JP2017190823A - コイルばね - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、例えば、前記コイルばねを往復動するプランジャーの押圧部材として用いた場合に横力が生じると、前記プランジャーと当該プランジャーが往復動可能に収容される案内面との間に生じる摩擦力が大きくなる。
前記摩擦力の増加は、前記プランジャーの摺動抵抗に起因する摩耗や摩擦熱の上昇を招き、前記プランジャーが用いられる高圧ポンプ等の装置に作動不具合を生じさせる恐れがある。
好ましくは、前記第1座巻き部は、前記ばね線材のうち長手方向一方側の第1端部から前記第1基準点を形成する部分まで延びる第1座巻き部エッジ領域と、前記第1座巻き部エッジ領域から前記中央巻き部まで延びる第1座巻き部移行領域とを含むものとされ、前記第1座巻き部エッジ領域は、前記第1座巻き部移行領域に比して、前記コイルばねの軸線方向一方側へ折り曲げられる。
そして、前記第1座面は、前記第1座巻き部エッジ領域から前記第1座巻き部移行領域との境界を跨いで前記第1座巻き部移行領域へ至るように形成される。
そして、前記第2座面は、前記第2座巻き部エッジ領域から前記第2座巻き部移行領域との境界を跨いで前記第2座巻き部移行領域へ至るように形成される。
図1及び図2に、それぞれ、本実施の形態に係るコイルばね1Aの自然長状態での斜視図及び正面図を示す。
前記線間隙間は、軸線方向一方側においては自然長状態での線間隙間がゼロとされた第1基準点51から軸線方向一方側へ螺旋状に進むに従って広がり、前記中央巻き部30においては前記コイルばね1Aに求められる弾性力に応じて設定される基準値L(L>0、下記図3参照)とされ、軸線方向他方側においては軸線方向一方側へ螺旋状に進むに従って狭まって第2基準点52においてゼロとされている。
従って、図4に示すような前記コイルばね1Aの圧縮動作に、軸線方向一方側において有効巻き数の変化が生じることを有効に防止することができ、これにより、圧縮動作時の横力発生を有効に抑えることができる。
即ち、図3に示すように、前記第2端部領域62の開始位置62Sは、前記第2基準点52から線間巻き数において軸線方向一方側へ約1.2巻きの位置に位置されており、開始位置62Sにおける自然長状態の線間距離は前記第1端部領域61における終端位置61Eの線間距離と同一の5.5mm(基準値L×1.17)に設定されている。
図5に示すように、前記製造装置200は、ばね線材100を供給する供給ローラ210と、前記供給ローラ210によって搬送されるばね線材100をガイドするガイド部材215と、前記ガイド部材215によってガイドされた状態で前記供給ローラ210によって搬送されるばね線材100の搬送方向下流側に設けられ、直線状のばね線材100を螺旋状のコイルばね1Aに成形する第1及び第2コイリングツール220(1)、220(2)と、前記第1及び第2コイリングツール220(1)、220(2)によって螺旋状に成形されたコイルばね1Aをガイドする芯金部材225と、前記コイルばね1Aのピッチを調整するピッチツール230と、前記芯金225と共働してばね線材100を切断する切断ツール235とを有している。
かかる構成によれば、前記ピッチツール230の位置制御の容易化を図ることができる。
・実施例に係るコイルばね1aの構成
ばね線材の材質:シリコンクロム 鋼オイルテンパー線(SWOSC-V)相当の鋼線
ばね線材の線径:3.3mm
コイルばねのコイル径:17.4mm
自然長状態のコイルばねの長さ:41mm
総巻き数:6.0
有効巻き数:4.0
基準領域65での線間隙間の距離(基準値L):4.6mm
第1端部領域61の終端位置61E(第1基準点51からの線間巻き数):0.9
第1端部領域61の終端位置61Eでの線間隙間の距離:5.7mm
第1移行領域63(1)の線間巻き数:0.5
第2端部領域62の開始位置62S(第2基準点52からの線間巻き数):0.9
第2端部領域62の開始位置62Sでの線間隙間の距離:5.7mm
第2移行領域63(2)の線間巻き数:0.5
図6に、その結果を示す。
・比較例に係るコイルばねの構成
ばね線材の材質:シリコンクロム 鋼オイルテンパー線(SWOSC-V)相当の鋼線
ばね線材の線径:3.3mm
コイルばねのコイル径:17.4mm
自然長状態のコイルばねの長さ:40mm
総巻き数:5.8
有効巻き数:3.8
基準領域65での線間隙間の距離(基準値L):6.1mm
第1端部領域61の終端位置61E(第1基準点51からの線間巻き数):1
第1端部領域61の終端位置61Eでの線間隙間の距離:6.1mm
第2端部領域62の開始位置62S(第2基準点52からの線間巻き数):1
第2端部領域62の開始位置62Sでの線間隙間の距離:6.1mm
その結果を図6に併せて示す。
この結果は、前記実施例に係るコイルばね1aにおいては、圧縮動作に際し、前記第1及び第2端部領域61、62において線間隙間ゼロの発生が有効に防止できていることを意味する。
即ち、前記第1基準点51及び前記第2基準点52が周方向に関し同一位置に位置するように構成される。
かかる構成によれば、圧縮動作時の横力発生をより有効に防止することができる。
