JP2005032787A - セラミック配線基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実装面積を小さくでき、熱応力を緩和でき、目視検査を可能とする安価なセラミック配線基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一方の主面側にセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される導体金属からなる複数個の外部接続端子11を有し、外部接続端子11で実装用基板13に表面実装することができるセラミック配線基板10において、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差15を有し、しかも、少なくとも段差15の側面部16を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子11を有する。
【選択図】図1
【解決手段】一方の主面側にセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される導体金属からなる複数個の外部接続端子11を有し、外部接続端子11で実装用基板13に表面実装することができるセラミック配線基板10において、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差15を有し、しかも、少なくとも段差15の側面部16を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子11を有する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、セラミック製の受動部品、回路基板、あるいは半導体素子収納用パッケージ等の表面実装タイプの外部接続端子を有するセラミック配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、誘電体基材に導体配線を形成し、複数枚を積層し焼成して形成するセラミック配線基板は、受動部品、回路基板、あるいは半導体素子収納用パッケージ等として盛んに用いられている。これらのセラミック配線基板には、樹脂板や、セラミック板等からなる実装用基板に半田等で表面実装するものがあり、接続のための外部接続端子を有している。
【0003】
従来の表面実装タイプのセラミック配線基板には、セラミック配線基板を実装用基板に接合する時の外部接続端子の構造に、大別して2種類のものがある。
図7に示すように、2種類の内の1つのセラミック配線基板50は、基体51の側面に導体金属からなる外部電極となる外部接続端子52を有している。そして、セラミック配線基板50は、外部接続端子52で、実装用基板53に設けられた接合用パッド54と半田等の接合材55を介して接合される。この接合における接合材55は、接合量を適切量とすることによって、外部接続端子52との接合角度θ1、及び接合用パッド54との接合角度θ2を小さくする適切なメニスカス56を形成することができるので、熱応力の集中する接合先端部の接合量を少なくできて熱応力の集中を防ぎ、クラック等の発生を防止することができる。また、外部接続端子52は、基体51の側面に形成されているので、実装不良等を目視によって検査することができる。
【0004】
図8(A)に示すように、2種類の内の他の1つのセラミック配線基板50aは、基体51の底面に導体金属からなる外部電極となる外部接続端子52aを有している。このセラミック配線基板50aは、外部接続端子52a形成のための導体金属を平面的に形成できるので、簡単な工程で形成することができる。また、セラミック配線基板50aは、実装用基板53に設けられた接合用パッド54が基体51の外側にはみ出さないので、実装用基板53上の占有面積を小さくすることができる。しかしながら、セラミック配線基板50aは、外部接続端子52aが基体51の底面に形成されので、実装後に目視検査をすることが困難である。また、セラミック配線基板50aは、外部接続端子52aと接合用パッド54の間の接合材55が短くなり、メニスカス形状を作ることができなくて、接合角度が大きくなり、熱応力を緩和させることが難しくなる。そこで、図8(B)に示すように、セラミック配線基板50bには、外部接続端子52aに予め金属ボール57を高温半田等で接合させた後に、接合用パッド54と接合材55で接合する構造のものが用いられている。このセラミック配線基板50bは、接合部分の側面からの目視検査を可能としていると同時に、熱応力を緩和させることができるメニスカス形状を実現させている。
【0005】
セラミック配線基板には、実装用基板への実装面側に突起状の段差部が設けられ、実装用基板にはセラミック配線基板の段差部が嵌合する貫通孔が設けられている。段差部は貫通孔に嵌合された後に接着剤で貫通孔の側壁面に接着固定されることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、セラミック配線基板には、実装時に、セラミック配線基板の段差部が実装用基板に設けられた孔に埋め込まれ、段差部の突出寸法部を実装用基板の孔の深さ寸法部で吸収させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−214831号公報
【特許文献2】
特開平5−327021号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のセラミック焼成体及びその製造方法は、次のような問題がある。
(1)基体の側面に外部接続端子を有するセラミック配線基板は、実装用基板の接合用パッドが外部接続端子の外側にはみ出して配置されるので、セラミック配線基板を実装する実装用基板上の占有面積が大きくなり、装置の小型化への対応を難しくしている。
(2)基体の側面に外部接続端子を有するセラミック配線基板は、基体の主面に垂直な方向に外部接続端子が形成されるので、複数枚のセラミックグリーンシートを積層して形成した積層体の側面に導体金属で外部接続端子を形成する必要があり、製造工程が複雑となっている。
(3)セラミック配線基板と実装用基板を金属ボールを介して接合するのは、個々の電極に金属ボールを配置しなければならず、セラミック配線基板のコストアップとなっている。
