JP2005030022A - 化粧シート貼り不燃化粧板 - Google Patents

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JP2005030022A JP2003194807A JP2003194807A JP2005030022A JP 2005030022 A JP2005030022 A JP 2005030022A JP 2003194807 A JP2003194807 A JP 2003194807A JP 2003194807 A JP2003194807 A JP 2003194807A JP 2005030022 A JP2005030022 A JP 2005030022A
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浩司 長岡
Kazuhiro Takahashi
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Abstract

【課題】無機基板に、樹脂基材シートからなる化粧シートを貼り合せた化粧板でも、建築基準法が定める不燃材としての認定基準を満たせる様にする。
【解決手段】無機基板1の表面に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの何れか1成分又はこれらから選んだ2成分以上を主成分としてなる無機シーラー層2、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層3、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シート3をこの順に積層し、無機基板の裏面には必要に応じて、表側の無機シーラー層2と同様の無機シーラ層5を積層した構成とする。好ましくは、総有機量を200g/m以下とする。処理層を表裏で別組成とし且つ表裏の処理層と接着剤層に特定材料を用いることで、これらの有機質層の機能を維持しつつ薄くして総有機量を減らせ、不燃材とすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商業施設内装材、住宅内装材、天井材、リフォーム材、間仕切り壁等にて、不燃材料として使用可能な、樹脂製化粧シートを貼り付けた化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧板を不燃性のものとする場合、先ず化粧板の基板として、無機材料で不燃性のケイ酸カルシウム板等の無機基板を用いて、その表面に加飾を施したものとする。加飾を施すには、例えば、基板面に目止めや平滑化等を目的としたシーラー層を表面処理層として設けた後、これに絵柄等を直接印刷或いは転写印刷した構成(特許文献1参照)としても良いが、直接印刷等の代わりに、樹脂シートに予め絵柄等を印刷した化粧シートを積層した構成(特許文献2、特許文献3参照)とする方が、積層面の平滑性に多少難があっても加飾が容易であり、また、意匠性や表面物性等の点でも優れた化粧板にできる。
【0003】
【特許文献1】
特許第2959045号公報
【特許文献2】
特開平5−222819号公報
【特許文献3】
特許第3411334号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基板に無機基板を用いたとしても、表面に樹脂基材シートからなる化粧シートを積層すれば、化粧シートは有機質である為に難燃性が不足する上、燃焼時の発熱量が多くなる。従って、建築基準法の規定(第2条第1項第9号)による不燃材としての認定は取得し難い。しかも、化粧シートを無機基板に貼り付けるときのシーラー層や接着剤層も有機質であり、これら層は目止めや接着力等の機能維持の点から結構厚く塗布形成されるので、これらの層の点でも燃焼時の発熱量が多くなってしまう。
【0005】
ところで、上記法定の不燃材としての認定に必要な不燃基準を満たす為には、総有機量は200g/m以下が必要である。従って、不燃基準を満たすには、化粧シートはなるべく薄く、また有機質のシーラー層や接着剤層等もなるべく薄くすれば良いことになる。しかし、化粧シート自体の耐久性やその加工適性の確保、化粧シートと無機基板との接着性確保のため、化粧シートと接着剤層だけでもも180g/m必要である。即ち、化粧シートは、通常100〜150g/m(最大150g/m)、接着剤は通常20〜30g/m(最大30g/m)各々必要であり、両者で計120〜180g/m(最大180g/m)必要である。この有機量を設計の前提とすると、化粧シート及び接着剤が通常使用範囲の最大値をとった場合にも対応可とする為には、表面処理層及び裏面処理層に配分可能な有機量は、計20g/m以下とする必要が有る。しかし、これでは、従来のゴム系やイソシアネート系のシーラー層では、接着性能が不十分となってしまうという問題があった。
