JP2005037593A - 柔軟性容器用粘着ラベル及び該ラベルを貼着した柔軟性容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルム状基材の一方の面に粘着剤層を設けた柔軟性容器用粘着ラベルであって、前記基材がポリプロピレンフィルム又はポリエチレンフィルムであり、且つ前記基材の引張弾性率が0.4〜1.0GPaであることを特徴とする柔軟性容器用粘着ラベルを用いる。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性容器に貼着して使用するための柔軟性容器用粘着ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
粘着ラベルは、商品名やブランド名の表示、装飾、消費者の需要喚起や使用上の注意事項を示すことなどを目的に、食料品や日常生活品に貼着され、様々な用途で使用されている。粘着ラベルを使用する用途の中で、点眼薬や点鼻薬等の医薬品が入った容器、修正液の容器や洗顔剤等のチューブ容器、あるいはマヨネーズやケチャップ等が入っている容器等に貼着して使用する場合がある。このような用途に使用される柔軟性容器から内容物を搾り出す際には、容器が大きく変形するために、粘着ラベルがその変形に追従できずに剥がれやシワが発生してしまう問題があった。
【0003】
柔軟性容器に貼着する粘着ラベルとしては、ポリプロピレンフィルムまたはポリエチレンフィルムを基材フィルムとして用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンの混合組成物からなるフィルム、あるいは低密度ポリエチレン層と直鎖状低密度ポリエチレン層を積層した多層構造のフィルムを基材フィルムとして用いる技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
ところで、柔軟性容器に貼着する粘着ラベルには、上記の容器の変形に追従する特性(スクイズ適性)の他に、自動ラベラー機を使用して柔軟性容器に粘着ラベルを自動的に貼着する際の、粘着ラベルが剥離紙からスムーズに剥離して柔軟性容器の所定位置にずれることなく貼着される適性(オートラベラー適性)が求められている。更に、何らかの原因により粘着ラベルがずれて貼られてしまった場合、粘着ラベルを柔軟性容器から一旦剥がして、貼り直すことが必要になる。この場合、柔軟性容器から剥がした粘着ラベルはカール等の変形を発生したり、破断したりすることが無く、元の形状を保持していることが必要である(リワーク性)。
【0005】
本発明者等が検討するところによれば、前記従来技術において開示されている粘着ラベルでは、柔軟性容器に貼着して使用する粘着ラベルに必要なスクイズ適性、及びオートラベラー適性が未だ不十分であり、特に、リワーク適性に関しては全く満足できるものではなかった。
【0006】
【特許文献1】
実案2606888号公報
【特許文献1】
特開平5−46092号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、柔軟性容器に貼着した後に、再剥離した場合であっても、カール等の変形や破断等が発生せず、再貼着が可能なリワーク適性に優れた柔軟性容器用粘着ラベルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記課題を解決し、更にスクイズ適性とオートラベラー適性の優れた柔軟性容器用粘着ラベルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、リワーク適性、スクイズ適性、オートラベラー適性を満足する粘着ラベルについて鋭意研究を重ねた結果、フィルム状基材の一方の面に粘着剤層を設けた柔軟性容器用粘着ラベルであって、前記基材がポリプロピレンフィルム又はポリエチレンフィルムであり、且つ前記基材の引張弾性率が0.4〜1.0GPaであることを特徴とする柔軟性容器用粘着ラベルが上記課題を達成できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】
(粘着ラベルの構成)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルは、フィルム状基材の一方の面に粘着剤の層を設けた構造を基本構成とし、フィルム状基材の表面(粘着剤層を設けた面と逆側の面)に印刷したり、粘着剤層の表面(フィルム状基材に接している面と逆側の面)を剥離シートで保護しても良い。
【0010】
(フィルム状基材の引張弾性率)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルに使用するフィルム状基材は、室温23℃且つ湿度50%における引張弾性率が、0.4〜1.0GPaの範囲の物性を有するフィルムである。引張弾性率の範囲は、好ましくは0.5〜0.9GPaであり、さらに好ましくは0.5〜0.7GPaである。引張弾性率が0.4GPa未満である場合は、リワーク適性及びオートラベラー適性が得難くなり、1.0GPaを超えるとスクイズ適性が得難くなる。
【0011】
(フィルム状基材の材質)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルに使用するフィルム状基材の材質は、ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンフィルムであれば特に限定されるものではないが、中でも非延伸ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレンであることが好ましい。また、非延伸ポリプロピレンと高密度ポリエチレンを積層させたものでもよい。ポリプロピレンとして、二軸延伸ポリプロピレンを使用する場合は、延伸比率が、100〜150%の二軸延伸ポリプロピレンであることが好ましい。この範囲であると二軸延伸ポリプロピレンの引張弾性率を上記範囲にすることが容易である。なお、延伸比率とは、下記式で求められる値である。
