JP6469017B2 - 高度に粘着付与されたアクリレート感圧接着剤 - Google Patents

高度に粘着付与されたアクリレート感圧接着剤 Download PDF

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Description

本発明は一般に、接着剤の分野に関し、更に具体的には比較的高濃度の粘着付与剤を含む光架橋された感圧接着剤の分野に関する。本発明は、高度に粘着付与された光架橋された感圧接着剤を調製する方法にも関する。
接着剤は、種々の、マーキング、保持、保護、封止、及び遮蔽目的のために用いられている。接着剤テープは、一般に、裏材、又は基材、及び接着剤を含む。接着剤の1種である、感圧接着剤は、多くの用途に特に好ましい。感圧接着剤は、(1)強力で永久的な粘着力、(2)指圧以下の圧力による剥離強さ、(3)被着物を保持する十分な能力、及び(4)十分な凝集力を含む特性、を室温において有することが、当業者には周知である。
感圧接着剤として充分な機能を有することが示されている材料は、粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断保持力の望ましいバランスを得るうえで必要な粘弾特性を示すように設計及び配合されたポリマーである。感圧接着剤の調製に最も一般的に用いられるポリマーは、天然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)及びスチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー)、種々の(メタ)アクリレート(例えば、アクリレート及びメタクリレート)コポリマー、及びシリコーンである。
あらゆる種類の表面に付着する汎用テープ及び特に表面エネルギーが低い基材にとてもよく付着する感圧接着剤は、典型的に大量の粘着付与樹脂の添加を必要とする。溶液ポリマーから調製されたPSAは、架橋剤の適切な追加又はポリマー分子量の増加があれば、低分子量の粘着付与樹脂の存在により、低下した凝集強さを補うことができる。しかしホットメルト加工可能な配合物において、前記ポリマーは押出機温度で十分に流れることが可能でなければならず、したがって最大分子量は制限される。更に、分子量の増加及び化学的ネットワークの生成を介した、より高い凝集強さを生むための熱架橋剤との組合せは、ホットメルト加工中に起こりうる影響のため必ずしも実用的でない。
ポリマーの架橋が、非架橋の直鎖又は分枝対応部と比べて全く異なる機械的性質及び物理的性質を有するポリマーネットワークを形成することは知られている。例えばポリマーネットワークは、耐溶剤性、高い凝集強さ及びエラストマー特性といった固有かつ非常に望ましい特性を示すことができる。
架橋ポリマーは所望のポリマー生成物の形成中、原位置(in situ)に作られることが可能である。多くの特許が、効率的な架橋メカニズム及び良好な凝集強さ特性を達成するための技術を記載していることは知られている。したがって、架橋材料の溶媒及びバルク処理に伴う問題は、化学線加工を用いることで回避させることが可能である。米国特許第4,379,201号(Heilmannら)は、(メタ)アクリレート共重合の光硬化において使用されるポリアクリル系官能基架橋剤の種類の例を開示する。
米国特許第4,391,678号(Vesley)及び第4,330,590号(Vesley)は、アクリルモノマーと任意にモノエチレン系不飽和モノマーを混合してUV線に暴露したとき、架橋ポリアクリレートを形成する、速硬化トリアジン光架橋剤の種類を記載している。これらの共重合における(メタ)アクリレート及びトリアジンの両方によって形成される架橋は、最初の光重合に続くホットメルトコーティング、反応押出又は溶液コーティング加工などこれ以上の加工を防止する。しかしながら、ポリマー生成物の更なる加工がしばしば必要なため、最終加工工程で架橋材料に硬化される直鎖又は分枝ポリマーから開始することがより典型的である。硬化又は架橋工程は、水分、熱エネルギー又は化学線によって通常活性化される。後者は、特に放射線源として紫外線を使用することで広範囲の用途を見いだした。
これまで、例えば多官能性アクリレート、アセトフェノン、ベンゾフェノン及びトリアジンなどの様な、様々な異なる材料が、化学線を用いる架橋剤として使用されてきた。しかしながら、前述の架橋剤は次の欠点のうちの1つ以上を含むいくつかの欠点を持ち得る:高揮発性;特定のポリマー系との不適応性;腐食性、又は毒性副産物の生成;好ましくない色の生成;架橋反応を開始するための別の光活性化合物の必要性、及び酸素に対する高い感度。
上記の化学線加工に加えて、アクリレートPSAは、ソルベント及びホットメルトコーティング技術によって基材に適用することができる。ソルベントコーティング技術は広く使用されているが、ホットメルトコーティング技術は多少の環境的及び経済的な利点を提供することが可能である。しかしながらポリマーコーティング及び架橋が同時に行われるソルベントコーティング技術とは異なり、ホットメルトコーティングはコーティング及び架橋が順次行われる必要がある。これは、競合する考慮事項が理由である。滑らかにホットメルトコーティングを行いたいなら、ポリマーは高度に架橋されてはならず、その上ポリマーがPSAの場合、例えば高剪断のような特定の望ましい性能を達成するためにポリマーが架橋される必要がある。したがってホットメルトコーティングは、被覆ポリマーを架橋する前に実行される。
ホットメルトコーティング技術は多量の熱エネルギー及び剪断を含むため、後に続く架橋処理は通常非熱エネルギー源を含む。電子ビーム(eビーム)及び紫外線(UV)エネルギー源が従来使用されてきたが、eビーム技術はあまりに多大のエネルギーを消費するため実用的ではない。したがって大きな関心は、ポリマーのUV線架橋に集中していた。
被覆ポリマーのUV線架橋はほとんど水素引き抜き技術にのみ依存しており、そこではベンゾフェノン又はアントラキノンなどの水素引き抜き剤をコーティング工程の前又はその間に被覆混合物に混合し、次いで該混合物が適切なUV線に暴露される。特定の多官能性ベンゾフェノンが、種々の光重合系の光架橋剤及び/又は感光剤として研究されている。
現在まで、適切な放射線架橋後に高度に粘着付与された放射線架橋された感圧接着剤を提供し、特に様々な種類の基材に対する優れた接着性を有しつつ、高温時の高い凝集強さ及び高温での剪断抵抗を提供する、ポリマー材料100重量部当たり0.05重量部超の配合した光架橋剤を含む、高度に粘着付与された放射線架橋可能なPSA配合物、特に無溶媒PSA配合物の開示はない。
また粘着付与樹脂がPSA配合物に存在する、特に比較的大量に存在する場合、架橋工程中に照射したUV光の大部分が粘着付与樹脂/光架橋剤系によって吸収されてしまい、得られたPSAの架橋効率の低下及び貧弱な凝集強さをもたらす可能性がある。放射線架橋が粘着付与されたPSA配合物の架橋に使用される場合、粘着付与樹脂が、例えば望ましくない連鎖移動又は連鎖停止反応など他のいくつかの悪影響を引き起こすかもしれない。高濃度の粘着付与剤の使用は、感圧接着剤の粘着性を増大させることができるため、望ましい可能性があり、圧力をかける必要なく様々な基材に積極的に接着させる。粘着付与樹脂、特に高濃度の粘着付与樹脂の添加は、感圧接着剤の剪断強度及び貼着力に悪影響を及ぼす可能性があり、接着剤のTgを上昇させる可能性さえある。高濃度の粘着付与樹脂の使用は、ホットメルト加工可能であることの必要性が既に接着剤の剪断強度及び凝集強さの特性に悪影響を及ぼしている可能性のあるホットメルト加工可能な感圧接着剤に対して特に悪影響をもたらし得る。
米国特許第4,737,559号(Kellenら)には、アクリレートモノマーとオルト−芳香族水酸基を含まない共重合可能なモノエチレン系不飽和芳香族ケトンコモノマーのコポリマーである、PSAが開示されている。WO−A1−97/40090(Starkら)には、放射線架橋可能な組成物が開示されており、a)引き抜き可能な水素及び活性化された際に水素原子を引き抜きできる放射線活性可能な架橋基を有する放射線架橋可能なポリマーと、b)活性化された際に水素原子を引き抜きできる非重合性放射線活性可能な架橋剤と、を含む。WO−A1−96/35725(Carpenter)には、請求項に係る、顔料入りでUV架橋されたアクリル系感圧接着剤は高い凝集強さ及び高温での剪断抵抗を有することが開示されている。WO−A1−96/35725で開示された接着剤は、顔料及び水素引き抜き光開始剤を配合したアクリルコポリマーを含み、該アクリルコポリマーはアルキルアクリレート及び三級アミン含有モノマーを共重合することによって得られる。WO−A1−2012/044529(Satrijoら)には、a)ホットメルト加工可能なエラストマー(メタ)アクリレートランダムコポリマーと、b)エラストマー(メタ)アクリレートランダムコポリマー100重量部当たり50重量部超の、少なくとも1つの粘着付与樹脂と、c)熱可塑性材料と、を含むホットメルト加工可能なPSAが開示されている。
当該技術分野で開示されている解決法に伴う技術的利点を争うことなしに、前述した欠点を克服し、様々な種類の基材に対する優れた接着性を有しつつ、特に高温での高い凝集強さ及び高温剪断抵抗を提供する、高度に粘着付与された放射線架橋した感圧接着剤が依然として必要とされている。
前記感圧接着剤の他の利点、感圧接着剤の前駆体及び本発明の方法は、以下の説明から明らかになるであろう。
一態様によれば、本発明は放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体に関するものであり、
a)アクリレートベースポリマーと、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の量の、共重合(II)型光架橋剤と、
c)共重合水素供与性モノマーと、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の、粘着付与樹脂と、を含む。
別の態様によれば、本発明は放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法に関するものであり、
a)上述の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を提供する工程と、
b)該放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋する工程と、を含む。
更にもう1つの態様において、本発明は、粘着テープ、好ましくは両面テープの製造のための、上述のような放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の使用に関する。
本発明は、特に高温時の高い凝集強さを有し、一方で様々な種類の基材、特に表面エネルギーが低い基材に対する優れた接着性を有する、高度に粘着付与された放射線架橋された感圧接着剤を提供する。特に本発明は、汎用で高度に粘着付与された放射線架橋可能なPSA配合物、特に無溶媒のPSA配合物を提供し、該PSA配合物は、ポリマー材料100重量部当たり0.05重量部超の、特に0.10重量部超の、より特に0.15重量部超の配合した光架橋剤を含み、適切な放射線架橋工程後に、有益な特性を有する高度に粘着付与された放射線架橋された感圧接着剤を生成する。
したがって第1の態様によれば、本発明は放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体に関するものであり、
a)アクリレートベースポリマーと、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の、特に0.10重量部超の、より特に0.15重量部超の量の、共重合(II)型光架橋剤と、
c)共重合水素供与性モノマーと、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の、粘着付与樹脂と、を含む。
本発明の文脈において、本明細書で使用される「接着剤」とは、2つの被接着体を一緒に接着するために有用なポリマー組成物を意味する。接着剤の例は、感圧接着剤である。