【0006】
すなわち、本発明の課題は、無機基板に、樹脂基材シートからなる化粧シートを貼り合せた化粧板でも、建築基準法が定める不燃材としての基準を満たした不燃化粧板とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の化粧シート貼り不燃化粧板は、無機基板の少なくとも表面側に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの何れか1成分又はこれらから選んだ2成分以上を主成分として成る無機シーラー層が積層され、更に該表面側の無機シーラー層上に、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シートがこの順に積層されてなる構成とした。
また、好ましくは、総有機量が200g/m以下であるものとする。
【0008】
この様な構成とすることで、樹脂基材シートからなる化粧シートが貼り付けられた化粧板でも、シーラー層として特定材料からなる無機成分主体の無機シーラー層を採用し、且つ接着剤層にも特定材料を採用してあるので、シーラー層を有機質から無機質に変えても、シーラー層としての機能(目止め、平滑化、易接着性、アルカリ滲出防止、防水等)、及び、接着剤層の接着機能を確保できる。その結果、化粧シートも含めた総有機量を減らせ、不燃基準を満たした不燃化粧板とすることができる。また、より好ましくは、確実に不燃基準を満たす為に、その総有機量は200g/m以下とした構成とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
〔概要〕
先ず、図1は本発明による化粧シート貼り不燃化粧板の形態例を例示する断面図である。
図1(A)に例示する化粧シート貼り不燃化粧板10は、無機基板1の表面側に、特定材料かなる無機成分主体の無機シーラー層2、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層3、樹脂基材シートが加飾されてなる化粧シート4が、この順に積層された構成である。
【0011】
また、図1(B)に例示する化粧シート貼り不燃化粧板10は、図1(A)の構成に対して、更に、無機基板1の裏面側にも、表面側と同じ様に特定材料かなる無機成分主体の無機シーラー層5を積層した構成である。裏面側にも無機シーラー層を設けることで、無機基板裏面に対しても、表面側と同様に易接着性、アルカリ滲出防止、防水等の機能を付与できる。
【0012】
以上の様な構成とすることで、樹脂基材シートの化粧シートを貼り付けたものでも、総有機量を、不燃材に適した200g/m以下に容易に出来る。その結果、法定の不燃材としての認定に必要な不燃基準〔燃焼時間1200s以下、発熱量8MJ以下、最大発熱速度200kW/m以下(但し、数値が200以上でも超過時間が10秒以下であれば可)、外観変化としては試験体に龜裂を生じ無いこと〕の達成が可能となる。なお、上記総有機量は、無機基板が有機質を含有する場合、その有機質分は含めない(含めなくても良い)。
【0013】
〔無機基板〕
無機基板1としては、用途に応じた公知のものを使用すれば良い。例えば、無機基板としては、例えば、ケイ酸カルシウム、石綿スレート、ダイライト、パスコボード、セメント、石膏、陶磁器、硝子、金属等の板が挙げられる。なお、無機基板は無機材料を主体とするものだが、有機材料を含有する場合は、なるべく少ない方が不燃の点で好ましい。
【0014】
また、目止め・平滑化等を目的とした無機シーラー層を設けるにしても、化粧シートの貼り付けに必要な表面の平滑性を出す為に、例えば、ケイ酸カルシウム板の様な場合には、#180〜#300程度の研磨紙で研磨して表面を機械的に平滑化したものを使うのも良い。
【0015】
〔無機シーラー層〕
無機シーラー層2は、無機成分を主体とするシーラ層であり、本発明では、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの何れか1成分又はこれらから選んだ2成分以上を主成分とする層として形成する。
この様な無機成分主体のシーラー層を採用し、なお且つその上の接着剤層にアクリル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の特定樹脂材料を採用した組合せとする事で、シーラー層としての目止めや平滑化等の諸機能と共に、化粧シートと無機基板との密着性も確保し、なお且つ法定の不燃基準を満たせる様になる。
なお、無機シーラー層の厚みは、上限は無機質層であるので不燃性能の点では特に制限は無いが、下限は、シーラー層としての目止め機能等の観点から、好ましく5g/m以上するのが良い。例えば、5〜15g/mとすると良い。
【0016】
