JP2004115117A - 密封性紙カップ容器用バリア性蓋材 - Google Patents

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Noriyasu Tomizawa
富沢 典康
Hiroyuki Mizuma
水間 博之
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Abstract

【課題】密封性紙カップ容器用のバリア性蓋材であって、容器のフランジ部面に発生している段差部に重ね合わせられる蓋材の部分に、ヒートシール手段による加熱押圧とフランジ段差部とによるストレスが掛かった際に、蓋材にクラックが発生せず、ヒートシール手段の押圧力を上げても蓋材のアルミニウム箔層に割れが発生せず、シール抜けの無いバリア性蓋材を提供することにある。
【解決手段】紙基材層1の片面にウエットラミネート用接着層2を介してアルミニウム箔層3がラミネートされ、該アルミニウム箔層3の表面に、エチレン−メタアクリル酸共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体の加熱溶融押し出し樹脂によるラミネート用接着層4を介して低密度ポリエチレンフィルムによるシーラント層5がラミネートされている。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙製のカップ状容器の蓋材に関し、特に内面に樹脂コーティング又は樹脂フィルムをラミネートした密封性紙カップ容器の開口部外周のフランジ部に重ね合わせて施蓋して密封するための密封性紙カップ容器用バリア性蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紙カップ容器の開口部外周のフランジ部に重ね合わせ施蓋して密封するバリアカップ用蓋材は、一般に基材としては片アート紙等の紙基材が使用され、蓋材にバリア性を付与するために紙基材の片面にアルミニウム箔がラミネートされ、アルミニウム箔の表面にはシーラント層が形成されている。
【0003】
そして、紙基材とアルミニウム箔とのラミネートにはエクストルーダーラミネート方式が用いられ、紙基材とアルミニウム箔との間に接着層として加熱溶融樹脂を押し出してラミネートされている。
【0004】
図2(a)に示すように、一般的に紙カップ容器Bは、カップ原紙を円形筒状に丸めた胴板12と、円形状の底板13とからなり、容器Bの内面には熱溶融性ポリエチレン樹脂がコーティングされており、その容器Bの底部は、胴板12の下端部の筒内に、底板13をその周縁部を下方に垂直に折り立てて挿入し、該底板13の折立部と、その内周に胴板12の下端部を筒内側に折り返した折返部とを共締めしてヒートシールされ、筒状胴板12の上端部は、その外周方向に丸められトップカール加工されてフランジ部14が形成されている。
【0005】
ところで、上記紙製のカップ状容器Bの円筒状胴板12は、カップ原紙シートを円筒状に丸め、そのシート両端部12a、12bを重合部15にてオーバーラップさせてヒートシールして形成されており、筒状胴板12の上端部をトップカールして形成された上記フランジ部14には、カップ容器Bの内面側のシート端部12bの重合による段差部14aが発生している。
【0006】
このようなカップ状の密封性紙カップ容器Bに内容物を充填した後に、図2(b)に示すように蓋材Aを、容器Bのフランジ部14面に重ね合わせて上部開口部16を被覆し、蓋材Aのシーラント層とフランジ部14のポリエチレン樹脂面とをヒートシール手段(シーラー)にて加熱押圧し、ヒートシールして密封した際に、フランジ部14面に発生している段差部14a部分に重ね合わせられた蓋材Aの内面側には、段差部14aと加熱押圧とによるストレスが掛かり蓋材Aには段差部14aにてクラックが発生し易い。
【0007】
また、クラックが生じないようにするために、ヒートシール手段の押圧力を下げると、シール抜け(シール不良)が発生し、また、シール抜けが生じないようにするために、ヒートシール手段の押圧力を上げると、蓋材Aのアルミニウム箔層に割れが発生する場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、密封性紙カップ容器用のバリア性蓋材であって、容器のフランジ部面に発生している段差部に重ね合わせられる蓋材の部分に、ヒートシール手段による加熱押圧とフランジ段差部とによるストレスが掛かった際に、蓋材にクラックが発生せず、ヒートシール手段の押圧力を上げても蓋材のアルミニウム箔層に割れが発生せず、シール抜けの無いバリア性蓋材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、紙基材層1の片面にウエットラミネート用接着層2を介してアルミニウム箔層3がラミネートされ、該アルミニウム箔層3の表面に、エチレン−メタアクリル酸共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体の加熱溶融押し出し樹脂によるラミネート用接着層4を介して低密度ポリエチレンフィルムによるシーラント層5がラミネートされていることを特徴とする密封性紙カップ容器用バリア性蓋材である。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るバリアカップ用蓋材において、前記ウエットラミネート用接着層2が酢酸ビニル−アクリル共重合体であることを特徴とする密封性紙カップ容器用バリア性蓋材である。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に係るバリアカップ用蓋材において、前記低密度ポリエチレンフィルムによるシーラント層のメルトインデックスが20以上であることを特徴とする密封性紙カップ容器用バリア性蓋材である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材の実施の形態を、図1の側断面図に従って以下に詳細に説明すれば、本発明のバリアカップ用蓋材Aは、紙基材層1の片面に、ウエットラミネート用接着層2を介して、アルミニウム箔層3がラミネートされている。
【0013】
該アルミニウム箔層3の表面には、エチレン−メタアクリル酸共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体の加熱溶融押し出し樹脂によるラミネート用接着層4を介してエクストルーダーラミネート方式により、低密度ポリエチレン樹脂によるシーラント層5がフィルムラミネート方式又はエクストルーダーラミネート方式によりラミネートされている。
【0014】
前記紙基材層1には、厚さ70〜80μmの片アート紙が使用され、アルミニウム箔層3には、厚さ7〜15μmのアルミニウム箔が使用されている。
【0015】
上記本発明のバリアカップ用蓋材Aは、容器外面より少なくとも紙基材層1、アルミニウム箔層3、シーラント層5からなり、紙基材層1とアルミニウム箔層3との間が、酢酸ビニル−アクリル共重合体によるラミネート用接着層2を介してウエットラミネート方式にて貼り合わされている。
【0016】
また、アルミニウム箔層3とシーラント層5との間には、エチレン−メタアクリル酸共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体によるラミネート用接着層4がエクストルーダーラミネート方式の加熱溶融押し出し加工により設けられ、該ラミネート用接着層4を介して、メルトインデックス(MI)が20以下の低密度ポリエチレン樹脂によるシーラント層5が厚さ(例えば10〜35μm)にてラミネートされている。
【0017】
本発明の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材は、紙基材1とアルミニウム箔層3との間が、酢酸ビニル−アクリル共重合体によるラミネート用接着層2を介してウエットラミネート方式にて貼り合わされているため、エクストルーダーラミネート方式により貼り合わされている従来のバリア性蓋材と異なり、カップ状の密封性紙カップ容器Bに内容物を充填した後に、図2(b)に示すように、蓋材Aをフランジ部14に重ね合わせて上部開口部16を被覆し、蓋材Aのシーラント層とフランジ部14のポリエチレン樹脂面とをヒートシール手段(シーラー)にて加熱押圧し、ヒートシールして密封した際に、フランジ部14面に発生している段差部14a部分に重ね合わせられた蓋材Aには、段差部14aと加熱押圧とによるストレスが掛かるものの、蓋材Aには段差部14aのストレスによるクラックが発生し難い。それは、紙基材層1とアルミニウム箔層3との間に熱により流動する層が少なくなり、段差部14aでのストレスによるアルミニウム箔層3の移動する(ずれる)距離を減らすことができ、その結果、アルミニウム箔層3が破断するだけの大きさの伸びの発生が抑止でき、そのためにクラックが発生し難くなるものである。
【0018】
そのため、蓋材Aのヒートシール手段の押圧力の設定を、クラックが生じないように減圧に配慮して設定する必要がなく、押圧力の設定の許容範囲が広いために、押圧力の設定調整が容易である。
【0019】
また、本発明の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材は、紙基材1とアルミニウム箔層3との間が、酢酸ビニル−アクリル共重合体によるラミネート用接着層2を介してウエットラミネート方式にて貼り合わされているため、エクストルーダーラミネート方式により貼り合わされている従来のバリア性蓋材と異なり、シール抜け(シール不良)が発生しない。それは、アルミニウム箔層3の割れを軽減できる構成であるので、シール圧を従来よりも強く付加でき、その結果、シール圧不足によるシール抜けやシール不良の発生を抑制できるものである。
【0020】
そのため、ヒートシール手段の押圧力の設定において、シール抜けが生じないように押圧力を過度に上げ過ぎるような危険性を回避でき、したがって蓋材Aのアルミニウム箔層3に割れが発生することが回避できる。
【0021】
【発明の効果】
本発明の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材は、カップ状の密封性紙容器のバリア性蓋材として好適であり、密封性紙容器のフランジ部面に発生している段差部に重ね合わせられる蓋材の部分に、ヒートシール手段による加熱押圧とフランジ段差部とによるストレスが掛かった際に、蓋材にクラックが発生せず、ヒートシール手段の押圧力を上げても蓋材のアルミニウム箔層に割れが発生せず、シール抜けの無いバリア性蓋材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材の側断面図。
【図2】(a)は一般的な密封性紙カップ容器と蓋材の斜視図、(b)はその拡大側面図。
【符号の説明】
A…蓋材 B…密封性紙カップ容器
1…紙基材 2…ウエットラミネート用接着層 3…アルミニウム箔層
4…加熱溶融押し出し樹脂によるラミネート用接着層 5…シーラント層
12…胴板 13…底板 14…フランジ部 15…重ね合わせ部
16…上部開口部

Claims (3)

  1. 紙基材層1の片面にウエットラミネート用接着層2を介してアルミニウム箔層3がラミネートされ、該アルミニウム箔層3の表面に、エチレン−メタアクリル酸共重合体又はエチレン−アクリル酸共重合体の加熱溶融押し出し樹脂によるラミネート用接着層4を介して低密度ポリエチレンフィルムによるシーラント層5がラミネートされていることを特徴とする密封性紙カップ容器用バリア性蓋材。
  2. 前記ウエットラミネート用接着層2が酢酸ビニル−アクリル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材。
  3. 前記低密度ポリエチレンフィルムによるシーラント層のメルトインデックスが20以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の密封性紙カップ容器用バリア性蓋材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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