JP4813783B2 - フロアーポリッシュ組成物 - Google Patents

フロアーポリッシュ組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4813783B2
JP4813783B2 JP2004264931A JP2004264931A JP4813783B2 JP 4813783 B2 JP4813783 B2 JP 4813783B2 JP 2004264931 A JP2004264931 A JP 2004264931A JP 2004264931 A JP2004264931 A JP 2004264931A JP 4813783 B2 JP4813783 B2 JP 4813783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
glycol
acrylate
ether solvent
glycol ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004264931A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006077190A (ja
Inventor
重和 石井
聡 栢森
哲郎 近藤
Original Assignee
ディバーシー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディバーシー株式会社 filed Critical ディバーシー株式会社
Priority to JP2004264931A priority Critical patent/JP4813783B2/ja
Publication of JP2006077190A publication Critical patent/JP2006077190A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4813783B2 publication Critical patent/JP4813783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、乾燥性、光沢、塗り重ね性、安定性、仕上げ時の汚染防止性に優れたフロアーポリッシュ組成物に関する。詳しくは、木質系床材、合成樹脂からなる化学床材、コンクリートや大理石等の石床などの床面に好適であり、乾燥性、光沢、塗り重ね性、安定性、仕上げ時の汚染防止性に優れたフロアーポリッシュ組成物に関する。
木質系床材、合成樹脂からなる化学床材、コンクリートや大理石等の石床などの床面には、床材の美観を保つともに、床面の保護を目的として、フロアーフィニッシュ組成物による皮膜が形成されている。上記フロアーフィニッシュ組成物は、「JFPA(日本フロアーポリッシュ工業会)規格−00」、フロアーポリッシュ試験方法通則の用語の定義に規定されている。
この規格において、フロアーポリッシュ組成物は、水性,乳化性,油性の3つに大別され、それぞれ、ポリマータイプとワックスタイプに分類されているが、現在、フロアーフィニッシュ組成物としては、水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物が主流となっている。
上記水性ポリマータイプのフロアーポリッシュ組成物は、通常、アクリル系共重合物のエマルジョン、ポリエチレンワックスエマルジョン、アルカリ可溶性樹脂、可塑剤、その他の成分からなることが、特公昭44−24407号公報(特許文献1を参照)、特公昭49−1458号公報(特許文献2を参照)等に示されている。
また、フロアーポリッシュは塗布時に塗り重ねを行う必要があり、塗り重ねが可能になるまでの乾燥時間の短縮が求められてきた。乾燥性を改善するために、成膜助剤の検討が行われた。このような検討としては、例えば、20℃における蒸気圧が200Pa以下のグリコール系溶剤の濃度が0.5〜3.0質量%であり、不揮発分濃度が3〜8質量%である床用処理剤が乾燥性に優れたものとして特開2001−131495号公報に示されている(特許文献3を参照)。
また、一般に乾燥時間の短縮には、蒸発速度の大きい成膜助剤を使用すればよいことが知られているが、蒸発速度が大きいと蒸発が早すぎて十分に成膜できないため、特に低温での塗り重ね性が悪化してしまう。乾燥性と塗り重ね性の検討として(a)ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンの1種以上、及び(b)ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノールの1種または2種を含有し、成分(a)と成分(b)の質量比率が20:80〜80:20であることを特徴とする床用艶出し剤組成物が乾燥性と塗り重ね性に優れたものとして特開2002−53817号公報に示されている(特許文献4を参照)。
しかしながら、これらの成膜助剤を用いても乾燥性、光沢、塗り重ね性、安定性、仕上げ時の汚染防止性が不十分であり、さらなる改善が求められている。
特公昭44−24407号公報 特公昭49−1458号公報 特開2001−131495号公報 特開2002−53817号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、乾燥性、光沢、塗り重ね性、安定性、仕上げ時の汚染防止性に優れたフロアーポリッシュ組成物の提供をその目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記の目的を達成するフロアーポリッシュ組成物を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(A)ガラス転移温度(Tg)が10〜75℃であるアクリル系樹脂エマルジョン:純分換算で10〜40質量%と、(B)グリコールエーテル系溶剤と、(C)ワックスエマルジョン:純分換算で0.4〜7質量%と、(D)低級アルコール:1〜10質量%とを含有し、上記グリコールエーテル系溶剤として、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤1〜10質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて含有しないことを特徴とするフロアーポリッシュ組成物を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記(A)のアクリル系樹脂エマルジョンが、下記の(a),(b)で構成され、且つ、その純分換算での質量比率が(a):(b)=10:1〜10:10に設定されているフロアーポリッシュ組成物を第の要旨とする。