延伸比率(%)=(延伸プラスチックの断面積/延伸前のプラスチックの断面積)×100
【0012】
(フィルム状基材の厚み)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルに使用するフィルム状基材の厚みは、60〜100μmが好ましく、さらに好ましくは75〜85μmである。厚みが上記範囲であると、リワーク適性に優れ、且つオートラベラー適性及びスクイズ適性を同時に良好にすることができる。また、曲面へ貼着した場合の経時での剥がれが起こり難い。
【0013】
(フィルム状基材の製膜)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルに使用するフィルム状基材は、公知の方法により生産することができる。例えば、ポリプロピレン樹脂や高密度ポリエチレン樹脂等を加熱溶融し、Tダイ、サーキュラーダイ等で連続的に押し出してから冷却することでフィルムを製膜することができる。
【0014】
(フィルム状基材への表面処理)
フィルム状基材の表面に印刷を行う場合には、表面をコロナ処理したり、アンカーコート層を設けたりすることで、インキ等の印刷層をフィルム状基材へ密着しやすくすることが好ましい。同様に、粘着剤層を積層する表面にも、コロナ処理を行ったり、アンカーコート層を設けることで、フィルム状基材表面と粘着剤層との密着性を向上させることができる。
【0015】
(アンカーコート層)
アンカーコート層は、印刷層受理性樹脂と分散媒からなるアンカーコート剤をフィルム状基材の表面に塗工し、乾燥することにより形成することができる。印刷層受理性樹脂としては、公知のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース等を使用することができる。分散媒には、フィルム状基材を溶解しないものを選択する。例えば、イソプロピルアルコールやエタノール等のアルコールを主体とするものが挙げられる。また、公知の乳化剤を用いて分散媒に水を使用して印刷層受理性樹脂を乳化したエマルジョンを用いてもよい。また、アンカーコート層を設けたフィルム状基材をロール状に巻く必要がある場合、該アンカーコート層により不必要にフィルム状基材が密着してしまう場合には、ブロッキング防止剤を添加してもよい。ブロッキング防止剤としては、公知の合成シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機系添加剤、ポリエチレンワックス樹脂等の有機系添加剤を使用することができる。アンカーコート剤の配合は、印刷層受理性樹脂20〜30質量部、分散媒は60〜70質量部、ブロッキング防止剤1〜5質量部が好ましい。アンカーコート層の塗工量は、乾燥重量で0.5〜3.0g/m2が好ましく、1.0〜2.0g/m2がより好ましい。
【0016】
(アンカーコート剤の塗工方法)
アンカーコート剤のフィルム状基材への塗工は公知の方法で行われる。例えば、ナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター等を使用して塗工することができる。好ましくは、グラビアコーターである。
【0017】
(粘着剤)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルに使用する粘着剤は、ポリマーの種類として、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系等が挙げられる。また、粘着剤の形態として溶剤系、エマルジョン型粘着剤や水溶性粘着剤等の水系、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系等が挙げられる。特に、耐熱性、耐候性、低コスト性の観点からアクリル系粘着剤が好適に用いられる。
【0018】
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を主成分とするものが適している。(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、主モノマー、凝集性モノマー、官能基含有モノマー等を構成成分とし、公知の重合方法により合成することができる。主モノマーには、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート、イソオクチルアクリレート等が挙げられ、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好適である。凝集性モノマーには、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアマイド、スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等が挙げられる。官能基含有モノマーには、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。さらに必要に応じて、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤や、イソシアネート系、エポキシ系、金属キレート系、メラミン系、オキサゾリン系等の架橋剤を使用しても良い。これらのモノマー、連鎖移動剤、架橋剤の種類や使用量を変化させながら、下記に記載した粘着力が得られるような粘着剤に調製していく。
【0019】
