JP2005023149A - 床用光沢復元剤組成物およびそれを用いた床構造体、並びにその床面維持管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フロアーポリッシュ組成物の多層塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を軽減し、また、剥離洗浄の回数を減らすことができ、強アルカリ性廃水の排出量を低減することのできる光沢復元剤皮膜を形成しうる特殊な光沢復元剤組成物と、それを用いた床構造体と、その床面維持管理方法を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有する床用光沢復元剤組成物を第1の要旨とする。
(A)ガラス転移温度(Tg)が5〜70℃である水性樹脂分散体:純分換算で2〜8質量%。
(B)滑り調整剤:純分換算で0.3〜3質量%。
(C)低級アルコール:7〜30質量%。
(D)可塑剤:0.1〜3質量%。
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有する床用光沢復元剤組成物を第1の要旨とする。
(A)ガラス転移温度(Tg)が5〜70℃である水性樹脂分散体:純分換算で2〜8質量%。
(B)滑り調整剤:純分換算で0.3〜3質量%。
(C)低級アルコール:7〜30質量%。
(D)可塑剤:0.1〜3質量%。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床用光沢復元剤組成物およびそれを用いた床構造体、並びにその床面維持管理方法に関し、より詳しくは、バフにより熱可塑化して平滑化し光沢を向上させることのできる特殊な光沢復元剤皮膜を形成しうる光沢復元剤組成物と、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物による初期皮膜と光沢復元剤皮膜とを積層形成してなる床構造体と、その光沢復元剤皮膜の摩耗の程度に応じて、上記光沢復元剤皮膜を洗浄し、必要に応じて床用光沢復元剤組成物を再塗布して光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させることを繰り返し行う床面維持管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木質系床材、合成樹脂からなる化学床材、コンクリートや大理石等の石床などの床面には、床材の美観を保つともに、床面の保護を目的として、フロアーフィニッシュ組成物による皮膜が形成されている。上記フロアーフィニッシュ組成物は、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語の定義に規定されている。
【0003】
この規格において、フロアーポリッシュ組成物は、水性,乳化性,油性の3つに大別され、それぞれ、ポリマータイプとワックスタイプに分類されているが、現在、フロアーフィニッシュ組成物としては、水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物が主流となっている。
【0004】
上記水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物は、通常、アクリル系共重合物のエマルジョン、ポリエチレンワックスエマルジョン、アルカリ可溶性樹脂、可塑剤、その他の成分からなることが、特公昭44−24407号公報(特許文献1参照)、特公昭49−1458号公報(特許文献2を参照)等に示されている。
【0005】
また、界面活性剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及び剥離剤に、アルコールおよびエチル鉛を混合した洗剤をパッド等で床に延ばし、床面に付着した汚れや古いワックスを浮き上がらせ、この浮きあがった汚れや古いワックスを水モップで床から拭き取った後、床面に温風を吹き付けて床を乾燥させ、乾燥した床に、ワックスモップを使ってワックス掛けを行い、この表面に温風を吹き付けて表面乾燥を行う。そして、この表面にさらにワックス掛けと表面乾燥とを仕上がり状態に応じて数回行うことによる床清掃法が、特開2000−129291号公報に示されている(特許文献3を参照)。
【0006】
さらに、防水処理を施す工程と、床を水洗浄する工程と、前記水洗浄の汚水を除去し、床を乾燥させる工程と床の表面を研磨する工程と、床にウレタン系塗料を塗布・乾燥する工程とを含む木質又は樹脂製の床の洗浄再生方法が、特開2001−225035号公報に示されている(特許文献4を参照)。
【0007】
また、汚損されたプラスチック床やコルク床の表面に、アミン類およびアルコ−ル系溶剤を主成分とし、かつその粘度が常温で90〜200センチポイズの剥離剤を塗布し、剥離促進を図ったうえ、剥離剤の5〜10倍量の水を散水し、且剥離洗浄部材を回転摺動させて重積汚泥物の剥離と微砕化をなしたるうえ吸引除去し、引続いて柔軟性と吸水性を有する吸水清浄部材で残留水分および汚濁物を吸着除去して乾燥させ、そして床材表面をわずかに粗面状に研磨し、ワニスもしくはウレタン樹脂を主成分とする表面保護剤で表面保護層を形成するプラスチック床およびコルク床の洗浄再生工法が、特開2002−106180号公報に示されている(特許文献5を参照)。
【0008】
また、洗浄再生する床面全体の適宣面積区画内の床面に、アルカリ剥離剤を塗布し、適宣重量割合の水を散布するとともに、塗着されたアルカリ性剥離剤と混合させて浸透させて汚損保護膜剥離させたうえ、この剥離条件をもって床面全体の汚損保護膜の剥離をなす剥離浸透工程と、剥離された汚損保護膜の確実な剥離と破砕並びに吸引除去する洗浄除去工程、床面内部に浸透したアルカリ成分の中和と漂白をなる酸化処理工程、床面内部に浸透残留する液状酸化剤の中和固定を図る中和工程を施したうえ一旦乾燥し、平滑研磨工程の後、塗膜形成工程を施す床の洗浄再生方法が、特開2002−172078号公報に示されている(特許文献6を参照)。
【0009】
一方、床面被覆物が光硬化型樹脂塗膜であり、予め床面被覆物上でつや出し・焼付け用のパッドを回転し、床面被覆物上あるいは不織物パッドや練糸を基布に植毛した糸状パッドに研磨剤を塗布して研磨を行うことにより、短時間で床面の光沢度を上昇することができるようにした床面被覆物の光沢復元方法が、特開2002−209819号公報に示されている(特許文献7参照)。
【0010】
【特許文献1】
特公昭44−24407号公報
【特許文献2】
特公昭49−1458号公報
【特許文献3】
特開2000−129291号公報
【特許文献4】
特開2001−225035号公報
【特許文献5】
特開2002−106180号公報
【特許文献6】
特開2002−172078号公報
【特許文献7】
特開2002−209819号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物は、百貨店、スーパーマーケット、ホテル、病院、空港等における床材表面に対して、通常4〜6層を塗り重ねることによって床構造体を形成し、優れた光沢度や耐久性等を導き出している。しかしながら、塗布・乾燥に要する時間は、季節、温度及び湿度等の条件にもよるが、一層当たり30〜60分かかるため、一連の塗布作業には、かなりの作業時間を要するものとなっている。
【0012】
また、このようにして形成された床構造体は、施設や事業所にもよるが、1〜14回/週の割合で、水を含ませたモップ等で汚れを拭き取った後、必要に応じてバフを行うといった床面の日常維持管理が行われている。そして、8〜10回/年の割合で、床用クリーナーを用いて床面表面を洗浄し、床面表面を乾燥した後、フロアーポリッシュ組成物を1〜2層を塗布・乾燥させるといった床面の定期維持管理が行われている。
【0013】
そしてさらに、約1年毎に、フロアーポリッシュ組成物皮膜の一部または全部を床用剥離剤組成物を用いて剥離洗浄とすすぎを行い、床面表面を乾燥させた後、フロアーポリッシュ組成物を4〜6層を塗布・乾燥して、フロアーポリッシュ組成物皮膜を再形成させることが、定期的な床面の維持管理方法として行われている。
【0014】
また、フロアーポリッシュ組成物により形成された皮膜(初期皮膜)は、強靱で、耐久性がある一方、皮膜が摩耗して美観等を失った場合には、強アルカリ性の床用剥離剤を用いて剥離洗浄しなければならないため、強アルカリ性の廃水が多く出るという問題がある。このため、環境負荷の軽減等の点から、上記強アルカリ性廃水の低減が強く望まれている。
【0015】
一方、近年、コンビニエンスストアを始めとした24時間営業の店舗や事業所も増加し、従来のようにフロアーポリッシュ組成物を多層塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を割くことが困難となっている。このため、簡便でありながら、従来と遜色ない美観等を維持するための床面の管理方法が要望されている。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、フロアーポリッシュ組成物の多層塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を軽減し、また、剥離洗浄の回数を減らすことができ、強アルカリ性廃水の排出量を低減することのできる光沢復元剤皮膜を形成しうる特殊な光沢復元剤組成物と、それを用いた床構造体と、その床面維持管理方法の提供を、その目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有する床用光沢復元剤組成物を第1の要旨とする。
(A)ガラス転移温度(Tg)が5〜70℃である水性樹脂分散体:純分換算で2〜8質量%。
(B)滑り調整剤:純分換算で0.3〜3質量%。
(C)低級アルコール:7〜30質量%。
(D)可塑剤:0.1〜3質量%。
【0018】
また、本発明は、そのなかでも特に、上記(A)水性樹脂分散体が、下記の単量体(a)、(b)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている床用光沢復元剤組成物を第2の要旨とする。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:70〜95質量%。
【0019】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記(A)水性樹脂分散体が、下記の各単量体(a)〜(c)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている床用光沢復元剤組成物を第3の要旨とする。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:20〜90質量%。
(c)上記(a)および(b)単量体と共重合可能な単量体:5〜75質量%。
【0020】
また、本発明は、それらのなかでも特に、上記(B)滑り調整剤が、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスおよびエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体から選ばれる少なくとも一種である床用光沢復元剤組成物を第4の要旨とし、上記(C)低級アルコールが、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールから選ばれる少なくとも一種である床用光沢復元剤組成物を第5の要旨とし、床材が、化学床、木床および石床のいずれかの用途である床用光沢復元剤組成物を第6の要旨とする。
【0021】
そして、本発明は、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してなる初期皮膜が形成され、その上に、上記第1〜第6のいずれかの要旨である床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥後、バフにより熱可塑化してなる光沢復元剤皮膜が形成されている床構造体を第7の要旨とする。
【0022】
また、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を日常的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の日常維持管理方法を第8の要旨とする。
【0023】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の日常維持管理方法を第9の要旨とする。
【0024】
また、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を定期的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)上記第1〜第6のいずれかの要旨である床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の定期維持管理方法を第10の要旨とする。
【0025】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の定期維持管理方法を第11の要旨とし、上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、白パッドおよび赤パッドのいずれかである床面の定期維持管理方法を第12の要旨とする。
【0026】
また、本発明は、それらのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において用いられる洗浄剤水溶液が、床用クリーナーである床面の定期維持管理方法を第13の要旨とし、上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした床面の定期維持管理方法を第14の要旨とし、上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドである床面の定期維持管理方法を第15の要旨とする。
【0027】
そして、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を総合的に維持管理する方法であって、上記第8もしくは第9の要旨である日常維持管理方法と、上記第10〜15のいずれかの要旨である定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ヘ)光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ’)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の総合維持管理方法を第16の要旨とする。
【0028】
また、本発明は、そのなかでも特に、上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の総合維持管理方法を第17の要旨とし、上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、黒パッド、茶パッドのいずれかである床面の総合維持管理方法を第18の要旨とする。
【0029】
さらに、本発明は、それらのなかでも特に、上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において用いられる剥離剤水溶液が、アルカリ剤および溶剤を主剤とする床用剥離剤である床面の総合維持管理方法を第19の要旨とし、上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした床面の総合維持管理方法を第20の要旨とし、さらに、上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドのいずれかである床面の総合維持管理方法を第21の要旨とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
本発明に用いられる床用光沢復元剤組成物は、(A)特定の水性樹脂分散体、(B)滑り調整剤、(C)低級アルコール、(D)可塑剤および(E)水を含有するものである。
【0032】
上記(A)成分である水性樹脂分散体としては、α,β−不飽和カルボン酸単量体(a成分)と、アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方(b成分)の2種類の単量体で構成することが好適である。そして、場合によっては、上記(a)成分、(b)成分とともに、これらと共重合可能な単量体(c成分)を用いることもできる。
【0033】
上記(a)成分であるα,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、 メタクリル酸、 フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等があげられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸が用いられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸単量体は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
【0034】
そして、上記(A)成分の水性樹脂分散体が、上記(a)成分と(b)成分から構成されるときと、上記(a)成分〜(c)成分の3成分から構成されるときのどちらの場合も、上記(a)成分は、全単量体の合計量を基準として5〜30質量%(以下「%」と略す)の割合で配合されることが好ましい。すなわち、5%未満では、皮膜の耐久性が低下するおそれがあり、一方、30%を超えて配合した場合にはレベリング性に劣る傾向が見られ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、5〜25%の割合で配合されることが好ましい。
【0035】
また、上記(b)成分であるアクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸i−アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸i−ノニル、アクリル酸デシル、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシアミルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸i−アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸i−ノニル、メタクリル酸デシル、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシアミルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。なかでも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが、好適に用いられる。これらのアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
【0036】
そして、上記(A)水性樹脂分散体が、上記(a)成分と(b)成分から構成されるとき、上記(b)成分は、全単量体の合計量を基準として70〜95%の割合で配合されることが好ましい。すなわち、70%未満では、耐久性、耐候性に乏しく、一方、95%を超えて配合した場合には光沢度に劣る傾向がみられ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、75〜90%の割合で配合されることが特に好ましい。
【0037】
また、上記(A)水性樹脂分散体が、上記(a)成分〜(c)成分の3成分から構成されるとき、上記(b)成分は、全単量体の合計量を基準として20〜90%の割合で配合されることが好ましい。すなわち、20%未満では、耐久性、耐候性に乏しく、一方、90%を超えて配合した場合には光沢度に劣る傾向がみられ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、25〜85%の割合で配合されることが特に好ましい。
【0038】
さらに、上記(c)成分である、(a)および(b)の単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロー3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アルキルフェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドアクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エチレングリコールアクリレートモノフタレート、エチレングリコールアクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルアクリレート類、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、アルキルフェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドメタクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレートモノフタレート、エチレングリコールメタクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリト ールテトラメタクリレート等の多官能性単量体、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の酸アミド化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物、トリフルオロエチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート等のフッ素原子含有単量体、γ−メタクリロイルプロパントリメトキシシラン、チッソ社製のサイラプレーンFMO711等の反応性シリコーン等のシリコーン化合物、アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル、アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体等があげられ、好ましくは、スチレンが用いられる。
【0039】
これら(c)成分の単量体は、前記(a)成分、(b)成分とともに用いることは任意であるが、これを共重合させると、耐滑り性が向上するという利点を有する。この(c)成分は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。そして、全単量体の合計量を基準として75%以下の割合で配合されることが好ましい。すなわち、75%を超えて配合した場合には耐久性が劣り、好ましくないからである。なかでも、耐滑り性の点から、5〜45%の割合で共重合されることが好ましい。
【0040】
上記水性樹脂分散体は、以下に述べるような乳化剤、重合開始剤を使用して、広く知られている乳化重合法により製造することが好ましい。
【0041】
まず、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、スチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホ琥珀酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルグリセリンエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールアルキルグリセリンエーテルサルフェート等の反応性乳化剤、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、水溶性アクリル酸エステル共重合体、水溶性メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体およびそれらの塩、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体およびそれらの塩、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタクリルアミド共重合体等の高分子界面活性剤等が使用できる。これらは単独または2種以上併用して使用することができる。乳化剤の望ましい使用量は、通常単量体100質量部当たり0.05〜5質量部である。乳化剤の使用量が0.05質量部未満では乳化性に乏しく、一方5質量部を超えると耐水性に劣ることがある。
【0042】
また、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロキシペルオキシド等の過酸化物などが使用できる。これらは亜硫酸水素ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤を併用したレドックス系として使用してもよい。
【0043】
そして、重合反応の温度は、20〜95℃が好ましく、特に40〜90℃であることが好ましい。また、重合時間は1〜10時間であることが好ましい。
【0044】
なお、上記水性樹脂分散体は、そのガラス転移温度(Tg)が、5〜70℃のでなければならない。すなわち、水性樹脂分散体のガラス転移温度が5℃未満の場合では、光沢復元剤皮膜にべとつきを生じやすく、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性に劣り、一方、70℃を超える場合には、耐粉化性が乏しくなる。また、平均分子量が50,000未満の場合では、低温での皮膜造膜性に乏しく、好ましくない。
【0045】
したがって、上記水性樹脂分散体の設計にあたっては、単量体の種類と配合割合を調整することにより、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内に設定されるよう共重合させなければならない。なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、次に示されるFoxの式(1)で求められる。
【0046】
【数1】
【0047】
上記式(1)において、ホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(Tg)については、ポリマーハンドブック等に記載されている値を用いることができる。例えば、ポリメタクリル酸メチル:105℃、ポリアクリル酸n−ブチル:−54℃、ポリアクリル酸2−エチルへキシル:−50℃、ポリアクリル酸シクロヘキシル:19℃、ポリメタクリル酸:228℃、ポリメタクリル酸シクロヘキシル:66℃、ポリアクリル酸:106℃、ポリスチレン:100℃、ポリα−メチルスチレン:168℃等である。
【0048】
上記水性樹脂分散体は、例えば、不揮発成分濃度が10〜50%の水性分散液として得ることができる。そして、本発明の床用光沢復元剤組成物中には、不揮発成分40%相当の分散液(有り姿)として5〜20%の範囲で配合することが必要である。つまり、純分換算100%として2〜8%の水性樹脂分散体が配合される。2%未満では光沢復元性に乏しくなり、一方、8%を超えて配合した場合には、乾燥性が劣るとともに、作業性の低下を生じるからである。
【0049】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いる(B)成分の滑り調整剤としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨ロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成ワックス、エチレン−アクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレン−マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−α、β−カルボン酸共重合体等をあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
これらの滑り調整剤のうち、特に、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、耐滑り性の点から、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
【0051】
本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記滑り調整剤を、不揮発成分量30%相当(有り姿)として1〜10%の範囲で配合することが必要である。つまり、純分換算100%として、0.3〜3%の滑り調整剤が配合される。0.3%未満では光沢復元性に乏しくなり、3%を超えて配合した場合には、耐滑り性の低下を生じるからである。なかでも、特に、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性の点から、0.3〜1.5%の範囲となるように配合することが好ましい。
【0052】
さらに、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(C)成分の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等をあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、他の成分とのバランスや、においおよび取扱いの点から、エチルアルコール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
【0053】
上記低級アルコールは、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、7〜30%の範囲となるように配合することが必要である。すなわち、7%未満では乾燥性に劣り、30%を超えて配合した場合には、他の成分とのバランスや床材への影響といった点から不適である。なかでも、光沢復元剤の塗布作業性および乾燥性の点から、10〜20%の範囲となるように配合することが好ましい。
【0054】
本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(D)成分の可塑剤としては、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル類、リン酸トリブチル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリブトキシエチル等のリン酸エステル類、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、ジメチルアジピン酸エステル、ジイソデシルアジピン酸エステル、ジイソブチルアジピン酸エステル、ジブトキシエチルアジピン酸エステル、ジブチルグリコールアジピン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル類、ペンタジオールのイソブチルエステル誘導体、塩素化パラフィン等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、皮膜の造膜性の点から、リン酸トリブチル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリブトキシエチル等のリン酸エステル類が好ましい。
【0055】
上記可塑剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.1〜3%配合することが必要である。すなわち、0.1%未満では皮膜の造膜性が低下し、また3%を超えて配合した場合には、他の成分とのバランスやコスト面から好ましくない。なかでも、特に、0.2〜1%配合することが好ましい。
【0056】
さらに、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(E)成分の水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、純水等があげられる。本発明においては、経済性の点から水道水を用いることが好ましい。上記水は、床用光沢復元剤組成物中にバランスとして配合され、上記各種成分および任意成分を含めた配合量が100%となるように、残%配合される。
【0057】
なお、本発明の床用光沢復元剤組成物には、任意成分として皮膜形成助剤を用いることができる。上記皮膜形成助剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等のグリコールエーテル類、α−アミノアルコール、β−アミノアルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノイソヘキシルアルコール、N,N,−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール等のアミン化合物等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、他成分とのバランスによる乾燥性、におい、皮膜形成性能の点から、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類が好ましい。
【0058】
上記皮膜形成助剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.3〜5%配合することが好適である。すなわち、0.3%未満では皮膜の造膜性が低下するおそれがあり、また5%を超えて配合した場合には、他成分とのバランスから好ましくない。なかでも、特に、本発明においては低温における造膜性の点から0.5〜3%配合することが好ましい。
【0059】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、任意成分として濡れ性向上剤を用いることができる。上記濡れ性向上剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド類、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤、ラウロイルアミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型両性イオン界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性イオン界面活性剤、アルキルスルホベタイン型両性イオン界面活性剤、ヤシ脂肪酸アミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタインなどのアミドスルホベタイン型両性界面活性剤、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、β−アラニン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、濡れ向上性能の点からフッ素系界面活性剤が好ましく、また、経済性や低泡性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の低泡性の非イオン界面活性剤が好ましい。なかでも、モップやアプリケーター等による塗布作業性から、フッ素系界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0060】
上記濡れ性向上剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.01〜2%配合することが好適である。すなわち、0.01%未満では濡れ性に問題が生じやすく、また2%を超えて配合した場合には、所望の効果が飽和となるばかりでなく、他成分とのバランスから好ましくない。なかでも、特に、濡れ性、塗布作業性の点から0.02〜0.5%配合することが好ましい。
【0061】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記以外の成分として、多価金属化合物、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
【0062】
上記多価金属化合物としては、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛アンモニア、炭酸カルシウムエチレンジアミン−アンモニア、酢酸亜鉛アンモニア、アクリル酸亜鉛アンモニア、リンゴ酸亜鉛アンモニア、アラニンカルシウムアンモニア等の金属架橋を形成するための多価金属化合物(重金属等)等を用いることができる。なお、ここでいう「多価金属」とは、2価以上の金属であり、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、銅、カドミウム、鉛、ビスマス、バリウム、アンチモン、ジルコニウム等があげられ、「多価金属化合物」とは、これらの多価金属を含有する化合物である。
【0063】
また、上記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ロジン変性マレイン酸、シェラック等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】
これらのなかでも、特に、濡れ性、皮膜形成の点から、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体を用いることが好適である。
【0065】
上記アルカリ可溶性樹脂は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、必要に応じて、不揮発性分量30%相当品(有り姿)として、2%以下の範囲内で配合することができる。つまり、純分換算100%として0.6%以下の範囲で配合することができる。
【0066】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記各成分以外に、適宜、アンモニア,アミン等のpH調整剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤、香料、染料、ウレタン樹脂、コロイダルシリカ、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を用いることもできる。
【0067】
そして、本発明の床用光沢復元剤組成物は、例えば、水に、可塑剤、皮膜形成助剤、濡れ性向上剤を添加した後、滑り調整剤、水性樹脂分散体を混合することにより、好適に製造することができる。ただし、混合の順序は適宜変更できるものであり、上記順序に限定されるものではない。
【0068】
