JPH11236032A - 液体紙容器 - Google Patents

液体紙容器

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JPH11236032A
JPH11236032A JP10263235A JP26323598A JPH11236032A JP H11236032 A JPH11236032 A JP H11236032A JP 10263235 A JP10263235 A JP 10263235A JP 26323598 A JP26323598 A JP 26323598A JP H11236032 A JPH11236032 A JP H11236032A
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JP
Japan
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layer
tape material
paper container
blank
liquid paper
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JP10263235A
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English (en)
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Tokuyuki Shiina
徳之 椎名
Norio Akita
紀雄 秋田
Yukinobu Yamaguchi
幸伸 山口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、テープ材を用いて、紙容器の接合
部分内面の紙端面を覆う形で貼り付け接合している液体
紙容器において、溶出性の高い内容物や、風味を重視す
る内容物においても、テープ材の端面から接着剤成分の
溶出や、接着剤臭気の移行により内容物が劣化すること
のない液体紙容器を提供することを目的とする。 【解決手段】 紙を基材とする積層体からなるブランク
を成形してなる液体紙容器の、前記ブランクを筒状また
はスリーブ状に成形する際の前記ブランクの端部同士の
接合部分のブランク端部をテープ材により被覆してなる
液体紙容器において、前記テープ材が、中心層と該中心
層を被覆する被覆層からなり、前記被覆層が前記液体紙
容器の最内面層と熱接着性を有する樹脂により構成され
たテープであることを特徴とする液体紙容器とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体紙容器の構造
において、特にその端面の被覆を安定化させる技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】液体紙容器は、牛乳、ジュース、ミネラ
ルウォーター、日本酒等の容器として様々な形態で広く
使用されている。一般的に液体紙容器は、板紙の裏表に
ポリオレフィン系樹脂を積層した積層体からなるブラン
クの、前記ポリオレフィン系樹脂同士を熱により貼り合
わせることによって、箱型に成形している。しかし、液
体紙容器の成形において、図6(a)に示すように、両
側にポリオレフィン樹脂を積層した前記ブランクの一端
部の外面と他端部の内面を接合部22において貼り合わ
せて状スリーブ状に成形する場合、どうしてもブランク
端部21が内容物と接する形になり、その断面に紙層が
露出することになる。そのため、紙層に浸透しやすい内
容物や紙臭を嫌う内容物にとっては大きな問題となる。
この問題を解決するために、紙端面の露出した接合部分
にテープ材30を被覆して紙層への内容物の浸透を防
ぎ、接着を補強するという手段がある。従来、このテー
プ材30は基材層とその両面にポリオレフィン系樹脂層
とを積層した構成としており、例えば、図6(b)に示
すように、耐熱性の高い二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート31の両側に接着剤層もしくは接着性樹脂層33
を介して、ポリオレフィン系樹脂層32をラミネートし
たフィルムが使われている。これらテープ材30のラミ
ネートの方法としては、ドライラミネート、エクストル
ージョンラミネート等が一般的であり、使用する接着剤
としては、ポリウレタン系2液硬化型接着剤等が一般的