(柔軟性容器用粘着ラベルの粘着力)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルの粘着力は、ポリエチレン板に対する180度引き剥がし粘着力である。本発明の柔軟性容器用粘着ラベルの粘着力は、引き剥がし速度5mm/分の条件下で、4N/25mm以上であることが好ましく、6N/25mm以上であることが更に好ましい。本発明におけるポリエチレン板に対する180度引き剥がし粘着力の測定方法は、JIS Z0237に準じた下記に記載した測定方法である。
【0020】
柔軟性容器用粘着ラベルを幅25mm、長さ100mmに切断し、化学的あるいは物理的な表面処理を施していない平滑な表面を有するポリエチレン板に貼着し、2kgローラーで1往復圧着した後、室温23℃、湿度50%の環境下に1時間放置した後、引っ張り試験機(株式会社エーアンドディー製 RTA100など)にて、引き剥がし速度5mm/分の条件下で、180度引き剥がし粘着力を測定する。
【0021】
ポリエチレン板に対する180度引き剥がし粘着力が4N/25mm以上である場合には、スクイズ適性が一層向上するとともに、曲面へ貼着した場合の経時での剥がれが起こり難くなる効果が得られ、ポリエチレンやポリプロピレンを主成分とする柔軟性容器類へ貼着する場合に好適である。
【0022】
(粘着剤層の厚み)
粘着剤の厚みは、乾燥後の厚みで10〜40μmが好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。10μmより薄い場合は十分な粘着力が得られず、40μmを超えると各種の形状に打ち抜いた際に粘着剤がラベルの端部からはみだしやすくなる。
【0023】
(剥離シート)
剥離シートとしては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙、ポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗布した紙、PETやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッソ樹脂やシリコーン樹脂等を塗布したもの等が挙げられる。
【0024】
(フィルム状基材への粘着剤の積層方法)
上記粘着剤をフィルム状基材に積層する方法は、例えば、粘着剤を剥離シートに塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、基材を貼り合わせる方法で得られる。また、粘着剤を基材に塗工し、乾燥、熱硬化、電離放射線硬化等による処理を行い、剥離シートを貼り合わせる方法でも得られる。
【0025】
(柔軟性容器用粘着ラベルの印刷加工)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルは、フィルム状基材表面に公知の印刷方法で印刷し、目的とする形状に加工して使用される。例えば、シール印刷加工機で、目的とする図柄にUVインキで印刷した後UV照射し、印刷層、フィルム状基材層、粘着剤層までをゼンマイ刃で目的の形状に打ち抜き、不要部分を除去するカス上げを行い、ロール状に巻き取る方法がある。
【0026】
(容器類への貼着方法)
前記印刷加工した柔軟性容器用粘着ラベルを容器類へ貼着する方法は特に限定されないが、オートラベラーで貼着する場合に、本発明の効果が最も現れる。詳しくは、粘着ラベルを順次自動で送り出しながら容器類へ貼着していくオートラベラーにおいて、本発明の柔軟性容器用粘着ラベルは、フィルム状基材にオートラベラーに必要な適度な剛度を有しているために、粘着ラベルが剥離シートから上手く剥離できないトラブルや貼着位置がずれるといったトラブルがなく、容器類へ確実に貼着することができる。
【0027】
(柔軟性容器用粘着ラベルの使用用途)
本発明の柔軟性容器用粘着ラベルの使用用途としては特に限定されないが、柔軟性容器に使用する場合に、本発明の効果が最も現れる。柔軟性容器としては、紙系、金属系、樹脂系の柔軟性容器が使用可能である。樹脂製の容器としては、軟質塩化ビニル系、ポリエステル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、スチレンブタジエン系、ゴム系等の樹脂が挙げられるが、本発明の柔軟性容器用粘着ラベルを貼着する柔軟性容器としては、特にポリプロピレン系及びポリエチレン系の容器が好適である。
【0028】
【実施例】
以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りがない限り質量基準を示す。
【0029】
(アンカーコート剤の調製)
印刷層受理性樹脂としてアクリル樹脂(綜研化学社製「サーモラックEF−32」)を30部、分散媒としてエタノールとイソプロピルアルコールの4:1混合溶剤を65部、ブロッキング防止剤として合成シリカ(富士シリシア化学社製「サイリシア350」)を5部添加し、合計100部の配合液を調製した。ペイントコンディショナーを使用して配合液を20分間分散し、固形分35%のアンカーコート剤を得た。
【0030】
(粘着剤Aの調製)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート92.9部、酢酸ビニル5部、アクリル酸2部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部と重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合して、質量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液の固形分100部に対して特殊ロジンエステル系粘着付与樹脂(荒川化学工業社製「スーパーエステルA100」)を10部およびロジンエステル系粘着付与樹脂(荒川化学工業社製「ペンセルD135」)を10部添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分45%の粘着剤主剤を得た。粘着剤主剤100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を1.7部添加し、15分間攪拌して粘着剤Aを得た。
