JP3125605B2 - 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置 - Google Patents

内燃機関の電磁駆動式バルブ装置

Info

Publication number
JP3125605B2
JP3125605B2 JP06276561A JP27656194A JP3125605B2 JP 3125605 B2 JP3125605 B2 JP 3125605B2 JP 06276561 A JP06276561 A JP 06276561A JP 27656194 A JP27656194 A JP 27656194A JP 3125605 B2 JP3125605 B2 JP 3125605B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
plunger
coil
combustion engine
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06276561A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08135417A (ja
Inventor
隆志 出尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP06276561A priority Critical patent/JP3125605B2/ja
Publication of JPH08135417A publication Critical patent/JPH08135417A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3125605B2 publication Critical patent/JP3125605B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の電磁駆動式
バルブ装置に係り、特に内燃機関の吸気バルブ又は排気
バルブを電磁力により駆動する内燃機関の電磁駆動式バ
ルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平3−44010
号公報に開示される如く、内燃機関の吸気バルブ又は排
気バルブを、電磁コイルの発する電磁力により駆動する
内燃機関の電磁駆動式バルブ装置が知られている。かか
る電磁駆動式バルブ装置によれば、内燃機関において一
般に必要とされていたバルブ駆動用のカム機構等が不要
となることに加え、バルブの開閉弁時期が任意に変更で
き、内燃機関の運転状態に応じて理想的な開閉弁時期を
実現することが可能である。
【0003】ところで、カム機構を用いて吸気バルブ又
は排気バルブを駆動する機構においては、バルブ体の偏
磨耗を抑制する観点から、バルブリフタ上の偏心した位
置をカムとの当接部とした構成が知られている。かかる
構成によれば、カムの回転に伴ってバルブリフタに軸回
りの回転トルクが付与され、その結果バルブ体が適当に
回転して偏磨耗が防止されることに着目したものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、上記従
来の電磁駆動式バルブ装置は、カム機構を用いた装置に
おけるカムとバルブリフタに相当する構成部分、すなわ
ちバルブの駆動に際して相互に摺動する構成部分を有し
ない構成である。従って、上記従来の装置においてバル
ブ体の偏磨耗を防止するためには、バルブ体に適当な回
転トルクを付与する機構を別個に設ける必要がある。
【0005】一方、かかる機構を別個に設けることとす
れば、装置の重量増加、体格の大型化、コストアップ等
の不利益が伴う。この意味で、上記従来の電磁駆動式バ
ルブ装置は、バルブ体の偏磨耗を防止する機能の加設が
必ずしも容易ではないという問題を有するものであっ
た。本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、
バルブ体について特別の回転機構を設けることなく、バ
ルブ体に適当な回転を付与して、上記の課題を解決し得
る内燃機関の電磁駆動式バルブ装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、内燃機関
のバルブ体に固定されたプランジャを、該プランジャの
両側にそれぞれ配設される第1及び第2のコイルスプリ
ングによって支持し、該プランジャに適宜電磁力を付与
することで前記バルブ体を駆動する内燃機関の電磁駆動
式バルブ装置において、前記第1及び第2のコイルスプ
リングの巻き方向が逆向きであると共に、前記第1のコ
イルスプリングの一端と前記プランジャとの接触部にお
ける摩擦係数と前記第2のコイルスプリングの一端と前
記プランジャとの接触部における摩擦係数、及び前記第