即ち、前記第2座巻き部20が、前記ばね線材100のうち長手方向他方側の第2端部120から前記第2基準点52を形成する部分まで延びる第2座巻き部エッジ領域(図示せず)と、前記第2座巻き部エッジ領域から前記中央巻き部30まで延びる第2座巻き部移行領域(図示せず)とを含むものとし、前記第2座巻き部エッジ領域を、前記第2座巻き部移行領域に比して、前記コイルばね1の軸線方向他方側へ折り曲げ、前記第2座面21を、前記第2座巻き部エッジ領域から前記第2座巻き部移行領域との境界を跨いで前記第2座巻き部移行領域へ至るように形成することができる。
10 第1座巻き部
11 第1座面
20 第2座巻き部
21 第2座面
30 中央巻き部
51 第1基準点
52 第2基準点
61 第1端部領域
61E 第1端部領域の終端位置
62 第2端部領域
62S 第2端部領域の開始位置
63(1) 第1移行領域
63(2) 第2移行領域
65 基準領域
65E 基準領域の終端位置
100 ばね線材
110 ばね線材の第1端部
111 第1座巻き部エッジ領域
112 第1座巻き部移行領域
Claims (7)
- ばね線材が軸線方向一方側から他方側へ延びる螺旋形状に成形されてなるコイルばねであって、
軸線方向に隣接するばね線材間の線間隙間によって画される線間巻きが、軸線方向一方側において自然長状態での線間隙間がゼロとされた第1基準点から軸線方向他方側へ螺旋形状に沿って周方向に進むに従って自然長状態での線間隙間が大きくなる第1端部領域と、前記第1端部領域よりも軸線方向他方側に位置し、自然長状態での線間隙間が基準値のL(L>0)とされた基準領域と、前記基準領域より軸線方向他方側に位置し、軸線方向他方側へ螺旋形状に沿って周方向に進むに従って線間隙間が狭くなり、第2基準点において自然長状態での線間隙間がゼロとなる第2端部領域とを含み、
前記第1端部領域は、線間巻き数が1を超え且つ終端位置における自然長状態での線間距離がLより大となるように構成され、
前記線間巻きは、前記第1端部領域の終端位置と前記基準領域との間に、前記第1端部領域の終端位置から軸線方向他方側へ螺旋形状に沿って進むに従って線間距離が小さくなって基準値のLに到達する第1移行領域を有していることを特徴とするコイルばね。 - 前記第1端部領域は、前記第1基準点から前記終端位置まで一定の線間隙間ピッチ角を有し、
前記線間隙間ピッチ角は、軸線方向一方側への線間巻き1巻き当たりの線間隙間の変位量がLとなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のコイルばね。 - 前記コイルばねの軸線方向一方側に設けられ、軸線方向一方側を向く第1座面が形成された第1座巻き部と、
前記コイルばねの軸線方向他方側に設けられ、軸線方向他方側を向く第2座面が形成された第2座巻き部と、
前記第1及び第2座巻き部の間の中央巻き部とを備え、
前記第1座巻き部は、前記ばね線材のうち長手方向一方側の第1端部から前記第1基準点を形成する部分まで延びる第1座巻き部エッジ領域と、前記第1座巻き部エッジ領域から前記中央巻き部まで延びる第1座巻き部移行領域とを含み、
前記第1座巻き部エッジ領域は、前記第1座巻き部移行領域に比して、前記コイルばねの軸線方向一方側へ折り曲げられており、
前記第1座面は、前記第1座巻き部エッジ領域から前記第1座巻き部移行領域との境界を跨いで前記第1座巻き部移行領域へ至るように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイルばね。 - 前記第2端部領域は、線間巻き数が1を超え且つ開始位置における自然長状態での線間距離がLより大となるように構成され、
前記線間巻きは、前記基準領域の軸線方向他方側の終端位置と前記第2端部領域の開始位置との間に、前記基準領域の終端位置から軸線方向他方側へ螺旋形状に沿って周方向に進むに従って線間距離が基準値のLから大きくなって前記第2端部領域の開始位置に到達する第2移行領域を有していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のコイルばね。 - 前記第2端部領域は、開始位置から前記第2基準点まで一定の線間隙間ピッチ角を有し、
前記線間隙間ピッチ角は、軸線方向一方側への線間巻き1巻き当たりの線間隙間の変位量が−Lとなるように設定されていることを特徴とする請求項4に記載のコイルばね。 - 前記コイルばねの軸線方向一方側に設けられ、軸線方向一方側を向く第1座面が形成された第1座巻き部と、
前記コイルばねの軸線方向他方側に設けられ、軸線方向他方側を向く第2座面が形成された第2座巻き部と、
前記第1及び第2座巻き部の間の中央巻き部とを備え、
前記第2座巻き部は、前記ばね線材のうち長手方向他方側の第2端部から前記第2基準点を形成する部分まで延びる第2座巻き部エッジ領域と、前記第2座巻き部エッジ領域から前記中央巻き部まで延びる第2座巻き部移行領域とを含み、
前記第2座巻き部エッジ領域は、前記第2座巻き部移行領域に比して、前記コイルばねの軸線方向他方側へ折り曲げられており、
前記第2座面は、前記第2座巻き部エッジ領域から前記第2座巻き部移行領域との境界を跨いで前記第2座巻き部移行領域へ至るように形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のコイルばね。 - 前記第1基準点から前記第2基準点までの線間巻き数が整数倍とされていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のコイルばね。
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