JP2009040921A - 耐溶剤浸透性に優れたマスキングテープ及びマスカー - Google Patents
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Abstract
紙基材の特徴である手触り特性、手切れ性を損ねることなく直線性と柔軟性を併せ持つ性能バランスを発揮することが出来る上、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、染料を含む塗料を用いても、染料による色移りしない耐溶剤浸透性や耐水浸透性に優れたマスキング用紙粘着テープ及びこのテープを用いたマスカーを提供する。
【解決手段】
厚さ30〜100μmの紙基材の片面もしくは両面に、厚さ3〜40μmの熱溶融樹脂の層を設けた基材、その何れか一方の面に粘着剤の層、他方の面に背面処理剤層を設けたことを特徴とするマスキング用紙粘着テープ及びそれを使用したマスカー。
【選択図】図1
Description
しかしながら、フィルム基材の場合、紙基材の特徴である手切れ性の面が不利であることは勿論のこと、直線性(直線状にまっすぐテープを貼り付けることができる性質)と柔軟性を併せ持つ性能バランスが取り辛く、更にマスキング用として使用される場合、塗料や建築シーリング用プライマー、シーリング材といった材料の染み込みによる投錨効果が期待できないことから接着し辛く、それら材料の脱離が容易に発生してしまうといった問題があり、これらの問題を改善されたものが望まれている。
また、本発明では、熱溶融樹脂の層が、紙基材の片面に施され、熱溶融樹脂の層側に粘着剤の層、他方の面に背面処理剤の層を設けることが望ましい。
さらに、本発明は、合繊繊維が質量比率で1〜60%の割合で混抄された紙基材を使用することができる。中でも合成繊維の質量比率は5%〜40%が好ましい。
本発明の紙基材中に含まれる合成繊維はレーヨン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維またはビニロン系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維からなる群より選ばれる1種又は2種以上で構成することができる。
さらに、本発明では、熱溶融樹脂が、炭化水素系プラスチック、ビニル系プラスチック、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマーから選ばれる1種であり、厚さ3〜40μmの熱溶融樹脂の層を加熱により、厚さ30〜100μmの紙基材上にラミネートさせ、ラミネートした紙基材の引張強度が20〜80N/15mm巾の範囲にあり、かつ伸び率が2%以上であることが望ましい。
また、本発明は、樹脂による含浸および/または塗工処理が施された紙基材を使用することができる。
さらに、本発明は、塗装マスキングの用途若しくはシーリング用途に使用することができる。
また、本発明は、ラミネート加工前の紙基材に、コロナ放電処理を行い、紙基材のコロナ放電処理面側に、熱溶融樹脂を加熱により溶融させた状態で押出し用ダイにより、紙基材上にラミネートさせ、ラミネート加工終了後に、ラミネートした樹脂側面に、再度コロナ放電処理を行なった後、粘着剤層を設け、紙基材面に背面処理剤層を設けるマスキング用紙粘着テープの製造方法である。
さらにまた、本発明は、このような粘着テープを用いて、粘着テープの粘着面の長尺方向片側側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回してなるマスカーである。
本発明のマスキングテープは、紙基材の特徴である手触り特性、手切れ性を損ねることなく直線性と柔軟性を併せ持つ性能バランスを発揮することが出来る上、曲面や粗面、凹凸面への追従性が良く、染料を含む塗料を用いても、染料による色移りしない耐溶剤浸透性や耐水浸透性に優れており、このテープを用いたマスカーを提供できる。
また、本発明においては、厚さ3〜40μmの熱溶融樹脂の層を設けるが、厚さ3μm未満では、耐溶剤浸透性や耐水浸透性が悪くなり、40μm以上では、紙基材独特の風味や手切れ性を損ねる。熱溶融樹脂層の厚さは、好ましくは、5〜20μmである。
本発明においては、熱溶融樹脂の層は、熱溶融樹脂を加熱により溶融させた状態で押し出し用ダイにより、紙基材上にラミネートさせて形成させることができる。
ラミネート加工は、ラミネート材料と紙基材との密着性を高めるために、通常、ラミネート加工前の紙基材に、コロナ放電処理を行い、さらに、ラミネート加工後に、ラミネート面に再度コロナ放電処理を行う。
コロナ放電処理を行ったラミネート面は、粘着剤等の密着性が改善される。
ラミネートした紙基材の引張強度は、20〜80N/15mm巾の範囲にあり、かつ伸び率が2%以上であることが望ましい。
紙基材中に混抄される合成繊維は、市販の合成繊維であり、代表的には、レーヨン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維またはビニロン系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などを挙げることができる。
また、本発明において用いる熱溶融樹脂のうち、炭化水素系プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリブタジエン、結晶性ポリブタジエン等を挙げることができる。
また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン‐ブタジエン系エラストマー,ポリオレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、1,2-ポリブタジエン系のエラストマー等を挙げることができる。