(a)ガラス転移温度(Tg)が40〜100℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
(b)ガラス転移温度(Tg)が−10〜20℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
そして、本発明は、それらのなかでも、特に、上記(B)のグリコールエーテル系溶剤がメチル、エチル及びプロピルから選ばれる少なくとも1種のアルキルエーテルを骨格に有するグリコールエーテルであるフロアーポリッシュ組成物を第の要旨とする。
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、不揮発分濃度が10〜40質量%であるフロアーポリッシュ組成物を第の要旨とする。
本発明のフロアーポリッシュ組成物は、(A)ガラス転移温度(Tg)が10〜75℃であるアクリル系樹脂エマルジョン:純分換算で10〜40質量%と、(B)グリコールエーテル系溶剤と、(C)ワックスエマルジョン:純分換算で0.4〜7質量%と、(D)低級アルコール:1〜10質量%とを含有し、上記(B)のグリコールエーテル系溶剤として、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤1〜10質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて含有しない、特殊な組成のものを用いることにより、乾燥性、光沢、塗り重ね性、安定性、仕上げ時の汚染防止性に優れた性能を有する。そのため、本発明のフロアーポリッシュ組成物は、乾燥時間の短縮が求められる24時間営業などの店舗におけるフロアーポリッシュ塗布の際に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明のフロアーポリッシュ組成物は(A)アクリル系樹脂エマルジョンと、(B)グリコールエーテル系溶剤と、(C)ワックスエマルジョンと、(D)低級アルコールとを含有し、上記(B)のグリコールエーテル系溶剤として、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤1〜10質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて含有しないこと特徴としている。
また、本発明の参考となるフロアーポリッシュ組成物は、上記のものと同じく(A)アクリル系樹脂エマルジョンと、(B)グリコールエーテル系溶剤と、(C)ワックスエマルジョンと、(D)低級アルコールとを含有するが、特に、上記(B)のグリコールエーテル系溶剤として、常圧における沸点が170℃を超え185℃以下であるグリコールエーテル系溶剤1〜7質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1質量%を超えて含有しないことを特徴としている。
本発明の(A)成分であるアクリル系樹脂エマルジョンとしては、α,β−不飽和カルボン酸単量体と、アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方の2種類の単量体で構成することが好適である。そして、場合によっては、これらと共重合可能な単量体を用いることもできる。
上記α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等があげられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸が用いられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸単量体は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
また、上記アクリル酸アルキルエステル単量体およびメタクリル酸アルキルエステル単量体の少なくとも一方としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸i−アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸i−ノニル、アクリル酸デシル、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシアミルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸i−アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸i−ノニル、メタクリル酸デシル、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシアミルメタクリレート、ヒドロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。なかでも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが、好適に用いられる。これらのアクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エステル単量体は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用することができる。
さらに、上記の単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロー3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル単量体、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アルキルフェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドアクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エチレングリコールアクリレートモノフタレート、エチレングリコールアクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルアクリレート類、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、アルキルフェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、アルキルフェノールエチレンオキシドメタクリレート、アルキルフェノールプロピレンオキシドメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレートモノフタレート、エチレングリコールメタクリレートヒドロキシエチルフタレート等のポリエステルメタクリレート類、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等の多官能性単量体、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の酸アミド化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物、トリフルオロエチルアクリレート、ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート等のフッ素原子含有単量体、γ−メタクリロイルプロパントリメトキシシラン、チッソ社製のサイラプレーンFMO711等の反応性シリコーン等のシリコーン化合物、アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ブチルアミノエチルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル、アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体等があげられ、好ましくは、スチレンが用いられる。
上記アクリル系樹脂エマルジョンは、例えば、固形分量10〜70質量%濃度の水性分散液として得られ、本発明のフロアーポリッシュ組成物中に、固形分として10〜40質量%の範囲で添加される。上記アクリル系樹脂エマルジョンとしては、以下に述べるような乳化剤、重合開始剤を使用して、広く知られている乳化重合法により製造することが好ましい。
まず、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホ琥珀酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、スチレンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホ琥珀酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルグリセリンエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールアルキルグリセリンエーテルサルフェート等の反応性乳化剤、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、水溶性アクリル酸エステル共重合体、水溶性メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体およびそれらの塩、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体およびそれらの塩、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタクリルアミド共重合体等の高分子界面活性剤等が使用できる。これらは単独または2種以上併用して使用することができる。乳化剤の望ましい使用量は、通常単量体100質量部当たり0.05〜5質量部である。乳化剤の使用量が0.05質量部未満では乳化性に乏しく、一方5質量部を超えると耐水性に劣ることがある。
また、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロキシペルオキシド等の過酸化物などが使用できる。これらは亜硫酸水素ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元剤を併用したレドックス系として使用してもよい。
そして、重合反応の温度は、20〜95℃が好ましく、特に40〜90℃であることが好ましい。また、重合時間は1〜10時間であることが好ましい。
なお、本発明のフロアーポリッシュ用組成物は(A)アクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)が10〜75℃であることが必要である。(A)アクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)が10℃未満では皮膜が軟らかすぎて、汚れやすく、耐水性も悪い。一方、75℃を超えると本発明のグリコールエーテル系溶剤を用いた場合、常温で成膜しにくくなる。特に20〜65℃であることが好ましく、さらに30〜55℃であることが好ましい。また、2種類以上のアクリル系樹脂エマルジョンが混合されていても良い。その場合はそれぞれのアクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)と配合分率を加味した算術平均値が上記の範囲に含まれることが好ましい。
なお、更に好ましい本発明のフロアーポリッシュ用組成物は(A)アクリル系樹脂エマルジョンが、下記の(a),(b)で構成され、且つ、その純分換算での質量比率が(a):(b)=10:1〜10:10に設定されていることが好ましく、特に質量比率が(a):(b)=10:4〜10:10に設定されていることが好ましい。
(a)ガラス転移温度(Tg)が40〜100℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
(b)ガラス転移温度(Tg)が−10〜20℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
(a):(b)=10:1より(b)の質量比率が小さいと常温で成膜しない。一方(a):(b)=10:10より(b)の質量比率が大きいと皮膜が軟らかすぎて、汚れやすく、耐水性も悪い。
したがって、上記アクリル系樹脂からなるエマルジョンの設計にあたっては、単量体の種類と配合割合を調整することにより、得られる共重合体のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内に設定されるよう共重合させなければならない。なお、上記ガラス転移温度(Tg)は、次に示されるFoxの式(数式1)で求められる。
(数式1)
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3・・・
ここで、W1、W2、W3、・・・は、重合体中の単量体1、2、3の質量分率を示し、Tg1、Tg2、Tg3・・・は、同じく単量体1、2、3・・・のホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(式上では絶対温度を使用)を示したものである。
上式において、ホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(Tg)については、ポリマーハンドブック等に記載されている値を用いることができる。例えば、ポリメタクリル酸メチル:105℃、ポリアクリル酸n−ブチル:−54℃、ポリアクリル酸2−エチルへキシル:−50℃、ポリアクリル酸シクロヘキシル:19℃、ポリメタクリル酸:228℃、ポリメタクリル酸シクロヘキシル:66℃、ポリアクリル酸:106℃、ポリスチレン:100℃、ポリα−メチルスチレン:168℃等である。
本発明のフロアーポリッシュ組成物の(B)成分であるグリコールエーテル系溶剤としては、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤1〜10質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて含有しないものが用いられる。すなわち、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤が1質量%未満では造膜効果が得られず、10質量%を超えると乾燥性が低下する。また常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて同時に含有すると乾燥性が低下し、仕上げ時の汚染防止性が悪くなる。また、常圧における沸点が130℃未満のグリコールエーテル系溶剤を用いると塗り重ね性が悪くなる。
また、本発明の参考となるフロアーポリッシュ組成物の(B)成分であるグリコールエーテル系溶剤としては、常圧における沸点が170℃を超え185℃以下であるグリコールエーテル系溶剤1〜7質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1質量%を超えて含有しないものも用いることができる。すなわち、常圧における沸点が170℃を超え185℃以下であるグリコールエーテル系溶剤が1質量%未満では造膜効果が得られず、7質量%を超えると乾燥性が低下する。また常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1質量%を超えて同時に含有すると乾燥性が低下する。
中でも、上記(B)のグリコールエーテル系溶剤がメチル、エチル及びプロピルから選ばれる少なくとも1種のアルキルエーテルを骨格に有するグリコールエーテルであることが好ましい。
本発明の(B)のグリコールエーテル系溶剤である、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコール系溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メトキシメトキシエタノール等があげられる。特に、他の成分とのバランスや、においおよび取扱いの点から、ジエチレングリコールジメチルエーテルを用いることが好ましい。
また、本発明の参考となるフロアーポリッシュ組成物の(B)のグリコールエーテル系溶剤である、常圧における沸点が170℃を超え185℃以下であるグリコール系溶剤としては、エチル−3−エトキシプロピオネート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル等があげられる。特に、他の成分とのバランスや、においおよび取扱いの点から、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルを用いることが好ましい。
本発明の(C)成分であるワックスエマルジョンとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、蜜蝋、ラノリン、鯨ロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成ワックス、エチレン−アクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレン−マレイン酸共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−α、β−カルボン酸共重合体等をあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのワックスエマルジョンのうち、特に、耐ブラックヒールマーク(BHM)性、耐スカッフ(SM)性、耐滑り性の向上の点から、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
本発明のフロアーポリッシュ組成物は、上記(C)のワックスエマルジョンを、純分換算で0.4〜7質量%含有することが必要である。特に2〜5質量%が好ましい。0.4質量%未満では皮膜の耐久性が悪く、一方7質量%を超えると皮膜がもろくなる。
さらに、本発明の(D)成分である低級アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等をあげることができる。これらは乾燥性の向上及び安定性の向上に寄与する。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、他の成分とのバランスや、においおよび取扱いの点から、エチルアルコール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
本発明のフロアーポリッシュ組成物は、上記(D)低級アルコールを1〜10質量%含有することが必要である。特に2〜6質量%が好ましい。1質量%未満では乾燥性や安定性に効果が見られず、一方10質量%を超えるとにおいや引火性の点で問題がある。
本発明のフロアーポリッシュ組成物は不揮発分濃度が10〜40質量%であることが好ましい。特に15〜30質量%であることが好ましい。10質量%未満では十分な光沢が得られず、一方30質量%を超えると粘度が上昇し作業性が悪くなり、乾燥性も悪くなる。なお不揮発分濃度はアルミニウム製のカップで調製液を加熱し、乾燥後の重量低下量から求める。
また、本発明のフロアーポリッシュ組成物には、任意成分として濡れ性向上剤を用いることができる。上記濡れ性向上剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド類、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤、ラウリルベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤、ラウロイルアミドプロピルベタイン等のアミドベタイン型両性イオン界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性イオン界面活性剤、アルキルスルホベタイン型両性イオン界面活性剤、ヤシ脂肪酸アミドジメチルヒドロキシプロピルスルホベタインなどのアミドスルホベタイン型両性界面活性剤、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、β−アラニン型両性界面活性剤等の両性界面活性剤があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、濡れ向上性能の点からフッ素系界面活性剤が好ましく、また、経済性や低泡性の点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の低泡性の非イオン界面活性剤が好ましい。なかでも、モップやアプリケーター等による塗布作業性から、フッ素系界面活性剤が特に好ましく用いられる。
また、本発明のフロアーポリッシュ組成物には、上記以外の成分として、多価金属化合物、アルカリ可溶性樹脂等を配合することができる。
上記多価金属化合物としては、酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛アンモニア、炭酸カルシウムエチレンジアミン−アンモニア、酢酸亜鉛アンモニア、アクリル酸亜鉛アンモニア、リンゴ酸亜鉛アンモニア、アラニンカルシウムアンモニア等の金属架橋を形成するための多価金属化合物(重金属等)等を用いることができる。なお、ここでいう「多価金属」とは、2価以上の金属であり、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、銅、カドミウム、鉛、ビスマス、バリウム、アンチモン、ジルコニウム等があげられ、「多価金属化合物」とは、これらの多価金属を含有する化合物である。
また、上記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ロジン変性マレイン酸、シェラック等があげられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのなかでも、特に、濡れ性、皮膜形成の点から、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−メタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体を用いることが好適である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、本発明のフロアーポリッシュ組成物中に、必要に応じて配合することができる。
また、本発明のフロアーポリッシュ組成物には、上記各成分以外に、適宜、アンモニア,アミン等のpH調整剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤、香料、染料、ウレタン樹脂、コロイダルシリカ、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等を用いることもできる。
そして、本発明のフロアーポリッシュ組成物は、例えば、水に、可塑剤、皮膜形成助剤、濡れ性向上剤を添加した後、滑り調整剤、水性樹脂分散体を混合することにより、好適に製造することができる。ただし、混合の順序は適宜変更できるものであり、上記順序に限定されるものではない。
以下に、本発明の実施例、参考例および比較例を挙げて、本発明の特徴について示す。なお、「%」は質量%を意味する。また、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。フロアーポリッシュ組成物の調製においては、以下に示す成分を用いた。
〔A成分〕アクリル系樹脂エマルジョン
*アクリル系樹脂エマルジョン1:
アクリル酸nブチル(nBA)14.8%、メタクリル酸(MAA)30.0%、メチルメタアクリレート(MMA)19.9%、スチレン(S)35.3%。ガラス転移温度(Tg)91℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン2:
アクリル酸nブチル(nBA)28.0%、メタクリル酸(MAA)22.4%、メチルメタアクリレート(MMA)9.9%、スチレン(S)39.7%。ガラス転移温度(Tg)55℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン3:
アクリル酸nブチル(nBA)31.6%、メタクリル酸(MAA)10.0%、メチルメタアクリレート(MMA)35.0%、スチレン(S)23.4%。ガラス転移温度(Tg)40℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン4:
アクリル酸nブチル(nBA)45.0%、メタクリル酸(MAA)15.0%、スチレン(S)40%。ガラス転移温度(Tg)20℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン5:
アクリル酸nブチル(nBA)52.0%、メタクリル酸(MAA)15.0%、スチレン(S)33.0%、ガラス転移温度(Tg)8℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン6:
アクリル酸nブチル(nBA)63.5%、メタクリル酸(MAA)10.5%、スチレン(S)26.0%。ガラス転移温度(Tg)−10℃、純分40%
*アクリル系樹脂エマルジョン7:
NT−2624、ガラス転移温度(Tg)57.0℃、純分38%(ローム・アンド・ハース社製)
*アクリル系樹脂エマルジョン8:
メタクリル酸(MAA)20%、アクリル酸エチル(EA)30%、メタクリル酸ブチル(BMA)47%、スチレン(S)3%、ガラス転移温度(Tg)31.1℃、純分35%
*アクリル系樹脂エマルジョン9:
プライマルB−832、ガラス転移温度(Tg)44.0℃、純分40%(ローム・アンド・ハース社製)
〔B成分〕グリコールエーテル系溶剤
*グリコールエーテル系溶剤1:
プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)
*グリコールエーテル系溶剤2:
エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点124℃)
*グリコールエーテル系溶剤3:
プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132.2℃)
*グリコールエーテル系溶剤4:
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点142℃)
*グリコールエーテル系溶剤5:
プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点150℃)
*グリコールエーテル系溶剤6:
エチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点160. 5℃)
*グリコールエーテル系溶剤7:
ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)
*グリコールエーテル系溶剤8:
メトキシメトキシエタノール(沸点167.5℃)
*グリコールエーテル系溶剤9:
3−メチル3−メトキシブタノール(沸点174℃)
*グリコールエーテル系溶剤10:
ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点176℃)
*グリコールエーテル系溶剤11:
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点201℃)
〔C成分〕ワックスエマルジョン
*ワックスエマルジョン:AC316(ハネウェル・インターナショナル社製)の乳化物、純分35%
〔D成分〕低級アルコール
*低級アルコール:エチルアルコール
〔任意成分〕
*アルカリ可溶性樹脂1:アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレンのオリゴマーのアンモニア水溶液、純分28%
*アルカリ可溶性樹脂2:SMA2625レジン溶液、純分15%(アトケム社製)
*多価金属化合物:酸化亜鉛アンモニウム錯体水溶液(ZnO15%水溶液)
*可塑剤:リン酸トリブチル
*界面活性剤1:ゾニルFSJ、純分25%(デュポン社製)
*界面活性剤2:ソフタノール120、純分99.5%以上(日本触媒社製)
*消泡剤:SE−21、純分17%(WSC社製)
*アルカリ剤:モノエタノールアミン、純分90%(日本触媒社製)
〔不揮発分濃度の測定方法〕
アルミニウム製のカップに調製液を約2g採り、電子天秤(商品名:HM−300、エー・アンド・ディ社製)でカップの重量を1mgまで正確に秤量した後、精密恒温器(商品名:ファインオーブンDH42、ヤマトエンジニアリング製)に入れ、で145℃で30分間放置した後、取り出しシリカゲルが入っているデシケーター中で5分間放置してアルミカップを徐冷した。その後、カップの重量を1mgまで正確に秤量した後、下記の式により不揮発分濃度(W%)を算出した。
W(%)={(W2−W0)/(W1−W0)}×100
但し、W0:アルミニウムカップの重さ、W1:熱乾燥前の重さ(アルミカップ+調製液)、W2:熱乾燥後の重さ(アルミカップ+皮膜化した調製品)
〔ガラス転移温度(Tg)の算術平均計算式〕
Tg算術平均=アクリルエマルジョン(a)のTg×アクリルエマルジョン(a)の配合分率+アクリルエマルジョン(b)のTg×アクリルエマルジョン(b)の配合分率
調製したフロアポリッシュ用組成物について、乾燥性、仕上げ初期の汚染防止性、塗り重ね性、光沢などの試験項目および総合評価について、以下の試験方法と判定基準により評価し、その結果を表1〜表6に示した。
(1)乾燥性
〔試験方法〕
寸法30cm×30cmの黒色ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーン5608、東リ社製)にポリスポイトで調製液を15g/m2 の塗布量の割合でタイルに滴下し、キムワイプ(登録商標)S−200(クレシア社製)で1回塗布してから、塗布面をキムワイプ(登録商標)S−200で強く擦っても擦り跡がつかなくなるまでの時間(分)を測定して乾燥時間とした。なお、塗布環境は温度23℃、湿度は55%とした。
〔判定基準〕
◎:塗布後10分未満で乾燥して、ベトつきもなく極めて良好である。
○:塗布後10以上15分未満を要して乾燥した。
△:塗布後15以上20分未満を要して乾燥した。
×:塗布後20分以上を要して乾燥した。
(2)仕上げ時の汚染防止性
〔試験方法〕
寸法30cm×30cmの白色ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーン5626東リ社製)にポリスポイトで調製液を15g/m2 の塗布量の割合で滴下し、キムワイプ(登録商標)S−200(クレシア社製)で1回塗布してから、揮発成分が蒸散し、目視上、塗布面の濡れが乾いたと判断できた時点で、下記に示す人工汚垢を適量散布してキムワイプ(登録商標)S−200で人工汚垢をよく塗布面に擦りつけた後、拭き取った。塗布環境は温度23℃、湿度は55%とした。
〔試験に供した人工汚垢の組成〕
ピートモス20.0%(50〜500メッシュのフルイを通したもの)、ポルトランドセメント8.5%(JISR−5210に規定されたもの)、はくとう土8.5%(JISK−8746に規定されたもの)、けいそう土8.5%(JISK−8330に規定されたもの)、カーボンブラック2.05%(JISK−5107に規定されたもの)、フェライト用酸化第二鉄0.07%(JISK−1462に規定されたもの)、ヌジョール4.4%(38℃でのセーボルト粘度が360〜390で15℃の比重が0.88〜0.90の精製鉱油)、カラーブラック(MA−100)2.0%(三菱化学(株)製カーボンブラック)、スピンドルオイル(#1)10.00%(日本石油精製(株)製)、エクゾール(D−40)38.0%(エクソン化学(株)製溶剤)
〔判定基準〕
◎:人工汚垢はほとんど付着せず極めて良好であった。
○:人工汚垢は僅かに付着したが良好であった。
△:人工汚垢はかなり付着して汚染した。
×:非常に多くの人工汚垢が付着して汚染した。
(3)塗り重ね性
〔試験方法〕
寸法30cm×30cmの黒色ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーン5608、東リ社製)に38℃に加温した調製液をポリスポイトで15g/m2 の塗布量の割合で滴下し、キムワイプ(登録商標)S−200(クレシア社製)で1回塗布後、揮発成分が蒸散し、目視上、塗布面の濡れが乾いたと判断できた時点で、直ちに上記と同様で手順で38℃に加温した調製液をポリスポイトで滴下し、そのまま2分放置した後、キムワイプ(登録商標)S−200で塗り重ねた。乾燥後の塗布面の艶ボケの状態以下の判定基準に従って評価した。艶ボケとは塗布面の透明感が悪い状態をいう。塗布環境は温度23℃、湿度は55%とした。
〔判定基準〕
◎:艶ボケはみられず良好に仕上がった。
○:艶ボケ現象は調製液の滴下面に僅かにみられたが、全体的に良好に仕上がった。
△:艶ボケ現象かなりみられ、仕上がりは不良であった。
×:艶ボケ、白化現象は多くみられ、仕上がりは不良であった。
(4)光沢
〔試験方法〕
寸法30cm×30cmの黒色ホモジニアスビニル床タイル(商品名:MSプレーン5608、東リ社製)にポリスポイトで調製液を15g/m2 の塗布量の割合でキムワイプS−200(クレシア社製)で3回塗布、乾燥後に入射角と受光角をそれぞれ60°に設定した光沢計(商品名:ハンディーグロスメーターPG−1M、日本電色工業社製)を用い光沢値を測定した。塗布環境は温度23℃、湿度は55%とした。
〔判定基準〕
◎:光沢値は50以上で、塗りムラもなく均一に仕上がった。
○:光沢値は40以上50未満で、塗りムラもなく均一に仕上がった。
△:光沢値は30以上40未満で、塗りムラが幾分かみられた。
×:光沢値は30未満で、塗りムラも多くみられた。
(5)総合評価
上記(1)〜(4)の結果をもとにして、調製品が特に速乾性能、および仕上げ時のフロア汚染防止性能に優れているか否かを主体に、かつ総合的な実用性も加味して以下の判定基準に従って評価した。
〔判定基準〕
◎:優れた実用性を有している。
○:実用性を有している。
△:実用性にやや劣る。
×:実用性に欠ける。
Figure 0004813783
Figure 0004813783
Figure 0004813783
Figure 0004813783
Figure 0004813783
Figure 0004813783
上記の結果から実施例1〜1は、乾燥性、光沢、塗り重ね性、仕上げ時の汚染防止性のいずれの試験項目においても、良好な性能を示すことがわかる。
一方、比較例1〜10は、乾燥性、光沢、塗り重ね性、仕上げ時の汚染防止性のいずれかの試験項目に劣ることがわかる。

Claims (4)

  1. (A)ガラス転移温度(Tg)が10〜75℃であるアクリル系樹脂エマルジョン:純分換算で10〜40質量%と、
    (B)グリコールエーテル系溶剤と、
    (C)ワックスエマルジョン:純分換算で0.4〜7質量%と、
    (D)低級アルコール:1〜10質量%と
    を含有し、上記グリコールエーテル系溶剤として、常圧における沸点が130〜170℃であるグリコールエーテル系溶剤:1〜10質量%を含有し、且つ常圧における沸点が185℃を超えるグリコールエーテル系溶剤を1.4質量%を超えて含有しないことを特徴とするフロアーポリッシュ組成物。
  2. 上記(A)のアクリル系樹脂エマルジョンが、下記の(a),(b)で構成され、且つ、その純分換算での質量比率が(a):(b)=10:1〜10:10に設定されている請求項1記載のフロアーポリッシュ組成物。
    (a)ガラス転移温度(Tg)が40〜100℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
    (b)ガラス転移温度(Tg)が−10〜20℃であるアクリル系樹脂エマルジョン。
  3. 上記(B)のグリコールエーテル系溶剤がメチル、エチル及びプロピルから選ばれる少なくとも1種の基を有するグリコールエーテルである請求項1または2記載のフロアーポリッシュ組成物。
  4. さらに、
    不揮発分濃度が10〜40質量%である請求項1〜のいずれか一項に記載のフロアーポリッシュ組成物。
JP2004264931A 2004-09-13 2004-09-13 フロアーポリッシュ組成物 Expired - Lifetime JP4813783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264931A JP4813783B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 フロアーポリッシュ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004264931A JP4813783B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 フロアーポリッシュ組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006077190A JP2006077190A (ja) 2006-03-23
JP4813783B2 true JP4813783B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=36156908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004264931A Expired - Lifetime JP4813783B2 (ja) 2004-09-13 2004-09-13 フロアーポリッシュ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4813783B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019180A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Yushiro Chem Ind Co Ltd 水性フロアーポリッシュ組成物
CN116574450A (zh) * 2023-04-06 2023-08-11 岚图汽车科技有限公司 一种用于表面抛光痕处理的抛光蜡及其制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5731969A (en) * 1980-08-04 1982-02-20 Nippon Carbide Ind Co Ltd Aqueous lustering agent
JP2001064592A (ja) * 1999-08-27 2001-03-13 Yuho Chem Kk フロアーポリッシュ組成物
JP2002053817A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Rinrei:Kk 床用艶出し剤組成物
JP2002194298A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Konishi Co Ltd 水性艶出しコーティング剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006077190A (ja) 2006-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4017662A (en) Polishing method
JP2009287037A (ja) フロアポリッシュビヒクル組成物
TWI468475B (zh) 水性塗覆組成物
CA2201842A1 (en) Emulsion polymer composition
JP2008208272A (ja) フローリング床用フロアーポリッシュ組成物
JPS63450B2 (ja)
JP4263914B2 (ja) トップコート組成物およびそれを用いた床構造体、並びにその床面維持管理方法
AU758481B2 (en) Process of improving the leveling of a floor polish composition
JP4104931B2 (ja) 水性床用樹脂分散体およびそれを用いたフロアーポリッシュ組成物
JP4813783B2 (ja) フロアーポリッシュ組成物
JP2005255703A (ja) フロアーポリッシュ組成物
JP4443120B2 (ja) 被覆剤組成物およびそれを用いた床面維持管理方法
JP2005023149A (ja) 床用光沢復元剤組成物およびそれを用いた床構造体、並びにその床面維持管理方法
US20040198880A1 (en) Floor polish composition
JP4808337B2 (ja) フロアーポリッシュ用組成物
JP5170237B2 (ja) フロアポリッシュ用エマルション組成物およびそれを用いたフロアポリッシュ組成物
JP4644905B2 (ja) 水性被覆組成物
JPH0860102A (ja) フロアーポリッシュ用組成物
AU724453B2 (en) Emulsion polymer composition
US11639401B2 (en) Aqueous coating composition neutralized with amino alcohols
JPS6174678A (ja) 剥離性塗料による表面保護方法
JP2011195652A (ja) 水性フロアーポリッシュ用組成物
JPH04236281A (ja) 水性艶出し剤組成物
JP2016098358A (ja) フロアーポリッシュ用水性樹脂
JPH11217542A (ja) つや出し剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070613

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100507

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110720

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110809

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110825

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4813783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250