1のコイルスプリングの他端における摩擦係数と前記第
2のコイルスプリングの他端における摩擦係数の、少な
くとも一方に差異を有する内燃機関の電磁駆動式バルブ
装置により達成される。
【0007】
【作用】本発明において、前記プランジャは前記バルブ
体に固定されると共に、前記第1及び第2のコイルスプ
リングに支持される。従って、前記プランジャに対し
て、電磁力が付与されると、前記第1及び第2のコイル
スプリングが伸縮し、前記バルブ体が開閉されることに
なる。
【0008】この際、前記プランジャを支持する前記第
1及び第2のコイルスプリングの両端は、これら第1及
び第2のコイルスプリングの伸縮時に、自己の巻き方向
に対応する方向に相対的に回転する。そして、前記第1
及び第2のコイルスプリングは、相互に巻き方向が逆で
あるため、前記プランジャの変位に伴って前記第1及び
第2のコイルスプリングが伸縮する場合、前記プランジ
ャには、前記第1及び第2のプランジャから、相互に逆
向きの回転トルクが伝達される。
【0009】一方、前記第1のコイルスプリングの両端
における摩擦係数と、前記第2のコイルスプリングの両
端における摩擦係数は、少なくとも一か所において差異
を有している。このため、前記第1のコイルスプリング
と前記プランジャとの接触部に作用する回転トルクと、
前記第2のコイルスプリングと前記プランジャとの接触
部に作用する回転トルクとの間には不均衡が生じる。
【0010】従って、前記プランジャには、一方向にの
み偏って大きな回転トルクが付与されることになり、そ
の結果、前記プランジャの往復動に伴って、前記バルブ
体に適当な回転が付与されることになる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である内燃機関の
電磁駆動式バルブ装置10の全体構成図を示す。同図に
おいてバルブ体12は、図中下端部を内燃機関の燃焼室
内に露出させた状態でシリンダヘッド内に配設され、内
燃機関の吸気バルブ、又は排気バルブを構成する部材で
ある。
【0012】すなわち、内燃機関のシリンダヘッドに
は、バルブ体12に対するバルブシートを備えるポート
が設けられており、バルブ体12がバルブシートから離
座又は着座することでポートの開閉が制御される。バル
ブ体12には、作動軸14が固定されている。作動軸1
4は、バルブガイド16、及びオイルシール17によ
り、適当なシール性を確保しつつ軸方向に摺動可能に保
持されている。
【0013】すなわち、本実施例の電磁駆動式バルブ装
置10においては、各摺動部の潤滑性を確保するため、
装置の内部に潤滑油を供給する構成としている。そし
て、オイルシール17は、作動軸14を伝って適量の潤
滑油がバルブガイド16内に流入するように設けられた
ものである。このため、電磁駆動式バルブ装置10にお
いては、バルブガイド16の内周に適当な油膜が形成さ
れ、作動軸14の円滑な摺動性が確保されている。
【0014】作動軸14の上端には、プランジャホルダ
18が固定されている。このプランジャホルダ18は、
Ti、Ti−Al、Al等の非磁性軽量合金からなる部
材であり、その表面には両面共にクロームメッキ、無電
解Niメッキ(カニゼンメッキ)、セラミックカニゼン
メッキ等の処理が施されている。プランジャホルダ18
の外周にはプランジャ20が接合されている。このプラ
ンジャ20は、Fe,Ni,Co等をベース材料とする
軟磁性材料からなるドーナツ状の部材であり、電子ビー
ム溶接、レーザ溶接、ろう付け、カシメ、接着等の手法
でプランジャホルダ18に接合されており、その表面に
も上記同様のメッキ処理が施されている。
【0015】プランジャ20の上方には、所定距離離間
して第1の電磁コイル22及び第1のコア24が配設さ
れている。また、プランジャ20の下方には、同様に所
定距離離間して第2の電磁コイル26及び第2のコア2
8が配設されている。第1及び第2のコア24,28
は、共に磁性体で構成された部材であり、それぞれ第1
又は第2の電磁コイル22,26を把持すると共に、外
筒30により所定の位置関係に保持されている。
【0016】更に、第1及び第2のコア24,28は、
その中心近傍に中空部を有し、それぞれプランジャホル
ダ18を上下方向より弾性支持する第1のコイルスプリ
ング32、及び第2のコイルスプリング34を収納して
いる。ここで、本実施例の電磁駆動式バルブ装置10
は、後述の理由に鑑みて、第1のコイルスプリング32
と第2のコイルスプリング34とを、相互に巻き方向が
逆向きとなるように配設している。尚、かかる構成を採
用したことによる作用及び効果については後に詳説す
る。
【0017】ところで、プランジャホルダ18には、上
述の如くクロームメッキ処理が施されている。このた
め、電磁駆動式バルブ装置10においては、第1のコイ
ルスプリング32とプランジャホルダ18との接触部に