(4)セラミック配線基板の段差部を挿入するための貫通孔を有する実装用基板に、セラミック配線基板を接合するにおいては、セラミック配線基板の側面に設ける外部接続端子と実装用基板の接合用パッドが接合され、接合用パッドが外部接続端子の外側にはみ出して配置されるので、セラミック配線基板を実装する実装用基板上の占有面積が大きくなり、装置の小型化への対応を難しくしている。また、実装用基板には、貫通孔を穿設する必要があり、装置のコストアップとなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、実装面積を小さくでき、熱応力を緩和でき、目視検査を可能とする安価なセラミック配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るセラミック配線基板は、一方の主面側にセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される導体金属からなる複数個の外部接続端子を有し、外部接続端子で実装用基板に表面実装することができるセラミック配線基板において、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差を有し、しかも、少なくとも段差の側面部を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子を有する。これにより、セラミック配線基板は、側面で実装用基板に接合することがなく、一方の主面側に設ける段差の少なくとも側面部で実装用基板に接合することができるので、実装用基板上の占有面積を小さくできる。また、接合部では、接合角度の小さい良好なメニスカスを形成できるので、熱応力の集中を緩和することができる。また、接合部は、外部から観察できるので、目視検査を行うことができる。更に、セラミック配線基板の金属ボールの取り付けや、実装用基板の孔開け加工を必要としないので、セラミック配線基板や、これを使用する装置を安価にすることができる。
【0009】
ここで、セラミック配線基板は、段差の側面部が断面視して実質的に垂直又は傾斜からなる形状を有するのがよい。これにより、接合部分が段差となっているので、接合部分が外部から容易に観察でき、目視検査を容易に行うことができる。特に、段差の側面部が傾斜からなる形状の場合には、セラミックのクラックの発生を防止したり、熱応力を低下させることができる。
【0010】
前記目的に沿う本発明に係るセラミック配線基板の製造方法は、複数枚のセラミックグリーンシートの積層体の一方の主面側に、実装用基板に表面実装するための外部接続端子を導体金属で設け、導体金属とセラミックグリーンシートを同時焼成して形成するセラミック配線基板の製造方法において、一方の主面側となるセラミックグリーンシートにペースト状の導体金属を印刷して外部接続端子用のパターンを形成する工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートの外部接続端子用のパターン面を最表面にして複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせる工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹凸形状面を有する剛性板の凹凸形状面を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートの他方の主面側となるセラミックグリーンシートに平面形状からなる剛性平板を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートを押圧するエンボス加工で、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹みからなる外部接続端子用の段差を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシートを加熱しながら加圧して積層体を形成する工程を有する。これにより、段差には、セラミックグリーンシートの表面に外部接続端子用のパターンを印刷して形成し、エンボス加工で押圧するだけで垂直や、傾斜をもたせて導体金属が形成でき、しかも、エンボス加工と同時に積層体を作製できるので、段差に導体金属からなる外部接続端子を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0011】
ここで、セラミック配線基板の製造方法は、エンボス加工に用いられる剛性板が断面視する壁面が垂直形状、又はテーパ形状からなる貫通孔を有する平面形状の第1剛性平板と、平面板からなる第2剛性平板を重ね合わせて形成されているのがよい。これにより、段差を形成するための加工型は、2枚の剛性平板を重ね合わせるだけで安価に準備できるので、垂直や傾斜形状からなる段差を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同セラミック配線基板の変形例のセラミック配線基板の説明図、図3は同変形例のセラミック配線基板の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ同セラミック配線基板の製造方法の説明図、図5は同セラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ同変形例のセラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10は、一方の主面側に、セラミックの一例である低温焼成セラミックのセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される、例えば、Ag系の導体金属からなる複数個の外部接続端子11を有している。そして、セラミック配線基板10は、樹脂基材やセラミック基材等に接合用パッド12を形成した実装用基板13の接合用パッド12に、外部接続端子11を半田等の接合材14を介して接合することで実装用基板13に表面実装を行うことができる。このセラミック配線基板10の一方の主面側に設けられる外部接続端子11は、セラミック配線基板10の外周縁より内側部にかけて設けられている段差15の、少なくともこの段差15の側面部16に導体金属で被覆して設けられている。このセラミック配線基板10は、実装用基板13の接合用パッド12との接合部がセラミック配線基板10の外周より大きくならないので、実装用基板13上の実装占有面積が大きくならない。また、セラミック配線基板10の段差15と、実装用基板13の接合用パッド12には、接合材14が接合角度の小さい良好なメニスカス形状を形成できるので、熱応力が発生しにくい形状を形成している。
【0014】
ここで、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10の変形例のセラミック配線基板10a、10b、及び、図3を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る変形例のセラミック配線基板10cを説明する。
