JP2005035471A - 液圧制御装置および液圧制御方法 - Google Patents

液圧制御装置および液圧制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電磁流量制御弁による液圧制御において、制御液圧が目標液圧に収束しない場合、長期通電により回路の耐久性が低下する恐れがある。
【解決手段】 フィードフォワード制御部220は、目標液圧Prefの傾きなどからフィードフォワード電流IFを算出する。フィードバック制御部222は、目標液圧Prefと制御液圧Pwcの偏差Perrorを0に近づけるためのフィードバック電流IBを算出する。長期通電防止電流供給部224は、リニア弁40、42の通電開始から一定時間を経過しても、偏差Perrorが小さくならない場合、長期電流防止電流IAを出力する。フィードフォワード電流IF、フィードバック電流IB、および長期電流防止電流IAの和が、指令電流Iとしてリニア弁40、42に供給される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液圧制御装置及び液圧制御方法に関し、特に液圧制御装置に含まれる電磁制御弁に対して供給すべき電流を制御する技術に関する。
自動車等の車両用の制動装置として、油圧導管の途中にモータ駆動されるオイルポンプを設け、そのオイルポンプの吐出側の作動液をアキュムレータに蓄積してアキュムレータ圧を高圧に保つものが知られている。この高圧の作動液は、運転者のブレーキペダル操作に応じ、各輪に対応して設けられた制御弁のうち増圧弁を介してホイールシリンダに導入され、所望の制動力が発揮される。こうした制動力を安定的かつ的確に発生するために、マイクロコンピュータが圧力センサによってホイールシリンダ圧を監視し、その圧力と目標の液圧との液圧差が所定値を超えたときに、ホイールシリンダ圧を増圧又は減圧させている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−278764号公報
このような制御弁を有する電子制御ブレーキ装置では、目標液圧と実際の液圧の偏差に応じた指令電流を制御弁に供給するフィードバック制御により、実際の液圧が目標液圧に近づくように制御される。しかしながら、フィードバック制御のゲインは、通常想定されるブレーキ操作に対する安定性を重視して設定されているため、設計上見込んでいる以上の外乱が加わる等何らかの原因で制御能力を超えた場合には、目標液圧への収束が遅れたり、目標液圧と実際の液圧の間に一定の液圧偏差が残ったままになることがある。このような場合、制御弁に電流を長時間通電し続けることとなり、電流制御トランジスタなどが加熱し、回路の耐久性の低下が懸念される。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、長期通電を防止して耐久性を高めることのできる液圧制御装置および液圧制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の液圧制御装置は、供給される指令電流の値に応じた電磁流量制御弁の開閉状態の変化により液圧を調圧するものであって、液圧が発生している状況下において、通電開始からの時間経過に基づき、前記電磁流量制御弁に供給する前記指令電流の電流値を変更する指令電流調整手段を備える。
電磁流量制御弁は、一例として、線形動作特性を有するリニア弁であってもよい。リニア弁は指令電流によって開弁圧、すなわちこのリニア弁が開き始める弁両側の差圧を調整できるため、液圧のきめ細かな制御ができる。
この液圧制御装置によれば、時間経過に応じて適正に調整された指令電流が供給されるため、実際の制御液圧が目標液圧に所定時間内に到達することが可能となり、電磁流量制御弁の長時間の通電を防止することができる。
本発明の別の態様の液圧制御方法は、供給される指令電流の値に応じた電磁流量制御弁の開閉状態の変化により液圧を調圧するものであって、通電開始から一定時間を経過した場合に、目標液圧と実際の制御液圧との偏差が所定の閾値を超えているかどうかを判定するステップと、前記偏差が所定の閾値を超えている場合に、前記電磁流量制御弁に供給する前記指令電流の電流値を変更するステップとを備える。この液圧制御方法によれば、通電してから所定の時間が経過しても、液圧偏差が小さくならない場合でも、指令電流を調整して目標液圧を達成することができる。
本発明の液圧制御装置および液圧制御方法によれば、電磁流量制御弁への長期通電を防止して、電磁流量制御弁の耐久性を向上することができる。