おける摩擦係数、及び第2のコイルスプリング34とプ
ランジャホルダ18との接触部における摩擦係数が、共
に比較的低い値で均衡している。
【0018】また、第1のコア24の上端、及び第2の
コア28の下端には、それぞれ第1のコイルスプリング
32の上端部、又は第2のコイルスプリング34の下端
部を保持するコイルスプリングガイド36,37が設け
られている。これらのコイルスプリングガイド36,3
7は、共に同等の面粗度に加工されており、同等の条件
で第1のコイルスプリング32、又は第2のコイルスプ
リング34に当接している。
【0019】ところで、電磁駆動式バルブ装置10の内
部には、上述の如く潤滑油が供給されている。この潤滑
油は、電磁駆動式バルブ装置10の内部において高所か
ら低所に向かって流れ、第1のコイルスプリング32と
コイルスプリングガイド36との間には到達しないが、
第2のコイルスプリング34とコイルスプリングガイド
37との間には油膜を形成する。
【0020】このため、本実施例においては、第1のコ
イルスプリング32とコイルスプリングガイド36との
接触部において高い摩擦係数が確保されているのに対し
て、第2のコイルスプリング34とコイルスプリングガ
イド37との間には、比較的小さな摩擦係数が付与され
ることになる。コイルスプリングガイド36の上方に
は、第1及び第2のコイルスプリング32,34の変形
量を調整するアジャスタ38が設けられている。ここ
で、本実施例においては、アジャスタ38を調整するこ
とにより、何らの電磁力も作用しない中立状態におい
て、プランジャ20が第1及び第2のコア24,28の
中央に位置するように第1及び第2のコイルスプリング
32,34の釣合いを図っている。
【0021】上記構成のバルブ駆動装置10において、
第1の電磁コイル22に電流を流通させてその内周側及
び外周側を還流する磁界を生ぜしめると、第1のコア2
4、プランジャ20、及び両者間のエアギャップからな
る磁気回路に磁束が流通し、より安定な状態を実現すべ
くプランジャ20には図1中上方へ向かう電磁吸引力が
作用する。
【0022】一方、第2の電磁コイル26に電流を流通
させてその内周側及び外周側を還流する磁界を生ぜしめ
ると、第2のコア28、プランジャ20、及び両者間の
エアギャップからなる磁気回路に磁束が流通し、より安
定な状態を実現すべくプランジャ20には図1中下方へ
向かう電磁吸引力が作用する。従って、電磁コイル2
2,26に、交互に適当な電流を流通させることとすれ
ば、プランジャ20を上下方向に往復運動させることが
可能であり、これによりバルブ体12の開閉状態を切り
換えることが可能である。
【0023】ところで、プランジャ20に変移が生ずる
と、その結果コイルスプリング32,34には弾性変形
による伸縮が生ずる。これに対して、コイルスプリング
が伸縮する場合、コイルの巻き方向に応じてコイルスプ
リングの両端に相対的な回転が生ずることが知られてい
る。従って、本実施例の如くプランジャホルダ18の上
下に第1及び第2のコイルスプリング32,34が配設
される構成においては、プランジャ20の往復運動に伴
って、第1のコイルスプリング32の両端の相対回転、
及び第2のコイルスプリング34の両端の相対回転に起
因する回転トルクが、プランジャホルダ18、及びスプ
リングガイド36,37に付与される。
【0024】この場合、以下図2乃至図4を参照して説
明するように、本実施例の構成によれば、第1及び第2
のコイルスプリング32,34の発する回転トルクが、
プランジャホルダ18を一方向にのみ回転させるべく作
用し、バルブ体12を一方向にのみ回転させることがで
きる。すなわち、図2は、プランジャホルダ18の上下
に巻き方向の異なる第1のコイルスプリング32と第2
のコイルスプリング34とを配設した構成を、また、図
3は、プランジャホルダ18の下方に、第1のコイルス
プリング32と巻き方向が同一の第2のコイルスプリン
グ40を配設した構成を、それぞれ模式的に表したもの
である。
【0025】尚、第1のコイルスプリング32とスプリ
ングガイド36との接触部は、両者間に作用する摩擦力
が大きいことから実質的に固定されていると見做すこと
ができる。一方、第1のコイルスプリング32とプラン
ジャホルダ18との接触部、及び第2のコイルスプリン
グ34,40の両端に形成される接触部は、接触部の摩
擦係数が小さいため実質的に固定されているとみなすこ
とはできない。
【0026】このため、図2及び図3においては、実質
的に固定されていると見做すことのできる端部を“●”
で、また実質的に固定されていると見做すことができな
い端部を“○”で示すことにより、かかる状況を表示し
ている。また、図4は、コイルスプリングに伸縮が生じ
た際に、その両端に生ずる相対回転の方向を説明すべ
く、代表例として表した第1のコイルスプリング32の