に使われている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、前記テー
プ材の積層工程において生産性向上のため加工スピード
を上げると、接着剤の乾燥工程に十分な乾燥が行えず、
残留溶剤による溶剤臭が内容物の味覚に影響を与えるこ
とがある。また、硬化が不十分であると、低分子量のモ
ノマー成分や添加剤が内容物中に溶出することがあり衛
生上好ましくない。更には、内容物がアルコールを含む
日本酒、ワイン等の場合、二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート層とポリオレフィン層を接着している接着剤も
しくは接着性樹脂層がアルコールにより侵されフィルム
同士が剥離することがあった。前記の各課題に対して、
溶出性の高い内容物や、風味を重視する内容物において
も、テープ材の端面から接着剤成分の溶出や、接着剤臭
気の移行により内容物が劣化することのない液体紙容器
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】紙を基材とする積層体か
らなるブランクを成形してなる液体紙容器の、前記ブラ
ンクを筒状またはスリーブ状に成形する際の前記ブラン
クの端部同士の接合部分のブランク端部をテープ材によ
り被覆してなる液体紙容器において、前記テープ材が、
中心層と該中心層を被覆する被覆層からなり、前記被覆
層が前記液体紙容器の最内面層と熱接着性を有する樹脂
により構成されたテープであることを特徴とする液体紙
容器であって、次の各発明、前記積層体の最内面を構成
する樹脂および/または前記テープ材の被覆層を構成す
る樹脂が、密度が0.890 〜0.930のシングルサイト系触
媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体
(以下、S-PEと記載する)、または、前記S-PEを主たる
樹脂としたこと、前記テープ材が、中心層と、前記被覆
層とが共押出し法により成形してなるものであること、
前記中心層と被覆層との間に接着層を有すること、前記
テープ材の中心層を構成する樹脂が高密度ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、エチレン・酢酸ビニル共重合体のけん化物、
ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂のいずれかである
こと、前記テープ材の中心層を構成する樹脂のオルゼン
剛性(ASTM D 747 記載の測定方法による)が2000Kg/c
m2以上、30000Kg/cm2 以下であること、前記テープ材の
中心層を構成する樹脂の硬度(ASTM D2240記載の測定方
法による) が30以上、100 以下であること、前記テープ
材の中心層を形成する樹脂のビカット軟化点(ASTM D1
525 記載の測定方法による)が80℃以上、300 ℃以下で
ある、前記テープ材の中心層を構成する樹脂の融点(AS
TM D2117記載の測定方法による)が100 ℃以上、400 ℃
以下であることを含む。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、液体紙容器の紙接合部
分内面に、テープ材を紙端面を覆う形で貼り付け、前記
紙接合部分を接合してなる液体紙容器において、前記テ
ープ材が、中心層となる樹脂と、その周囲を囲むよう
に、その液体紙容器最内面と同系で熱接着性を有する樹
脂とを共押出しすることにより、テープ材の端面部分が
存在しない構造を持ち、結果としてテープ材の中心層と
外層との接合部分が直接内容物に接しないことを特徴と
する液体紙容器を提供することができた。図1は、本発
明の液体紙容器の実施例を示す、(a)斜視図、(b)
1 −X 1 断面図、(c)Y部拡大図、(d)テープ材
の斜視図である。図2は、本発明のテープ材の材質構成
を説明する断面図で、(a)2種3層の場合、(b)3
種5層の場合を示す。図3は、本発明における紙容器の
ブランクの積層体を説明する断面図である。図4は、本
発明の実施例および比較例におけるテープ材のブランク
へのテープ材の貼り合わせを説明する、(a)平面図、
(b)X2 −X 2部断面図、(c)ブランク端部を覆っ
た状態の説明図である。図5は、実施例および比較例の
テープ材の被覆状態を示すブランク端部の断面図、それ
ぞれのテープ材の構成断面図である。図6は、従来技術
による端部被覆の方法の例を説明する、(a)ブランク
