JP2007326859A - トリペンチルシトレートおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリペンチルシトレート、その製造方法ならびにプラスチック用の可塑剤としての該化合物の使用を提供する。
【解決手段】式Iのクエン酸エステルにおいて、基R1、R2およびR3がそれぞれ、5の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4が、Hであるか、またはカルボン酸である。
【効果】新規の可塑剤は、良好な加工特性および良好な可塑化作用を有し、揮発性が低く、かつ原料となるアルコールは容易に大量生産可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、場合によりアシル化された、有利にはアセチル化されたOH基を有するトリペンチルシトレート、その製造方法ならびにプラスチック用の可塑剤としての該化合物の使用に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は、経済的に極めて有用なポリマーである。ポリ塩化ビニルは硬質PVCとしても、軟質PVCとしても多種多様に適用されている。
PVC可塑剤は軟質PVCを製造するために添加されるが、その際、大多数の場合に、フタル酸エステル、特にジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)およびジイソデシルフタレート(DIDP)が使用される。
いくつかのケースではすでに顕著な危険物質法上の特性指摘につながり、かつ小さい子供の玩具の場合には、使用制限にもつながる再生毒性効果に関する議論に基づいて、上記のフタル酸エステルの使用は将来的に、特に食料品の包装および医療用の適用のような感受性の高い適用では、明らかに低減されることを出発点としなくてはならない。従って、たとえばDEHPの代替品として使用することができ、かつ世界的に大量に入手可能な原料から製造される、特性指摘の義務のない可塑剤に対する要求が存在する。
考えられる代替案は、クエン酸をベースとする可塑剤の使用である。特にこの化合物群の代表的な化合物であるアセチル−トリ−n−ブチル−シトレート(ATBC)は、とりわけ特定のフタル酸エステルに関する上記の使用制限以来、軟質PVCからなる子供用玩具の製造のためにますます使用されている。このことはEUの先の毒物に関する専門家委員会、つまり毒物学、環境学および環境毒物学に関する科学委員会(Scientific Comittee for Toxicology, Ecology and Ecotoxicology(CSTEE)の意見表明によっても支持されており、この意見表明によれば、軟質PVC玩具中での該可塑剤の使用は、小さい子供用であっても危険はない。
しかし、ATBCがたとえばDEHPよりも高い揮発性および移行速度を有し、ひいては依然として最適化の可能性が存在することが公知である。従って、これらの欠点をもはや有していない、構造的に異なったクエン酸エステルを開発する試みがなかったわけではない。これは原則として、比較的鎖長の長いアルコールをエステル化のために使用することにより達成することができる。従ってたとえばアセチル−トリ−2−エチルヘキシルシトレート(ATEHC)またはブチリル−トリ−n−ヘキシルシトレート(BTHC)は久しく公知であり、かつ市場に導入されている。ATBCの製造はたとえばWO03/008369に記載されており、その内容をこの出願で引用する。
さらに、遊離の、つまりアシル化されていないOH基を有するクエン酸エステルも記載されている。たとえばEP1063257には、アルキル=C6〜C10を有するクエン酸トリアルキルエステルが言及されており、その際、該アルキル鎖は有利には線状である。これらの化合物は、そのカルボキシル化類似体と比較して、通常、改善された効率およびゲル化により優れているが、しかし熱安定性が劣る。
クエン酸もしくはアセチル化されたクエン酸と、1種類のアルコール、たとえばブタノールのみ(つまりATBC)との、または2−エチルヘキサノールのみ(つまりATEHC)とのエステル以外に、異なった炭素数を有するアルコール混合物をベースとするエステルもまた公知である。Schaer等は、Ip.com Journal(2004)、4(8)、第15頁以降に、C2〜C22の範囲の少なくとも2種類の異なったアルコールからなるアルコール混合物をベースとし、アルコールがエステル化の前に適切に混合される(遊離のOH基または誘導されたOH基を有する)クエン酸エステルの使用を記載している。
EP1256566には、そのアルキル鎖が一定の割合までがブチルからなり、残りの割合までが長鎖の基からなるクエン酸エステルの混合物が記載されている。
しかし線状アルコール(C6以上)をベースとするクエン酸エステルは、通常、比較的高価である。というも、アルコールはエチレンのオリゴマー化により、または脂肪酸水素化もしくは脂肪酸エステル、たとえばメチルエステルの水素化により製造しなくてはならないからである。しかし数千トンの規模での大工業的な製造は、安価で競争可能なアルコールの使用を前提としている。たとえばC8アルコールのような、比較的鎖長の長いエステルは揮発性が極めて低いが、しかし特定のプラスチゾル加工技術にとってはゲル化時間が長すぎる。効率の低さに伴って、必要とされる供給量がより高いことは通常、その後の処方のコストの上昇および高すぎる原料消費量に寄与する。
EP1063257 WO03/008369 EP1256566 Schaer、Ip.com Journal(2004)、4(8)、第15頁以降
従って本発明の課題は、有利に良好な加工特性、良好な可塑化作用(効率)を有し、揮発性がわずかであり、かつ/またはそのアルコールが容易に大量に有利に製造可能である、新規の代替的な可塑剤、有利には代替的なクエン酸エステルを提供することである。
意外なことに、上記課題は本発明によりクエン酸ペンチルエステル、特にアセチル化されたOH基を有するクエン酸ペンチルエステルによって解決されることが判明した。
従って本発明の対象は、式I
Figure 2007326859
のクエン酸エステルにおいて、基R1、R2およびR3がそれぞれ、5の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4が、Hであるか、またはカルボン酸基であることを特徴とする、式Iのクエン酸エステル、ならびにクエン酸またはクエン酸誘導体を、5個の炭素原子を有するアルコールと反応させることを特徴とする、式Iのクエン酸エステルの製造方法である。
同様に本発明の対象は、可塑剤としての本発明によるクエン酸エステルの使用である。
さらに本発明の対象は、本発明によるクエン酸エステルを含有する組成物ならびにプラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾルまたはインク中での該組成物もしくは可塑剤組成物の使用である。本発明による可塑剤から製造されるプラスチック製品はたとえば、異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、ケーブルおよびワイヤ被覆であってよい。
本発明によるクエン酸エステルは、いわゆる一次可塑剤として使用することができるという利点を有する。一次可塑剤とは通常、および本発明の範囲では、広い濃度範囲で相応するポリマーと相容性である可塑剤であると理解する。ATBCと比較して、本発明によるクエン酸エステルは、ショアー硬度Aにより記載される比較可能な効率で、明らかによりわずかな揮発性を有している。
可塑剤としての本発明によるクエン酸エステルは、特定のフタル酸エステル、たとえばジ−2−エチル−ヘキシルフタレート(DEHP)と交換することができる。世界的には依然として最も重要なPVC可塑剤であるDEHPと比較して、本発明によるクエン酸エステルの揮発性およびゲル化性能は同様のレベルにある。プラスチゾル加工において、比較的長期の貯蔵の後でも、プラスチゾル粘度が低いことが利点である。DINPと比較して、ペンチルシトレートおよびアセチルペンチルシトレートの可塑化作用(効率)は、常により高いか、または純粋なアセチル−トリス−(3−メチルブチル)シトレートの境界例では少なくとも同じである。
トリペンチルシトレートもしくはアセチルペンチルシトレートに関して、ATBCに関して予測されると同様に良好な毒物学的特性が予測されるので、これらのクエン酸エステルは、フタル酸エステルの代用品として、特に重要な適用、たとえば子供用玩具または食料品の包装において使用することができる。本発明によるトリペンチルシトレートもしくはアセチルペンチルシトレートはさらに、容易な方法で製造することができ、かつその原料である分解C4またはラフィネートは大量に入手可能であるという利点を有する。
