JP5093920B2 - ロッカアーム - Google Patents
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Description
また、特に、揺動支点部材の方向に起立する一対の側壁部を、係合部の両側部まで延長して形成した場合には、係合部における一対の側壁部が、揺動支点部材等のロッカアーム周辺の部材に干渉するおそれが生じる。よって、この場合には、ロッカアームの係合部における剛性を簡単に向上させることはできなかった。
該ロッカアームは、平板状の板金素材に対して折曲加工を行うことにより、上記一対の側壁部を、上記係合部及び上記摺動部に対して上記揺動支点部材と対向する方向に起立させており、
上記係合部と上記摺動部との間に形成された開口部に位置する上記一対の側壁部は、それぞれ上記係合部側から上記摺動部側まで延長形成してあり、
上記係合部は、上記一対の側壁部を連結する板面部と、該板面部から上記揺動支点部材と対向する方向に突出する突出部とを有しており、
該突出部は、上記板面部から起立する環状起立部の先端に底部を形成してなると共に、上記一対の側壁部と密着しており、かつ、上記揺動支点部材と対向する方向において、上記一対の側壁部と密着する長さは、該各側壁部の厚みよりも大きくなっており、
上記突出部には、上記揺動支点部材の球面状突出部に係合する球面状凹部が、上記底部から、上記突出部が突出する方向とは反対方向に向けて陥没形成してあることを特徴とするロッカアームにある(請求項1)。
具体的には、本発明においては、揺動支点部材の球面状突出部に係合する球面状凹部は、一対の側壁部を連結する板面部から揺動支点部材と対向する方向に突出させた突出部に対して陥没形成している。これにより、ロッカアームを組み付けたエンジンにおいては、板面部の揺動方向における形成位置に対して、球面状凹部の揺動方向における形成位置を、揺動支点部材の側へ近づけることができる。そのため、特に、一対の側壁部が揺動支点部材等の周辺の部材に干渉し難くすることができる。
本発明において、上記揺動支点部材としては、球面状突出部を有するピボット、又は球面状突出部に付勢力を付与して、カムとロッカアームとの間、ロッカアームとエンジンバルブとの間の隙間を調整するようにしたラッシュアジャスタ等を用いることができる。
また、係合部の左右両側の側部まで延長形成した一対の側壁部が、揺動支点部材等のロッカアームの周辺部材と干渉し難くすることができる。これにより、係合部の左右両側の側部に一対の側壁部を形成することが容易になり、この一対の側壁部の形成高さを高くすることによって、ロッカアームの剛性を効果的に向上させることができる。
本例のロッカアーム1は、図1、図2に示すごとく、互いに対向するよう形成された一対の側壁部21と、一対の側壁部21を連結すると共にエンジンのシリンダヘッド7に設けた揺動支点部材4に係合する係合部22と、一対の側壁部21を連結すると共にエンジンバルブ63のステム先端部631と摺動する摺動部26とを備えている。
図3に示すごとく、係合部22は、一対の側壁部21を連結する板面部23と、板面部23から揺動支点部材4に対向する方向に突出する突出部24とを有している。突出部24には、揺動支点部材4の球面状突出部41に係合する球面状凹部25が陥没形成してある。
ここで、図1は、ロッカアーム1を用いたバルブ開閉機構6を示し、図2、図4は、ロッカアーム1を示し、図3は、ロッカアーム1の係合部22及び係合部22に形成した一対の側壁部21Aを示す。
本例のロッカアーム1は、OHC(オーバーヘッドカム)方式のレシプロエンジンにおけるバルブ開閉機構6に用いるものである。
図1に示すごとく、本例のバルブ開閉機構6は、エンジンの吸排気口(吸気口又は排気口)60に配設されたエンジンバルブ63と、エンジンのカムシャフト61に設けられたカム62の回転を受けて揺動し、エンジンバルブ63をスライドさせて開閉させるロッカアーム1と、ロッカアーム1の揺動支点を形成する揺動支点部材4と、エンジンバルブ63を閉方向に付勢するコイルバネ64とを有して構成されている。
そして、ロッカアーム1は、カム62の回転に伴って、ローラ3が従動回転すると共に揺動支点部材4を中心にして上下に揺動し、エンジンバルブ63を開閉させるよう構成されている。
摺動部26は、ロッカアーム1の側方(一対の側壁部21が対向する左右方向)から見た状態で、エンジンバルブ63のステム先端部631と摺動する面が凸状になる曲面形状に形成してある。摺動部26は、一対の側壁部21を形成した状態の板金素材20の板面に対して、据え込み加工等を行って形成することができる。
また、本例の一対の側壁部21は、開口部27に対する左右両側の側部から、係合部22における突出部24及び摺動部26に対する左右両側の側部まで延長して形成してある。
突出部24は、図5に示すごとく、板面部23に対して絞り加工、据え込み加工等を行って、板金素材20の板面の一方側に向けて環状起立部241及び底部242を備えた突出部24を形成し、その後、図3に示すごとく、底部242に対して据え込み加工等を行って、板面の他方側に向けて球面状凹部25を陥没させて形成することができる。
また、突出部24及び球面状凹部25は、平板状の板金素材20に対して一対の側壁部21を形成する前に形成することができ、これとは逆に、平板状の板金素材20に対して一対の側壁部21を形成した後に形成することもできる。
具体的には、本例においては、揺動支点部材4の球面状突出部41に係合する球面状凹部25は、一対の側壁部21を連結する板面部23から揺動支点部材4に対向する方向に突出させた突出部24に陥没形成している。これにより、ロッカアーム1を組み付けたバルブ開閉機構6においては、板面部23の揺動方向Hにおける形成位置に対して、球面状凹部25の揺動方向Hにおける形成位置を、揺動支点部材4の側へより近づけることができる。
そのため、ロッカアーム1は、カム62の回転を受けて揺動する際に、一対の側壁部21が揺動支点部材4等の周辺部材と干渉し難くすることができ、ロッカアーム1の設計自由度を向上させることができる。
図6は、従来のロッカアーム9を示し、図7は、従来のロッカアーム9の係合部922及び係合部922に形成した一対の側壁部921Aを示す。
従来のロッカアーム9においては、係合部922における球面状凹部925を、板面部923に対して一対の側壁部921を立設する方向とは反対方向(カム62に対向する方向)へ、突出部924を突出させることによって形成していた。
そのため、係合部22の左右両側の側部まで延長形成した側壁部21Aの高さを高くすることが容易であり、ロッカアーム1の設計自由度を向上させることができる。
2 アーム本体
21 側壁部
22 係合部
23 板面部
24 突出部
25 球面状凹部
26 摺動部
3 ローラ
4 揺動支点部材
41 球面状突出部
6 バルブ開閉機構
Claims (1)
- 互いに対向するよう形成された一対の側壁部と、該一対の側壁部を連結すると共にエンジンに設けた揺動支点部材に係合する係合部と、上記一対の側壁部を連結すると共にエンジンバルブのステム先端部と摺動する摺動部とを備えたロッカアームにおいて、
該ロッカアームは、平板状の板金素材に対して折曲加工を行うことにより、上記一対の側壁部を、上記係合部及び上記摺動部に対して上記揺動支点部材と対向する方向に起立させており、
上記係合部と上記摺動部との間に形成された開口部に位置する上記一対の側壁部は、それぞれ上記係合部側から上記摺動部側まで延長形成してあり、
上記係合部は、上記一対の側壁部を連結する板面部と、該板面部から上記揺動支点部材と対向する方向に突出する突出部とを有しており、
該突出部は、上記板面部から起立する環状起立部の先端に底部を形成してなると共に、上記一対の側壁部と密着しており、かつ、上記揺動支点部材と対向する方向において、上記一対の側壁部と密着する長さは、該各側壁部の厚みよりも大きくなっており、
上記突出部には、上記揺動支点部材の球面状突出部に係合する球面状凹部が、上記底部から、上記突出部が突出する方向とは反対方向に向けて陥没形成してあることを特徴とするロッカアーム。
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