図2(A)に示すように、セラミック配線基板10aは、一方の主面側に設けられる外部接続端子11がセラミック配線基板10aの外周縁より内側部にかけて設けられている段差15の断面視して実質的に垂直形状からなる側面部16と、段差15の水平部17の一部に導体金属で被覆して設けられている。
また、図2(B)に示すように、セラミック配線基板10bは、外部接続端子11が段差15の断面視して実質的に垂直形状からなる側面部16、段差15の水平部17の一部、及び一方の主面側の底面である平面部18の一部に、導体金属で被覆して設けられている。
更に、図3に示すように、変形例のセラミック配線基板10cは、段差15aの側面部16aが断面視して傾斜形状からなり、少なくともこの側面部16aに外部接続端子11が導体金属で被覆して設けられている。
【0015】
これらのセラミック配線基板10a、10b、10cの外部接続端子11は、実装用基板13の接合用パッド12との接合部がセラミック配線基板10a、10b、10cの外周より大きくならないので、実装用基板13上の実装占有面積が大きくならない。また、段差15、15aと、接合用パッド12には、半田等からなる接合材14が接合角度の小さい良好なメニスカス形状を形成できるので、熱応力が発生しにくい形状を形成している。特に、傾斜のある側面部16aを有するセラミック配線基板10cは、セラミックの焼成後のクラックの発生防止や、基板の熱応力低下のためには、むしろ垂直の側面部16を有するセラミック配線基板10、10a、10bより好ましい。
【0016】
次いで、図4(A)〜(D)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10、及び、セラミック配線基板10の変形例のセラミック配線基板10a、10b(以下、代表して10と記す)の製造方法を説明する。
先ず、セラミック配線基板10を形成するためのセラミックグリーンシート19は、例えば、800〜1100℃の低温の焼成温度で焼結可能な、CaO−Al2O3−SiO2−B2O3系ガラスを、例えば、50〜65重量%(好ましくは、60重量%)と、Al2O3を、例えば、50〜35重量%(好ましくは、40重量%)からなるセラミック粉末に、バインダー、溶剤、及び可塑剤を添加して混合し、ドクターブレード法等で所望の厚みのシート状にし、所望の大きさの矩形状に切断して形成する。
【0017】
次に、図4(A)に示すように、複数枚の各セラミックグリーンシート19には、セラミックグリーンシート19間の導通を形成するための貫通孔(図示せず)をプレス金型やNCマシーン等を使用して機械的打ち抜き加工により穿設する。そして、この貫通孔には、Ag系等のペースト状の導体金属をスクリーン印刷で充填してビアホールを形成する。また、各セラミックグリーンシート19の表面には、Ag系等のペースト状の導体金属を用いてスクリーン印刷して導体配線パターン(図示せず)を形成する。複数枚のセラミックグリーンシート19を積層して形成される積層体20(図4(C)参照)の一方の主面側となる面には、実装用基板13に表面実装するための外部接続端子用パターン21を前記の導体配線パターン形成時に併せて導体金属で設けている。
【0018】
次に、図4(B)に示すように、複数枚のセラミックグリーンシート19は、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19の外部接続端子用パターン21の面が最表面になるようにして位置合わせしながら重ね合わせている。そしてこの重ね合わされた複数枚のセラミックグリーンシート19は、例えば、深さが50〜500μm程度ある凹凸形状面を有する剛性板22と平面形状を有する剛性平板23からなるプレス型の剛性板22の凹凸形状面上に、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19が当接するようにして載置する。
【0019】
次に、図4(C)に示すように、剛性板22と剛性平板23の間に載置され重ね合わされた複数枚のセラミックグリーンシート19には、セラミックグリーンシート19を剛性板22の凹凸形状面で押圧するエンボス加工によって、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15を形成している。そして、この段差15を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシート19は、例えば、100℃程度で加熱しながら、例えば、980N程度で加圧して積層体20を形成している。なお、エンボス加工に用いた剛性板22の凹凸形状面の断面が垂直に形成されているので、段差15の側面部16が実質的に垂直に形成されている。
【0020】
次に、図4(D)に示すように、積層体20は、セラミックグリーンシート19と導体金属を900〜1100℃で同時焼成されて、セラミック配線基板10を作製している。このセラミック配線基板10は、段差15に外部接続端子11を容易に形成できるので、実装用基板13の実装占有面積を大きくしないセラミック配線基板10を安価に作製することができる。セラミック配線基板10の実装用基板13への実装は、通常、半田ペーストを実装用基板13の接合用パッド12にスクリーン印刷し、位置合わせしてその上にセラミック配線基板10を載置し、リフロー炉を通過させることで行われている。セラミック配線基板10と実装用基板13の接合に用いられる半田は、リフロー中に溶融し、実装用基板13の接合用パッド12と対向する段差15の上部にまで濡れ広がるので、良好なメニスカス形状を作製することができる。
【0021】
ここで、図5に示すように、セラミックグリーンシート19を押圧するエンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15を形成するためのプレス型には、剛性板22aが断面視して壁面が垂直形状からなる垂直貫通孔24を有する平面形状の第1剛性平板25と、平面板からなる第2剛性平板26が重ね合わされて構成されているものがよい。これにより、プレス型を安価に作製することができ、セラミック配線基板10、10a、10bを安価に作製することができる。
【0022】
次いで、本発明の一実施の形態に係る変形例のセラミック配線基板10cの製造方法を説明する。
