JP2005030021A - 化粧シート貼り不燃化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機基板に樹脂基材シートからなる化粧シートを貼り合せた化粧板でも、建築基準法が定める不燃材としての認定基準を満たせる様にする。
【解決手段】無機基板1の表面に、一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物からなる表面処理層2、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層3、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シート3をこの順に積層し、無機基板の裏面にはエポキシ系樹脂硬化物からなる裏面処理層5を積層した構成とする。エポキシ系樹脂は、好ましくはミネラルターペンの様な低揮発・遅乾型の石油系溶剤を使用する。また、好ましくは、総有機量を200g/m以下とする。処理層を表裏で別組成とし且つ表裏の処理層と接着剤層に特定材料を用いる事で、これらの有機質層の機能を維持しつつ薄くして総有機量を減らせ、不燃材とする事ができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商業施設内装材、住宅内装材、天井材、リフォーム材、間仕切り壁等にて、不燃材料として使用可能な、樹脂製化粧シートを貼り付けた化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧板を不燃性のものとする場合、先ず化粧板の基板として、無機材料で不燃性のケイ酸カルシウム板等の無機基板を用いて、その表面に加飾を施したものとする。加飾を施すには、例えば、基板面に目止めや平滑化等を目的としたシーラー層を表面処理層として設けた後、これに絵柄等を直接印刷或いは転写印刷した構成(特許文献1参照)としても良いが、直接印刷等の代わりに、樹脂シートに予め絵柄等を印刷した化粧シートを積層した構成(特許文献2、特許文献3参照)とする方が、積層面の平滑性に多少難があっても加飾が容易であり、また、意匠性や表面物性等の点でも優れた化粧板にできる。
【0003】
【特許文献1】
特許第2959045号公報
【特許文献2】
特開平5−222819号公報
【特許文献3】
特許第3411334号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基板に無機基板を用いたとしても、表面に樹脂基材シートからなる化粧シートを積層すれば、化粧シートは有機質である為に難燃性が不足する上、燃焼時の発熱量が多くなる。従って、建築基準法の規定(第2条第1項第9号)による不燃材としての認定は取得し難い。しかも、化粧シートを無機基板に貼り付けるときのシーラー層や接着剤層も有機質であり、これら層は目止めや接着力等の機能維持の点から結構厚く塗布形成されるので、これらの層の点でも燃焼時の発熱量が多くなってしまう。
【0005】
ところで、上記法定の不燃材としての認定に必要な不燃基準を満たす為には、総有機量は200g/m以下が必要である。従って、不燃基準を満たすには、化粧シートはなるべく薄く、また有機質のシーラー層や接着剤層等もなるべく薄くすれば良いことになる。しかし、上記の如く、薄くすると、シーラー層では目止め機能等が、接着剤層では接着機能等が維持できなくなってしまう。また、化粧シートでは、化粧シート自体の耐久性やその加工適性の確保等の点であまり薄くは出来ず、化粧シートは、通常100〜150g/m(最大150g/m)、接着剤は通常20〜30g/m(最大30g/m)各々必要であり、両者で計120〜180g/m(最大180g/m)必要である。この有機量を設計の前提とすると、化粧シート及び接着剤が通常使用範囲の最大値をとった場合にも対応可とする為には、表面処理層及び裏面処理層に配分可能な有機量は、計20g/m以下とする必要が有る。ところが、前記従来技術では、表面処理層及び裏面処理層は50〜200g/m必要であり、不燃基準を満たすことが困難となる。
【0006】
すなわち、本発明の課題は、無機基板に、樹脂基材シートからなる化粧シートを貼り合せた化粧板でも、建築基準法が定める不燃材としての基準を満たした不燃化粧板とすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の化粧シート貼り不燃化粧板は、無機基板の表面に、一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物からなる表面処理層、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シートが、この順に積層され、前記無機板の裏面には、エポキシ系樹脂硬化物からなる裏面処理層が積層されてなる構成とした。