上記の如き無機シーラー層を、形成するには、例えば次の様にすると良い。
酸化ケイ素成分は、オルガノアルコキシシラン、第4級アンモニウム珪酸塩、又はアミンシリケートを用い、酸化ジルコニウム成分としては、オルガノアルコキシジルコニウムを用い、酸化アルミニウムとしては、コロイド状或いは微粒子状アルミナを用いた、塗料を塗布し形成すると良い。なお、複数種の成分を用いる場合には、それらを塗料状態で混合し使用すれば良い。また、塗料は、水、及び/又は親水性有機溶剤にて粘度等の塗布適性を適宜調整することができる
【0017】
また、上記塗料には、必要に応じて、最終的な塗膜形成後の全固形分の50質量%未満であれば、有機質分として、例えば樹脂成分を接着剤層との接着性向上剤等として添加しても良い。該樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルブチラール等を用いることができる。
また、上記塗料中には、必要に応じて、炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリナイト、アルミナ、ゼオライト等の粒径0.1〜50μmの無機粒子、顔料等の着色剤を添加しても良い。
【0018】
裏面のシーラー層5には、化粧シート貼付の為の平滑化を目的とした目止め機能は必要ないが、アルカリ滲出防止、防水等が望まれる場合に設ける。また、裏面のシーラー層には、化粧シート貼り不燃化粧板を壁面等に接着剤で接着施工する際の接着性が要求され、接着後、経時での寒熱繰返し等による剥離、特に無機基板の材料破壊等を防ぐ性能が要求される。これらの点で、裏面のシーラー層には、化粧板施工時の接着剤に対する接着補強効果が要求される。そこで、この接着補強効果の点で、無機基板の多孔質による微凹凸を残せて、該微凹凸による接着のアンカー効果が得られる様に設ける事が好ましい。或いはまた、裏面のシーラー層には、無機基板の材料破壊を防ぐ性能の点で、その塗料は無機基板の多孔質内に含浸させて無機基板を補強するのが好ましい。
以上の様な観点から、裏面のシーラー層は、その厚みは、どちらかと言うと、表面側よりも薄くすることができる。例えば、裏面の無機又は有機のシーラー層は、例えば厚さ10g/m以下等とすることもできる。
【0019】
〔接着剤層〕
接着剤層3には、アクリル樹脂、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる。接着剤層の形成に用いる接着剤の形態は、特に限定はなく、例えば、粘着剤型、熱融着型、溶剤乾燥型、2液硬化型、エマルション型等と、いずれでも良い。例えば、アクリル樹脂の場合では、これらいずれの形態もあり、また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の場合では、通常、エマルション型が多い。
接着剤層の樹脂に、アクリル樹脂、或いは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体という特定樹脂材料を用いることで、無機シーラー層と化粧シートとを密着良く積層できる。また、上述の如き無機シーラー層との組合せによって、従来の有機系のシーラー層の場合に比べて、同等又はそれ以上の密着性を得ることもできる。なお、接着剤層の厚みは、20〜50μm程度であり、特に化粧シート裏面に粘着剤として接着剤層を設けて、粘着化粧シート貼りとする場合は、施工時及び施工後の密着力確保の点で30〜50μm程度とすると良い。
【0020】
なお、接着剤層の形成法は特に限定されるものではなく、例えば、予め化粧シート側に設けたものとして形成しても良いし、無機基板側と化粧シート側の両方に設けたものとして形成しても良い。具体的には例えば、粘着剤型の接着剤層を化粧シート裏面に設けておき、化粧シートを粘着シートとして、表面処理層形成済みの無機基板に粘着力で貼り付ける場合等である。また、熱融着型の接着剤層でも、化粧シート裏面に設けておき加熱ローラで貼り付けることもできる。なかでも、粘着型の接着剤層は貼り付け時は加熱も不要で、少なくとも貼り付け段階では溶剤の蒸発も無く、作業性、作業環境等の点で優れている。また、エマルション型とすれば、接着剤層の塗膜形成時の有機溶剤揮発等の問題も防げける。
【0021】
なお、無機基板の裏面にも、シーラー層を設ける場合、好ましく表面側と同様に無機成分主体の無機シーラー層を設けるのが不燃性能の点で良い。但し、表面側が無機シーラー層であるので、その分、総有機量的には余裕がでてくるので、例えば化粧板と被着体との密着性等、要求物性に応じて、有機シーラー層を設けても良い。なお、有機シーラー層としては、一液硬化型イソシアネート系樹脂等の従来公知のもの、或いはエポキシ系樹脂等を使用すれば良い。但し、総有機量をより少なくしより高度な不燃性能を確保する点では、表面側と同様に無機シーラー層とするのが好ましい事には変わりない。