セラミック配線基板10cの製造方法は、外部接続端子11用の段差15が垂直の側面部16からなるセラミック配線基板10、10a、10bの製造方法と実質的には同じであるが、段差15の形状に違いがあるので、段差15を形成するためのプレス型の形状が異なっている。図6(A)に示すように、エンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、外部接続端子11用の傾斜からなる段差15aを形成するためのプレス型の凹凸形状面を有する剛性板22bは、凹凸形状面の断面がテーパ状の傾斜に形成されている。この剛性板22bは、平板からなる剛性平板23とによるエンボス加工を行うことで、傾斜からなる段差15aを容易に作製することができる。
【0023】
また、図6(B)に示すように、エンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15aを形成するためのプレス型には、剛性板22cが断面視して壁面がテーパ形状からなる傾斜貫通孔27を有する平面形状の第1剛性平板25aと、平面板からなる第2剛性平板26が重ね合わされて構成されているものがよい。これにより、プレス型を安価に作製することができ、セラミック配線基板10cを安価に作製することができる。
【0024】
なお、前述したセラミック配線基板を作製するためのセラミックには、低温焼成セラミックを用いることで説明したが、Al2O3等の高温焼成セラミックを用いることもできる。そして、この場合の導体金属には、タングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いることができる。
また、エンボス加工で形成される段差の形状は、曲線等であってもよく、段差の形状を限定するものではない。
更に、セラミック配線基板は、セラミックグリーンシートに多数個のセラミック配線基板を作製し、焼成前、又は、焼成後に個片に切断して形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項2記載のセラミック配線基板は、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差を有し、しかも、少なくとも段差の側面部を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子を有するので、側面で実装用基板に接合することがなく、少なくとも段差の側面部で実装用基板に接合することができ、実装用基板上の占有面積を小さくできる。また、接合部では、接合角度の小さい良好なメニスカスを形成でき、熱応力の集中を緩和できる。また、接合部は、外部から観察でき、目視検査を行うことができる。更に、セラミック配線基板の金属ボールの取り付けや、実装用基板の孔開け加工を必要とせず、セラミック配線基板や、これを使用する装置を安価にすることができる。
【0026】
特に、請求項2記載のセラミック配線基板は、段差の側面部が断面視して実質的に垂直又は傾斜からなる形状を有するので、接合部分が段差であり、外部から容易に観察でき、目視検査を容易に行うことができる。特に、段差の側面部が傾斜からなる形状の場合には、セラミックのクラックの発生を防止したり、熱応力を低下させることができる。
【0027】
請求項3及びこれに従属する請求項4記載のセラミック配線基板の製造方法は、一方の主面側となるセラミックグリーンシートにペースト状の導体金属を印刷して外部接続端子用のパターンを形成する工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートの外部接続端子用のパターン面を最表面にして複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせる工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹凸形状面を有する剛性板の凹凸形状面を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートの他方の主面側となるセラミックグリーンシートに平面形状からなる剛性平板を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートを押圧するエンボス加工で、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹みからなる外部接続端子用の段差を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシートを加熱しながら加圧して積層体を形成する工程を有するので、段差にセラミックグリーンシートの表面に外部接続端子用のパターンを印刷して形成し、エンボス加工で押圧するだけで垂直や、傾斜をもたせて導体金属が形成でき、しかも、エンボス加工と同時に積層体を作製でき、段差に導体金属からなる外部接続端子を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0028】
特に、請求項4記載のセラミック配線基板の製造方法は、エンボス加工に用いられる剛性板が断面視する壁面が垂直形状、又はテーパ形状からなる貫通孔を有する平面形状の第1剛性平板と、平面板からなる第2剛性平板を重ね合わせて形成されているので、段差を形成するための加工型を2枚の剛性平板を重ね合わせるだけで安価に準備でき、段差を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同セラミック配線基板の変形例のセラミック配線基板の説明図である。
【図3】同変形例のセラミック配線基板の説明図である。
【図4】(A)〜(D)はそれぞれ同セラミック配線基板の製造方法の説明図である。
【図5】同セラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ同変形例のセラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【図7】従来のセラミック配線基板の説明図である。
【図8】従来のセラミック配線基板の説明図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c:セラミック配線基板、11:外部接続端子、12:接合用パッド、13:実装用基板、14:接合材、15、15a:段差、16、16a:側面部、17:水平部、18:平面部、19:セラミックグリーンシート、20:積層体、21:外部接続端子用パターン、22、22a、22b、22c:剛性板、23:剛性平板、24:垂直貫通孔、25、25a:第1剛性平板:26:第2剛性平板、27:傾斜貫通孔
【発明が属する技術分野】