以下に本発明を具体的に記載するが、特許請求の範囲および発明の詳細な説明から明らかとなる本発明およびその保護範囲はこれらに限定されるべきではない。特許請求の範囲もまた、本発明の開示内容に属する。以下に範囲、一般式または化合物群が記載されている場合には、本出願の開示は、明示的に言及されている相応する範囲または化合物群のみを含むのではなく、個々の値(範囲)または化合物を省略することにより得られる全ての部分的な範囲または化合物の部分的な群を含んでおり、その際、これらはより良好な理解のために明示的に記載されていないにすぎない。
本発明による式I
Figure 2007326859
のクエン酸エステルは、基R1、R2およびR3がそれぞれ、5の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4がHであるか、またはカルボン酸基であることを特徴とする。有利には基R4は、カルボン酸基、たとえばギ酸基、酢酸基、プロピオン酸基、酪酸基または吉草酸基である。特に有利には基R4はアセチル基である。カルボキシル化されたペンチルシトレートは、遊離のOH基を有するペンチルシトレートに対して、明らかにより熱安定性であるという利点を有しており、このことはたとえば、該エステルを用いて可塑化処理したPVCシートの褐色に変色(このような変色は安定性が低いことを示す)するまでの時間が長いことにより明らかである。カルボキシル化されたペンチルシトレートのもう1つの利点は、時間の経過によるプラスチゾル中での粘度の上昇は、特にアセチル化エステルを使用する際に、カルボキシル化されていないペンチルシトレートと比較して明らかにわずかであり、従って本発明によるカルボキシル化ペンチルシトレートをベースとするプラスチゾルは、より良好な貯蔵安定性を有することである。
アルキル基はエステル分子中で同じであっても、異なっていてもよい。エステルを製造する際に異性体純粋なアルコールを使用しない場合、通常は異なったアルキル基を有するエステル分子を含有するクエン酸トリアルキルエステル混合物が得られる。
アルキル基R1、R2およびR3が、少なくとも4の炭素原子の最も長い炭素鎖を有し、かつアルキル基あたりの炭素原子の合計数が5である場合に有利でありうる。有利にはアルキル基R1、R2およびR3は60%より多くまでがn−ペンチル基である。ペンチル基の割合はこの場合、クエン酸エステル中に含有されている全てのアルキル基の平均値に対する。有利にはクエン酸エステルのアルキル基は、n−ペンチル基70〜99.9%およびメチルブチル基、特に2−メチルブチル基30〜0.1%、特に有利にはn−ペンチル基85〜98%およびメチルブチル基、特に2−メチルブチル基15〜2%、およびとりわけ有利にはn−ペンチル基90〜96%およびメチルブチル基、特に2−メチルブチル基10〜4%である。有利にはメチルブチル基は50%より多くまで、好ましくは75%より多くまで、および特に有利には95%より多くまでが2−メチルブチル基である。原料の入手性および相応する可塑剤の使用目的に応じて、クエン酸エステルのC5−アルキル基の少なくとも40%、有利には40〜100%、特に有利には50〜99%が3−メチルブチル基である(記載はそのつどモル%である)。
5−アルキル基の分布の割合は、エステルのケン化、得られたアルコールの分離および得られたアルコールのガスクロマトグラフィー(GC)分析により容易な方法で行うことができる。たとえば固定相として長さ60m、内径0.25mmおよび膜厚0.25μmを有するポリジメチルシロキサンカラム(たとえばDB5)を使用してガスクロマトグラフィー分離を実施することができる。あるいはこれらの情報はNMR分光分析によっても得ることができる。
本発明によるクエン酸エステルはたとえば本発明による方法により製造することができる。式I
Figure 2007326859
[式中、基R1、R2およびR3はそのつど、5の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4は、Hであるか、またはカルボン酸基である]のクエン酸エステルを製造するこの方法は、クエン酸またはクエン酸誘導体と、5個の炭素原子を有するアルコールとを反応させることを特徴とする。有利にはクエン酸とペンタノールとの反応を120℃より高い温度で、有利には120〜160℃で行う。
上記のクエン酸エステルは、相応するアルコールまたはアルコール混合物から、クエン酸またはクエン酸誘導体との反応により製造することができる。特に該クエン酸エステルは、有利には、クエン酸による、たとえばしばしばクエン酸として市販されているようなクエン酸一水和物または無水物によるエステル化により、またはクエン酸エステルと比較的短いアルコール基とのエステル交換によっても製造することができる。トリアルキルシトレートおよびカルボキシトリアルキルシトレートを製造するための種々の方法は公知であり、かつ部分的には上記で引用されている。これらは本発明によるトリペンチルシトレートの製造のためにも使用することができる。従ってこれらの刊行物を明文をもって引用する。エステル交換の場合、原料としてたとえばトリメチルシトレートまたはトリエチルシトレートを使用することができる。
本発明によるクエン酸エステルを製造するためのアルコールは、5個の炭素原子からなり、かつOH基を有する全て飽和のアルコールであってもよい。有利には少なくとも4個の炭素原子の最も長い炭素鎖を有し、かつアルキル基あたりの炭素原子数が合計で5である非環式のアルコールを使用する。この場合、第1級アルコールが特に有利である。たとえばここではn−ペンタノール、2−メチルブタノールおよび3−メチルブタノールならびにこれらのアルコールの混合物が挙げられる。
有利には本発明による方法で、60質量%より多くまでのn−ペンタノールを含有するアルコール混合物を使用する。有利であるのは、99.9質量%〜70質量%のn−ペンタノールおよび0.1〜30質量%のメチルブタノール、特に2−メチルブタノール、特に有利であるのは98〜85質量%のn−ペンタノールおよび2〜15質量%のメチルブタノール、特に2−メチルブタノールの質量比でn−ペンタノールおよび2−メチルブタノールからなる混合物を使用する。すでに上に記載したように、原料の入手性および相応する可塑剤の使用目的に応じて、少なくとも40質量%、有利には40〜100質量%、特に有利には50〜99質量%の3−メチルブタノールを含有するアルコール混合物を使用する場合も有利でありうる。
有利には式Iのクエン酸エステルを製造するための本発明による方法では、第1級アルコールまたはアルコール混合物、たとえばアルケンのヒドロホルミル化およびその後の水素化により得られるものを使用することができる。たとえばn−ペンタノールは、1−ブテンのヒドロホルミル化およびその後のバレロアルデヒドからn−ペンタノールへの水素化により製造することができる。
ペンタノールのための前駆体は有利には4個の炭素原子を有する1もしくは複数のオレフィンを含有する工業用炭化水素混合物である。C4−オレフィンのための最も重要な供給源は水蒸気分解装置からの石油分解のC4留分である。ここからブタジエンの抽出(蒸留)またはn−ブテン混合物へのその選択的水素化によって、イソブテン、1−ブテンおよび両方の2−ブテン(シスおよびトランス)を含有する炭化水素混合物(ラフィネートIまたは水素化分解C4)を製造する。C4−オレフィンのためのもう1つの原料は、FCC装置からのC4留分であり、これを上記のとおり後処理することができる。フィッシャー・トロプシュ合成により製造されるC4−オレフィンは、その中に含有されているブタジエンをn−ブテンへと選択的に水素化した後、同様に適切な原料となる。さらに、C4−炭化水素の脱水により、またはメタセシス反応により得られるオレフィン混合物またはその他の工業用オレフィン流は適切な原料となりうる。ラフィネートI以外に、ペンタノールのための前駆体として、ラフィネートII、ラフィネートIII、ラフィネートIIから1−ブテンの大部分を分離することにより得られる流、およびラフィネートIIをオリゴマー化した後に生じ、かつアルカン以外にオレフィンとしてもっぱら少量の2−ブテンを含有する、いわゆる粗ブタンが適切である。ラフィネートII、ラフィネートIIIまたは粗ブタンをペンタノールのための前駆体として使用する利点は、これらの前駆体がイソブテンを含有していないか、またはほぼ含有しておらず、従って得られるペンタノールは3−メチルブタノールを含有していないか、または少量含有するのみ(ペンタノールに対して0.5質量%より少ない)であることである。C5−アルコールがより多くの3−メチルブタノール割合を有している場合、たとえばメチル−t−ブチルエーテルまたはt−ブタノールの分解により得ることができる純粋なイソブテン、または直接に分解C4またはラフィネートIを使用することができる。
使用混合物を分離するための分離コストはしばしば極めて高いので、使用混合物として使用される工業用混合物中に存在するオレフィンを分離しないで混合物を直接使用することが有利でありうる。
特に有利には本発明による方法で、以下の工程:
a)C4−オレフィンをヒドロホルミル化してC5−アルデヒドを得る工程および
b)工程a)で得られたアルデヒドを水素化して相応するアルコールを得る工程
を有する方法により得られるアルコールを使用する。工程a)およびb)はこの場合、1つの反応器中で同時に実施しても良い。
工程a)(ヒドロホルミル化)および/またはb)(水素化)の後に、これらの工程で得られた生成物混合物を、個々の異性体に分離することは有利でありうる。このような分離はたとえば熱により、特に蒸留により行うことができる。
方法工程a)
使用混合物中の全てのオレフィンのヒドロホルミル化を1段階で行うことができる。これは特に、ヒドロホルミル化の際に、オレフィン化合物のみが使用混合物中に存在している場合に有利でありうる。たとえばオレフィンとしてもっぱら1−ブテンまたはイソブテンを含有している使用混合物のヒドロホルミル化は、1段階で、以下に第1段階に関して記載する条件下に、および該当箇所に記載されている触媒を用いて実施することができる。たとえばもっぱら2−ブテンをオレフィンとして含有する使用混合物のヒドロホルミル化は、1段階で、以下に第2段階に関して記載する条件下に、および該当箇所に記載される触媒を用いて実施することができる。
異性体純粋なオレフィンはしばしば使用混合物として存在しておらず、多くの場合、上記のようにC4−炭化水素の工業用混合物が使用原料として存在しているので、本発明による方法では、方法工程a)において有利には、イソブテンおよび/または1−ブテンおよび2−ブテンを含有するオレフィンの混合物を使用する。
使用混合物中に含有されているオレフィンのヒドロホルミル化は再び1段階で行うことができる。このために有利には、二重結合および/または分岐度の数が異なったオレフィンをヒドロホルミル化することができる触媒を使用する。しかしこのために適切な触媒は多くの場合、末端のヒドロホルミル化により生じた生成物(アルデヒド、アルコール、蟻酸エステル)の形成に関して選択性がわずかであり、かつ/または工業的な方法にとっては反応速度が低すぎる。
ヒドロホルミル化生成物から使用アルコール、特にできる限り少ない分岐度を有するペンタノールもしくはペンタノール混合物を得るべき場合、末端のヒドロホルミル化により生じた生成物の高い割合が得られるようにヒドロホルミル化を実施することが有利である。というのも、末端でヒドロホルミル化された生成物のみが、その出発オレフィンと同じ分岐度を有しており、これに対して鎖中のヒドロホルミル化は、生じる生成物の分岐度を1だけ高め、このことは多くの場合、ここから製造されるその後の生成物の適用技術的な特性の低下につながりうる。
工業用混合物中に存在するオレフィンは、ヒドロホルミル化の際のその反応性において著しく異なっている。一般に末端の二重結合を有するオレフィンは、鎖の中に二重結合を有するオレフィンよりも反応性であり、かつ線状のオレフィンは、分枝鎖状のオレフィンよりも反応性である。特にC4−オレフィンの場合、1−ブテンはイソブテンより反応性であり、かつイソブテンは両方の2−ブテン(シスもしくはトランス)よりも反応性である。これらの異なった反応性は、末端のヒドロホルミル化により生じた生成物の高い割合を得るために利用することができる。つまり1−ブテンからは主としてバレロアルデヒドが生じ、2−メチルブタナールは生じず、イソブテンからは3−メチルブタナールが生じ、2,2−ジメチルプロパナールは生じず、ならびに両方の2−ブテンからはできる限り多くのバレロアルデヒド(n−ペンタナール)および少量の2−メチルブタナールが生じる。
従来、満足のいく速度と同時に、1−ブテンならびにイソブテンおよび2−ブテンの両方から、末端のヒドロホルミル化により生じる生成物への反応をもたらす触媒は存在しないので、ヒドロホルミル化は、特に使用混合物がイソブテンおよび/または1−ブテンも2−ブテンも含有する場合に、有利には少なくとも2段階で実施される。本発明による方法を2段階で実施する場合、有利には1つの段階でイソブテンおよび/または1−ブテンをヒドロホルミル化し、もう1つの段階で2−ブテンをヒドロホルミル化する。
第1段階でヒドロホルミル化を有利には適切な触媒を用いて、α−オレフィン(1−ブテン、イソブテン)のみが反応し、2−ブテンは相応するアルデヒドへと反応しない条件下で実施する。その際、条件は有利には、1−ブテンができる限り選択的にバレロアルデヒドへと、およびイソブテンはできる限り選択的に3−メチルブタナールへと反応するように選択する。触媒としてたとえば、ロジウムおよび有機3リン酸化合物、特にホスフィンをリガンドとして含有する化合物を使用することができる。反応は均一相(UCC法と同様、EP0562451に記載されている)中または不均一相(ローン・プーラン・ルーア化学(Rhone−Poulenc−Ruhrchemie)法と同様、EP2627354およびEP0562451に記載されている)中で実施することができる。触媒の分離がより容易であることにより、方法工程a)の第1段階は有利には第二の方法で実施する。方法工程a)の第1段階のための反応温度は、有利には70〜150℃、有利には100〜130℃である。方法圧力は有利には2〜20MPa、有利には3〜6MPaである。
場合により1−オレフィンのヒドロホルミル化は、多相系中で行い、その際、原料、生成物および合成ガスを連続的な触媒層に分散させ、高い空管速度で実施することができる。このような方法はたとえばDE19925384A1およびDE19957528A1に記載されており、これをここで明文をもって引用する。
方法工程a)の第1段階におけるオレフィンのヒドロホルミル化は、1段階で実施しても2段階で実施しても良い。2段階のヒドロホルミル化の場合、第1の反応器中に主として1−ブテンを反応させ、第2の反応器中で主としてイソブテンを反応させる。両方の反応器中で同一の触媒を使用しても、異なった触媒を使用しても良い。同一の触媒を使用する場合には、共通の触媒後処理が可能である。
上記の方法工程a)の第1段階における−ブテンおよびイソブテンの一部のヒドロホルミル化の後で、使用した炭化水素混合物中に、存在する場合には、2−ブテンおよび場合によりイソブテンおよび1−ブテンの極めて痕跡量程度が残留する。この混合物をそのまま他の触媒系の使用下に、または一方がイソブテンを含有し、かつ他方が両方の2−ブテンを含有する2つの留分へと分離した後に、ヒドロホルミル化することができる。有利には混合物を分離し、かつイソブテンを含有するフラクションと、2−ブテンを含有するフラクションとを別々にヒドロホルミル化する。
イソブテンもしくはイソブテンを含有するフラクションは、高い選択率で3−メチルブタナールへとヒドロホルミル化することができる。このために適切な触媒は、単座もしくは多座のホスフィットリガンドを含有するロジウム錯体である。適切な単座のホスフィットリガンドはたとえば、そのアリール基がホスフィットの酸素に対してオルト位にバルキーな基を有し、m位もしくはp位において置換されているトリアリールホスフィット、たとえばトリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホスフィットである。ロジウムとビスホスフィットとからなる触媒系の使用下でのイソブテンのヒドロホルミル化はたとえば特許文献US4,668,651、US4,769,498およびWO85/03702に記載されており、これらを明文をもって引用し、かつその開示内容を本願の記載の対象とする。
場合により、分離されたイソブテン留分を完全に、または部分的に前方接続された第一のヒドロホルミル化段階へ返送することができる。その際、イソブテンから飽和炭化水素を分離することは特に有利であり得、これは熱により行うことができる。飽和炭化水素をこのように分離した後で、イソブテンを完全に前方接続された第一のヒドロホルミル化段階に返送することは特に有利であり得る。
2−ブテンもしくは2−ブテンを含有する留分のヒドロホルミル化は種々の公知の触媒を用いて実施することができ、その際、通常、2−メチルブタナールおよびバレロアルデヒドからなる混合物が生じる。多くの場合、2−メチルブタナールが主生成物である。変性されていないコバルト触媒を2−ブテンのヒドロホルミル化のための触媒として使用することはEP0646563に、および変性されていないロジウムを使用することはEP0562451に記載されている。さらに、2−ブテンのヒドロホルミル化のために、イソブテンのヒドロホルミル化のために使用したものと同一の触媒系、つまりロジウムと単座のトリアリールホスフィットとからなる錯体を使用することもできる。バレロアルデヒドの高い選択率はロジウムと、バルキーな芳香族ビスホスフィットとからなる触媒を使用する際に得られ、これはたとえばEP0213639、EP0214622またはUS5,763,680に記載されている。しかし工業的な方法のための反応速度は比較的わずかである。特に有利にはビスホスフィットリガンドとして、US5,763,680においてリガンドDとして記載されているリガンドを使用する。
上記のとおり、使用物質中に存在するオレフィンを別々に、または一緒にヒドロホルミル化することができる。最終生成物の直線性が重要ではない場合、オレフィンを一緒にヒドロホルミル化することが有利である。これに対してできる限り分岐の少ない最終生成物が所望される場合、ヒドロホルミル化を少なくとも2段階で実施することが有利である。C4−オレフィン混合物の場合、後者のケースは第一の反応器中で1−ブテンおよび場合によりイソブテンを反応させ、かつ後方接続された1もしくは複数の反応器中で場合により残りのオレフィンを反応させることを意味する。
ヒドロホルミル化混合物から、触媒を公知の方法で分離することができる。たとえばロジウム触媒が均一に反応混合物中に存在する場合、触媒を蒸留によって分離することができる。不均一相(2つの液相)中での反応の場合、触媒の分離はたとえば相分離により行うことができる(Ed.B.Cornils、W.A.Herrmann、Applied Homogeneous Catalysis with Organic Compounds、第1巻、第80頁、VCH−Verlag、1996)。
方法工程b)
ヒドロホルミル化混合物は触媒を除去した後に、直接ヒドロホルミル化において使用するか、またはあらかじめ蒸留して、もしくはその他の分離法で2以上の留分に分離することができる。1もしくは複数の、実質的にアルデヒドを含有する留分が得られるように、ヒドロホルミル化混合物を後処理することは特に有利でありうる。
触媒を除去したヒドロホルミル化混合物またはここから分離法、たとえば蒸留により分離したアルデヒドまたはアルデヒドを含有する留分を、本発明により水素化する。その際、ヒドロホルミル化混合物を別々に、または一緒に水素化することができる。ヒドロホルミル化によりアルデヒドから相応する飽和アルコールが生じる。これはたとえばブタノール、n−ペンタノール、2−メチルブタノールおよび3−メチルブタノールである。
水素化のために、たとえばニッケル、銅、銅/ニッケル、銅/クロム、銅/クロム/ニッケル、亜鉛/クロム、ニッケル/モリブデンの触媒を使用することができる。触媒は担持されていなくてもよいが、または水素化活性物質もしくはその前駆体が、担体、たとえば二酸化ケイ素または二酸化アルミニウム上に施与されていてもよい。方法工程b)において使用され、かつヒドロホルミル化混合物を水素化することができる有利な触媒は、そのつど0.3〜15質量%の銅およびニッケルを含有し、ならびに活性化剤として0.05〜3.5質量%のクロムおよび場合により0.01〜1.6質量%、有利には0.02〜1.2質量%のアルカリ金属成分を、担体材料、有利には酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素上に含有している。量の記載はまだ還元されていない触媒に対するものである。アルカリ金属成分は任意である。触媒は有利には、流れ抵抗の小さい形で、たとえば顆粒、ペレットまたは成形体、たとえばタブレット、円筒体、押出成形体またはリングの形で使用する。触媒は有利にはその使用前に、たとえば水素流中で加熱することにより活性化する。
水素化は気相もしくは液相の水素化であってよい。有利には水素化を0.5〜50MPa、好ましくは1.5〜10MPaの全圧力で実施する。気相中での水素化は低い圧力で実施することもでき、その際、相応して大きな気体体積が存在する。複数の水素化反応器を使用する場合、個々の反応器中の全圧力は前記の圧力限界内で同じであるか、または異なっていてもよい。反応温度は水素化の際に液相または気相中で通常、120〜220℃、特に140〜180℃であってよい。このような水素化はたとえば特許出願DE19842369およびDE19842370に記載されており、これらをここで明文をもって引用する。
水素化は有利には水の存在下で実施する。必要とされる水は反応器供給流中に含有されていてもよい。しかし、水を適切な箇所で水素化装置に供給することも可能である。気相水素化の場合、有利には水を水蒸気の形で供給する。有利な水素化法は、水を添加する液相水素化であり、これはたとえばDE10062448に記載されている。特に有利には水素化を0.05〜10質量%の含水率で、特に0.5〜5質量%、とりわけ有利には1〜2.5質量%で実施する。含水率はこの場合、水素化搬出物中で測定される。
水素化から得られた混合物を、直接、クエン酸またはクエン酸誘導体と反応させるために使用するか、または蒸留により、もしくはその他の分離法で2以上の留分に分離することができる。同じ数の炭素原子を有するアルコールの1もしくは複数の留分が得られるように水素化混合物を後処理することは特に有利でありうる。有利には個々の成分にほぼ分離されるように蒸留による後処理を実施することが有利でありうる。
使用アルコールとして線状アルコールのクエン酸エステルを製造すべき場合、線状のn−ペンタノールを分枝鎖状のペンタノールから分離することができる。
方法工程c)クエン酸またはクエン酸誘導体とC5−アルコールとの、トリペンチルシトレートへの反応
5−アルコールの相応するトリペンチルシトレートへの反応はたとえば一水和物の形で、または無水の(無水物の)形で使用することができるクエン酸との反応により、またはクエン酸の誘導体、特にクエン酸エステルとの反応により行うことができる。有利には工程b)で得られたアルコールを用いてクエン酸のエステル化またはクエン酸エステルのエステル交換を実施する。
本発明によるクエン酸エステルは、たとえば一水和物または無水(無水物)の形で使用することができるクエン酸を、たとえば相応するアルコールによりエステル化することにより得られる。エステルの形成のために使用され、同時に共留剤として反応の際に生じる水の分離のために利用することができるアルコールもしくはアルコール混合物は、エステルの形成のために必要とされるモル量に対して、有利には過剰で、好ましくは5〜50%、特に10〜40%、とりわけ有利には15〜35%の過剰で使用する。
エステル化は有利にはエステル化触媒の存在下で実施する。エステル化触媒として原則として酸、たとえば硫酸、スルホン酸、たとえばメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸、鉱酸または金属またはこれらの化合物を使用することができる。たとえば微粒子状の金属として、または有利にその塩、酸化物の形で、または可溶性の有機化合物の形で使用することができるスズ、チタン、ジルコニウムは適切である。しかし金属触媒はプロトン酸をベースとする触媒と比較して高温触媒であり、その完全な活性はしばしば、180℃を上回る温度で初めて達成される。有利には硫酸または有機スルホン酸、特に有利にはメタンスルホン酸を使用する。
触媒濃度は触媒の種類に依存して広い範囲で変更することができる。プロトン酸のためには0.05〜2質量%、有利には0.1〜1質量%、特に有利には0.15〜0.5質量%の濃度が有利である。これより高い濃度は確かに反応速度を高めるが、しかしたとえば水の分離により副生成物の形成を高めることにも貢献しうる。
すでに上で記載した刊行物に言及されているように、クエン酸もしくはそのアルキルエステルは、高温(>153℃)で水を分離してアコニット酸もしくはそのエステル(アコニット酸エステル)を形成する傾向がある。従って上記の方法は通常、150℃よりも低い温度で操作される。従ってこの課題のためには金属ベースの酸、たとえばテトラブチルオルトチタネートはあまり使用されない。
150℃より低い温度では、たとえば上記のプロトン酸を用いて作業することができるが、しかし、その場合、たとえばn−ブタノールを用いてクエン酸一水和物をエステル化するための反応時間はしばしば10時間を超える(WO03/008369)。
意外なことに、クエン酸、有利には無水のクエン酸および特に有利にはクエン酸一水和物を方法工程b)により製造されたペンタノールまたはペンタノール混合物によりプロトン酸(特にその中でもメタンスルホン酸が有利である)を用いた触媒反応によってエステル化すると、すでに155〜165℃で8時間後にほぼ定量的に進行し、かつ得られた生成物は通例の後処理におり、従来技術、特にWO03/008369により記載されている従来技術に匹敵する純度を有することが判明した。
一般に、使用原料のエステル化を実施するための最適温度は、反応の進行および触媒の濃度と種類とに依存する。最適温度はそれぞれの個別の事例に関して簡単な前試験によって容易に確認することができる。比較的高い温度を使用することによって反応速度を高めることができるが、しかし副反応、たとえばアルコールからの水の分離または着色された副生成物の形成が促進される。
本発明によるペンチルシトレートの場合、反応温度は有利には120〜180℃、好ましくは130〜170℃および特に有利には155〜165℃である。
所望の反応温度もしくは所望の温度範囲は反応容器中の圧力を適合させることにより調整することができる。有利にはエステル化を本発明の範囲では0.1MPa〜1hPaの圧力で実施する。
反応水を除去するために、水を混合物として、たとえばアルコールとの共沸混合物として反応混合物から留去することは有利でありうる。反応に返送される液体量は、部分的に、または完全に蒸留液の後処理により得られるアルコールからなっていてもよい。後処理をさらに後の時点で実施し、かつ除去された液体量を完全に、または部分的に新鮮なアルコールにより、つまり貯蔵容器中にすでに存在するアルコールにより交換することも可能である。有利には反応混合物から除去された液体量をアルコールにより補充する。
エステル以外に、アルコール、触媒またはこれらの後続生成物および場合により副生成物を含有する粗エステル混合物は、自体公知の方法により後処理することができる。その際、後処理は有利には以下の工程を有する:過剰のアルコールおよび場合により低沸点物の分離、水または塩の水溶液を用いた粗生成物の洗浄、未反応の酸の中和、場合により水蒸気蒸留、容易に濾過可能な残渣への触媒の変換、固体の分離および場合により乾燥。その際、適用される後処理法に応じてこれらの工程の順序は異なっていてよい。
場合により所望のエステルを反応混合物から、場合によりバッチを中和した後で、蒸留により分離もしくは後処理することができる。これは特に室温で固体の生成物の場合に有利であり得る。
本発明によるクエン酸トリペンチルエステルは、本発明による方法の別の実施態様では、異性体純粋なペンタノールまたは適切なペンタノール異性体混合物から選択される使用アルコールによるクエン酸エステルのエステル交換により取得することができる。原料として、エステル基のO原子に結合しているアルキル基が有利には1〜3個の炭素原子を有するクエン酸エステルを使用する。この基は脂肪族、直鎖または分枝鎖、脂環式または芳香族であってよい。このアルキル基の1もしくは複数のメチレン基は酸素により置換されていてもよい。原料エステルの基礎となっているアルコールが使用アルコールよりも低い沸点を有することが有利であり得る。有利な原料は、工業的に製造され、従って大量に入手することができるトリエチルシトレートである。
反応は有利には100〜220℃の温度で実施する。温度は特に有利には、原料エステルから生じるアルコールを規定の圧力、有利には高めた圧力で、反応混合物から留去することができるように選択する。
エステル交換混合物の後処理は、エステル化混合物のために記載した方法と同様に行うことができる。
方法工程d):クエン酸もしくはクエン酸エステルのOH基の任意のカルボキシル化
本発明による方法で、基R4がHではないエステルを製造すべき場合、クエン酸のOH基と、別のクエン酸または無水物との反応は、クエン酸もしくはクエン酸誘導体とアルコールとの反応の前または後で、有利には反応の後で行うことができる。該反応は単純なエステル化反応として実施することができる。有利にはアルカン酸、たとえば酢酸、プロピオン酸または酪酸の使用下に、または特に有利には無水酢酸の使用下にエステル化を行う。クエン酸のアセチル化の方法は、たとえばDE−A1099523に記載されているとおりに行うことができる。アセチル化は有利には過剰の無水酢酸によるアセチル化の工程、過剰の無水酢酸ならびに場合により形成された酢酸の留去の工程、塩基(たとえば炭酸ナトリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、石灰乳等)による中和の工程、洗浄工程、乾燥工程、漂白工程(たとえば漂白土、オゾンまたは過酸化水素による処理による)および濾過工程を含む。実施および経過に応じて、ここに挙げた工程のいくつかは単に任意のものである。
クエン酸もしくはクエン酸エステルのOH基のカルボキシル化、有利にはアセチル化は、有利には蒸留によるアルコール過剰の分離および製造されたクエン酸エステルのその後の水蒸気処理に続いて行う。必要であれば、アセチル化の前にさらなる精製を実施することができるが、これは有利には不要である。
アセチル化の場合、これは有利には10〜80%、好ましくは20〜50%の酢酸または有利には無水酢酸のモル過剰の添加により、90〜120℃、有利には100〜115℃の温度で実施する。カルボキシル化剤の添加と同時に、または添加の後で、触媒として有利にはプロトン酸を添加し、かつ反応混合物をこの温度で一定の時間、有利には30分〜2時間、特に1時間、攪拌する。触媒としてここで種々の酸を使用することができる。有利には硫酸またはメタンスルホン酸を触媒として使用する。その後、過剰の酸または無水物を分離し、かつ通常通りに後処理(中和、場合により洗浄、水蒸気蒸留、乾燥、濾過)する。
本発明によるクエン酸は、可塑剤として、特にプラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾル、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙またはインク中の可塑剤として使用することができる。有利には本発明による可塑剤は、異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、ケーブルおよびワイヤ被覆において、特に有利には食料品の包装、玩具、医療用品、壁紙および床被覆材において使用することができる。
本発明によるクエン酸の使用下に、特にクエン酸エステルを含有する本発明による組成物が得られる。
このような組成物は本発明によるクエン酸エステルを単独で、またはその他の可塑剤との混合物として含有していてよい。本発明による組成物が本発明によるクエン酸エステルを他の可塑剤との混合物として含有している場合、他の可塑剤は有利には、フタル酸ジアルキルエステル、有利にはアルキル鎖中に4〜13個の炭素原子を有するもの、トリメリット酸トリアルキルエステル、有利には側鎖中に6〜10個の炭素原子を有するもの、そのつど側鎖中に有利に4〜10個の炭素原子を有するアジピン酸ジアルキルエステルおよび有利にはテレフタル酸ジアルキルエステル、1,2−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、1,3−シクロヘキサン二酸アルキルエステルおよび1,4−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、有利にはそのつど有利にアルキル=側鎖中に7〜10個の炭素原子を有するアルキルである1,2−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、グリコールの二安息香酸エステル、有利に8〜22個の炭素原子を有するアルキル基を有するフェノールのアルキルスルホン酸エステル、ポリマー可塑剤、グリセリンエステルおよび特に有利には遊離のOH基もしくはカルボキシル化されたOH基と、4個または6〜10個の炭素原子を有するアルキル基とを有するクエン酸トリアルキルエステルおよび安息香酸アルキルエステル、有利にはアルキル鎖中に7〜13個の炭素原子を有するものの群から選択されていてよい。すべての場合において、アルキル基は線状であるか、または分枝鎖状であってよく、かつ同じであるか、または異なっていてよい。特に有利には該組成物はクエン酸エステル以外に、特にアルキル=7〜13個の炭素原子を有する安息香酸アルキルエステル、有利には安息香酸イソノニルエステル、安息香酸ノニルエステル、安息香酸イソデシルエステルまたは安息香酸デシルエステルを含有する。他の可塑剤との混合物中での本発明によるクエン酸エステルの割合は、有利には15〜90%、特に有利には20〜80%およびとりわけ有利には30〜70%であり、その際、存在するすべての可塑剤の質量割合は合計して100%である。
クエン酸エステルおよび他の可塑剤からなる前記の組成物は、可塑剤組成物として、プラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾルまたはインク中で使用することができる。本発明による可塑剤組成物から製造されたプラスチック製品は、たとえば次のものであってよい:異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、ケーブルおよびワイヤ被覆。有利にはこの群から食料品の包装、玩具、医療用品、壁紙および床被覆材が挙げられる。
クエン酸エステルを含有する本発明による組成物は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリレート、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアルキルメタクリレート(PAMA)、フルオロポリマー、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、特にポリビニルブチラール(PVB)、ポリスチレンポリマー、特にポリスチレン(PS)、膨張可能なポリスチレン(EPS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−無水マレイン酸−コポリマー(SMA)、スチレン−メタクリル酸−コポリマー、ポリオレフィン、特にポリオレフィン(PE)またはポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリエチレン−酢酸ビニル(EVA)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、多硫化物(PSu)、バイオポリマー、特にポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリエステル、デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体、特にニトロセルロース(NC)、エチルセルロース(EC)、セルロースアセテート(CA)、セルロース−アセテート/ブチレート(CAB)、ゴムまたはシリコーンから選択されるポリマーならびに前記のポリマーまたは該ポリマーのモノマー単位の混合物またはコポリマーを含有していてよい。有利には本発明による組成物はPVCまたはエチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、1〜10個の炭素原子を有する分枝鎖状もしくは非分枝鎖状のアルコールの、エステル基の酸素原子に結合したアルキル基を有するアクリレートまたはメタクリレート、スチレン、アクリロニトリルまたは環式オレフィンを含有する。
有利には本発明による組成物は、PVCタイプとして懸濁液PVC、ペーストPVC、マイクロサスペンションPVCまたはエマルションPVCを含有する。ポリマー100質量部に対して本発明による組成物は有利には5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部の可塑剤を含有する。
本発明による組成物は、前記の成分以外に、別の成分、特にたとえば別の可塑剤、充填剤、顔料、安定剤、補助安定剤、たとえばエポキシ化大豆油、滑剤、発泡剤、分解促進剤または殺生物剤を含有していてよい。
前記のポリマーを含有する組成物は、プラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾル、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、織布の被覆、壁紙またはインクとして、またはこれらを製造するために使用することができる。前記の組成物は特に異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、ケーブルおよびワイヤ被覆であってよい。有利には該組成物は食料品の包装、玩具、医療用品、壁紙および床被覆材が挙げられる。
図1に基づいて、本発明を詳細に説明するが、本発明はここに例示的に記載された実施態様に限定すべきではない。
図1には、例8において試験した7つのプラスチゾルに関するゲル化曲線が記載されている。温度に依存する複素粘性率が記載されている。プラスチゾル1についての測定値は、菱形として記載されており、プラスチゾル2についての測定値は方形として記載されており、プラスチゾル3についての測定値は三角として記載されており、プラスチゾル4についての測定値は×として記載されており、プラスチゾル5についての測定値は白丸として記載されており、プラスチゾル6についての測定値は黒丸として記載されており、かつプラスチゾル7についての測定値は+として記載されている。
以下の例は本発明を詳細に説明するものであるが、発明の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになる適用範囲を限定するものではない。
例1および2に記載されているクエン酸エステルの合成は、市販(FLUKA)のペンタノール、すなわちn−ペンタノール(GC純度>99質量%)、2−メチルブタノール(>98質量%)および3−メチルブタノール(>98.5質量%)から出発して製造した。種々のエステルを製造するために、第1表に記載されているアルコールまたはアルコール混合物を使用した。
Figure 2007326859
これは化学量論的に必要とされる量を適合させる必要のない異性体化合物であるため、以下では簡略化して単に一般的にペンタノールと記載する。
例1:トリペンチルシトレートの製造
攪拌機、水分離器、滴下漏斗、内部温度計および浸漬管を備えた2リットルの多口フラスコ中に、クエン酸一水和物(Riedel de Haen社、純度>99.5質量%)210g(1モル)および第1表に記載されているペンタノールまたはペンタノール混合物合計352g(4モル)のうちの300gをまず装入した。撹拌下で窒素ガスを用いてまず30分間、浸漬管を介してパージし、次いでゆっくり加熱した。約115℃から、まず結晶水が酸から生じ、該結晶水を水分離器により除去した。145℃の温度に達したら、滴下漏斗(窒素雰囲気)を介してメタンスルホン酸0.63gを残りの52gのペンタノールまたはペンタノール混合物中に溶解して添加した。160℃の反応温度に達したら、連続的に圧力を低下させることによりペンタノール/水の混合物の一定の還流を維持する。約8時間後に酸価<1mgKOH/g(DIN EN ISO2114)となり、エステル化を中断した。
引き続き、さらに窒素雰囲気下に、水分離器を蒸留用橋渡し管と交換し、160℃までゆっくり上昇する真空でアルコールの過剰量を留去した。
後処理のために、バッチを100℃に冷却した。その後、反応混合物に5質量%の食塩溶液200mlを添加し、該混合物を80℃で15分間攪拌した。その後、水相を分離し、該バッチをさらにもう1回、同量の食塩溶液で洗浄し、再度、相を分離した。2回目の洗浄工程の後で、DIN EN ISO 2114により酸価を測定し、80℃で化学量論の9倍の5質量%水酸化ナトリウム溶液を用いて撹拌下に30分間中和した。その後、水相を排出し、再度、上記のとおり5質量%の食塩溶液で2回洗浄した。
相分離の後で、粗エステル混合物を再度、160℃に加熱し、かつこの温度で真空下に徐々に、予測される粗エステル量に対して8質量%の脱塩水を、浸漬管を介して滴加した。その際、温度が160℃より高くなることがないように留意した。引き続き窒素ガスを導入し、粉末状の活性炭2質量%を添加し、かつ改めて真空下(5hPaまで)で80℃に冷却し、引き続き生成物を濾過した。純度:99面積%(ガスクロマトグラフィーにより測定)。
例2:アセチルトリペンチルシトレートの製造
攪拌機、水分離器、滴下漏斗、内部温度計および浸漬管を備えた2リットルの多口フラスコ中に、クエン酸一水和物(Riedel de Haen社)210g(1モル)および第1表に記載されているペンタノールまたはペンタノール混合物合計352g(4モル)のうちの300gをまず装入した。撹拌下で窒素ガスを用いてまず30分間、浸漬管を介してパージし、次いでゆっくり加熱した。約115℃から、まず結晶水が酸から生じ、該結晶水を水分離器により除去した。145℃の温度に達したら、滴下漏斗(窒素雰囲気)を介してメタンスルホン酸0.63gを残りの52gのペンタノールまたはペンタノール混合物中に溶解して添加した。160℃の反応温度に達したら、連続的に圧力を低下させることによりペンタノール/水の混合物の一定の還流を維持する。約8時間後に酸価<1mgKOH/g(DIN EN ISO2114)となり、エステル化を中断した。
引き続き、さらに窒素雰囲気下に、水分離器を蒸留用橋渡し管と交換し、160℃までゆっくり上昇する真空でアルコールの過剰量を留去した。
引き続き、窒素雰囲気下に水分離器を蒸留用橋渡し管と交換し、かつ装置を再び真空下においた。次いで滴下漏斗および浸漬管を介して、予測される粗エステル量に対して8質量%の脱塩水を滴加した。水を完全に添加した後、真空下(<5ミリバール)で110℃に冷却した。
アセチル化のために、1.25倍のモル量の無水酢酸を使用した。計算のためには粗エステルの理論量を参考にした。
無水酢酸を添加するために装置に窒素ガスを導入し、窒素で5分間パージした。無水酢酸を滴下漏斗を介してゆっくり添加した。次いで、100℃〜110℃で、メタンスルホン酸0.5gをゆっくり添加し、さらに1時間、攪拌した。その後、慎重に真空下に最高130℃で酢酸および過剰量の無水酢酸を留去した。
後処理のために、該バッチを100℃に冷却した。その後、該反応混合物に5質量%の食塩溶液200mlを添加し、該混合物を80℃で15分間攪拌した。その後、水相を分離し、該バッチをさらにもう1回、同量の食塩溶液で洗浄し、再度、相を分離した。2回目の洗浄工程の後で、DIN EN ISO 2114により酸価を測定し、80℃で化学量論の9倍の5質量%の水酸化ナトリウム溶液で撹拌下に30分間中和した。その後、水相を排出し、再度、上記のとおり、5質量%の食塩溶液で2回、洗浄した。
相分離の後、粗エステル混合物を再度、160℃に加熱し、この温度で真空下に、予測される粗エステル量に対して8質量%の脱塩水を、浸漬管を介してゆっくり滴加した。その際、温度が160℃より高くなることがないように留意した。引き続き窒素ガスを導入し、粉末状の活性炭2質量%を添加し、改めて真空下(5hPaまで)で80℃に冷却し、この温度で約30分間、2質量%の過酸化水素と共に攪拌し、引き続き、120℃で乾燥させ、次いで再び冷却し、濾過した。
例3:プラスチゾルの製造
種々のプラスチゾルのために使用した成分の量は、以下の第2表に記載されている。
Figure 2007326859
可塑剤は、添加の前に25℃となるよう温度処理した。まず液状の成分、次いで粉末状の成分をPEビーカーに秤量した。該混合物を手作業で軟膏用スパチュラを用いて、濡れていない粉末が存在しなくなるまで攪拌した。次いで混合用ビーカーを溶解攪拌機のクリップ装置に張設した。攪拌機を混合物中に沈める前に、回転数を毎分1800回転に調整した。攪拌機のスイッチを入れた後に、温度センサのデジタル表示に示される温度が30.0℃になるまで攪拌した。これにより、定義されたエネルギー入力におけるプラスチゾルの均質化の達成を確保した。その後、該プラスチゾルを直ちに25.0℃になるよう温度処理した。
例4:粘度の測定および貯蔵安定性
例3で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、DIN53019に準じて、付属のソフトウェアUS200により制御されるレオメーターPhysica DSR4000(Paar−Physica社)を使用して以下のとおりに実施した:
プラスチゾルを貯蔵容器中で再度、スパチュラを用いて攪拌し、測定装置Z3(DIN25mm)中で取扱説明書のとおりに測定した。測定は、25℃で自動的に、上記のソフトウェアにより行った。以下の点を制御した:
●100s-1で60秒間にわたる前せん断、その際、測定値は記録しなかった。
●200s-1で開始し、0.1s-1まで下降する勾配、そのつど5秒の測定点の時間を有する30段階の対数列に分割。
測定データの処理は、測定後、ソフトウェアにより自動的に実施した。せん断速度に依存する粘度を記載した。測定はそのつど2時間、4時間、24時間および28日後に実施した。これらの時点の間、ペーストを25℃で貯蔵した。
以下の第3表には、そのつど記載されている貯蔵時間後に得られる相応する粘度値の100s-1のせん断速度に関する例が記載されている。
Figure 2007326859
例5:ショアー硬度試験のための注型成形体の製造
ショアー硬度Aは、試験体の軟度に関する尺度である。特定の測定時間において、規定のニードルが試験体中に進入することができるほど、測定値は低下する。最も高い効率を有する可塑剤は、同じ可塑剤量で、ショアー硬度に関して最も低い値を有する。逆に、極めて効率の高い可塑剤の場合、処方中で特定の割合を節約することができ、このことは、多くの場合、加工業者にとってコストの低下を意味している。
ショアー硬度を測定するために、例3に記載されているとおりに製造したプラスチゾルを、直径50mmを有する円形の注型用型に流した。次いで、型の中のプラスチゾルを換気乾燥室中、200℃で10分ゲル化させ、冷却後に取り出し、測定前に少なくとも16時間、標準条件(23℃、相対空気湿度50%)で貯蔵した。円板の厚さは約8mmであった。
測定自体は、DIN53505に準じて、Zwick−Roell社のショアーA測定装置を使用して実施し、測定値はそのつど、3秒後に読み取った。それぞれの試験体において、異なった箇所で3回、異なった測定を実施し(周辺領域以外)、そのつど、測定値を記録した。得られた測定値は第4表に記載されている。
Figure 2007326859
例6:熱安定性の測定
この試験では、試験体を、加工温度の範囲の高温にさらした。明らかな変色が現れるまでの時間を、処方の熱安定性のための尺度として用いた。塩化水素の分離およびポリエンセグメントの形成により、無色の試験体は黄色および褐色を経由して黒色に変色する。
シートの製造:
試験体を製造するためにまず、それぞれの処方に関して厚さ1mmのシートを製造した。このためにまず、高光沢はく離紙(Sappi社、イタリア)を30×40cmの寸法に切断し、Mathis−オーブン用の塗布装置LTSVの張り枠に設置した。その後、張り枠をガイド枠上に設置し、Mathis−オーブン(LTF型)を200℃に設定し、この温度に達した後に枠を15秒間予熱した。その後、コーターを張設装置に設置し、ゲル化終了後のシートの厚さが、1mm(±0.05mm)となるように、前試験によりコーターのギャップを調節した。紙の前側の端部に接着ストリップを施与して過剰のペーストを受け止めた。その後、該ペーストをコーターの前に施与し、コーターと共にガイド枠を引っ張ることによって張設されたはく離紙上にペーストを塗り広げた(速度約6m/分)。その後、コーターを取り出し、過剰のペーストと共に接着ストリップを除去した。引き続き、溶融ロールを低下させ、張り枠を炉中へ移動させた。ゲル化(200℃で2分)後に、枠を再び炉から取り出し、冷却後にシートを紙からはく離した。
試験体の準備:
厚さ1mmのシートをはさみで20×20mmの寸法に切断した。1つの処方あたり、15個の試験体が必要とされた。次いでこれらの試験体を順次、試験枠上に設置した。Mathis−Thermotesterの温度を200℃に設定し、試験枠を導入し、一定の速度で再び炉から取り出した。このようにして1.5分の間隔で、試験体の熱負荷が時間的に定義されて変更することができるように、そのつど試験体を取り出した。23分後に(ゼロの試験体を含めて)全ての試験体を再び炉から取り出した。
試験体を、比較のため、処方および炉中での滞留時間に応じて順番に厚紙の上に接着した。
熱安定性に関する試験の結果は、以下の第5表に記載されている。そのつど、黒色への変色が顕著となるまでの時点が記載されている。
Figure 2007326859
第5表のデータに基づいて容易に読み取ることができるように、可塑剤として遊離のOH基を有するペンチルシトレートを使用したプラスチゾル処方は、最も劣った熱安定性を有している。
例7:DIN53407に準拠したシートからの揮発性の測定
例6においてと同様に製造した、厚さ約1mmを有するシートから、そのつど直径50mmを有する3枚の円板を打ち抜き、まず標準条件(23℃/相対空気湿度50%)で24時間貯蔵し、次いで秤量した。その後、該円板をDIN53407(方法A、活性炭と直接接触、粒径2.5mm)に準拠して加熱室中でそのつど80℃で24時間加熱した。その後、該円板を再び加熱室から取り出し、標準条件において24時間冷却し、再び秤量し、次いで該円板を改めて加熱室中に貯蔵した。7×24時間の加熱時間の後で、測定を終了した。第6表には得られた測定値が記載されている:
Figure 2007326859
本発明による可塑剤であるトリ−n−ペンチルシトレート(1A)およびアセチルトリペンチルシトレート(2A、2C)を含有する試験体の揮発性は、DEHPの揮発性に匹敵し、従ってATBCと比較して明らかな利点を提供する。
例8:ゲル化特性の測定
プラスチゾルのゲル化特性の試験は、振動子の応力を制御しながら運転される、商標Bohlin CVO(測定装置PP20)の振動式粘度計中で実施した。
以下のパラメーターを調整した:
モード:温度勾配
開始温度:25℃
最終温度:180℃
加熱/冷却速度:2℃/分
測定後の温度:25℃
振動周波数:2Hz
遅延時間:1秒
待機時間:15秒
連続的な振動:オン
自動振動子応力基準値:オン
開始時の振動子応力:0.3Pa
予定変形:0.002
ギャップ幅:0.5mm。
測定の実施:
下方の測定装置プレート上に、スパチュラで測定すべきプラスチゾル処方を1滴、気泡を含まないように施与した。その際、測定装置に衝突した後で、若干のプラスチゾルが均一に測定装置上に流れる(約6mmの円周より大きくない)ことができることに留意した。引き続き、断熱のためにも利用される保護カバーを設置し、測定を開始した。
プラスチゾルの温度に依存する、いわゆる複素粘性率を記録した。ゲル化プロセスの開始は、複素粘性率の突発的な強い上昇において認識することができる。この粘度上昇が早く開始されるほど、系のゲル化性は良好である。
図1には、7つのプラスチゾルに関するゲル化曲線が記載されている。本発明によるトリペンチルシトレートは最も良好なゲル化性をもたらすことが明らかである。アセチル化により該ゲル化性は、たしかに若干低下するが、しかし依然としてDEHPに匹敵し、かつDINPよりも良好である。n−ペンタノールの10モル%を2−メチルブタノールにより部分的に交換することによって、顕著な影響は見られない。アセチル−トリ−(3−メチルブチル)シトレートは、実質的にDINPと同様の早さでゲル化する。
本発明による7つのプラスチゾルに関するゲル化曲線を示すグラフの図

Claims (26)

  1. 式I
    Figure 2007326859
    のクエン酸エステルにおいて、基R1、R2およびR3がそれぞれ、5の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4が、Hであるか、またはカルボン酸基であることを特徴とする、式Iのクエン酸エステル。
  2. アルキル基R1、R2およびR3が、少なくとも4個の炭素原子の最も長い炭素鎖を有し、かつアルキル基あたりの炭素原子の合計数が5であることを特徴とする、請求項1記載のクエン酸エステル。
  3. アルキル基R1、R2およびR3は、60%より多くまでがn−ペンチル基であることを特徴とする、請求項1または2記載のクエン酸エステル。
  4. アルキル基は、70〜99.9%がn−ペンチル基であり、かつ30〜0.1%がメチルブチル基であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のクエン酸エステル。
  5. アルキル基は、85〜98%がn−ペンチル基であり、かつ15〜2%がメチルブチル基であることを特徴とする、請求項4記載のクエン酸エステル。
  6. メチルブチル基が有利には2−メチルブチル基であることを特徴とする、請求項4または5記載のクエン酸エステル。
  7. アルキル基R1、R2およびR3は、少なくとも40%までが3−メチルブチル基であることを特徴とする、請求項1または2記載のクエン酸エステル。
  8. アルキル基R1、R2およびR3は、40〜100%まで、特に50〜99%までが3−メチルブチル基であることを特徴とする、請求項7記載のクエン酸エステル。
  9. 基R4が、カルボン酸基であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のクエン酸エステル。
  10. 基R4が、アセチル基であることを特徴とする、請求項9記載のクエン酸エステル。
  11. 式I
    Figure 2007326859
    [式中、基R1、R2およびR3はそのつど、5個の炭素原子数を有するアルキル基であり、かつ基R4は、Hであるか、またはカルボン酸基である]のクエン酸エステルの製造方法において、クエン酸またはクエン酸誘導体と、5個の炭素原子を有するアルコールとを反応させることを特徴とする、式Iのクエン酸エステルの製造方法。
  12. 次の工程:
    a)C4−オレフィンをヒドロホルミル化してC5−アルデヒドを得る工程および
    b)工程a)で得られたアルデヒドを水素化して相応するアルコールを得る工程
    を含む方法により得られるアルコールを使用することを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 工程a)において、イソブテンおよび/または1−ブテンおよび2−ブテンを含有するオレフィンの混合物を使用することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 工程a)を2段階で実施し、その際、1つの段階でイソブテンおよび/または1−ブテンをヒドロホルミル化し、もう1つの段階で2−ブテンをヒドロホルミル化することを特徴とする、請求項11または12記載の方法。
  15. 工程b)において、担体材料上に、銅およびニッケルをそれぞれ0.3〜15質量%含有し、かつ活性化剤としてクロムを0.05〜3.5質量%と、場合によりアルカリ金属成分を0.01〜1.6質量%含有する触媒を使用することを特徴とする、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 可塑剤としての、請求項1から10までのいずれか1項記載のクエン酸エステルの使用。
  17. クエン酸エステルを、プラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾル、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、インク、異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、ケーブルまたはワイヤ被覆中で可塑剤として使用することを特徴とする、請求項16記載の使用。
  18. 請求項1から10までのいずれか1項記載のクエン酸エステルを含有する組成物。
  19. クエン酸エステルを、フタル酸ジアルキルエステル、トリメリット酸トリアルキルエステル、アジピン酸ジアルキルエステル、テレフタル酸ジアルキルエステル、1,2−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、1,3−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、1,4−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、グリコールの二安息香酸エステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、ポリマー可塑剤、グリセリンエステル、遊離のOH基もしくはカルボキシル化されたOH基および4個もしくは6〜10個の炭素原子を有するアルキル基を有するクエン酸トリアルキルエステルおよび安息香酸アルキルエステルの群から選択されるその他の可塑剤との混合物として含有することを特徴とする、請求項18記載の組成物。
  20. 前記混合物中のクエン酸エステルの割合が、15〜90質量%であり、その際、全ての存在する可塑剤の質量割合が合計して100%であることを特徴とする、請求項19記載の組成物。
  21. 7〜13個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルを有する安息香酸アルキルエステルを少なくとも1種含有することを特徴とする、請求項18から20までのいずれか1項記載の組成物。
  22. 安息香酸アルキルエステルが、安息香酸イソノニルエステル、安息香酸ノニルエステル、安息香酸イソデシルエステルまたは安息香酸デシルエステルであることを特徴とする、請求項21記載の組成物。
  23. ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリレート、フルオロポリマー、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、ポリスチレンポリマー、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリエチレン−酢酸ビニル(EVA)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、多硫化物(PSu)、バイオポリマー、ポリエステル、デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体、ゴム、シリコーンから選択されるポリマーならびに前記のポリマーまたは該ポリマーのモノマー単位の混合物またはコポリマーを含有することを特徴とする、請求項18から22までのいずれか1項記載の組成物。
  24. PVCのタイプとして、懸濁液、ペースト、マイクロエマルションまたはエマルションのPVCを含有することを特徴とする、請求項23記載の組成物。
  25. さらに可塑剤、充填剤、顔料、安定剤、滑剤、発泡剤、分解促進剤、酸化防止剤または殺生物剤を含有することを特徴とする、請求項18から24までのいずれか1項記載の組成物。
  26. 組成物が、プラスチック組成物、接着剤、シーラント、ラッカー、塗料、プラスチゾル、人工皮革、床被覆材、下張り床の保護材、被覆された織布、壁紙、インク、異形材、パッキング、食料品の包装、シート、玩具、医療用品、屋根材料、ケーブルまたはワイヤ被覆であるか、またはそのままで使用されることを特徴とする、請求項18から25までのいずれか1項記載の組成物。
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