JP2005035591A - 紙カップおよびその製造方法 - Google Patents

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Yoshiyasu Kotani
佳泰 小谷
Shigeharu Suzuki
重治 鈴木
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Abstract

【課題】胴部材の接合部分の内面に、端面を覆う形でテープ材を貼り付け、接合部分を接合してなる紙カップおよびその製造方法に関するものであり、生産性の高い方法であり、かつ、内容物の液体が溶出性の高いものや風味を重視する用途に使用することができる紙カップおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、胴部材ブランクの端部同士を接合する接合部分の内面の胴部材ブランクの端面をテープ材により被覆して端面処理をしたことを特徴とする紙カップおよびその製造方法であり、テープ材が、中心層と該中心層を被覆する被覆層からなり、被覆層が紙カップを形成する積層体の最内層と熱接着性を有する樹脂により構成されたテープであることを特徴とし、積層体の最内層およびテープ材の被覆層が、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主とした樹脂からなることを特徴としている。
【選択図】図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙カップの胴部材の端面を被覆する技術に関するものであり、詳しくは、溶出性の高い内容物や、風味を重視する内容物にも使用することができる紙カップおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紙カップは、清涼飲料、コーヒー等の飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、納豆等の容器として広く使用されている。一般的に紙カップは、図8−aに示すように、胴部材ブランク10からなる胴部材1と、底部材ブランク20からなる底部材2とから構成されており、それぞれのブランクは、紙を基材とし、少なくとも最内層が熱接着性樹脂からなる積層体を用いている。胴部材ブランク10の両端を重ね、この重ねた部分を加熱圧着して貼り合わせることによって、カップ形状に胴部材1を成形している。しかし、紙カップの成形段階で、胴部材ブランク10の一端部の外面と他端部の内面を貼り合わせカップ状に成形する場合、図8−bに示すように、接合部分の内面における紙の断面(端面11)が内容物と接する形となり、紙臭が内容物に移行したり、内容物の成分が紙層に吸着する等の問題がある。
【0003】
これらの問題を防ぐために、紙カップの胴部材の接合部内面における端面の露出を防ぐ端面処理方法として、ラミネート等による積層体からテープ材を作製し、このテープ材を、図8−cに示すように、端面を覆うように「U」の字型に貼り付けて端面の露出を防ぐテープ貼り法、また、図8−dに示すように、ブランクの端部をわずかに外面側に折り返す事により、端面の露出を防ぐヘミング法、ブランクの紙を半分だけ研削し、残された部分の半分の幅を折り返すことにより、端面の露出を防ぐスカイブ・ヘミング法等が施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−2661号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のテープ貼り法では、「U」の字型に貼り合わせるため生産性が低く、テープ貼り工程が、全体の生産性を低くする要因となっている。また、積層体をスリットしたテープ材を胴部材ブランクの端部に貼りつける場合、テープ材の端面11が内容物と接触する形となり、内容物によっては、テープ材の積層部の剥離や接着剤成分の溶出により、風味を損なったり、劣化させたりする等の問題がある。
【0006】
一方、ヘミング法およびスカイブ・ヘミング法は、折り返しにくいという点、紙粉の発生等があり、生産性、衛生性の点で問題がある。
【0007】