本発明は、セラミック製の受動部品、回路基板、あるいは半導体素子収納用パッケージ等の表面実装タイプの外部接続端子を有するセラミック配線基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、誘電体基材に導体配線を形成し、複数枚を積層し焼成して形成するセラミック配線基板は、受動部品、回路基板、あるいは半導体素子収納用パッケージ等として盛んに用いられている。これらのセラミック配線基板には、樹脂板や、セラミック板等からなる実装用基板に半田等で表面実装するものがあり、接続のための外部接続端子を有している。
【0003】
従来の表面実装タイプのセラミック配線基板には、セラミック配線基板を実装用基板に接合する時の外部接続端子の構造に、大別して2種類のものがある。
図7に示すように、2種類の内の1つのセラミック配線基板50は、基体51の側面に導体金属からなる外部電極となる外部接続端子52を有している。そして、セラミック配線基板50は、外部接続端子52で、実装用基板53に設けられた接合用パッド54と半田等の接合材55を介して接合される。この接合における接合材55は、接合量を適切量とすることによって、外部接続端子52との接合角度θ1、及び接合用パッド54との接合角度θ2を小さくする適切なメニスカス56を形成することができるので、熱応力の集中する接合先端部の接合量を少なくできて熱応力の集中を防ぎ、クラック等の発生を防止することができる。また、外部接続端子52は、基体51の側面に形成されているので、実装不良等を目視によって検査することができる。
【0004】
図8(A)に示すように、2種類の内の他の1つのセラミック配線基板50aは、基体51の底面に導体金属からなる外部電極となる外部接続端子52aを有している。このセラミック配線基板50aは、外部接続端子52a形成のための導体金属を平面的に形成できるので、簡単な工程で形成することができる。また、セラミック配線基板50aは、実装用基板53に設けられた接合用パッド54が基体51の外側にはみ出さないので、実装用基板53上の占有面積を小さくすることができる。しかしながら、セラミック配線基板50aは、外部接続端子52aが基体51の底面に形成されので、実装後に目視検査をすることが困難である。また、セラミック配線基板50aは、外部接続端子52aと接合用パッド54の間の接合材55が短くなり、メニスカス形状を作ることができなくて、接合角度が大きくなり、熱応力を緩和させることが難しくなる。そこで、図8(B)に示すように、セラミック配線基板50bには、外部接続端子52aに予め金属ボール57を高温半田等で接合させた後に、接合用パッド54と接合材55で接合する構造のものが用いられている。このセラミック配線基板50bは、接合部分の側面からの目視検査を可能としていると同時に、熱応力を緩和させることができるメニスカス形状を実現させている。
【0005】
セラミック配線基板には、実装用基板への実装面側に突起状の段差部が設けられ、実装用基板にはセラミック配線基板の段差部が嵌合する貫通孔が設けられている。段差部は貫通孔に嵌合された後に接着剤で貫通孔の側壁面に接着固定されることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、セラミック配線基板には、実装時に、セラミック配線基板の段差部が実装用基板に設けられた孔に埋め込まれ、段差部の突出寸法部を実装用基板の孔の深さ寸法部で吸収させることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−214831号公報
【特許文献2】
特開平5−327021号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のセラミック焼成体及びその製造方法は、次のような問題がある。
(1)基体の側面に外部接続端子を有するセラミック配線基板は、実装用基板の接合用パッドが外部接続端子の外側にはみ出して配置されるので、セラミック配線基板を実装する実装用基板上の占有面積が大きくなり、装置の小型化への対応を難しくしている。
(2)基体の側面に外部接続端子を有するセラミック配線基板は、基体の主面に垂直な方向に外部接続端子が形成されるので、複数枚のセラミックグリーンシートを積層して形成した積層体の側面に導体金属で外部接続端子を形成する必要があり、製造工程が複雑となっている。
(3)セラミック配線基板と実装用基板を金属ボールを介して接合するのは、個々の電極に金属ボールを配置しなければならず、セラミック配線基板のコストアップとなっている。
(4)セラミック配線基板の段差部を挿入するための貫通孔を有する実装用基板に、セラミック配線基板を接合するにおいては、セラミック配線基板の側面に設ける外部接続端子と実装用基板の接合用パッドが接合され、接合用パッドが外部接続端子の外側にはみ出して配置されるので、セラミック配線基板を実装する実装用基板上の占有面積が大きくなり、装置の小型化への対応を難しくしている。また、実装用基板には、貫通孔を穿設する必要があり、装置のコストアップとなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、実装面積を小さくでき、熱応力を緩和でき、目視検査を可能とする安価なセラミック配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係るセラミック配線基板は、一方の主面側にセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される導体金属からなる複数個の外部接続端子を有し、外部接続端子で実装用基板に表面実装することができるセラミック配線基板において、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差を有し、しかも、少なくとも段差の側面部を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子を有する。これにより、セラミック配線基板は、側面で実装用基板に接合することがなく、一方の主面側に設ける段差の少なくとも側面部で実装用基板に接合することができるので、実装用基板上の占有面積を小さくできる。また、接合部では、接合角度の小さい良好なメニスカスを形成できるので、熱応力の集中を緩和することができる。また、接合部は、外部から観察できるので、目視検査を行うことができる。更に、セラミック配線基板の金属ボールの取り付けや、実装用基板の孔開け加工を必要としないので、セラミック配線基板や、これを使用する装置を安価にすることができる。
【0009】
ここで、セラミック配線基板は、段差の側面部が断面視して実質的に垂直又は傾斜からなる形状を有するのがよい。これにより、接合部分が段差となっているので、接合部分が外部から容易に観察でき、目視検査を容易に行うことができる。特に、段差の側面部が傾斜からなる形状の場合には、セラミックのクラックの発生を防止したり、熱応力を低下させることができる。