端部の断面図、(b)テープ材の構成断面図である。
【0006】本発明の液体紙容器に係る容器の構造につ
いて説明する。少なくとも表面層および/または最内面
層が熱接着性樹脂からなる紙層を含む積層体を用いて成
形される、四面体、ブリック型あるいはゲーベルトップ
型等の液体紙容器であって、前記容器は、いずれも、端
部同士を接合して成形が行われるものである。前記端部
同士を接合すると、前記積層体の断面(以下、端部断面
と記載)が、容器内面に露出するのでそのままでは、内
容物にとって種々の問題があり好ましくない。本発明
は、前記端部断面を完全に被覆するテープであることを
特徴とする液体紙容器に関するものである。
【0007】本発明に係る液体紙容器を構成する前記積
層体100の例としては、例えば、図3に示すように、
表面層102、紙層101、バリア層104、最内面層
103からなり、各層の間には必要に応じて接着層10
5を介在させてもよい。材質および厚さの具体例として
は、ゲーベルトップ型液体紙容器に用いる積層体の構造
として下記に示すようなものがある。 LDPE25/ 紙 320#1) /AD15/ SiO X PET15/LMD/S-PE60 [略号 LDPE: 低密度ポリエチレン、AD: 接着性樹脂、
SiOX PET:シリカ蒸着したポリエステルフィルム、LMD:
ドライラミネート、S-PE: シングルサイト触媒を用いて
重合したエチレンーα・オレフィン共重合体] また、各略号の後に付した数値は、各層の厚み(μm)
を示し、紙 320#1) のみは、g/m2で示す。この場合のバ
リア層104は SiOX PET である。
【0008】本発明に係る液体紙容器を構成する前記積
層体100の最内面層103を構成する樹脂としては、
低密度ポリエチレンを用いてもよいが、低密度ポリエチ
レンは、内容物と接した場合に、低密度ポリエチレンの
低分子量成分の内容物への移行等によって、内容物によ
っては異臭となることがある。そこで、前述した構成例
のように、最内面層103として低分子量成分を含有し
ないS-PEを用いることにより、内容物の味覚保持が安定
する。
【0009】しかし、前記最内面層に設けるS-PEを設け
た場合に、滑り性が低下し、紙容器を成形する際に成形
速度の低下、不良品の発生の可能性がある。成形性の安
定のために、前記S-PEを主たる樹脂とし、これに少なく
とも1種類の、平均粒径が 5〜20μmの無機系微粒子を
2 〜20%添加するか、または前記S-PEに密度が0.926〜
0.965 、メルトインデックス0.2 〜20のポリエチレンを
5 〜20重量%を添加することにより、滑り性のよい、積
層体とすることができる。また前記無機系微粒子および
密度が0.926 〜0.965 、メルトインデックス0.2 〜20の
ポリエチレンの両方を添加してもよい。
【0010】また、最内面層にS-PEを用いる積層体にお
いて、液体紙容器を成形する際に、例えば、ゲーベルト
ップ型容器のトップシール部の中心部に出現する空隙部
を密封するために、S-PEでは、溶融粘度が低下し過ぎ
て、前記空隙を埋めきれないおそれがあり、前記最内面
層を共押出し法による2層構成とし、内容物に接する層
を前記S-PEまたはS-PEを主とした樹脂とし、ラミネート
側の層を密度0.910 〜0.965 、メルトインデックス0.2
〜20のポリエチレンまたはS-PEとすることが好ましい。
なお、前記テープ材の被覆層は多層からなっていてもよ
く、この場合、S-PEからなる層の厚みの総和が、被覆層
全体の厚みのうち 5%以上であることが好ましい。
【0011】前記の材質からなる積層体100から成形
される液体紙容器Pのブランク接合部を被覆するテープ
材1について説明する。本発明に係る液体紙容器Pに用
いるテープ材1は、図1(d)に示すように、中心層2
となる樹脂と、その周囲を囲むように被覆層3を設けた
テープである。前記被覆層3は、その液体紙容器の最内
面と熱接着性を有する樹脂からなることを特徴とする。
前記テープ材1の材質は、図2(a)に示すような、中
心層2と被覆層3の2層構成でも良いし、図3(b)に
示すように、中心層2と被覆層3との間に接着層を設け
ても良い。前記テープ材1は、共押出し製膜法により作
ることができ、共押出機により、押出し、押圧して製膜
してテープとする。
【0012】次に、前記テープ材1の材質について、さ
らに詳細に説明する。前記中心層2を構成する樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレ
ンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、高密度ポリ
エチレン等が使用可能であるが、ポリエチレンテレフタ
レート等を用いることができる。層の厚みとしては、共
押出し、押圧、製膜後で1 〜100 μmが好ましい。
【0013】前記中心層2を囲む被覆層3を構成する樹
脂としては、液体紙容器最内面に対して熱接着性を有す
る樹脂であり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度ポ
リエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合したエチ
レンーα・オレフィン共重合体、アイオノマー等が挙げ
られる。該被覆層3の厚みとしては共押出し、押圧、製
膜後で1 〜20μmが好ましい。また、本発明において用
いるテープ材1としての物性としては、その剛性、硬
度、軟化点等が重要である。前記剛性あるいは硬度は、
テープ材1をブランク10の端面に貼り合わせた状態に
保持し、後述するフレームシールの工程において、折れ
込んだりして、被覆が不完全にならないために必要な物
性であり、具体的には、前記テープ材1の中心層2を構
成する樹脂のオルゼン剛性(ASTM D 747記載の測定方
法による)が2000Kg/cm2以上30000Kg/cm2 以下であるこ
とが望ましい。前記オルゼン剛性が2000Kg/cm2未満で
は、テープ材1に腰がなくなり、筒貼工程におけるブラ
ンク10の搬送時に前記テープ材1が搬送の勢いで暴れ
てしまい、所定の位置での被覆が困難になる。また前記
オルゼン剛性が30000Kg/cm2 を超えると、腰が強くなり
すぎ、紙容器の成型時、カートン内面の熱接着性樹脂と
の熱接着時にホットタック性が不足し、シール不良を起
こす原因となる。また、テープ自体の成型が難しくな
る。また、前記テープ材1の中心層2を形成する樹脂の
ビカット軟化点(ASTM D1525 記載の測定方法による)
が80℃以上、300 ℃以下であることが望ましい。前記ビ
カット軟化点(ASTM D1525 記載の測定方法による)が
80℃未満では、テープ材1が熱によりだれてしまい所定
の位置での被覆が不可能となる。また、前記ビカット軟
化点が300 ℃を超えた場合には、テープ材1が熱により
軟化しにくくなり、シール不良の原因となる。前記テー
プ材1の中心層2を構成する樹脂の融点(ASTM D2117記
載の測定方法による)が100 ℃以上、400 ℃以下である
ことが望ましい。前記樹脂の融点が100 ℃未満の場合に
は、テープの腰が弱く、テープ材1を所定の位置に安定
して接着させることが困難である。また、前記樹脂の融
点が 400℃を超えた場合には、被覆の際の加熱におい
て、テープ材が軟化せず、接着不良の原因となる。
【0014】また、前記接着層4の厚みとしては、共押
出し、押圧、製膜後で0.1 〜3 μmが好ましい。前記接
着層4に用いられる熱接着性樹脂は、極性の高い官能基
を導入した熱接着性樹脂であり、共押出しにより溶融状
態でポリエチレンやポリエステルと密着させることによ
り2層を接着するものである。その具体的には、不飽和
カルボン酸変性ポリオレフィン、エチレン−αオレフィ
ン共重合体が挙げられる。
【0015】本発明によるテープ材1は巾5 〜10mm程度
で押出し製膜する。また、液体紙容器の端部への被覆
は、前記テープ材1を製膜してから、別工程において、
テープを再加熱して行ってもよく、また、テープを共押
出製膜する際の押出し熱を利用して、製膜の直後に、液
体紙容器の端部に熱融着させることも可能である。
【0016】テープ材1の総厚は 100〜 200μm程度で
巾が 5〜10mm程度が好ましい。
【0017】前述のように、従来技術によるテープ材
は、製膜後、広巾で基材フィルムと熱接着性フィルムと
を接着剤等を用いてラミネート後、リボン状にスリット
しているため、テープ材の断面が露出し、前記ラミネー
トに用いた接着剤の成分等の内容物への溶出あるいは接
着剤の臭気の移行の心配があったが、本発明によるテー
プ材を用いた液体紙容器とすることにより、巾 5〜10mm
程度で共押出し法により押出し、従来技術における前記
基材に相当する中心層2を、熱接着性フィルムに相当す
る被覆層により囲んで製膜されるため、中心層2の樹脂
も被覆し、内容物に直接に接するのは、ブランクの最内
面層とテープ材の被覆層3だけである。その結果、前記
のような心配は皆無となった。