そこで本発明は、胴部材の接合部分の内面に、端面を覆う形でテープ材を貼り付け、接合部分を接合してなる紙カップおよびその製造方法に関するものであり、紙カップの内面に露出する端面を確実に覆うことができ、かつ、生産性の高い方法であり、特に、内容物の液体が溶出性の高いものや風味を重視する用途に使用することができ、さらには端部からの細菌等の進入を防ぐことにより品質保持期間を延長させることが可能な紙カップおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべくなされた本発明は、紙を基材とする積層体からなる胴部材ブランクと底部材ブランクを成形してなる紙カップにおいて、前記胴部材ブランクの端部同士を接合する接合部分の内面の前記胴部材ブランクの端面をテープ材により被覆して端面処理をしたことを特徴とする紙カップである。
【0009】
また、前記テープ材が、中心層と該中心層を被覆する被覆層からなり、前記被覆層が前記紙カップを形成する積層体の最内層と熱接着性を有する樹脂により構成されたテープであることを特徴とし、前記積層体の最内層および前記テープ材の被覆層が、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、又はシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主とした樹脂からなることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記テープ材が、前記中心層と、前記被覆層とを共押出し法により成形してなるものであることを特徴とし、前記テープ材の中心層が、高密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂のいずれかの樹脂からなることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、紙を基材とする積層体からなる胴部材ブランクと底部材ブランクを成形してなる紙カップの製造方法において、内側となるブランク端部に沿ってテープ材の一部を貼着し、他の部分を前記胴部材ブランクからはみ出したはみ出し部とし、前記胴部材ブランクを筒状に成形する際の前記胴部材ブランクの端部同士を接合する工程で、前記はみ出し部を前記胴部材ブランクの内面に貼着して前記胴部材ブランクの端面を被覆することを特徴とする紙カップの製造方法である。
【0012】
本発明によれば、胴部材ブランクの端部同士を接合した接合部分の内面に、テープ材を端面を覆う形で貼り付けてなる紙カップであって、内側となる胴部材ブランクの端部に沿ってテープ材の一部を貼着し、他の部分を胴部材ブランクからはみ出したはみ出し部とし、胴部材ブランクを筒状に成形する際の端部同士を接合する工程で、はみ出し部を胴部材ブランクの内面に貼着して端面を被覆することにより、確実に紙カップの内面の端面が被覆された紙カップを生産性の高い製造方法で得ることができるものである。また、テープ材が、中心層となる樹脂と、その周囲を囲むように、その紙カップの最内層と同系で熱接着性を有する樹脂とを共押出しすることにより、テープ材の端面部分が存在しない構造を持ち、テープ材からの微量成分の内容物への溶出等がなくなり、溶出しやすい内容物、あるいは風味を重要視する内容物等にも対応できる紙カップを得ることが出来るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明するが、幾つかの図面に渡って同一あるいは同様な部分には同一の符号を付けて示している。
【0014】
図1は、従来の紙カップおよび本発明の紙カップの胴部材の接合部分の部分拡大断面図であり、図2は、本発明の紙カップの材料である積層体の構成図であり、図3は、本発明の紙カップに使用するテープ材の構成図であり、図4は、本発明の紙カップに使用するテープ材の別の構成図であり、図5は、本発明の紙カップにおいてテープ材を胴部材ブランクに貼着した平面図および胴部材ブランクの接合部分を貼り合わせる部分断面図であり、図6は、本発明の紙カップを製造する方法において胴部材ブランクにテープ材を貼る方法を説明する部分拡大断面図であり、図7は、本発明の紙カップを製造する方法において胴部材ブランクにテープ材を貼る方法を説明する概略図であり、図8は、従来の紙カップおよびその端面処理方法を示す説明図および断面図である。
【0015】