【0010】
前記目的に沿う本発明に係るセラミック配線基板の製造方法は、複数枚のセラミックグリーンシートの積層体の一方の主面側に、実装用基板に表面実装するための外部接続端子を導体金属で設け、導体金属とセラミックグリーンシートを同時焼成して形成するセラミック配線基板の製造方法において、一方の主面側となるセラミックグリーンシートにペースト状の導体金属を印刷して外部接続端子用のパターンを形成する工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートの外部接続端子用のパターン面を最表面にして複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせる工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹凸形状面を有する剛性板の凹凸形状面を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートの他方の主面側となるセラミックグリーンシートに平面形状からなる剛性平板を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートを押圧するエンボス加工で、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹みからなる外部接続端子用の段差を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシートを加熱しながら加圧して積層体を形成する工程を有する。これにより、段差には、セラミックグリーンシートの表面に外部接続端子用のパターンを印刷して形成し、エンボス加工で押圧するだけで垂直や、傾斜をもたせて導体金属が形成でき、しかも、エンボス加工と同時に積層体を作製できるので、段差に導体金属からなる外部接続端子を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0011】
ここで、セラミック配線基板の製造方法は、エンボス加工に用いられる剛性板が断面視する壁面が垂直形状、又はテーパ形状からなる貫通孔を有する平面形状の第1剛性平板と、平面板からなる第2剛性平板を重ね合わせて形成されているのがよい。これにより、段差を形成するための加工型は、2枚の剛性平板を重ね合わせるだけで安価に準備できるので、垂直や傾斜形状からなる段差を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板の説明図、図2(A)、(B)はそれぞれ同セラミック配線基板の変形例のセラミック配線基板の説明図、図3は同変形例のセラミック配線基板の説明図、図4(A)〜(D)はそれぞれ同セラミック配線基板の製造方法の説明図、図5は同セラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図、図6(A)、(B)はそれぞれ同変形例のセラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10は、一方の主面側に、セラミックの一例である低温焼成セラミックのセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される、例えば、Ag系の導体金属からなる複数個の外部接続端子11を有している。そして、セラミック配線基板10は、樹脂基材やセラミック基材等に接合用パッド12を形成した実装用基板13の接合用パッド12に、外部接続端子11を半田等の接合材14を介して接合することで実装用基板13に表面実装を行うことができる。このセラミック配線基板10の一方の主面側に設けられる外部接続端子11は、セラミック配線基板10の外周縁より内側部にかけて設けられている段差15の、少なくともこの段差15の側面部16に導体金属で被覆して設けられている。このセラミック配線基板10は、実装用基板13の接合用パッド12との接合部がセラミック配線基板10の外周より大きくならないので、実装用基板13上の実装占有面積が大きくならない。また、セラミック配線基板10の段差15と、実装用基板13の接合用パッド12には、接合材14が接合角度の小さい良好なメニスカス形状を形成できるので、熱応力が発生しにくい形状を形成している。
【0014】
ここで、図2(A)、(B)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10の変形例のセラミック配線基板10a、10b、及び、図3を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る変形例のセラミック配線基板10cを説明する。
図2(A)に示すように、セラミック配線基板10aは、一方の主面側に設けられる外部接続端子11がセラミック配線基板10aの外周縁より内側部にかけて設けられている段差15の断面視して実質的に垂直形状からなる側面部16と、段差15の水平部17の一部に導体金属で被覆して設けられている。
また、図2(B)に示すように、セラミック配線基板10bは、外部接続端子11が段差15の断面視して実質的に垂直形状からなる側面部16、段差15の水平部17の一部、及び一方の主面側の底面である平面部18の一部に、導体金属で被覆して設けられている。
更に、図3に示すように、変形例のセラミック配線基板10cは、段差15aの側面部16aが断面視して傾斜形状からなり、少なくともこの側面部16aに外部接続端子11が導体金属で被覆して設けられている。
【0015】
これらのセラミック配線基板10a、10b、10cの外部接続端子11は、実装用基板13の接合用パッド12との接合部がセラミック配線基板10a、10b、10cの外周より大きくならないので、実装用基板13上の実装占有面積が大きくならない。また、段差15、15aと、接合用パッド12には、半田等からなる接合材14が接合角度の小さい良好なメニスカス形状を形成できるので、熱応力が発生しにくい形状を形成している。特に、傾斜のある側面部16aを有するセラミック配線基板10cは、セラミックの焼成後のクラックの発生防止や、基板の熱応力低下のためには、むしろ垂直の側面部16を有するセラミック配線基板10、10a、10bより好ましい。
【0016】
次いで、図4(A)〜(D)を参照しながら、本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板10、及び、セラミック配線基板10の変形例のセラミック配線基板10a、10b(以下、代表して10と記す)の製造方法を説明する。