本実施の形態に係る液圧制御装置は、電磁流量制御弁を制御するために長期間にわたって通電が行われることを防ぐために、一定時間を経過しても目標液圧と実際の制御液圧との偏差が小さくならない場合に、付加的に指令電流を供給して、制御液圧を早期に目標液圧に収束させるものである。

1058500791656_0
は、油圧システム100と電子制御ユニット200の全体構成を示す。油圧システム100は主にアクチュエータ80とアクチュエータ80以外のマスタシリンダ14などを備える。なお、以下の説明において、電子制御ユニット200単独で液圧制御装置と捉えてもよいし、油圧システム100またはその一部と電子制御ユニット200の組合せを液圧制御装置と捉えてもよい。
ブレーキペダル12にはその踏み込みストロークを検出するストロークセンサ46が設けられている。マスタシリンダ14は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込み操作に応じ、作動液であるブレーキオイルを外部に圧送する。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間にはドライストロークシミュレータ13が設けられている。
マスタシリンダ14には右前輪用のブレーキ油圧制御導管16及び左前輪用のブレーキ油圧制御導管18の一端が接続され、これらのブレーキ油圧制御導管はそれぞれ、右前輪及び左前輪の制動力を発揮する右前輪用及び左前輪用のホイールシリンダ20FR、20FLに接続されている。右前輪用及び左前輪用のブレーキ油圧制御導管16、18の途中にはそれぞれ通常は開状態(以下これを「常開型」という)の右電磁開閉弁22FR及び左電磁開閉弁22FLが間挿され、また、それぞれ右前輪側及び左前輪側のマスタシリンダ圧を計測する右マスタおよび左マスタ圧力センサ48FR、48FLが設けられている。運転者によってブレーキペダル12が踏まれたとき、ストロークセンサ46によりその踏み込みが検出されるが、ストロークセンサ46の故障を想定し、右マスタおよび左マスタ圧力センサ48FR、48FLによるマスタシリンダ圧の計測によってもブレーキペダル12の踏み込みが検出される。マスタシリンダ圧をふたつの圧力センサで監視するのは、フェイルセイフの観点による。
マスタシリンダ14にはリザーバタンク26が接続され、また、開閉弁23を介してウェットストロークシミュレータ24が接続され、リザーバタンク26には油圧給排導管28の一端が接続される。油圧給排導管28にはモータ32により駆動されるオイルポンプ34が設けられている。オイルポンプ34の吐出側は高圧導管30になっており、アキュムレータ50とリリーフバルブ53が設けられている。アキュムレータ50はオイルポンプ34によって例えば16〜21.5MPaという範囲(以下「制御範囲」という)の高圧にされたブレーキオイルを蓄積する。リリーフバルブ53は、アキュムレータ圧が異常に高く、例えば30MPaといった高圧になったとき開き、油圧給排導管28へ高圧のブレーキオイルを逃がす。
高圧導管30にはアキュムレータ圧を計測するアキュムレータ圧センサ51が設けられる。後述の電子制御ユニット200はアキュムレータ圧センサ51の出力であるアキュムレータ圧を入力し、このアキュムレータ圧が制御範囲に収まるようモータ32を制御する。
高圧導管30は、それぞれ通常は閉じた状態(これを「常閉型」という)にあり、必要なときにホイールシリンダの増圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを介し、右前輪のホイールシリンダ20FR、左前輪のホイールシリンダ20FL、右後輪用のホイールシリンダ20RR、左後輪用のホイールシリンダ20RLに接続されている。
右前輪のホイールシリンダ20FRと左前輪のホイールシリンダ20FLは、それぞれ常閉型で、必要なときに減圧用に利用される電磁流量制御弁、すなわちリニア弁である減圧弁42FR、42FLを介して油圧給排導管28へ接続されている。また、右後輪用のホイールシリンダ20RR、左後輪用のホイールシリンダ20RLは、それぞれ常開型の減圧リニア弁42RR、42RLを介して油圧給排導管28へ接続されている。
右前輪、左前輪、右後輪、左後輪のホイールシリンダ20FR、20FL、20RR、20RL付近には、それぞれホイールシリンダ内の液圧を計測する右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLが設けられている。
電子制御ユニット200は、電磁開閉弁22FR、22FL、モータ32、4個の増圧リニア弁40FR、40FL、40RR、40RL、および4個の減圧リニア弁42FR、42FL、42RR、42RLを制御する。電子制御ユニット200はマイクロコンピュータによる演算ユニット202、各種制御プログラムを格納するROM204、およびデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM206を備える。