【0018】
【実施例】<実施例1>板紙としてミルクボード原紙31
3g/m2 を用い、その表面層として低密度ポリエチレン(L
DPE)20μmを積層し、また、最内面層としてLDPE40μm
を積層した。この積層された積層体を所定の形状に型抜
きされたブランクの端面被覆として用いたテープ材は、
中心層として、高密度ポリエチレン(HDPE)、また、被覆
層として、前記中心層の周囲を取り囲む位置に容器の最
内面層と同系で熱接着性を有し、その周囲に位置する樹
脂としてLDPEを用いて、楕円形状で押し出すことのでき
る2種3層の共押出し機にて、図4(a)および図4
(b)に示すように前記ブランクの裏面の胴貼り部の端
部に 4mmの巾に接着して接着部5とし、その端部から4m
m はみ出るようにして非接着部6を形成して共押出し
後、直ちに押圧し、圧着することにより胴貼り部上に4m
m 、胴貼り部端部から4mm テープ材1がはみ出した形状
のテープ材が貼り付いたブランクを得た。テープ材1の
押圧後の各層の厚みは、中心層のHDPEの厚さが80μm、
容器最内面層に接着性を示し、中心層の周囲に位置する
樹脂層としてLDPEが10μmとなった。また、製膜後のテ
ープ材の巾は、胴貼り部端部に4mm 、さらに、非接着部
のテープ材が4mm はみ出るような位置にあるため計8mm
であった。前記テープ材の貼り付いたブランクをフレー
ムシールにより、図5(a)に示すように、前記ブラン
クの外面の所定の端部と前記テープ材1を含むブランク
端部の内面とを加圧し、押圧して貼り合わせることによ
り前記テープ材1がフレームシール部内面の紙端面を覆
う形状で貼り付いた液体紙容器を得た。
【0019】<実施例2>板紙としてミルクボード原紙
313g/m2 を用い、その表面層としてLDPE20μmを積層
し、また、最内面層としてLDPE40μmを積層した。この
積層された積層体を所定の形状に型抜きされたブランク
の端面被覆として用いたテープ材1は、図5(b)に示
すように、中心層2として、ポリエチレンテレフタレー
ト、また、接着層4として不飽和カルボン酸変性ポリオ
レフィン、被覆層3として容器最内面層103と同系で
熱接着性を有する低密度ポリオレフィンを用い、中心層
2の周囲を取り囲む位置に接着層4が、更に、その接着
層の周囲を取り囲む位置に被覆層3として楕円形状で押
し出すことのできる3種5層の共押出し機にて、図4
(a)図4(b)に示すように前記ブランクの裏面の胴
貼り部上に4mm 、その端部から4mm はみ出るような位置
に共押出し後、直ちに押圧し、圧着することにより、胴
貼り部に4mm シールされ、更に胴貼り部端部から4mm テ
ープ材がはみ出した形状のテープ材が貼り付いたブラン
クを得た。押圧後の各層の厚みは中心層のポリエチレン
テレフタレートの厚さが50μm、更にその周囲を取り囲
むような位置に接着性樹脂層 3μm、更に、その接着性
樹脂層の周囲に位置する樹脂容器最内面層と同系で熱接
着性を有する樹脂層として、LDPEが10μmとなった。前
記ブランクの外面の所定の端部と前記テープ材を含むブ
ランク端部の内面とを加圧し、押圧して貼り合わせるこ
とにより図5(b)に示すように、前記テープ材1がフ
レームシール部内面の紙端面を覆う形状で貼り付いた液
体紙容器を得た。
【0020】<実施例3>板紙としてミルクボード原紙
313g/m2 を用い、その表面層としてLDPE20μmを積層
し、また、最内面層として、共押出し法による次に示す
2層からなるフィルム40μmを積層した。 接液側:密度0.897 、メルトインデックス7.3 のS-PE80
重量%、密度0.941、メルトインデックス8.0 のHDPE10
重量%および平均粒径 7μmのシリカ10重量%ブレンド
した樹脂。20μm。 ラミネート側:密度0.923 、メルトインデックス3.7 の
LDPE。20μm この積層された積層体を所定の形状に型抜きされたブラ
ンクの端面被覆として用いたテープ材は、中心層とし
て、HDPE、また、被覆層として、前記中心層の周囲を取
り囲む位置に容器の最内面層と同系で熱接着性を有し、
その周囲に位置する樹脂として密度0.897 、メルトイン
デックス7.3 のS-PEを用いて、楕円形状で押し出すこと
のできる2種3層の共押出し機にて、図4(a)および
図4(b)に示すように前記ブランクの裏面の胴貼り部
の端部に 4mmの巾に接着して接着部5とし、その端部か
ら4mm はみ出るようにして非接着部6を形成して共押出
