JP2005016645A - コイルばね - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クローズドエンドのコイルばね10において、端末Eからの巻数が1巻の位置S1と同巻数が1.5巻の位置S2との間の境界部13のみでコイル中心線の曲率を変化させ、座巻部11及び有効巻部12のコイル中心線L0,L1を互いに平行な直線としつつ、有効巻部12のコイル中心線L1を座巻部11のコイル中心線L0に対して上記位置S2の方向に、すなわち荷重偏心を低減可能な方向にオフセットさせる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルばねに関し、特にその荷重偏心の低減に係る改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常のコイルばねは、そのコイル中心線が全長に渡って直線となるように形成されている。こうしたコイルばねでは、軸方向の荷重が作用されたときに、その座面の荷重分布が均一とはならないため、軸荷重の作用点がコイル中心線から偏心する荷重偏心が生じ、コイルばねに恒常的な横力やモーメントが発生してしまう。
【0003】
従来、そうした荷重偏心の低減を図る手法として、コイルばねのコイル中心線を湾曲形状化することが知られている(特許文献1,2等)。すなわち図10に示すように、コイルばねC両端の座巻部に対してその軸方向中央の有効巻部を上記荷重偏心の方向と反対側に膨出させるように、コイル中心線Lを湾曲形状化することで、荷重偏心を低減させる手法が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−104772号公報
【特許文献2】
特開2001−208116号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで内燃機関の吸気弁、排気弁に用いられる弁ばね用のコイルばねでは、コイル径に対する巻線径の比が大きく、ばね指数が小さくなっている。このようなばね指数の小さいコイルばねでは、コイル中心線を所望とする曲率に成形することが非常に困難となっている。
【0006】
すなわちコイル中心線を湾曲形状化するには、コイルばねの巻線のコイル半径をその全長に亘って連続的に変化させる精密な巻線の曲げ加工が必要となる。ところが上記のようなばね指数の小さいコイルばねでは、巻線の曲げ加工度が大きく、また曲げ加工時の巻線のスプリングバックも大きい。そのため、巻線への精密な曲げ加工は施し難く、コイルばねの形状精度が悪化して、図11に示すようにコイルばねCの形状がその上半分(U)と下半分(L)とでアンバランスとなり、場合によっては、かえって荷重偏心を悪化させる虞がある。
【0007】
このようにコイル中心線の湾曲形状化は、たしかに荷重偏心の低減に有効ではあるが、コイルばね形状の精密な成形が必要であり、その製造が困難となっていた。またそのため、精密な巻線の曲げ加工が困難な、弁ばね等のばね指数の小さいコイルばねには、応用し難いものとなっていた。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることのできるコイルばねを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上述した目的を達成するための手段及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、コイル中心線がその全長に亘って直線となるよう形成されたとき、そのコイル中心線に対して当該コイルばねの端末からの巻数がN巻の方向に荷重偏心が生じるコイルばねにおいて、前記端末からの巻数がN巻の位置と同巻数がN+0.5巻の位置との間の、当該コイルばねの座巻部と有効巻部との境界部のみでコイル中心線の曲率を変化させ、前記座巻部及び有効巻部のコイル中心線を直線としたことをその要旨とする。
【0010】
上述のように、コイルばねでは、その座面での荷重分布の非対称性に起因して荷重偏心が発生する。その点、上記構成では、上記境界部のみでコイル中心線の曲率を変化させることで、座巻部及び有効巻部のコイル中心線が直線とされている。このようにコイル中心線を成形することで、有効巻部のコイル中心線を直線としたまま、座巻部のコイル中心線に対して、端末からの巻数がN+0.5巻の方向、すなわち上記荷重偏心の方向と反対方向にオフセットさせることができる。こうしたオフセットの方向は、上記荷重偏心を低減させる方向となる。また上記構成では、有効巻部のコイル中心線には曲率がなく、巻線のスプリングバックが一律となるため、巻線の成形精度、すなわちコイルばねの形状精度を容易に確保することができる。したがって上記構成によれば、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることができる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、コイル中心線がその全長に亘って直線となるよう形成されたとき、そのコイル中心線に対して、端末からの巻数がN巻の方向に荷重偏心が生じるコイルばねにおいて、前記端末とその端末からの巻数がN巻の位置との間の座巻部のコイル中心線、及び一方及び他方の端末からの巻数がそれぞれN+0.5巻の位置の間の有効巻部のコイル中心線を互いに平行な直線としつつ、前記有効巻部のコイル中心線を前記座巻部のコイル中心線に対してオフセットさせたことをその要旨とする。