【0022】
〔化粧シート〕
化粧シート4は、基材シートが樹脂製の樹脂基材シートに対して、加飾が施されているシートであり、従来公知の各種化粧シートを用途に応じて使用すれば良い。但し、樹脂基材シート等の有機量に関係する層は、化粧シート自体の耐久性やその他加工適性(印刷、貼り付け等)を確保しつつ、なるべく薄くした方が、不燃性能の点で好ましい。化粧シートの厚み(樹脂基材シートやその他インキ等からなる装飾層も含めた総厚)は、具体的には、接着剤層の有機質層で最低30μm程度は必要となるので、170μm以下、より確実に不燃材としての不燃基準を達成する為には、好ましくは150μm以下とするのが良い。
そして、この様な化粧シートを、接着剤層で無機基板にローラ加圧等の適宜手段で貼り付ければ、所望の化粧シート貼り不燃化粧板となる。
【0023】
なお、樹脂基材シートの樹脂、或いは、加飾の内容等は、従来公知のものを適宜採用すれば良い。但し、樹脂基材シートの樹脂として旧来から一般的な塩化ビニル樹脂は、燃焼時に塩化水素ガス等の有害ガスを発生するので、この様なハロゲン含有樹脂は、環境対応の点でなるべく使用しない方が好ましい。
【0024】
樹脂基材シートの樹脂として、塩化ビニル樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、或いは、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、完全非晶質ポリエステル等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂は、コスト、各種物性等の点で、好ましい樹脂の一つである。
なお、樹脂基材シートの厚みは、20〜170μm程度である。最大厚みは、総有機量も考慮して決めると良い。
【0025】
樹脂基材シート中には、必要に応じて公知の各種添加剤を添加する。該添加剤としては、例えば、着色処理の為の着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、体質顔料等が挙げられる。着色剤としては、前記インキの着色剤として列挙したものと同様のものが使用出来る。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化アンチモン、塩素化パラフィン、燐酸エステル等が挙げられる。特に総有機量を多めにする場合には、不燃性を維持する為、難燃剤の添加が好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の有機系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の微粒子から成る無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系、ピペリジン系等のラジカル補足剤が挙げられる。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト等の粒子が挙げられる。
【0026】
樹脂基材シートに対する加飾としては、化粧シートとして従来公知の各種加飾処理を、用途に応じて適宜採用すれば良い。例えば、樹脂基材シート中への着色剤の練り込みによる着色処理、樹脂基材シートへの印刷等による装飾層の形成、エンボス加工による凹凸模様の賦形、表面艶調整或いは表面保護も目的とする表面樹脂層の形成等であり、これら加飾処理は適宜組合わせる。
【0027】
なお、装飾層の形成は、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、転写印刷等の公知の印刷法で形成する。装飾層は樹脂基材シートの表面、裏面、表裏両面に設ける他、樹脂基材シートを多層構成とする場合は層間の場合もある。
装飾層の形成に用いるインキとしては、バインダーの樹脂に、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、着色剤には、例えば、チタン白、弁柄、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム粉、真鍮粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を用いる。
【0028】
なお、装飾層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ等である。また、装飾層としては、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜し金属薄膜層等も使用される。金属薄膜層は、部分的にパターン状に或いは全面に設ける。
【0029】
また、凹凸模様は、代表的にはエンボス加工により賦形するが、この他、ヘアライン加工等のその他の方法で賦形する場合もある。
