JP2000055096A - 弁ばね用コイルスプリング - Google Patents

弁ばね用コイルスプリング

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JP2000055096A
JP2000055096A JP10220826A JP22082698A JP2000055096A JP 2000055096 A JP2000055096 A JP 2000055096A JP 10220826 A JP10220826 A JP 10220826A JP 22082698 A JP22082698 A JP 22082698A JP 2000055096 A JP2000055096 A JP 2000055096A
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load
seat
valve
spring
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JP10220826A
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Masahiko Asano
昌彦 浅野
Takashi Deo
隆志 出尾
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、弁ばね用コイルスプリングに関
し、軸荷重に伴って生ずる横荷重及びモーメントを抑制
することを目的とする。 【解決手段】 コイルスプリング10の中心軸に軸荷重
Pが作用すると仮定した場合における、両側の座面10
0aの中心軸Oに垂直な平面からの傾斜角(座面傾斜
角)ψ1 、ψ2 、及び、その傾斜方向(座面傾斜方向)
が、それぞれ、互いに略同一とされる。これにより、両
座巻部100に作用するモーメントMが釣合う。また、
コイルスプリング10の座巻部100が一般部102に
比して小径化されると共に、座巻部100におけるピッ
チ角α1 が一般部102におけるピッチ角α2 に比して
小さくされることで、座巻部100の厚さtが増加され
る。これにより、座巻部100が高剛性化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オープンエンド形
状のコイルスプリングに関し、特に、弁ばねとしての用
途に適した弁ばね用コイルスプリングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平2−19180
4号に開示される如く、弁ばね用コイルスプリングが公
知である。上記従来のコイルスプリングは、オープンエ
ンド形状を有している。ここで、オープンエンド形状と
は、座巻部と、これに隣接する一般部(すなわち、座巻
部を除く巻線部)の素線との間に隙間が存在するスプリ
ング形状をいう。かかるオープンエンド形状のコイルス
プリングによれば、素線どうしの接触に伴う摩耗を防止
できると共に、座巻部とこれに隣接する素線とが接触す
るまでコイルの有効巻数を最大限に確保することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オープンエ
ンド形状のコイルスプリングに軸方向荷重が作用した場
合、座巻部に作用する荷重は、巻線がスプリングシート
に最初に接触する部位において最大値となるように分布
する。かかる荷重分布により、軸荷重の作用点がコイル
スプリングの中心軸から偏心し、これに起因して、モー
メントが発生する。また、軸荷重の作用点の偏心方向と
偏心量、すなわち、コイルスプリングの中心軸に軸荷重
が作用すると仮定したときの座面の傾斜方向と傾斜角が
コイルスプリングの両端で一致しない場合は、横加重が
発生する。そして、これらのモーメントや横荷重が弁体
に伝達されることで、弁体とバルブガイドとの間に大き
な摩擦が生ずる。しかしながら、上記従来の弁ばね用コ
イルスプリングでは、オープンエンド形状を有すること
に伴う上記問題点は考慮されていない。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、オープンエンド形状の弁ばね用スプリングにお
いて、軸荷重に伴って生ずる横荷重を抑制することを第
1の目的とし、更に、横荷重に伴って生ずるモーメント
をも抑制することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的は、請
求項1に記載する如く、使用最大たわみ時に各素線間に
隙間が確保されるよう構成されたオープンエンド形状の
弁ばね用コイルスプリングであって、該コイルスプリン
グの両端の座面傾斜角及び座面傾斜方向を全たわみ領域
でそれぞれ互いに略同一とした弁ばね用コイルスプリン
グにより達成される。
【0006】請求項1記載の発明において、コイルスプ
リングの両端の座面傾斜角及び座面傾斜方向が全たわみ
領域でそれぞれ互いに同一とされる。なお、座面傾斜角
とは、コイルスプリングの中心軸に軸荷重が作用すると
仮定したときの座面の傾斜角であり、座面傾斜方向と
は、そのときの座面の傾斜方向を意味する。この場合、
具体的には、コイルスプリングの総巻数を調整すると共
に、座巻部の形状を最適化し、すなわち、コイルスプリ
ングの最大たわみ時にも各素線間、特に、素線の端末部
に隙間が確保される形状とし、素線間の接触により座面
における荷重分布が変化するのを防止する。その結果、
全たわみ領域にわたって、コイルスプリングの両端に生
ずるモーメントが釣合うことで、座巻部に作用する横荷
重が最小化される。
【0007】また、上記第2の目的は、請求項2に記載
する如く、請求項1記載の弁ばね用コイルスプリングに
おいて、座巻部を一般部に比して小径化すると共に、座
巻部のピッチ角度を一般部のピッチ角度よりも小さくし
た弁ばね用コイルスプリングにより達成される。請求項
2記載の発明において、座巻部が一般部に比して小径化
される。ここで、座面における荷重分布においては、座
面の端部(すなわち、巻線がスプリングシートに最初に
接触する部位)に作用する荷重(以下、第1荷重と称
す)が最大となり、また、第1荷重の作用点からコイル
スプリングの中心軸を隔てて対向する部位に作用する荷
重(以下、この荷重を第2荷重と称す)が、第1荷重に
次いで最大となる。更に、第1荷重の作用点と第2荷重
の作用点とを結ぶ直線に直交するコイルスプリングの中
心線を通る直線上の部位に第2荷重よりも小さな荷重が
作用する。かかる荷重の分布により、軸荷重の作用点
は、コイルスプリングの中心軸から概ね第1荷重の作用
点側へ偏心し、その結果として上記のモーメントが発生
することになる。請求項2記載の発明によれば、座巻部
が一般部に比して小径化されることで、座巻部が高剛性
化される。座巻部が高剛性化されると、第2荷重が増大
することで、第1荷重と第2荷重との差が小さくなる。
その結果、軸荷重の偏心量が減少し、上記のモーメント
は抑制される。
【0008】また、請求項2記載の発明において、座巻
部のピッチ角度が一般部のピッチ角度よりも小さくされ
る。ここで、座面は座巻部の端面を中心軸に対して略垂
直な平面となるように切除することにより形成される。
従って、座巻部のピッチ角度が小さくされると、座面を
形成する際の切除量が減少し、座巻部の厚さが増大す
る。このため、座巻部の剛性が更に向上することで、上
記の如く、軸荷重の偏心量が小さくなり、座巻部に生ず
るモーメントは更に抑制される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
コイルスプリング10が適用された弁機構の断面図であ
る。図1に示す如く、弁機構は弁体12を備えている。
弁体12は内燃機関の吸気弁(又は排気弁)を構成して
いる。弁体12は、内燃機関の燃焼室14内に露出する
ようにシリンダヘッド16に配設されている。シリンダ
ヘッド16には排気ポート18が形成されている。排気
ポート18には弁体12に対する弁座20が形成されて
いる。排気ポート18は、弁体12が弁座20から離座
することにより導通状態となり、また、弁体12が弁座
20に着座することにより遮断状態となる。
【0010】弁体12には弁軸24が固定されている。
弁軸24は、バルブガイド26により軸方向に摺動可能
に保持されている。バルブガイド26はシリンダヘッド
