記ジェットクリンカ水和物(50℃乾燥)、仮焼温度を200℃で実施して得られたジェットクリンカ水和物仮焼品を用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表4に示す。
【0047】
比較例26〜29
重金属吸着材として、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)、高炉水砕スラグ(製品名セメント混合用スラグ;住友金属工業株式会社製)、活性白土(製品名SA1;日本活性白土株式会社製)、カルシウム型ベントナイト(製品名ベンゲルブライト11;豊順鉱業株式会社製)をそれぞれ用いた以外は、実施例13と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表4に示す。
【0048】
【表3】
Figure 2005040685
【0049】
【表4】
Figure 2005040685
【0050】
上記実施例13〜24及び比較例17〜25より、合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物をそれぞれ300〜1100℃で仮焼した場合には、六価クロム、モリブデン及び砒素のすべての重金属の吸着率が同時に著しく改善され、一方、本発明の重金属吸着材の原料である、水酸化カルシウム、アルミナセメント、ジェットセメントや、仮焼を実施していない水和物(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)や、仮焼温度を200℃で行った水和物仮焼品(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)は、六価クロム、モリブデン吸着率は極めて低いことがわかる。
【0051】
比較例26〜29より、普通ポルトランドセメント、高炉水砕スラグ、活性白土、カルシウム型ベントナイトの場合には、六価クロム及びモリブデンに対する吸着効果はなく、六価クロム及びモリブデンの吸着率は極めて低いことがわかる。
なお砒素に関しては、比較例28及び29を除いたすべての事例で効率よく吸着したため、水和物の差異および仮焼の有無による差はないものと考えられる。
【0052】
実施例25
pH13の水酸化ナトリウム水溶液に、試薬塩化鉛(キシダ化学株式会社製)、試薬モリブデン酸(キシダ化学株式会社製)、試薬亜砒酸(キシダ化学株式会社製)を溶解して、鉛(濃度;412mg/l)、モリブデン(濃度;213mg/l)、砒素(濃度;22mg/l)の重金属を3種含有する重金属混合溶液を調製した。
仮焼温度を800℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を重金属吸着材として用い、当該粉末状重金属吸着材5gと前記重金属混合溶液50mlとを、100mlポリエチレン瓶に密封し、振とう機で4時間撹拌後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、前記3種の重金属の残存濃度と吸着率とをそれぞれ測定した。その結果を下記表5に示す。
ただし、各重金属残存濃度は、実施例1と同様に、JISK0102に準拠してICP−AESにより測定した。また吸着率は、ブランク(比較例30)中の各重金属濃度に対する残存濃度の減少量から算出したものである。
【0053】
比較例30
上記実施例25で使用した重金属混合溶液に、重金属吸着材を添加しない以外は、実施例25と同様にして、ブランク溶液としての各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
比較例31〜32
重金属吸着材として、特級試薬水酸化カルシウム(キシダ化学株式会社製)、仮焼する前の前記合成カルシウムアルミネート水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0054】
実施例26
重金属吸着材として、前記合成カルシウムアルミネート水和物800℃仮焼品の代わりに、アルミナセメント水和物800℃仮焼品を用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0055】
比較例33〜34
重金属吸着材として、アルミナセメント(製品名 セカール51;ラファージュ社製)、仮焼する前のアルミナセメント水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0056】
実施例27
重金属吸着材として、合成カルシウムアルミネート水和物800℃仮焼品の代わりに、ジェットクリンカ水和物800℃仮焼品を用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0057】
比較例35〜36
重金属吸着材として、ジェットクリンカ(住友大阪セメント株式会社製)、仮焼する前のジェットクリンカ水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0058】
比較例37〜41