本発明に係る紙カップの構造について説明する。本発明の紙カップAは、テープ貼りが施されない状態では、一般的な紙カップと同様に、図8−aに示すように、胴部材ブランク10からなる胴部材1と底部材ブランク20からなる底部材2とから構成されており、それぞれのブランクは、紙を基材とし、少なくとも最内層が熱接着性樹脂からなる積層体を用いている。また、胴部材1は、図1−aに示すように、胴部材ブランク10の両端部10a、10b同士を接合して円錐台形状に成形されており、両端部10a、10b同士を接合すると、接合部分の内面において、積層体の端部10aの露出した端面11が、紙カップAの内面に露出している。本発明の紙カップAは、図1−bに示すように、この露出した端面11をテープ材3で確実に効率よく被覆することを特徴とする紙カップおよびその製造方法である。
【0016】
本発明の紙カップAの積層体100は、基本的には、図2−aに示すように、最外層102、紙層101、最内層103の構成からなり、さらに、図2−bに示すように、バリア層104を紙層101と最内層103の間に設けてもよい。また、各層の間には必要に応じて接着層を介在させてもよい。
【0017】
最内層103に使用する熱可塑性樹脂は、内容物の保護、熱シールにより胴部材1を逆円錐台形状に形成し、胴部材1と底部材2の接着を可能にする機能を持っている必要がある。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂などが挙げられる。厚さとしては、15〜60μmの範囲が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、押し出し加工あるいはラミネート加工によって、最内層103に形成される。
【0018】
例えば、具体的な材料の構成としては、表面側から紙層/ポリエチレン樹脂層、ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、発泡ポリエチレン樹脂層/紙層/ポリエチレン樹脂層、紙層/ポリプロピレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層/紙層/ポリプロピレン樹脂層、紙層/ポリエステル樹脂層、ポリエステル樹脂層/紙層/ポリエステル樹脂層、紙層/ナイロン樹脂層、ナイロン樹脂層/紙層/ナイロン樹脂層などが挙げられる。
【0019】
また、内容物によっては、低分子量成分等の微量成分の溶出があり、異臭の原因となることがあり、そのような内容物に対しては、最内層103として低分子量成分を含有しないシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を用いることが好ましい。このような構成の積層体100とすることにより、内容物の味覚への悪影響を防ぐことが可能となる。
【0020】
つぎに、紙カップAの接合部分の内面の端面11を被覆するテープ材3について説明する。
【0021】
テープ材3は、図3に示すように、中心層3aとその両面に外層3bとして熱可塑性樹脂を積層した構成としており、中心層3aとしては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等を使用することができ、外層3bの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂等を使用することができる。例えば、中心層3aを耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂として、その両側に接着層3cを介して、外層3bをポリエチレン樹脂層をラミネートした積層フィルムを使用することができる。このテープ材3のラミネートの方法としては、ドライラミネート、エクストルージョンラミネート等が一般的であり、接着層3cとして使用する接着剤としては、ポリウレタン系二液硬化型接着剤等を使用することができる。
【0022】
また、テープ材3は、図4に示すように、中心層3aとなる樹脂と、その周囲を囲むように被覆層3dを設けた構成とすることが好ましく、この被覆層3dは、紙カップの最内層と熱接着性を有する樹脂からなることを特徴とする。このようなテープ材3Aの構成は、図4−aに示すような、中心層3aと被覆層3dの2層構成でも良いし、あるいは、図4−bに示すように、中心層3aと被覆層3dとの間に接着層3cを設けても良い。テープ材3Aは、共押出し製膜法により作ることができ、共押出し機により、押出し、押圧して製膜してテープとする。
【0023】
つぎに、テープ材3Aの材質について、さらに詳細に説明する。中心層3aを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂等が使用可能であるが、ポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。