先ず、セラミック配線基板10を形成するためのセラミックグリーンシート19は、例えば、800〜1100℃の低温の焼成温度で焼結可能な、CaO−Al2O3−SiO2−B2O3系ガラスを、例えば、50〜65重量%(好ましくは、60重量%)と、Al2O3を、例えば、50〜35重量%(好ましくは、40重量%)からなるセラミック粉末に、バインダー、溶剤、及び可塑剤を添加して混合し、ドクターブレード法等で所望の厚みのシート状にし、所望の大きさの矩形状に切断して形成する。
【0017】
次に、図4(A)に示すように、複数枚の各セラミックグリーンシート19には、セラミックグリーンシート19間の導通を形成するための貫通孔(図示せず)をプレス金型やNCマシーン等を使用して機械的打ち抜き加工により穿設する。そして、この貫通孔には、Ag系等のペースト状の導体金属をスクリーン印刷で充填してビアホールを形成する。また、各セラミックグリーンシート19の表面には、Ag系等のペースト状の導体金属を用いてスクリーン印刷して導体配線パターン(図示せず)を形成する。複数枚のセラミックグリーンシート19を積層して形成される積層体20(図4(C)参照)の一方の主面側となる面には、実装用基板13に表面実装するための外部接続端子用パターン21を前記の導体配線パターン形成時に併せて導体金属で設けている。
【0018】
次に、図4(B)に示すように、複数枚のセラミックグリーンシート19は、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19の外部接続端子用パターン21の面が最表面になるようにして位置合わせしながら重ね合わせている。そしてこの重ね合わされた複数枚のセラミックグリーンシート19は、例えば、深さが50〜500μm程度ある凹凸形状面を有する剛性板22と平面形状を有する剛性平板23からなるプレス型の剛性板22の凹凸形状面上に、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19が当接するようにして載置する。
【0019】
次に、図4(C)に示すように、剛性板22と剛性平板23の間に載置され重ね合わされた複数枚のセラミックグリーンシート19には、セラミックグリーンシート19を剛性板22の凹凸形状面で押圧するエンボス加工によって、一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15を形成している。そして、この段差15を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシート19は、例えば、100℃程度で加熱しながら、例えば、980N程度で加圧して積層体20を形成している。なお、エンボス加工に用いた剛性板22の凹凸形状面の断面が垂直に形成されているので、段差15の側面部16が実質的に垂直に形成されている。
【0020】
次に、図4(D)に示すように、積層体20は、セラミックグリーンシート19と導体金属を900〜1100℃で同時焼成されて、セラミック配線基板10を作製している。このセラミック配線基板10は、段差15に外部接続端子11を容易に形成できるので、実装用基板13の実装占有面積を大きくしないセラミック配線基板10を安価に作製することができる。セラミック配線基板10の実装用基板13への実装は、通常、半田ペーストを実装用基板13の接合用パッド12にスクリーン印刷し、位置合わせしてその上にセラミック配線基板10を載置し、リフロー炉を通過させることで行われている。セラミック配線基板10と実装用基板13の接合に用いられる半田は、リフロー中に溶融し、実装用基板13の接合用パッド12と対向する段差15の上部にまで濡れ広がるので、良好なメニスカス形状を作製することができる。
【0021】
ここで、図5に示すように、セラミックグリーンシート19を押圧するエンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15を形成するためのプレス型には、剛性板22aが断面視して壁面が垂直形状からなる垂直貫通孔24を有する平面形状の第1剛性平板25と、平面板からなる第2剛性平板26が重ね合わされて構成されているものがよい。これにより、プレス型を安価に作製することができ、セラミック配線基板10、10a、10bを安価に作製することができる。
【0022】
次いで、本発明の一実施の形態に係る変形例のセラミック配線基板10cの製造方法を説明する。
セラミック配線基板10cの製造方法は、外部接続端子11用の段差15が垂直の側面部16からなるセラミック配線基板10、10a、10bの製造方法と実質的には同じであるが、段差15の形状に違いがあるので、段差15を形成するためのプレス型の形状が異なっている。図6(A)に示すように、エンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、外部接続端子11用の傾斜からなる段差15aを形成するためのプレス型の凹凸形状面を有する剛性板22bは、凹凸形状面の断面がテーパ状の傾斜に形成されている。この剛性板22bは、平板からなる剛性平板23とによるエンボス加工を行うことで、傾斜からなる段差15aを容易に作製することができる。
【0023】
また、図6(B)に示すように、エンボス加工で一方の主面側となるセラミックグリーンシート19に、凹みからなる外部接続端子11用の段差15aを形成するためのプレス型には、剛性板22cが断面視して壁面がテーパ形状からなる傾斜貫通孔27を有する平面形状の第1剛性平板25aと、平面板からなる第2剛性平板26が重ね合わされて構成されているものがよい。これにより、プレス型を安価に作製することができ、セラミック配線基板10cを安価に作製することができる。
【0024】
なお、前述したセラミック配線基板を作製するためのセラミックには、低温焼成セラミックを用いることで説明したが、Al2O3等の高温焼成セラミックを用いることもできる。そして、この場合の導体金属には、タングステンや、モリブデン等の高融点金属を用いることができる。
また、エンボス加工で形成される段差の形状は、曲線等であってもよく、段差の形状を限定するものではない。