詳細は図示しないが、演算ユニット202には、右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用の圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLより、それぞれ、右前輪のホイールシリンダ20FR内の圧力信号、左前輪のホイールシリンダ20FL内の圧力信号、右後輪用のホイールシリンダ20RR内の圧力信号、左後輪用のホイールシリンダ20RL内の圧力信号(以下、総括的にホイールシリンダ圧信号という)が入力され、ストロークセンサ46よりブレーキペダル12の踏み込みストロークを示す信号(以下ストローク信号という)が入力され、右マスタおよび左マスタ圧力センサ48FR、48FLよりマスタシリンダ圧を示す信号(以下マスタシリンダ圧信号という)、アキュムレータ圧センサ51よりアキュムレータ圧を示す信号(以下アキュムレータ圧信号という)が入力される。
電子制御ユニット200のROM204は所定の制動制御フローを記憶している。演算ユニット202はストローク信号とマスタシリンダ圧信号に基づき車輌の目標減速度を演算し、演算された目標減速度に基づき各輪の目標ホイールシリンダ圧を演算し、各輪のホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧になるよう制御する。また、ROM204は所定の長期通電防止電流制御フローおよび応答遅れ抑制電流制御フローを記憶し、演算ユニット202は、通常の制動制御に加えて、長期通電防止電流制御および応答遅れ抑制電流制御を適宜実行する。脈動低減制御フローおよび応答遅れ抑制電流制御フローの詳細については後述する。
ROM204はさらに、所定のアキュムレータ圧制御フローを記憶している。演算ユニット202はアキュムレータ圧が制御範囲の下限値未満であるときにはオイルポンプ34を駆動してアキュムレータ圧を昇圧し、アキュムレータ圧が制御範囲に入っていれば、オイルポンプ34を停止させる。
以上の構成における制動制御の概要を説明する。まず、運転者がイグニションスイッチをオンにする前、すなわち各電磁弁に対する通電前においては、各電磁弁は内蔵しているバネの付勢力により、図1の状態にある。このとき、マスタシリンダ14から大気圧のブレーキオイルが右および左電磁開閉弁22FR、22FLを介して、それぞれ右前輪と左前輪のホイールシリンダ20FR、20FLに達している。一方、右後輪と左後輪のホイールシリンダ20RR、20RLにも、油圧給排導管28と常開型の減圧弁42RR、42RLを介して、リザーバタンク26内の液圧と同じ大気圧のブレーキオイルが到達している。この時点では、4つすべてのホイールシリンダ圧が大気圧であり、制動力は発生しない。ただし、通電前であっても、運転者がブレーキペダル12を踏めば、その踏込力に応じた制動力が右前輪と左前輪のホイールシリンダ20FR、20FLに直接作用し、これら右前輪と左前輪には制動力が生じる。
運転者がイグニションスイッチをオンすると、必要に応じてモータ32が作動し、アキュムレータ圧が制御範囲に入る。この後、通常走行に入ったときも各電磁弁は図1の状態にある。つづいて、運転者がブレーキペダル12を踏むと、まずマスタシリンダ14が押し込まれ、マスタシリンダ14とリザーバタンク26の連通が遮断される。また、右および左電磁開閉弁22FR、22FLが閉じられ、開閉弁23が開かれ、マスタシリンダ14から右前輪および左前輪のホイールシリンダ20FR、20FLへの大気圧のブレーキオイルの連通が遮断される。また、右後輪用、左後輪用の減圧弁42RR、42RLが閉じられ、4個の増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLが開けられる。各電磁弁の開度は、後述する各種演算を経て算出された各輪の目標ホイールシリンダ圧をもとに制御される。
図2は、制動制御の際に発生する目標液圧Prefと制御の結果出力される制御液圧Pwcの様子を示す。同図の制御は一般的なものであり、同図に本実施の形態に特徴的な処理は明示的には現れないが、後述のごとく、本実施の形態の制御は増圧モード、減圧モード、保持モードに関連するため、まず制動制御の概要を述べる。なお、同図は見やすさのために制御液圧Pwcの振る舞いを比較的緩やかに描いている。一般には、制御液圧Pwcの曲線は同図のものよりも小刻みに変動する。
図2において、横軸は時間、縦軸は液圧である。目標液圧Prefは後述のごとく制動要求から各種演算を経て各輪の目標ホイールシリンダ圧Prefとして定まる。一方、制御液圧Pwcは現実のホイールシリンダ圧Pwcである。この制動制御には、目標液圧Prefを中心に含み、下限圧Plと上限圧Puで定まる幅を不感帯として設ける。制御液圧Pwcが不感帯に入っているときは増圧も減圧もせず、保持モードとして各リニア弁を閉じておく。制御液圧Pwcが不感帯の下限圧Plを下回れば増圧弁を開け、制御液圧Pwcを高める。これが増圧モードである。逆に、制御液圧Pwcが不感帯の上限圧Puを上回れば減圧弁を開け、制御液圧Pwcを下げる。これが減圧モードである。
図3は、図2の制動制御を実施するプログラムの処理の流れを示す。この制動制御フローは所定の時間間隔で継続的に実行される。制動制御に先立ち、運転者がブレーキペダル12を踏んだとき、まず右および左電磁開閉弁22FR、22FLが閉じられ、開閉弁23が開かれ、マスタシリンダ14から右前輪および左前輪のホイールシリンダ20FR、20FLへの大気圧のブレーキオイルの連通、およびマスタシリンダ14とリザーバタンク26の連通が遮断される。この状態を初期状態として、まずストローク信号が読み込まれ(S30)、マスタシリンダ圧信号が読み込まれ(S32)、これらの信号から演算ユニット202によって既知の手法で目標減速度が演算される(S34)。
つづいて演算ユニット202は、目標減速度に対する各輪の目標液圧Pref、すなわち目標ホイールシリンダ圧Prefを既知の手法で演算し(S36)、各輪のホイールシリンダ20FR、20FL、20RR、20RL内の液圧Pwcを圧力センサ44FR、44FL、44RR、44RLから読み込み(S38)、目標ホイールシリンダ圧Prefと現実のホイールシリンダ圧Pwcの差から制動制御のモードを決定する(S40)。つぎに、決定された制動制御のモードに従ってリニア弁の制御がなされる(S42)。
以下、増圧弁40FR、40FL、40RR、40RLを総称するときは符号40を、減圧弁42FR、42FL、42RR、42RLを総称するときは符号42を用いることにする。
図4は、演算ユニット202による液圧制御に係る機能ブロック図である。演算ユニット202は、フィードフォワード制御部220と、フィードバック制御部222と、長期通電防止電流供給部224とを有し、目標液圧Prefの入力を受けて、増圧弁40および減圧弁42(以下、これらを単にリニア弁と総称する)に供給する指令電流Iを算出する。指令電流Iによってリニア弁40、42が駆動されることにより得られる制御液圧Pwcは演算ユニット202にフィードバックされる。図5は、演算ユニット202による指令電流Iの算出手順を示すフローチャートであり、以下図5を参照しながら、図4の演算ユニット202の構成と動作を説明する。
フィードフォワード制御部220は、目標液圧Prefの入力を受け、リニア弁40、42の物理特性および負荷モデルにもとづいて、目標液圧Prefの傾きや開弁電流などからフィードフォワード電流IFを所定のゲインのもとで算出して出力する(S50)。
減算部234は目標液圧Prefから制御液圧Pwcを減じて液圧偏差Perrorを出力する。フィードバック制御部222は、減算部234から液圧偏差Perrorの入力を受け、PID制御等により、液圧偏差Perrorを0に近づけるためのフィードバック電流IBを所定のゲインのもとで算出して出力する(S52)。
演算ユニット202がリニア弁40、42に指令電流Iを供給し、通電を開始してから一定時間を経過している場合(S54のY)、長期通電防止電流供給部224は、液圧偏差Perrorが所定値を超えているかどうかを判定し(S55)、液圧偏差Perrorが所定値以上である場合には(S55のY)、付加的に供給する長期電流防止電流IAを算出して出力する(S56)。この液圧偏差Perrorの判定に使われる所定値は、目標液圧Prefに対する不感帯幅よりも大きな値に設定される。長期電流防止電流IAの電流値は、たとえば経過時間に応じて線形的に増加する値に設定する。通電開始から一定時間を経過していない場合(S54のN)や、液圧偏差Perrorが所定値以下である場合(S55のN)には、長期通電防止電流供給部224は、長期電流防止電流IAを算出せず、ゼロに設定する。
第1の加算部230はフィードフォワード電流IFとフィードバック電流IBを加算し、第2の加算部232に与える。第2の加算部232は第1の加算部230の出力にさらに長期電流防止電流IAを加算し、リニア弁40、42に供給すべき指令電流Iを算出して出力する(S58)。
実施の形態に係る液圧制御の作用を説明する。まず、比較のため、仮に長期通電防止電流供給部224を全く動作させなかった場合の制御液圧Pwcの変化を説明する。図6(a)に示す目標液圧Prefが与えられた場合、図6(b)に示すように時刻t0から指令電流Iによるリニア弁40の通電が開始され、リニア弁40の開弁により、図6(a)に示すように制御液圧Pwcが上昇し始める。所定の最大電流値の指令電流Iがリニア弁40に供給されても、制御のゲインが十分ではないため、制御液圧Pwcは目標液圧Prefを大きく下回るところで安定してしまい、相当の時間が経過しても、それ以上上昇せず、目標液圧Prefに収束しない。この場合、演算ユニット202が指令電流Iをリニア弁40に長期間流し続けることになり、加熱による負担がリニア弁40にかかる。
次に、長期通電防止電流供給部224が動作する場合の制御液圧Pwcの変化を説明する。図6(a)、(b)と同様に、図7(a)に示す目標液圧Prefに対して、図7(b)に示すように時刻t0から指令電流Iがリニア弁40に供給され、制御液圧Pwcが上昇し始める。指令電流Iが最大電流値に達して制御液圧Pwcが目標液圧Prefを下回るところで安定化するが、長期通電防止電流供給部224は、通電開始から一定時間を経過した時刻t1において、長期電流防止電流IAの供給を開始する。すなわち、時刻t0からt1までの間は、指令電流Iはフィードフォワード電流IFとフィードバック電流IBの和であるが、時刻t1以降は、指令電流Iにはさらに長期電流防止電流IAが加わる。リニア弁40に付加的な長期電流防止電流IAが供給されることにより、時刻t1以降に制御液圧Pwcが再び上昇し始め、時刻t2に目標液圧Prefに達し、長期通電防止電流供給部224は、指令電流Iの通電を停止する。
なお、上記では、制御液圧Pwcが目標液圧Prefを下回るところで安定化した場合における増圧リニア弁40による増圧制御を説明したが、制御液圧Pwcが外乱等の原因で目標液圧Prefを上回るところで安定化した場合でも同様であり、長期通電防止電流供給部224が、減圧リニア弁42に供給する指令電流Iを長期電流防止電流IAにより適宜調整することにより、制御液圧Pwcを目標液圧Prefに収束させることができる。
本実施の形態に係る液圧制御装置は、車両用制動制御装置におけるホイールシリンダの液圧制御に有効に用いられ、長期通電による装置の負担を軽減することができる。車両用ブレーキの場合、長期通電防止電流供給部224により長期電流防止電流IAの印加を開始するタイミングは、たとえば、ブレーキ操作からおおよそ100ミリ秒から3秒程度の範囲に設定してもよい。このように、本実施の形態の液圧制御装置は、ブレーキ操作の特徴を利用し、ブレーキ操作開始から一定時間を経過したときに、指令電流の電流値を増加させることにより、外乱などにより目標液圧と実際の液圧の偏差が小さくならずに残ってしまうような場合でも、フィードバック制御のゲインを高めて、目標液圧を達成することができる。
図8は、別の実施の形態に係る演算ユニット202の機能ブロック図である。本実施の形態の演算ユニット202は、長期通電防止電流供給部224の代わりに応答遅れ抑制電流供給部226を有する点が、図4の演算ユニット202とは異なり、その他の構成は図4の演算ユニット202と同じである。
応答遅れ抑制電流供給部226は、目標液圧Prefおよび制御液圧Pwcの入力を受け、目標液圧Prefの変化に対して制御液圧Pwcの応答に異常な遅れがある場合に、応答遅れ抑制電流IDを算出して出力し、応答に異常な遅れがない場合には、応答遅れ抑制電流IDを算出せず、ゼロを出力する。加算部232は、フィードフォワード電流IFとフィードバック電流IBに応答遅れ抑制電流IDを加算して、指令電流Iとして出力する。
図9は、応答遅れ抑制電流供給部226による応答遅れ抑制電流IDの算出手順を示すフローチャートである。応答遅れ抑制電流供給部226は、液圧偏差Perrorおよび応答遅れ時間Tdを算出する(S60)。応答遅れ時間Tdは、目標液圧Prefの勾配、すなわち単位時間当たりの変化量dPrefを用いて、次のように計算することができる。
Perror=Pref−Pwc
Td=Perror/dPref
応答遅れ抑制電流供給部226は、制御液圧Pwcの応答に異常な遅れがあるかどうかを判定する(S62)。応答遅れ抑制電流供給部226は、応答遅れ時間Tdが所定値を超えているか、または液圧偏差Perrorの絶対値が所定値を超えているとき、応答に異常な遅れがあると判定し(S62のY)、カウンタ値Ctをインクリメントする(S64)。応答遅れ抑制電流供給部226は、応答遅れ時間Tdが所定値以下となり、かつ、液圧偏差Perrorの絶対値が所定値以下となった場合、応答の異常な遅れは解消されたと判定し(S62のN)、カウンタ値Ctをゼロにリセットする(S66)。応答遅れ抑制電流供給部226は、カウンタ値Ctに比例する応答遅れ抑制電流IDを算出する(S68)。
なお、制御液圧Pwcの応答の異常な遅れを判定する基準は前述の条件に限られず、また、応答遅れ抑制電流IDは必ずしもカウンタ値Ctに比例するものでなくてもよい。
本実施の形態の液圧制御装置では、応答遅れ抑制電流供給部226が、目標液圧に対する実際の液圧の応答遅れ時間や目標液圧との偏差に基づいて応答遅れ度合いを評価し、液圧制御弁に供給する指令電流の電流値を適応的に調整するため、フィードバック量が適正化され、応答特性が改善される。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。なお本発明はこれらの実施の形態に限定されることなく、そのさまざまな変形例もまた、本発明の態様として有効である。
そのような変形例として、図4の長期通電防止電流供給部224の機能と応答遅れ抑制電流供給部226の機能を組み合わせて用いることもできる。変形例においては、長期通電防止電流供給部224が、通電開始から一定時間経過後に長期電流防止電流IAを付加する一方で、応答遅れ抑制電流供給部226が、通電開始からの経過時間とは無関係に、あるいは通電開始から一定時間経過後に、応答のさらなる改善のために応答遅れ抑制電流IDを付加する。
実施の形態に係る液圧制御装置の全体構成図である。 実施の形態において、現実のホイールシリンダ圧を目標ホイールシリンダ圧に合わせるための制動制御を示す図である。 図2の制動制御の処理を示すフローチャートである。 図1の演算ユニットの機能ブロック図である。 図4の演算ユニットの構成による指令電流の算出手順を示すフローチャートである。 図4の長期通電防止電流が与えられない場合における指令電流、目標液圧および制御液圧の時間変化を説明する図である。 図4の長期通電防止電流が与えられる場合における指令電流、目標液圧および制御液圧の時間変化を説明する図である。 別の実施の形態に係る演算ユニットの機能ブロック図である。 図8の演算ユニットの構成による応答遅れ抑制電流の算出手順を示すフローチャートである。
符号の説明
12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 20FR,20FL,20RR,20RL ホイールシリンダ、 22FR 右電磁開閉弁、 22FL 左電磁開閉弁、 26 リザーバタンク、 32 モータ、 34 オイルポンプ、 40FR,40FL,40RR,40RL 増圧弁、 42FR,42FL,42RR,42RL 減圧弁、 44FR,44FL,44RR,44RL 各輪の圧力センサ、 48FR 右マスタ圧力センサ、 48FL 左マスタ圧力センサ、 50 アキュムレータ、 51 アキュムレータ圧センサ、 80 アクチュエータ、 100 油圧システム、 200 電子制御ユニット、 202 演算ユニット、 204 ROM、 206 RAM、 220 フィードフォワード制御部、 222 フィードバック制御部、 224 長期通電防止電流供給部、 226 応答遅れ抑制電流供給部。

Claims (4)

  1. 供給される指令電流の値に応じた電磁流量制御弁の開閉状態の変化により液圧を調圧する液圧制御装置において、
    液圧が発生している状況下において、通電開始からの時間経過に基づき、前記電磁流量制御弁に供給する前記指令電流の電流値を変更する指令電流調整手段を備えることを特徴とする液圧制御装置。
  2. 前記指令電流調整手段は、車両用制動制御装置におけるブレーキ操作から一定時間を経過した場合に、前記指令電流の電流値を増加させることを特徴とする請求項1に記載の液圧制御装置。
  3. 前記指令電流調整手段は、さらに目標液圧の変化に対する実際の制御液圧の応答遅れ時間、および前記目標液圧と前記実際の制御液圧との偏差の少なくとも一つに基づいて評価された応答遅れ度合いに応じて、前記電磁流量制御弁に供給する前記指令電流の電流値を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の液圧制御装置。
  4. 供給される指令電流の値に応じた電磁流量制御弁の開閉状態の変化により液圧を調圧する液圧制御方法において、
    通電開始から一定時間を経過した場合に、目標液圧と実際の制御液圧との偏差が所定の閾値を超えているかどうかを判定するステップと、
    前記偏差が所定の閾値を超えている場合に、前記電磁流量制御弁に供給する前記指令電流の電流値を変更するステップと
    を備えることを特徴とする液圧制御方法。
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