【0024】
また、中心層3aを囲む被覆層3dを構成する樹脂としては、紙カップの最内層に対して熱接着性を有する樹脂であり、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、アイオノマー等が挙げられる。また、被覆層3dの厚みとしては共押出し、押圧、製膜後で1〜20μmが好ましい。また、本発明において用いるテープ材3Aの物性としては、その剛性、硬度、軟化点等が重要であり、剛性あるいは硬度は、テープ材3Aの一部を胴部材ブランク10の端部に貼り合わせた状態に保持し、後述する紙カップ成形機の工程において、折れ込んだりして、被覆が不完全にならないために必要な物性である。
【0025】
具体的には、テープ材3Aの中心層3aを構成する樹脂のオルゼン剛性(ASTM D714記載の測定方法による)が2000〜30000kg/cmの範囲であることが望ましい。このオルゼン剛性が2000kg/cm未満では、テープ材3Aに腰がなくなり、胴貼り工程における胴部材ブランク10の搬送時にテープ材3Aが搬送の勢いで暴れてしまい、所定の位置での被覆が困難になる。またオルゼン剛性が30000kg/cmを超えると、腰が強くなりすぎ、紙カップの成型時、紙カップの内面の熱接着性樹脂との熱接着時にホットタック性が不足し、シール不良を起こす原因となる。また、テープ自体の成型が難しくなる。
【0026】
また、テープ材3Aの中心層3aを形成する樹脂のビカット軟化点(ASTM D1525記載の測定方法による)が80〜300℃の範囲であることが望ましい。このビカット軟化点(ASTM D1525記載の測定方法による)が80℃未満では、テープ材3Aが熱によりだれてしまい所定の位置での被覆が不可能となる。また、ビカット軟化点が300℃を超えた場合には、テープ材3Aが熱により軟化しにくくなり、シール不良の原因となる。
【0027】
また、テープ材3Aの中心層3aを構成する樹脂の融点(ASTM D2117記載の測定方法による)が100〜400℃の範囲であることが望ましい。この樹脂の融点が100℃未満の場合には、腰が弱くなり、テープ材3Aを所定の位置に安定して接着させることが困難である。また、樹脂の融点が400℃を超えた場合には、被覆の際の加熱において、テープ材3Aが軟化せず、接着不良の原因となる。
【0028】
本発明の紙カップAにおけるテープ材3Aの巾は、5〜10mmの範囲が好ましく、テープ材3Aの総厚は、100〜200μmの範囲が好ましい。
【0029】
本発明の紙カップの製造方法におけるテープ貼りの方法は、図5−aに示すように、胴貼り前の胴部材ブランク10の内面の端部10aに沿ってテープ材3の一部である貼着部3mで貼着しておき、他の部分を胴部材ブランク10からはみ出したはみ出し部3nとし、紙カップ成形機において、図5−bに示すように、胴部材ブランク10の端部10a、10b同士を貼り合わせる接合時に、同時に熱によりテープ材3のはみ出し部3nを胴部材ブランク10の内面に貼り合わせて端面11を被覆するものである。従って、本発明の紙カップAの製造において、胴部材ブランク10の端部10aへのテープ材3の貼着部3mの貼着は、胴貼り工程とは、別の工程で行ってもよいし、また、紙カップ成形機に連動して胴貼り直前に貼着してもよい。
【0030】
すなわち、端面11のテープ材3での被覆は、テープ材3を製造してから、別工程において、テープを再加熱して行ってもよく、また、テープ材3を共押出し製膜する際の押出し熱を利用して、製膜の直後に、紙カップAの端面11に熱融着させることも可能である。
【0031】
テープ材3の胴部材ブランク10への貼着位置は図5に示されているようにテープ貼着部mの部分で貼着され、残り部の部分がみ出し部11nとなっており、このはみ出し部3nの幅は0.5〜20mmの範囲であることが望ましい。はみ出し部3nの幅が0.5mm未満の場合、胴貼り部の貼り合わせ工程で、胴部材ブランク10の端部10aおよびテープ材3が圧着される際、胴部材ブランク10の端面11を完全に覆うことが難しくなり、一方、20mmを超えた場合、紙カップ成形での熱がテープ材3全体に届かなくなり接合部分において接着しない部分が存在してしまうためである。
【0032】
このようにして得られた胴部材ブランク10をそのまま紙カップ成形機にかける。胴貼り工程において、図6−aに示すように、加熱装置からのホットエアーの熱により、テープ材3のはみ出し部3nを含む胴部材ブランク10の端部10aの外面部分が軟化される。後の貼り合わせ工程で、胴部材ブランク10の端部10aおよびテープ材3のはみ出し部3nが胴部材ブランク10の端部10bの内面に圧着されることにより、図6−bに示すように、軟化したテープ材3のはみ出し部3nが端部10a、10b同士の接合部分において端面11を被覆し、端面処理をすることができる。
【0033】
従来は、はみ出し部3nに相当する幅を更に外面側へ折返して裏面にシールしており、この工程の複雑さが生産性の向上を防げていたが、本発明の紙カップAにおける端面処理方法は、テープ材3を折り返し、シールするという煩わしさのない方法であるため、生産性が向上する。
【0034】
胴部材ブランク10の端部10aへのテープ材3の接着は、胴部材ブランク10の段階で、ホットエアーシール、フレームシール、超音波シール、遠赤外線シールなどの方法により、胴部材ブランク10の内面側に接着される。
【0035】
本発明の紙カップの製造方法において、胴部材ブランク10にテープ材3を貼着する方法としては、テープ材3が巻取りから繰り出されて供給され、枚葉状の胴部材ブランク10の状態で加工する方法と、テープ材3が巻取りから繰り出されて供給され、打ち抜く前のロールから繰り出される原紙の状態で加工し、別の工程で胴部材ブランク10に打ち抜く方法がある。
【0036】
前者の場合、図7−aに示すように、テープ材3の胴部材ブランク10の端部10aへの貼着は連続的に行われるが、胴部材ブランク10毎にテープ材3を切断する必要がある。この場合、紙カップ成形工程での、ホットエアーの熱により切断後のテープ材3の上下両端部、特にエッジ部は軟化しているため、後の胴部貼り合わせの際、ブロッキングを起こす危険性があり、胴部材ブランク10の上下部からはみ出す部分を極力少なくすることが望ましい。
【0037】
また、後者の場合では、胴部材ブランク10に打ち抜く前のロールから繰り出された原紙の一方の端部あるいは両端部にテープ貼り加工する方法であり、この方法は生産性が高くなり好ましい。図7−bに示すように、このロールから繰り出した原紙の両端をテープ貼り加工をした場合には、扇型に打ち抜くことにより、一方の端部がテープ材3で被覆された胴部材ブランク10が2枚ずつ同時に得ることができ、より生産性が高くなる。
【0038】
以上の工程により得られた一方の端部にテープ材3が接着された胴部材ブランク10が、紙カップ成形機に供給され紙カップAに成形される。このように、胴貼りした胴部材1と底部材2を接合した紙カップAは、そのまま充填包装機において、充填および密封シールを行なうことも可能である。
【0039】
【実施例】
まず、板紙としてカップ原紙280g/mを用い、その最外層として低密度ポリエチレン樹脂20μmを積層し、最内層として低密度ポリエチレン樹脂40μmを積層した積層体を所定の形状に打ち抜いて胴部材ブランクを作製した。この胴部材ブランクの端面を被覆するテープ材は、中心層に高密度ポリエチレン樹脂、被覆層に低密度ポリエチレン樹脂を用いて、2種3層の共押出し機にて作製し、共押出し後、直ちに押圧し、圧着することにより胴部材ブランクの端部に沿って4mmの幅で貼着し(貼着部)、胴部材ブランクの端部から4mmはみ出した状態とした(はみ出し部)。テープ材3の押圧後の各層の厚みは、中心層の高密度ポリエチレン樹脂の厚さが80μm、被覆層の低密度ポリエチレン樹脂の厚さが10μmとなった。テープ材を貼着した胴部材ブランクを用いて紙カップ成形機において、図5−bに示すように、胴部材ブランクの端部同士を貼り合わせる接合時に、同時に熱によりテープ材のはみ出し部を胴部材ブランクの内面に貼り合わせて端面を被覆し、そして、底部材と接合して本発明の紙カップを製造した。
【0040】
本発明の実施例による紙カップでは、用いるテープ材の構造から明らかなように、接着剤成分の溶出や内容物への接着剤臭気の移行がなく、良好な味覚が保持されていた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の紙カップによれば、胴部材ブランクの端部の接合部分の内面の端面の被覆が完全であり、紙への内容物の浸透がなく、胴部材の強度が維持されるという効果を有している。
【0042】
また、本発明の紙カップの製造方法によれば、テープ材を折り返して、シールするという煩わしい工程を必要とせず、胴部材ブランクの端部の内面にテープ材の一部を貼着し、その胴部材ブランクを紙カップ成形機で胴貼り加工を行うことによって、胴部材ブランクの接合部分の内面の端面の被覆ができ、装置が簡略化され生産性の向上が達成されるという効果を有している。
【0043】
さらに、テープ材を、中心層となる樹脂と、被覆層としてその周囲を囲むように、その紙カップの最内層と同系で熱接着性を有する樹脂とを共押出しすることにより、テープ材の端面部分が存在しない構造を持ち、テープ材からの微量成分の内容物への溶出等がなくなり、溶出しやすい内容物、あるいは風味を重要視する内容物等にも対応できるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の紙カップおよび本発明の紙カップの胴部材の接合部分の部分拡大断面図である。
【図2】本発明の紙カップの材料である積層体の構成図である。
【図3】本発明の紙カップに使用するテープ材の構成図である。
【図4】本発明の紙カップに使用するテープ材の別の構成図である。
【図5】本発明の紙カップにおいてテープ材を胴部材ブランクに貼着した平面図および胴部材ブランクの接合部分を貼り合わせる部分断面図である。
【図6】本発明の紙カップを製造する方法において胴部材ブランクにテープ材を貼る方法を説明する部分拡大断面図である。
【図7】本発明の紙カップを製造する方法において胴部材ブランクにテープ材を貼る方法を説明する概略図である。
【図8】従来の紙カップおよびその端面処理方法を示す説明図および断面図である。
【符号の説明】
A 紙カップ
1 胴部材
2 底部材
3 テープ材
3A テープ材
3a 中心層
3b 外層
3c 接着層
3d 被覆層
3m 貼着部
3n はみ出し部
10 胴部材ブランク
10a 端部(内側)
10b 端部(外側)
11 端面
20 底部材ブランク
100 積層体
101 紙層
102 最外層
103 最内層

Claims (6)

  1. 紙を基材とする積層体からなる胴部材ブランクと底部材ブランクを成形してなる紙カップにおいて、前記胴部材ブランクの端部同士を接合する接合部分の内面の前記胴部材ブランクの端面をテープ材により被覆して端面処理をしたことを特徴とする紙カップ。
  2. 前記テープ材が、中心層と該中心層を被覆する被覆層からなり、前記被覆層が前記紙カップを形成する積層体の最内層と熱接着性を有する樹脂により構成されたテープであることを特徴とする請求項1に記載の紙カップ。
  3. 前記積層体の最内層および前記テープ材の被覆層が、シングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、又はシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を主とした樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載の紙カップ。
  4. 前記テープ材が、前記中心層と、前記被覆層とを共押出し法により成形してなるものであることを特徴とする請求項2に記載の紙カップ。
  5. 前記テープ材の中心層が、高密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のけん化物、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリル系樹脂のいずれかの樹脂からなることを特徴とする請求項2に記載の紙カップ。
  6. 紙を基材とする積層体からなる胴部材ブランクと底部材ブランクを成形してなる紙カップの製造方法において、内側となるブランク端部に沿ってテープ材の一部を貼着し、他の部分を前記胴部材ブランクからはみ出したはみ出し部とし、前記胴部材ブランクを筒状に成形する際の前記胴部材ブランクの端部同士を接合する工程で、前記はみ出し部を前記胴部材ブランクの内面に貼着して前記胴部材ブランクの端面を被覆することを特徴とする紙カップの製造方法。
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KR100570807B1 (ko) 2005-11-15 2006-04-12 양성우 종이컵 옆지의 비닐띠 접착방법
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DE102014212648A1 (de) 2014-06-30 2015-12-31 Oyj Huhtamäki Becher mit außenliegendem zusätzlichem Materialstreifen

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