【0030】
また、化粧シート最表面に設ける表面保護層としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、紫外線や電子線で硬化するアクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂による塗膜を塗工形成する。
【0031】
〔化粧シート貼り不燃化粧板の用途〕
本発明の化粧シート貼り不燃化粧板の用途は、特に制限は無いが、その特徴を活かせる点で、化粧シートによる高意匠と不燃性が要求される用途が特に好ましい。例えば、商業施設内装材(エレベータホール、会議室、VIPルーム、トイレ回り等)、住宅内装材、天井材、リフォーム材、間仕切り壁、或いは外壁板、破風板等の建築物外装材等が挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0033】
〔実施例1〕
図1(B)の様に、無機基板1の表裏に無機シーラー層2を設けた構成の化粧シート貼り不燃化粧板10を次の様にして作製した。
無機基板1として、厚み6mm(比重1.0)のケイ酸カルシウム板の表裏両面に、下記組成物からなる酸化ケイ素系のシーラー塗料Aを塗布し、加熱、乾燥、固化させて、表裏両面に各々、無機シーラー層2、5を形成した。なお、表側とする面は厚みが(乾燥時固形分基準、以下同様。)塗工量で8.8g/m、裏側とする面は2.2g/mであった。なお、この無機シーラー層の有機量は表側0.3g/m、裏側0.07g/mである。
【0034】
シーラー塗料A(酸化ケイ素系):
アミンシリケート(SiO濃度25%) 30質量部
アクリル樹脂エマルション(固形部50%) 5質量部
二酸化ケイ素(平均粒径3μm) 15質量部
カオリナイト(平均粒径5μm) 15質量部
チタン酸カリウムウィスカー(平均長15μm) 2質量部
二酸化チタン(平均粒径0.5μm) 25質量部
水 5.8質量部
エチレングリコール 2質量部
ノニオン系界面活性剤 0.5質量部
シリコーン系レベリング剤 0.5質量部
・上記各化合物を混合、攪拌した組成物
【0035】
一方、化粧シート4として、樹脂基材シートの樹脂にポリオレフィン系樹脂を用い、これに絵柄を表す装飾層を印刷形成したものを用意した。なお、この化粧シートの、樹脂基材シートは2層構成で、無機基板側は着色シートで、この着色シートに装飾層を印刷形成後、その表側に樹脂を溶融押出塗工して透明樹脂層としたものである。そして、更にこの樹脂基材シートの透明樹脂層上に、ウレタン系プライマー剤を施した後、アクリレート系電子線硬化型樹脂で表面保護層を形成したものを化粧シートとした。なお、この化粧シートの総厚は150μmであった。
そして、上記化粧シート4の裏側とする面に、アクリル樹脂からなるアクリル系粘着剤を塗布して厚さ40μmの接着剤層(粘着剤層)3を形成して、化粧シートを粘着化粧シートとしておいた。
【0036】
次に、この粘着化粧シートを、前記無機基板の表側とする無機シーラー層面上にローラで加圧して貼り付けて接着積層し、所望の化粧シート貼り不燃化粧板を得た。総有機量は192g/mであった。なお、上記化粧板の内容と評価結果を、表1にまとめて示した。
【0037】
〔実施例2〕
実施例1に於いて、無機シーラー層に用いた塗料を下記シーラー塗料Bに変え、また、接着剤層の樹脂と形態(粘着剤から熱融着型接着剤)を変え、化粧シートの貼り付け方法を変えた他は、実施例1と同様にして、所望の化粧シート貼り不燃化粧板を作製した。すなわち、無機基板に形成した表側の無機シーラー層面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のエマルション型接着剤を塗布して、厚さ45μmの接着剤層(粘着剤層)3を形成し、この接着剤層3面上に化粧シートを加熱ローラで加熱加圧しながら貼り付けて接着積層し、化粧シート貼り不燃化粧板を得た。総有機量は198g/mであった。なお、この無機シーラー層の有機量は表側4.3g/m、裏側1.1g/mである。
【0038】
シーラー塗料B(酸化ジルコニウム系):
メチルフェニル系シリコーンワニス 30質量部
テトラ−n−ブトキシジルコニウム 7質量部
二酸化チタン(平均粒径0.5μm) 15質量部
カオリナイト(平均粒径1μm) 10質量部
キシレン 28質量部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 8質量部
氷酢酸 2質量部
ノニオン系界面活性剤 0.5質量部
・上記各化合物を混合、攪拌した組成物
【0039】
〔実施例3〕
実施例1に於いて、無機シーラー層に用いた塗料を下記シーラー塗料Bに変えた他は、実施例1と同様にして、所望の化粧シート貼り不燃化粧板を作製した。総有機量は193g/mであった。なお、この無機シーラー層の有機量は表側1.1g/m、裏側0.3g/mである。