感圧接着剤組成物は、当業者には、(1)強力かつ永久的粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体を保持する十分な能力、及び(4)十分な貼着力を含む特性を有することが周知である。感圧接着剤としてうまく機能することが見出された材料は、粘着性、引き剥がし粘着力、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらす必要な粘弾性特性を示すように設計及び配合されたポリマーである。
本発明の文脈において、本明細書で使用される「アクリレート」とは、アルコールのモノマーアクリル酸又はメタクリル酸エステルを意味する。アクリレート及びメタクリレートモノマー、オリゴマー、又はポリマーは、総じて本明細書では「アクリレート」と呼ばれる。
当業者には明らかであるように、本説明の至るところで使用されている「(II)型光架橋剤」とは光架橋剤を意味しており、該光架橋剤は照射時に励起して水素供与分子から水素原子を引き抜くことができる高エネルギー状態になり、それにより水素供与分子に更に反応が可能なフリーラジカル、例えばフリーラジカル付加重合、フリーラジカル付加架橋などを発生させる。「共重合(II)型光架橋剤」という表現は以下に定義するように、光架橋剤が、アクリレートベースポリマー及び架橋ポリマーを含む任意の好適なポリマーマトリックスと共重合されることを意味する。
本発明の文脈において更に、本説明の至るところで使用されている「水素供与性モノマー」という用語は、照射時に励起して、水素供与分子などから引き抜き可能な水素原子を引き抜くことを可能にする高エネルギー状態になる、光架橋剤に、(比較的容易に)水素原子(引き抜き可能な水素原子)を供与することが可能なモノマーを示している。「共重合水素供与性モノマー」という表現は、水素供与性モノマーが以下に定義するように、アクリレートベースポリマー及び架橋ポリマーを含む任意の好適なポリマーマトリックスと共重合されることを指している。
用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキルは、直鎖、分枝鎖、環状又はこれらの組み合わせであってよく、通常、1〜20個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、及び2−エチルヘキシルが挙げられる。
用語「アリール」は、芳香族及び炭素環である一価の基を指す。アリールは、芳香環と結合又は縮合した1〜5個の環を有し得る。他の環構造は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであってよい。アリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、アンスリル、ナフチル、アセナフチル、アントラキノニル、フェナンスリル、アントラセニル、ピレニル、ペリレニル、及びフルオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ガラス転移温度」及び「Tg」は、互換可能に使用され、材料又は混合物のガラス転移温度を指す。特に断らないかぎり、ガラス転移温度値は、示差走査熱量測定法(DSC)によって決定される。
本発明の第1の態様によれば、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体はアクリレートベースポリマーを含む。本明細書で用いる適切なアクリレートベースポリマーは、本説明に照らせば当業者によって容易に明らかにされるだろう。
好ましい態様において、本発明で用いられるアクリレートベースポリマーは、少なくとも1つの直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性混合物から調製されており、該アルキル(メタ)アクリレートモノマーの直鎖又は分枝アルキル基は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜20、更により好ましくは6〜15、一層より好ましくは6〜10の炭素原子を含む。
好ましい態様において、直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリラートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、ドデシルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。芳香族アクリレート、アリール基を含有するアクリレート、例えば、ベンジルアクリレート及びシクロベンジルアクリレートもまた有用である。
より好ましくは、本明細書で用いるアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。更に好ましくは、本明細書で用いるアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、イソオクチルアクリレートを含む(又は、からなる)。
典型的には、本発明で使用するアクリレートベースポリマーは、少なくとも1つの直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリレートモノマーの50〜100重量部、70〜100重量部、80〜100重量部又は90〜100重量部を含むモノマー混合物から調製され、該アルキル(メタ)アクリレートモノマーの直鎖又は分枝アルキル基は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜20、更により好ましくは6〜15、一層より好ましくは6〜10の炭素原子を含む。
任意ではあるが1つ以上のモノエチレン系不飽和コモノマーは、アクリレートベースポリマーを調製するために使用する(予備重合)モノマー混合物に、0.5〜50部のコモノマーの量で存在してもよく、典型的にはアクリレートモノマーと重合される。有用なコモノマーの1つの部類には、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度を超えるホモポリマーガラス転移温度を有するものが含まれる。これらのモノマーは、「強化コモノマー」と呼ばれることがある。典型的にこれらのモノマーは、20℃を超えるホモポリマーガラス転移温度を有する。この部類に入る好適なコモノマーの例としては、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、イソボルニルアクリレート、シアノエチルアクリレート、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ネオデカン酸、ネオノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸又はプロピオン酸のビニルエステル(例えば、Union Carbide Corp.of Danbury,Conn,から「Vynates」の表記で入手可能)、ビニリデンクロリド、スチレン、ビニルトルエン、アルキルビニルエーテル、及びこれらの任意の組合せ又は混合物が挙げられる。本明細書で用いる好ましいコモノマーはアクリル酸を含むが、これに限定されない。存在する場合、モノエチレン系不飽和コモノマーは典型的に、アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.5〜25重量部、1.0〜15重量部、1.0〜8.0重量部、2.0〜6.0重量部又は3.0〜5.0重量部の範囲の量で使用される。
有用なコモノマーの第2の部類には、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度未満のホモポリマーガラス転移温度を有するものが挙げられる。この部類に入る好適なコモノマーの例としては、エトキシエトキシエチルアクリレート(Tg=−71℃)及びメトキシポリエチレングリコール400アクリレート(Tg=−65℃;Shin Nakamura Chemical Co.,Ltd.から「NK Ester AM−90G」の表記で入手可能)が挙げられる。
したがって、本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体のいくつかの好ましい態様において、アクリレートベースポリマー(又はアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物)は、少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマー、好ましくはアルキル(メタ)アクリレートモノマーのコポリマーを含む。
好ましい態様において、アクリレートベースポリマーは、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート又はブチルアクリレートと、アクリル酸とのコポリマーを含む。
いくつかの他の好ましい態様において、アクリレートベースポリマー(又はアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物)は更に、以下に定義する光架橋剤、好ましくは共重合(II)型光架橋剤を含む。
更に1つ以上の多官能エチレン性不飽和モノマーが、アクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に、典型的には低濃度で含まれてもよい。そのような多官能エチレン性不飽和モノマーの例としては、例えば、多官能性(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。多官能性(メタ)アクリレートとしては、トリ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート(すなわち、3つ又は2つの(メタ)アクリレート基を含む化合物)が挙げられる。一般的に、ジ(メタ)アクリレートモノマー(つまり、2つの(メタ)アクリレート基を含む化合物)が使用される。有用なトリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。有用なジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。分枝剤1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が、特に好適である。典型的に、ジ(メタ)アクリレート分岐剤は、アクリレートベースモノマー100重量部当たり0.001〜0.05重量部の範囲の量で使用される。
一般的に、アクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物は、適切な開始剤を含む。紫外線による重合には、光開始剤が含まれる。有用な光開始剤としては、ベンジルジメチルケタール及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の置換アセトフェノン、2−メチル2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換α−ケトール、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等の置換ベンゾインエーテル、芳香族スルホニルクロリド、光活性オキシム、並びにアゾ型開始剤が挙げられる。光開始剤は、100重量部の総モノマーにつき、約0.001〜約5.0重量部の量で、好ましくは、約0.01〜約5.0重量部、更に好ましくは、0.05〜0.5重量部、及び更に好ましくは0.05〜0.3重量部の量で使用され得る。
アクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物は、熱重合によって又は熱重合及び放射線重合の組合せによっても重合させることができる。熱重合のためには、熱反応開始剤が含まれる。本発明に有用な熱反応開始剤としては、これらに限定されないが、アゾ、過酸化物、過硫酸塩、及びレドックス反応開始剤が挙げられる。アゾ型開始剤では、例えばDuPont Chemical Coから入手可能な「Vazo」シリーズなどが、特に好ましい。熱反応開始剤は、全モノマー100重量部当たり約0.01〜約5.0重量部、好ましくは0.025〜2重量部の量で使用され得る。
本発明の第1の態様によれば、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、共重合(II)型光架橋剤を更に含む。本明細書で用いる適切な共重合(II)型光架橋剤は、本説明に照らせば当業者によって容易に明らかにされるだろう。
いくつかの例示の態様において、本発明で使用される共重合(II)型光架橋剤は、米国特許第4,737,559号(Kellenら)で開示されているように、オルト−芳香族水酸基を含まないモノ−及びマルチ−エチレン性不飽和芳香族ケトンコモノマーからなる群から選択される。モノエチレン性不飽和芳香族ケトンコモノマーの具体例としては、共重合可能な感光性架橋剤パラ−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン(AEBP)、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノン、アクリレート化アントラキノン、及びこれらの任意の組合せ又は混合物が挙げられる。
好ましい態様において、本発明で使用される共重合(II)型光架橋剤は、モノエチレン性不飽和芳香族ケトンの群から選択される。より好ましくは、本発明で使用される共重合(II)型光架橋剤は、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン(AEBP)、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシジエトキシ−4−クロロベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノン、アクリレート化アントラキノン、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、本発明で使用される共重合(II)型光架橋剤は、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン(AEBP)、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。
共重合(II)型光架橋剤は典型的には、アクリレートベースポリマー(又はアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物)100重量部当たり、0.06〜1重量部、0.11〜1重量部、0.16〜1重量部、0.18〜0.70重量部、又は0.20〜0.50重量部の量で使用することが可能である。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の1つの例示の態様において、本明細書で用いる共重合(II)型光架橋剤はアクリレートベースポリマーに共重合させることが可能であり、すなわちアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に存在する他のモノマーと一緒に共重合させることができる。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の他の例示的態様において、本発明で用いる共重合(II)型光架橋剤は以下に詳細に説明されるように、架橋ポリマーに、好ましくはアクリレート架橋ポリマーに共重合させることが可能であり、これは前記アクリレートベースポリマーとは異なり、すなわち架橋ポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に存在する他のモノマーと一緒に共重合させることが可能である。
本発明の第1の態様によれば、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は更に、共重合水素供与性モノマーを含む。本明細書で用いる適切な共重合水素供与モノマーは、本説明に照らせば当業者によって容易に明らかにされるだろう。
代表的な共重合水素供与性モノマーは、典型的には窒素若しくは酸素原子に対してα位にある炭素原子に位置し、又は重合中に潜在的に保護される末端若しくはペンダントメルカプト基によって運ばれる少なくとも1つの引き抜き可能な水素原子を含むモノマーを含むが、これらに限定されない。
1つの好ましい態様では、本明細書で用いる共重合水素供与性モノマーは、窒素原子に対してα位にある炭素原子の少なくとも1つの水素原子を含むモノマーの群から選択される。
いくつかの態様において、本明細書で用いる共重合水素供与性モノマーは、少なくとも1つのアミン官能基、好ましくは三級アミン官能基を含む(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル系、ウレタン(メタ)アクリル系、スチレン系、及びビニル系モノマー、並びにこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の別の特定の態様において、共重合水素供与性モノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。更に好ましくは本明細書で用いる共重合水素供与性モノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。
共重合水素供与性モノマーは典型的には、アクリレートベースポリマー(又はアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物)100重量部当たり、0.05〜10重量部、0.05〜5重量部、0.10〜3重量部、又は0.15〜2重量部の量で使用することが可能である。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の1つの例示的態様において、本明細書で用いる共重合水素供与性モノマーは、アクリレートベースポリマーと共重合させることができ、すなわちアクリレートベースポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に存在する他のモノマーと一緒に共重合させることができる。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の他の例示的態様において、本明細書で用いる共重合水素供与性モノマーは以下に詳細に説明されるように、架橋ポリマーと、好ましくはアクリレート架橋ポリマーと共重合させることが可能であり、すなわち架橋ポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に存在する他のモノマーと一緒に共重合させることが可能であり、該架橋ポリマーは前記アクリレートベースポリマーとは異なる。
本発明による放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は更に、粘着付与樹脂を含む。本明細書で用いる適切な粘着付与樹脂は、本説明に照らせば当業者によって容易に明らかにされるだろう。
粘着付与樹脂(単数又は複数)は、本開示において「高度に粘着付与された接着剤」と呼ばれるものが得られる濃度(一般にアクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の粘着付与樹脂)で、放射線架橋可能な感圧接着剤に添加される。
通常、(メタ)アクリレート系接着剤は、望まれる感圧接着剤の特性を得るのに粘着付与樹脂をほとんど又は全く必要としない。高濃度の粘着付与剤の使用は、感圧接着剤の粘着性を増大させることができるため、望ましい可能性があり、圧力をかける必要なく様々な基材に積極的に接着させる。粘着付与樹脂、特に高濃度の粘着付与樹脂の添加は、感圧接着剤の剪断強度及び貼着力に悪影響を及ぼす可能性があり、接着剤のTgを上昇させる可能性がある。高濃度の粘着付与樹脂の使用は、ホットメルト加工可能であることの必要性が既に接着剤の剪断強度及び凝集強さの特性に悪影響を及ぼしている可能性のあるホットメルト加工可能な感圧接着剤に対して特に悪影響をもたらし得る。しかしながら、本開示の接着剤は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の粘着付与樹脂を含む。この比較的高濃度の粘着付与樹脂は、接着剤の剪断特性に有意な負の影響なしで達成される。
いくつかの特定の態様において、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体に存在する粘着付与樹脂の量は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり45重量部超、50重量部超、55重量部超、又は60重量部超である。いくつかの別の態様において、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、45〜85重量部、45〜75重量部、45〜65重量部、又は50〜60重量部の粘着付与樹脂を含む。
好適な粘着付与樹脂としては、例えば、テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジンのエステル、合成炭化水素樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特に好適な粘着付与樹脂には、市販の粘着付与樹脂、Eastman,Middelburg,NLから市販されているFORAL 85E(高度に水素添加された精製ガムロジンのグリセロールエステル)、HerculesInc.Wilmington,DEから市販されているFORAL 3085(高度に水素添加された精製ウッドロジンのグリセロールエステル)、ExxonMobilCorp.Houston,TXから市販されているESCOREZ 2520及びESCOREZ 5615(脂肪族/芳香族炭化水素樹脂)、並びにEastman,Kingsport,Tennesseeから市販されているRegalite 7100(部分的に水素添加された炭化水素樹脂)が挙げられる。
いくつかの態様では、2つの粘着付与樹脂の混合物を使用するのが望ましい場合があり、その場合、粘着付与樹脂のうちの1つは少なくとも20℃のガラス転移温度を有する高Tgの粘着付与樹脂を含み、もう一方は0℃以下のガラス転移温度を有する低Tgの粘着付与樹脂を含む。粘着付与樹脂のそのような混合物は、例えば、PCT特許公開第WO2010/002557号(Maら)に記載されている。高Tg粘着付与樹脂は、通常、室温で固体である。好適な高Tg粘着付与樹脂の例としては、例えば、テルペン、脂肪族又は芳香族で修飾されたC5〜C9の炭化水素類、及びロジンエステルが挙げられる。いくつかの態様では、炭化水素の分子量が増大するにつれてアクリレートベースポリマーとの相溶性が低下するため、低分子量炭化水素が好ましい可能性がある。いくつかの態様において、高Tg粘着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)は、500〜3000gm/モルである。いくつかの態様では、高Tg粘着付与樹脂のMwは、1500gm/モル以下であり、いくつかの実施形態では1000gm/モル以下、又は更には800gm/モル以下である。
低Tg粘着付与樹脂は、0℃以下、いくつかの態様では、−10℃以下、又は更には−20℃以下のガラス転移温度を有する。そのような材料は、一般に、室温で液体である。低Tgの粘着付与樹脂のガラス転移温度は、アクリレートベースポリマーのTgを超える必要がある以外は、特定の下限を有さない。いくつかの態様では、低Tg粘着付与樹脂のTgは、アクリレートベースポリマーのTgよりも少なくとも10℃、又は少なくとも20℃、又は更には少なくとも30℃高い。一般に、分子量が増大するにつれてアクリレートベースポリマーとの相溶性が低下するため、より低分子量の化合物がより望ましい可能性がある。代表的な低Tg粘着付与樹脂としては、テルペンフェノール樹脂、テルペン、脂肪族又は芳香族で修飾されたC5〜C9炭化水素類、及びロジンエステルが挙げられる。いくつかの態様において、低Tg粘着付与樹脂の重量平均分子量(Mw)は、300〜1500gm/モルである。いくつかの態様では、低Tg粘着付与樹脂のMwは、1000gm/モル以下、いくつかの態様では800gm/モル以下、又は更には500gm/モル以下である。
いくつかの態様では、接着剤前駆体は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、35〜65重量部の高Tg粘着付与樹脂を含む。いくつかの態様では、接着剤前駆体は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、少なくとも40重量部の高Tg粘着付与樹脂を含む。いくつかの態様では、接着剤前駆体は、100重量部のアクリレートベースポリマーにつき、50重量部超、又は更には少なくとも60重量部の高Tg粘着付与樹脂を含む。
いくつかの態様では、接着剤前駆体は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、2〜20重量部の低Tg粘着付与樹脂を含む。いくつかの態様では、接着剤は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、少なくとも5〜18重量部、又は5〜17重量部の低Tg粘着付与樹脂を含む。
幅広い市販の粘着付与樹脂が入手可能であり、高Tg粘着付与樹脂及び低Tg粘着付与樹脂としての使用に好適である。特に好適な高Tg粘着付与樹脂としては、Hercules Inc.,Wilmington,DEから市販されているFORAL 3085及びFORAL 85LB樹脂、並びにSchenectady International,Schenectady,NYからのSP−553などの市販の粘着付与樹脂が挙げられ、FORAL 3085が特に望ましい。特に好適な低Tg粘着付与樹脂としては、ExxonMobil Corp.,Houston,TXから市販されているESCOREZ 2520、Eastman Chemical,Kingsport,TNから市販されているSTAYBELITE Ester 3−E、Hercules Inc.,Wilmington,DEから市販されているPICCOLYTE AO、及びHercules Inc.,Wilmington,DEから市販されているHERCOLYN Dなどの市販の粘着付与樹脂が挙げられ、ESCOREZ 2520が特に望ましい。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の好ましい態様では、粘着付与樹脂は、テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジンのエステル、合成炭化水素樹脂、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。更に好ましくは粘着付与樹脂は、水素添加ロジンのエステルの群から選択される。
本発明のいくつかの態様において、本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、任意に架橋ポリマーを含むことができる。
本明細書で用いる架橋ポリマーを形成するために適切な組成物は、本開示に照らせば当業者によって容易に明らかにされるだろう。本明細書で用いる架橋ポリマーを調製するために有用である代表的な組成物は、アクリルモノマー、ビニルエステルモノマー、アクリルアミドモノマー、アルキル(メタ)アクリルアミドモノマー、ジアルキルアクリルアミド、スチレンモノマー、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択されるモノマーを含むモノマー混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、本発明で用いる架橋ポリマーは、特にアルキル(メタ)アクリルアミドモノマー、ジアリール(メタ)アクリルアミドモノマー、スチレンモノマー(特に、ブトキシ−スチレンモノマーのような低Tgスチレンモノマー)、ビニルエステルモノマー、及びこれらの任意の組合せ又は混合物のようなモノマーを含む、アクリレート、ビニルエステル、アクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド又はスチレン(コ)ポリマーでもよい。
好ましい態様において、架橋ポリマーはアクリレート架橋ポリマーである。本明細書で用いるアクリレート架橋ポリマーを形成するために有用な組成物は、上述したようなアクリレートベースポリマーを形成するために使用する組成物と同一でも又は異なっていてもよい。
好ましい態様において、本発明で用いられるアクリレート架橋ポリマーは、少なくとも1つの直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含むモノマー混合物から調製されており、該アルキル(メタ)アクリレートモノマーの直鎖又は分枝アルキル基は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜20、更により好ましくは6〜15、一層より好ましくは6〜10の炭素原子を含む。
更に好ましい態様において、直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリラートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。
より好ましくは、本明細書で用いるアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される。更に好ましくは、本明細書で用いるアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、イソオクチルアクリレートを含む(又は、からなる)。
特定の態様によれば、ビニルエステル(コ)モノマー、好ましくはバーサティック酸(コ)モノマーのビニルエステルが、架橋ポリマーを調製するために使用される(予備重合)モノマー混合物に、典型的にはコモノマー0〜50部の量で存在してもよく、そのため通常アクリレートモノマーと(共)重合される。好適なバーサティック酸(コ)モノマーのビニルエステルには、市販のモノマー:Momentive,Columbus,OHから市販されているVeova 10が挙げられる。典型的にはビニルエステル(コ)モノマーは、アクリレート架橋ポリマー100重量部当たり0.5〜40重量部、1.0〜30重量部、5〜25重量部、10〜20重量部、又は15〜20重量部の範囲の量で使用される。
いくつかの態様において、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体混合物は、アクリレートベースポリマー100重量部当たり、0.5〜30重量部、0.5〜20重量部、1.0〜10重量部、又は2.0〜8.0重量部の架橋ポリマー、好ましくはアクリレート架橋ポリマーを含む。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の特定の態様では、本発明で用いる共重合(II)型光架橋剤及び/又は共重合水素供与性モノマーは、架橋ポリマー、好ましくはアクリレート架橋ポリマーと共重合されてもよく、すなわち、架橋ポリマー、好ましくはアクリレート架橋ポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物に存在する他のモノマーと一緒に共重合されてもよい。
一般的に、架橋ポリマーを調製するために使用される予備重合モノマー混合物は、適切な開始剤を含む。
熱重合のためには、熱反応開始剤が含まれる。本発明に有用な熱反応開始剤としては、これらに限定されないが、アゾ、過酸化物、過硫酸塩、及びレドックス反応開始剤が挙げられる。アゾ型開始剤では、例えばDuPont Chemical Coから入手可能な「Vazo」シリーズなどが、特に好ましい。熱反応開始剤は、総モノマー100重量部当たり約0.01〜約5.0重量部、好ましくは0.025〜2重量部の量で使用され得る。
紫外線による重合には、光開始剤が含まれる。有用な光開始剤には、アクリレートベースポリマーで使用するため上記に記載したものが含まれる。光開始剤は、100重量部の総モノマーにつき、約0.001〜約5.0重量部の量で、100重量部の総モノマーにつき、約0.01〜約5.0重量部、又は、100部の総モノマーにつき、0.1〜0.5重量部の量で使用され得る。
通常、本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体混合物は更に、任意の成分として、ポリマーの分子量をコントロールするために連鎖移動剤を含んでもよい。有利には、連鎖移動剤は、アクリレートベースポリマー及び/又は架橋ポリマーを調製するために使用される(予備重合)モノマー混合物に含まれる。連鎖移動剤は、フリーラジカル重合を調節する材料であり、一般に当該技術分野において既知である。好適な連鎖移動剤としては、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、イソオクチルチオグリコレート(IOTG)、2−エチルヘキシルチオグリコレート、2−エチルヘキシルメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトイミダゾール、及び2−メルカプトエチルエーテル等の硫黄化合物、並びにエタノール、及びイソプロパノール等の溶媒が挙げられる。
当業者には明らかであるように、本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体混合物は更に、得られる架橋された感圧接着剤の想定される特性に応じた様々な追加の添加剤を含むことができる。代表的な追加の添加剤として、1つ以上の可塑剤、UV安定剤、帯電防止剤、着色剤、酸化防止剤、殺真菌剤、殺菌剤、有機及び/又は無機賦形剤粒子、顔料並びにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。有利には本明細書で用いる追加の添加剤は、非重合性添加剤である。当業者には明らかであるように本明細書で用いる追加の添加剤は、適切な時期において及び適切な重合又は予備重合マトリックスに含まれることができる。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の有利な態様では、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を、放射線架橋することによって、好ましくはUV線架橋することよって得られて、静的剪断試験ASTM D3654にしたがって測定した場合に、少なくとも2000分、好ましくは少なくとも4000分、より好ましくは少なくとも6000分、更により好ましくは少なくとも8000分、一層より好ましくは少なくとも10000分の、70℃での静的剪断を有する、放射線架橋された感圧接着剤を提供するように、アクリレートベースポリマー及び共重合水素供与性モノマーの量が選択される。
有利な態様において、70℃での静的剪断は、基材上にコーティングされたUV架橋された感圧接着剤層で測定され、該感圧接着剤層の厚さが典型的には約100μmであり、該UV架橋が典型的には、250mJ/cmのUV−B光及び50mJ/cm UV−C光に対応する、中圧UVランプの800mJ/cm UVで行われる。
本発明の1つの好ましい態様では、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、
a)アクリレートベースポリマーと、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.06〜1重量部、0.11〜1重量部、0.16〜1重量部、0.18〜0.70重量部、又は0.20〜0.50重量部の、共重合(II)型光架橋剤と、
c)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05〜30重量部、0.05〜10重量部、0.05〜5重量部、0.10〜3重量部、又は0.15〜2重量部の、共重合水素供与性モノマーと、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40〜80重量部、40〜60重量部、又は45〜55重量部の、粘着付与樹脂と、を含む。
本発明の有利な態様において、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、ホットメルト加工可能である。しかし本発明はそれに限定されるものではなく、別の有利な態様によれば、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、溶剤型接着剤系として提供され、したがって溶媒加工可能であり、又は水性系として提供させることができる。
本明細書で用いるホットメルト加工可能で放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、アクリレートベースポリマー、アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.15重量部超の共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー、及びアクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の粘着付与樹脂を含む、ホットメルト混合ブレンドである。通常、ホットメルト加工可能で放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は更に、熱可塑性材料を含むことができる。
本明細書で用いるホットメルト加工可能で放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、様々なホットメルト技術によって調製することができる。一般的に、前記方法は、ホットメルト混合装置を提供することと、アクリレートベースポリマー、アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.15重量部超の量の共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマーを提供することと、及びアクリレート系ポリマー100重量部当たり40重量部超の量の粘着付与樹脂を提供することと、アクリレートベースポリマー、共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー及び粘着付与樹脂をホットメルト混合装置で混合してホットメルトブレンドを調製することと、ホットメルトブレンドをホットメルト混合装置から取り出してホットメルト加工可能な感圧接着剤を形成することと、を含む。
下記のように、様々な追加の添加剤が、1つ以上の可塑剤、架橋剤、UV安定剤、帯電防止剤、着色剤、酸化防止剤、殺真菌剤、殺菌剤、有機及び/又は無機賦形剤粒子など含むホットメルトブレンドに含まれてよい。任意ではあるが、低濃度の可塑剤(例えば約10重量部未満)がホットメルトブレンドに添加されてもよい。「可塑剤」として記載される幅広い市販の材料は、加えられた可塑剤が熱溶融配合物の他の構成成分と適合性がある限り、好適である。代表的な可塑剤としては、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ジアルキルアジパート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)アジパート、トルエンスルホンアミド、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、ポリオキシプロピレンアリールエーテル、ジブトキシエトキシエチルフォルマール、及びジブトキシエトキシエチルアジパートが挙げられる。特に好適なものとしては、Ferro Corp.,Cleveland,OHから市販されている可塑剤SANTICIZER 141(2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート)が挙げられる。
様々なホットメルト混合装置を使用する、様々なホットメルト混合技術は、ホットメルト加工可能な感圧接着剤前駆体及びホットメルト加工可能な感圧接着剤を調製するのに適している。バッチ及び連続混合設備の両方が使用されてもよい。バッチ法の例としては、ブラベンダー(BRABENDER)(例えば、C.W.ブレベンダー・インスツルメンツ(C.W. Brabender Instruments, Inc.)(ニュージャージー州サウス・ハッケンサック)から市販されているブレベンダー・プレップ・センター(BRABENDER PREP CENTER))又はバンバリー(BANBURY)内部混合装置及びロールミリング装置(例えば、ファレル(Farrel Co.)(コネティカット州アンソニア)から入手可能な装置)を使用するようなものが挙げられる。連続法の例として、一軸スクリュー押出成形、二軸スクリュー押出成形、ディスク押出成形、往復式一軸スクリュー押出成形、ピンバレル一軸押出成形、遊星押出成形、及びリング押出成形が挙げられる。連続方法は、分配要素、ピン混合要素、静的混合要素、及び分散要素、例えばMADDOCK混合要素及びSAXTON混合要素を利用できる。単一ホットメルト混合装置が使用されてもよく、あるいはホットメルト混合設備の組み合わせが使用されて、ホットメルト配合物及びホットメルト加工可能な感圧接着剤を調製してもよい。いくつかの実施形態では、1つを超えるホットメルト混合設備を使用するのが望ましい場合がある。例えば一軸押出成形機等の1つの押出成形機は、熱可塑性パウチ内に収容される熱溶融処理可能なエラストマー(メタ)アクリレートランダムコポリマーを熱溶融処理するために使用することができる。この押出成形機の生産物は、第2の押出成形機、例えば、追加の構成成分を伴うホットメルト混合のために二軸押出成形機に送り込まれることができる。上述されたホットメルト配合物が使用されて、ホットメルト配合プロセスが終了したときにホットメルト加工可能な感圧接着剤を形成する。
ホットメルト混合の生産物が基材にコーティングされて、接着剤層を形成する。バッチ装置が使用される場合、ホットメルト配合物は装置から取り出され、ホットメルトコーター又は押出成形機内に設置され、基材にコーティングさせることができるホットメルト配合物を調製するために押出成形機が使用される場合、配合物は、連続成形方法において基材に直接押出されて、接着剤層を形成することができる。連続成形方法では、接着剤は、フィルムダイから引き出され、その後、移動プラスチックウェブ又は他の好適な基材と接触させることができる。接着剤がテープの一部である場合、基材は、テープ裏材であってよい。いくつかの方法では、テープ裏材材料は、フィルムダイから接着剤と共に共押出され、多層構造は次いで冷却されて、単一コーティングことでテープが形成される。接着剤が転写テープである場合、接着剤層は、自立フィルムであってよく、基材は、剥離ライナー又は他の剥離基材であってよい。形成した後、接着剤層又はフィルムを、直接法(例えば、冷却ロール又は水浴)及び間接法(例えば、空気又はガス衝突)の両方を用いて急冷することにより、固化させてもよい。
しかしながら、本発明の別の態様において、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、例えば溶液コーティング、エマルションコーティング、押出コーティング、同時押出コーティング、無溶媒コーティング、水性コーティング、及びこれらの組合せといった当該技術分野において周知の従来の技術を用いて、コーティングされてもよい。
次に、結果として生じる放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、適切な放射線、特に高強度のUV線に暴露されることによる架橋工程を受けて、架橋を行う。通常、前記架橋工程は、発光スペクトル250〜400ナノメートル(nm)、及び約0.1m〜約1000mW/cmの強度でよく知られているUVランプを使用して、高強度紫外(UV)線に暴露することによって行われる。
別の態様によれば、本発明は放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法に関するものであり、
a)上述の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を提供する工程と、
b)該放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋する工程と、を含む。
本発明の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体は、当業者によく知られている、感圧接着剤配合物を配合する技術を使用して得られることができる。前記重合前駆体は、溶液、バルク又は乳化重合技術などの従来の方法を使用して得られることができる。アクリレートベースポリマーは有利には、熱若しくはUV技術を使用する、バルク又は溶液重合を用いて得られることができる。架橋ポリマーは有利には、溶液重合を用いて、それに続く溶媒の除去とそれによるポリメルトの形成によって得られることができる。
前記(II)型光架橋剤及び/又は水素供与性モノマーがアクリレートベースポリマーと共重合されるのか及び/又は架橋ポリマーと共重合されるのかどうかによって、種々の予備重合配合物及び対応するモノマー混合物は、本説明に照らせば当業者には容易に明らかだろう。
通常、アクリレートベースポリマーの重合工程は、米国特許第4,181,752号(Martensら)に記載されているように、紫外(UV)線へ暴露することによって行われる。いくつかの実行では、重合は、約0.1m〜約25mW/cmの強度にて、60%超、又は75%超の発光スペクトル(280〜400ナノメートル(nm))を有するUVブラックライトで実施される。
共重合(II)型光架橋剤を含む前記ポリマー(すなわち、アクリレートベースポリマー及び/又は架橋ポリマー)の重量平均分子量は、有利には約50,000〜約3,000,000、又は約100,000〜約1,800,000、より典型的には約200,000〜約1,500,000の範囲である。
有利な1つの態様では、放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法は、
a)上述の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を提供する工程と、
b)該放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋する工程と、を含む。
1つの例示的態様では、放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法は、
a)アクリレートベースポリマーを提供する工程と、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超、0.10重量部超、又は0.15重量部超の量の共重合(II)型光架橋剤を提供する工程と、
c)共重合水素供与性モノマーを提供する工程と、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の粘着付与樹脂を提供する工程と、
e)アクリレートベースポリマー、共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー及び粘着付与樹脂を混合し、これによって放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を形成する工程と、
f)放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋し、好ましくはUV線架橋し、これによって放射線架橋された感圧接着剤を形成する工程と、を含む。
放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法の1つの特定の態様では、共重合(II)型光架橋剤及び/又は共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーと共重合され、及び/又は架橋ポリマーと、好ましくは前記アクリレートベースポリマーとは異なるアクリレート架橋ポリマーと共重合される。
放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法の別の特定の態様では、共重合(II)型光架橋剤及び/又は共重合水素供与性モノマーは、アクリレートベースポリマーと共重合される。
放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法の更に別の特定の態様では、共重合(II)型光架橋剤及び/又は共重合水素供与性モノマーは、架橋ポリマーと、好ましくはアクリレート架橋ポリマーと共重合される。
放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法の好ましい態様では、前記放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を、放射線架橋することによって、好ましくはUV線架橋することによって得られて、静的剪断試験ASTM D3654にしたがって測定した場合に、少なくとも2000分、好ましくは少なくとも4000分、より好ましくは少なくとも6000分、更により好ましくは少なくとも8000分、一層より好ましくは少なくとも10000分の、70℃での静的剪断を有する、放射線架橋された感圧接着剤を提供するように、アクリレートベースポリマー及び共重合水素供与性モノマーの量が選択される。
射線架橋された感圧接着剤を調製する方法の有利な態様では、70℃での静的剪断が、基材上にコーティングされたUV架橋された感圧接着剤層で測定され、該接着剤層の厚さが約100μmであり、該UV架橋が典型的には250mJ/cmのUV−B光で行われる。
有利には放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法は、アクリレートベースポリマー、共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー及び粘着付与樹脂を溶融混合し、それによってホットメルト加工可能で放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を形成することを含む。
本発明の別の態様では上述にように、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を、放射線架橋することによって得られた放射線架橋された感圧接着剤が提供される。
別の態様において上述にように、基材上にコーティングされた放射線架橋された感圧接着剤が提供され、該放射線架橋された感圧接着剤コーティングは好ましくは少なくとも40μm、又は50μm超、70μm超、80μm超、90μm超若しくは100μm超の厚さを有する。
有利には、上述のような放射線架橋された感圧接着剤は、ホットメルト加工可能である。
本発明の放射線架橋された感圧接着剤及び放射線架橋された感圧接着剤前駆体、特にホットメルト及び溶媒加工可能な接着剤及び前駆体は有利には、広範囲の接着テープ及び物品を調製するために用いられ得る。これらのテープ及び物品の多くは、接着剤層を支持する裏材又はその他の基材を含む。その他の接着剤テープ及び物品は、裏材又は基材層を含まず、したがって自立接着層である。そのような接着剤物品の例は、両面テープである。「転写テープ」とも呼ばれる両面テープは、露出された表面の両方に接着剤を有する接着剤テープである。いくつかの転写テープでは、露出された表面は単に、単一の接着剤層の2つの表面である。その他の転写テープは、同じであっても異なっていてもよい少なくとも2つの接着剤層を有する多層転写テープであり、場合によっては、接着剤層をなくてもよい層を介在する。例えば、多層転写テープは、接着剤層、フィルム層、及び別の接着剤層を有する3層構造であってもよい。フィルム層は、取り扱い及び/若しくは引き裂き強度又は他の望ましい特性を提供し得る。本開示では、感圧接着剤の1つの自立層を含む両面接着剤が調製される。
両面接着剤が自立しているため、支持層の存在なしで取り扱われるのに十分な取り扱い強度を有する必要がある。しかしながら、多くの態様において、接着剤層は、容易に引き裂き可能であること、即ち、接着剤層は、ナイフ、はさみ、又はかみそりの刃等の切断用具の使用を必要とせずに手で容易に引き裂くことができることが望ましい。
有利には、本開示に記載される方法は、様々な接着剤物品を形成するのに使用することができる。これらの接着剤物品は、転写テープなどのテープである。上述したように、転写テープは、露出した両方の面に接着剤を有する自立型接着フィルムであってもよい。転写テープは、フライングスプライスを作製するために印刷及び製紙産業において広く使用され、その上、産業及び消費者の両方によって様々な接着、取り付け、及びマット適用のために使用される。
転写テープは、特に上述のホットメルトブレンドを剥離ライナーなどの剥離表面上にホットメルトコーティングすることによって調製することができる。「剥離ライナ」は、接着剤、特に感圧接着剤に対する低親和性を有する周知のフィルム物品である。様々な剥離ライナが既知であり、本開示の感圧接着剤の使用に好適である。代表的な剥離ライナーとしては、紙(例えば、クラフト紙)、又はポリマー材料(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル等)から調製されたものが挙げられる。少なくともいくつかの剥離ライナーは、シリコーン含有材料又はフルオロカーボン含有材料のような剥離剤の層でコーティングされる。代表的な剥離ライナーとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にシリコーン剥離コーティングを有するCP Film(Martinsville,Va.)から、商品名「T−30」及び「T−10」として市販されているライナーが挙げられるが、これらに限定されない。ライナーは、その表面に微細構造を有することができ、それは接着剤に付与されて、接着剤層の表面上に微細構造を形成する。次いで、ライナーを取り除いて、微細構造化表面を有する接着剤層を露出してもよい。
多くの転写テープの実施形態では、転写テープは手動引き裂き可能であり、即ち、分配された接着剤は、転写テープを切断する必要なく、手によって引き裂けることができるのが望ましい。これは、転写テープが、3M Company,St.Paul,MNから市販されているSCOTCH ATGディスペンサー等の、刃がない手持ち式ディスペンサーから分配される場合に特に当てはまる。本開示の感圧接着剤は、転写テープに必要とされる取扱い強度を有するだけでなく、通常は手で引き裂くことができる。
したがって、別の態様において、本発明は、粘着テープ、好ましくは両面テープの製造のための、上述のような放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の使用に関する。
1項は、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体であり、
a)アクリレートベースポリマーと、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の量の、共重合(II)型光架橋剤と、
c)共重合水素供与性モノマーと、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の、粘着付与樹脂と、を含む放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体である。
2項は、1項の前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤の量がアクリレートベースポリマー100重量部当たり0.10重量部超、又は0.15重量部超の量である、前駆体である。
3項は、1項又は2項による前駆体であり、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を、放射線架橋することによって、好ましくはUV線架橋することによって得られて、静的剪断試験ASTM D3654にしたがって測定した場合に、少なくとも2000分、好ましくは少なくとも4000分、より好ましくは少なくとも6000分、更により好ましくは少なくとも8000分、一層より好ましくは少なくとも10000分の、70℃での静的剪断を有する、放射線架橋された感圧接着剤を提供するように、アクリレートベースポリマー及び共重合水素供与性モノマーの量が選択される、前駆体である。
4項は、3項による前駆体であり、70℃での前記静的剪断は基材上にコーティングされたUV架橋された感圧接着剤層で測定され、該接着剤層の厚さが典型的には約100μmであり、該UV架橋が典型的には250mJ/cmのUV−B光で行われる、前駆体である。
5項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、粘着付与樹脂の量がアクリレートベースポリマー100重量部当たり45重量部超、好ましくは50重量部超、更に好ましくは55重量部超、より更に好ましくは60重量部超である、前駆体である。
6項は、先行項のいずれかによる前駆体であって、
a)アクリレートベースポリマーと、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.06〜1重量部、0.11〜1重量部、0.16〜1重量部、0.18〜0.70重量部、又は0.20〜0.50重量部の、共重合(II)型光架橋剤と、
c)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05〜30重量部、0.05〜10重量部、0.05〜5重量部、0.10〜3重量部、又は0.15〜2重量部の、共重合水素供与性モノマーと、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40〜80重量部、40〜60重量部、又は50〜60重量部の、粘着付与樹脂と、を含む、前駆体である。
7項は、先行項のいずれかによる前駆体であって、
a)前駆体の45〜80wt%、45〜75wt%、50〜70wt%、又は60〜70wt%のアクリレートモノマーと、
b)前駆体の0.01〜1wt%、0.03〜1wt%、0.05〜1wt%、0.10〜0.60wt%、又は0.12〜0.25wt%の共重合(II)型光架橋剤と、
c)前駆体の0.02〜17wt%、0.02〜10wt%、0.02〜4wt%、0.05〜2wt%、又は0.08〜1.5wt%の共重合水素供与性モノマーと
d)前駆体の20〜50wt%、20〜45wt%、又は25〜40wt%の粘着付与樹脂と、を含む、前駆体である。
8項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、アクリレートベースポリマーが、1つ以上の直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性混合物か得られ、該アルキル(メタ)アクリレートモノマーの直鎖又は分枝アルキル基は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜20、更により好ましくは6〜15、一層より好ましくは6〜10の炭素原子を含む、前駆体である。
9項は、8項による前駆体であり、直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリラートモノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
10項は、8項又は9項による前駆体であり、アルキル(メタ)アクリラートモノマーが、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
11項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、アクリレートベースポリマーが、ホモポリマーとして20℃未満のTgを有する少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートモノマーとホモポリマーとして20℃超のTgを有するコモノマーとを含み、ホモポリマーとして20℃超のTgを有するコモノマーが好ましくはアクリル酸を含むために選択される、前駆体である。
12項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、アクリレートベースポリマーが更に共重合光架橋剤、好ましくは共重合(II)型光架橋剤を含む、前駆体である。
13項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、アクリレートベースポリマーが、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はブチルアクリレートのコポリマー及びアクリル酸を含む、前駆体である。
14項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤がモノエチレン系不飽和芳香族ケトンの群から選択される、好ましくはパラ−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン(AEBP)、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシジエトキシ−4−クロロベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノン、アクリレート化アントラキノン、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
15項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤がパラ−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン(AEBP)、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
16項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合水素供与性モノマーが、窒素、酸素又は硫黄原子に対してα位にある炭素原子に少なくとも1つの水素原子からなるモノマーの群から選択される、前駆体である。より好ましくは、共重合水素供与性モノマーは、少なくとも1つのアミン官能基、好ましくは三級アミン官能基を含む(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル系、ウレタン(メタ)アクリル系、スチレン系、及びビニル系モノマーからなる群から選択される。
17項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合水素供与性モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
18項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合水素供与性モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−[[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
19項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤が、アクリレートベースポリマーと共重合される、前駆体である。
20項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤が、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、前駆体である。
21項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーと共重合される、前駆体である。
22項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、前駆体である。
23項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤及び共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーと共重合される、前駆体である。
24項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、共重合(II)型光架橋剤及び共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、前駆体である。
25項は、20〜24項のいずれかによる前駆体であり、架橋ポリマーがアクリレート架橋ポリマーである、前駆体である。
25項は、20〜24項のいずれかによる前駆体であり、架橋ポリマーが、少なくとも1つの直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む重合性混合物か得られ、該アルキル(メタ)アクリレートモノマーの直鎖又は分枝アルキル基は、好ましくは1〜24、より好ましくは4〜20、更により好ましくは6〜15、一層より好ましくは6〜10の炭素原子を含む、前駆体である。
26項は、25項による前駆体であり、直鎖又は分枝アルキル(メタ)アクリラートモノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−プロピルヘプチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
27項は、20〜26項のいずれかによる前駆体であり、架橋ポリマーが、アクリルモノマー、ビニルエステルモノマー、アクリルアミドモノマー、アルキル(メタ)アクリルアミドモノマー、ジアルキルアクリルアミド、スチレンモノマー、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される重合性混合物モノマーから得られる、前駆体である。
28項は、20〜27項のいずれかによる前駆体であり、架橋ポリマーが、酸性モノマーを含まない、好ましくはアクリル酸モノマーを含まない重合性混合物から得られる、前駆体である。
29項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、粘着付与樹脂は、テルペンフェノール樹脂、ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジンのエステル、合成炭化水素樹脂、及びこれらの任意の組合せ又は混合物からなる群から選択される、前駆体である。
30項は、先行項のいずれかによる前駆体であり、粘着付与樹脂が水素添加ロジンのエステルの群から選択される、前駆体である。
31項は、先行項のいずれかによる前駆体であって、ホットメルト加工可能である前駆体である。
32項は、1〜31項のいずれかによる前駆体を、放射線架橋することによって得られる放射線架橋された感圧接着剤である。
33項は、基材上にコーティングされてそれによって架橋された感圧接着剤層を形成する、32項による放射線架橋された感圧接着剤であって、放射線架橋された感圧接着剤層が好ましくは、少なくとも40μm、又は50μm超、70μm超、80μm超、90μm超若しくは100μm超の厚さを有する、32項による放射線架橋された感圧接着剤。
34項は、ホットメルト加工可能な、32項又は33項による放射線架橋された感圧接着剤である。
35項は、放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法であって、
a)1〜31項のいずれかによる放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を提供する工程と、
b)該放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋する工程と、を含む、方法である。
36項は、35項の方法であり、
a)アクリレートベースポリマーを提供する工程と、
b)アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の、典型的には0.10重量部超の、より典型的には0.15重量部超の量の共重合(II)型光架橋剤を提供する工程と、
c)共重合水素供与性モノマーを提供する工程と、
d)アクリレートベースポリマー100重量部当たり40重量部超の量の粘着付与樹脂を提供する工程と、
e)アクリレートベースポリマー、共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー及び粘着付与樹脂を混合し、これによって放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を形成する工程と、
f)放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋し、好ましくはUV線架橋し、これによって放射線架橋された感圧接着剤を形成する工程と、を含む方法である。
37項は、35項又は36項による方法であり、共重合(II)型光架橋剤がアクリレートベースポリマーと共重合される、方法である。
38項は、35〜37項のいずれかによる方法であり、共重合(II)型光架橋剤が、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、方法である。
39項は、35〜38項のいずれかによる方法であり、共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーと共重合される、方法である。
40項は、35〜39項のいずれかによる方法であり、共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、方法である。
41項は、35〜40項のいずれかによる方法であり、共重合(II)型光架橋剤及び共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーと共重合される、方法である。
42項は、35〜41項のいずれかによる方法であり、共重合(II)型光架橋剤及び共重合水素供与性モノマーが、アクリレートベースポリマーとは異なる架橋ポリマーと共重合される、方法である。
43項は、37〜42項のいずれかによる方法であり、架橋ポリマーがアクリレート架橋ポリマーである、方法である。
44項は、35〜43項のいずれかによる方法であり、放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を、放射線架橋することによって、好ましくはUV線架橋することによって得られて、静的剪断試験ASTM D3654にしたがって測定した場合に、少なくとも2000分、好ましくは少なくとも4000分、より好ましくは少なくとも6000分、更により好ましくは少なくとも8000分、一層より好ましくは少なくとも10000分の、70℃での静的剪断を有する、放射線架橋された感圧接着剤を提供するように、アクリレートベースポリマー及び共重合水素供与性モノマーの量が選択される、方法である。
45項は、44項による方法であって、70℃での静的剪断が基材上にコーティングされたUV架橋された感圧接着剤層で測定され、該接着剤層の厚さが約100μmであり、該UV架橋が典型的には250mJ/cmのUV−B光で行われる、方法である。
46項は、35〜45項のいずれかによる方法であって、アクリレートベースポリマー、共重合(II)型光架橋剤、共重合水素供与性モノマー及び粘着付与樹脂を溶融混合し、それによってホットメルト加工可能で放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を形成する工程を含む、よる方法。
47項は、接着テープの、好ましくは両面テープの製造のための、1〜31項のいずれかによる放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の使用である。
以下の実施例により本発明が更に説明される。以下の実施例はあくまで例示を目的としたものにすぎず、付属の「特許請求の範囲」に対して限定的であることを意図するものではない。
試験方法
1.ASTM D 3564による静的剪断(手順A)
ステンレス鋼(SS)上の剪断強度:
この試験方法は、テープ及び基材の表面に平行に加えられた定荷重下で接着された状態のままであるための感圧性接着テープの能力を判定する。
試験をする前に、全サンプルが周囲条件下(23℃+/−2℃及び相対湿度50%+/−5%)で調節される。
ASTM規格:D3654/D3654M−06にしたがって、剪断強度が測定される。
最初に、接着剤の1インチ(2.54cm)幅の細長片が、平行面に2つの片刃カミソリを有する試験片カッターを用いてテープから切りとられ、該刃は1インチ(2.54cm)離間されている。次に、前記接着剤片を、ASTM A666仕様にしたがって光輝焼鈍仕上げをした幅50mm、長さ125mm(及び最少厚さ1.1mm)の寸法を有する、清浄ステンレス鋼パネルに、該ステンレス鋼パネルの幅1インチ、長さ1インチ(2.54cm×2.54cm)の領域を覆いながら置く。次に、接着剤片を、2kgの手持ち式ゴム被覆ローラーを約10mm+/−0.4mm/sの速度で用いて、縦横各方向に上から2度転がされる。500グラム重が静荷重として使用され、試験片は70℃での空気循環オーブン内の自動タイミング装置に置かれる。全てのサンプルの破壊モードは、凝集破壊である。前記データは、3回の測定値の平均として報告される。
2.ASTM規格:D3330/D330M−04にしたがった180°引き剥がし接着力
この試験方法は、感圧接着剤テープの引き剥がし接着力の測定を扱う。引き剥がし接着力は、試験基材として、ステンレス鋼及びPE被覆アルミニウムパネルに対して測定される。ステンレス鋼パネルは、幅50mm、長さ125mm及び最小厚さ1.1mmの寸法である。PE被覆アルミニウムパネルは、幅50mm、長さ150mm及び厚さ2mmの寸法である。
ステンレス鋼パネルの場合、パネルは、ASTM A666仕様302又は304型に適合し、光輝焼鈍仕上げをしてある必要がある。PE被覆アルミニウムパネルは、アルミニウムパネルと同じ寸法の厚さ13ミル(330マイクロメートル)のポリエチレンフィルム、該PEフィルムはEastman Chemical Co.(Kingsport,Tenn.,USA)から商品名「VORIDIAN POLYETHYLENE 1550P」で市販されているポリエチレン(PE)ペレットからできているPEフィルム、を選択し、PEフィルムと接着フィルムを一緒にアルミニウムパネルへ固着することにてよって製造される。選択されたPEの試験表面は、粗い表面側である。
試験をする前に、全サンプルが周囲条件下(23℃+/−2℃及び相対湿度50%+/−5%)で調節される。
周囲条件下(23℃+/−2℃及び相対湿度50%+/−5%)に置かれた気候室で、幅1インチ(2.54cm)で長さ約300mmの接着剤片が、調節済みサンプルから、接着剤の平行面に2つの片刃カミソリを有する試験片カッターを用いてテープから切りとられる。次に前記接着剤片は、圧力をかけずに、いずれも清浄ステンレス鋼パネル又はPEパネルに置かれる。ステンレス鋼パネルの洗浄は、最初に糸くずの出ない、メチルエチルケトン(MEK)をしみこませた薄い布でふき、続いてn−ヘプタンをしみこませた布で、最後に別のメチルエチルケトン(MEK)をしみこませた布でふくことによってなされる。溶媒ごとのパネルのふき取りは、常に乾燥するまで行われる。
次に、接着剤片を、2kgの手持ち式ゴム被覆ローラーを10+/−0.5mm/sの速度で、縦横各方向に2度通過させて、基材上に積層させる。気候室での20分の滞留時間後、180°剥離試験が、FP−2255剥離試験機(Thwing−Albert Instrument Company製)を用いて、10秒以上収集されて平均化されたデータで行われる。3つの測定値が実施例ごとに計測されて、N/inchで平均値が記録される。
Figure 0006469017
ベースポリマーの製造:
ベースポリマーB0(ホットメルト感圧接着剤)の調製:
ベースポリマーB0は比較的低分子量であり、そのABP含有量はパウチでのゲル化を回避するように選択される。
IOA及びAAのコポリマーは、米国特許第6,294,249号(Hamerら)に記載されるようにエチレン酢酸ビニルのフィルムパウチ内に密封された紫外線下でバルク重合される。VA−24としてPliant Corp.(Evansville,IN)から市販の、2枚の厚さ2.5ミル(51マイクロメートル)のエチレン−酢酸ビニルのシートを外側縁部及び底部でヒートシールして、液体に接して長方形のパウチを形成し、充填し、密封加工する。パウチは、IOA 96部、AA 4部、Irgacure 651を0.20phr、ANP 0.10phr及びIOTG 0.04phrを有するプレ接着剤組成物で充填される。充填されたパッケージは、上部で横方向にモノマー全体にわたってヒートシールされて、縦13.4cm、横4.3cm、厚さ0.4cmの寸法の、プレ接着剤組成物25gを含有する、個々のパウチを形成する。約16℃〜32℃に維持され、4.55mW/cmの強度で21分間、紫外線(300〜400ナノメートル(nm)の約90パーセント発光、及び351nmでのピーク発光を有するランプにより供給される)に曝露された水浴に、パウチを配置する。
ベースポリマーB1〜B7の製造:
更にベースポリマーは、溶液重合を介して製造される。典型的には、酢酸エチルとヘプタンが85:15部の溶媒混合物で、アクリレート混合物(主にIOAS/AA)の45重量%溶液が調製される。前記重合はアゾ反応開始剤(V 601)よって開始し、前記混合物は20時間60℃で撹拌し続けると重合される。ベースポリマーで使用された全配合物は、表1に示される。
Figure 0006469017
重合架橋剤XL0〜XL14の製造
実施例で使用される架橋ポリマーは溶液中に生じ、後述されるホットメルト実験用のいわゆるポリメルトは溶媒を除去することによって作成される。典型的には、酢酸エチルのアクリレート混合物50重量%溶液が調製される。分子量は、連鎖移動剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PETMP)を添加することによって調節される。重合はアゾ反応開始剤(Vazo 601)によって開始し、65℃で20時間一定の撹拌下で重合を行う。表2に、実施例で使用された全架橋ポリマーの一覧を示す。
Figure 0006469017
ベースポリマー及び架橋ポリマーから作成される全実施例のために、Foral 85E(Eastman Chemical Companyから市販されている)として知られている水素添加ロジンエステルが粘着付与剤として使用される。
実施例1〜22(溶液)及びHM1〜HM3(ホットメルト)の作成:
溶液又はホットメルト処理を介して作成される全実施例は、100μmの厚さにコーティングされる。ホットメルト実施例用に、ベースポリマーB0が使用され、架橋ポリマーXL0又はXL4が粘着付与樹脂Foral 85Eと組合せて使用される。ホットメルト配合物は、160℃、スクリュー速度320rpmでWerner&Pfleiderer(Stuttgart,Germany)製の2軸スクリュー押出機に流される。&ホットメルトコーティング自体はロータリーロッドダイを使用して行われ、サンプルは、中圧水銀ランプ(TCS Technologies製)下の250mJ/cmのUV−B光で、オフラインで硬化される。使用するライナーは、両面をシリコーン処理された(Mondi Akrosil,Wisconsin,USA製)、厚さ75μmの紙ライナーである。
表3は、ホットメルト処理の実施例HM1〜HM3を示す。
Figure 0006469017
実施例1〜24は、室温(23℃+/−2℃)、60分間、10rpm/minで混合し続けた溶液の成分を混合することによって調製される。次に前記混合物は、白い、両面をシリコーン処理された(Mondi Akrosil,Wisconsin,USA製)、厚さ75μmの紙ライナーにナイフコーティングされる。コーティング1〜23は、100μm+/−5μmの厚みを有し、コーティング24は50μm+/−2μmの厚みを有する。前記コーティングは、中圧水銀ランプ(TCS Technologies製)下の250mJ/cmのUV−B光で照射される。試験のために、前記コーティングは、50μmのアルミニウム処理されたPETライナー(Mitsubishi Polyester Film GmbH,Wiesbaden,Germany製、Hostaphan RN箔として市販されている)に積層化されて、試験片は上述したように、静的剪断及び180°剥離試験のために調製される。
Figure 0006469017
試験結果
以前開示されたように、水素供与性モノマーは、ベースポリマー又は架橋ポリマー又はその両方に配合させることができる。同じ説明が共重合(II)型光架橋剤についても言え、該光架橋剤はアクリレートベースポリマー中に共重合させ、又は架橋ポリマー中に共重合させ、又はその両方に共重合させることができる。表5は、実施例1〜7の、ステンレス鋼及びPEパネルに対する180°引き剥がし接着力の試験結果と更に、ステンレス鋼の70℃での静的剪断値を示す。これらの実施例は、ベースポリマー又は架橋ポリマーの一部であるかどうかによる、水素供与体及び光架橋剤の効果を示すために提供される。
Figure 0006469017
表5の結果は、配合物に水素供与性モノマーを少しも含まない、実施例1及び実施例2の配合物が貧弱な剪断性能を有することを示す。
実施例2及び実施例3は、配合物に同量のベンゾフェノンを有するが、実施例3では、N,N−ジメチルアクリルアミド(NNDMA)を水素供与性モノマー(HDM)として架橋ポリマーに配合させる。剪断性能の大幅な上昇は、実施例3で認められる。
更に実施例1及び実施例4は、同濃度のベンゾフェノンを含む。実施例4では、架橋ポリマーがIOA/NNDMAコポリマーである。この多量のHDMを混合物に添加することで、剪断能力の同様の増加が生じる。実施例5は、その逆も機能することを示している。水素供与性モノマーはここでベースポリマーに配合させて、全ベンゾフェノンが架橋剤にある。実施例6及び実施例7は、ABP及びHDMが同じベースポリマーにある場合、前記システムがまた働くことを示している。実施例23は、ポリ(N,Nジメチルアクリルアミド系の架橋剤を使用している。また実施例23及び実施例24が示すように、光架橋剤の総量が減らされると、高剪断性能が更に得られる。
上記実施例(実施例3〜実施例7並びに実施例23及び実施例24)は、水素供与体としてNNDMAを使用していることが、共通している。表6で示されているように、以下の試験結果は、剪断及び180°剥離値での、異なる種類の水素供与体の影響を示している。
Figure 0006469017
以下の表7において、60部のForal 85Eを含む高度に粘着付与されたPSAが評価されている。
Figure 0006469017
表8において、ホットメルト実施例の結果が示される。
Figure 0006469017

Claims (4)

  1. アクリレートベースポリマーと、
    アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の量の、共重合した架橋剤と、
    共重合した水素供与性モノマーであって、前記モノマーが、窒素、酸素又は硫黄原子に対してα位にある炭素原子に少なくとも1つの水素原子を含むモノマーの群から選択される、共重合した水素供与性モノマーと、
    アクリレートベースポリマー100重量部当たり45重量部超の量の、粘着付与樹脂と、を含
    前記光架橋剤は、照射時に励起して高エネルギー状態になり、前記水素供与性モノマーから水素原子を引き抜きフリーラジカルを発生させる、
    放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体。
  2. 請求項1に記載の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を提供する工程と、
    前記放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋する工程と、を含む放射線架橋された感圧接着剤を調製する方法。
  3. アクリレートベースポリマーと、
    アクリレートベースポリマー100重量部当たり0.05重量部超の共重合した架橋剤と、
    共重合した水素供与性モノマーであって、前記モノマーが、窒素、酸素又は硫黄原子に対してα位にある炭素原子に少なくとも1つの水素原子を含むモノマーの群から選択される共重合した水素供与性モノマーと
    を提供する工程と、
    アクリレートベースポリマー100重量部当たり45重量部超の量の粘着付与樹脂を提供する工程と、
    前記アクリレートベースポリマー、前記共重合した架橋剤、前記共重合した水素供与性モノマー及び前記粘着付与樹脂を含む混合物を混合し、これによって放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を形成する工程と、
    前記放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体を放射線架橋し、これによって放射線架橋された感圧接着剤を形成する工程と、
    を含み、
    前記光架橋剤は、照射時に励起して高エネルギー状態になり、前記水素供与性モノマーから水素原子を引き抜きフリーラジカルを発生させる、請求項2に記載の方法。
  4. 接着テープの製造のための、請求項1に記載の放射線架橋可能な感圧接着剤前駆体の使用。
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