し後、直ちに押圧し、圧着することにより胴貼り部上に
4mm 、胴貼り部端部から4mmテープ材1がはみ出した形
状のテープ材が貼り付いたブランクを得た。テープ材1
の押圧後の各層の厚みは、中心層のHDPE厚さが80μm、
容器最内面層に接着性を示し、中心層の周囲に位置する
樹脂層としてS-PEが10μmとなった。また、製膜後のテ
ープ材の巾は、胴貼り部端部に4mm 、さらに、非接着部
のテープ材が4mm はみ出るような位置にあるため計8mm
であった。前記テープ材の貼り付いたブランクをフレー
ムシールにより、図5(a)に示すように、前記ブラン
クの外面の所定の端部と前記テープ材1を含むブランク
端部の内面とを加圧し、押圧して貼り合わせることによ
り前記テープ材1がフレームシール部内面の紙端面を覆
う形状で貼り付いた液体紙容器を得た。
【0021】<比較例1>前記テープ材を用いずに、図
5(c)に示すようにフレームシールにより貼り部の内
面とを加圧し、押圧し、貼り合わせた液体紙容器を得
た。
【0022】<比較例2>基材層として2軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルム12μmを用い、この両面
にポリウレタン系2液硬化型接着剤を用いてLDPE30μm
をエクストルージョンラミネートして設け、更に8mm に
なるようにスリットしテープ材を得た。得られたテープ
材の表面及びブランク端部の最内面層の表面を加熱し、
ブランク端部に4mm の巾にテープを貼り合わせ、その端
部から4mm の巾ではみ出した状態としてテープ材を接着
した。このテープ材30を貼り合わせたブランクを用い
て実施例1と同様の方法により、図5(d)に示すよう
に、前記テープ材30がフレームシール部内面の紙端面
を覆う形状で貼り付いた液体紙容器を得た。
【0023】以上のようにして得られた液体紙容器に水
割りウィスキー(アルコール度9%)を1000mIを充填
し、1ケ月間40℃、湿度25%室中にて保存後のサンプル
内容物と、ガラス瓶中で1ケ月間 40℃、湿度25%室中
にて保存後の比較用内容物とを飲み比べて味覚官能検査
を行った。また、コンクリートの地面から60cmの高さか
ら、図1(a)に示した液体紙容器Pの底面を地面と水
平にした状態で自由落下させることを繰り返し、破袋ま
での落下回数を測定することにより耐落下衝撃試験を実
施した。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】〔結果〕表1から明らかなように、接着剤
を用いた構成のテープ材を使用した液体紙容器では、テ
ープ材端面からの接着剤成分の溶出や内容物への接着剤
臭気の移行により内容物の味覚が明らかに劣化している
のに対して、本発明の実施例1および実施例2による液
体紙容器では、用いるテープ材の構造から明らかなよう
に、接着剤成分の溶出や内容物への接着剤臭気の移行が
なく、良好な味覚が保持されている。
【0026】
【発明の効果】発明の液体紙容器によって、その端部接
合部の被覆が完全であり、ブランクの端面を覆うことに
より紙への内容物の浸透がなく、胴貼り部の強度が維持
される液体紙容器を提供することができるようになっ
た。また、被覆テープに起因する接着剤成分または残留
溶剤成分等の内容物への溶出等がなくなり、紙容器に収
納できる内容物として、微妙な風味をセールスポイント
にしたり、高度の衛生性を要求される液体等を充填する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体紙容器の実施例を示す、(a)斜
視図、(b)X1 −X1 断面図、(c)Y部拡大図、
(d)テープ材の斜視図
【図2】本発明のテープ材の材質構成を説明する断面図
で、(a)2種3層の場合、(b)3種5層の場合
【図3】本発明における紙容器のブランクの積層体を説
明する断面図
【図4】本発明の実施例および比較例におけるテープ材
のブランクへのテープ材の貼り合わせを説明する、
(a)平面図、(b)X2 −X2 部断面図、(c)ブラ
ンク端部を覆った状態の説明図
【図5】前記実施例および比較例のテープ材の被覆状態
を示すブランク端部の断面図、それぞれのテープ材の構
成断面図
【図6】従来技術による端部被覆の方法の例を説明す
る、(a)ブランク端部の断面図、(b)テープ材の構
成断面図
【符号の説明】
P 液体紙容器 S 注出口 1,30 テープ材 2 中心層 3 被覆層 4 接着層 5 テープ材とブランクとの接着部 6 テープ材の非接着部 10,20 ブランク 11,21 ブランク端部 12,22 ブランク接合部 31 二軸延伸ポリエチレンテレフタレート 32 ポリオレフィン系樹脂 33 接着剤層または接着性樹脂層 100 (ブランクの)積層体 101 紙層 102 表面層 103 最内面層 104 バリア層 105 接着層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙を基材とする積層体からなるブランクを
    成形してなる液体紙容器の、前記ブランクを筒状または
    スリーブ状に成形する際の前記ブランクの端部同士の接
    合部分のブランク端部をテープ材により被覆してなる液
    体紙容器であって、前記テープ材が、中心層と該中心層
    を被覆する被覆層からなり、前記被覆層が前記液体紙容
    器の最内面層と熱接着性を有する樹脂により構成された
    テープであることを特徴とする液体紙容器。
  2. 【請求項2】前記積層体の最内面を構成する樹脂および
    /または前記テープ材の被覆層を構成する樹脂が、密度
    が0.890 〜0.930 のシングルサイト系触媒を用いて重合
    したエチレンーα・オレフィン共重合体(以下、S-PEと
    記載する)、または、前記S-PEを主たる樹脂としたこと
    を特徴とする請求項1に記載の液体紙容器。
  3. 【請求項3】前記テープ材が、中心層と、前記被覆層と
    が共押出し法により成形してなるものであることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の液体紙容器。
  4. 【請求項4】前記中心層と被覆層との間に接着層を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の液体紙
    容器。
  5. 【請求項5】前記テープ材の中心層が高密度ポリエチレ
    ン、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアクリロ
    ニトリル、エチレン・酢酸ビニル共重合体のけん化物、
    ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂のいずれかである
    ことを特徴とする請求項1記載乃至請求項4記載の液体
    紙容器。
  6. 【請求項6】前記テープ材の中心層を構成する樹脂のオ
    ルゼン剛性(ASTMD 747 記載の測定方法による)が2000
    Kg/cm2以上、30000Kg/cm2 以下であることを特徴とする
    請求項1記載乃至請求項5記載の液体紙容器。
  7. 【請求項7】前記テープ材の中心層を構成する樹脂の硬
    度(ASTM D2240記載の測定方法による) が30以上、100
    以下であることを特徴とする請求項1記載乃至請求項6
    記載の液体紙容器。
  8. 【請求項8】前記テープ材の中心層を形成する樹脂のビ
    カット軟化点(ASTMD1525 記載の測定方法による)が80
    ℃以上、 300℃以下であることを特徴とする請求項1記
    載乃至請求項7記載の液体紙容器。
  9. 【請求項9】前記テープ材の中心層を構成する樹脂の融
    点(ASTM D2117記載の測定方法による)が100 ℃以上、
    400 ℃以下であることを特徴とする請求項1記載乃至請
    求項8記載の液体紙容器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012216A (ja) * 2000-06-29 2002-01-15 Nippon Paper Industries Co Ltd 紙容器内縦シールテープ及び縦シールテープ付き紙容器
JP2002037234A (ja) * 2000-07-27 2002-02-06 Jujo Central Co Ltd 紙カップ
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JP2013541472A (ja) * 2010-09-14 2013-11-14 テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム 容器を製造するための特に液体食品用の容器を製造するための方法および機械

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