【0008】
この様な構成とすることで、樹脂基材シートからなる化粧シートが貼り付けられた化粧板でも、表面処理層と裏面処理層として表裏で異なる特定材料を用いて、また表面処理層と化粧シート間の接着剤層にも特定材料を用いることで、表裏を同一組成とした場合に比べて、表裏各処理層のそれぞれの機能(表面は目止め、平滑化、易接着性、アルカリ滲出防止、防水等。裏面はアンカー効果等による易接着性、アルカリ滲出防止、防水等)、及び、接着剤層の接着機能を確保したまま、表裏の処理層の総厚を例えば塗工量で20g/m以下等と薄くできる。その結果、化粧シートも含めた総有機量を減らせ、不燃基準を満たした不燃化粧板とすることができる。
【0009】
また、本発明の化粧シート貼り不燃化粧板は、上記エポキシ系樹脂硬化物が、(A1)エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A2)エポキシ樹脂と酸無水基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A3)エポキシ樹脂と重合性不飽和モノマーをグラフト重合又は共重合させてなる変性エポキシ樹脂、から選ばれる少なくとも1種の変性エポキシ樹脂の硬化物である構成とした。
【0010】
この様な構成とすることで、エポキシ樹脂の溶剤に、石油系溶剤、例えばミネラルターペンの様な低揮発で遅乾型の石油系溶剤を採用でき、その結果、塗料を塗布後、硬化まで長時間にわたって低粘性液体状態に保ち、無機基板の内部の多孔質構造の中に十分、確実に塗料を浸透させることができる。この為、十分な防水、アルカリ滲出防止等の効果を得た上で、且つ無機基板表面の微凹凸を残して、化粧板を裏面で被着体に接着時に裏面のアンカー効果による接着力強化効果も得られる。
【0011】
また、上記各化粧シート貼り不燃化粧板において、より好ましくは、確実に不燃基準を満たす為に、その総有機量は200g/m以下とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
〔概要〕
先ず、図1は本発明による化粧シート貼り不燃化粧板の一形態を例示する断面図である。
図1に例示する化粧シート貼り不燃化粧板10は、無機基板1の表面側に、一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物からなる表面処理層2、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層3、樹脂基材シートが加飾されてなる化粧シート4が、この順に積層され、無機基板1の裏面側には、エポキシ系樹脂硬化物からなる裏面処理層5が積層された構成である。また、エポキシ系樹脂硬化物には好ましくは、ミネラルターペンの様な遅乾型の石油系溶剤を使用できる様に、(A1)エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A2)エポキシ樹脂と酸無水基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A3)エポキシ樹脂と重合性不飽和モノマーをグラフト重合又は共重合させてなる変性エポキシ樹脂、から選ばれる少なくとも1種の樹脂硬化物とする。
【0014】
この様な構成とすることで、樹脂基材シートの化粧シートを貼り付けたものでも、総有機量を、不燃材に適した200g/m以下に容易に出来る。その結果、法定の不燃材としての認定に必要な不燃基準〔燃焼時間1200s以下、発熱量8MJ以下、最大発熱速度200kW/m以下(但し、数値が200以上でも超過時間が10秒以下であれば可)、外観変化としては試験体に龜裂を生じ無いこと〕の達成が可能となる。なお、上記総有機量は、無機基板が有機質を含有する場合、その有機質分は含めない(含めなくても良い)。また、化粧板裏面に処理層を設けても、無機基板の微凹凸を残してアンカー効果による接着力増強効果も付与できる。
【0015】
〔無機基板〕
無機基板1としては、用途に応じた公知のものを使用すれば良い。例えば、無機基板としては、例えば、ケイ酸カルシウム、石綿スレート、ダイライト、パスコボード、セメント、石膏、陶磁器、硝子、金属等の板が挙げられる。なお、無機基板は無機材料を主体とするものだが、有機材料を含有する場合は、なるべく少ない方が不燃の点で好ましい。
【0016】
また、目止め・平滑化等を目的とした表面処理層を設けるにしても、化粧シートの貼り付けに必要な表面の平滑性を出す為に、不燃性を維持できない位の厚みが必要となる場合、例えば、ケイ酸カルシウム板の様な場合には、#180〜#300程度の研磨紙で研磨して表面を機械的に平滑化したものを使うのも良い。これにより、表面処理層の目止め・平滑化機能を必要十分なものとする為の塗布量を最小化でき、不燃性を確保できる点で好ましい。
