JP2005024769A - 誘導加熱を用いた定着装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】本発明は、加熱部材の長手方向において、誘導加熱に用いる磁界を均一に提供することにより、加熱部材の温度を均一にできる。
【解決手段】この発明の定着装置1は、誘導加熱により加熱される加熱部材2と、この加熱部材に所定の圧力を提供する加圧部材3と、加熱部材に所定の磁界を提供する誘導加熱機構5,6を有し、この誘導加熱機構5,6は、複数のコイル5a,61aおよび62aを有し、隣り合うコイル5a,61aおよび、隣り合うコイル5a,62aをオーバーラップさせて配置することにより、加熱部材2の長手方向における温度分布を均一にできる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載され、用紙上の現像剤像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル技術を利用した画像形成装置たとえば電子複写機は、加熱により溶融された現像剤像を圧力を加えることで用紙に定着させる定着装置を有している。
【0003】
例えば、電子複写機では、原稿からの反射光を光電変換素子たとえばCCDセンサにより光電変換して得られる画像信号に応じた静電潜像が感光体に形成される。この静電潜像は、現像剤(トナー)が選択的に付着されることで現像され、現像剤像に置き換えられる。感光体上の現像剤像は、所定のタイミングで供給される用紙に転写され、定着装置で用紙に定着される。
【0004】
定着装置は、現像剤すなわちトナーを溶融させる加熱部材と、この加熱部材に所定の圧力を提供する加圧部材とを備え、加熱部材と加圧部材との間で、加熱部材からの熱によって用紙上の現像剤像を溶かし、加圧部材からの圧力で用紙に定着させる。
【0005】
定着装置の加熱部材を加熱する方法として、誘導加熱方式がある。誘導加熱方式は、コイルに所定の電力を供給して磁界を発生させ、その磁界によって生じる渦電流によるジュール熱で加熱部材そのものを発熱させる方式である。
【0006】
例えば、加熱部材の外側に配置される複数のコイルと、この複数のコイルに供給される電流を用紙サイズに応じて制御する、誘導加熱を用いた定着装置が知られている(特許文献1)。
【0007】
また、複数の励磁コイルを有し、第1の励磁コイルに供給される電流量に応じて、第1の励磁コイル以外の励磁コイルに供給される電流量を制御する、誘導加熱方法を用いた定着装置が知られている(特許文献2)。
【0008】
さらに、加熱部材の外側に配置される複数のコイルを有し、この複数のコイルにそれぞれ独立して電流を供給する、誘導加熱を用いた定着装置が知られている(特許文献3)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−235962号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2000−206813号公報
【0011】
【特許文献3】
特開平7−295414号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この誘導加熱方式を利用した定着装置において、複数のコイルを誘導加熱方式に用いる定着装置は、コイルの中央部付近に供給される磁界と比べ、コイルが隣接する領域に供給される磁界の強さが弱くなる場合がある。この場合、加熱部材の長手方向で磁界の強さに差が生じ、加熱部材の位置に応じて発熱する程度に差が生じる問題がある。
【0013】
よって、加熱部材の長手方向の温度分布が不均一となり、用紙上の現像剤に提供される熱量が不安定となる問題がある。
【0014】
また、近年注目されている、薄い金属層の加熱ローラは、特に複数のコイル間に生じる温度差が問題となっている。
【0015】
本発明の目的は、加熱部材の長手方向において、誘導加熱に用いる磁界を均一に提供することにより、加熱部材の温度を均一にする定着装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して前記第1の被励磁機構と異なる角度位相で配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構とを有することを特徴とした定着装置を提供するものである。
【0017】
また、この発明は、所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第1の被励磁機構と、上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構と上記加熱部材の軸方向に一列に並べて配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルをすくなくとも1つ以上含む第2の被励磁機構とを有し、上記加熱部材は、軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、前記第1、2の被励磁機構の両方からの上記所定の磁界がそれぞれ供給可能な領域を有することを特徴とする定着装置を提供するものである。
【0018】
さらに、この発明は、所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構に隣接して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構を有することを特徴とする定着装置を提供するものである。
【0019】
さらにまた、この発明は、所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第1の被励磁機構と、上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構に隣接して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第2の被励磁機構を有し、上記複数のコイルのうち少なくとも1つは、上記加熱部材の外周面と第1の距離を有して配置される中央部と、他のコイルと隣接する付近に位置し上記加熱部材の外周面と上記第1の距離より短い第2の距離を有して配置される端部とを有することを特徴とする定着装置を提供するものである。
【0020】
また、この発明は、所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構とを有することを特徴とする定着装置を提供するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の定着装置の一例を示す。また、図2(a)ないし(c)は、この定着装置に設けられるコイル体(被励磁機構)の一例を示す。さらに、図3は、この定着装置に適用可能な電気回路の構成を示す。
【0023】
図1に示されるように、定着装置は、被転写材すなわち用紙PのトナーTが付着している面に接触可能で、トナーTおよび用紙Pを加熱する加熱部材(加熱ローラ)2と、加熱ローラ2に所定の圧力を与える加圧部材(加圧ローラ)3とを有する。
【0024】
加熱ローラ2は、金属性(高剛性)または所定の圧力で変形しない金属性のシャフトである芯金2aと、この芯金2aのまわりに順に配置される発泡ゴム(スポンジ)2bと、金属導電層2cと、ソリッドゴム層2dおよび離型層2eを有する。なお、発泡ゴム(スポンジ)2bは5mm、金属導電層2cは40μm、ソリッドゴム層2dは200μmおよび離型層2eは30μmの厚さにそれぞれ形成され、加熱ローラ2は直径40mmであることが好ましい。また、金属導電層2cは、導電性材料(たとえばニッケル、ステンレス鋼、アルミニウム、銅およびステンレス鋼とアルミニウムの複合材等)等により形成される。
【0025】
加圧ローラ3は、金属性(高剛性)または所定の圧力で変形しない金属性のシャフトである芯金3aと、この芯金3aのまわりに設けられるシリコンゴム3b、フッ素ゴム3c等を有し、直径40mmであることが好ましい。
【0026】
加圧ローラ3は、加圧機構4からの圧力を受けることで、加熱ローラ2に所定の圧力を提供する。この圧力により加圧ローラ3とのあいだに一定のニップ幅を維持しながら接触している加熱ローラ2は、駆動モータ(図示せず)により矢印方向(CW)に回転される。加熱ローラ2の回転に伴い、加圧ローラ3が、矢印方向(CCW)に回転される。
【0027】
加熱ローラ2の外側には、加熱ローラ2の金属導電層2cに所定の磁界を提供するコイル体(被励磁機構)5,6が、加熱ローラ2の外周面と所定の間隔を有して、所定の位置に配置されている。
【0028】
このコイル体5,6に所定の電流あるいは電圧が供給されると、所定の磁界を発生させる。このコイル体5,6からの磁界により、加熱ローラ2の加熱ローラ2の金属導電層2cに渦電流が発生し、発熱する。この加熱ローラ2からの熱により溶融されたトナーTは、トナーTが付着している用紙Pが加熱ローラ2と加圧ローラ3の接触部(ニップ部)を通過し、加圧ローラ3により所定の圧力が加えられることで、用紙Pに定着される。
【0029】
加熱ローラ2の周囲には、加熱ローラ2および加圧ローラ3の接触位置(ニップ部)から回転方向の順に、用紙Pを加熱ローラ3から剥離するための剥離用ブレード7と、加熱ローラ2の周面上にオフセット防止用の離型剤(例えばシリコーン油等)を塗布する離型剤塗布装置8が配置される。また、加熱ローラ2の長手方向の所定の位置に、加熱ローラ2の周面付近の温度を検知するためのサーミスタ9a,9bが配置される。本実施の例では、2つのサーミスタ9a,9bを用いたが、3つ以上でもよい。
【0030】
次に、図2(a)ないし(c)を用いて、コイル体(被励磁機構)5,6の一例について説明する。
【0031】
図2(a)は、加熱ローラ2とコイル体5,6との配置の関係を示す図であって、図2(b)は、図2(a)の矢印P方向から見た概略視斜図であり、図2(c)は、図2(a)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。
【0032】
図2(b)および図2(c)に示されるように、コイル体5は、加熱ローラ2の中央領域(用紙Pの通過する頻度の高い領域)と向かい合う位置に配置され、コイル体6は、加熱ローラ2の両端領域と向かい合う位置に配置される。このコイル体6は、加熱ローラ2の一方の端に配置されるコイル体61と、加熱ローラ2の他の一方の端に配置されるコイル体62を含み、コイル体61,62は直列に接続され、電気的にひとつのコイルである。よって、以下、コイル体61,62の両方を説明するときは、コイル体6として説明し、同じ構成要件については、同じアルファベット等を用いて説明する。
【0033】
また、コイル体5は、加熱ローラ2の外側に、隣り合うコイル体6(コイル体61、62)と異なる角度位相で配置される。この異なる角度位相で配置されるコイル体5,6とは、図2(a)に示すように、加熱ローラ2の軸方向から見た状態で、コイル体5,6の中心と加熱ローラ2の軸を結ぶ仮想線5L,6Lで作られる角度θ1が、0℃よりも大きい状態を示す。なお、図2(a)は、角度θ1が90度である状態を示し、角度θ1は、コイル体5,6が接触しない範囲である。
【0034】
コイル体5は、励磁コイル5aと、この励磁コイル5aを保持する磁性体コア5bを有する。また、コイル体61,62(コイル体6)は、それぞれ励磁コイル61a,62a(励磁コイル6a)と、この励磁コイル61a,62aをそれぞれ保持する磁性体コア61b,62bを有する。なお、励磁コイル5a,61aおよび62aの電線の巻き数は、磁性体コア5b,61bおよび62bを備えることにより少なくできる。また、図2(b)に示されるような電線が架空の軸に巻かれ所定の形状(例えばドーナツ形状)のコイル体5、6は、集中的に発生する磁束により、局部的に加熱ローラ2の所定の領域を加熱できる。
【0035】
励磁コイル5a,61aおよび62aは、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、励磁コイルの継ぎ目部分W1、W2において、お互い隣り合うコイルが重なり合うような大きさを有する。この励磁コイル61a,62aは、加熱ローラ2の外側に、コイルの中心が一列に並ぶように(同じ角度位相に)配置され、この励磁コイル5aは、励磁コイル61a,62aのそれぞれの端部61CE,62CEと、両側に位置する端部5CEとがそれぞれ重ならないように、異なる角度位相で配置される。
【0036】
したがって、加熱ローラ2は、軸方向と直交する方向で分割された領域において、励磁コイル5a,61aおよび62aのそれぞれに電力が供給された際、励磁コイル5a,61aの両方から所定の磁界が提供される励磁コイルの継ぎ目部分W1と、励磁コイル5a,62aの両方から所定の磁界が提供される励磁コイルの継ぎ目部分W2を有する。
【0037】
なお、コイル体5,61および62の大きさは、定着装置を使用した際(用紙Pを通過させた際)の結果に基づく温度を評価することで、所定の値に決定される。本実施の例では、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、お互い隣り合うコイルが重なり合う(オーバーラップ)長さL1,L2は、それぞれ10mmである。
【0038】
よって、従来からあるドーナツ形状のコイルを被励磁機構として使用しても、コイルの継ぎ目部分W1,W2における温度低下を防ぐことができる。
【0039】
本実施の例は、図2(b)および図2(c)からもわかるように、コイル5a,61aおよび62aは、加熱ローラ2の外周面に沿って平面的に巻かれる電線材からなるコイル中央部CCと、外側に等分布の曲率で曲がっている電線材からなるコイル端部CEを含む。従って、コイル中央部CCは加熱ローラ2に所定の方向の磁界を提供できるのに対して、コイル端部CEは、提供される磁界の方向が一定でなく、これに起因して、提供される磁界の強さが不均一となり、加熱ローラ2の表面温度も不均一になることを改善するものである。
【0040】
なお、励磁コイル5a,6aの電線としては、表面が絶縁処理された複数の電線を束ねたリッツ線を用いる。このリッツ線により形成される励磁コイル5a,6aは、交流電流を供給された場合であっても有効に磁界を発生できる。本実施例では、表面を耐熱性のポリアミドイミドを用いて絶縁処理された、直径0.5mmの銅線材を16本束ねたリッツ線を用いる。
【0041】
次に、図3を用いて、定着装置に適用可能な電気回路の構成および、この定着装置を動作させる方法について説明する。この電気回路は、コイル電流制御回路200と、整流回路25と、商用交流電源26と、入力電力モニタ27と、CPU28と、サーミスタ31,32を有する。
【0042】
コイル電流制御回路200は、励磁コイル5a,61aおよび62aを含む。
【0043】
励磁コイル5aには、共振用のコンデンサ21が並列に接続され、第1の共振回路を構成する。この第1の共振回路には、スイッチング素子23が直列に接続され、第1のインバータ回路を構成する。
【0044】
また、励磁コイル61a,62aが、直列に接続され電気的に1つコイルである、励磁コイル6aには、共振用のコンデンサ22が並列に接続され、第2の共振回路を構成する。この第2の共振回路には、スイッチング素子24が直列に接続され、第2のインバータ回路を構成する。なお、スイッチング素子23,24としては、高耐圧・大電流で利用可能なIGBTやMOS−FET等が用いられる。
【0045】
この第1,2のインバータ回路には、整流回路25によって平滑化された商用交流電源26からの直流電流が供給される。なお、整流回路25と商用交流電源26との間には、商用交流電源26から提供される電流および電圧の積である入力電力PIがモニタされる入力電力モニタ27が接続されている。
【0046】
入力電力モニタ27は、商用交流電源26と接続されるトランス(変圧器)27aと、トランス27aから送伝される入力電力PIを検出する入力電力検出回路27bを含む。入力電力検出回路27bはCPU28と接続され、トランス27aにより検出された入力電力PIの情報がフィードバックされる。
【0047】
CPU28は、スイッチング素子23の制御端子との間に、駆動回路(IGBT駆動回路)29が、スイッチング素子24の制御端子との間には駆動回路(IGBT駆動回路)30が接続される。このIGBT駆動回路29、30がCPU28によって動作されることにより、励磁コイル5a,6aに高周波電流が流れ、所定の磁界を発生させる。この所定の磁界が加熱ローラ2に提供されることにより、加熱ローラ2に渦電流が発生し、励磁コイル5aにより加熱ローラ2の所定領域2A(中央領域)が、励磁コイル6aにより加熱ローラ2の所定領域2B(端領域)が、それぞれ発熱する。加熱ローラ2の所定領域2A,2B付近には、加熱ローラ2の表面温度を検知するためのサーミスタ31,32が配置される。
【0048】
サーミスタ31,32は、CPU28と接続され、加熱ローラ2の表面温度としての温度検出信号(電圧値)を出力する。この温度検出信号に応じてCPU28は、動作させるIGBT駆動回路29,30を選択的に切り替えられる。たとえば、サーミスタ31の温度がサーミスタ32の温度に比べて所定温度低くなった場合、加熱ローラ中央部2Aを加熱させるため、励磁コイル5aが接続されている駆動回路29を駆動させる。また、サーミスタ32の温度がサーミスタ31の温度に比べて所定温度低くなった場合、加熱ローラ端部2Bを加熱させるため、励磁コイル6aが接続されている駆動回路30を駆動させる。よって、加熱ローラ2の中央領域2Aと端領域2Bとが交互に加熱される。
【0049】
次に、図3に示した回路を参照して定着装置を動作させる方法の一例について説明する。
【0050】
CPU28は、所定の割合(時間の比率)で交互に励磁コイル5a,6aに電流あるいは電圧(以下この電流と電圧の積であるコイル出力電力と記す)を供給するよう、IGBT駆動回路29,30に指示する。例えば、IGBT駆動回路29により励磁コイル5aに電力が供給される時間を2と、IGBT駆動回路30により励磁コイル6aに電力が供給される時間を1とし、用紙Pがより多く通過する加熱ローラ2の中央部が加熱される時間比率を大きくする。IGBT駆動回路29、30は、CPU28により指示されるタイミングおよび周波数で、スイッチング素子23、24の制御端子に、ON/OFF信号としての駆動電圧を交互に供給する。
【0051】
たとえば、駆動電圧が供給された一方のスイッチング素子23は、ONし、駆動電圧が供給されない他の一方のスイッチング素子24はOFFする。
【0052】
IGBT駆動回路29によりスイッチング素子23がONされると、励磁コイル5aに駆動電圧の周波数に応じた所定の電力(本実施の例では周波数20〜50kHzの範囲の高周波数電流を含む)が整流回路25から供給される。励磁コイル5aは、供給された電力に応じた磁界を発生させる。この磁界が提供されることにより、励磁コイル5a付近の加熱ローラ2の所定領域2Aには渦電流が流れ、加熱ローラ2はジュール熱により発熱する。なお、駆動回路30によりスイッチング素子24がONされたときも、同様にして、加熱ローラ2の所定領域2Bが発熱する。
【0053】
加熱ローラ2は加熱される際、駆動モータ(図示せず)により回転されるため、励磁コイル5a,6a付近の加熱ローラ2の所定領域2A,2Bの周面方向において、加熱ローラ2の表面の温度分布を均一にできる。
【0054】
また、加熱ローラ2と加圧ローラ3の間を通過する用紙Pのサイズに応じて、加熱ローラ2の中央領域に配置される励磁コイル5aと、加熱ローラ2の端領域に配置される6aとに電力を供給するタイミングを選択的に切り替えることにより、加熱ローラ2の表面を均一に発熱できる。
【0055】
具体的には、A4サイズ、A3サイズ等の長い方の辺が加熱ローラ2の長手方向と平行に通過されている場合、および加熱ローラ2の長手方向の通紙領域と同じ長さの一辺を有するフルサイズ紙が通過されている場合は、加熱ローラ2の中央に位置する励磁コイル5bと、端に位置する励磁コイル6bは、ともに概ね等しい割合で電力が供給される。
【0056】
一方、はがき等の小サイズ紙が通過されている場合、およびA4サイズの短い方の辺が加熱ローラ2の長手方向と平行に通過されている場合は、中央に位置するコイル5aに電力が供給される割合を、端に位置するコイル6aに電力が供給される割合よりも増やす。
【0057】
さらにまた、例えば動作モードに応じて各コイル5a,6aに供給されるコイル出力電力(両コイル5a,6aに供給される電流と電圧の積)の最大値を変化させる場合は、スイッチング素子23、24に供給される駆動電圧の周波数を20〜50kHzの範囲で制御することにより、コイル出力電力は700W〜1500Wの範囲で変化できる。
【0058】
なお、図3に示した加熱ローラ2を発熱させるための電気回路は、上に説明する構成に限られず、スイッチング素子23、24に供給される駆動電圧の周波数をそれぞれ独立に変化させるハーフブリッジダイプの回路やあるいは準E級回路等、また、駆動回路としてPWM(pulse width 変調)を用いるものであってもよい。
【0059】
次に、図3に示した回路を参照して定着装置を動作させる方法の他の例について説明する。
【0060】
図4は、図3を用いて説明した定着装置を動作させる方法と異なる例を説明するフローチャートである。
【0061】
図3を用いた説明では、励磁コイル5a,6a(61aおよび62aを含む)に電力を供給する際、どちらか一方の励磁コイル5aに電力が供給されているときに、もう一方の励磁コイル6aには電力を供給させない方式を用いているが、ここでは両方の励磁コイル5a,6aに同時に電力を供給する制御方式について説明する。
【0062】
図3に示されるように、CPU28により商用電源26から励磁コイル5aに供給される中央コイル出力電力P(5a)と、励磁コイル6aに供給される端部コイル出力電力P(6a)の和である総コイル出力電力P(5a+6a)を例えば900Wとする。すなわち、所定の総コイル出力電力P(5a+6a)が、所定の割合で励磁コイル5a,61aおよび62aに割り振られ、同時に供給される。このとき、サーミスタ31により、加熱ローラ2の所定領域2A(加熱ローラ2の中央に位置する励磁コイル5a付近)の温度TCが検知され、CPU28にセットされている用紙が通過した際にトナーを定着可能な待機温度TS、例えば160℃、と比較される(S1)。
【0063】
待機温度TSに比べサーミスタ31で検知された温度TCの方が低い場合(S1−YES)、サーミスタ31で検知された温度TCは、さらに、サーミスタ32により検知される加熱ローラ2の所定位置2B、加熱ローラ2の端領域に位置する励磁コイル6a付近、の温度TEと比較される(S2)。なお、サーミスタ31で検知された温度TCが待機温度TS以上である場合は(S1−NO)、ステップS1を終了する。
【0064】
加熱ローラ2の中央領域の温度TCに比べて端領域の温度TEの方が高い場合(S2−NO)、温度TC,TEの差分が第1の所定温度、例えば5℃、以内であるか否かが判断され(S3)、5℃以内であった場合、励磁コイル5a、6aにはそれぞれ同じ値(同じ割合)の電力が供給される(S3−YES)。すなわち、総コイル出力電流量900Wは5対5の割合で割り振られ、中央コイル5aおよび端部コイル6aにはそれぞれ、450Wの電力が供給される。
【0065】
温度TC,TEの温度差が5℃より大きい場合(S3−NO)、さらに、温度TC,TEの差分が第2の所定温度(例えば10℃)以内であるか否かが判断され(S4)、10℃以内であった場合、中央コイル5aに出力される電力の割合を端部コイル6aに出力される電力の割合をより多くする(S4−YES)。すなわち、総出力電力900Wが5対4の割合で割り振られ、中央コイル5aには500Wの電力が、端部コイル6aには400Wの電力が供給される。
【0066】
温度TC,TEの温度差が10℃より大きい場合(S4−NO)、中央コイル5aに出力される電力の割合をより多くする。すなわち、総コイル出力電力900Wは2対1の割合で割り振られ、中央コイル5aには600Wの電力が、端部コイル6aには300Wの電力が供給される。
【0067】
一方、ステップS2に戻って、加熱ローラ2の端領域の温度TEに比べて中央領域の温度TCの方が高い場合(S2−YES)、ステップ3と同様にして温度TC,TEの差分が第1の所定温度(例えば5℃)以内であるか否かが判断され(S5)、5℃以内であった場合、励磁コイル5a,6aにはそれぞれ同じ値の電力が供給される(S5−YES)。すなわち、総コイル出力電力900Wは5対5の割合で割り振られ、中央コイル5aおよび端部コイル6aにはそれぞれ、450Wの電力が供給される。
【0068】
温度TC,TEの温度差が5℃より大きい場合(S5−NO)は、ステップS4と同様にして温度TC,TEの差分が第2の所定温度、例えば10℃、以内であるか否かが判断され(S6)、10℃以内であった場合、端部コイル6aに出力される電力の割合を中央コイル5aに出力される電力の割合をより多くする(S6−YES)。すなわち、総コイル出力電力900Wが5対4の割合で割り振られ、端部コイル6aには500Wの電力が、中央コイル5aには400Wの電力が供給される。
【0069】
温度TC,TEの温度差が10℃より大きい場合(S6−NO)、端部コイル6aに出力される電力の割合をより多くする。すなわち、総コイル出力電力900Wは2対1の割合で割り振られ、端部コイル6aには600Wの電力が、中央コイル5bには300Wの電力が供給される。
【0070】
なお、ステップ1で設定される総コイル出力電力P(5a+6a)の値は、定着装置の動作モードに応じて所定の値が選択される。例えば、ウォームアップ動作モードの際は1200W、加熱ローラ2と加圧ローラ3との間を用紙Pが通過する際の通紙モードの際は900W、レディー動作モードの際は700Wと、それぞれセットできる。
【0071】
よって、加熱ローラ2の長手方向において温度の差が生じた場合であっても、励磁コイル5a,6aに供給される電力の総和は変わらないため、誘導加熱のための電力が効率的に利用できる。
【0072】
この制御方法では、加熱ローラ2の端領域の温度TEおよび中央領域の温度TCのうち、温度の低い方に対応するコイルに対して出力される電力を、温度の低い方の電力より大きいため、両コイルの温度差が縮まる方に収束し、加熱ローラ2の長手方向の温度分布を一定に維持できる。
【0073】
なお、中央部、端部コイルに供給される電力の割合と第1、2の所定温度の応じた所定の値は、CPU28に接続される記憶部28a等に保存され、任意に設定される。
【0074】
次に、図5(a)ないし(c)は、図2(a)ないし(c)を用いて説明したコイル体5,6と異なる例を説明する。なお、図4(b)は、図4(a)の矢印P方向から見た概略視斜図であり、図4(c)は、図4(a)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。
【0075】
図5(b)および図5(c)に示されるように、加熱ローラ2の外側には、加熱ローラ2の中央領域(用紙Pの通過する頻度の高い領域)を加熱するコイル体105と、加熱ローラ2の両方の端領域を加熱するコイル体106(161および162を含む)とが、加熱ローラ2の軸方向に一列で配置される。なお、コイル体5,6と同じ構成についての詳細な説明は省略する。
【0076】
コイル体105,161および162はそれぞれ励磁コイル105a,161aおよび162aと、この励磁コイル105a,161aおよび162aをそれぞれ保持する磁性体コア105b,161bおよび162bとを有する。
【0077】
励磁コイル105aは、励磁コイルの継ぎ目部分W11,W12に位置される、所定の角度θ2を有する尖端部105CEを、両端に有する。なお、励磁コイル105aは、図5(b)に示すように台形状のもの限られず、平行四辺形状に形成されてもよい。
【0078】
励磁コイル161a,162aは、加熱ローラ2の外側に、コイルの中心と励磁コイル105aの中心が一列に並ぶように(同じ角度位相に)配置される。励磁コイル161a,162aも励磁コイル105aと同様に、励磁コイルの継ぎ目部分W11,W12に配置される、所定の角度θ2を有する尖端部161CE、162CEを有する。
【0079】
従って、図2(a)ないし(c)を用いた説明と同様に、加熱ローラ2は、軸方向と直交する方向で分割された領域において、所定のコイル出力電力がそれぞれの励磁コイル105a,161aおよび162aに供給された場合、軸方向と直交する方向で分割された領域において、励磁コイル105a,161aの両方から所定の磁界が提供される継ぎ目部分W11と、励磁コイル105a,162aの両方から所定の磁界が提供される継ぎ目部分W12を有する。
【0080】
よって、コイルの継ぎ目部分W11,W12において、隣り合う励磁コイルからそれぞれ磁界が提供される領域が重なり合っている(オーバーラップしている)ため、温度低下を防ぐことができ、加熱ローラ2の長手方向の温度分布を均一にできる。
【0081】
なお、角度θ2は、定着装置を使用した際(用紙Pを通過させた際)の結果に基づき温度が評価されることで、所定の値に決定される。なお、本実施の例では、70度である。
【0082】
よって、たとえば、内側に励磁コイルを配置できない図1に示すような加熱ローラ2を備える定着装置においても、励磁コイルの配置されるスペース(加熱ローラ2に対する励磁コイルの配置占有領域)は、励磁コイルが一列に配置される加熱ローラ2の軸方向に分割された所定の領域に抑えることができる。
【0083】
図6(a)ないし(d)は、図2(a)ないし(c)を用いて説明したコイル体5,6とさらに異なる例を説明する概略図である。なお、図6(a)は、図6(c)の矢印P方向から見た概略視斜図であり、図6(b)は、図6(c)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。
【0084】
図6(a)および図6(b)に示されるように、加熱ローラ2の外側には、加熱ローラ2の中央領域(用紙Pの通過する頻度の高い領域)を加熱するコイル体205と、加熱ローラ2の両方の端領域を加熱するコイル体206とを有する。コイル体206は、加熱ローラ2の一方の端を加熱するコイル体261と、加熱ローラ2の他の端を加熱するコイル体262とを含み、コイル体261,262は直列に接続され、電気的に1つのコイルである。なお、コイル体5,6と同じ構成についての詳細な説明は省略する。
【0085】
コイル体205,261および262は、励磁コイル205a,261aおよび262aと、この励磁コイル205a,261aおよび262aをそれぞれ保持する磁性体コア205b,261bおよび262bとを有する。
【0086】
励磁コイル205a,261aおよび262aとしては、例えば、図2(b)および図2(c)で説明した、励磁コイルの継ぎ目部分W1,W2においてお互い隣り合うコイルが重なり合うような大きさを有する励磁コイル5a,61aおよび62aを利用できる。
【0087】
隣り合う励磁コイル205aの一方の端部205CEと、励磁コイル261aの一方の端部261CEは、接触しないように、励磁コイルの中央部と端部の境目に位置する折り曲げ線部で折られ、約90度加熱ローラ2と反対側(磁性体コア側)に向かって立ち上げられる。また、隣り合う励磁コイル205aの他の端部205CEと、励磁コイル262aの一方の端部262CEも同様に、折り曲げ線部で折られ、約90度加熱ローラ2と反対側(磁性体コア側)に向かって折り曲げられる。
【0088】
隣り合う励磁コイル205aと261aは、折り曲げられた側の端205CEと261CEが接触しない程度に近接して、コイルの中心が一列に並ぶように(同じ角度位相で)加熱ローラ2の外側に配置される。また、隣り合う励磁コイル205a,262aも同様に、接触しない程度に近接して、コイルの中心が一列に並ぶように(同じ角度位相で)加熱ローラ2の外側に配置される。よって、それぞれのコイル体が有する磁性体コア205b,261bおよび262bも近づくため、コイル間における磁束強度を強めることができる。
【0089】
なお、励磁コイルの継ぎ目部分W21,W22には、図6(d)に示されるように磁気遮蔽板65が配置されてもよい。この磁気遮蔽板65を用いることにより、全ての励磁コイル205a,261aおよび262aに同時に電力が供給された場合にそれぞれの励磁コイルの端部205CEおよび261CE(205CEおよび262CE)で生じる相互誘導による温度変動を防止できる。
【0090】
本実施の例では、電力が供給された際に発生する磁界の強度がより弱いコイル端部(端部205CE,261CEおよび262CE)を、加熱ローラ2と反対側に折り曲げることにより、発生する磁界の強度がより強いコイル中央部(中央部205CC,261CCおよび262CC)からの磁界を、加熱ローラ2に提供できる。従って、均一に磁界を発生できるコイル中央部が近接して向かい合う加熱ローラ2は、長手方向の温度分布も均一になる。
【0091】
また、図2(a)ないし(c)を用いて説明したコイル体5,6とさらに異なる例を説明する。
【0092】
図7(a)および図7(b)に示されるように、加熱ローラ2の外側には、加熱ローラ2の中央部分(用紙Pの通過する頻度の高い領域)を加熱するコイル体305と、加熱ローラ2の両端を加熱するコイル体306とを有する。コイル体306は、加熱ローラ2の一方の端を加熱するコイル体361と、加熱ローラ2の他の端を加熱するコイル体362とを含み、コイル体361,362は直列に接続され、電気的に1つのコイルである。なお、コイル体5,6と同じ構成についての詳細な説明は省略する。
【0093】
コイル体305,361および362は、励磁コイル305a,361aおよび362aと、この励磁コイル305a,361aおよび362aをそれぞれ保持する磁性体コア305b,361bおよび362bとを有する。
【0094】
励磁コイル305a,361aおよび362aは、励磁コイル205a,261aおよび262aと同様、励磁コイルの継ぎ目部分W31,W32においてお互い隣り合うコイルが重なり合うような大きさを有する。
【0095】
励磁コイル305a,361aおよび362aは、加熱ローラ2の外側に一列に(同じ角度位相で)配置される。このとき、励磁コイル361aの一方の端部361CEは、隣り合う励磁コイル305aの一方の端部305CEと接触しないように、加熱ローラ2と反対側(磁性体コア側)に向かって曲げられる。また、励磁コイル362aの一方の端部362CEも同様に、隣り合う励磁コイル305aの他の端部305CEと接触しないように、加熱ローラ2と反対側(磁性体コア側)に向かって曲げられる。
【0096】
すなわち、励磁コイル361aの一方の端部361CEと、励磁コイル362aの一方の端部362CEは、まず、仮想線X1で紙面(図7(b)参照)において上側に曲げられる。その後励磁コイル361は、仮想線X2で紙面においてコイル先端が右側に向かって、曲げられ、励磁コイル362は、仮想線X2で紙面においてコイル先端が左側に向かって、曲げられる。従って、励磁コイル361,362は、励磁コイル305aと、接触しない状態で重なり合っている。
【0097】
よって、図2(a)ないし(c)を用いた説明と同様にして、励磁コイルの継ぎ目部分W31,W32は、軸方向と直交する方向で分割された領域において、隣り合う励磁コイル305aおよび261a(あるいは隣り合う励磁コイル305aおよび362a)の両方から所定の磁界の影響を受けられる。
【0098】
図8(a)ないし(c)は、図2(a)ないし(c)を用いて説明したコイル体とさらに異なる例を説明する概略図である。なお、図8(a)は、図8(b)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。
【0099】
図8(a)に示されるように、加熱ローラ2の外側には、加熱ローラ2の中央領域(用紙Pの通過する頻度の高い領域)を加熱するコイル体405と、加熱ローラ2の両方の端領域を加熱するコイル体406とを有する。コイル体406は、加熱ローラ2の一方の端領域を加熱するコイル体461と、加熱ローラ2の他の端領域を加熱するコイル体462とを含み、コイル体461、462は直列に接続され、電気的に1つのコイルである。なお、コイル体5、6と同じ構成についての詳細な説明は省略する。
【0100】
コイル体405,461および462は、励磁コイル405a,461aおよび462aと、この励磁コイル405a,461aおよび462aをそれぞれ保持する磁性体コア405b,461bおよび462bとを有する。
【0101】
励磁コイル405a,461aおよび462aは、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、励磁コイルの継ぎ目部分W41,W42において、お互い隣り合うコイルと重ならないような大きさを有する。隣り合う励磁コイル405aの一方の端部405CEと、励磁コイル461aの一方の端部461CEは、加熱ローラ2の長手方向で均一の磁界を供給できるコイル中央部に比べて、加熱ローラ2の外周面により近づくように、加熱ローラ2の方に向かって曲げられている。
【0102】
すなわち、それぞれの励磁コイルの中央部405CC,461CCおよび462CCは、加熱ローラ2の表面とあいだに間隔Y1を有して配置される。これに対して、それぞれの励磁コイル端部405CE,461CEおよび462CEは、加熱ローラ2の表面とあいだに、間隔Y1の長さよりも短い間隔Y2を有して配置される。
【0103】
同様に、隣り合う励磁コイル405aの一方の端部405CEと、励磁コイル462aの一方の端部462CEも、加熱ローラ2の表面とのあいだに間隔Y1の長さよりも短い間隔Y2を有するように、加熱ローラ2の方に向かって曲げられている。
【0104】
よって、加熱ローラ2とコイルと距離がより短いそれぞれの励磁コイルの端部405CE,461CEおよび462CEは、加熱ローラ2とコイルと距離がより長い中央部405CC,461CCおよび462CCに比べ、加熱ローラ2に供給される磁界の浪費が少なくなる。従って、加熱ローラ2の長手方向において、供給される磁界を均一にできるため、コイルの継ぎ目部分W41およびW42における温度の低下を改善できる。
【0105】
また、図8(a)に示されるように、加熱ロ−ラ2の長手方向の端に位置する励磁コイル461a,462aの端部は、端部461CE,462CEと同様に、加熱ローラ2側に向かって曲げられてもよい。これにより、加熱ローラ2の端部での熱の逃げによる温度低下を改善できる。
【0106】
なお、励磁コイル405a,461aおよび462aの端部405CE,461CEおよび462CEは、図8(c)に示されるように、加熱ローラ2の外周面に沿って所定の曲率を有するように、加熱ローラ2の外周方向に曲げられてもよい。
【0107】
この曲げられた部分は、曲げられてない部分に比べ、加熱ローラ2に近接して配置されるため、加熱ローラ2に供給される磁界の浪費が少なくできる。
【0108】
これに起因して、たとえば上に説明した図2の励磁コイル5a,61aおよび62a、図5の105a,161aおよび162a、図6の205a,261aおよび262a、図7の305a,361aおよび362a、後に説明する図10の505a,506a等は、図8(c)に示されるように加熱ローラ2の外周面に沿って所定の曲率を有するように、コイルの加熱ローラ2の軸方向全体にわたって、加熱ローラ2の外周方向に曲げられてもよい。これにより、より効率よく加熱ローラ2に磁界を供給できる。
【0109】
なお、上に説明する実施の形態は、図9(a)に示されるような、加熱ローラ2用紙通過可能な領域Rのうち用紙の中心が通過可能な領域R1が、加熱ローラ2の中央に設定され、この領域R1の両側に余裕領域R2、R3が設定されるタイプの定着装置について説明した。なお、この領域R1は、たとえば、A4サイズの短い方の辺の長さやはがき等の小サイズ紙の大きさに応じて決定され、加熱ローラ2において用紙が通過される頻度が高い領域であり、余裕領域R2、R3は、A4サイズ、A3サイズ等の大サイズ紙が通過する領域であって、領域R1に比べて用紙が通過する頻度は低くなる。
【0110】
しかし、本願発明はこれに限られるものではなく、図9(b)に示されるような、加熱ローラ2用紙通過可能な領域Rのうち用紙の中心が通過可能な領域R11が、加熱ローラ2の長手方向の一方の端に揃えて設定され、この領域R11の隣に余裕領域R12が設定されるタイプの定着装置であってもよい。
【0111】
この領域R11,R12を有する定着装置は、図1に示される定着装置同様に、加熱ローラ2と、加圧ローラ3と有し、加熱ローラ2の外側に領域R11(用紙Pの通過する頻度の高い領域)と向かい合って配置されるコイル体505と、加熱ローラ2の外側に領域R12と向かい合って配置されるコイル体506をさらに有する。
【0112】
コイル体505、506は、図2(a)で説明したコイル体5,6と同様に、加熱ローラ2の軸方向から見た状態で、コイル体505,506の中心と加熱ローラ2の軸を結ぶ仮想線5L,6Lで作られる角度θ1は、少なくとも0℃より大きい。図10(a)は、角度θ1が90度であるコイル体505,506と加熱ローラ2との関係を示す図であって、図10(b)は、図10(a)の矢印P方向から見た概略視斜図であり、図10(c)は、図10(a)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。
【0113】
コイル体505は、励磁コイル505aと、この励磁コイル505aを保持する磁性体コア505bを有し、コイル体506は、励磁コイル506aと、この励磁コイル506aを保持する磁性体コア506bを有する。
【0114】
励磁コイル505a,506aは、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、励磁コイルの継ぎ目部分W51において、隣り合うコイルが重なり合うような大きさを有する。励磁コイル505aは、励磁コイル506aの端部506CEと、端部505CEとが重ならないように、異なる角度位相で配置される。
【0115】
したがって、加熱ローラ2は、軸方向と直交する方向で分割された領域において、電力がそれぞれの励磁コイル505a,506aに供給された際、励磁コイル505a,506aの両方から所定の磁界が提供される励磁コイルの継ぎ目部分W51を有する。
【0116】
なお、コイル体505,506の大きさは、定着装置を使用した際(用紙Pを通過させた際)の結果に基づく温度を評価することで、所定の値に決定される。本実施の例では、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、隣り合うコイルが重なり合う長さL51は、それぞれ10mmである。
【0117】
次に、図11を用いて、定着装置に適用可能な電気回路の構成および、この定着装置を動作させる方法について説明する。なお、この電気回路は、コイル電流制御回路300を有し、図3に示した回路と、コイル電流制御回路200を除いて同じ構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0118】
コイル電流制御回路300は、加熱ローラ2の領域R11に所定の磁界を供給する励磁コイル505aと、加熱ローラ2の領域R12に所定の磁界を供給する励磁コイル506aを含む。すなわち、励磁コイル505aの一方の端は、加熱ローラ2の長手方向の一方の端に揃えて配置され、加熱ローラ2用紙通過可能な領域Rのうち用紙の中心が通過可能な領域R11と向かい合って配置され、励磁コイル506aは、励磁コイル505aの隣に配置されている。
【0119】
励磁コイル505aには、共振用のコンデンサ21が並列に接続され、スイッチング素子23が直列に接続されている。また、励磁コイル506aには、共振用のコンデンサ22が並列に接続され、スイッチング素子24が直列に接続されている。
【0120】
この定着装置には、図3,4を用いて説明した定着装置を動作させる方法と同様の方法が適用できる。
【0121】
すなわち、所定の割合(時間の比率)で、励磁コイル505a、506aに交互に電力を供給する方法や、図4に示すように所定の電力を励磁コイル505a、506aに同時に供給する方法等が適用できる。
【0122】
従って、いずれの方法を用いても、上に説明したとおり、励磁コイル505a、506aから供給される磁界の強度を均一にし、加熱ローラ2の長手方向の温度分布を均一にできる。
【0123】
また、上に説明する実施の形態は、図1に示されるような、加熱ローラ2の内側に発泡ゴム2b等が配置されるタイプの定着装置について説明したが、本願発明はこれに限られるものではなく、図12に示すような定着装置であってもよい。この定着装置は、加熱部材2´と、加熱部材2´の所定の位置に配置されるコイル体605、606を有し、図。1に示した定着装置と、加熱部材2を除いて同じ構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0124】
加熱部材(加熱ローラ)2´は、例えばニッケル、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、ステンレス鋼とアルミニウムとの合金あるいは鉄等の導電性材料を用いて、所定の円周を有する円筒状に形成された無端ベルトであって、所定の硬性を有し、外力により所定の形状で維持ものである。
【0125】
コイル体605は、加熱ローラ2´の内側に配置され、コイル体606は、加熱ローラ2´の外側に配置される。なお、励磁コイルの導電線の露出している面が、加熱ローラ2´と向かい合うように配置されることはいうまでもない。
【0126】
コイル体605,606は、図2(a)で説明したコイル体5,6と同様に、加熱ローラ2の軸方向から見た状態で、コイル体605,606の中心と加熱ローラ2の軸を結ぶ仮想線15L,16Lで作られる角度θ3が、90度であるコイル体605,606と加熱ローラ2との関係を図13(a)に示す。図13(b)は、図13(a)の矢印P方向から見た概略視斜図であり、図13(c)は、図13(a)の矢印Q方向から見た概略視斜図である。なお、コイル体606は、直列に接続されるコイル体661および662を有し、電気的には1つのコイルである。なお、角度θ3は、これに限らず、たとえば0度であってもよい。
【0127】
コイル体605は、励磁コイル605aと、この励磁コイル605aを保持する磁性体コア605bを有し、コイル体661および662は、励磁コイル661aおよび662aと、この励磁コイル661aおよび662aを保持する磁性体コア661bおよび662bを有する。
【0128】
励磁コイル605a,661aおよび662aは、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、励磁コイルの継ぎ目部分W61,W62において、隣り合うコイルが重なり合うような大きさを有する。
【0129】
励磁コイル661aおよび662aは、加熱ローラ2の外側に、コイルの中心が一列に並ぶように(同じ角度位相に)、配置され、励磁コイル605は、加熱ローラ2の内側に、継ぎ目部分W61,W62において、励磁コイル661aおよび662aと重なるように配置される。
【0130】
したがって、加熱ローラ2は、軸方向と直交する方向で分割された領域において、励磁コイル605a,661aおよび662aのそれぞれに電力が供給された際、励磁コイル605aおよび661aの両方から所定の磁界が提供される励磁コイルの継ぎ目部分W61と、励磁コイル605aおよび662aの両方から所定の磁界が提供される励磁コイルの継ぎ目部分W62を有する。
【0131】
なお、励磁コイル605a,661aおよび662aの大きさは、定着装置を使用した際(用紙Pを通過させた際)の結果に基づく温度を評価することで、所定の値に決定される。本実施の例では、加熱ローラ2の外側に一列に並べた場合、隣り合うコイルが重なり合う長さL61,L62は、それぞれ10mmである。
【0132】
なお、以上説明したような定着装置、定着装置に設けられる励磁コイルおよび定着装置の制御方法は、任意に組み合わせ可能である。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本願発明の定着装置は、加熱ローラのコイルの継ぎ目部分における温度低下を防ぐことにより、加熱ローラの長手方向における温度分布を均一にでき、良好な画像を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の定着装置の一例を示す概略図。
【図2】図1に示した定着装置に利用可能な被励磁機構(コイル体)の一例を説明する概略図。
【図3】図1に示した定着装置の制御系を説明するブロック図。
【図4】図2に示した定着装置の制御方法の一例を説明するフローチャート。
【図5】図2に示す被励磁機構と異なる例を説明する概略図。
【図6】図2に示す被励磁機構とさらに異なる例を説明する概略図。
【図7】図2に示す被励磁機構とさらに異なる例を説明する概略図。
【図8】図2に示す被励磁機構とさらに異なる例を説明する概略図。
【図9】この発明の定着装置に適用可能な通紙タイプを説明する視斜図。
【図10】図9(b)に示した定着装置に利用可能な被励磁機構の一例を説明する概略図。
【図11】図9(b)および図10に示した定着装置の制御系を説明するブロック図。
【図12】図1に説明した定着装置とさらに異なる例を説明する概略図。
【図13】図12に示した定着装置に利用可能な被励磁機構の一例を説明する概略図。
【符号の説明】2・・・加熱ローラ、3・・・加圧ローラ、5,6・・・被励磁機構、5a,61aおよび62a・・・励磁コイル。

Claims (19)

  1. 所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、
    上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、
    上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、
    上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して前記第1の被励磁機構と異なる角度位相で配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構とを有することを特徴とした定着装置。
  2. 前記第1,2の被励磁機構は、複数のコイルを含み、
    上記複数のコイルのうち少なくとも1つは、上記加熱部材の外側に配置されていることを特徴とした請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記加熱部材は、軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、前記第1,2の被励磁機構の両方からの上記所定の磁界がそれぞれ供給可能な領域を有することを特徴とした請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記第1,2の被励磁機構は、所定の位置に磁性体を有することを特徴とした請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記第1の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して中央に配置され、上記加熱部材の軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、加熱部材と加圧部材の間を通過される被転写材が接触する頻度が高い領域に、所定の磁界を供給する第1のコイルを有し、
    前記第2の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して一方の端に配置される第2のコイルと、上記加熱部材の長手方向に対して他方の端に配置される第3のコイルとを有し、
    上記第2,3のコイルは、電気的に直列に接続され、上記第2の電力が供給されることを特徴とした請求項1に記載の定着装置。
  6. 所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、
    上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、
    上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第1の被励磁機構と、
    上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構と上記加熱部材の軸方向に一列に並べて配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルをすくなくとも1つ以上含む第2の被励磁機構とを有し、
    上記加熱部材は、軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、前記第1、2の被励磁機構の両方からの上記所定の磁界がそれぞれ供給可能な領域を有することを特徴とする定着装置。
  7. 前記第1,2の被励磁機構は、所定の位置に磁性体を有することを特徴とした請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記第1の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して中央に配置され、上記加熱部材の軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、加熱部材と加圧部材の間を通過される被転写材が接触する頻度が高い領域に、所定の磁界を供給する第1のコイルを有し、
    上記第1のコイルは、電線が架空の軸に巻かれ台形状,あるいは平行四辺形状に形成され,上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる平行電線部と,上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される平行電線部をつなぐ折り返し電線部とを含み、上記平行電線部と所定の角度で交わる第1、2の直線部を有し、
    前記第2の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して一方の端に配置される第2のコイルと、上記加熱部材の長手方向に対して他方の端に配置される第3のコイルとを有し、
    上記第2のコイルは、上記第1の直線部と平行に隣接する第3の直線部を有し、上記第2の電力が供給され、
    上記第3のコイルは、上記第2の直線部と平行に隣接する第4の直線部を有し、上記第2のコイルと電気的に直列に接続されることを特徴とした請求項6に記載の定着装置。
  9. 所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、
    上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、
    上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、
    上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構に隣接して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構を有することを特徴とする定着装置。
  10. 前記第1の被励磁機構は、上記加熱部材の軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、加熱部材と加圧部材の間を通過される被転写材が接触する頻度が高い領域に、所定の磁界を供給する第1のコイルを少なくとも1つ以上含み、
    前記第2の被励磁機構は、上記第1のコイルの第1の端部と接触しない程度に隣接する第2の端部を有する第2のコイルを少なくとも1つ以上含み、
    少なくとも上記第1の端部もしくは上記第2の端部の一方は、上記加熱部材と反対側に向かって傾けられていることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 上記第1,2のコイルは、所定の位置に磁性体を有することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  12. 上記第1,2のコイルは、上記加熱部材の軸方向に一列に並べて配置されることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  13. 上記第1のコイルは、上記加熱部材の長手方向に対して中央に配置され、第1の中央部と、この第1の中央部の両端に形成される上記第1の端部を有し、
    第1の折り曲げ線部は、上記第1の端部と上記第1の中央部との境に形成され、
    上記第1の端部は、電線が架空の軸に巻かれ所定の形状に形成され、上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる第1の平行電線部と、上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される第1の平行電線部をつなぐ第1の折り返し電線部とを含む上記第1のコイルのうち、カーブしている上記第1の折り返し電線部からなり、上記折り曲げ線部で上記加熱部材と反対側に少なくとも90度以上折り曲げられ、
    上記第1の中央部は、上記第1の平行電線部からなり上記加熱部材の軸方向で均一な磁界を発生でき、
    前記第2のコイルは、上記加熱部材の長手方向に対して一方の端に配置される第3のコイルと、上記加熱部材の長手方向に対して他方の端に配置され、上記第3のコイルと電気的に直列に接続されている第4のコイルとを有し、
    上記第3のコイルは、第3の中央部と、この第3の中央部の一方の端のうち上記第1のコイルの上記第1の端部と隣接する側に形成される上記第3の端部を有し、
    第2の折り曲げ線部、上記第3の端部と上記第3の中央部との境に形成され、
    上記第3の端部は、電線が架空の軸に巻かれ所定の形状に形成され、上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる第2の平行電線部と、上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される第2の平行電線部分をつなぐ第2の折り返し電線部とを含む上記第3のコイルのうちカーブしている上記第2の折り返し電線部からなり、上記折り曲げ線部で上記加熱部材と反対側に少なくとも90度以上折り曲げられ、
    上記第3の中央部は、上記第2の平行電線部からなり上記加熱部材の軸方向で均一な磁界を発生でき、
    上記第4のコイルは、第4の中央部と、この第4の中央部の一方の端のうち上記第1のコイルの上記第1の端部と隣接する側に形成される上記第4の端部を有し、
    第3の折り曲げ線部、上記第4の端部と上記第4の中央部との境に形成され、
    上記第4の端部は、電線が架空の軸に巻かれ所定の形状に形成され、上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる第3の平行電線部と、上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される第3の平行電線部分をつなぐ第3の折り返し電線部とを含む上記第4のコイルのうちカーブしている上記第3の折り返し電線部からなり、上記折り曲げ線部で上記加熱部材と反対側に少なくとも90度以上折り曲げられ、
    上記第4の中央部は、上記第3の平行電線部からなり上記加熱部材の軸方向で均一な磁界を発生できることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  14. 上記加熱部材の軸方向と直交する方向で分割された領域において、上記傾けられている端部と、他の隣接するコイルとが重なる領域を含むことを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  15. 上記第1のコイルは、上記加熱部材の長手方向に対して中央に配置され、
    上記第2のコイルは、上記加熱部材の長手方向に対して一方の端に配置される第3のコイルと、上記加熱部材の長手方向に対して他方の端に配置され、上記第3のコイルと電気的に直列に接続されている第4のコイルとを有し、
    上記第3のコイルは、第3の中央部と、この第3の中央部の一方の端のうち上記第1のコイルの上記第1の端部と隣接する側に形成される上記第3の端部を有し、
    第1の折り曲げ線部は、上記第3の端部と上記第3の中央部との境に形成され、
    上記第3の端部は、電線が架空の軸に巻かれ所定の形状に形成され、上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる第1の平行電線部と、上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される第1の平行電線部をつなぐ第1の折り返し電線部とを含む上記第3のコイルのうち、カーブしている上記第1の折り返し電線部からなり、上記折り曲げ線部で上記加熱部材と反対側に傾けられ、上記第1の端部と接触しないで重なり合っていて、
    上記第3の中央部は、上記第1の平行電線部からなり上記加熱部材の軸方向で均一な磁界を発生でき、
    上記第4のコイルは、第4の中央部と、この第4の中央部の一方の端のうち上記第1のコイルの上記第1の端部と隣接する側に形成される上記第4の端部を有し、
    第2の折り曲げ線部、上記第4の端部と上記第4の中央部との境に形成され、
    上記第4の端部は、電線が架空の軸に巻かれ所定の形状に形成され、上記加熱部材の軸方向に平行に伸びる電線からなる第2の平行電線部と、上記架空の軸をはさんで向かい合って配置される第2の平行電線部分をつなぐ第2の折り返し電線部とを含む上記第4のコイルのうち、カーブしている上記第2の折り返し電線部からなり、上記折り曲げ線部で上記加熱部材と反対側に傾けられ、上記第1の端部と接触しないで重なり合っている、
    上記第4の中央部は、上記第2の平行電線部からなり上記加熱部材の軸方向で均一な磁界を発生できることを特徴とした請求項14に記載の定着装置。
  16. 所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、
    上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、
    上記加熱部材の外側に配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第1の被励磁機構と、
    上記加熱部材の外側に、前記第1の被励磁機構に隣接して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給するコイルを1つ以上含む第2の被励磁機構を有し、
    上記複数のコイルのうち少なくとも1つは、上記加熱部材の外周面と第1の距離を有して配置される中央部と、他のコイルと隣接する付近に位置し上記加熱部材の外周面と上記第1の距離より短い第2の距離を有して配置される端部とを有することを特徴とする定着装置。
  17. 上記コイルの端部は、上記加熱部材の曲率に応じて、外周方向に沿って曲げられていることを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
  18. 上記第1の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して中央に配置され、上記加熱部材の軸方向と直交する方向で分割された領域のうち、加熱部材と加圧部材の間を通過される被転写材が接触する頻度が高い領域に、所定の磁界を供給する第1のコイルを有し、
    上記第2の被励磁機構は、上記加熱部材の長手方向に対して一方の端に配置される第2のコイルと、上記加熱部材の長手方向に対して他方の端に配置され、上記第2のコイルと電気的に直列に接続されている第3のコイルとを有することを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
  19. 所定の磁界が供給されることにより発熱する円筒状の加熱部材と、
    上記加熱部材に所定の圧力を供給する加圧部材と、
    上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第1の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第1の被励磁機構と、
    上記加熱部材の表面と所定の間隔を有して配置され、第2の電力が供給されることにより上記加熱部材に上記所定の磁界を供給する第2の被励磁機構とを有することを特徴とする定着装置。
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