【0040】
シーラー塗料C(酸化アルミニウム系):
メチルトリメトキシシラン 23質量部
アミノ樹脂(ユリア・メラミン) 10質量部
水性コロイド状アルミナ(アルミナ20%、pH4.0) 25質量部
i−プロパノール 32質量部
ブチルカルビトール 10質量部
・上記各化合物を混合、攪拌した組成物
【0041】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、無機シーラー層の代わりに、合成ゴム系プライマー塗料を塗布して有機のシーラー層を、無機基板の表裏面の夫々に設けた他は、実施例1と同様にして、化粧シート貼り不燃化粧板として作製してみた。総有機量は340g/mであった。また、上記有機のシーラー層の塗工量は有機量で夫々、表側が100g/m裏側が50g/mとであった。
【0042】
〔比較例2〕
実施例2に於いて、無機シーラー層の代わりに、ウレタン系樹脂シーラー塗料を塗布して有機のシーラー層を、無機基板の表裏面の夫々に設け、且つ接着剤層の厚みを110μmと厚くした他は、実施例1と同様にして、化粧シート貼り不燃化粧板として作製してみた。総有機量は340g/mであった。また、上記有機のシーラー層の塗工量は有機量で夫々、表側が90g/m裏側が30g/mとであった。
【0043】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で作製した化粧シート貼り不燃化粧板について、建築基準法による不燃材の認定に必要な不燃基準〔燃焼時間1200s以下、発熱量8MJ以下、最大発熱速度200kW/m以下(但し、数値が200以上でも超過時間が10秒以下であれば可)、外観変化としては試験体に龜裂を生じ無いこと〕に対する合否と、化粧シートの無機基板に対する密着性を評価した。
【0044】
密着性は、剥離角度180度での剥離試験(引張速度300mm/min)で評価し、剥離強度が15N/25.4mm以上は優秀(◎)、10N/25.4mm以上は良好(◎)、5N/25.4mm以上はやや良好(△)、5N/25.4mm未満は不良(×)とした。なお、剥離強度は、無機基板上の(表面)処理層と接着剤層間で剥離時の強度である。
また、密着性は常温(23℃)での評価以外に、環境負荷をかけたものも評価した。環境負荷は、耐熱性(60℃、720時間)、耐水性(浸漬、720時間)、耐湿熱性(60℃95%RH、720時間)、耐光性(FOM、1000時間)、耐候性(SWOM、1000時間)を実施した。環境負荷時の密着性は、各環境負荷終了後2時間の常温乾燥を行って常温に戻した後に測定評価した。
【0045】
【表1】
Figure 2005030022
【0046】
性能は表1の如く、実施例1、2及び3では総有機量が200g/m以下で法定の不燃材として合格するものであったが、総有機量が200g/m超過の比較例1(340g/m)、及び比較例2(380g/m)は、不合格であった。
また、実施例1、2及び3では、化粧シートの密着性も優秀レベルで、しかも各種環境負荷後に於いても優秀レベルであった。しかし、比較例1は、各種環境負も含めて密着性は良好レベルに止まり、比較例2は、各種環境負も含めて密着性は優秀レベルであった。この結果、無機シーラー層を用いた各実施例は、密着性が従来と同等又はそれ以上の性能を出せることが分かった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の化粧シート貼り不燃化粧板によれば、樹脂基材シートからなる化粧シートが貼り付けられた化粧板でも、化粧シートも含めた総有機量を減らせ、法定の不燃材として合格し得る不燃化粧板となる。また、総有機量を200g/m以下とすれば、確実に不燃材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シート貼り不燃化粧板の形態例を例示する断面図。
【符号の説明】
1 無機基板
2 無機シーラー層
3 接着剤層
4 化粧シート
5 (裏面の)シーラー層
10 化粧シート貼り不燃化粧板

Claims (2)

  1. 無機基板の少なくとも表面側に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの何れか1成分又はこれらから選んだ2成分以上を主成分としてなる無機シーラー層が積層され、更に該表面側の無機シーラー層上に、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シートがこの順に積層されてなる、化粧シート貼り不燃化粧板。
  2. 総有機量が200g/m以下である、請求項1記載の化粧シート貼り不燃化粧板。
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