JP3085965U - 重ね衿付和服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な重ね衿を備えた和服であって、見栄え
がよく、又使い易く、しかも重ね衿の交換や洗濯にも便
利な和服を提供する。 【解決手段】 二部式長着（１）の上衣（２）を備え、
その上衣（２）の衿（７）の下に重ね衿（８）を設け、
この重ね衿（８）の左右部分を異なる色(23 、24) で形
成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、衿の下に重ね衿を設けた和服であって、その重ね衿を趣のある変り 衿とした和服に関する。

【０００２】

【従来の技術】

和服は、通常、長襦袢（あるいは半襦袢）の上に長着を着用しているので、そ の長着の衿の下に長襦袢の半衿の一部が見えるようになっている。

【０００３】 また、衿元を重ね着したように見せるために、衿の下に伊達衿（付比翼）を設 けたものがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記長襦袢や半襦袢は、一般に半衿を白生地を用いて形成しているために、衿 元に表れる襦袢の衿は白一色になっている。 また、これらの襦袢の衿に模様地を用いるものもあるが、この場合には衿全体 が一様の模様地になっている。 更に、伊達衿にも模様地が用いられているが、これも衿が１種類の模様地で形 成されたものである。

【０００５】 本考案は、衿元に変化をもたらすように、新規な重ね衿を備えた和服を提供し ようとするものであって、見栄えがよく、又使い易く、しかも重ね衿の交換や洗 濯にも便利な和服を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、和服の衿の下に重ね衿を設け、この重ね衿の左右部分に異種の色又 は模様を表わすようにしたものである。

【０００７】 また、上記重ね衿を取り外し可能に形成したものである。

【０００８】 更に、上記重ね衿の色又は模様を重ね衿の肩回りのほぼ中央で変えるようにし たものである。

【０００９】 また、重ね衿の引き出し部を衿先に向って幅広くなるようにしたものである。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案は、大人用または子供用の長着、襦袢（長襦袢、半襦袢）、上っ張りそ の他の和服（単、袷、綿入れを含む。）に適用することができるものであるが、 以下長着（二部式長着）の場合について説明する。

【００１１】 二部式長着（１）は、上衣（２）と下衣（３）を備えており、その上衣（２） には、前身頃（４）、後身頃（５）、袖（６）、衿（７）及び重ね衿（８）が設 けられている。 なお、実施例では、上衣（２）に衽が設けられていないが、衽は必要に応じて 設けることができ、又衿に掛け衿を設けたり、袖（６）を種々の形状のものにし たりすることができる。

【００１２】 一方、下衣（３）には、前裾（９）、後裾(10)、衽裾(11)及び腰紐(12)が設け られており、その前裾（９）及び後裾(10)等に、タック(13)や紐通し(14)が適宜 形成される。 なお、図示のものでは、衽裾(11)が左右の一方側に設けられているが、左右の 両側に設けるようにしてもよい。

【００１３】 また、上衣の衿（７）がばち衿に形成されているが、その他の形状の衿に、例 えば同じ幅の衿（襦袢等では半衿）等に形成することができる。

【００１４】 この衿の下には、重ね衿（８）が取り付けられており、その取り付けの際に、 重ね衿（８）の一部を上記衿（７）より引き出すようにしている。 なお、この例では、重ね衿の引き出し部(15)の幅が衿先に向って広くなってい るが、これに代えてその引き出し部の幅を全長に亘って同じ幅に形成するように することができる。

【００１５】 重ね衿の取り付けは、実施例では、衿（７）の内側の衿付部(16)と重ね衿（８ ）の内側の縁部(17)を縫着(18)すると共に、重ね衿の両端部(19)を上衣（２）の 下部に設けたベルト部(20)の両端部(21)に縫着するようにしている。

【００１６】 その際に、縫着部の糸をほどき易くして重ね衿を取り外し可能にすることがで きる。 また、重ね衿を取り外し可能にする他の方法として、重ね衿を一対の両面ファ スナ−やホック等の止具を用いるようにしてもよい。

【００１７】 この重ね衿（８）は、図に示す例では、ほぼ中央部(22)で区分けし、その一方 側と他方側に異なる色(23,24) を施したり、異なる線図や色分け、ぼかし、しし ゅう等の模様を施したり、これらの色と模様を結合したりすることによって、重 ね衿を衿（７）に取り付けた際に、左右の色や模様が異なって見えるように形成 されている。

【００１８】 なお、実施例では、重ね衿の中央部(22)がほぼ肩回りの中央に位置するように なっているが、色や模様の種類を３種類や４種類その他多くの種類にした場合は 、区分け位置が重ね衿の左右の位置にも表われるようになる。

【００１９】 重ね衿には、適宜衿芯(25)を入れたり、入れなかったりすることができる。

【００２０】 上記上衣（２）は、図示の例では、着用時に前身頃を保定するために、一対の 保定紐(26)や両面ファスナ−(27)を設けると共に、上衣の下部に形成したベルト 部(20)にボタン(28)及びボタンル−プ(29)その他の止具を設けて止めているが、 必要に応じて上記ベルト部(20)や両面ファスナ−(27)等を省略したり、上記の保 定手段に代えて前身頃どうしを保定する紐を設けたり、その他種々の保定方法を 用いることができる。 なお、この例では、上衣の後身頃（５）の下部にタック（図示略）を入れてい る。

【００２１】 上記下衣（３）は、使用に応じてその他ズボン状やモンペ状その他のものに形 成することができる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は、上記のように衿の下に重ね衿を設け、この重ね衿の左右の色や模様 を異なるようにしたので、目新しい衿元を得ることができ、見栄えがよく、かつ 特異な形態の重ね衿として趣のある新しい感覚の和服を得ることができる。

【００２３】 また、重ね衿を取り外し可能に形成しているので、重ね衿が汚れた際には、こ れを取り外して洗濯をすることができ、重ね衿の左右を変えたり、色や模様の違 う異種の重ね衿を複数枚用意し、使用に応じて重ね衿を交換したりすることがで きる。

【００２４】 更に、重ね衿の色や模様の区分け部を衿肩の位置に設けると、区分け位置が目 立たずすっきりしたものになる。

【００２５】 また、重ね衿の引き出し部の幅を衿先の方に向って幅広にすると、更なる趣が あって一層変化のある美しい衿元が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す上衣の平面図である。

【図２】下衣の平面図である。

【図３】一方の前身頃を開いた状態を示す上衣の平面図
である。

【図４】重ね衿の平面図である。

【図５】重ね衿の拡大断面図である。

【図６】衿に重ね衿を取り付ける状態を示す衿部の拡大
平面図である。

【符号の説明】

１ 二部式長着 ２ 上衣 ３ 下衣 ７ 衿 ８ 重ね衿 15 引き出し部 18 縫着 23, 24 異なる色

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 衿の下に重ね衿を設け、この重ね衿の左
   右部分を異なる色又は模様で形成したことを特徴とする
   重ね衿付和服。
2. 【請求項２】 衿の下に重ね衿を取り外し可能に形成し
   た請求項１記載の重ね衿付和服。
3. 【請求項３】 重ね衿の左右部分の色又は模様を重ね衿
   の肩回りのほぼ中央で変えるようにした請求項１または
   ２記載の重ね衿付和服。
4. 【請求項４】 重ね衿の引き出し部の幅を衿先に向って
   広くなるように形成した重ね衿付和服。