16に固定されている。弁軸24の上端部にはリテーナ
28が固定されている。また、シリンダヘッド16の、
弁軸24の中間部を取り囲む部位には、スプリング保持
面30が形成されている。リテーナ28とスプリング保
持面30との間には、両者を離間させる向きの付勢力を
発生するコイルスプリング10が配設されている。従っ
て、常態では、弁軸24及び弁体12がコイルスプリン
グ10により図1中上方へ付勢されることで弁体12が
弁座20に着座し、弁体12は閉弁状態となる。一方、
弁軸24が図示しない駆動手段により図1中下向きに駆
動されることで弁体12が弁座20から離座し、弁体1
2は開弁状態となる。
【0011】本実施例において、コイルスプリング10
はオープンエンド形状を有している。すなわち、コイル
スプリング10に荷重が作用しない状態で、コイルスプ
リングの座巻部100と、座巻部以外の巻線部(以下、
一般部102と称す)との間に所定の隙間が確保されて
いる。かかるオープンエンド形状のコイルスプリング1
0によれば、一般部102の全巻線部分がスプリングと
して機能することで、有効巻数を最大限に確保すること
ができる。
【0012】ところで、コイルスプリング10の座巻部
100には、コイルスプリング10の付勢力に対する反
力として軸荷重Pが作用する。図2は、コイルスプリン
グ10に軸荷重Pが作用した場合に、座巻部100とリ
テーナ28又はスプリング保持面30との間に作用する
荷重分布を説明するための図である。図2において、座
巻部100のリテーナ28又はスプリング保持面30へ
の座面100aに斜線を付して示している。座巻部10
0の座面100aは、コイルスプリングの両端面が中心
軸Oに対して略垂直な平面となるように、スプリング巻
線に研削加工を施すことにより形成されている。
【0013】オープンエンド形状を有するコイルスプリ
ング10の場合、座巻部100に作用する軸荷重Pは、
座面100aの端部(すなわち、コイル巻線がリテーナ
28又はスプリング保持面30に最初に接触する位置)
1 で最大値P1 となるように分布する。また、部位S
1 に最大荷重P1 が作用することにより、座巻部100
が荷重P1 の作用方向に傾くのを阻止する反力として、
部位S1 から巻線の端末100bへ向けて180°回転
した位置、すなわち、部位S1 とコイルスプリング10
の中心軸Oを隔てて対向する部位S2 に、荷重P1 に次
いで大きな第2の荷重P2 が作用する。更に、座巻部1
00が部位S1 と部位S2 を結ぶ直線の周りの傾きを阻
止する反力として、部位S1 から部位S2 に向けて90
度回転した部位S3 に、荷重P2 よりも十分に小さな、
場合によってはマイナスの第3の荷重P3 が作用する。
【0014】座面100aに作用する軸荷重の分布は、
近似的に、これら3つの集中荷重P 1 〜P3 によって代
表させることができる。従って、座巻部100へ作用す
る軸荷重P(=P1 +P2 +P3 )の作用点は、荷重P
1 〜P3 の重心位置S0となる。上記の如く、荷重P1
〜P3 の間の大小関係は、P1 >P2>> P3 となってい
る。このため、図2に示す如く、荷重Pの作用点S
0 は、中心軸Oから荷重P 1 の作用点S1 側へ偏心し、
かつ、荷重P3 の作用点S3 側へも僅かに偏心すること
になる。以下、荷重Pの作用点S0 の中心軸Oからの偏
心量を荷重偏心量eと称し、また、その偏心の方向(図
1に示す直線A−A方向)を荷重偏心方向と称す。
【0015】上述の如く、荷重Pは中心軸Oから荷重偏
心量eだけ偏心して作用する。このため、コイルスプリ
ング10の両側の座巻部100にはその中心軸Oに関す
るモーメントM=P・eが作用する。ところで、コイル
スプリング10は、その中心軸Oが弁軸24の中心軸と
一致するように配置される。このため、リテーナ28側
の座巻部100に作用する上記モーメントMは、リテー
ナ28を介して弁軸24に伝達されることになる。ま
た、モーメントMがコイルスプリング100の両端に発
生することで、2つのモーメントMが釣り合わない限
り、座巻部100には横荷重(すなわち、中心軸Oに対
して垂直方向の荷重)Hが作用する。この横荷重Hもま
たリテーナ28を介して弁軸24に伝達される。
【0016】このように、軸荷重Pが中心軸Oから偏心
して作用することで、弁軸24にはモーメントM及び横
荷重Hが作用する。このため、横荷重Hに起因して、図
1に矢印R1、R2で示す如く、弁軸24とバルブガイ
ド26との間の摺動面に垂直荷重が生じ、これに伴っ
て、弁軸24がバルブガイド26に対して摺動する際に
摩擦力F=μ・(R1+R2)(ただし、μは摩擦係
数)が発生することにより、弁体12の円滑な駆動が妨
げられることになる。また、モーメントMによっても、
弁軸24に摩擦力が発生することになる。
【0017】本実施例のコイルスプリング10は、上記
の横荷重H及びモーメントMを抑制することにより、弁
軸24に作用する摩擦力を低減し得る点に特徴を有して
いる。以下、本実施例コイルスプリング10が有する上
記の特徴部について説明する。図3は、コイルスプリン
グの中心軸Oに軸荷重Pが作用したと仮定した状態(以
下、軸荷重圧縮状態と称す)での、コイルスプリング1
0を、荷重偏心方向、すなわち、図1に示す直線A−A
に沿って切断した際の断面図である。上述の如く、実際
の使用状態、すなわち、コイルスプリング10がリテー
ナ28及びスプリング保持面30により両端の座面10
0aが中心軸Oに対して垂直となるように保持されてい
る状態(以下、平行圧縮状態と称す)での軸荷重Pは中
心軸Oから荷重偏心量eだけ偏心して作用し、その状態
で、座面100aは中心軸Oに対して垂直となる。従っ
て、軸中心荷重状態では、座面100aは中心軸Oに垂
直な面から傾斜することになる。以下、軸荷重圧縮状態
での座面100aの上記傾斜角(図3に示すψ1
ψ2 )を「座面傾斜角」と称し、その傾斜方向を「座面
傾斜方向」と称する。
【0018】平行圧縮状態を基準として考えると、軸荷
重圧縮状態では、軸荷重Pが平行圧縮状態での作用点S
0 から(−e)だけ偏心して作用し、それに伴ってモー
メントP・(−e)が作用することで、座面傾斜角が生
ずることとなる。すなわち、各座面100aの座面傾斜
方向は、上記した荷重偏心方向に一致している。従っ
て、モーメントMは、軸荷重圧縮状態において生ずる座
面傾斜角を解消するモーメントに相当すると考えること
ができる。この場合、平行圧縮状態は、図4に示す如
く、軸荷重圧縮状態において、コイルスプリング10の
両端にモーメントM=P・eが作用した状態と等価であ
るといえる。
【0019】さて、コイルスプリング10に作用する横
荷重Hについて考えると、コイルスプリング10の両端
に、大きさが等しく、かつ、逆向きのモーメントが作用
する場合には、モーメントの釣合いより、コイルスプリ
ング10の両端の座巻部100に作用する横荷重Hはゼ
ロとなる。上述の如く、モーメントMは、軸荷重状態で
の座面傾斜角を解消させるモーメントに相当する。従っ
て、コイルスプリング10の両座面100aの座面傾斜
角及び座面傾斜方向が一致すれば、コイルスプリング1
00の両端に作用するモーメントMの大きさが等しく、
かつ、その向きが逆向きとなる。
【0020】そこで、本実施例では、両座面100aの
座面傾斜角及び座面傾斜方向が略一致するように、コイ
ルスプリング10の巻数を調整することとしている。従
って、本実施例のコイルスプリング10によれば、その
両端に作用するモーメントMが釣合うことで、座巻部1
00に作用する横荷重Hを最小限に抑制することができ
る。
【0021】ところで、材料力学の座屈理論によれば、
長柱の両端に作用するモーメントが釣合い状態にある場
合、その両端の支持点に作用する横荷重は最大となる。
従って、上記の如く、コイルスプリング10の両端に作
用するモーメントMを釣合わせることで横荷重Hの最小
化を図った場合には、逆に、モーメントMの値は最大に
なる。そこで、本実施例では、モーメントMの値を抑制
すべく、コイルスプリング10を以下のように構成する
こととしている。
【0022】図5は、コイルスプリング10の座巻部1
00の近傍を側方から見た図である。図5に示す如く、
座巻部100のピッチ角α1 は、一般部のピッチ角α2
に比して小さく設定されている。このため、座巻部10
0に座面100aを形成すべく研削する場合の加工除去
量(図5に点線破線を付して示す領域の体積)が小さく
抑制されることで、座巻部100の平均的な厚さtが大
きく確保されている。また、図5に示す如く、コイルス
プリング10においては、座巻部100の外径D1は、
一般部102の外径D2に比して小さくされている。
【0023】このように、本実施例のコイルスプリング
10では、座巻部100が小径化され、かつ、厚さが大
きく確保されていることで、座巻部100の高剛性化が
図られている。上述の如く、座巻部100の座面100
aに作用する荷重P2 は、最大荷重P1 によって座巻部
100が傾斜するのを阻止する反力として発生する。こ
の反力は、座巻部100の剛性が高いほど大きくなる。
従って、座巻部100が高剛性化されると荷重P2 は増
大する。この場合、荷重P1 と荷重P2 との差が縮小す
ると共に、荷重P3 の値が減少することで、荷重偏心量
eは減少する。上記の如く、座巻部100に作用するモ
ーメントMは荷重Pと荷重偏心量eとの積P・eである
から、偏心荷重量eが減少すると、その分だけモーメン
トMは小さく抑制されることになる。
【0024】このように、本実施例のコイルスプリング
10によれば、座巻部100の厚さの増大及び小径化に
よりその高剛性化を図ることで、コイルスプリング10
の両端の座巻部100に作用するモーメントを小さく抑
制することが可能となっている。ところで、コイルスプ
リング10がたわんだ場合に、座巻部100とこれに隣
接する素線とが接触すると、この素線から座巻部100
に荷重が作用することにより、座面100aの荷重分布
が変化する。この場合、軸荷重Pの作用点S0 の位置が
変化することで、上記したモーメントの釣合い状態が崩
れ、横荷重Hが発生することになる。これに対して、本
実施例では、コイルスプリング10が最大限にたわんだ
状態(すなわち、図1において、弁体12が全開位置ま
で駆動された状態)においても、座巻部100と、それ
に隣接する一般部102の素線との間の隙間(以下、端
末隙間Gと称す)が確保されるように座巻部100を構
成している。従って、実施例によれば、コイルスプリン
グ10のたわみ量にかかわらず軸荷重Pの作用点S0
位置を略一定に保つことができるので、コイルスプリン
グ10の全たわみ領域にわたって横荷重Hが発生するの
を防止することができる。
【0025】なお、上述の如く、座巻部100のピッチ
角α1 が一般部102のピッチ角α 2 よりも小さくされ
る関係上、コイルスプリング10のピッチは、座巻部1
00と、端末隙間Gにおいて最小となる。従って、最大
たわみ時にも端末隙間Gが確保されるようにコイルスプ
リング10が構成されると、その全たわみ領域にわたっ
て各素線間に隙間が確保されることになる。
【0026】また、上述の如く、座巻部100は一般部
102よりも小径化されている。この場合、座巻部10
0と一般部102とが等径に構成された場合に比して、
座巻部100とこれに隣接する素線とが接触するまでの
コイルスプリング10のたわみ量が大きくなる。図6
は、このことを説明するための図である。図6に示す如
く、一般部102の座巻部100に隣接する素線102
aが一点鎖線で示す原位置から変位した場合、破線で示
す如く座巻部100と一般部102が等径である場合
は、素線102aは、図中最上点で座巻部100と接触
する。これに対して、本実施例では、図6に実線で示す
如く座巻部100が一般部102よりも小径化されてい
ることで、素線102aはその内径寄りの部位で座巻部
100と接触する。このため、座巻部100と一般部1
02とが等径とされた場合に比して、素線102aが一
般部100に接触するまでの素線102aのたわみ量は
δだけ増加し、その結果、端末隙間Gが消滅するまでの
コイルスプリング10の最大たわみ量も増加する。
【0027】上述の如く、本実施例では、コイルスプリ
ング10の両座面100aの座面傾斜角及び座面傾斜方
向を略一致させることにより横荷重Hを最小化すると共
に、座巻部100の高剛性化を図ることによりモーメン
トMを小さく抑制することが可能となっている。図7
は、かかるコイルスプリング10の設計手順をまとめた
ものである。
【0028】すなわち、まず、図7に示すブロックB1
では、両座面100aの座面傾斜方向が互いに等しくな
るようにコイルスプリング10の総巻数が選定される。
なお、両座面100aの座面傾斜方向が等しく設定され
ると、座巻部100は上下対称の構成となり、座面傾斜
角も互いに等しくなる。すなわち、ブロックB1では、
同時に、両座面の座面傾斜角も互いに等しく設定される
ことになる。また、これと並行して、ブロックB2で
は、座巻部100の外径D1が一般部102の外径D2
よりも小さくなるよう設計されると共に、座巻部100
の厚さtが大きくなるよう座巻部100のピッチ角α1
が設計される。その結果、ブロックB3に示す如く、座
巻部100の高剛性化により、荷重P1 及びP2 が均等
化されると共に荷重P3 が低減され、モーメントMが抑
制される。また、ブロックB4では、コイルスプリング
10の最大たわみ時にも端末隙間Gが確保されるよう
に、座巻部100の形状が設計される。これにより、ブ
ロックB5に示す如く、コイルスプリング10の全たわ
み領域において、上下両座面100aの座面傾斜角及び
座面傾斜方向が一致することとなり、全たわみ領域にお
いて横荷重Hが最小化される。
【0029】このように、上記の設計手順によれば、コ
イルスプリング10の全たわみ領域で横荷重Hを最小化
し、かつ、モーメントMを小さく抑制することができ
る。従って、本実施例によれば、弁軸24がバルブガイ
ド26を摺動する際に生ずる摩擦力を低減し、円滑な弁
体12の開閉を実現することができる。
【0030】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、コイルスプリングの使用たわみ領域の全体にわたっ
て、コイルスプリングに生ずる横荷重を低減することが
できる。また、請求項2記載の発明によれば、座巻部が
高剛性化することで、コイルスプリングに生ずるモーメ
ントをも小さく抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるコイルスプリングが適
用された排気弁又は吸気弁を構成する弁機構の断面図で
ある。
【図2】コイルスプリングの着座面の荷重分布を説明す
るための図である。
【図3】コイルスプリングの軸荷重圧縮状態を荷重偏心
方向に沿った平面で切断した断面図である。
【図4】コイルスプリングの平行圧縮状態を荷重偏心方
向に沿った平面で切断した断面図である。
【図5】コイルスプリングの座巻部近傍を側方から見た
拡大図である。
【図6】座巻部の小径化により素線間に接触が生ずるま
でのコイルスプリングのたわみ量が増加することを説明
するための図である。
【図7】本実施例のコイルスプリングの設計手順をまと
めた図である。
【符号の説明】
10 コイルスプリング 100 座巻部 100a 座面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 達雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 服部 宏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J059 AA10 AB20 BA05 BA06 BB01 BD01 CA05 GA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用最大たわみ時に各素線間に隙間が確
    保されるよう構成されたオープンエンド形状の弁ばね用
    コイルスプリングであって、 該コイルスプリングの両端の座面傾斜角及び座面傾斜方
    向を全たわみ領域でそれぞれ互いに略同一としたことを
    特徴とする弁ばね用コイルスプリング。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の弁ばね用コイルスプリン
    グにおいて、 座巻部を一般部に比して小径化すると共に、座巻部のピ
    ッチ角度を一般部のピッチ角度よりも小さくしたことを
    特徴とする弁ばね用コイルスプリング。
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