【0031】
(粘着剤Bの調製)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート91.4部、酢酸ビニル5部、メタクリル酸3.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1部と重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合して、質量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液の固形分100部に対して石油樹脂系粘着付与樹脂(三井化学社製「FTR−6100」)を20部添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分50%の粘着剤主剤を得た。上記粘着剤主剤100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を2.2部添加し、15分間攪拌して粘着剤Bを得た。
【0032】
(実施例1)
(フィルム状基材の調製)
メルトフローレート0.7g/10分、密度942kg/m3の高密度ポリエチレンを、押出機に供給して200℃で溶融させ、Tダイで連続的に押し出して厚さ80μmの元フィルムを作製した。得られた元フィルムの片面に420mNのコロナ処理を行った上に上記アンカーコート剤をグラビアコーターにて塗工し、乾燥後塗工量1.5g/m2のアンカーコート層を設けたフィルム状基材を得た。
【0033】
(フィルム状基材と粘着剤の積層)
ポリエチレンをラミネートしたグラシン紙の表面にシリコーン樹脂を塗布した剥離シートに、上記粘着剤Aを乾燥後の塗工厚が20μmとなるように塗工し、80℃で90秒間乾燥した。上記フィルム状基材のアンカーコート層を有していない面に420mNのコロナ処理を行った上で粘着剤層と積層して、実施例1のラベル用原反を作製した。
【0034】
(印刷加工)
シール印刷加工機(OPM−W150、恩田製作所製)において、UVインキを用いて、上記実施例1のラベル原反の表面を印刷した。その後UV照射し、印刷層、フィルム状基材層、粘着剤層までをゼンマイ刃で45mm×45mmの形状に打ち抜いた。更に、不要部分を除去するカス上げを行い、ロール状に巻き取って実施例1の粘着ラベルを作製した。
【0035】
(実施例2)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート7.0g/10分、密度900kg/m3のポリプロピレンを、押出機に供給して175℃で溶融させ、Tダイで連続的に押し出して厚さ80μmの元フィルムを作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の粘着ラベルを作製した。
【0036】
(実施例3)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート0.8g/10分、密度948kg/m3の高密度ポリエチレンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の粘着ラベルを作製した。
【0037】
(実施例4)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート1.0g/10分、密度955kg/m3の高密度ポリエチレンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の粘着ラベルを作製した。
【0038】
(実施例5)
粘着剤Bを使用する以外は実施例1と同様にして、実施例5の粘着ラベルを作製した。
【0039】
(比較例1)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート1.0g/10分、密度925kg/m3の低密度ポリエチレンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の粘着ラベルを作製した。
【0040】
(比較例2)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート0.8g/10分、密度915kg/m3の低密度ポリエチレンを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の粘着ラベルを作製した。
【0041】
(比較例3)
フィルム状基材の調製において、メルトフローレート7.0g/10分、密度900kg/m3のポリプロピレンを、押出機に供給して175℃で溶融させ、Tダイで連続的に押し出した後、延伸率200%で延伸して厚さ80μmの元フィルムを作製したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の粘着ラベルを作製した。
【0042】
各実施例及び各比較例の粘着ラベル用の原反及び粘着ラベルを作製するために使用したフィルム状基材を用いて、以下の評価を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
【0043】
1.引張弾性率及び粘着力の測定
(フィルム状基材の引張弾性率の測定)
各実施例及び各比較例の粘着ラベルを作製するために使用したフィルム状基材(粘着剤層を積層する前のフィルム状基材)を用いて以下の測定を行った。
幅10mm、長さ270mmの試験片を準備し、室温23℃、湿度50%の環境下で、JIS K7113に規定の方法で測定した(引張速度:1mm/分、試験片の形状:4号型試験片)。引っ張り試験機(株式会社エーアンドディー製RTA100)を使用し、試験片の標線間距離100mm、つかみ具間距離170mm、つかみ部分長さ50mmとした。
【0044】
(ポリエチレン板に対する180度引き剥がし粘着力の測定)
各実施例及び各比較例の粘着ラベル用原反(粘着剤層と基材状フィルムを積層した粘着ラベル)を用いて以下の測定を行った。
試験片として、幅25mm、長さ100mmに切断し、化学的あるいは物理的な表面処理を施していない平滑な表面を有するポリエチレン板に貼着し、2kgローラーで1往復圧着した後、23℃、50%の環境下に1時間放置した後、引っ張り試験機(株式会社エーアンドディー製 RTA100)にて、引き剥がし速度5mm/分の条件下で、180度引き剥がし粘着力を測定した。
【0045】
2.粘着ラベルの各適性試験
各実施例及び各比較例の粘着ラベルを用いて以下の評価を行った。
(オートラベラー適性の評価)
ロール状に巻き取った各実施例及び比較例の柔軟性容器用粘着ラベルを、オートラベラー(不二レーベル社製 F205−R)にて、直径15mmφ、高さ120mmのポリエチレン製の筒状柔軟性容器1000本に対し、容器の胴部の所定の位置にラベルを1枚ずつ連続して貼着した。所定の位置に貼着できなかったり、ラベルが剥離シートから剥がれなかった不良枚数を数え、以下の基準でオートラベラー適性を評価した。
◎:不良枚数0枚
○:不良枚数1〜9枚
△:不良枚数10〜99枚
×:不良枚数100〜1000枚
【0046】
(スクイズ適性の評価)
上記オートラベラーでポリエチレン製容器へ貼着した柔軟性容器用粘着ラベル表面を、半径5mmの球状ガラスを容器の側面にあて1秒間に容器表面を3mm凹ませる条件で押し付けた後に離し、2秒間放置した。このサイクル(押し付け凹ませる→離す→放置する)を1回として容器の変形を100回繰り返し、粘着ラベルのシワや剥がれが発生し始めた回数を数え、以下の基準でスクイズ適性を評価した。
◎:100回繰り返し変形させてもシワ、剥がれが発生しない。
○:100回繰り返し変形させた際に、粘着ラベルの端部のみに微かにシワ、剥がれがみられるが、実用上問題なし。
△:10回以上99回以下の容器変形で、粘着ラベルの表面に実用上問題のあるシワ、剥がれが発生する。
×:10回未満の容器変形で、粘着ラベルの表面に実用上問題のあるシワ、剥がれが発生する。
【0047】
(リワーク適性の評価)
上記ポリエチレン製容器へ柔軟性容器用粘着ラベルを貼着した後、すぐに粘着ラベルを手で剥がし(135度の方向に1m/分の速度で剥がす)、剥がした粘着ラベルを再度ポリエチレン製容器へ手で貼付する作業を行い、以下の基準でリワーク適性を評価した。
◎:剥がした粘着ラベルに若干カールはみられる程度で、再度ポリエチレン製容器への貼着作業は問題なく行うことができる。
○:剥がした粘着ラベルにカールはみられるが、再度ポリエチレン製容器への貼付作業は問題なく行うことができる。
△:剥がした粘着ラベルが著しくカールし、再度ポリエチレン製容器へ貼付する作業が困難である。
×:剥がした粘着ラベルが著しくカールし、再度ポリエチレン製容器へ貼付する作業が困難であるとともに、カールにより経時で容器から粘着ラベルの剥がれが発生する。
【0048】
(経時での剥がれ難さの評価)
上記オートラベラーでポリエチレン製容器へ貼着した柔軟性容器用粘着ラベルを、温度23℃、室温50%の環境下で1ヶ月放置し、ラベルの浮き剥がれ具合を以下の基準に従って目視評価した。
◎:浮き剥がれが視認できない。
○:容器表面から微かに浮き剥がれが視認できるが、実用上問題なし。
△:容器表面から明らかに浮き剥がれが視認でき、実用上問題がある。
×:容器表面から完全に浮き剥がれている。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
粘着ラベルの引張弾性率を0.4〜1.0GPaとすることにより、優れたリワーク適性を有し、且つ優れたスクイズ適性とオートラベラー適性を有するラベルとすることができる。本発明の柔軟性容器用粘着ラベルは、柔軟性があり追従性に優れ、且つ適度な弾性率を有するため、ポリエチレンやポリプロピレン等の柔軟性容器類に使用するラベルとして特に好適に使用できる。
Claims (5)
- フィルム状基材の一方の面に粘着剤層を設けた柔軟性容器用粘着ラベルであって、前記基材がポリプロピレンフィルム又はポリエチレンフィルムであり、且つ前記基材の引張弾性率が0.4〜1.0GPaであることを特徴とする柔軟性容器用粘着ラベル。
- 前記基材が非延伸ポリプロピレンフィルムである請求項1記載の柔軟性容器用粘着ラベル。
- 前記基材が高密度ポリエチレンフィルムである請求項1記載の柔軟性容器用粘着ラベル。
- 前記柔軟性容器用粘着ラベルの粘着力が、4N/25mm以上である請求項1、2又は3のいずれかに記載の柔軟性容器用粘着ラベル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟性容器用粘着ラベルが貼着されていることを特徴とする柔軟性容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003199092A JP2005037593A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 柔軟性容器用粘着ラベル及び該ラベルを貼着した柔軟性容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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