柔軟性、加工性、撥水性、物理的強度、低コスト等の条件を満足するポリオレフィンとくにポリエチレン(PE)、たとえば、強靭で結晶性の高いポリエチレン(HDPE(高密度ポリエチレン))又は低コストで柔軟性が高い、LDPE(低密度ポリエチレン)を用いることが好ましい。
本発明においては、熱溶融樹脂の層をテープ背面となる面に設ける場合、紙基材独特の風味が失われるばかりか、テープ背面と塗料や建築シーリング用プライマー、シーリング材といったテープ背面へ付着が予想される樹脂成分との密着性を従来の紙粘着テープと同様に自由にコントールすることが出来ないばかりか、更に同様に重ね貼り性等も自由にコントロールすることが出来ないからである。
使用される含浸剤の材料に特に制限はなく、その使用形態にも特に制限はない。使用される材料としては、例えば天然ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、(メタ)アクリル酸グラフト天然ゴム、(メタ)アクリル酸エステルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリロニトリル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、シリコーンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどの合成ゴム(合成エラストマー)や、セラック、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、N−アルキロール基やN−アルコキシアルキル基を有するモノマーよりなる群から選ばれた少なくとも2種以上の共重合樹脂などのが挙げられる。
また、含浸剤としてはこのほかにも、ハロゲン基、クロルスルホン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を有するエラストマーも使用される。具体的には、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状クロロプレンゴム、液状カルボキシル化ポリイソプレンゴム、液状カルボキシル化ポリブタジエン、液状ヒドロキシル化ポリイソプレン、液状ヒドロキシル化ポリブタジエンゴム、液状アミノ化ポリブタジエンゴムなどが挙げられる。
これら含浸剤は、ランダム体、ブロック体、グラフト体あるいはそれらの変成体の何れであってもよく、1種のみ用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、分子中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加物も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤などの種々の加硫剤の他、オキシム類,ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤で架橋させてもよい。また、官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用して架橋させてもよい。架橋剤はそれぞれに応じて1種又は2種以上組み合わせて使用され、架橋を行うと主に耐溶剤性などが向上する。
含浸剤の含浸量は、通常、基材質量に対して、乾燥質量で10%〜200%、好ましくは20%〜150%とする。また、含浸剤には充填剤、顔料や紫外線吸収剤、老化防止剤を配合すると、紫外線や熱が遮断され、粘着剤層の劣化が防止されるので好ましい。
これらの背面処理剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に水素添加可能な不飽和の二重結合を有するものについては、その水素添加品も使用可能であるとともに、硫黄を含む加硫剤、無機加硫剤、樹脂加硫剤など種々の加硫剤の他、オキシム類、ニトロソ化合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、有機ペルオキシドなどの架橋剤を併用して架橋させてもよい。 成分中に官能基を有するものについても、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。背面処理剤には必要に応じて含浸剤に使用されるような、充填剤、顔料、老化防止剤、紫外線防止剤など、公知の各種添加剤を含有させてもよい。
背面処理剤の塗布量は、乾燥質量で通常0.3〜40g/m2、好ましくは1〜20g/m2の範囲で選ばれる。
としてはゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤などがある。
本発明で用いるゴム系粘着剤に使用されるベースエラストマーとしては、特に制限はなく、例えば天然ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソブチレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴム、スチレングラフト天然ゴム、アクリロニトリルグラフト天然ゴム、合成イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム、エチレン−アクリル酸エステル共重合ゴム、エチレン−アクリトニトリル共重合ゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合ゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、液状イソプレンゴム、液状ブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、液状オキシプロピレンゴムなどを挙げられる。
本発明で用いるアクリル系粘着剤としては、特に制限はないが、例えば(A)アルキル基の炭素数が4〜12のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が4〜18のメタクリル酸アルキルエステル85〜98.9質量%、(B)アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリル1〜10質量%、(C)α,β−不飽和カルボン酸0.1〜5質量%から成るモノマー混合物か、あるいは該モノマー混合物100質量部に対し40質量部を超えない量のこれら成分と共重合可能なモノマーを配合して成るモノマー混合物を重合して得られるポリマー等を用いることができる。
本発明の粘着テープとくにマスキングテープに使用される粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、含浸剤に使用されるような充填剤、顔料、紫外線防止剤、老化防止剤や公知の粘着性付与樹脂、可塑剤など各種添加剤を含有させることができる。
粘着付与樹脂、可塑剤を配合する場合、その配合量は、ベースポリマー100質量部に対して、通常5〜100質量部の範囲で選択される。
1)アルキルペンダント系剥離剤
(a)ステアリルアクリレートとアクリル酸、アクリロニトリルまたは酢酸ビニルの共重合物
(b)ステアリルアクリルアミドとアクリル酸またはアクリロニトリルの共重合物
(c)ステアリルビニルエーテルとアクリル酸、無水マレイン酸またはアクリロニトリルの共重合物
(d)セルロースまたはポリビニルアルコールと塩化ステアロイルとの反応生成物
(e)ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリエステルなどの活性水素をもつ共重合体をステアリルイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートで変性したもの
2)縮合ワックス系剥離剤
(a)ベヘニルアミノプロピルアミンまたはα−モノステアレートとジカルボン酸またはポリイソシアネート化合物との反応性成物であるポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン
(b)長鎖アルキルワーナー錯塩
(c)シェラックワックス
3)ポリエチレンイミン誘導体
(a)ポリ(N−ステアロイルエチレンイミン)
(b)ポリエチレンイミンと脂肪族イソシアネート、例えば、C18H37NCOとの反応生成物であるアルキル尿素誘導体
これらの剥離剤は1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、成分中に官能基を有するものについては、該官能基と反応することができる各種架橋剤、例えば、金属化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などを併用することにより架橋させてもよい。
剥離剤の塗布量は、通常0.01〜10g/m2、好ましくは0.1〜1g/m2の範囲で選択される。
マスカーに係る塗装用養生材では、マスキングテープを用いて、マスキングテープの粘着面の長尺方向片側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回したものとする。この塗装用養生材の概略を図1に示す。
通常、養生用あるいは塗装用粘着テープは、被塗装面の保護の為、紙、フィルムなどのシート状養生材を組み合わせて使用されるが、使用現場にて養生材をマスキングテープで貼り付けていく方法では作業効率が悪くなる。したがって、予めマスキングテープ1の粘着面の長尺片側側縁を養生シート材2の側縁に沿って貼着し、全体をロール上に巻回しておけば、被塗装養生面に沿って展開するだけで良いので、作業効率が格段に高まる。
なお、養生シート材2を折り込んでおき、ロール状に巻回した養生材の長さを短縮することにしてもよい。例えば、養生シート材2としてポリエチレンフィルムを用い、マスキングテープ1と平行に前記養生シート材2を2つないし4つに折り畳んだまま全体をロール状に巻回しておけば、養生材の長さが格段に短くなり、包装・運搬などの取扱いに便利である。また、マスキングテープ1を巻回した部分と養生シート材2を巻回した部分の巻径がほぼ等しくなるので、商品として取扱い性が一層向上する利点も得られる。
[実施例1]
(紙基材の作成)
平均長さ5mm、平均太さ7μmの二軸延伸したビニロン繊維を5質量%混入したパルプを、湿式抄紙法にて抄紙し、加熱処理することにより乾燥質量が25g/m2、厚み60μmの紙基材を得た。
(ラミネートした紙基材の作成)
熱溶融樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、加熱により溶融させた状態で押し出し用ダイを用いて、作成した上記の厚み60μmの紙基材上に、厚さ15μmの低密度ポリエチレン(LDPE)をラミネートさせた。ラミネートした低密度ポリエチレン(LDPE)の表面を、コロナ放電処理した。
ラミネートした紙基材は、引張強度が45N/15mm巾であり、かつ伸び率が4.0%であった。
(粘着剤の調整の一例)
攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた反応器に水160gとエレミノールJS−2(商品名、三洋化成工業社製反応性乳化剤)1.25gとを仕込み、60℃に昇温した。
次いで、攪拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液12gを加えた後、アクリル酸10%、アクリル酸2−エチルヘキシル465g、アクリロニトリル25g、エレミノールJS−2(商品名、三洋化成工業社製反応性乳化剤)11.25g及び水215gからなるモノマーエマルジョンを滴下ロートから4時間かけて滴下し、乳化重合させた。この間、重合温度は60℃に保ち、滴下終了後65℃〜75℃で熟成反応を3.5時間行った。反応後、反応液を30℃に放冷し、25%アンモニア水5.5gと、フォアマスターAP(商品名、サンノプコ社製消泡剤)0.18gとを添加し、不揮発分54.5質量%、粘度3500mPa・s、pH7.5の水性エマルション粘着剤を得た。
(基材への塗布)
この水性エマルション粘着剤を乾燥後の塗膜の厚さが20μmになるように、前記のラミネートした紙基材のラミネート樹脂(熱溶融樹脂)側に塗布し、乾燥した。
(背面処理及び剥離剤の塗布)
粘着剤層とは反対の面に、背面処理剤としてシェラック溶液を乾燥後の質量が5g/m2になるように塗布し、更にそのシェラック上にアルキルペンダント系剥離剤溶液を乾燥後の重量が0.1g/m2になるように塗布し、乾燥した。
(試験片の作成)
得られたマスキングテープを、15mm×150mmの矩形状に切断して、試験片を作製した。
表1に示す基材を使用しなかった以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。
[比較例1]
熱溶融樹脂の厚さ以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
[比較例2]
熱溶融樹脂によるラミネートをしない紙基材のみ(熱溶融樹脂によるラミネートをしない)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
[比較例3]
基材として、ポリエステル樹脂フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。
(1)手切れ性:試験片の基材流れ方向と交差する方向に手で裂いた時の裂き易さを測定者が判断し、次の基準で判定した。
◎:非常に良い
○:良い
△:どちらとも言えない
×:悪い
(2)耐溶剤浸透性:試験片を予めアクリルラッカー系塗料が均一に塗布され十分乾燥された塗装板に貼り付け、背面剤及び剥離剤処理した面に、トルエンを塗布し、20分後に試験片を剥がした際のトルエンの浸透による塗装面への影響を測定者が判断し、次の基準で判定した。
○:試験片の貼り跡は見られず
△:試験片の貼り跡が僅かに見られる
×:試験片の貼り跡がはっきりと見られる
(3)粗面追従性:被着体にはリシン塗装面を使用し、温度23℃、湿度65%条件下で被着体に完全に追従させるように貼り付けた時の貼り付け易さ(追従し易さ)を測定者が判断し、次の基準で判定した。
◎:非常に良い
〇:良い
△:どちらとも言えない
×:悪い
(4)染料の色移り性:試験片を桐の木片面に貼り付け、背面剤及び剥離剤処理した面に、「食紅」の10質量%水溶液を塗布し、60分後に試験片を剥がした時の色移りの状態を測定者が判断し、次の基準で判定した。
〇:剥がした面に全く色が残らない。
△:剥がした面にほとんど色が残らない。
×:剥がした面に色が残る。
2 養生シート材
Claims (9)
- 厚さ30〜100μmの紙基材の片面もしくは両面に、厚さ3〜40μmの熱溶融樹脂の層を設けた基材、その何れか一方の面に粘着剤の層、他方の面に背面処理剤の層を設けたことを特徴とするマスキング用紙粘着テープ。
- 熱溶融樹脂の層が、紙基材の片面に施され、熱溶融樹脂の層側に粘着剤の層、他方の面に背面処理剤の層を設けたことを特徴とするマスキング用紙粘着テープ。
- 合繊繊維が質量比率で1〜60%の割合で混抄された紙基材を使用したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したマスキング用紙粘着テープ
- 紙基材中に含まれる合成繊維がレーヨン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維またはビニロン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維からなる群より選ばれる1種又は2種以上で構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載したマスキング用紙粘着テープ。
- 熱溶融樹脂が、炭化水素系プラスチック、ビニル系プラスチック、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマーから選ばれる1種であり、厚さ3〜40μmの熱溶融樹脂の層を加熱により、厚さ30〜100μmの紙基材上にラミネートさせ、ラミネートした紙基材の引張強度が20〜80N/15mm巾の範囲にあり、かつ伸び率が2%以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載したマスキング用紙粘着テープ。
- 樹脂による含浸および/または塗工処理が施された紙基材を使用したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載したマスキング用紙粘着テープ。
- 塗装マスキングの用途若しくはシーリング用途に使用されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかひとつに記載したマスキング用紙粘着テープ。
- ラミネート加工前の紙基材に、コロナ放電処理を行い、紙基材のコロナ放電処理面側に、熱溶融樹脂を加熱により溶融させた状態で押出し用ダイにより、紙基材上にラミネートさせ、ラミネート加工終了後に、ラミネートした樹脂側面に、再度コロナ放電処理を行なった後、粘着剤層を設け、紙基材面に背面処理剤層を設けるマスキング用紙粘着テープの製造方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかひとつに記載した粘着テープを用いて、粘着テープの粘着面の長尺方向片側側縁を養生シート材の側縁に沿って貼着して、全体をロール状に巻回してなるマスカー。
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