【0012】
上記構成では、座巻部のコイル中心線と有効巻部のコイル中心線とが互いに平行な直線とされながらも、有効巻部のコイル中心線が座巻部のコイル中心線に対してオフセットされている。すなわち、座巻部と有効巻部との境界部のみで、コイル中心線の曲率が変化されている。したがって上記構成によっても、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、クローズドエンドのコイルばねであって、前記端末からの巻数が1巻の位置と同巻数が1.5巻の位置との間の、当該コイルばねの座巻部と有効巻部との境界部のみでコイル中心線の曲率を変化させ、前記座巻部及び有効巻部のコイル中心線を直線としたことをその要旨とする。
【0014】
更に請求項4に記載の発明は、クローズドエンドのコイルばねであって、前記端末とその端末からの巻数が1巻の位置との間の座巻部のコイル中心線、及び一方及び他方の端末からの巻数がそれぞれ1.5巻の位置の間の有効巻部のコイル中心線を互いに平行な直線としつつ、前記有効巻部のコイル中心線を前記座巻部のコイル中心線に対してオフセットさせたことをその要旨とする。
【0015】
端末と端末からの巻数が1巻の部位とが当接するように座巻部の形成されたクローズドエンドのコイルばねでは、コイル中心線がその全長に亘って直線となるよう形成されたとき、そのコイル中心線に対する荷重偏心の方向は、コイル中心線から見て、端末の位置する方向となる。換言すれば、同コイルばねの上記荷重偏心の方向は、コイル中心線に対して、端末からの巻数が1巻の位置の方向となる。よってクローズドエンドのコイルばねであれば、請求項3、4のように構成することで、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることができる。
【0016】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイルばねにおいて、前記座巻部及び有効巻部のコイル径を等しくしたことをその要旨とする。
【0017】
上記構成のように座巻部及び有効巻部のコイル径を設定すれば、コイルばねの体格の大型化を抑えながらも、コイル中心線のオフセット量を大きくすることが可能となり、大きい荷重偏心の低減効果を確保することができる。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイルばねにおいて、当該コイルばねの座面を、前記有効巻部のコイル中心線に対して垂直な面としたことをその要旨とする。
【0019】
上記構成では、コイルばねの座面が、有効巻部のコイル中心線に対して垂直に形成されているため、その組付を容易且つ的確に行うことができる。すなわちコイルばねの組付性、及び組付精度を向上することができる。
【0020】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコイルばねにおいて、当該コイルばねは、弁ばねとして用いられることをその要旨とする。
【0021】
例えば内燃機関の吸気弁、排気弁等の弁ばねには一般に、ばね指数の小さいコイルばねが用いられている。上記各請求項に記載の構成を適用することで、そうした弁ばね用のコイルばねにおいても、荷重偏心の低減を容易に実現することができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をクローズドエンドのコイルばねに適用した一実施形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1に、本実施形態の前提となるコイルばね50の側面構造を示す。
同図に示すように、コイルばね50は、全体の巻数が自然数(同図では巻数5)とされ、その全長に亘ってコイル中心線Lが一直線に形成された通常のクローズドエンドのコイルばねとして構成されている。コイルばね50両端の端末Eはそれぞれ、その端末Eから1巻目の位置Sに当接されている。またコイルばね50両端には、図2にハッチングで示すように、コイル中心線Lに対して垂直な面となるように加工された座面52が形成されている。
【0024】
ちなみに、このコイルばね50の座巻部51のように、巻線の端末Eが、その端末Eから1巻目の位置S0に当接するように形成されたコイルばねの座巻部形状を「クローズドエンド」という。これに対して、巻線の端末Eとその端末Eから1巻目の位置との間に隙間が形成されるコイルばねの座巻部形状を「オープンエンド」という(図6参照)。
【0025】
圧縮状態で配設されたときのコイルばね50の座面52では、軸荷重は、巻線同士が重なった端末Eにほぼ集中して作用する。そのため、図2に示すように、軸荷重の重心位置Pは、コイル中心線Lから見て、端末Eの側にずれることとなる。すなわち、コイル中心線Lが全長に亘って一直線とされた通常のクローズドエンドのコイルばね50では、コイル中心線Lから見て、端末Eの側に向けて、換言すれば端末Eから1巻目の位置S0の側に向けて荷重偏心が生じるようになる。
【0026】
図3に側面構造を示す本実施形態のコイルばね10では、そうした荷重偏心を低減するため、以下のように構成されている。なおこのコイルばね10の座巻部形状も、上記コイルばね50と同様のクローズドエンドとなっており、その両端の端末Eの巻線が、その端末Eからの巻数が1巻の位置S1の巻線に当接されている。
【0027】
同図に示すように、コイルばね10では、その両端の座巻部11のコイル中心線L0、及びその軸方向中央の有効巻部12のコイル中心線L1は、それぞれ直線とされている。また有効巻部12のコイル径は、座巻部11のコイル径と等しくされている。
【0028】
一方、端末Eからの巻数が1巻の上記位置S1と同巻数が1.5巻の位置S2との間の境界部13では、コイル中心線の曲率が変化されている。そのため、このコイルばね10では、有効巻部12のコイル中心線L1は、座巻部11のコイル中心線L0に平行な直線とされながら、そのコイル中心線L0に対して所定のオフセット量ΔLだけ、オフセットされている。こうした有効巻部12のコイル中心線L1のオフセット方向は、座巻部11のコイル中心線L0から見て、端末Eからの巻数が1.5巻の位置S2の方向となっている。
【0029】
コイルばね10の両端には、座面14が形成されている。座面14は、上記有効巻部12のコイル中心線L1に対して垂直な面とされている。
更にこのコイルばね10では、座面14の荷重ベクトル方向が、その両端で一致するように、その全体の巻数が設定されている。すなわち、クローズドエンドとされたこのコイルばね10では、その全体の巻数は、自然数(本実施形態のコイルばね10では巻数5)とされている。
【0030】
以上説明した本実施形態のコイルばね10では、端末Eからの巻数が1巻の位置S1と同巻数が1.5巻の位置S2との間の境界部13のみでコイル中心線の曲率を変化させ、それ以外の座巻部11及び有効巻部12のコイル中心線L0,L1は直線とされている。すなわち、コイルばね10では、有効巻部12のコイル中心線L1を、座巻部11のコイル中心線L0と平行な直線としつつ、そのコイル中心線L0に対して、端末Eからの巻数が1.5巻の位置S2の方向にオフセットさせている。このときの上記オフセットの方向は、荷重偏心を低減させる方向となる。ちなみに上記オフセット量ΔLは、荷重偏心を十分に低減可能な適宜な大きさに、予め設定されている。
【0031】
更に有効巻部12のコイル中心線L1には曲率がなく、巻線のスプリングバックが一律となるため、巻線の成形精度、すなわちコイルばね10の形状精度を容易に確保することができる。したがって、このコイルばね10では、上記のような荷重偏心の低減を、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることができる。
【0032】
続いて、以上説明したコイルばね10を、内燃機関の機関バルブである吸気バルブや排気バルブの弁ばねとして適用した場合について説明する。なお、以下の説明では、例として、吸気バルブの弁ばねとしてコイルばね10を用いた場合を説明するが、排気バルブの弁ばねにも同様に適用することができる。
【0033】
図5に、コイルばね10が弁ばねとして用いられた吸気バルブ3及びその周辺部の断面構造を示す。同図に示すように、内燃機関のシリンダヘッド1に形成された吸気ポート2を開閉する吸気バルブ3は、傘部3a及び弁軸3bを備えて構成されている。吸気ポート2の燃焼室1aへの開口部には、上記傘部3aが着座可能な弁座2aが設けられている。吸気ポート2は、傘部3aが弁座2aに着座することで燃焼室1aに対して閉じられ、傘部3aが弁座2aから離座することで燃焼室1aに対して開かれる。また吸気バルブ3の弁軸3bは、シリンダヘッド1に設けられたバルブガイド3cに軸方向に往復動可能に支持されている。
【0034】
シリンダヘッド1の吸気バルブ3上方には、バルブリフタ5が、弁軸3bの軸方向に往復動可能に配設されており、弁軸3bの上端がそのバルブリフタ5に当接されている。更にシリンダヘッド1のバルブリフタ5上方には、カム7の設けられたカムシャフト6が回転可能に支持されている。
【0035】
一方、弁軸3bの上端部にはリテーナ3dが装着されている。そしてシリンダヘッド1に形成されたばね座4と上記リテーナ3dとの間に、コイルばね10が圧縮状態で配設されている。
【0036】
こうした機関バルブの弁ばねとして用いられるコイルばねに、上記のような荷重偏心によって横力が発生すると、その横力が弁軸3bに作用して、弁軸3bとバルブガイド3cとの摺動面の摩擦力が増大されてしまう。その点、そうした弁ばねに本実施形態のコイルばね10を用いれば、上記弁軸3bに作用する横力が低減されて、弁軸3bとバルブガイド3cとの摺動面に作用する摩擦が低減されるため、吸気バルブ3の開閉駆動の円滑化を図ることができる。
【0037】
以上説明した本実施形態のコイルばね10によれば、下記の効果を奏することができる。
(1)コイルばね10の形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心を低減することができる。
【0038】
(2)座巻部11及び有効巻部12のコイル径が等しくされているため、上記コイル中心線L0、L1のオフセット量ΔLを大きく確保しつつも、コイルばね10の体格の大型化を抑えられる。その結果、例えば機関バルブの弁ばねのような、搭載の制約を受ける部位に用いる場合にも、大きい荷重偏心の低減効果を得ることができる。
【0039】
(3)座面14を、有効巻部12のコイル中心線L1に対して垂直な面としているため、コイルばね10の組付性、及び組付精度が向上される。
(4)コイルばね10両端の荷重ベクトルの方向が同一となるように、全体の巻数が設定されているため、コイルばね10両端に生じるモーメントが釣り合うようになり、コイルばね10両端に発生する横力も、好適に低減することができる。
【0040】
(5)コイルばね10を、内燃機関の機関バルブの弁ばねとして用いることで、弁軸3b等の摺動部の摩擦力を低減して、機関バルブの開閉駆動の円滑化を図ることができる。
【0041】
<オープンエンドのコイルばねへの適用例>
続いて、本発明を、オープンエンドのコイルばねに適用した場合について説明する。
【0042】
図6は、コイル中心線が全長に亘って一直線に形成された通常のオープンエンドのコイルばね60の側部断面構造を示している。このコイルばね60は、その両端の座巻部61において、巻線の端末Eとその端末Eから1巻目の位置との間に隙間が形成された状態で使用される。またコイルばね60の両端には、そのコイル中心線Lに垂直な面となるように座面62が形成されている。
【0043】
こうしたオープンエンドのコイルばね60が圧縮状態で配設されたとき、その座面62では、巻線がばね座から離間する位置S3で最大となり、その位置S3から端末Eに向かうほど小さくなるように、軸荷重が分布する。そのため、オープンエンドのコイルばね60では、端末Eに軸荷重が集中する上記クローズドエンドのコイルばね50とは異なり、座面62の形状や巻線のピッチ等に応じて、コイル中心線Lに対して軸荷重の重心位置Pがずれる方向、すなわち荷重偏心の方向が変化する。こうしたオープンエンドのコイルばね60における座面62での軸荷重分布の非対称性に起因した荷重偏心の方向は、実験や解析等で予め求めることができる。
【0044】
ここでは図7に示すように、このコイルばね60での荷重偏心の方向が、コイル中心線Lから見て、端末Eからの巻数がN巻の位置S4の方向であるとする。この場合、以下のようにコイルばねを構成することで、形状精度の悪化を招くことなく好適に、荷重偏心の低減を図ることができる。
【0045】
図8に、そうしたコイルばね20の側面構造を示す。このコイルばね20も、上記コイルばね60と同様に、オープンエンドのコイルばねとして構成されている。すなわち、このコイルばね20の座巻部21では、巻線の端末Eが、端末Eからの巻数が1巻の位置の巻線とが離間された状態となっている。
【0046】
同図に示すように、コイルばね20では、端末Eからの巻数が上記N巻の位置S4と同巻数がN+0.5巻の位置S5との間の境界部23のみでコイル中心線の曲率を変化させ、それ以外の部分のコイル中心線は直線とされている。すなわち、このコイルばね20では、端末Eと上記位置S4との間の座巻部21のコイル中心線L4、及びコイルばね20上下の上記位置S5の間の有効巻部22のコイル中心線L5は、それぞれ直線とされている。そして上記境界部23でコイル中心線の曲率を変化させることで、有効巻部22のコイル中心線L5は、座巻部21のコイル中心線L4に対して所定のオフセット量ΔLだけオフセットされている。図9に示すように、そうした有効巻部22のコイル中心線L5のオフセット方向は、座巻部21のコイル中心線L4から見て、上記位置S5の方向とされている。
【0047】
このコイルばね20でも、有効巻部22のコイル径と座巻部21のコイル径とは等しくされている。またコイルばね20の両端には、有効巻部22のコイル中心線L5に対して垂直な面とされた座面24が形成されている。
【0048】
なお、このコイルばね20全体の巻数Mは、両端の座面24での荷重ベクトル方向が一致するように設定されている。この場合、上記巻数Nに基づき、M=2N+nとなるようにコイルばね20全体の巻数Mを設定することで、コイルばね20両端の荷重ベクトルの方向を一致させることができる(n:任意の自然数)。
【0049】
このようにコイルばね20を構成すれば、オープンエンドのコイルばねにおいても、上記コイルばね10と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記実施形態は次のように変更して実施することもできる。
【0050】
・コイルばね10,20では、座巻部11,21及び有効巻部12,22のコイル径を等しくしていたが、座巻部及び有効巻部のコイル中心線が直線であれば、それらのコイル径を異ならせたり、或いは座巻部や有効巻部内でコイル径を変化させたりしても、荷重偏心の低減は可能である。
【0051】
・コイルばね10,20では、座面14,24を、有効巻部12,22のコイル中心線L1,L3に対して垂直な面としているが、コイルばねの組付性や組付精度が十分確保できるのであれば、座面14,24をコイル中心線L1,L3に垂直とならないように形成しても良い。
【0052】
・上記実施形態では、コイルばね10の弁ばねとしての使用例を示したが、本発明のコイルばねは、弁ばね以外の用途にも用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のコイルばねについてその前提となる構成の側面図。
【図2】同じく前提となる構成の平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るコイルばねの側面図。
【図4】同コイルばねの平面図。
【図5】同コイルばねの弁ばねとしての使用状態を示す断面図。
【図6】オープンエンドのコイルばねへの本発明の適用例についてその前提となる構成の側面図。
【図7】同前提となる構成の座巻部の荷重分布を示す図。
【図8】オープンエンドのコイルばねへの本発明の適用例の側面図。
【図9】同コイルばねの平面図。
【図10】コイル中心線の湾曲形状化された従来のコイルばねの側面図。
【図11】形状精度の悪化した従来のコイルばねの側面図。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド、2…吸気ポート、2a…弁座、3…吸気バルブ、3a…傘部、3b…弁軸、3c…バルブガイド、3d…リテーナ、4…ばね座、5…バルブリフタ、6…カムシャフト、7…カム、10,20,50,60…コイルばね、11,21,51,61…座巻部、12,22…有効巻部、13,23…境界部、14,24,54,64…座面。
Claims (7)
- コイル中心線がその全長に亘って直線となるよう形成されたとき、そのコイル中心線に対して、端末からの巻数がN巻の方向に荷重偏心が生じるコイルばねにおいて、
前記端末からの巻数がN巻の位置と同巻数がN+0.5巻の位置との間の、当該コイルばねの座巻部と有効巻部との境界部のみでコイル中心線の曲率を変化させ、前記座巻部及び有効巻部のコイル中心線を直線とした
ことを特徴とするコイルばね。 - コイル中心線がその全長に亘って直線となるよう形成されたとき、そのコイル中心線に対して、端末からの巻数がN巻の方向に荷重偏心が生じるコイルばねにおいて、
前記端末とその端末からの巻数がN巻の位置との間の座巻部のコイル中心線、及び一方及び他方の端末からの巻数がそれぞれN+0.5巻の位置の間の有効巻部のコイル中心線を互いに平行な直線としつつ、前記有効巻部のコイル中心線を前記座巻部のコイル中心線に対してオフセットさせた
ことを特徴とするコイルばね。 - クローズドエンドのコイルばねであって、
端末からの巻数が1巻の位置と同巻数が1.5巻の位置との間の、当該コイルばねの座巻部と有効巻部との境界部のみでコイル中心線の曲率を変化させ、前記座巻部及び有効巻部のコイル中心線を直線とした
ことを特徴とするコイルばね。 - クローズドエンドのコイルばねであって、
前記端末とその端末からの巻数が1巻の位置との間の座巻部のコイル中心線、及び一方及び他方の端末からの巻数がそれぞれ1.5巻の位置の間の有効巻部のコイル中心線を互いに平行な直線としつつ、前記有効巻部のコイル中心線を前記座巻部のコイル中心線に対してオフセットさせた
ことを特徴とするコイルばね。 - 前記座巻部及び有効巻部のコイル径を等しくした請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイルばね。
- 当該コイルばねの座面を、前記有効巻部のコイル中心線に対して垂直な面とした請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイルばね。
- 当該コイルばねは、弁ばねとして用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載のコイルばね。
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