JP2005023488A - 着物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離された前身ごろ部と、前身ごろ部が備える上下それぞれの丈を足した丈に対応する丈を有する後ろ身ごろ部と、を備える身ごろ部と、前記の身ごろ部に連結された左右一対の袖部と、前記の身ごろ部に連結された襟部とを備え、前身ごろ部の下半部には、上前身ごろの下半部及び下前身ごろの下半部を着用するための腰紐が設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれを上半部と下半部に分離した構成にするとともに、後ろ身ごろ部は分離しない構成として、腰紐により前身ごろの下半部を先に着用し、次いで上半部を着用することにより簡易な着付けを可能にした着物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、日本における伝統的な服装である着物は、祝い事やフォーマルな場所で着用されている。しかし着付けが難しく、気軽には着用できないことなどもあって、なかなか着用しにくいのが現状である。
着付けに際しては、着用する人の身長や体型に合わせて着付け姿を演出する必要があり、襟回りや裾の位置を整え、おはしょりを施して帯を巻くなど、着付けのテクニックや熟練が必要である。また時間の経過により次第に着崩れしてしまうことも多い。
【0003】
たとえば実用新案登録第3077993号「簡易式着物」においては、洋服感覚で着ることができ、装着後も自由な動きを確保することが可能で、その後の着崩れの問題もない簡易式着物が提案されている。おはしょり部を身ごろ部に脱着するための面ファスナーなどの手段を備えるものである。
登録実用新案登録第3050080号「スーツ感覚で着れる着物」においては、着物の裏生地面に、面ファスナーを設けたことにより、スーツ感覚で自分自身で着ることが可能な着物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような課題を解決するため、セパレーツ式の二部式着物が開発されている。
たとえば特開平11−247007「二部式着物」においては、和様の着物を、不慣れな人であっても人手を借りることがなく一人で着付けることができ、しかも着る人の背丈に関係なく簡単に調整して着ることができる着物が提案されている。
腰から下に着る下着部と、腰から上に着る上着部とからなり、上着部に着用する人の身丈に応じてその着丈を調節することができる調整部が備えられ、調整部は上着部の裏面に複数本の面ファスナーを間隔を置いて付着され構成されたものである。
このようなセパレーツ式の二部式着物は、多数の種類のものが開発されており、上下に分割された着物を、上下それぞれの位置や形を整えながら順次、洋服のように着用できるものであり、初心者にも簡単に着用することができる。
しかしながら、着物の着付け上がりは、特に衿元や腰回りでだぶついたり、皺になってしまうなど、和服特有の重ね着の難しさが残されており、また体裁を整える必要がある。上下それぞれの着物が完全に分離しているために、着付け時の調整が特に必要であるばかりでなく、着崩れにもいっそう気を使う必要があり、一部式着物に比べて本来の着物らしいデザインと異なった趣きが出てしまう。
【0005】
同様に、特開2002−242006「重ね着型着物」においても、着用経験が無く、着物を正しく着付けることができない人であっても、短時間の中に整然と着用可能で、しかも活発な動きにも着崩れせず、変化に富んだ着物の着こなしを実現可能とする重ね着型着物が提案されている。帯の巻付け箇所となる辺りをファスナーまたは面ファスナーからなる着脱部として、それより上方となる前後身頃部分および衽の一部、それに衿、袖、袂を襦袢用の生地で形成してなる半襦袢部と、それよりも下方で裾までの前後身頃部分および衽を着物用の生地で形成してなる下半着物部とを、上下に連続、一体化できるようにして襦袢付き裾側着物体としたものである。
この発明においては、二部式着物の上下を着脱式とすることにより、上下を一体に構成できるものである。
しかしながら、この発明においては重ね着型の着物に特に特化した構成としたものであり、上下の着脱の手順が増えるばかりではなく、着付け後に着崩れを直す際などには上下一体とされているために却って手間がかかる。
【0006】
そこで本発明においては、上記の様々な課題を解決し、一部式の着物において、セパレーツ式着物のように簡単な着付けを実現することにより、セパレーツ式よりも着物らしさを感じられるデザインとすることにより、着物を着ることが楽しめ、ワンピース感覚で着ることが可能な着物を提供することを目的とする。
上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれを上半部と下半部に分離した構成にするとともに、後ろ身ごろ部は分離しない構成として、腰紐により前身ごろの下半部を先に着用し、次いで上半部を着用することにより簡易な着付けを可能にした着物を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明においては、
上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離された前身ごろ部と、前身ごろ部が備える上下それぞれの丈を足した丈に対応する丈を有する後ろ身ごろ部と、を備える身ごろ部と、
前記の身ごろ部に連結された左右一対の袖部と、
前記の身ごろ部に連結された襟部とを備え、
前身ごろ部の下半部には、上前身ごろの下半部及び下前身ごろの下半部を着用するための腰紐が設けられた着物であることを特徴としている。
【0008】
また、上記課題を解決するため、請求項2に記載の発明においては、
請求項1に記載の発明において、
前記の左右一対の袖部は、着脱可能な交換袖部を備えた着物であることを特徴としている。
【0009】
また、上記課題を解決するため、請求項3に記載の発明においては、
請求項2に記載の発明において、
前記の交換袖部は、振袖用交換袖部と、小袖用交換袖部とを交換可能にされた着物であることを特徴としている。
【0010】
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の発明においては、
請求項2または3のいずれかに記載の発明において、
前記の交換袖部は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて着脱可能にされた着物であることを特徴としている。
【0011】
また、上記課題を解決するため、請求項5に記載の発明においては、
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記の襟部は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて着脱可能にされた着物であることを特徴としている。
【0012】
また、上記課題を解決するため、請求項6に記載の発明においては、
請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、
前身ごろ部の下半部に設けられた腰紐貫通部に腰紐を通した状態で、下前身ごろに通された腰紐を上前身ごろの下半部に設けられた腰紐穴に通し、
次いで前記の腰紐穴を通し後ろ身ごろに廻して周回させた腰紐と、上前身ごろの腰紐貫通部に通された腰紐とを結ぶように構成された着物であることを特徴としている。
【0013】
また、上記課題を解決するため、請求項7に記載の発明においては、
請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、
前記の前身ごろ部の襟部には、襟芯を挿入する襟芯収容部が備えられたことを特徴とする着物であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1から図4は、本発明の着物の基本的な構成の好ましい一例を示す図である。
各図において、符号1は前身ごろ部、10は下前身ごろ部、11は上前身ごろ部を示している。また特に、10aは下前身ごろ部の上半部、10bは下前身ごろ部の下半部、11aは上前身ごろの上半部、11bは上前身ごろの下半部を示す。
また符号2は後ろ身ごろ部、3は左右一対の袖部、30は交換袖部、31は振袖用交換袖部、32は小袖用交換袖部を示している。また符号4は襟部、5は腰紐、50は腰紐貫通部、51は腰紐穴、6は襟芯、60は襟芯収容部を示している。
【0015】
図1は振袖用交換袖部を付けた着物の正面図、図2は振袖用交換袖部を付けた着物の背面図である。
図3は小袖用交換袖部を付けた着物の正面図、図4は小袖用交換袖部を付けた着物の背面図である。
図5は、上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離され、上前身ごろ及び下前身ごろそれぞれの下半部を開いた状態を示しており、作図上、左右一対の袖部は省略している。
各図からも明らかなように、上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれは上半部と下半部に分離した構成にされており、一方、後ろ身ごろ部は分離しない構成とされているために、腰紐により前身ごろの下半部を先に着用し、次いで上半部を着用することにより、一部式着物であってもセパレーツ式着物のように簡単な着付けにより、セパレーツ式よりも着物らしさを感じられるデザインとすることができる。
【0016】
以下、各図を参照して本発明の着物の構成について説明する。
本発明の着物は、上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離された前身ごろ部1と、前身ごろ部1が備える上下それぞれの丈を足した丈に対応する丈を有する後ろ身ごろ部2と、を備える身ごろ部を備えている。
前身ごろ部1は、上半部と下半部に胸下位置近辺で分離されており、後ろ身ごろ部2は特に分離されていないため、着物を羽織った後に、上半部と下半部をそれぞれ別個にセットすることができ、簡易に着用することができる。
【0017】
次に本発明の着物は、身ごろ部に連結された左右一対の袖部3を備えている。
袖部3の好ましい形態は、振袖用の袖と小袖用の袖とに交換可能にされており、簡単な着付けによりいずれの着用もでき、様々な楽しみ方ができるものである。
交換可能な袖部3を構成する場合には、左右一対の袖部3は、着脱可能な交換袖部30を備えている。
交換袖部30は、振袖用交換袖部31と、小袖用交換袖部32とを交換可能にされている。
交換袖部30の着脱は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて着脱可能にされ、図1および図3ではファスナーによる着脱が可能な形態の一例を示している。
交換袖部30において着脱部材により着脱をすることにより、振袖、小袖、左右の長さを変えたモダンなレイヤードスタイルの3種類の使い分けができる。さらに下襲用振袖、下襲用小袖をスナップ等の着脱部材により取り外しができるようにすれば、装着した際には長襦袢を着用したような感じを呈する。
【0018】
次に本発明の着物は、身ごろ部に連結された襟部4を備えている。
襟部4は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて、伊達襟が着脱可能にされている。
図6は、着脱可能にされた伊達襟と、下襲用振袖、下襲用小袖とのそれぞれの部材を示し、身ごろ部には着脱部材により装着できるようにされている。
図7は、着脱可能にされた袖部3と襟部4との、着用前の装着の態様の一例を示す図である。
【0019】
次に本発明の着物には、前身ごろ部の下半部には、上前身ごろの下半部及び下前身ごろの下半部を着用するための腰紐5が設けられている。
好ましくは、図5に一例を示すように、前身ごろ部の下半部には、腰紐5を通す腰紐貫通部50が設けられ、さらに下前身ごろに通された腰紐5を上前身ごろの下半部に通す腰紐穴51が設けられている。
前身ごろ部の下半部に設けられた腰紐貫通部50に腰紐5を通した状態で、下前身ごろに通された腰紐5を上前身ごろの下半部に設けられた腰紐穴51に通し、次いで前記の腰紐穴51を通し後ろ身ごろ2に廻して周回させた腰紐5と、上前身ごろの腰紐貫通部50に通された腰紐5とを結ぶように構成されている。
なお、腰紐5の前身ごろ部の下半部への取り付け形態は、図5に示すような形態以外にも様々な方法を採用することができる。
【0020】
また、前身ごろ部の襟部6には、襟芯を挿入する襟芯収容部60(たとえば襟芯を挿入するスリット上の穴やポケット等)が備えられている。
図7において着る前の準備作業の手順を示す。
襟芯6を襟芯収容部60に入れて装着すれば、びしっとした襟しまつにすることができる。
また、着る前の準備作業において、振袖はフォーマルに、小袖は普段使いにと、用途に合わせて使い分け、ファスナー等の着脱部材によりあらかじめ装着を行う。
下襲用の袖や、伊達襟もスナップ等の着脱部材により装着することができる。
【0021】
次に図8から図12は本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
まず、図8を参照すると、袖部3に腕を通して着物をはおり、下半部の下前身ごろ11bを脇に持っていき、付属の腰紐5を、腰紐穴51に通す。
次に図9に示すように、上前身ごろを前に重ねて両サイドから腰紐5を背中側に周回させて、前で結ぶ。下半部の着用はこれで完了する。
【0022】
次に図10に示すように、上半部は、背の中心が合うように襟部3の共襟の位置を決め、左前に重ねる。
次に図11に示すように、おはしょりを整え、後ろのおはしょりを下に引いて衣紋をよく抜いたら着用が完了する。
図12に示すように好きな帯を締めてコーディネートすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、一部式の着物において、セパレーツ式着物のように簡単な着付けを実現することにより、セパレーツ式よりも着物らしさを感じられるデザインとすることにより、着物を着ることが楽しめ、ワンピース感覚で着ることが可能な着物を提供することを目的とする。
上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれを上半部と下半部に分離した構成にするとともに、後ろ身ごろ部は分離しない構成として、腰紐により前身ごろの下半部を先に着用し、次いで上半部を着用することにより簡易な着付けを可能にした着物を提供する。
さらに本発明によれば、袖部、襟部などを着脱可能とすることにより、用途や好みなどに応じて、着物の外観上あるいは機能上のバリエーションを気軽に楽しみ、使い分けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振袖用交換袖部を付けた着物の正面図である。
【図2】振袖用交換袖部を付けた着物の背面図である。
【図3】小袖用交換袖部を付けた着物の正面図である。
【図4】小袖用交換袖部を付けた着物の背面図である。
【図5】上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離され、上前身ごろ及び下前身ごろそれぞれの下半部を開いた上体を示しており、作図上、左右一対の袖部は省略している。
【図6】着脱可能にされた伊達襟と、下襲用振袖、下襲用小袖とのそれぞれの部材を示す図である。
【図7】着脱可能にされた袖部3と襟部4との、着用前の装着の態様の一例を示す図である。
【図8】本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
【図9】本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
【図10】本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
【図11】本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
【図12】本発明の着物の着用手順の好ましい例を示す図である。
Claims (7)
- 上前身ごろ及び下前身ごろのそれぞれが上半部と下半部に分離された前身ごろ部と、前身ごろ部が備える上下それぞれの丈を足した丈に対応する丈を有する後ろ身ごろ部と、を備える身ごろ部と、
前記の身ごろ部に連結された左右一対の袖部と、
前記の身ごろ部に連結された襟部とを備え、
前身ごろ部の下半部には、上前身ごろの下半部及び下前身ごろの下半部を着用するための腰紐が設けられたことを特徴とする着物。 - 請求項1に記載の発明において、
前記の左右一対の袖部は、着脱可能な交換袖部を備えたことを特徴とする着物。 - 請求項2に記載の発明において、
前記の交換袖部は、振袖用交換袖部と、小袖用交換袖部とを交換可能にされたことを特徴とする着物。 - 請求項2または3のいずれかに記載の発明において、
前記の交換袖部は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて着脱可能にされたことを特徴とする着物。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記の襟部は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて着脱可能にされたことを特徴とする着物。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、
前身ごろ部の下半部に設けられた腰紐貫通部に腰紐を通した状態で、下前身ごろに通された腰紐を上前身ごろの下半部に設けられた腰紐穴に通し、
次いで前記の腰紐穴を通し後ろ身ごろに廻して周回させた腰紐と、上前身ごろの腰紐貫通部に通された腰紐とを結ぶように構成されたことを特徴とする着物。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、
前記の前身ごろ部の襟部には、襟芯を挿入する襟芯収容部が備えられたことを特徴とする着物。
Priority Applications (1)
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US7764828B2 (en) | 2004-12-08 | 2010-07-27 | Sony Corporation | Method, apparatus, and computer program for processing image |
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-
2003
- 2003-07-04 JP JP2003192481A patent/JP2005023488A/ja active Pending
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