【0017】
〔表面処理層〕
表面処理層2は、本発明では、一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物として形成する。表面処理層を一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物とし、なお且つその上の接着剤層をアクリル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の特定材料を用いた組合せとする事で、低塗工量が可能となり、低塗工量でも、シーラー層としての目止め、平滑化、易接着性(アクリル樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層と、無機基板とに対する密着性)、アルカリ滲出防止、防水等の諸機能を維持できる。表面処理層の厚みは、例えば、塗工量で言えば20g/m以下が可能となる。但し、機能上、最低5g/mは必要であり、また不燃性能も考えて、好ましくは5〜15g/mとするのが良い。また、裏面処理層も有機質であるので、表裏の処理層の合計でも最大20g/mとするのが良い。
なお、裏面処理層に好適に採用するミネラルターペンの様な低揮発で遅乾型の石油系溶剤を使用したエポキシ系樹脂では、同じ様な薄い塗工量では、多孔質の無機基板に対して浸透が大きく目止め効果に乏しいので、化粧シートの貼り合わせに必要な表面の平滑化機能が乏しく適さない。
【0018】
一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物からなる表面処理層は、一液湿気硬化型イソシアネート系樹脂組成物を、公知の塗膜形成法により塗布形成し、湿気硬化させて形成することができる。一液湿気硬化型イソシアネート系樹脂組成物は、公知の樹脂組成物を用途に応じて適宜使用すれば良い。
【0019】
なお、一液湿気硬化型イソシアネート系樹脂組成物は、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分とする組成物である。該プレポリマーは、通常は分子両末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソシアネートプレポリマーである。イソシアネート基同士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、その結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等である。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用することで、物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、このアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0020】
ポリイソシアネートプレポリマーの具体例としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−14287号公報に開示されている様な、ポリイソシアネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレタンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
【0021】
〔接着剤層〕
接着剤層3には、アクリル樹脂、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる。接着剤層の形成に用いる接着剤の形態は、特に限定はなく、例えば、粘着剤型、熱融着型、溶剤乾燥型、2液硬化型、エマルション型等と、いずれでも良い。例えば、アクリル樹脂の場合では、これらいずれの形態もあり、また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の場合では、通常、エマルション型が多い。
接着剤層の樹脂に、アクリル樹脂、或いは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体という特定樹脂材料を用いることで、特定材料の表面処理層との協働作用により、密着性を維持しつつ従来よりも表面処理層を薄くでき、不燃性能を出し易くなる。また、接着剤層自体に於いても、従来と同程度、或いは更に従来以下の厚みが可能となる。例えば、化粧シート裏面に粘着剤として接着剤層を設けて、粘着化粧シート貼りとする際に、従来は通常施工性と密着力の維持の観点から接着剤層は、約40〜50μm程度の厚さが必要とされるが、特定材料の表面処理層との組合せにより、接着剤層を薄くでき(例えば20〜30μm程度)、貼り付け後にも安定した密着性を維持することが可能となる。
【0022】
なお、接着剤層の形成法は特に限定されるものではなく、例えば、予め化粧シート側に設けたものとして形成しても良いし、無機基板側と化粧シート側の両方に設けたものとして形成しても良い。具体的には例えば、粘着剤型の接着剤層を化粧シート裏面に設けておき、化粧シートを粘着シートとして、表面処理層形成済みの無機基板に粘着力で貼り付ける場合等である。また、熱融着型の接着剤層でも、化粧シート裏面に設けておき加熱ローラで貼り付けることもできる。なかでも、粘着型の接着剤層は貼り付け時は加熱も不要で、少なくとも貼り付け段階では溶剤の蒸発も無く、作業性、作業環境等の点で優れている。また、エマルション型とすれば、接着剤層の塗膜形成時の有機溶剤揮発等の問題も防げける。
【0023】
〔裏面処理層〕
裏面処理層5は、本発明では、エポキシ系樹脂硬化物として形成する。裏面処理層を、エポキシ系樹脂硬化物とする事で、低塗工量でも、シーラー層としての目止め、(無機基板の粗面をある程度残すことによる)アンカー効果や処理層樹脂自体等による易接着性(化粧板を壁等の面に接着剤で貼り付けるときのもの)、アルカリ滲出防止、防水等の諸機能を維持できる。裏面処理層の厚みは、例えば、塗工量で言えば20g/m以下が可能であり、或いは更に10g/m以下も可能となる。但し、機能上、最低5g/mは必要であり、また不燃性能も考えて、好ましくは5〜15g/mとするのが良い。また、表面処理層も有機質であるので、表裏の処理層の合計でも最大20g/mとするのが良い。
【0024】
裏面処理層の形成に用いるエポキシ系樹脂組成物としては、従来公知のエポキシ系樹脂組成物を適宜選択使用しても良いが、硬化までに無機基板の多孔質内へ含浸させ易くする為に、好ましくは、(A1)エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A2)エポキシ樹脂と酸無水基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A3)エポキシ樹脂と重合性不飽和モノマーをグラフト重合又は共重合させてなる変性エポキシ樹脂、から選ばれる少なくとも1種以上を用いたエポキシ系樹脂組成物を用いるが良い。これら変性エポキシ樹脂のなかでも、特に本発明に於いては、(A1)、(A2)のいずれか選んだ1種以上を用いるものがより好ましい。
【0025】
上記(A1)の変性エポキシ樹脂に於けるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、しかも、平均エポキシ当量が約150〜約1,000のエポキシ樹脂である。該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。
【0026】
また、上記(A1)の変性エポキシ樹脂に於けるカルボキシル基含有アクリル樹脂は、重量平均分子量が通常3,000〜50,000、樹脂酸価が3〜300mgKOH/gの樹脂である。この様なカルボキシル基含有アクリル樹脂は、カルボキシル基を有するビニルモノマーと、その他のビニルモノマーとを常法にて共重合させれば容易に得られる。なお、カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。また、その他のビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
【0027】
前記(A2)の変性エポキシ樹脂に於けるエポキシ樹脂は、上記(A1)の変性エポキシ樹脂に於けるエポキシ樹脂を使用することができる。
また、前記(A2)の変性エポキシ樹脂に於ける酸無水基含有アクリル樹脂は、重量平均分子量が通常3,000〜50,000、樹脂全酸価が3〜300mgKOH/gの樹脂である。この様な酸無水基含有アクリル樹脂は、酸無水基を有するビニルモノマーと、その他のビニルモノマーとを、上記(A1)の変性エポキシ樹脂の場合と同様に常法にて共重合させれば容易に得られる。なお、酸無水基を有するビニルモノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等を有するモノマーが挙げられる。また、その他のビニルモノマーとしては、例えば、上記(A1)の変性エポキシ樹脂で例示したカルボキシル基を有するビニルモノマー、水酸基を有するビニルモノマー等が挙げられる。
【0028】
前記(A3)の変性エポキシ樹脂に於けるエポキシ樹脂は、前記(A1)の変性エポキシ樹脂に於けるエポキシ樹脂を使用することができる。
また、前記(A3)の変性エポキシ樹脂に於ける重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記(A1)や(A2)の変性エポキシ樹脂で例示した酸無水基を有するビニルモノマー、カルボキシル基を有するビニルモノマー、水酸基を有するビニルモノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。なお、エポキシ樹脂と重合性不飽和モノマーとをグラフト重合又は共重合させて(A3)の変性エポキシ樹脂とするには、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して重合性不飽和モノマーを10〜2000質量部混合し、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の重合開始剤、好ましくはグラフト化をより良く進行させる為にはベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤を用いて加熱反応させればよい。
【0029】
エポキシ系樹脂組成物は、上記の如きエポキシ樹脂の主剤と共に、硬化剤、及び適宜溶剤も配合されるが、上記(A1)〜(A3)の如き変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂に対する硬化剤としては、活性水素当量が150〜300の硬化剤を用いることができる。この様な硬化剤としては、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤を適宜使用すれば良い。例えば、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン等の脂肪族ポリアミン系化合物、該脂肪族ポリアミン系化合物のエポキシ樹脂アダクト物、ケチミン化物、ポリアミドアミン類、ポリアミド樹脂等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0030】
硬化剤は、塗料塗布時に配合して使用(二液硬化型)しても良いが、マスキング剤でマスキングした状態で事前に主剤と共に配合しておいて使用しても良い(一液硬化型)。マスキングは例えば空気中の水分等によって外れ、活性な通常のアミン等の硬化剤となって、硬化反応が進行する。下記化学式は、マスキングされたアミン系硬化剤の場合に於いて、該硬化剤に水が反応して活性な通常のアミン系硬化剤となる反応の一例を示すものである。なお、式中、R、R、R、は、アルキル基等の水素以外のその他の基である。
【0031】
【化1】
Figure 2005030021
【0032】
なお、二液硬化型と一液硬化型とを比べた場合、後者の一液硬化型の方が、前者の二液硬化型に比べて更に、塗布後の低粘性液体状態をより長時間維持でき、無機基板の多孔質内部に浸透させて補強効果が得られ、また、塗布現場での硬化剤配合やポットライフ管理の手数が省ける、等の点でより好ましい。
そして、エポキシ系樹脂硬化物からなる裏面処理層は、この様なエポキシ系樹脂組成物を、公知の塗膜形成法により塗布形成し、湿気硬化させて形成することができる。
【0033】
また、裏面処理層の形成に用いるエポキシ系樹脂組成物は、その溶剤として、好ましくは、ソルベッソ(エクソン化学株式会社製)100、同150、同200、スワゾール(丸善石油化株式会社製;登録商標)100、同200、同310、Aソルベント(新日本石油株式会社製)等、ミネラルターペン、ナフサ、の石油系溶剤であり、更に、引火点が40℃以上の高引火点溶剤が好ましい。また、ミネラルターペンの様な低揮発・遅乾型の石油系溶剤を用いるのが良い。なお、ミネラルターペンは、ミネラルスピリット、石油スピリット、工業ガソリン4号等とも呼ばれる溶剤である。なお、溶剤にミネラルターペンを用いる場合も含めて、溶解性、乾燥性等の物性調整の為に、適宜1種又は2種以上のその他の溶剤を併用しても良い。例えば、1,2,3‐トリメチルベンゼン、1,2,4‐トリメチルベンゼン、1,3,5‐トリメチルベンゼン等のトリメチルベンゼン、石油ナフサ等の芳香族炭化水素系溶剤、その他の溶剤等である。
【0034】
そして、ミネラルターペンの様な低揮発・遅乾型の石油系溶剤は、トルエン等の有機溶剤に比べて揮発速度が遅く乾燥固化に至るまでより長い時間が要するので、その間に無機基板の多孔質内に塗料が含浸することで、無機基板の表面の多孔質による微凹凸を残せ、該微凹凸によってアンカー効果が得られる。
なお、表面処理層に使用する一液硬化型イソシアネート系樹脂では、同じ様な薄い塗工量では、多孔質の無機基板に対して浸透が小さいので目止め効果の点では良いが表面の微凹凸を残せず、化粧板裏面のアンカー効果が乏しく適さない。
【0035】
ところで、化粧シート貼り不燃化粧板の裏面には、該化粧板を壁面等に接着剤で接着施工した後、経時での寒熱繰返し等による剥離、特に無機基板の材料破壊等を防ぐ性能が要求される。これらの点で、裏面処理層には、接着剤に対する接着補強効果が要求され、アンカー効果や、また、接着剤として良く用いられるアクリル樹脂系接着剤や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系接着剤等に対して樹脂組成的にも良い接着性が得られる、エポキシ系樹脂は好適である。また、無機基板の材料破壊を防ぐ性能の点でも、裏面処理層の塗料は無機基板の多孔質内に含浸することで、無機基板を補強できるので、好適である。
【0036】
〔化粧シート〕
化粧シート4は、基材シートが樹脂製の樹脂基材シートに対して、加飾が施されているシートであり、従来公知の各種化粧シートを用途に応じて使用すれば良い。但し、樹脂基材シート等の有機量に関係する層は、化粧シート自体の耐久性やその他加工適性(印刷、貼り付け等)を確保しつつ、なるべく薄くした方が、不燃性能の点で好ましい。化粧シートの厚み(樹脂基材シートやその他インキ等からなる装飾層も含めた総厚)は、具体的には、表面処理層、接着剤層、及び裏面処理層のこれら有機質層で最低30μm程度は必要となるので、170μm以下、より確実に不燃材としての不燃基準を達成する為には、好ましくは150μm以下とするのが良い。
そして、この様な化粧シートを、接着剤層で無機基板にローラ加圧等の適宜手段で貼り付ければ、所望の化粧シート貼り不燃化粧板となる。
【0037】
なお、樹脂基材シートの樹脂、或いは、加飾の内容等は、従来公知のものを適宜採用すれば良い。但し、樹脂基材シートの樹脂として旧来から一般的な塩化ビニル樹脂は、燃焼時に塩化水素ガス等の有害ガスを発生するので、この様なハロゲン含有樹脂は、環境対応の点でなるべく使用しない方が好ましい。
【0038】
樹脂基材シートの樹脂として、塩化ビニル樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、或いは、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、完全非晶質ポリエステル等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂は、コスト、各種物性等の点で、好ましい樹脂の一つである。
なお、樹脂基材シートの厚みは、20〜170μm程度である。最大厚みは、総有機量も考慮して決めると良い。
【0039】
樹脂基材シート中には、必要に応じて公知の各種添加剤を添加する。該添加剤としては、例えば、着色処理の為の着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、体質顔料等が挙げられる。着色剤としては、前記インキの着色剤として列挙したものと同様のものが使用出来る。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化アンチモン、塩素化パラフィン、燐酸エステル等が挙げられる。特に総有機量を多めにする場合には、不燃性を維持する為、難燃剤の添加が好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等の有機系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の微粒子から成る無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系、ピペリジン系等のラジカル補足剤が挙げられる。体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト等の粒子が挙げられる。
【0040】
樹脂基材シートに対する加飾としては、化粧シートとして従来公知の各種加飾処理を、用途に応じて適宜採用すれば良い。例えば、樹脂基材シート中への着色剤の練り込みによる着色処理、樹脂基材シートへの印刷等による装飾層の形成、エンボス加工による凹凸模様の賦形、表面艶調整或いは表面保護も目的とする表面樹脂層の形成等であり、これら加飾処理は適宜組合わせる。
【0041】
なお、装飾層の形成は、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インクジェット印刷、転写印刷等の公知の印刷法で形成する。装飾層は樹脂基材シートの表面、裏面、表裏両面に設ける他、樹脂基材シートを多層構成とする場合は層間の場合もある。
装飾層の形成に用いるインキとしては、バインダーの樹脂に、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、着色剤には、例えば、チタン白、弁柄、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、アルミニウム粉、真鍮粉等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を用いる。
【0042】
なお、装飾層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模様、或いは全面ベタ等である。また、装飾層としては、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜し金属薄膜層等も使用される。金属薄膜層は、部分的にパターン状に或いは全面に設ける。
【0043】
また、凹凸模様は、代表的にはエンボス加工により賦形するが、この他、ヘアライン加工等のその他の方法で賦形する場合もある。
【0044】
また、化粧シート最表面に設ける表面保護層としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、紫外線や電子線で硬化するアクリレート系等の電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂による塗膜を塗工形成する。
【0045】
〔化粧シート貼り不燃化粧板の用途〕
本発明の化粧シート貼り不燃化粧板の用途は、特に制限は無いが、その特徴を活かせる点で、化粧シートによる高意匠と不燃性が要求される用途が特に好ましい。例えば、商業施設内装材(エレベータホール、会議室、VIPルーム、トイレ回り等)、住宅内装材、天井材、リフォーム材、間仕切り壁、或いは外壁板、破風板等の建築物外装材等が挙げられる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0047】
〔実施例1〕
図1の様な構成の化粧シート貼り不燃化粧板10を次の様にして作製した。
無機基板1として、厚み6mm(比重1.0)のケイ酸カルシウム板の裏側とする面に、裏面処理層5を形成する為に、下記組成Aのエポキシ系樹脂組成物で、溶剤に石油系溶剤としてミネラルターペンを用いたターペン型塗料を、有機量で5g/m(乾燥時)となる様に塗布した。一方、無機基板の表側とする面は、表面処理層2を形成する為に、湿気で硬化する一液硬化型イソシアネート系樹脂の組成物からなる塗料を、有機量で15g/m(乾燥時)となる様に塗布した。
【0048】
Figure 2005030021
【0049】
一方、化粧シート4として、樹脂基材シートの樹脂にポリオレフィン系樹脂を用い、これに絵柄を表す装飾層を印刷形成したものを用意した。なお、この化粧シートの、樹脂基材シートは2層構成で、無機基板側は着色シートで、この着色シートに装飾層を印刷形成後、その表側に樹脂を溶融押出塗工して透明樹脂層としたものである。そして、更にこの樹脂基材シートの透明樹脂層上に、ウレタン系プライマー剤を施した後、アクリレート系電子線硬化型樹脂で表面保護層を形成したものを化粧シートとした。なお、この化粧シートの総厚は150μmであった。
そして、上記化粧シート4の裏側とする面に、アクリル樹脂からなるアクリル系粘着剤を塗布して厚さ20μmの接着剤層(粘着剤層)3を形成して、化粧シートを粘着化粧シートとしておいた。
【0050】
次に、この粘着化粧シートを、前記無機基板の表面処理層上にローラで加圧して貼り付けて接着積層し、所望の化粧シート貼り不燃化粧板を得た。総有機量は190g/mであった。なお、上記化粧板の内容と評価結果を、表1にまとめて示した。
【0051】
〔実施例2〕
実施例1に於いて、裏面処理層形成用のエポキシ系樹脂組成物を下記組成Bに変更し、また、接着剤層の樹脂と形態(粘着剤から熱融着型接着剤)を変え、化粧シートの貼り付け方法を変えた他は、実施例1と同様にして、所望の化粧シート貼り不燃化粧板を作製した。すなわち、無機基板に形成した表面処理層面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のエマルション型接着剤を塗布して、厚さ20μmの接着剤層(粘着剤層)3を形成し、この接着剤層3面上に化粧シートを加熱ローラで加熱加圧しながら貼り付けて接着積層し、化粧シート貼り不燃化粧板を得た。総有機量は193g/m(乾燥時)であった。
【0052】
Figure 2005030021
【0053】
〔比較例1〕
実施例1で用いた無機基板1に対して、その表裏両面のどちらにも同じ合成ゴム系プライマー塗料を塗布して処理層を形成した。処理層の有機量は表面側が100g/m(乾燥時)、裏面側が50g/m(乾燥時)であった。一方、化粧シートは実施例1と同じものだが、その裏面に設けた接着剤層(粘着剤層)の厚さは、40μmである。そして、この粘着化粧シートを、前記無機基板の表側の処理層上にローラで加圧して貼り付けて接着積層し、化粧シート貼り不燃化粧板として作製してみた。総有機量は340g/m(乾燥時)であった。
【0054】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で作製した化粧シート貼り不燃化粧板について、建築基準法による不燃材の認定に必要な不燃基準〔燃焼時間1200s以下、発熱量8MJ以下、最大発熱速度200kW/m以下(但し、数値が200以上でも超過時間が10秒以下であれば可)、外観変化としては試験体に龜裂を生じ無いこと〕に対する合否と、化粧シートの無機基板に対する密着性を評価した。
【0055】
密着性は、剥離角度180度での剥離試験(引張速度300mm/min)で評価し、剥離強度が15N/25.4mm以上は優秀(◎)、10N/25.4mm以上は良好(◎)、5N/25.4mm以上はやや良好(△)、5N/25.4mm未満は不良(×)とした。なお、剥離強度は、無機基板上の(表面)処理層と接着剤層間で剥離時の強度である。
また、密着性は常温(23℃)での評価以外に、環境負荷をかけたものも評価した。環境負荷は、耐熱性(60℃、720時間)、耐水性(浸漬、720時間)、耐湿熱性(60℃95%RH、720時間)、耐光性(FOM、1000時間)、耐候性(SWOM、1000時間)を実施した。環境負荷時の密着性は、各環境負荷終了後2時間の常温乾燥を行って常温に戻した後に測定評価した。
【0056】
【表1】
Figure 2005030021
【0057】
性能は表1の如く、実施例1及び2では、総有機量が200g/m以下であり、法定の不燃材として合格するものであったが、総有機量が340g/mと200g/mを超えた比較例1は、不合格であった。また、実施例1及び2では、化粧シートの密着性も優秀レベルで、しかも各種環境負荷後に於いても優秀レベルであった。しかし、比較例1では、常温での密着性が良好レベルに止まり、密着性の耐水性、耐湿熱性、耐光性、耐候性ではやや良好レベルであった。
【0058】
【発明の効果】
本発明の化粧シート貼り不燃化粧板によれば、無機基板の表裏処理層を同一組成とした場合に比べて、表裏各処理層のそれぞれの機能(表面は目止め、平滑化、易接着性、アルカリ滲出防止、防水等。裏面はアンカー効果等による易接着性、アルカリ滲出防止、防水等)、及び、接着剤層の接着機能を確保したまま、表裏の処理層の総厚を例えば塗工量で20g/m以下等と薄くできる。そして、化粧シートも含めた総有機量を減らせ、法定の不燃材として合格し得る不燃化粧板となる。
【0059】
また、裏面処理層のエポキシ系樹脂硬化物に、特定の変性エポキシ樹脂を採用することで、エポキシ系樹脂硬化物を形成する為の塗料の溶剤に、石油系溶剤、例えばミネラルターペンの様な低揮発で遅乾型の石油系溶剤を採用でき、その結果、塗料を塗布後、硬化まで長時間にわたって低粘性液体状態に保ち、無機基板の内部の多孔質構造の中に十分、確実に塗料を浸透させることができる。この為、無機基板表面の微凹凸を残して、化粧板を裏面で被着体に接着時に裏面のアンカー効果による接着力強化効果が得られる。
【0060】
また、総有機量を200g/m以下とすれば、確実に不燃材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シート貼り不燃化粧板の形態例を例示する断面図。
【符号の説明】
1 無機基板
2 表面処理層
3 接着剤層
4 化粧シート
5 裏面処理層
10 化粧シート貼り不燃化粧板

Claims (3)

  1. 無機基板の表面に、一液硬化型イソシアネート系樹脂硬化物からなる表面処理層、アクリル樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層、樹脂基材シートに加飾してなる化粧シートが、この順に積層され、前記無機板の裏面には、エポキシ系樹脂硬化物からなる裏面処理層が積層されてなる、化粧シート貼り不燃化粧板。
  2. エポキシ系樹脂硬化物が、(A1)エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A2)エポキシ樹脂と酸無水基含有アクリル樹脂とを反応させてなる変性エポキシ樹脂、(A3)エポキシ樹脂と重合性不飽和モノマーをグラフト重合又は共重合させてなるエポキシ樹脂、から選ばれる少なくとも1種の変性エポキシ樹脂の硬化物である、請求項1記載の化粧シート貼り不燃化粧板。
  3. 総有機量が200g/m以下である、請求項1又は2記載の化粧シート貼り不燃化粧板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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