重金属吸着材として、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)、高炉スラグ(製品名セメント混合用スラグ;住友金属工業株式会社製)、活性白土(製品名SA1;日本活性白土株式会社製)、アタパルジャイト(製品名アタゲルDC150;三共精粉株式会社製)、セピオライト(製品名ファイバーS;日本タルク株式会社製)をそれぞれ用いた以外は、実施例25と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表5に示す。
【0059】
【表5】
Figure 2005040685
【0060】
上記実施例25〜27及び比較例31〜36より、合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物をそれぞれ800℃で仮焼した場合には、鉛、モリブデン及び砒素のすべての重金属の吸着率が同時に著しく改善され、一方、本発明の重金属吸着材の原料である、水酸化カルシウム、アルミナセメント、ジェットセメントや、仮焼を実施していない水和物(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)は、鉛、モリブデン吸着率が極めて低いことがわかる。
【0061】
比較例37〜38より、普通ポルトランドセメント、高炉水砕スラグは、鉛とモリブデンとの吸着率が低く、比較例39〜41より、粘土鉱物である活性白土、アタパルジャイト、セピオライトの場合には、鉛の吸着率は高かったが、モリブデンと砒素の吸着率は極めて低かった。
なお砒素に関しては、比較例38〜41を除いたすべての事例で効率よく吸着したため、水和物の差異および仮焼の有無による差はないものと考えられる。
【0062】
実施例28
pH1の希硝酸に、試薬ニクロム酸カリウム(キシダ化学株式会社製)、試薬モリブデン酸(キシダ化学株式会社製)、試薬酸化カドミウム(キシダ化学株式会社製)を溶解して、六価クロム(濃度;408mg/l)、モリブデン(濃度;134mg/l)、カドミウム(濃度;50mg/l)の重金属を3種含有する重金属混合溶液を調製した。
仮焼温度を800℃として得られた合成カルシウムアルミネート水和物仮焼品を重金属吸着材として用い、当該粉末状重金属吸着材5gと前記重金属混合溶液50mlとを、100mlポリエチレン瓶に密封し、振とう機で4時間撹拌後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過して、前記3種の重金属の残存濃度と吸着率とをそれぞれ測定した。その結果を下記表6に示す。
ただし、各重金属残存濃度は、実施例1と同様に、JISK0102に準拠してICP−AESにより測定した。また吸着率は、ブランク(比較例42)中の各重金属濃度に対する残存濃度の減少量から算出したものである。
【0063】
比較例42
上記実施例28で使用した重金属混合溶液に、重金属吸着材を添加しない以外は、実施例28と同様にして、ブランク溶液としての各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表7に示す。
比較例43〜44
重金属吸着材として、特級試薬水酸化カルシウム(キシダ化株式会社製)、仮焼する前の前記合成カルシウムアルミネート水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表7に示す。
【0064】
実施例29
重金属吸着材として、前記合成カルシウムアルミネート水和物800℃仮焼品の代わりに、アルミナセメント水和物800℃仮焼品を用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表6に示す。
【0065】
比較例45〜46
重金属吸着材として、アルミナセメント(製品名 セカール51;ラファージュ社製)、仮焼する前のアルミナセメント水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表7に示す。
【0066】
実施例30
重金属吸着材として、前記合成カルシウムアルミネート水和物800℃仮焼品の代わりに、ジェットクリンカ水和物800℃仮焼品を用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表6に示す。
【0067】
比較例47〜48
重金属吸着材として、ジェットクリンカ(住友大阪セメント株式会社製)、仮焼する前のジェットクリンカ水和物(50℃乾燥)を用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表7に示す。
【0068】
比較例49〜53
重金属吸着材として、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント株式会社製)、高炉水砕スラグ(製品名セメント混合用スラグ;住友金属工業株式会社製)、活性白土(製品名SA1;日本活性白土株式会社製)、アタパルジャイト(製品名アタゲルDC150;三共精粉株式会社製)、セピオライト(製品名ファイバーS;日本タルク株式会社製)をそれぞれ用いた以外は、実施例28と同様にして、各重金属残存濃度と吸着率とを測定した。その結果を下記表7に示す。
【0069】
【表6】
Figure 2005040685
【0070】
【表7】
Figure 2005040685
【0071】
上記実施例28〜30及び比較例43〜48より、合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物をそれぞれ800℃で仮焼した場合には、六価クロム、モリブデン及びカドミウムのすべての重金属の吸着率が同時に著しく改善され、一方、本発明の重金属吸着材の原料である、水酸化カルシウム、アルミナセメント、ジェットセメントや、仮焼を実施していない水和物(合成カルシウムアルミネート水和物、アルミナセメント水和物、ジェットクリンカ水和物)は、六価クロム、モリブデン吸着率が極めて低いことがわかる。
【0072】
比較例49及び53より、普通ポルトランドセメント、セピオライトは、カドミウムの吸着率が高かったが、六価クロムとモリブデンの吸着率は極めて低かった。
比較例50〜52より、高炉水砕スラグ、活性白土、アタパルジャイトの場合には、重金属3種すべての吸着率が極めて低かった。
なおカドミウムに関しては、比較例50〜53を除いたすべての事例で効率よく吸着したため、水和物の差異および仮焼の有無による差はないものと考えられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の重金属吸着材は、工場排水、鉱山廃水、焼却灰、ばいじん、汚染土壌等に含まれる六価クロム、モリブデン、砒素、鉛、カドミウム、銅などの有害重金属類を同時に吸着除去または吸着固定することができ、従って、例えば排水の浄化、焼却灰や汚染土壌中の有害重金属類の不溶化(封じ込め)を低コストで行うことを可能とする。
また、本発明の重金属類の処理方法は、上記本発明の重金属吸着材を用いて、工場排水、鉱山廃水、焼却灰、ばいじん、汚染土壌等と直接混合することにより、重金属を同時に吸着除去または吸着固定することを簡便に行うことを可能とする。

Claims (7)

  1. 300〜1100℃で仮焼したカルシウムアルミネート水和物を主成分とすることを特徴とする重金属吸着材。
  2. 請求項1記載の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が、水酸化カルシウムと金属アルミニウムと水とから合成した合成カルシウムアルミネート水和物であることを特徴とする重金属吸着材。
  3. 請求項2記載の重金属吸着材において、水酸化カルシウムと金属アルミニウムとのモル比が2:1〜1:2の範囲であることを特徴とする重金属吸着材。
  4. 請求項1記載の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が、アルミナセメントまたはジェットクリンカの水和反応によって得られたカルシウムアルミネート水和物であることを特徴とする重金属吸着材。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項記載の重金属吸着材において、カルシウムアルミネート水和物が3CaO・Al・6HOであることを特徴とする重金属吸着材。
  6. 請求項1〜5いずれかの項記載の重金属吸着材において、更にシリカヒューム、非晶質シリカ、シリカゲル、ゼオライト、酸性白土、活性白土、セピオライト、アタパルジャイト、ベントナイト、カオリン、メタカオリン、バーミキュライト、アロフェン、イモゴライト、アルミナゲル、ベーマイト、ギブサイト、活性アルミナ、カルサイト、ポルトランドセメント、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、活性炭、金属アルミニウム粉、鉄粉からなる群より選ばれる少なくとも一種の吸着助剤を含有することを特徴とする重金属吸着材。
  7. 請求項1〜6いずれかの項記載の重金属吸着材を、重金属を含有する処理対象物に混合することを特徴とする重金属処理方法。
JP2003201580A 2003-07-25 2003-07-25 重金属吸着材及び重金属処理方法 Pending JP2005040685A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201580A JP2005040685A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 重金属吸着材及び重金属処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003201580A JP2005040685A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 重金属吸着材及び重金属処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005040685A true JP2005040685A (ja) 2005-02-17

Family

ID=34261595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003201580A Pending JP2005040685A (ja) 2003-07-25 2003-07-25 重金属吸着材及び重金属処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005040685A (ja)

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006239583A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Mie Univ 水質浄化用焼結体及びその製造方法
JP2008259957A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 食品加工廃水の処理材および食品加工廃水の処理方法
CN102464376A (zh) * 2011-10-20 2012-05-23 常州亚环环保科技有限公司 一种利用生物废渣基处理含铅废水的方法
JP2013039551A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Univ Of Tokyo 水質浄化材の製造方法
CN103073252A (zh) * 2013-01-09 2013-05-01 上海大学 一种废物基磁性复合材料的制备方法
WO2015108347A1 (ko) * 2014-01-20 2015-07-23 부경대학교 산학협력단 팽창질석을 이용한 중금속 흡착 제거 방법
CN105126741A (zh) * 2015-07-14 2015-12-09 厦门紫金矿冶技术有限公司 一种重金属无机吸附材料及其制备方法和应用
CN105289470A (zh) * 2015-11-18 2016-02-03 中国科学院兰州化学物理研究所 利用抗生素废水制备负载生物炭的凹凸棒石纳米复合材料的方法
JP2016080486A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 株式会社神垣組 放射性物質吸着材及びその利用
CN105727881A (zh) * 2016-03-31 2016-07-06 环境保护部华南环境科学研究所 一种碱改性凹凸棒土吸附剂及其制备方法
CN105905974A (zh) * 2016-06-27 2016-08-31 北京化工大学 一种磷改性纳米片状氧化铝在去除水中镉离子方面的应用
CN105950153A (zh) * 2016-07-05 2016-09-21 湖南省环境保护科学研究院 一种污染土壤用复合稳定剂及其处理污染土壤的方法
CN106044893A (zh) * 2016-07-29 2016-10-26 周圣聪 一种城镇污水强化处理剂及其制备方法和应用
CN106890720A (zh) * 2017-03-30 2017-06-27 兰州坤仑环保科技有限公司 一种碱螯合坡缕石基重金属钝化材料的制备方法
CN107008224A (zh) * 2017-04-11 2017-08-04 明光市外泰高分子材料有限公司 一种酸化凹凸棒石粘土的方法
CN107032526A (zh) * 2017-06-02 2017-08-11 复旦大学 一种去除饮用原水中重金属镉的方法
CN107188261A (zh) * 2017-06-02 2017-09-22 北京中科康仑环境科技研究院有限公司 一种含钼酸性废水的资源化处理工艺
CN107398258A (zh) * 2017-08-07 2017-11-28 中国科学院新疆理化技术研究所 一种表面有机改性修饰蛭石复合材料的制备方法及用途
CN107500618A (zh) * 2017-07-05 2017-12-22 昆明理工大学 一种高砷重金属污泥和铁锰渣综合利用的方法
CN108383540A (zh) * 2018-03-10 2018-08-10 内蒙古科技大学 一种改性粉煤灰陶瓷及其制备方法和应用
CN108654557A (zh) * 2018-05-30 2018-10-16 芜湖格丰环保科技研究院有限公司 一种水体六价铬深度吸附稳定化材料及其制备方法和应用
CN109304139A (zh) * 2017-07-27 2019-02-05 沈金池 一种提高凹凸棒土吸附性能的改性工艺
CN109499531A (zh) * 2018-11-30 2019-03-22 昆明理工大学 一种用于生活污水处理的吸附材料、制备方法及其应用
CN110040808A (zh) * 2019-04-23 2019-07-23 襄阳先创环保科技有限公司 一种有机反应废液的净化处理剂和处理方法
CN110314644A (zh) * 2019-07-24 2019-10-11 西安建筑科技大学 一种用于吸附重金属离子的硫铝酸盐水泥-膨润土复合材料及其制备方法和应用
CN110327892A (zh) * 2019-05-28 2019-10-15 昌鑫生态科技(陕西)有限公司 高性能吸附材料
CN110508238A (zh) * 2019-08-20 2019-11-29 中科院广州能源所盱眙凹土研发中心 半干法酸化制备凹凸棒石基活性白土的方法
CN110570964A (zh) * 2017-12-27 2019-12-13 兰州大学 一种高放废物处置库回填材料及其制备方法
CN111099798A (zh) * 2018-10-26 2020-05-05 南京化学工业园环保产业协同创新有限公司 一种污水处理污泥重金属稳定剂制备方法
CN111285379A (zh) * 2020-03-17 2020-06-16 塔里木大学 一种蛭石加工洁净综合利用系统和方法
CN113028436A (zh) * 2021-02-08 2021-06-25 华北电力大学 一种对燃煤烟气中污染物进行脱除的系统和方法
CN113913619A (zh) * 2021-10-11 2022-01-11 北京科技大学 一种二次铝灰高效除氮及制备预熔型铝酸钙精炼剂的方法
CN114292067A (zh) * 2021-12-27 2022-04-08 海南大学 一种用于吸附水和土壤中重金属离子的水泥材料及其制备方法

Cited By (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006239583A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Mie Univ 水質浄化用焼結体及びその製造方法
JP2008259957A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Denki Kagaku Kogyo Kk 食品加工廃水の処理材および食品加工廃水の処理方法
JP2013039551A (ja) * 2011-08-19 2013-02-28 Univ Of Tokyo 水質浄化材の製造方法
CN102464376A (zh) * 2011-10-20 2012-05-23 常州亚环环保科技有限公司 一种利用生物废渣基处理含铅废水的方法
CN103073252A (zh) * 2013-01-09 2013-05-01 上海大学 一种废物基磁性复合材料的制备方法
CN103073252B (zh) * 2013-01-09 2014-12-03 上海大学 一种废物基磁性复合材料的制备方法
WO2015108347A1 (ko) * 2014-01-20 2015-07-23 부경대학교 산학협력단 팽창질석을 이용한 중금속 흡착 제거 방법
JP2016080486A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 株式会社神垣組 放射性物質吸着材及びその利用
CN105126741A (zh) * 2015-07-14 2015-12-09 厦门紫金矿冶技术有限公司 一种重金属无机吸附材料及其制备方法和应用
CN105289470A (zh) * 2015-11-18 2016-02-03 中国科学院兰州化学物理研究所 利用抗生素废水制备负载生物炭的凹凸棒石纳米复合材料的方法
CN105727881A (zh) * 2016-03-31 2016-07-06 环境保护部华南环境科学研究所 一种碱改性凹凸棒土吸附剂及其制备方法
CN105727881B (zh) * 2016-03-31 2018-06-19 环境保护部华南环境科学研究所 一种碱改性凹凸棒土吸附剂及其制备方法
CN105905974A (zh) * 2016-06-27 2016-08-31 北京化工大学 一种磷改性纳米片状氧化铝在去除水中镉离子方面的应用
CN105950153A (zh) * 2016-07-05 2016-09-21 湖南省环境保护科学研究院 一种污染土壤用复合稳定剂及其处理污染土壤的方法
CN106044893A (zh) * 2016-07-29 2016-10-26 周圣聪 一种城镇污水强化处理剂及其制备方法和应用
CN106890720A (zh) * 2017-03-30 2017-06-27 兰州坤仑环保科技有限公司 一种碱螯合坡缕石基重金属钝化材料的制备方法
CN107008224A (zh) * 2017-04-11 2017-08-04 明光市外泰高分子材料有限公司 一种酸化凹凸棒石粘土的方法
CN107032526A (zh) * 2017-06-02 2017-08-11 复旦大学 一种去除饮用原水中重金属镉的方法
CN107188261A (zh) * 2017-06-02 2017-09-22 北京中科康仑环境科技研究院有限公司 一种含钼酸性废水的资源化处理工艺
CN107500618A (zh) * 2017-07-05 2017-12-22 昆明理工大学 一种高砷重金属污泥和铁锰渣综合利用的方法
CN107500618B (zh) * 2017-07-05 2020-02-07 昆明理工大学 一种高砷重金属污泥和铁锰渣综合利用的方法
CN109304139A (zh) * 2017-07-27 2019-02-05 沈金池 一种提高凹凸棒土吸附性能的改性工艺
CN107398258A (zh) * 2017-08-07 2017-11-28 中国科学院新疆理化技术研究所 一种表面有机改性修饰蛭石复合材料的制备方法及用途
CN107398258B (zh) * 2017-08-07 2020-06-09 中国科学院新疆理化技术研究所 一种表面有机改性修饰蛭石复合材料的制备方法及用途
CN110570964A (zh) * 2017-12-27 2019-12-13 兰州大学 一种高放废物处置库回填材料及其制备方法
CN110570964B (zh) * 2017-12-27 2023-07-14 兰州大学 一种高放废物处置库回填材料及其制备方法
CN108383540A (zh) * 2018-03-10 2018-08-10 内蒙古科技大学 一种改性粉煤灰陶瓷及其制备方法和应用
CN108654557A (zh) * 2018-05-30 2018-10-16 芜湖格丰环保科技研究院有限公司 一种水体六价铬深度吸附稳定化材料及其制备方法和应用
CN111099798A (zh) * 2018-10-26 2020-05-05 南京化学工业园环保产业协同创新有限公司 一种污水处理污泥重金属稳定剂制备方法
CN109499531B (zh) * 2018-11-30 2021-12-03 昆明理工大学 一种用于生活污水处理的吸附材料、制备方法及其应用
CN109499531A (zh) * 2018-11-30 2019-03-22 昆明理工大学 一种用于生活污水处理的吸附材料、制备方法及其应用
CN110040808A (zh) * 2019-04-23 2019-07-23 襄阳先创环保科技有限公司 一种有机反应废液的净化处理剂和处理方法
CN110327892A (zh) * 2019-05-28 2019-10-15 昌鑫生态科技(陕西)有限公司 高性能吸附材料
CN110314644A (zh) * 2019-07-24 2019-10-11 西安建筑科技大学 一种用于吸附重金属离子的硫铝酸盐水泥-膨润土复合材料及其制备方法和应用
CN110508238A (zh) * 2019-08-20 2019-11-29 中科院广州能源所盱眙凹土研发中心 半干法酸化制备凹凸棒石基活性白土的方法
CN111285379A (zh) * 2020-03-17 2020-06-16 塔里木大学 一种蛭石加工洁净综合利用系统和方法
CN113028436A (zh) * 2021-02-08 2021-06-25 华北电力大学 一种对燃煤烟气中污染物进行脱除的系统和方法
CN113913619A (zh) * 2021-10-11 2022-01-11 北京科技大学 一种二次铝灰高效除氮及制备预熔型铝酸钙精炼剂的方法
CN114292067A (zh) * 2021-12-27 2022-04-08 海南大学 一种用于吸附水和土壤中重金属离子的水泥材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005040685A (ja) 重金属吸着材及び重金属処理方法
JP2005255737A (ja) 廃棄物を用いた重金属吸着材の製造方法及び当該方法により得られた重金属吸着材
Chen et al. Precipitation of heavy metals from wastewater using simulated flue gas: sequent additions of fly ash, lime and carbon dioxide
JP2005254077A (ja) 重金属吸着材の製造方法及び当該方法により得られた重金属吸着材
JP5905669B2 (ja) 有害物質の処理材及び有害物質の処理方法
Zhou et al. Reductive solidification/stabilization of chromate in municipal solid waste incineration fly ash by ascorbic acid and blast furnace slag
US20110020199A1 (en) Process for enhanced remediation of contaminated wastewaters, soils and wasteforms
JP2006272144A (ja) 重金属不溶化材及び重金属処理方法
JP2006272145A (ja) 重金属不溶化材及び重金属処理方法
TWI597243B (zh) Hazardous material handling materials and methods of their manufacture, handling of hazardous materials
JP2003225640A (ja) 汚染土壌用固化不溶化剤
JP5768293B2 (ja) フッ素含有無機系廃棄物を用いる土壌固化材の製造方法及び得られた土壌固化材並びに同土壌固化材を用いる軟弱な土壌の固化方法
JP3877712B2 (ja) ヒ素及び/又はセレンの捕集材
JP3919648B2 (ja) 有害重金属捕集材
JPH10137716A (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JP4718420B2 (ja) フッ素捕集材及びそれを用いてなる水質浄化方法
JP2000093927A (ja) 有害物質固定化材
JP3897727B2 (ja) 有害物質捕集材
JP3724062B2 (ja) 廃棄物処理材および廃棄物処理方法
JP4036803B2 (ja) モリブデン捕集材
JP3804950B2 (ja) 有害重金属捕集材
JP4036723B2 (ja) 有害重金属低減材
Wang et al. Green and Sustainable Stabilization/Solidification
JP3841738B2 (ja) 有害重金属低減材
Wang et al. 15 Green and Sustainable

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080213