斜視図を示す。
【0027】すなわち、コイルスプリングに伸縮が生ず
ると、その伸縮に伴ってコイルスプリングの両端に相対
的な回転が生ずることは前記した通りであるが、より具
体的には、図4に示す如く、コイルスプリングの両端
は、コイルの伸長時には螺旋の曲率がきつくなる方向
に、またコイルの短縮時には螺旋の曲率が緩む方向に、
それぞれ相対的に回転する。
【0028】従って、図3に示す如くプランジャホルダ
18を挟んで巻き方向が同一の第1及び第2のコイルス
プリング32,40が配設されている場合、プランジャ
ホルダ18の変位方向に関わらず(図3(A),
(B))、第1のコイルスプリング32からプランジャ
ホルダ18に付与される回転トルクと、第2のコイルス
プリング40からプランジャホルダ18に付与される回
転トルクとは、常に同一方向のトルクとして作用する。
【0029】このため、かかる構成においては、第1及
び第2のコイルスプリング32,40の伸縮に伴って第
1のコイルスプリング32とスプリングガイド36との
接触部、及び第2のコイルスプリング34とスプリング
ガイド37との接触部には何らの回転トルクも付与され
ず、プランジャホルダ18が所定回転角の範囲内で揺動
するに過ぎない。
【0030】一方、図2に示す如く、第1のコイルスプ
リング32と第2のコイルスプリング34との巻き方向
が逆向きである場合は、図2(A)に示す如くプランジ
ャホルダ18が下向きに変位する際には、第1のコイル
スプリング32からは平面視で時計回りの回転トルク
が、第2のコイルスプリング34からは平面視で反時計
回りの回転トルクが、それぞれプランジャホルダ18に
付与される。
【0031】また、図2(B)に示す如くプランジャホ
ルダ18が上向きに変位する際には、第1のコイルスプ
リング32からは平面視で反時計回りの回転トルクが、
第2のコイルスプリング34からは平面視で時計回りの
回転トルクが、それぞれプランジャホルダ18に付与さ
れることになる。ところで、上記の如くプランジャホル
ダ18に対して方向の異なる回転トルクが付与された場
合、その結果として、第1及び第2のコイルスプリング
32,34と、プランジャホルダ18又はスプリングガ
イド36,37との接触部にずれが生ずる。
【0032】ここで、上記の如く第1のコイルスプリン
グ32とスプリングガイド36との接触部は、実質的に
固定されていると見做すことができるため、第1のコイ
ルスプリング32の伸縮に起因する回転角は、その全て
が第1のコイルスプリング32とプランジャホルダ18
との接触部において吸収されることになる。一方、第2
のコイルスプリング34とスプリングガイド37との接
触部は、低摩擦係数の下相対移動が可能である。従っ
て、第2のコイルスプリング34の伸縮に起因する回転
角は、第2のコイルスプリング34とプランジャホルダ
18との接触部、及び第2のコイルスプリング34とス
プリングガイド37との接触部において吸収すれば足り
ることになる。
【0033】このため、プランジャホルダ18との接触
部において、第1のコイルスプリング32に生ずる回転
角と第2のコイルスプリング34に生ずる回転角とを比
較した場合、図2(A),(B)に示す如く、第1のコ
イルスプリング32の方に大きな回転角が生ずる。従っ
て、第1のコイルスプリング32とプランジャホルダ1
8との接触部に発生する摩擦力Fと、第2のコイルスプ
リング34とプランジャホルダ18との接触部に発生す
る摩擦力Fとが常に等しいとすれば、プランジャホルダ
18は、第1のコイルスプリング32が発生する回転ト
ルクから、第2のコイルスプリング32が発生する回転
トルクを減じたトルクに従って、所定回転角の範囲内で
揺動することになる。
【0034】これに対して、第1及び第2のコイルスプ
リング32,34とプランジャホルダ18との間に作用
する摩擦力Fは、それぞれ第1のコイルスプリング32
とプランジャホルダ18との間に作用する荷重、又は第
2のコイルスプリング34とプランジャホルダ18との
間に作用する荷重の関数である。従って、それらの摩擦
力Fは、第1及び第2のコイルスプリング32,34の
伸縮状態に応じて変動し、例えば図2(A)に示す状態
においては、第1のコイルスプリング32とプランジャ
ホルダ18との間に生ずる摩擦力Fが比較的小さく、一
方、第2のコイルスプリング32とプランジャホルダ1
8との間に生ずる摩擦力Fが比較的大きくなる。
【0035】このため、図2(A)に示す状況において
は、回転角の比較では第1のコイルスプリング32が第
2コイルスプリング34に勝っているが、第1及び第2
のコイルスプリング32,34がそれぞれプランジャホ
ルダ18に与える回転トルクの大きさの比較において
は、両者間に大きな差異は生じない。その結果、図2
(A)に示す如く、プランジャホルダ18が下方へ向け
て変位する過程では、第1のコイルスプリング32と第
2のコイルスプリング34の回転角の相違に関わらず、
プランジャホルダ18にはほぼ何らの回転角の発生せ
ず、バルブ体12は、大きな回転運動を伴うことなく開
弁することになる。
【0036】一方、図2(B)に示す如く、プランジャ
ホルダ18が上方へ向けて変位する過程においては、第
1のコイルスプリング32とプランジャホルダ18との
間には比較的大きな摩擦力Fが発生し、一方、第2のコ
イルスプリング34とプランジャホルダ18との間には
比較的小さな摩擦力Fが発生する。この場合、上記図2
(A)に示す状況とは逆に、回転角の観点のみならず摩
擦力の観点からしても、プランジャホルダ18は、第2
のコイルスプリング34に比して第1のコイルスプリン
グ32の影響を強く受け、プランジャホルダ18が、図
2中正面視で反時計回り方向に回転する。
【0037】この結果、プランジャホルダ18の上下方
向変位が繰り返し行われると、プランジャホルダ18、
及びバルブ体12が単一の方向に継続的に回転し、何ら
特別の機構を設けることなく、バルブ体12を回転させ
る機能が実現されることになる。このように、本実施例
に係る電磁駆動式バルブ装置10によれば、装置の大型
化、重量増加、コストアップ等の不利益を伴うことなく
バルブ体12に一定方向の回転を付与することができ
る。
【0038】そして、このようにバルブ体12に一定方
向の回転を付与することができれば、バルブ体12の偏
磨耗を適切に防止することができると共に、バルブガイ
ド16から流れ出た潤滑油等がバルブ体12の一部に集
中して局部的なデポジットを形成する現象をも効果的に
防止することができる。この意味で、本実施例の電磁駆
動式バルブ装置10は、何らの不利益を伴うことなく、
内燃機関のバルブ体12の耐久性を画期的に向上し得る
という効果を有していることになる。
【0039】ところで、上記実施例は、第1のコイルス
プリング32とスプリングガイド36との接触部におけ
る摩擦係数と、第2のコイルスプリング34とスプリン
グガイド37との接触部における摩擦係数とに差異を設
ける構成であるが、摩擦係数に差異を設ける組み合わせ
はこれに限るものではなく、例えば第1のコイルスプリ
ング32とプランジャホルダ18との接触部、及び第2
のコイルスプリング34とプランジャホルダ18との接
触部の摩擦係数間に差異を設ける構成としてもよい。
【0040】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、プランジ
ャの両側に配設される第1及び第2のコイルスプリング
の巻き方向を逆にし、かつ第1及び第2のコイルスプリ
ングの両端における摩擦係数に差異を持たせることによ
り、第1及び第2のコイルスプリングの伸縮に伴って、
プランジャを一方向にのみ回転させる回転トルクを発生
させることができる。
【0041】このため、本発明に係る内燃機関の電磁駆
動式バルブ装置によれば、何ら特別の回転機構を設ける
ことなく、内燃機関のバルブ体に適当な回転を付与する
ことができ、装置の小型化、低コスト化、軽量化等の要
求を満たしつつ、バルブの偏磨耗を適切に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の電磁駆動式
バルブ装置の正面断面図である。
【図2】本実施例の電磁駆動式バルブ装置の動作を説明
するための図(その1)である。
【図3】本実施例の電磁駆動式バルブ装置の動作を説明
するための図(その2)である。
【図4】第1のコイルスプリングの伸縮時に生ずる相対
回転の様子を表す斜視図である。
【符号の説明】
10 電磁駆動式バルブ装置 12 バルブ体 18 プランジャホルダ 20 プランジャ 32 第1のコイルスプリング 34,40 第2のコイルスプリング 36,37 スプリングガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 9/04 F01L 1/32 F16K 31/06 305

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ体に固定されたプラン
    ジャを、該プランジャの両側にそれぞれ配設される第1
    及び第2のコイルスプリングによって支持し、該プラン
    ジャに適宜電磁力を付与することで前記バルブ体を駆動
    する内燃機関の電磁駆動式バルブ装置において、 前記第1及び第2のコイルスプリングの巻き方向が逆向
    きであると共に、 前記第1のコイルスプリングの一端と前記プランジャと
    の接触部における摩擦係数と前記第2のコイルスプリン
    グの一端と前記プランジャとの接触部における摩擦係
    数、及び前記第1のコイルスプリングの他端における摩
    擦係数と前記第2のコイルスプリングの他端における摩
    擦係数の、少なくとも一方に差異を有することを特徴と
    する内燃機関の電磁駆動式バルブ装置。
JP06276561A 1994-11-10 1994-11-10 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置 Expired - Fee Related JP3125605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06276561A JP3125605B2 (ja) 1994-11-10 1994-11-10 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06276561A JP3125605B2 (ja) 1994-11-10 1994-11-10 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08135417A JPH08135417A (ja) 1996-05-28
JP3125605B2 true JP3125605B2 (ja) 2001-01-22

Family

ID=17571212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06276561A Expired - Fee Related JP3125605B2 (ja) 1994-11-10 1994-11-10 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3125605B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4066559B2 (ja) * 1999-05-12 2008-03-26 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の電磁駆動バルブ制御装置
EP1124040A1 (de) * 2000-02-11 2001-08-16 TRW Deutschland GmbH, Motorkomponenten Elektromagnetischer Ventiltrieb für ein Gaswechselventil

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08135417A (ja) 1996-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0796402B1 (en) Hinged armature electromagnetically actuated valve
JP3186462B2 (ja) 内燃機関の電磁式弁駆動装置
JP2011530028A (ja) 電磁駆動装置
WO2003025353A1 (en) An electromechanical valve drive incorporating a nonlinear mechanical transformer
JP3872230B2 (ja) 吸排気弁の電磁駆動装置
EP1789659B1 (en) Electromagnetically driven valve
JP3125605B2 (ja) 内燃機関の電磁駆動式バルブ装置
JP2005176595A (ja) 電磁バルブアクチュエータシステム
US20070221873A1 (en) Electromagnetically Driven Valve
JP4146298B2 (ja) コイルばね
US20070252099A1 (en) Electromagnetically Driven Valve
US7387094B2 (en) Electromagnetically driven valve
US20070290156A1 (en) Electromagnetically Driven Valve
JP3591341B2 (ja) 電磁式動弁装置
JP2002364316A (ja) 電磁駆動バルブ装置
JP2006336737A (ja) 電磁駆動弁
JP4140596B2 (ja) 電磁駆動弁および内燃機関
JP3539239B2 (ja) 電磁式動弁装置
JP2007127077A (ja) 電磁駆動弁およびその組み立て方法
JPH07324609A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP3628183B2 (ja) 電磁式弁駆動装置
JP2007040162A (ja) 電磁駆動弁
JP2008303783A (ja) 電磁駆動弁
JPH07119423A (ja) 内燃機関の弁駆動装置及びバルブ装置
JP2002343628A (ja) 電磁式アクチュエータ装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees