JP2000071390A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2000071390A
JP2000071390A JP10243494A JP24349498A JP2000071390A JP 2000071390 A JP2000071390 A JP 2000071390A JP 10243494 A JP10243494 A JP 10243494A JP 24349498 A JP24349498 A JP 24349498A JP 2000071390 A JP2000071390 A JP 2000071390A
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decorative sheet
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thermoplastic resin
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JP10243494A
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Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
Naganori Ohama
長法 大濱
Takashi Tominaga
孝史 冨永
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短納期で安価に製造可能であり、耐磨耗性や耐
溶剤性、耐候性等の各種物性にも優れ、しかも絵柄の深
み感等の意匠性にも優れた化粧シートを提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂基材シート1上に隠蔽ベタ層
2及び透明樹脂層4を少なくとも順次積層してなる化粧
シートにおいて、前記熱可塑性樹脂基材シート1として
透明又は半透明な熱可塑性樹脂シートを使用し、更に好
ましくは、前記隠蔽ベタ層2に添加する顔料を、酸化鉄
系顔料又は酸化チタン系顔料等の隠蔽性無機顔料を主体
として構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
内外装材や、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、
住設機器や家電製品等の表面化粧等に使用するための化
粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、係る分野で使用される化粧シート
としては、例えば紙の表面に木目等の適宜の所望の絵柄
の印刷を施してなる紙系の化粧シートもあったが、これ
は物理的にも化学的にも強度の弱い紙を使用しているた
めに、表面硬度や耐磨耗性、耐水性や耐溶剤性等の表面
物性が劣り、また本質的に多孔質で粗面体である紙の表
面に印刷を行うので、印刷された絵柄の鮮鋭度が低く意
匠面でも劣ったものであるので、使用可能な用途が限定
されたり、高級感の要求される用途には不向きである等
の問題を抱えたものであった。
【0003】これに対し、紙に替えて熱可塑性樹脂から
なるフィルム又はシート状体を基材シートとし、その表
面又は裏面に木目等の適宜の所望の絵柄の印刷を施して
なる樹脂系の化粧シートもあった。これは、前述した紙
系の化粧シートにおける物性面や意匠面の問題点を解決
した化粧シートであり、要求物性の厳しい用途や高級感
の要求される用途を含め、幅広い用途に使用されてい
た。
【0004】係る化粧シートとしては、絵柄の印刷を熱
可塑性樹脂基材シートの表面側に施したものと裏面側に
施したものとがあるが、前者は印刷面が表面に露出して
いるために、絵柄の耐磨耗性や耐溶剤性、耐候性等の面
で問題があり、一方後者は、印刷面を基材に接着する際
に接着剤に含有される溶剤によって絵柄が侵される問題
や、印刷面の直ぐ裏側に合板等の基材の表面が存在する
為に基材表面の色彩欠陥が露呈し易く意匠面で不満足で
ある等の問題点があった。
【0005】係る問題点を解決する目的で、絵柄層をそ
の裏面側の熱可塑性樹脂基材シートと表面側の透明樹脂
層との間に挟持した複層構成の化粧シートも開発されて
おり(特公昭28−5036号公報参照)、これは上記
した紙系の化粧シートや単層構成の樹脂系の化粧シート
の有する問題点を一挙に解決した高性能の化粧シートと
して、現在では最も幅広い用途に使用されている。
【0006】係る複層構成の化粧シートの裏面側の熱可
塑性樹脂基材シートや表面側の透明樹脂層の構成材料と
しては従来、安価で加工適性や物性にも優れたポリ塩化
ビニル樹脂が最も多用されて来たが、近年では環境問題
に対する社会的な関心の高まりを受けて、環境への悪影
響の少ないポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂、例えばポリ
オレフィン系樹脂を使用した化粧シート等も開発され、
実用化されている(特開平6−166159号公報参
照)。
【0007】ところで、係る化粧シートは元来、例えば
合板やパーティクルボード等の木質板や、スレート板や
木毛セメント板等の無機質板等の各種の基材の表面の好
ましくない色彩や傷等の欠陥等を隠蔽して所望の優れた
意匠性を付与する目的で、上記各種の基材の表面に貼付
して使用されるものであるから、化粧シートには必然的
に隠蔽性が要求される。
【0008】そして、係る化粧シートに隠蔽性を付与す
る手段としては、隠蔽性の顔料を添加した熱可塑性樹脂
組成物を製膜してなる不透明な隠蔽性の熱可塑性樹脂基
材シートを使用する方法によるのが一般的である。その
理由は、熱可塑性樹脂基材シートは通例50〜100μ
m程度の厚みがあるものを使用するので、着色顔料の添
加による隠蔽性の付与が容易であることや、熱可塑性樹
脂基材シートを予め絵柄の背景色に着色しておくことに
より、絵柄の印刷時の色合わせが容易になること等であ
る。
【0009】ところが、上記した熱可塑性樹脂基材シー
トの着色という手段によると、所望される絵柄の背景色
に合わせた色調の着色熱可塑性樹脂基材シートを印刷前
に予め用意しておく必要があるので、例えば新柄の場合
にはその絵柄の採用が決定されてから着色熱可塑性樹脂
基材シートを製造するので短納期での対応が難しいこ
と、多種類の絵柄を扱う業者はその絵柄の種類の数だけ
の種類の着色熱可塑性樹脂基材シートを用意しておき品
種毎に切り替える必要があるので、材料の在庫管理や製
造工程の作業管理が煩雑であること、また特に、近年の
消費者の嗜好の多様化に伴う多品種小ロット化の趨勢の
中では、多品種小ロットの着色熱可塑性樹脂基材シート
の生産は設備の稼働率の低下や材料ロスの増大をもたら
し納期の遅延や製品価格の上昇の原因となること等の多
くの問題点を抱えているのが実情である。また、化粧シ
ート自体の性能面から見ても、本質的に隠蔽性である着
色熱可塑性樹脂基材シートの表面に絵柄の印刷がなされ
ているために、絵柄の深み感に乏しく、意匠的に必ずし
も十分満足できるものではない等の問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における以上の様な問題点を解決するためになされたも
のであり、その課題とするところは、短納期で安価に製
造可能であり、耐磨耗性や耐溶剤性、耐候性等の各種物
性にも優れ、しかも絵柄の深み感等の意匠性にも優れた
化粧シートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する為に、熱可塑性樹脂基材シート上に隠蔽ベタ層及び
透明樹脂層を少なくとも順次積層してなる化粧シートに
おいて、前記熱可塑性樹脂基材シートが透明又は半透明
であることを特徴とする化粧シートを提供する。
【0012】本発明は更に、上記化粧シートにおいて、
前記隠蔽ベタ層に含有される顔料が、隠蔽性の無機顔料
を主体とすることを特徴とする化粧シートを提供する。
【0013】本発明は更に、上記化粧シートにおいて、
前記隠蔽性の無機顔料として、酸化鉄系顔料及び酸化チ
タン系顔料から選ばれる1種以上を少なくとも含有する
ことを特徴とする化粧シートを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1
は、本発明の化粧シートの一例の積層構造を示す模式断
面図である。
【0015】本発明の化粧シートは、熱可塑性樹脂基材
シート1上に隠蔽ベタ層2及び透明樹脂層4を少なくと
も順次積層して構成されるものであって、本発明では特
に、前記熱可塑性樹脂基材シート1が透明又は半透明で
あることを特徴とするものである。
【0016】熱可塑性樹脂基材シート1は、透明又は半
透明の熱可塑性樹脂をフィルム状又はシート状に成形し
てなるものであって、熱可塑性樹脂の種類には特に制限
はなく、従来より化粧シート用の基材シートの素材とし
て使用されている任意の熱可塑性樹脂を使用することが
できる。本発明において肝要なのは、当該熱可塑性樹脂
が透明又は半透明であることであって、その理由は、透
明又は半透明の熱可塑性樹脂からなるフィルム乃至シー
トは、着色されたものとの比較において、各種の樹脂を
使用した各種の厚さや幅、長さ(巻m数)のものが大量
に生産され流通し汎用的に使用されており、市場におい
て随時安価且つ短納期で購入可能であるからである。
【0017】熱可塑性樹脂基材シート1を構成する透明
又は半透明の熱可塑性樹脂として具体的には、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アク
リル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重
合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリメ
タクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、6,10−ナイロン等のポリアミド
系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂等の
スチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロ
ース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テ
トラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂等、又は
これらから選ばれる2種又は3種以上の共重合体や混合
物、複合体、積層体等を使用することができる。但し、
近年頓に社会問題化しつつある環境問題への適応を考慮
すると、上記した塩素系樹脂やフッ素系樹脂の使用は余
り好ましいものとは言えず、塩素やフッ素等のハロゲン
元素を含有しない樹脂、すなわち非ハロゲン系樹脂を使
用することが好ましい。
【0018】上記した各種の樹脂の中でも、市場での価
格や流通量・調達の容易性を始め、化粧シート用基材シ
ートとしての適度の柔軟性と強度のバランスや、折り曲
げや切断・切削等の加工適性、耐磨耗性や耐溶剤性等の
表面物性、耐候性等の各種の側面から見て、オレフィン
系樹脂が最も優れている。
【0019】オレフィン系樹脂としては上掲したものを
始め種々の単独重合体や共重合体が知られているが、中
でも化粧シート用基材シートの素材として最も好適なの
はポリプロピレン系樹脂、すなわちポリプロピレンを主
成分とする単独又は共重合体であり、具体的には、例え
ばホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹
脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレ
ン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20
のα−オレフィン、好ましくはエチレン、ブテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−
1、のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン
−α−オレフィン共重合体などを例示することができ
る。また、通常ポリプロピレン系樹脂の柔軟化に用いら
れるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム等の改質剤を添加することもできる。
【0020】また、熱可塑性樹脂基材シート1を構成す
る熱可塑性樹脂には、目的の化粧シートの用途により必
要に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、充
填剤等の従来公知の各種の添加剤の1種以上が添加され
ていても良い。
【0021】酸化防止剤としては例えばフェノール系、
硫黄系、リン系等、紫外線吸収剤としては例えばベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、
シアノアクリレート系、ホルムアミジン系、オキザニリ
ド系等、光安定剤としては例えばヒンダードアミン系、
ニッケル錯体系等、熱安定剤としては例えばヒンダード
フェノール系、硫黄系、ヒドラジン系等、可塑剤として
は樹脂の種類にもよるが例えばフタル酸エステル系、リ
ン酸エステル系、脂肪酸エステル系、脂肪族二塩基酸エ
ステル系、オキシ安息香酸エステル系、エポキシ系、ポ
リエステル系等、滑剤としては例えば脂肪酸エステル
系、脂肪酸系、金属石鹸系、脂肪酸アミド系、高級アル
コール系、パラフィン系等、帯電防止剤としては例えば
カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両イオン系等、
難燃剤としては例えば臭素系、リン系、塩素系、窒素
系、アルミニウム系、アンチモン系、マグネシウム系、
硼素系、ジルコニウム系等、充填剤としては例えば炭酸
カルシウム、滑石、蝋石、カオリン等から選ばれる1種
又は2種以上の混合系で使用されている。
【0022】熱可塑性樹脂基材シート1の厚さには特に
制限はなく、従来の一般の化粧シートの基材シートと同
様の厚さのものを使用することができる。具体的には、
化粧シートの用途や樹脂の種類にもよるが、一般に20
〜200μm程度の範囲から選ばれ、特に好ましい範囲
は50〜100μm程度である。
【0023】隠蔽ベタ層2は、化粧シートの貼付対象物
である各種基材の表面の好ましくない色彩や傷等の欠陥
を隠蔽するために必要とされる隠蔽性を化粧シートに付
与する目的で設けられるものであって、従来周知の様に
隠蔽性の印刷インキ又はコーティング剤を上記熱可塑性
樹脂基材シート1の表面の全面にベタ状に印刷又は塗工
することによって設けられるものである。
【0024】隠蔽性の印刷インキ又はコーティング剤と
は、隠蔽性顔料を適宜の結着剤樹脂と混合し、更に必要
に応じて溶媒乃至分散媒たる適宜の溶剤を添加し、印刷
又は塗工の方式に応じ適宜の粘度に調整してなる流動性
組成物であって、印刷又は塗工の結果得られる結着剤樹
脂中に隠蔽性顔料が分散されてなる被膜が、目的とする
化粧シートに要求される隠蔽性を具備すべく設計されて
いる必要がある。
【0025】上記隠蔽性の印刷インキ又はコーティング
剤に使用する隠蔽性顔料とは従来周知の様に、分散媒た
る結着剤樹脂と比較して著しく高い屈折率を有する微細
粉末状顔料であって、その屈折率差による界面での光の
反射や屈折による光散乱効果によって、化粧シートの表
裏面間での光の直接透過が妨げられ、隠蔽性が発現する
のである。前記結着剤樹脂として一般的な結着剤樹脂の
屈折率は概ね1.5前後であるから、隠蔽性顔料として
は屈折率が概ね2.0以上の顔料が選ばれるのが一般的
であり、また光(可視光線)に対する散乱能の観点から
通常は粒径0.1〜1μm程度の範囲のものが使用され
る。
【0026】係る隠蔽性顔料の内、光吸収性の高い顔料
は、入射した光の一部を吸収して着色作用を発現するの
で着色顔料と称され、逆に光吸収性の殆どない顔料は、
光散乱効果により入射光の大部分を入射方向へ反射して
色調を明るく(白く)見せる作用を発現するので白色顔
料と称される。そして、光吸収係数と屈折率とのバラン
スの良い顔料を選択するか、若しくは、上述した着色顔
料と白色顔料とを適宜の比率で配合して使用することに
より、任意の所望の色調を得ることができる訳である。
【0027】前記隠蔽性顔料としては、有機及び無機の
各種の顔料が知られているが、一般に有機顔料よりも無
機顔料の方が屈折率が高く隠蔽性に優れているので、本
発明の化粧シートの場合には、その用途により要求され
る非常に高度な隠蔽性を、比較的に薄い印刷又はコーテ
ィング被膜によって十分に達成する為に、無機顔料を使
用することが好ましい。無機顔料は、上述した隠蔽性に
加えて、耐光性(耐褪色性)や耐薬品性にも優れている
ので、耐久性や堅牢性の面から見ても非常に好適であ
る。
【0028】係る無機顔料の内、着色顔料としては例え
ば黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエ
ロー、バリウムイエロー、オーレオリン、モリブデート
オレンジ、カドミウムレッド、弁柄、鉛丹、辰砂、マル
スバイオレット、マンガンバイオレット、コバルトバイ
オレット、コバルトブルー、セルリアンブルー、群青、
紺青、エメラルドグリーン、クロムバーミリオン、酸化
クロム、ビリジアン、鉄黒、カーボンブラック等、白色
顔料としては例えば酸化チタン(チタン白、チタニウム
ホワイト)、酸化亜鉛(亜鉛華)、塩基性炭酸鉛(鉛
白)、塩基性硫酸鉛、硫化亜鉛、リトポン、チタノック
ス等を使用することができる。
【0029】中でも、隠蔽性や耐光性に優れ、意匠面で
も色調的に化粧シート用に好適な顔料として、着色顔料
としては弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、白
色顔料としては酸化チタン系顔料を使用することが好ま
しい。
【0030】上記酸鉄系顔料の内、弁柄は酸化第二鉄F
2 3 (別名、赤鉄鉱)からなる赤色顔料であって、
平均粒径0.2〜0.6μm程度のものが用いられ、例
えば東邦顔料社製Anchor FR-110G、日本弁柄社製EP-20
D、日本フェロー社製Ferro Color NF-150-P、鐵原社製
NAT、利根産業社製SR-580、戸田工業社製Toda Color 12
0ED、森下弁柄社製モリシタレッド七宝等として市販さ
れている。
【0031】黄色酸化鉄は酸化水酸化鉄γ−FeO(O
H)(別名、鱗鉄鉱)又はその水和物からなる黄色顔料
であって、平均粒径0.3〜0.8μm程度のものが用
いられ、例えば東邦顔料社製Anchor FY-766 、森下弁柄
社製Morishita Yellow MTY-10 、日本弁柄社製NYB-40、
戸田工業社製Toda Color Y-1、利根産業社製YP-100SB、
東洋色素社製東色合成鉄黄、BASF社製Sicotrans Ye
llow L 1916 等として市販されている。
【0032】鉄黒は四酸化三鉄Fe3 4 (別名、磁鉄
鉱)からなる黒色顔料であって、平均粒径0.5μm前
後のものが用いられ、例えば森下弁柄社製Morishita Bl
ackMTB-10、利根産業社製TB-50SB 、戸田工業社製Toda
Color KN-320 、東洋色素社製東色合成鉄黒等として市
販されている。そして、これらの酸化鉄系顔料を適宜組
み合わせて配合して使用することによって、黄色から黄
土色、茶色、黒色にかけての広い範囲の色調を任意に得
ることができる。
【0033】酸化チタン系顔料は、二酸化チタンTiO
2 からなる白色顔料であって、アナターゼ型(別名、鋭
錐石)とルチル型(別名、金紅石)との2種類があり、
屈折率はそれぞれ2.45〜2.55及び2.61〜
2.90であり、ルチル型の方が屈折率が高い分だけ隠
蔽性に優れる他、化学的安定性や耐光性にも優れるので
好適である。平均粒径0.1〜0.5μm程度のものが
用いられ、例えばチタン工業社製KR-310、帝国化工社製
JR、古河鉱業社製FR-41 、石原産業社製CR-50 等として
市販されている。
【0034】なお、これらの無機顔料は、前述した隠蔽
性の付与や着色の効果に加えて、投錨効果による熱可塑
性樹脂基材シート1との密着性の向上の効果をも奏する
ものである。例えば、本発明者らの実験によれば、特に
他の材料との密着性に劣る樹脂であるポリオレフィン系
樹脂からなる熱可塑性樹脂基材シートを使用した場合に
は、無機顔料無添加の場合に剥離力が2kgf/in程
度であったのが、無機顔料の添加により最大3kgf/
in程度にまで密着性の向上が認められた。
【0035】なお、以上に詳述した酸化鉄系顔料及び酸
化チタン系顔料に加えて、色調の調整の目的で他の隠蔽
性又は非隠蔽性の無機顔料又は有機顔料を少量併用する
ことは差し支えない。但し、飽くまでも酸化鉄系顔料及
び酸化チタン系顔料を主体とすることが肝要であって、
他の顔料の使用量は顔料全体に占める比率で概ね20重
量%以下とすることが好ましい。併用する顔料としては
耐光性の高いものを選択することが好ましく、無機顔料
の中ではコバルトブルー又はカーボンブラック等、有機
顔料の中ではフタロシアニンブルー等のフタロシアニン
系顔料等を使用することが好ましい。その他、必要に応
じて例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の
体質顔料を併用することもできる。
【0036】隠蔽ベタ層2への隠蔽性の無機顔料の添加
量は、多い程隠蔽性の面では有利であるが、凝集力が低
下して化粧シートの表面強度の低下の原因となるので、
両者のバランスを取る為には、結着剤樹脂100重量部
あたり300〜600重量部程度の範囲とするのが良
い。また、隠蔽ベタ層2の厚さは、厚い程隠蔽性の面で
は有利であるが、反面凝集力が低下するきらいがあるの
で、これも両者のバランスを取る為に2〜10g/m2
(dry)程度の範囲とすることが好ましい。
【0037】上述した各種顔料の分散媒たる結着剤樹脂
としては、従来より係る印刷インキやコーティング剤の
結着剤樹脂として使用されている公知の任意の樹脂を使
用することができる。具体的には例えば、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリビニル系樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹
脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系
樹脂等の各種合成樹脂類、又はそれらの2種以上の混合
物、共重合体等を使用することができる。
【0038】また、上記各種顔料や結着剤樹脂を溶解乃
至分散する為の溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機
溶剤や、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシ
エチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機
溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマル
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブ
チルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール等のアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系有機溶剤、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、ジク
ロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレン等の塩素系有機溶剤等の各種有機溶剤
や、水等の無機溶剤、又はそれらの2種以上の混合溶剤
等を使用することができる。
【0039】その他、必要に応じて、例えば分散剤、可
塑剤、界面活性剤、粘着付与剤、接着助剤、乾燥剤、硬
化剤、硬化促進剤又は硬化遅延剤等の各種添加剤を適宜
添加することもできる。
【0040】隠蔽ベタ層2の形成方法としては、例えば
グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷
法、凸版印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インク
ジェット印刷法、電子写真法等等の各種印刷法や、例え
ばグラビアコート法、ロールコート法、ディップコート
法、エアーナイフコート法、ナイフコート法、コンマコ
ート法、ダイコート法、リップコート法、キスコート
法、ロッドコート法、スプレーコート法、フローコート
法等の各種コーティング法等、従来公知の任意の印刷方
法又はコーティング方法を適宜選択して実施することが
できる。
【0041】なお、隠蔽ベタ層2の形成に先立ち必要に
応じて、熱可塑性樹脂基材シート1の表面に例えばコロ
ナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、
重クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面
処理を施すことによって、熱可塑性樹脂基材シート1と
隠蔽ベタ層2との密着性を向上することもできる。
【0042】上記隠蔽ベタ層2と後述する透明樹脂層4
との間には通常、目的とする化粧シートに任意の所望の
絵柄の意匠性を付与する目的で、絵柄層3が設けられる
のが一般的である。但し、例えば単なる表面着色や色彩
調整のみを目的とした無地の化粧シートであって、隠蔽
ベタ層2のみによって十分に前記表面着色や色彩調整が
達せられる場合には、絵柄層3は設けられない場合もあ
る。
【0043】絵柄層3の構成材料や形成方法には一切制
限はなく、従来より係る化粧シートの絵柄層に適用され
て来た任意の画像形成材料や画像形成方法を適宜適用す
ることができる。具体的には例えば、前記した隠蔽ベタ
層2の場合と同様の各種の印刷インキを及び印刷方法を
それぞれ適用することができる。
【0044】但し、前記した隠蔽ベタ層2によって十分
な隠蔽性が確保されていれば、絵柄層3を構成する印刷
インキには特に格段の隠蔽性は要求されず、例えば着色
透明な印刷インキであっても良い。従って、使用する顔
料も特に無機顔料に限定されることはなく、化粧シート
用として十分な耐光性や耐久性等の要件さえ備えていれ
ば、有機顔料を使用することも十分に可能である。具体
的には例えばアゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔
料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオ
キサジン顔料等、またはこれらの有機顔料と前掲の各種
無機顔料とから選ばれる2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0045】上記した印刷方法による他、例えば手描き
法、墨流し法、写真法、レーザービーム又は電子ビーム
描画法、金属等の部分蒸着法やエッチング法等、又はこ
れらの方法を複数組み合わせて行うこともできる。
【0046】絵柄層3が構成する絵柄の種類には特に制
限はなく、例えば従来より係る化粧シートの分野におい
て広く採用されている木目柄や、石目柄、抽象柄等、或
いは単なる着色や色彩調整を目的とする場合には単色無
地であっても良く、要するに、目的の化粧シートの用途
に応じ任意の所望の絵柄を採用することができる。
【0047】透明樹脂層4は、絵柄層3を保護して耐磨
耗性や耐溶剤性等の良好な表面物性を化粧シートに付与
する目的で設けられるものであって、高い透明性を有す
ることが好ましいが、少なくとも絵柄層3を透視可能な
程度の透明性を備えていれば良く、その限りにおいて半
透明乃至着色透明であっても良い。
【0048】この透明樹脂層4を構成する樹脂として
は、従来の複層構成の化粧シートにおいても表面側の透
明樹脂層として使用されていた樹脂と同様の種類の樹脂
が適宜使用可能であり、本発明の化粧シートにおいて熱
可塑性樹脂基材シート1の構成材料として使用した樹脂
と同種の又は別種の熱可塑性樹脂であっても良いし、熱
硬化性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂で
あっても良い。また、複数種の樹脂の層からなる多層積
層体としても良い。但し、前述した環境問題等を考慮す
ると、熱可塑性樹脂基材シート1の場合と同様に、非ハ
ロゲン系樹脂を使用することが好ましい。
【0049】前記硬化性樹脂としては、例えばメラミン
系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹
脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系
樹脂、ウレタン系樹脂、アミノアルキド系樹脂等の熱硬
化性樹脂や、アクリレート系樹脂、ウレタンアクリレー
ト系樹脂、エステルアクリレート系樹脂、エポキシアク
リレート系樹脂等の紫外線又は電子線等の照射により硬
化する電離放射線硬化性樹脂等を使用することができ
る。
【0050】透明樹脂層4の厚さは、一般に厚い程耐磨
耗性や耐溶剤性等の表面物性や耐候性、塗装感や深み
感、エンボス深さ等の意匠性の面で有利であるが、反面
化粧シートとしての柔軟性や可撓性、Vカット等の折り
曲げ加工性等の面で不利となるので、両者のバランスの
取れる厚み範囲が選ばれる。具体的には、硬化性樹脂を
使用する場合には可撓性の面から概ね20μm以下に制
限され、好ましくは3〜10μm程度の範囲であるが、
熱可塑性樹脂を使用する場合にはこれより厚く設けるこ
とが可能であり、一般に20〜200μ程度の範囲から
選ばれる。従って、耐磨耗性や意匠性等の面からは熱可
塑性樹脂が有利であり、硬化処理が不要で品質が安定し
易い等の製造工程面からも有利である。
【0051】透明樹脂層4の形成方法にも特に制限はな
く、従来公知の任意の方法を適宜適用することができ
る。具体的には例えば、透明樹脂層4を構成すべき樹脂
を適当な溶媒に溶解乃至分散した塗工剤を塗布して乾燥
固化させる方法、硬化後に透明樹脂層4を構成すべき樹
脂となる未硬化樹脂組成物を塗工後架橋硬化させる方
法、予めフィルム状乃至シート状に成形された透明樹脂
層4をドライラミネート接着剤、感熱接着剤、感圧接着
剤又は電離放射線硬化型接着剤等の適宜の接着剤を介し
て接着する方法、或いは接着剤を介さずに熱圧着又は超
音波溶着等の手段によって直接接着する方法、また特
に、透明樹脂層4を形成すべき樹脂が熱可塑性樹脂であ
る場合には、隠蔽ベタ層2や絵柄層3等が予め設けられ
た熱可塑性樹脂基材シート1の表面上に、加熱溶融した
樹脂をフィルム乃至シート状に押し出し成形すると同時
に接着させる方法等、従来公知の各種の方法の中から、
透明樹脂層4を構成すべき樹脂の特性に合致した方法を
適宜選択して使用することができる。
【0052】なお、後者の方法(押し出しラミネート
法)において絵柄層3と透明樹脂層4との接着性が劣る
場合には、これも公知の様に、絵柄層3上に予め感熱接
着性のアンカー層5を設けておくか、若しくは透明樹脂
層4の構成樹脂と別途用意した熱接着性樹脂とを共押し
出しラミネートして、絵柄層3と透明樹脂層4との間に
接着性樹脂層6を挟持させることによって、接着性の向
上を図ることができる。勿論、必要に応じて両者を併用
しても良い。
【0053】透明樹脂層4の表面には、従来公知の如
く、必要に応じて所望の適宜の模様のエンボス7を設け
ることもできる。エンボス7の模様の種類にも特に制限
はなく、例えば木目調(特に導管模様状)、石目調、和
紙調、布目調、幾何学模様状等の各種模様状であっても
良いし、或いは例えば単なる艶消状や砂目状、ヘアライ
ン状、スウェード調等であっても良い。また、これらの
エンボス7の模様を絵柄層3の絵柄と同調させることに
よって更なる意匠性の向上を図ることも出来るが、その
必要がなければ非同調であっても良く、また絵柄層3の
絵柄と同調した模様と同調しない模様との両者を含む模
様のエンボス7を設けることもできる。
【0054】エンボス7の形成方法にも特に制限はない
が、金属製のエンボス版を使用した機械エンボス法が最
も一般的である。またエンボス7の形成時期にも特に制
限はなく、熱可塑性樹脂基材シート1との積層前、積層
と同時又は積層後の中から任意の時期を選択することが
でき、またこれらの中から選ばれる複数の時期に同一又
は異なる模様のエンボス7を複数回に亘って施すことも
できる。なお、エンボス7の凹陥部には、必要に応じて
ワイピング法等の手法により着色剤8を充填しても良
く、これによって表面の凹凸模様と同調した色彩模様を
有する意匠性に優れた化粧シートを得ることができる。
【0055】また、化粧シートの表面に更に優れた表面
物性を付与する目的で、透明樹脂層4の表面にトップコ
ート層9を設けることもできる。トップコート層9の構
成材料としては、従来より係る化粧シートのトップコー
ト層の構成材料として使用されている公知の各種のトッ
プコート剤の中から選ばれる任意のものを使用すること
ができる。一般的には、少なくとも下地を透視可能な透
明性を有する必要がある他、化粧シートの用途により要
求される耐磨耗性や耐擦傷性、耐溶剤性、耐汚染性等の
表面物性を具備させるべく、硬化性樹脂を主成分とする
材料から構成することが好ましい。特に、透明樹脂層4
が熱可塑性樹脂からなる場合には、硬化性樹脂からなる
トップコート層9を施すことが好ましい。
【0056】上記トップコート層9の構成材料として具
体的には、例えばメラミン系樹脂、フェノール系樹脂、
尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキド系樹脂、
ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹
脂等の熱硬化性樹脂や、アクリル系樹脂等の電離放射線
硬化性樹脂等を、好適に使用することができる。また必
要に応じて、艶調整剤、滑剤、帯電防止剤、結露防止
剤、抗菌剤、防黴剤等の各種添加剤を適宜添加すること
ができる。
【0057】トップコート層9の形成方法にも特に制限
はなく、例えばグラビアコート法、ロールコート法、デ
ィップコート法、エアーナイフコート法、ナイフコート
法、コンマコート法、ダイコート法、リップコート法、
キスコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、フ
ローコート法等の従来公知の任意のコーティング法を適
宜適用することができる。
【0058】なお、透明樹脂層4とトップコート層9と
の密着性が不十分である場合には、トップコート層9の
塗工形成に先立ち、透明樹脂層4の表面に例えばコロナ
処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重
クロム酸処理、アンカー又はプライマー処理等の表面処
理を施すことによって、透明樹脂層4とトップコート層
9との間の密着性を向上することができる。
【0059】本発明の化粧シートは、既に説明した様
に、従来の化粧シートと同様、木質系基材や無機質系基
材等の各種の基材の表面に貼付して使用するものであ
り、一般的には該貼付の際には例えばウレタン系や酢酸
ビニル系等の適宜の接着剤が使用されるが、熱可塑性樹
脂基材シート1を構成する樹脂の種類によっては、係る
汎用のラミネート用接着剤との接着性が不十分である場
合もある。係る場合に備えて、熱可塑性樹脂基材シート
1の裏面に、上記した汎用の接着剤との接着性に優れた
樹脂からなるプライマー層10を設けておくことが好ま
しい。
【0060】プライマー層10としては例えばウレタン
系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の各種のプライマー
剤が知られており、これらの中から熱可塑性樹脂基材シ
ート1に合わせたものを選んで使用する。なお、プライ
マー層10に例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の粉末を添加しておくと、プライマ
ー層10の表面が粗面化することによって化粧シートの
巻取保存時のブロッキングが防止できる他、投錨効果に
よる前記ラミネート用接着剤との接着性の向上を図るこ
ともできる。
【0061】
【実施例】厚さ60μmの無延伸透明ポリプロピレン樹
脂フィルムを熱可塑性樹脂基材シートとしてその表面に
コロナ処理を施して濡れ指数を38dyn/cm以上に
調整し、まずその表面に、隠蔽性の無機顔料(酸化鉄系
茶、酸化鉄系黄土及び酸化チタン系白)を主体に少量の
カーボンブラック、コバルトブルー及びフタロシアニン
ブルーを混合した顔料組成物を含有するウレタン樹脂系
インキにてグラビア印刷法により隠蔽ベタ層を印刷形成
し、次に、通常の建材用ウレタン系グラビア印刷インキ
にてグラビア印刷法により木目の絵柄を印刷し、更に熱
可塑性ウレタン系アンカー剤を乾燥後の塗布量1μmに
塗工した後、該アンカー層上に、エチレン−エチルアク
リレート系接着性樹脂層20μmと、光安定剤0.2重
量%及び紫外線吸収剤0.3重量%を添加したランダム
共重合ポリプロピレン樹脂90μmとを共押出しラミネ
ートして、接着性樹脂層と透明樹脂層とを形成すると同
時に、金属製エンボスロールにて導管柄のエンボスを施
し、冷却固化後、該透明樹脂層の表面にコロナ処理を施
して濡れ指数を38dyn/cm以上に調整し、エンボ
スの凹部にワイピング法にて着色剤を充填し、更に表面
全面に抗菌剤を配合した2液硬化型ウレタン系トップコ
ート剤をグラビアコート法にて乾燥後の塗布量4g/m
2 に施し乾燥硬化させてトップコート層を形成し、しか
る後、熱可塑性樹脂基材シートの裏面にコロナ処理を施
して濡れ指数を38yn/cm以上に調整し、シリカ粉
末を配合したウレタン樹脂系プライマー剤をグラビアコ
ート法にて乾燥後の塗布量1g/m2 に施してプライマ
ー層を形成して、本発明の化粧シートを完成した。
【0062】得られた化粧シートの隠蔽性を調べる為に
色彩色差計にて標準白板と標準黒板との上での明度差を
測定したところ2.0であり、化粧シートとして十分な
隠蔽性を有することが確認された。また、サンシャイン
ウェザメーター耐候性試験(ブラックパネル63℃、降
雨有り)1000時間後目視にて著しい変化なし、摩耗
B試験(日本農林規格特殊合板)1000回にて柄取ら
れ無しの結果であり、耐候性や耐磨耗性の面でも十分に
優れていることが確認された。
【0063】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
シートは、熱可塑性樹脂基材シート上に隠蔽ベタ層及び
透明樹脂層を少なくとも順次積層してなる化粧シートの
前記熱可塑性樹脂基材シートとして、安価な汎用の透明
又は半透明の熱可塑性樹脂フィルムが使用可能であるの
で、安価に製造可能でしかも短納期の多品種小ロット生
産への対応も容易であり、材料の在庫管理や製造工程の
作業管理も容易であり、化粧シートの性能面でも、耐磨
耗性や耐溶剤性、耐候性等の各種物性面や、絵柄の深み
感等の意匠面でも優れた化粧シートを容易に得ることが
できる等、数々の優れた利点を有するものである。
【0064】特に、前記隠蔽ベタ層に含有させる顔料
を、酸化鉄系顔料又は酸化チタン系顔料等の隠蔽性の無
機顔料を主体として構成したことにより、着色熱可塑性
樹脂基材シートと比較して表面の接着性に乏しい透明又
は半透明の熱可塑性樹脂基材シートに対しても、投錨効
果により十分な層間密着性を確保することが容易にでき
るという優れた利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一例の積層構造を示す模
式断面図である。
【符号の説明】
1‥‥熱可塑性樹脂基材シート 2‥‥隠蔽ベタ層 3‥‥絵柄層 4‥‥透明樹脂層 5‥‥アンカー層 6‥‥接着性樹脂層 7‥‥エンボス 8‥‥着色剤 9‥‥トップコート層 10‥‥プライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21B AA21H AA23B AA23H AK01A AK01C AK07 AK51 AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CA05 CA07 CA13B CC03 DD01 DD09 EH20 EJ40 EJ55 EJ65 GB08 GB48 GB81 HB01 HB31B JB16A JL02 JL08 JL10 JN01A JN01C JN02B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂基材シート上に隠蔽ベタ層及
    び透明樹脂層を少なくとも順次積層してなる化粧シート
    において、前記熱可塑性樹脂基材シートが透明又は半透
    明であることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】前記隠蔽ベタ層に含有される顔料が、隠蔽
    性の無機顔料を主体とすることを特徴とする請求項1に
    記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】前記隠蔽性の無機顔料として、酸化鉄系顔
    料及び酸化チタン系顔料から選ばれる1種以上を少なく
    とも含有することを特徴とする請求項2に記載の化粧シ
    ート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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