なお、本発明の床用光沢復元剤組成物は、原液におけるpH(JIS−Z−8802:1984「pH測定方法」)が、25℃で6〜10の範囲となるよう設定することが好ましく、なかでも、7〜9の範囲に設定することが好適である。そして、本発明の床用光沢復元剤組成物の外観は、透明〜乳白色となる。
【0069】
つぎに、本発明の床構造体について説明する。本発明の床構造体は、上記床用光沢復元剤組成物を用いて形成された光沢復元剤皮膜を有するもので、例えば、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してなる初期皮膜が形成され、その上に、上記床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥後、バフにより熱可塑化してなる光沢復元剤皮膜が形成された構成になっている。
【0070】
上記床材としては、特に限定はないが、ビニル系、合成樹脂塗り床等の化学床、石床、セメント床、フローリング床(木床)等、各種の床を構成する床材があげられる。なかでも、バフによる熱可塑化で得られる光沢復元効果の発現が顕著な化学床、木床及び石床であることが好ましい。
【0071】
また、上記初期皮膜は、フロアーポリッシュ組成物を用いることによって形成することができる。本発明に用いられるフロアーポリッシュ組成物としては、特に制限はないが、市販されているものとしては、例えば、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:プロステージ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタスEX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・ウエットルック(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・プロ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、スターダム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:シールド(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:グロリア(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ブレイザー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ファーストステップ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ハイヌーン(ブッチャー社製)、商品名:トレードマーク(ラムジー社製)等があげられる。本発明においては、なかでも、特にバフによる熱可塑化が良好な点から、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:プロステージ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス−EX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)が好ましい。
【0072】
上記初期皮膜の形成に用いられる上記フロアーポリッシュ組成物は、清浄で乾燥された床面に対して、通常、一層当たり10〜15g/m2 の塗布量の割合で複数回の塗布・乾燥が繰り返し行われる。なお、本発明では、従来のように2層〜6層を塗り重ねてもよいが、3層を超えて塗り重ねても、本発明の光沢復元剤皮膜との組み合わせにおいて、光沢度、耐久性が飽和となってしまうとともに、塗布・乾燥のコストや作業時間(作業性)の点から不利なものとなるため、2〜3層を塗り重ねることで充分である。
【0073】
また、床材の種類によっては、多孔質の床材表面の凹凸等をシーリングする目的や、床材と初期皮膜との密着性を高める目的から、フロアーポリッシュ組成物を用いて初期皮膜を形成させる前に、フロアーシーラー組成物等の補助皮膜を形成するようにしてもよい。
【0074】
なお、ここでいう「フロアーシーラー組成物」とは、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語において、「乾燥後に皮膜を形成し、物理的・化学的方法により容易に除去できない製品」として定義されるものである。具体的には、例えば、市販されている製品としては、例えば、商品名:ベーシックコート(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:アイアンストーン(ブッチャー社製)、商品名:ピラー(ラムジー社製)などがあげられる。
【0075】
上記フロアーシーラー組成物は、通常、一層あたり10〜20g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥が繰り返し行われ、通常、1層〜4層を塗り重ねることが行われる。本発明においては、多孔質の床材表面の凹凸等をシーリングする目的や床材と初期皮膜との密着性を高める目的から、任意に、1〜2層を塗り重ねることで充分である。2層以上を塗り重ねても、シーリング剤としての上記目的からの効果は飽和にあり、また、コスト、作業時間(作業性)の点から不利なものとなる。
【0076】
上記光沢復元剤皮膜の形成に用いられる上記床用光沢復元剤組成物は、通常、一層あたり3〜7g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥が繰り返し行われる。なかでも、特に、塗布作業性やコスト面からおおよそ一層あたり5g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥することが好ましい。そして、上記光沢復元剤皮膜は、単層であっても、2層以上の複数層であってもよいが、通常、経済性、作業性の点から、単層で形成されることが好ましい。
【0077】
上記床用光沢復元剤組成物は、スプレー塗布、ローラー塗布、ブラシ塗布、刷毛塗り、モップによる塗布などの通常の方法により被塗物に塗布することができる。塗布条件としての温度、湿度等の調節は、適宜乾燥機、送風機、エアコンディショナー等によって行うことができる。
【0078】
そして、その塗布後の乾燥は、通常、常温(5〜35℃)で行われるが、より好適には20〜25℃前後で乾燥することが行われる。これにより、可剥離性の保護膜が形成される。なお、保護膜の形成過程において水分の蒸発を促進させるために、送風,加熱または両者の併用等の水分除去手段を適宜用いるようにしてもよい。これにより、保護膜の形成時間を調整することが容易となるが、加熱手段は、あくまでも水分の蒸発のためのものであって、保護膜形成のために加熱を必須構成要件とするものではない。なお、本発明の光沢復元剤組成物は、通常、塗布後10分未満で乾燥するため、フロアーポリッシュを塗布乾燥した場合(30〜60分)に比べて、大幅に時間を短縮することができ、作業効率が高くなるという利点を有する。
【0079】
そして、上記床用復元剤組成物による保護皮膜は、バフにより熱可塑化して平滑化し、光沢の向上した光沢復元剤皮膜が形成される。
【0080】
上記バフ作業は、作業場所や作業面積に応じて、通常、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき、ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるフロアパッドとしては、高速バフ専用パッドが用いられ、例えば、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、モッピングパッド(例えば、住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0081】
このようにして得られた床構造体は、初期皮膜と光沢復元剤皮膜が積層形成されているため、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性に優れている。そして、光沢復元剤皮膜が経時的に摩耗して美観等が低下した場合には、以下に述べるような、簡素な作業において床面の維持管理をすることができるという特徴を備えているため、作業時間が軽減でき、コスト面においても低コストでおこなうことができるという利点を有する。
【0082】
つぎに、本発明の床面維持管理方法について詳細に説明する。
【0083】
すなわち、本発明の床面維持管理方法は、上記本発明の床構造体を対象とするもので、光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(1)床面の日常維持管理方法、(2)床面の定期維持管理方法、および(3)総合維持管理方法の3種類の維持管理方法が適宜使い分けられるようになっている。
【0084】
上記(1)床面の日常維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった光沢復元剤皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する(表面洗浄)。
・床面表面を乾燥させる。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑して平滑化し光沢を向上させる。
という3工程を備えており、基本的に毎日、例えば1〜3回/日の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。
【0085】
また、上記(2)床面の定期維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった光沢復元剤皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する。
・床面表面を乾燥する。
・フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する。
・床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
という5工程を備えており、例えば4〜6回/年の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。
【0086】
そしてまた、上記(3)総合維持管理方法は、上記(1)日常管理方法と、上記(2)定期維持管理方法とを補うことを目的として行われる床面の総合維持管理方法であって、
・光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ。
・床面表面を乾燥する。
・フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する。
・光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
という5工程を備えており、光沢復元剤皮膜を再形成し、高い光沢度、美観、耐久性等を回復・再構築するものである。
【0087】
さらに詳しく述べると、上記(1)床面の日常維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ホ)バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程を備えている。
【0088】
上記床面表面を洗浄する工程では、床面のゴミや汚れをダストモップやほうきを用いて除去した後に、水又は床用クリーナーの希釈液を用いて、モップ等で汚れ等を拭き取っても、あるいは、自動床用洗浄機を用いて床面を洗浄してもよく、初期皮膜を傷めることなく、光沢復元剤皮膜のみを表面洗浄することを目的として行われる。このとき、表面洗浄廃液は、ウエットバキュームやフロアースクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0089】
そして、表面洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液は、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる。
【0090】
つぎに、バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
【0091】
そして、歩行頻度の度合いや光沢復元剤皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、毎日、例えば1〜14回/週の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。
【0092】
なお、上記光沢復元剤皮膜を表面洗浄する工程においては、床面表面の汚れの度合いや作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による洗浄がおこなわれるが、作業効率等から、ポリッシャー、自動床用洗浄機等を用いた機械洗浄であることが好ましい。
【0093】
特に、機械洗浄で行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、赤パッド(例えば、商品名:レッドバッファーパッド/住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましい。
【0094】
また、上記表面洗浄する工程において好適に用いることのできる床用クリーナーとしては、界面活性剤を主剤とする、商品名:無リン・フォワード(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:フォワード・ノンリンス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バンノークリーナー(ティーポール社製)、商品名:サニタリークリーナー(ティーポール社製)等があげられる。このほか、後述する床用剥離剤を適宜希釈して用いることもできるが、希釈作業の容易性や薬剤の取り扱いの容易性から、上記床用クリーナーを用いることが特に好ましい。
【0095】
そして、上記バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程においても、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき装着されるフロアパッドとしては、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュパッドB50(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0096】
また、(2)床面の定期維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)本発明の床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えている。
【0097】
上記床面表面を洗浄・乾燥する工程は、前述の日常維持管理方法における床面表面の洗浄工程と同様であり、その説明を省略する。
【0098】
そして、上記床面に、モップやアプリケーター等を用いて、まず始めに、フロアーポリッシュ組成物を、一層あたり10〜15g/m2 にの塗布量の割合で追加塗布・乾燥する工程にて、1〜2層の初期皮膜を追加形成した後、続いて、床用光沢復元剤組成物を塗布する。塗布量は、通常、一層あたり3〜7g/m2 に設定することが好適である。その後、床面を乾燥し、バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化することにより、光沢復元剤皮膜を追加形成(再形成)することができる。
【0099】
そして、歩行頻度の度合いや光沢復元剤皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、4〜6回/年の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。
【0100】
なお、上記光沢復元剤皮膜を表面洗浄する工程、バフにより熱可塑化して光沢復元剤皮膜を平滑化し光沢を向上させる工程も、前述の、日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0101】
また、(3)床面の総合維持管理方法は、上記(1)床面の日常維持管理方法と、上記床面の定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ヘ)光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ’)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを含む床面の総合維持管理方法である。
【0102】
上記床面の総合維持管理方法における剥離洗浄には、例えば、床用剥離剤を用いて、所望の光沢度、美観、耐久性等の回復が困難となった光沢復元皮膜とともに初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄することを目的として行われる。このとき、初期皮膜の劣化度合い等に応じて、床用剥離剤水溶液の濃度を調整することにより、剥離洗浄によって除去する初期皮膜の層数を適宜に設定することができる。通常、初期皮膜の全部を剥離洗浄除去し新たな床構造体を形成するが、問題のない初期皮膜の一部を残して再利用する場合もあり、その場合は、初期皮膜の塗布回数(新たに形成する初期皮膜の追加層数)を減らすことができるため、作業時間の短縮と管理コストの低減化を実現することができる。また、このときの剥離洗浄廃液は、ウエットバキュームやフロアースクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0103】
そして、上記剥離洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液も、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる。
【0104】
そして、上記床面に、モップやアプリケーター等を用いて、まず始めに、フロアーポリッシュ組成物を、一層あたり10〜15g/m2 にの塗布量の割合で塗布・乾燥する工程を繰り返し、4〜6層により構成された初期皮膜を形成した後、続いて、床用光沢復元剤組成物を塗布する。塗布量は、通常、一層当たり3〜7g/m2 に設定することが好適である。その後、床面を乾燥し、バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して、光沢復元剤皮膜を追加形成することができる。つまり、本発明の床構造体を新たに再形成するものである。
【0105】
なお、上記剥離洗浄する工程においては、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による剥離洗浄がおこなわれるが、作業効率等から、ポリッシャー、自動床用洗浄機等を用いた機械剥離洗浄であることが好ましい。
【0106】
特に、機械剥離洗浄で行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、通常、ワックスの剥離作業用途で用いられる黒パッド(例えば、商品名:ハイプロパッド、ストリッピングパッド/住友3M社製)、茶パッド(例えば、商品名:ブラウンストリッパーパッド/住友3M社製)を用いて、床用光沢復元剤組成物の皮膜とともに、フロアーポリッシュ組成物皮膜からなる初期皮膜の少なくとも一部を剥離する目的で用いられる。
【0107】
また、上記剥離洗浄する工程において好適に用いることのできる床用剥離剤としては、特に制限はないが、例えば、水酸化アルカリ金属塩等のアルカリ剤および、エタノールアミン等のアミン化合物やジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール系溶剤、ベンジルアルコール等の芳香族系アルコール等から選ばれる溶剤を主剤とする、商品名:ゲットオフ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:パワーゴー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)ニュー・スーパーオールゴー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、スーパーオールゴーHG低臭(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、パワーゴープレミアム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)等があげられる。
【0108】
そして、上記バフにより熱可塑化して光沢復元剤皮膜を平滑化し光沢を向上させる工程は、前述の日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0109】
このように、本発明の床面維持管理方法によれば、従来のように、4〜6層に積層された初期皮膜を全て剥離洗浄し、再度4〜6層の積層した初期皮膜を再形成する作業が不要となり、作業時間とコストを軽減することができる。
【0110】
【実施例、比較例】
以下に、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、以下の記載において「部」は質量部を意味する。もちろん、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0111】
〔床用光沢復元剤組成物〕
(1)水性樹脂分散体の調製
攪拌機、還流冷却器、2個の滴下ロート、温度計、窒素導入管を備えた反応容器内に水60部およびラウリル硫酸ナトリウム0.5部を仕込み85℃に昇温した。そして、下記の表1〜表3に示す単量体混合物に、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部および水35部を加えて乳化させた。得られた単量体乳化液および5%過硫酸アンモニウム水溶液10部をそれぞれ別の滴下ロートにより3時間かけて連続的に反応容器内に滴下して乳化重合させた。滴下終了から1時間後に系を冷却して重合を終了させて、水性樹脂分散体を得た。
【0112】
なお、各水性樹脂分散体における重合体のガラス転移温度(℃)、酸価および不揮発成分量(%)を、表1〜表3に併せて示した。
【0113】
なお、表1〜表3において、CHAはシクロヘキシルアクリレート、CHMAはシクロヘキシルメタクリレート、MAAはメタクリル酸、AAはアクリル酸、nBAはアクリル酸n−ブチル、2EHAはアクリル酸2−エチルヘキシル、MMAはメタクリル酸メチル、STはスチレン、Tgはガラス転移温度、不揮発成分量は水性樹脂分散体における重合体の有効成分量をそれぞれ示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【実施例1〜39、比較例1〜14】
上記表1〜表3の水性樹脂分散体を用い、後記の表4〜表14に示す組成により、実施例1〜39、比較例1〜14の床用光沢復元剤組成物を調製した。ただし、これらの表において、12種類の水性樹脂分散体は、「水性分散体1〜12」と示している。また、各成分の組成を示す数字は、有り姿の%を示すものであり、各成分の詳細は以下に示すとおりである。
【0118】
滑り調整剤1 :ハイテックE−4000(東邦化学工業社製、ポリエチレンワックスエマルション、純分40%)
滑り調整剤2 :ハイテックP−5060S(東邦化学工業社製、ポリプロピレンワックスエマルション、純分40%)
滑り調整剤3 :エチレン−アクリル酸共重合体:ハイテックE−5403B(東邦化学工業社製、純分30%)
滑り調整剤4 :エチレン−酢酸ビニル共重合体(合成品、純分30%)
可塑剤1 :リン酸トリブチル
可塑剤2 :リン酸トリブトキシエチル
可塑剤3 :クエン酸アセチルトリブチル
可塑剤4 :クエン酸トリブチル
可塑剤5 :アジピン酸ジブチル
可塑剤6 :ジブトキシエチルアジピン酸エステル
濡れ性向上剤 :Zonyl FSJ(デュポン社製、純分25%)
消泡剤 :SE−21(WSC社製、純分17%)
防腐剤 :スラオフWB(武田薬品工業社製)
pH調整剤 :アンモニア(25%水溶液)
皮膜形成助剤1:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
皮膜形成助剤2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
皮膜形成助剤3:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
多価金属化合物:酸化亜鉛アンモニウム錯体水溶液(ZnO 12%)
アルカリ可溶性樹脂:トプコLR400レジン溶液(東洋ペトロライト社製、純分30%)
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】
【表6】
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】
【表9】
【0125】
【表10】
【0126】
【表11】
【0127】
【表12】
【0128】
【表13】
【0129】
【表14】
【0130】
そして、得られた各種床用光沢復元剤組成物について、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の試験項目および総合評価について、以下の試験方法と判定基準により評価し、その結果を前記の表4〜表14に併せて示した。
【0131】
(1) 光沢復元性
〔試験方法〕
1−1.試験フロアにおける初期皮膜の形成と光沢復元剤の塗布
ホモジニアスビニルタイル(商品名:MSプレーンNo. 90FPA63CF、東リ社製)を施工したフロアに、初期皮膜形成のため樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を一層あたり15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥した後、供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥後、バーニッシュパッド「商品名:バーニッシュパッドB50(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を装着したバッテリー式高速バフ機「型式:スプリント−2300BP(ジョンソン・プロフェッショナル社製、2300回転)」を用いて、バフを行った。
1−2.日常管理(自動床洗浄機による床面洗浄とバフがけ)
上記1−1.の作業後、歩行の行われるフロアーに対し、1週間毎に1度、日常管理として、床用クリーナー「商品名:ニュートラフレッシュ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」の100倍希釈水溶液にて、白パッド「商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド(住友3M社製)」を装着した自動床洗浄機「型式:JA−17(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を用いて床面洗浄を行った後、シャイニングパッド「商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を装着したバッテリー式高速バフ機「型式:スプリント−2300BP(ジョンソン・プロフェッショナル社製、2300回転)」を用いて、バフを行った。
1−3.試験期間と評価
上記1−2.の日常管理作業を1ヶ月間継続して行ったときの、光沢復元性を目視で観察し、以下の判定基準で評価した。
〔判定基準〕
◎:バフにより高い光沢復元性を示し、1ケ月間、当初皮膜形成時と同レベルの高光沢なフロアを持続した。
○:バフにより高い光沢復元性を示し、3週間、当初皮膜形成時と同レベルの高光沢なフロアを持続した。
△:バフにより中庸の光沢復元性を示したが、当初皮膜形成時程の高光沢なフロアの状態は持続できなかった。
×:バフしても光沢復元性はわずかで、初期皮膜形成時の光沢より劣っていた。
××:バフしても光沢復元性は認められず、初期皮膜形成時の光沢よりも大きくく劣っていた
【0132】
(2)乾燥性
〔試験方法〕
温度10℃−湿度70%Rhに調節された環境試験室内にて、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、東リ社製)に供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布後、光沢復元皮膜を直接に指で触って、その乾燥状態と、乾燥に要する時間を観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
◎:塗布後10分未満で乾燥し、べたつきもなく極めて良好である。
○:塗布後10分未満で乾燥し、良好である。
△:塗布後10〜15分を要して乾燥した。
×:塗布後15〜20分を要して乾燥した。
××:塗布後20分を超えて乾燥した。
【0133】
(3)低温での皮膜造膜性
〔試験方法〕
スライドガラス(寸法:76×26mm、MATSUNAMIGLASS社製)に供試床用光沢復元剤組成物を0. 5mL塗布した後、5℃に調整した冷蔵庫(型式:KAX−734、ホシザキ社製)に16時間配置した後、皮膜の造膜状態を目視にて観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:正常に造膜した。
×:造膜したが部分的に皮膜に亀裂が入った。
××:造膜できず粉化した。
【0134】
(4)耐ブラックヒールマーク(BHM)性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、寸法:30×30cm、東リ社製)に、樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を一層あたり15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥し、さらに供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥し、常温にて一昼夜乾燥させたものをヒールマーク試験機にて試験し、目視にて、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
10〜9:極めて高い耐BHM性を示す。
8〜6:適度な耐BHM性を有し、実用性を備えている。
5〜3:耐BHM性に欠け、実用性にも欠ける。
2〜1:極めて耐BHM性に欠ける。
【0135】
(5)耐スカッフ(SM)性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、寸法:30×30cm、東リ社製)に、樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥し、さらに供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥し、常温にて一昼夜乾燥させたものをヒールマーク試験機にて試験し、目視にて、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
10〜9:極めて高い耐スカッフ性を示す。
8〜6:適度な耐スカッフ性を有し、実用性を備えている。
5〜3:耐スカッフ性に欠け、実用性にも欠ける。
2〜1:極めて耐スカッフ性に欠ける。
【0136】
(6)貯蔵安定性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、供試床用光沢復元剤組成物を容器(ポリエチレン製、300ml容量)に入れて密栓し、50℃に保った恒温槽(いすず製作所社製、型式;KAX−730)で14日間保持する。その後の試料の状態をゲル化、相分離、固形分の沈殿等の有無を、目視で観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:ゲル化、相分離、固形分の沈殿等の問題が認められない。
×:ゲル化、相分離、固形分の沈殿等の問題が認められる。
【0137】
(7)総合評価
上記(1)〜(6)の結果をもとにして、総合的な視点から実用性を兼ね備えているか否かを、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:実用性を兼ね備えている。
△:実用性にやや劣る。
×:実用性に欠ける。
【0138】
上記の結果から、実施例1〜39品は、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の試験項目および総合評価において、良好な結果であることがわかる。
【0139】
比較例1〜14は、少なくとも一つの評価項目において問題を生じており、いずれも著しく実用性に欠けたものとなっている。
【0140】
なかでも、比較例1は水性樹脂分散体を含まない場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、特に、光沢復元性、貯蔵安定性が著しく欠けたものとなっている。また、比較例2は、滑り調整剤を含まない場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、光沢復元性に欠けたものとなっている。そして、比較例3は、低級アルコールを含まない場合に例であり、特に、光沢復元性、乾燥性に著しく欠けたものとなっている。さらに、比較例4は、不揮発成分量40%相当の水性樹脂分散体の配合量が5%未満の場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、光沢復元性の欠けたものとなっている。一方、比較例5は、水性樹脂分散体の配合量が20%を超える場合の例であり、特に、光沢復元性、乾燥性に欠けたものとなっている。
【0141】
比較例6は、滑り調整剤の配合量が1%未満の場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、特に、光沢復元性の欠けたものとなっている。一方、比較例7は、滑り調整剤の配合量が10%を超えて配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、貯蔵安定性に欠けたものとなっている。比較例8は、低級アルコールの配合量が7%未満の場合の例であり、特に、乾燥性に欠けたものとなっている。一方、比較例9は、低級アルコールの配合量が30%を超えて配合した場合の例であり、特に、貯蔵安定性に著しく欠けたものとなっている。
【0142】
さらに、比較例10、比較例11は可塑剤を含まないかその配合量が0.1%未満の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、特に、光沢復元性、低温での皮膜造膜性に著しく欠けたものとなっている。また、比較例12は、可塑剤の配合量が3%を超えて配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、特に、乾燥性、貯蔵安定性に欠けたものとなっている。比較例13は、水性樹脂分散体のTgが5℃未満のものを配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るものとなっている。一方、比較例14は、水性樹脂分散体のTgが70℃を超えているものを配合した例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しく、特に、光沢復元性、低温での皮膜造膜性に著しく欠けたものとなっている。
【0143】
【発明の効果】
以上のように、本発明の床用光沢復元剤組成物によれば、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の諸特性に優れた床構造体を形成することができる。そして、本発明の床構造体は、従来以上の優れた美観を有し、その美観を長期にわたって維持することができる。そして、本発明の床面維持管理法によれば、従来のように、4〜6層に積層された初期皮膜を全て剥離洗浄し、再度4〜6層の積層した初期皮膜を再形成する作業が不要となり、作業時間とコストを軽減することができる。そして、フロアーポリッシュ組成物を多層重ねる塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を軽減し、また、剥離洗浄の回数を減らすことができることから、それに伴う強アルカリ性廃液の排出量を低減することができるという利点を有する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、床用光沢復元剤組成物およびそれを用いた床構造体、並びにその床面維持管理方法に関し、より詳しくは、バフにより熱可塑化して平滑化し光沢を向上させることのできる特殊な光沢復元剤皮膜を形成しうる光沢復元剤組成物と、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物による初期皮膜と光沢復元剤皮膜とを積層形成してなる床構造体と、その光沢復元剤皮膜の摩耗の程度に応じて、上記光沢復元剤皮膜を洗浄し、必要に応じて床用光沢復元剤組成物を再塗布して光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させることを繰り返し行う床面維持管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
木質系床材、合成樹脂からなる化学床材、コンクリートや大理石等の石床などの床面には、床材の美観を保つともに、床面の保護を目的として、フロアーフィニッシュ組成物による皮膜が形成されている。上記フロアーフィニッシュ組成物は、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語の定義に規定されている。
【0003】
この規格において、フロアーポリッシュ組成物は、水性,乳化性,油性の3つに大別され、それぞれ、ポリマータイプとワックスタイプに分類されているが、現在、フロアーフィニッシュ組成物としては、水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物が主流となっている。
【0004】
上記水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物は、通常、アクリル系共重合物のエマルジョン、ポリエチレンワックスエマルジョン、アルカリ可溶性樹脂、可塑剤、その他の成分からなることが、特公昭44−24407号公報(特許文献1参照)、特公昭49−1458号公報(特許文献2を参照)等に示されている。
【0005】
また、界面活性剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及び剥離剤に、アルコールおよびエチル鉛を混合した洗剤をパッド等で床に延ばし、床面に付着した汚れや古いワックスを浮き上がらせ、この浮きあがった汚れや古いワックスを水モップで床から拭き取った後、床面に温風を吹き付けて床を乾燥させ、乾燥した床に、ワックスモップを使ってワックス掛けを行い、この表面に温風を吹き付けて表面乾燥を行う。そして、この表面にさらにワックス掛けと表面乾燥とを仕上がり状態に応じて数回行うことによる床清掃法が、特開2000−129291号公報に示されている(特許文献3を参照)。
【0006】
さらに、防水処理を施す工程と、床を水洗浄する工程と、前記水洗浄の汚水を除去し、床を乾燥させる工程と床の表面を研磨する工程と、床にウレタン系塗料を塗布・乾燥する工程とを含む木質又は樹脂製の床の洗浄再生方法が、特開2001−225035号公報に示されている(特許文献4を参照)。
【0007】
また、汚損されたプラスチック床やコルク床の表面に、アミン類およびアルコ−ル系溶剤を主成分とし、かつその粘度が常温で90〜200センチポイズの剥離剤を塗布し、剥離促進を図ったうえ、剥離剤の5〜10倍量の水を散水し、且剥離洗浄部材を回転摺動させて重積汚泥物の剥離と微砕化をなしたるうえ吸引除去し、引続いて柔軟性と吸水性を有する吸水清浄部材で残留水分および汚濁物を吸着除去して乾燥させ、そして床材表面をわずかに粗面状に研磨し、ワニスもしくはウレタン樹脂を主成分とする表面保護剤で表面保護層を形成するプラスチック床およびコルク床の洗浄再生工法が、特開2002−106180号公報に示されている(特許文献5を参照)。
【0008】
また、洗浄再生する床面全体の適宣面積区画内の床面に、アルカリ剥離剤を塗布し、適宣重量割合の水を散布するとともに、塗着されたアルカリ性剥離剤と混合させて浸透させて汚損保護膜剥離させたうえ、この剥離条件をもって床面全体の汚損保護膜の剥離をなす剥離浸透工程と、剥離された汚損保護膜の確実な剥離と破砕並びに吸引除去する洗浄除去工程、床面内部に浸透したアルカリ成分の中和と漂白をなる酸化処理工程、床面内部に浸透残留する液状酸化剤の中和固定を図る中和工程を施したうえ一旦乾燥し、平滑研磨工程の後、塗膜形成工程を施す床の洗浄再生方法が、特開2002−172078号公報に示されている(特許文献6を参照)。
【0009】
一方、床面被覆物が光硬化型樹脂塗膜であり、予め床面被覆物上でつや出し・焼付け用のパッドを回転し、床面被覆物上あるいは不織物パッドや練糸を基布に植毛した糸状パッドに研磨剤を塗布して研磨を行うことにより、短時間で床面の光沢度を上昇することができるようにした床面被覆物の光沢復元方法が、特開2002−209819号公報に示されている(特許文献7参照)。
【0010】
【特許文献1】
特公昭44−24407号公報
【特許文献2】
特公昭49−1458号公報
【特許文献3】
特開2000−129291号公報
【特許文献4】
特開2001−225035号公報
【特許文献5】
特開2002−106180号公報
【特許文献6】
特開2002−172078号公報
【特許文献7】
特開2002−209819号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物は、百貨店、スーパーマーケット、ホテル、病院、空港等における床材表面に対して、通常4〜6層を塗り重ねることによって床構造体を形成し、優れた光沢度や耐久性等を導き出している。しかしながら、塗布・乾燥に要する時間は、季節、温度及び湿度等の条件にもよるが、一層当たり30〜60分かかるため、一連の塗布作業には、かなりの作業時間を要するものとなっている。
【0012】
また、このようにして形成された床構造体は、施設や事業所にもよるが、1〜14回/週の割合で、水を含ませたモップ等で汚れを拭き取った後、必要に応じてバフを行うといった床面の日常維持管理が行われている。そして、8〜10回/年の割合で、床用クリーナーを用いて床面表面を洗浄し、床面表面を乾燥した後、フロアーポリッシュ組成物を1〜2層を塗布・乾燥させるといった床面の定期維持管理が行われている。
【0013】
そしてさらに、約1年毎に、フロアーポリッシュ組成物皮膜の一部または全部を床用剥離剤組成物を用いて剥離洗浄とすすぎを行い、床面表面を乾燥させた後、フロアーポリッシュ組成物を4〜6層を塗布・乾燥して、フロアーポリッシュ組成物皮膜を再形成させることが、定期的な床面の維持管理方法として行われている。
【0014】
また、フロアーポリッシュ組成物により形成された皮膜(初期皮膜)は、強靱で、耐久性がある一方、皮膜が摩耗して美観等を失った場合には、強アルカリ性の床用剥離剤を用いて剥離洗浄しなければならないため、強アルカリ性の廃水が多く出るという問題がある。このため、環境負荷の軽減等の点から、上記強アルカリ性廃水の低減が強く望まれている。
【0015】
一方、近年、コンビニエンスストアを始めとした24時間営業の店舗や事業所も増加し、従来のようにフロアーポリッシュ組成物を多層塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を割くことが困難となっている。このため、簡便でありながら、従来と遜色ない美観等を維持するための床面の管理方法が要望されている。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、フロアーポリッシュ組成物の多層塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を軽減し、また、剥離洗浄の回数を減らすことができ、強アルカリ性廃水の排出量を低減することのできる光沢復元剤皮膜を形成しうる特殊な光沢復元剤組成物と、それを用いた床構造体と、その床面維持管理方法の提供を、その目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有する床用光沢復元剤組成物を第1の要旨とする。
(A)ガラス転移温度(Tg)が5〜70℃である水性樹脂分散体:純分換算で2〜8質量%。
(B)滑り調整剤:純分換算で0.3〜3質量%。
(C)低級アルコール:7〜30質量%。
(D)可塑剤:0.1〜3質量%。
【0018】
また、本発明は、そのなかでも特に、上記(A)水性樹脂分散体が、下記の単量体(a)、(b)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている床用光沢復元剤組成物を第2の要旨とする。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:70〜95質量%。
【0019】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記(A)水性樹脂分散体が、下記の各単量体(a)〜(c)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている床用光沢復元剤組成物を第3の要旨とする。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:20〜90質量%。
(c)上記(a)および(b)単量体と共重合可能な単量体:5〜75質量%。
【0020】
また、本発明は、それらのなかでも特に、上記(B)滑り調整剤が、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスおよびエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体から選ばれる少なくとも一種である床用光沢復元剤組成物を第4の要旨とし、上記(C)低級アルコールが、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールから選ばれる少なくとも一種である床用光沢復元剤組成物を第5の要旨とし、床材が、化学床、木床および石床のいずれかの用途である床用光沢復元剤組成物を第6の要旨とする。
【0021】
そして、本発明は、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してなる初期皮膜が形成され、その上に、上記第1〜第6のいずれかの要旨である床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥後、バフにより熱可塑化してなる光沢復元剤皮膜が形成されている床構造体を第7の要旨とする。
【0022】
また、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を日常的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の日常維持管理方法を第8の要旨とする。
【0023】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の日常維持管理方法を第9の要旨とする。
【0024】
また、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を定期的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)上記第1〜第6のいずれかの要旨である床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の定期維持管理方法を第10の要旨とする。
【0025】
さらに、本発明は、そのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の定期維持管理方法を第11の要旨とし、上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、白パッドおよび赤パッドのいずれかである床面の定期維持管理方法を第12の要旨とする。
【0026】
また、本発明は、それらのなかでも特に、上記床面表面を洗浄する工程(イ)において用いられる洗浄剤水溶液が、床用クリーナーである床面の定期維持管理方法を第13の要旨とし、上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした床面の定期維持管理方法を第14の要旨とし、上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドである床面の定期維持管理方法を第15の要旨とする。
【0027】
そして、本発明は、上記第7の要旨である床構造体の床面を総合的に維持管理する方法であって、上記第8もしくは第9の要旨である日常維持管理方法と、上記第10〜15のいずれかの要旨である定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ヘ)光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ’)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の総合維持管理方法を第16の要旨とする。
【0028】
また、本発明は、そのなかでも特に、上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした床面の総合維持管理方法を第17の要旨とし、上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、黒パッド、茶パッドのいずれかである床面の総合維持管理方法を第18の要旨とする。
【0029】
さらに、本発明は、それらのなかでも特に、上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において用いられる剥離剤水溶液が、アルカリ剤および溶剤を主剤とする床用剥離剤である床面の総合維持管理方法を第19の要旨とし、上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした床面の総合維持管理方法を第20の要旨とし、さらに、上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドのいずれかである床面の総合維持管理方法を第21の要旨とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
本発明に用いられる床用光沢復元剤組成物は、(A)特定の水性樹脂分散体、(B)滑り調整剤、(C)低級アルコール、(D)可塑剤および(E)水を含有するものである。
【0032】
上記(A)成分である水性樹脂分散体としては、α,β−不飽和カルボン酸単量体(a成分)と、アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方(b成分)の2種類の単量体で構成することが好適である。そして、場合によっては、上記(a)成分、(b)成分とともに、これらと共重合可能な単量体(c成分)を用いることもできる。
【0033】
上記(a)成分であるα,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、 メタクリル酸、 フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等があげられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸が用いられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸単量体は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
【0034】
そして、上記(A)成分の水性樹脂分散体が、上記(a)成分と(b)成分から構成されるときと、上記(a)成分〜(c)成分の3成分から構成されるときのどちらの場合も、上記(a)成分は、全単量体の合計量を基準として5〜30質量%(以下「%」と略す)の割合で配合されることが好ましい。すなわち、5%未満では、皮膜の耐久性が低下するおそれがあり、一方、30%を超えて配合した場合にはレベリング性に劣る傾向が見られ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、5〜25%の割合で配合されることが好ましい。
【0035】
また、上記(b)成分であるアクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸i−アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸i−ノニル、アクリル酸デシル、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシアミルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸i−アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸i−ノニル、メタクリル酸デシル、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシアミルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。なかでも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが、好適に用いられる。これらのアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
【0036】
そして、上記(A)水性樹脂分散体が、上記(a)成分と(b)成分から構成されるとき、上記(b)成分は、全単量体の合計量を基準として70〜95%の割合で配合されることが好ましい。すなわち、70%未満では、耐久性、耐候性に乏しく、一方、95%を超えて配合した場合には光沢度に劣る傾向がみられ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、75〜90%の割合で配合されることが特に好ましい。
【0037】
また、上記(A)水性樹脂分散体が、上記(a)成分〜(c)成分の3成分から構成されるとき、上記(b)成分は、全単量体の合計量を基準として20〜90%の割合で配合されることが好ましい。すなわち、20%未満では、耐久性、耐候性に乏しく、一方、90%を超えて配合した場合には光沢度に劣る傾向がみられ、好ましくない。なかでも、貯蔵安定性の点から、25〜85%の割合で配合されることが特に好ましい。
【0038】
さらに、上記(c)成分である、(a)および(b)の単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロー3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アルキルフェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドアクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エチレングリコールアクリレートモノフタレート、エチレングリコールアクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルアクリレート類、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、アルキルフェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドメタクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレートモノフタレート、エチレングリコールメタクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリト ールテトラメタクリレート等の多官能性単量体、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の酸アミド化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物、トリフルオロエチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート等のフッ素原子含有単量体、γ−メタクリロイルプロパントリメトキシシラン、チッソ社製のサイラプレーンFMO711等の反応性シリコーン等のシリコーン化合物、アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル、アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体等があげられ、好ましくは、スチレンが用いられる。
【0039】
これら(c)成分の単量体は、前記(a)成分、(b)成分とともに用いることは任意であるが、これを共重合させると、耐滑り性が向上するという利点を有する。この(c)成分は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。そして、全単量体の合計量を基準として75%以下の割合で配合されることが好ましい。すなわち、75%を超えて配合した場合には耐久性が劣り、好ましくないからである。なかでも、耐滑り性の点から、5〜45%の割合で共重合されることが好ましい。
【0040】
上記水性樹脂分散体は、以下に述べるような乳化剤、重合開始剤を使用して、広く知られている乳化重合法により製造することが好ましい。
【0041】
まず、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、スチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホ琥珀酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルグリセリンエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールアルキルグリセリンエーテルサルフェート等の反応性乳化剤、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、水溶性アクリル酸エステル共重合体、水溶性メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体およびそれらの塩、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体およびそれらの塩、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタクリルアミド共重合体等の高分子界面活性剤等が使用できる。これらは単独または2種以上併用して使用することができる。乳化剤の望ましい使用量は、通常単量体100質量部当たり0.05〜5質量部である。乳化剤の使用量が0.05質量部未満では乳化性に乏しく、一方5質量部を超えると耐水性に劣ることがある。
【0042】
また、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロキシペルオキシド等の過酸化物などが使用できる。これらは亜硫酸水素ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤を併用したレドックス系として使用してもよい。
【0043】
そして、重合反応の温度は、20〜95℃が好ましく、特に40〜90℃であることが好ましい。また、重合時間は1〜10時間であることが好ましい。
【0044】
なお、上記水性樹脂分散体は、そのガラス転移温度(Tg)が、5〜70℃のでなければならない。すなわち、水性樹脂分散体のガラス転移温度が5℃未満の場合では、光沢復元剤皮膜にべとつきを生じやすく、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性に劣り、一方、70℃を超える場合には、耐粉化性が乏しくなる。また、平均分子量が50,000未満の場合では、低温での皮膜造膜性に乏しく、好ましくない。
【0045】
したがって、上記水性樹脂分散体の設計にあたっては、単量体の種類と配合割合を調整することにより、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内に設定されるよう共重合させなければならない。なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、次に示されるFoxの式(1)で求められる。
【0046】
【数1】
【0047】
上記式(1)において、ホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(Tg)については、ポリマーハンドブック等に記載されている値を用いることができる。例えば、ポリメタクリル酸メチル:105℃、ポリアクリル酸n−ブチル:−54℃、ポリアクリル酸2−エチルへキシル:−50℃、ポリアクリル酸シクロヘキシル:19℃、ポリメタクリル酸:228℃、ポリメタクリル酸シクロヘキシル:66℃、ポリアクリル酸:106℃、ポリスチレン:100℃、ポリα−メチルスチレン:168℃等である。
【0048】
上記水性樹脂分散体は、例えば、不揮発成分濃度が10〜50%の水性分散液として得ることができる。そして、本発明の床用光沢復元剤組成物中には、不揮発成分40%相当の分散液(有り姿)として5〜20%の範囲で配合することが必要である。つまり、純分換算100%として2〜8%の水性樹脂分散体が配合される。2%未満では光沢復元性に乏しくなり、一方、8%を超えて配合した場合には、乾燥性が劣るとともに、作業性の低下を生じるからである。
【0049】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いる(B)成分の滑り調整剤としては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨ロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成ワックス、エチレン−アクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレン−マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−α、β−カルボン酸共重合体等をあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
これらの滑り調整剤のうち、特に、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、耐滑り性の点から、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
【0051】
本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記滑り調整剤を、不揮発成分量30%相当(有り姿)として1〜10%の範囲で配合することが必要である。つまり、純分換算100%として、0.3〜3%の滑り調整剤が配合される。0.3%未満では光沢復元性に乏しくなり、3%を超えて配合した場合には、耐滑り性の低下を生じるからである。なかでも、特に、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性の点から、0.3〜1.5%の範囲となるように配合することが好ましい。
【0052】
さらに、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(C)成分の低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等をあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、他の成分とのバランスや、においおよび取扱いの点から、エチルアルコール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
【0053】
上記低級アルコールは、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、7〜30%の範囲となるように配合することが必要である。すなわち、7%未満では乾燥性に劣り、30%を超えて配合した場合には、他の成分とのバランスや床材への影響といった点から不適である。なかでも、光沢復元剤の塗布作業性および乾燥性の点から、10〜20%の範囲となるように配合することが好ましい。
【0054】
本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(D)成分の可塑剤としては、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル類、リン酸トリブチル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリブトキシエチル等のリン酸エステル類、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、ジメチルアジピン酸エステル、ジイソデシルアジピン酸エステル、ジイソブチルアジピン酸エステル、ジブトキシエチルアジピン酸エステル、ジブチルグリコールアジピン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族二塩基酸エステル類、ペンタジオールのイソブチルエステル誘導体、塩素化パラフィン等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、皮膜の造膜性の点から、リン酸トリブチル、リン酸トリ2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸トリブトキシエチル等のリン酸エステル類が好ましい。
【0055】
上記可塑剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.1〜3%配合することが必要である。すなわち、0.1%未満では皮膜の造膜性が低下し、また3%を超えて配合した場合には、他の成分とのバランスやコスト面から好ましくない。なかでも、特に、0.2〜1%配合することが好ましい。
【0056】
さらに、本発明の床用光沢復元剤組成物に用いられる、(E)成分の水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水、純水等があげられる。本発明においては、経済性の点から水道水を用いることが好ましい。上記水は、床用光沢復元剤組成物中にバランスとして配合され、上記各種成分および任意成分を含めた配合量が100%となるように、残%配合される。
【0057】
なお、本発明の床用光沢復元剤組成物には、任意成分として皮膜形成助剤を用いることができる。上記皮膜形成助剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等のグリコールエーテル類、α−アミノアルコール、β−アミノアルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノイソヘキシルアルコール、N,N,−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N,N−ブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール等のアミン化合物等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、他成分とのバランスによる乾燥性、におい、皮膜形成性能の点から、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類が好ましい。
【0058】
上記皮膜形成助剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.3〜5%配合することが好適である。すなわち、0.3%未満では皮膜の造膜性が低下するおそれがあり、また5%を超えて配合した場合には、他成分とのバランスから好ましくない。なかでも、特に、本発明においては低温における造膜性の点から0.5〜3%配合することが好ましい。
【0059】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、任意成分として濡れ性向上剤を用いることができる。上記濡れ性向上剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド類、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤、ラウロイルアミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型両性イオン界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性イオン界面活性剤、アルキルスルホベタイン型両性イオン界面活性剤、ヤシ脂肪酸アミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタインなどのアミドスルホベタイン型両性界面活性剤、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、β−アラニン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、濡れ向上性能の点からフッ素系界面活性剤が好ましく、また、経済性や低泡性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の低泡性の非イオン界面活性剤が好ましい。なかでも、モップやアプリケーター等による塗布作業性から、フッ素系界面活性剤が特に好ましく用いられる。
【0060】
上記濡れ性向上剤は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、例えば0.01〜2%配合することが好適である。すなわち、0.01%未満では濡れ性に問題が生じやすく、また2%を超えて配合した場合には、所望の効果が飽和となるばかりでなく、他成分とのバランスから好ましくない。なかでも、特に、濡れ性、塗布作業性の点から0.02〜0.5%配合することが好ましい。
【0061】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記以外の成分として、多価金属化合物、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
【0062】
上記多価金属化合物としては、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛アンモニア、炭酸カルシウムエチレンジアミン−アンモニア、酢酸亜鉛アンモニア、アクリル酸亜鉛アンモニア、リンゴ酸亜鉛アンモニア、アラニンカルシウムアンモニア等の金属架橋を形成するための多価金属化合物(重金属等)等を用いることができる。なお、ここでいう「多価金属」とは、2価以上の金属であり、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、銅、カドミウム、鉛、ビスマス、バリウム、アンチモン、ジルコニウム等があげられ、「多価金属化合物」とは、これらの多価金属を含有する化合物である。
【0063】
また、上記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ロジン変性マレイン酸、シェラック等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0064】
これらのなかでも、特に、濡れ性、皮膜形成の点から、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体を用いることが好適である。
【0065】
上記アルカリ可溶性樹脂は、本発明の床用光沢復元剤組成物中に、必要に応じて、不揮発性分量30%相当品(有り姿)として、2%以下の範囲内で配合することができる。つまり、純分換算100%として0.6%以下の範囲で配合することができる。
【0066】
また、本発明の床用光沢復元剤組成物には、上記各成分以外に、適宜、アンモニア,アミン等のpH調整剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤、香料、染料、ウレタン樹脂、コロイダルシリカ、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を用いることもできる。
【0067】
そして、本発明の床用光沢復元剤組成物は、例えば、水に、可塑剤、皮膜形成助剤、濡れ性向上剤を添加した後、滑り調整剤、水性樹脂分散体を混合することにより、好適に製造することができる。ただし、混合の順序は適宜変更できるものであり、上記順序に限定されるものではない。
【0068】
なお、本発明の床用光沢復元剤組成物は、原液におけるpH(JIS−Z−8802:1984「pH測定方法」)が、25℃で6〜10の範囲となるよう設定することが好ましく、なかでも、7〜9の範囲に設定することが好適である。そして、本発明の床用光沢復元剤組成物の外観は、透明〜乳白色となる。
【0069】
つぎに、本発明の床構造体について説明する。本発明の床構造体は、上記床用光沢復元剤組成物を用いて形成された光沢復元剤皮膜を有するもので、例えば、床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してなる初期皮膜が形成され、その上に、上記床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥後、バフにより熱可塑化してなる光沢復元剤皮膜が形成された構成になっている。
【0070】
上記床材としては、特に限定はないが、ビニル系、合成樹脂塗り床等の化学床、石床、セメント床、フローリング床(木床)等、各種の床を構成する床材があげられる。なかでも、バフによる熱可塑化で得られる光沢復元効果の発現が顕著な化学床、木床及び石床であることが好ましい。
【0071】
また、上記初期皮膜は、フロアーポリッシュ組成物を用いることによって形成することができる。本発明に用いられるフロアーポリッシュ組成物としては、特に制限はないが、市販されているものとしては、例えば、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:プロステージ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタスEX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・ウエットルック(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:スプリント・プロ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、スターダム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:シールド(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:グロリア(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ブレイザー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ファーストステップ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ハイヌーン(ブッチャー社製)、商品名:トレードマーク(ラムジー社製)等があげられる。本発明においては、なかでも、特にバフによる熱可塑化が良好な点から、商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:プロステージ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:ステイタス−EX(ジョンソン・プロフェッショナル社製)が好ましい。
【0072】
上記初期皮膜の形成に用いられる上記フロアーポリッシュ組成物は、清浄で乾燥された床面に対して、通常、一層当たり10〜15g/m2 の塗布量の割合で複数回の塗布・乾燥が繰り返し行われる。なお、本発明では、従来のように2層〜6層を塗り重ねてもよいが、3層を超えて塗り重ねても、本発明の光沢復元剤皮膜との組み合わせにおいて、光沢度、耐久性が飽和となってしまうとともに、塗布・乾燥のコストや作業時間(作業性)の点から不利なものとなるため、2〜3層を塗り重ねることで充分である。
【0073】
また、床材の種類によっては、多孔質の床材表面の凹凸等をシーリングする目的や、床材と初期皮膜との密着性を高める目的から、フロアーポリッシュ組成物を用いて初期皮膜を形成させる前に、フロアーシーラー組成物等の補助皮膜を形成するようにしてもよい。
【0074】
なお、ここでいう「フロアーシーラー組成物」とは、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語において、「乾燥後に皮膜を形成し、物理的・化学的方法により容易に除去できない製品」として定義されるものである。具体的には、例えば、市販されている製品としては、例えば、商品名:ベーシックコート(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:アイアンストーン(ブッチャー社製)、商品名:ピラー(ラムジー社製)などがあげられる。
【0075】
上記フロアーシーラー組成物は、通常、一層あたり10〜20g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥が繰り返し行われ、通常、1層〜4層を塗り重ねることが行われる。本発明においては、多孔質の床材表面の凹凸等をシーリングする目的や床材と初期皮膜との密着性を高める目的から、任意に、1〜2層を塗り重ねることで充分である。2層以上を塗り重ねても、シーリング剤としての上記目的からの効果は飽和にあり、また、コスト、作業時間(作業性)の点から不利なものとなる。
【0076】
上記光沢復元剤皮膜の形成に用いられる上記床用光沢復元剤組成物は、通常、一層あたり3〜7g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥が繰り返し行われる。なかでも、特に、塗布作業性やコスト面からおおよそ一層あたり5g/m2 の塗布量の割合で塗布・乾燥することが好ましい。そして、上記光沢復元剤皮膜は、単層であっても、2層以上の複数層であってもよいが、通常、経済性、作業性の点から、単層で形成されることが好ましい。
【0077】
上記床用光沢復元剤組成物は、スプレー塗布、ローラー塗布、ブラシ塗布、刷毛塗り、モップによる塗布などの通常の方法により被塗物に塗布することができる。塗布条件としての温度、湿度等の調節は、適宜乾燥機、送風機、エアコンディショナー等によって行うことができる。
【0078】
そして、その塗布後の乾燥は、通常、常温(5〜35℃)で行われるが、より好適には20〜25℃前後で乾燥することが行われる。これにより、可剥離性の保護膜が形成される。なお、保護膜の形成過程において水分の蒸発を促進させるために、送風,加熱または両者の併用等の水分除去手段を適宜用いるようにしてもよい。これにより、保護膜の形成時間を調整することが容易となるが、加熱手段は、あくまでも水分の蒸発のためのものであって、保護膜形成のために加熱を必須構成要件とするものではない。なお、本発明の光沢復元剤組成物は、通常、塗布後10分未満で乾燥するため、フロアーポリッシュを塗布乾燥した場合(30〜60分)に比べて、大幅に時間を短縮することができ、作業効率が高くなるという利点を有する。
【0079】
そして、上記床用復元剤組成物による保護皮膜は、バフにより熱可塑化して平滑化し、光沢の向上した光沢復元剤皮膜が形成される。
【0080】
上記バフ作業は、作業場所や作業面積に応じて、通常、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき、ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるフロアパッドとしては、高速バフ専用パッドが用いられ、例えば、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、モッピングパッド(例えば、住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0081】
このようにして得られた床構造体は、初期皮膜と光沢復元剤皮膜が積層形成されているため、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性に優れている。そして、光沢復元剤皮膜が経時的に摩耗して美観等が低下した場合には、以下に述べるような、簡素な作業において床面の維持管理をすることができるという特徴を備えているため、作業時間が軽減でき、コスト面においても低コストでおこなうことができるという利点を有する。
【0082】
つぎに、本発明の床面維持管理方法について詳細に説明する。
【0083】
すなわち、本発明の床面維持管理方法は、上記本発明の床構造体を対象とするもので、光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(1)床面の日常維持管理方法、(2)床面の定期維持管理方法、および(3)総合維持管理方法の3種類の維持管理方法が適宜使い分けられるようになっている。
【0084】
上記(1)床面の日常維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった光沢復元剤皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する(表面洗浄)。
・床面表面を乾燥させる。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑して平滑化し光沢を向上させる。
という3工程を備えており、基本的に毎日、例えば1〜3回/日の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。
【0085】
また、上記(2)床面の定期維持管理方法は、歩行等による傷や光沢度の低下、ヒールマークや汚れ等の付着などといった光沢復元剤皮膜の摩耗に応じて、
・床面表面を洗浄する。
・床面表面を乾燥する。
・フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する。
・床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
という5工程を備えており、例えば4〜6回/年の割合で行うことによって、所望の光沢度、美観、耐久性等を復元維持させるものである。
【0086】
そしてまた、上記(3)総合維持管理方法は、上記(1)日常管理方法と、上記(2)定期維持管理方法とを補うことを目的として行われる床面の総合維持管理方法であって、
・光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ。
・床面表面を乾燥する。
・フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する。
・光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する。
・バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
という5工程を備えており、光沢復元剤皮膜を再形成し、高い光沢度、美観、耐久性等を回復・再構築するものである。
【0087】
さらに詳しく述べると、上記(1)床面の日常維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ホ)バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程を備えている。
【0088】
上記床面表面を洗浄する工程では、床面のゴミや汚れをダストモップやほうきを用いて除去した後に、水又は床用クリーナーの希釈液を用いて、モップ等で汚れ等を拭き取っても、あるいは、自動床用洗浄機を用いて床面を洗浄してもよく、初期皮膜を傷めることなく、光沢復元剤皮膜のみを表面洗浄することを目的として行われる。このとき、表面洗浄廃液は、ウエットバキュームやフロアースクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0089】
そして、表面洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液は、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる。
【0090】
つぎに、バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる。
【0091】
そして、歩行頻度の度合いや光沢復元剤皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、毎日、例えば1〜14回/週の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。
【0092】
なお、上記光沢復元剤皮膜を表面洗浄する工程においては、床面表面の汚れの度合いや作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による洗浄がおこなわれるが、作業効率等から、ポリッシャー、自動床用洗浄機等を用いた機械洗浄であることが好ましい。
【0093】
特に、機械洗浄で行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)、赤パッド(例えば、商品名:レッドバッファーパッド/住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましい。
【0094】
また、上記表面洗浄する工程において好適に用いることのできる床用クリーナーとしては、界面活性剤を主剤とする、商品名:無リン・フォワード(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:フォワード・ノンリンス(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バンノークリーナー(ティーポール社製)、商品名:サニタリークリーナー(ティーポール社製)等があげられる。このほか、後述する床用剥離剤を適宜希釈して用いることもできるが、希釈作業の容易性や薬剤の取り扱いの容易性から、上記床用クリーナーを用いることが特に好ましい。
【0095】
そして、上記バフにより光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程においても、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いて行われる。このとき装着されるフロアパッドとしては、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュパッドB50(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、白パッド(例えば、商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド/住友3M社製)等のワックスの軽い洗浄・つや出し作業、焼き付け作業用途で用いられる比較的柔らかなフロアパッドを用いることが好ましく、特に、商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:バーニッシュ・デイリーソフト(ジョンソン・プロフェッショナル社製)のいずれかを用いることが好適である。このときのパッドの回転速度は、通常、1500〜3000回転で行われ、光沢復元性能と作業性の点から、2000〜2500回転で行うことが特に好ましい。
【0096】
また、(2)床面の定期維持管理方法では、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)本発明の床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えている。
【0097】
上記床面表面を洗浄・乾燥する工程は、前述の日常維持管理方法における床面表面の洗浄工程と同様であり、その説明を省略する。
【0098】
そして、上記床面に、モップやアプリケーター等を用いて、まず始めに、フロアーポリッシュ組成物を、一層あたり10〜15g/m2 にの塗布量の割合で追加塗布・乾燥する工程にて、1〜2層の初期皮膜を追加形成した後、続いて、床用光沢復元剤組成物を塗布する。塗布量は、通常、一層あたり3〜7g/m2 に設定することが好適である。その後、床面を乾燥し、バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化することにより、光沢復元剤皮膜を追加形成(再形成)することができる。
【0099】
そして、歩行頻度の度合いや光沢復元剤皮膜に摩耗や汚れを認めた場合、通常、4〜6回/年の割合で上記一連の作業を繰り返すことにより、床面の清浄・美観を回復させることができる。
【0100】
なお、上記光沢復元剤皮膜を表面洗浄する工程、バフにより熱可塑化して光沢復元剤皮膜を平滑化し光沢を向上させる工程も、前述の、日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0101】
また、(3)床面の総合維持管理方法は、上記(1)床面の日常維持管理方法と、上記床面の定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ヘ)光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ’)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを含む床面の総合維持管理方法である。
【0102】
上記床面の総合維持管理方法における剥離洗浄には、例えば、床用剥離剤を用いて、所望の光沢度、美観、耐久性等の回復が困難となった光沢復元皮膜とともに初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄することを目的として行われる。このとき、初期皮膜の劣化度合い等に応じて、床用剥離剤水溶液の濃度を調整することにより、剥離洗浄によって除去する初期皮膜の層数を適宜に設定することができる。通常、初期皮膜の全部を剥離洗浄除去し新たな床構造体を形成するが、問題のない初期皮膜の一部を残して再利用する場合もあり、その場合は、初期皮膜の塗布回数(新たに形成する初期皮膜の追加層数)を減らすことができるため、作業時間の短縮と管理コストの低減化を実現することができる。また、このときの剥離洗浄廃液は、ウエットバキュームやフロアースクイジー等を用いて回収することが好適である。
【0103】
そして、上記剥離洗浄後、水道水によりすすぎを行い、すすぎ廃液も、バキュームやスクイジーを用いて回収する。また、床面は、拭きあげた後、乾燥させる。
【0104】
そして、上記床面に、モップやアプリケーター等を用いて、まず始めに、フロアーポリッシュ組成物を、一層あたり10〜15g/m2 にの塗布量の割合で塗布・乾燥する工程を繰り返し、4〜6層により構成された初期皮膜を形成した後、続いて、床用光沢復元剤組成物を塗布する。塗布量は、通常、一層当たり3〜7g/m2 に設定することが好適である。その後、床面を乾燥し、バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して、光沢復元剤皮膜を追加形成することができる。つまり、本発明の床構造体を新たに再形成するものである。
【0105】
なお、上記剥離洗浄する工程においては、作業場所や作業面積に応じて、ポリッシャー、自動床用洗浄機を用いた機械洗浄や、モップ,ブラシ等を用いた手作業による剥離洗浄がおこなわれるが、作業効率等から、ポリッシャー、自動床用洗浄機等を用いた機械剥離洗浄であることが好ましい。
【0106】
特に、機械剥離洗浄で行う場合には、ポリッシャー、自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドとしては、通常、ワックスの剥離作業用途で用いられる黒パッド(例えば、商品名:ハイプロパッド、ストリッピングパッド/住友3M社製)、茶パッド(例えば、商品名:ブラウンストリッパーパッド/住友3M社製)を用いて、床用光沢復元剤組成物の皮膜とともに、フロアーポリッシュ組成物皮膜からなる初期皮膜の少なくとも一部を剥離する目的で用いられる。
【0107】
また、上記剥離洗浄する工程において好適に用いることのできる床用剥離剤としては、特に制限はないが、例えば、水酸化アルカリ金属塩等のアルカリ剤および、エタノールアミン等のアミン化合物やジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール系溶剤、ベンジルアルコール等の芳香族系アルコール等から選ばれる溶剤を主剤とする、商品名:ゲットオフ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、商品名:パワーゴー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)ニュー・スーパーオールゴー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、スーパーオールゴーHG低臭(ジョンソン・プロフェッショナル社製)、パワーゴープレミアム(ジョンソン・プロフェッショナル社製)等があげられる。
【0108】
そして、上記バフにより熱可塑化して光沢復元剤皮膜を平滑化し光沢を向上させる工程は、前述の日常維持管理方法と同様であり、その説明を省略する。
【0109】
このように、本発明の床面維持管理方法によれば、従来のように、4〜6層に積層された初期皮膜を全て剥離洗浄し、再度4〜6層の積層した初期皮膜を再形成する作業が不要となり、作業時間とコストを軽減することができる。
【0110】
【実施例、比較例】
以下に、本発明の実施例および比較例を説明する。なお、以下の記載において「部」は質量部を意味する。もちろん、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0111】
〔床用光沢復元剤組成物〕
(1)水性樹脂分散体の調製
攪拌機、還流冷却器、2個の滴下ロート、温度計、窒素導入管を備えた反応容器内に水60部およびラウリル硫酸ナトリウム0.5部を仕込み85℃に昇温した。そして、下記の表1〜表3に示す単量体混合物に、ラウリル硫酸ナトリウム0.5部および水35部を加えて乳化させた。得られた単量体乳化液および5%過硫酸アンモニウム水溶液10部をそれぞれ別の滴下ロートにより3時間かけて連続的に反応容器内に滴下して乳化重合させた。滴下終了から1時間後に系を冷却して重合を終了させて、水性樹脂分散体を得た。
【0112】
なお、各水性樹脂分散体における重合体のガラス転移温度(℃)、酸価および不揮発成分量(%)を、表1〜表3に併せて示した。
【0113】
なお、表1〜表3において、CHAはシクロヘキシルアクリレート、CHMAはシクロヘキシルメタクリレート、MAAはメタクリル酸、AAはアクリル酸、nBAはアクリル酸n−ブチル、2EHAはアクリル酸2−エチルヘキシル、MMAはメタクリル酸メチル、STはスチレン、Tgはガラス転移温度、不揮発成分量は水性樹脂分散体における重合体の有効成分量をそれぞれ示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【実施例1〜39、比較例1〜14】
上記表1〜表3の水性樹脂分散体を用い、後記の表4〜表14に示す組成により、実施例1〜39、比較例1〜14の床用光沢復元剤組成物を調製した。ただし、これらの表において、12種類の水性樹脂分散体は、「水性分散体1〜12」と示している。また、各成分の組成を示す数字は、有り姿の%を示すものであり、各成分の詳細は以下に示すとおりである。
【0118】
滑り調整剤1 :ハイテックE−4000(東邦化学工業社製、ポリエチレンワックスエマルション、純分40%)
滑り調整剤2 :ハイテックP−5060S(東邦化学工業社製、ポリプロピレンワックスエマルション、純分40%)
滑り調整剤3 :エチレン−アクリル酸共重合体:ハイテックE−5403B(東邦化学工業社製、純分30%)
滑り調整剤4 :エチレン−酢酸ビニル共重合体(合成品、純分30%)
可塑剤1 :リン酸トリブチル
可塑剤2 :リン酸トリブトキシエチル
可塑剤3 :クエン酸アセチルトリブチル
可塑剤4 :クエン酸トリブチル
可塑剤5 :アジピン酸ジブチル
可塑剤6 :ジブトキシエチルアジピン酸エステル
濡れ性向上剤 :Zonyl FSJ(デュポン社製、純分25%)
消泡剤 :SE−21(WSC社製、純分17%)
防腐剤 :スラオフWB(武田薬品工業社製)
pH調整剤 :アンモニア(25%水溶液)
皮膜形成助剤1:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
皮膜形成助剤2:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
皮膜形成助剤3:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
多価金属化合物:酸化亜鉛アンモニウム錯体水溶液(ZnO 12%)
アルカリ可溶性樹脂:トプコLR400レジン溶液(東洋ペトロライト社製、純分30%)
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】
【表6】
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】
【表9】
【0125】
【表10】
【0126】
【表11】
【0127】
【表12】
【0128】
【表13】
【0129】
【表14】
【0130】
そして、得られた各種床用光沢復元剤組成物について、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の試験項目および総合評価について、以下の試験方法と判定基準により評価し、その結果を前記の表4〜表14に併せて示した。
【0131】
(1) 光沢復元性
〔試験方法〕
1−1.試験フロアにおける初期皮膜の形成と光沢復元剤の塗布
ホモジニアスビニルタイル(商品名:MSプレーンNo. 90FPA63CF、東リ社製)を施工したフロアに、初期皮膜形成のため樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を一層あたり15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥した後、供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥後、バーニッシュパッド「商品名:バーニッシュパッドB50(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を装着したバッテリー式高速バフ機「型式:スプリント−2300BP(ジョンソン・プロフェッショナル社製、2300回転)」を用いて、バフを行った。
1−2.日常管理(自動床洗浄機による床面洗浄とバフがけ)
上記1−1.の作業後、歩行の行われるフロアーに対し、1週間毎に1度、日常管理として、床用クリーナー「商品名:ニュートラフレッシュ(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」の100倍希釈水溶液にて、白パッド「商品名:ホワイトスーパーポリッシュパッド(住友3M社製)」を装着した自動床洗浄機「型式:JA−17(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を用いて床面洗浄を行った後、シャイニングパッド「商品名:シャイニングパッド・バフ用(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を装着したバッテリー式高速バフ機「型式:スプリント−2300BP(ジョンソン・プロフェッショナル社製、2300回転)」を用いて、バフを行った。
1−3.試験期間と評価
上記1−2.の日常管理作業を1ヶ月間継続して行ったときの、光沢復元性を目視で観察し、以下の判定基準で評価した。
〔判定基準〕
◎:バフにより高い光沢復元性を示し、1ケ月間、当初皮膜形成時と同レベルの高光沢なフロアを持続した。
○:バフにより高い光沢復元性を示し、3週間、当初皮膜形成時と同レベルの高光沢なフロアを持続した。
△:バフにより中庸の光沢復元性を示したが、当初皮膜形成時程の高光沢なフロアの状態は持続できなかった。
×:バフしても光沢復元性はわずかで、初期皮膜形成時の光沢より劣っていた。
××:バフしても光沢復元性は認められず、初期皮膜形成時の光沢よりも大きくく劣っていた
【0132】
(2)乾燥性
〔試験方法〕
温度10℃−湿度70%Rhに調節された環境試験室内にて、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、東リ社製)に供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布後、光沢復元皮膜を直接に指で触って、その乾燥状態と、乾燥に要する時間を観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
◎:塗布後10分未満で乾燥し、べたつきもなく極めて良好である。
○:塗布後10分未満で乾燥し、良好である。
△:塗布後10〜15分を要して乾燥した。
×:塗布後15〜20分を要して乾燥した。
××:塗布後20分を超えて乾燥した。
【0133】
(3)低温での皮膜造膜性
〔試験方法〕
スライドガラス(寸法:76×26mm、MATSUNAMIGLASS社製)に供試床用光沢復元剤組成物を0. 5mL塗布した後、5℃に調整した冷蔵庫(型式:KAX−734、ホシザキ社製)に16時間配置した後、皮膜の造膜状態を目視にて観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:正常に造膜した。
×:造膜したが部分的に皮膜に亀裂が入った。
××:造膜できず粉化した。
【0134】
(4)耐ブラックヒールマーク(BHM)性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、寸法:30×30cm、東リ社製)に、樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を一層あたり15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥し、さらに供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥し、常温にて一昼夜乾燥させたものをヒールマーク試験機にて試験し、目視にて、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
10〜9:極めて高い耐BHM性を示す。
8〜6:適度な耐BHM性を有し、実用性を備えている。
5〜3:耐BHM性に欠け、実用性にも欠ける。
2〜1:極めて耐BHM性に欠ける。
【0135】
(5)耐スカッフ(SM)性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーンNo.90FPA63CF、寸法:30×30cm、東リ社製)に、樹脂仕上げ剤「商品名:ジェイセイバー(ジョンソン・プロフェッショナル社製)」を15g/m2 の塗布量の割合で、3層を塗布・乾燥し、さらに供試床用光沢復元剤組成物を5g/m2 の塗布量の割合で1層塗布・乾燥し、常温にて一昼夜乾燥させたものをヒールマーク試験機にて試験し、目視にて、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
10〜9:極めて高い耐スカッフ性を示す。
8〜6:適度な耐スカッフ性を有し、実用性を備えている。
5〜3:耐スカッフ性に欠け、実用性にも欠ける。
2〜1:極めて耐スカッフ性に欠ける。
【0136】
(6)貯蔵安定性
〔試験方法〕
JISK3920(フロアーポリッシュ試験方法)に準拠し、供試床用光沢復元剤組成物を容器(ポリエチレン製、300ml容量)に入れて密栓し、50℃に保った恒温槽(いすず製作所社製、型式;KAX−730)で14日間保持する。その後の試料の状態をゲル化、相分離、固形分の沈殿等の有無を、目視で観察し、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:ゲル化、相分離、固形分の沈殿等の問題が認められない。
×:ゲル化、相分離、固形分の沈殿等の問題が認められる。
【0137】
(7)総合評価
上記(1)〜(6)の結果をもとにして、総合的な視点から実用性を兼ね備えているか否かを、以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
○:実用性を兼ね備えている。
△:実用性にやや劣る。
×:実用性に欠ける。
【0138】
上記の結果から、実施例1〜39品は、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の試験項目および総合評価において、良好な結果であることがわかる。
【0139】
比較例1〜14は、少なくとも一つの評価項目において問題を生じており、いずれも著しく実用性に欠けたものとなっている。
【0140】
なかでも、比較例1は水性樹脂分散体を含まない場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、特に、光沢復元性、貯蔵安定性が著しく欠けたものとなっている。また、比較例2は、滑り調整剤を含まない場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、光沢復元性に欠けたものとなっている。そして、比較例3は、低級アルコールを含まない場合に例であり、特に、光沢復元性、乾燥性に著しく欠けたものとなっている。さらに、比較例4は、不揮発成分量40%相当の水性樹脂分散体の配合量が5%未満の場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、光沢復元性の欠けたものとなっている。一方、比較例5は、水性樹脂分散体の配合量が20%を超える場合の例であり、特に、光沢復元性、乾燥性に欠けたものとなっている。
【0141】
比較例6は、滑り調整剤の配合量が1%未満の場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性に乏しいとともに、特に、光沢復元性の欠けたものとなっている。一方、比較例7は、滑り調整剤の配合量が10%を超えて配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、貯蔵安定性に欠けたものとなっている。比較例8は、低級アルコールの配合量が7%未満の場合の例であり、特に、乾燥性に欠けたものとなっている。一方、比較例9は、低級アルコールの配合量が30%を超えて配合した場合の例であり、特に、貯蔵安定性に著しく欠けたものとなっている。
【0142】
さらに、比較例10、比較例11は可塑剤を含まないかその配合量が0.1%未満の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、特に、光沢復元性、低温での皮膜造膜性に著しく欠けたものとなっている。また、比較例12は、可塑剤の配合量が3%を超えて配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るとともに、特に、乾燥性、貯蔵安定性に欠けたものとなっている。比較例13は、水性樹脂分散体のTgが5℃未満のものを配合した場合の例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に劣るものとなっている。一方、比較例14は、水性樹脂分散体のTgが70℃を超えているものを配合した例であり、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、および耐スカッフ(SM)性に乏しく、特に、光沢復元性、低温での皮膜造膜性に著しく欠けたものとなっている。
【0143】
【発明の効果】
以上のように、本発明の床用光沢復元剤組成物によれば、光沢復元性、乾燥性、低温での皮膜造膜性、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、貯蔵安定性の諸特性に優れた床構造体を形成することができる。そして、本発明の床構造体は、従来以上の優れた美観を有し、その美観を長期にわたって維持することができる。そして、本発明の床面維持管理法によれば、従来のように、4〜6層に積層された初期皮膜を全て剥離洗浄し、再度4〜6層の積層した初期皮膜を再形成する作業が不要となり、作業時間とコストを軽減することができる。そして、フロアーポリッシュ組成物を多層重ねる塗布・乾燥作業や剥離洗浄作業の時間を軽減し、また、剥離洗浄の回数を減らすことができることから、それに伴う強アルカリ性廃液の排出量を低減することができるという利点を有する。
Claims (21)
- 下記の(A)〜(D)成分を、組成物全体に対し下記の割合で含有するとともに、(E)成分として水を含有することを特徴とする床用光沢復元剤組成物。
(A)ガラス転移温度(Tg)が5〜70℃である水性樹脂分散体:純分換算で2〜8質量%。
(B)滑り調整剤:純分換算で0.3〜3質量%。
(C)低級アルコール:7〜30質量%。
(D)可塑剤:0.1〜3質量%。 - 上記(A)水性樹脂分散体が、下記の単量体(a)、(b)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている請求項1記載の床用光沢復元剤組成物。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:70〜95質量%。 - 上記(A)水性樹脂分散体が、下記の各単量体(a)〜(c)で構成され、その割合が、全単量体の合計量を基準として下記の割合に設定されている請求項1記載の床用光沢復元剤組成物。
(a)α,β−不飽和カルボン酸単量体:5〜30質量%。
(b)アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方:20〜90質量%。
(c)上記(a)および(b)単量体と共重合可能な単量体:5〜75質量%。 - 上記(B)滑り調整剤が、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスおよびエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の床用光沢復元剤組成物。
- 上記(C)低級アルコールが、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の床用光沢復元剤組成物。
- 床材が、化学床、木床および石床のいずれかの用途である請求項1〜5のいずれか一項に記載の床用光沢復元剤組成物。
- 床材上に、少なくともフロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥してなる初期皮膜が形成され、その上に、上記請求項1〜6のいずれか一項に記載の床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥後、バフにより熱可塑化してなる光沢復元剤皮膜が形成されていることを特徴とする床構造体。
- 請求項7記載の床構造体の床面を日常的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行うことを特徴とする床面の日常維持管理方法。
- 上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした請求項8記載の床面の日常維持管理方法。
- 請求項7記載の床構造体の床面を定期的に維持管理する方法であって、上記光沢復元剤皮膜からなる床面表面の摩耗に応じて、(イ)床面表面を洗浄する工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)請求項1〜6のいずれか一項に記載の床用光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行うことを特徴とする床面の定期維持管理方法。
- 上記床面表面を洗浄する工程(イ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした請求項10記載の床面の定期維持管理方法。
- 上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、白パッドおよび赤パッドのいずれかである請求項11記載の床面の定期維持管理方法。
- 上記床面表面を洗浄する工程(イ)において用いられる洗浄剤水溶液が、床用クリーナーである請求項10〜12のいずれか一項に記載の床面の定期維持管理方法。
- 上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした請求項10〜13のいずれか一項に記載の床面の定期維持管理方法。
- 上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドである請求項14記載の床面の定期維持管理方法。
- 請求項7記載の床構造体の床面を総合的に維持管理する方法であって、上記請求項8もしくは9の日常維持管理方法と、上記請求項10〜15のいずれか一項の定期維持管理方法とを繰り返すとともに、所定の期間毎に、(ヘ)光沢復元剤皮膜と初期皮膜の少なくとも一部を剥離洗浄してすすぐ工程と、(ロ)床面表面を乾燥する工程と、(ハ’)フロアーポリッシュ組成物を塗布・乾燥して初期皮膜を追加形成する工程と、(ニ)光沢復元剤組成物を塗布・乾燥して光沢復元剤皮膜を追加形成する工程と、(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程とを備えた維持管理を行う床面の総合維持管理方法。
- 上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において、ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機を用いるようにした請求項16記載の床面の総合維持管理方法。
- 上記ポリッシャーもしくは自動床用洗浄機に装着されるフロアパッドが、黒パッド、茶パッドのいずれかである請求項17記載の床面の総合維持管理方法。
- 上記床面を剥離洗浄してすすぐ工程(ヘ)において用いられる剥離剤水溶液が、アルカリ剤および溶剤を主剤とする床用剥離剤である請求項16〜18のいずれか一項に記載の床面の総合維持管理方法。
- 上記(ホ)バフにより上記光沢復元剤皮膜を熱可塑化して平滑化し光沢を向上させる工程において、ポリッシャーもしくはバーニッシャーを用いるようにした請求項16〜19のいずれか一項に記載の床面の総合維持管理方法。
- 上記ポリッシャーもしくはバーニッシャーに装着されるバーニッシングパットが、高速バフ専用パッドのいずれかである請求項20記載の床面の総合維持管理方法。
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