更に、セラミック配線基板は、セラミックグリーンシートに多数個のセラミック配線基板を作製し、焼成前、又は、焼成後に個片に切断して形成することもできる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項2記載のセラミック配線基板は、一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差を有し、しかも、少なくとも段差の側面部を導体金属で被覆するそれぞれの外部接続端子を有するので、側面で実装用基板に接合することがなく、少なくとも段差の側面部で実装用基板に接合することができ、実装用基板上の占有面積を小さくできる。また、接合部では、接合角度の小さい良好なメニスカスを形成でき、熱応力の集中を緩和できる。また、接合部は、外部から観察でき、目視検査を行うことができる。更に、セラミック配線基板の金属ボールの取り付けや、実装用基板の孔開け加工を必要とせず、セラミック配線基板や、これを使用する装置を安価にすることができる。
【0026】
特に、請求項2記載のセラミック配線基板は、段差の側面部が断面視して実質的に垂直又は傾斜からなる形状を有するので、接合部分が段差であり、外部から容易に観察でき、目視検査を容易に行うことができる。特に、段差の側面部が傾斜からなる形状の場合には、セラミックのクラックの発生を防止したり、熱応力を低下させることができる。
【0027】
請求項3及びこれに従属する請求項4記載のセラミック配線基板の製造方法は、一方の主面側となるセラミックグリーンシートにペースト状の導体金属を印刷して外部接続端子用のパターンを形成する工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートの外部接続端子用のパターン面を最表面にして複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせる工程と、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹凸形状面を有する剛性板の凹凸形状面を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートの他方の主面側となるセラミックグリーンシートに平面形状からなる剛性平板を当接し、複数枚のセラミックグリーンシートを押圧するエンボス加工で、一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹みからなる外部接続端子用の段差を形成すると共に、複数枚のセラミックグリーンシートを加熱しながら加圧して積層体を形成する工程を有するので、段差にセラミックグリーンシートの表面に外部接続端子用のパターンを印刷して形成し、エンボス加工で押圧するだけで垂直や、傾斜をもたせて導体金属が形成でき、しかも、エンボス加工と同時に積層体を作製でき、段差に導体金属からなる外部接続端子を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【0028】
特に、請求項4記載のセラミック配線基板の製造方法は、エンボス加工に用いられる剛性板が断面視する壁面が垂直形状、又はテーパ形状からなる貫通孔を有する平面形状の第1剛性平板と、平面板からなる第2剛性平板を重ね合わせて形成されているので、段差を形成するための加工型を2枚の剛性平板を重ね合わせるだけで安価に準備でき、段差を有するセラミック配線基板を安価に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るセラミック配線基板の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ同セラミック配線基板の変形例のセラミック配線基板の説明図である。
【図3】同変形例のセラミック配線基板の説明図である。
【図4】(A)〜(D)はそれぞれ同セラミック配線基板の製造方法の説明図である。
【図5】同セラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ同変形例のセラミック配線基板の製造方法で用いられるプレス型の説明図である。
【図7】従来のセラミック配線基板の説明図である。
【図8】従来のセラミック配線基板の説明図である。
【符号の説明】
10、10a、10b、10c:セラミック配線基板、11:外部接続端子、12:接合用パッド、13:実装用基板、14:接合材、15、15a:段差、16、16a:側面部、17:水平部、18:平面部、19:セラミックグリーンシート、20:積層体、21:外部接続端子用パターン、22、22a、22b、22c:剛性板、23:剛性平板、24:垂直貫通孔、25、25a:第1剛性平板:26:第2剛性平板、27:傾斜貫通孔
Claims (4)
- 一方の主面側にセラミックグリーンシートと同時焼成して形成される導体金属からなる複数個の外部接続端子を有し、該外部接続端子で実装用基板に表面実装することができるセラミック配線基板において、
前記一方の主面側に外周縁より内側部にかけて設けられる段差を有し、しかも、少なくとも該段差の側面部を前記導体金属で被覆するそれぞれの前記外部接続端子を有することを特徴とするセラミック配線基板。 - 請求項1記載のセラミック配線基板において、前記段差の側面部が断面視して実質的に垂直又は傾斜からなる形状を有することを特徴とするセラミック配線基板。
- 複数枚のセラミックグリーンシートの積層体の一方の主面側に、実装用基板に表面実装するための外部接続端子を導体金属で設け、該導体金属と前記セラミックグリーンシートを同時焼成して形成するセラミック配線基板の製造方法において、
前記一方の主面側となるセラミックグリーンシートにペースト状の前記導体金属を印刷して前記外部接続端子用のパターンを形成する工程と、
前記一方の主面側となるセラミックグリーンシートの前記外部接続端子用のパターン面を最表面にして前記複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせる工程と、
前記一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹凸形状面を有する剛性板の該凹凸形状面を当接し、前記複数枚のセラミックグリーンシートの他方の主面側となるセラミックグリーンシートに平面形状からなる剛性平板を当接し、前記複数枚のセラミックグリーンシートを押圧するエンボス加工で、前記一方の主面側となるセラミックグリーンシートに凹みからなる前記外部接続端子用の段差を形成すると共に、前記複数枚のセラミックグリーンシートを加熱しながら加圧して前記積層体を形成する工程を有することを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。 - 請求項3記載のセラミック配線基板の製造方法において、前記エンボス加工に用いられる前記剛性板が断面視する壁面が垂直形状、又はテーパ形状からなる貫通孔を有する平面形状の第1剛性平板と、平面板からなる第2剛性平板を重ね合わせて形成されていることを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |