JP2005016159A - 電磁遮蔽パネルおよび電磁遮蔽窓 - Google Patents
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Abstract
【課題】周波数範囲が20MHz〜5GHzにおいて、電磁遮蔽性能が−10〜−30dBであるような、耐久性の良い安価な電磁遮蔽窓を提供する。
【解決手段】電磁遮蔽パネルが2枚の透明板状体の間に導電層を形成されてなり、該電磁遮蔽パネルを枠体に嵌め込まれてなる電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体の間に1層以上の導電層が形成され、該導電層は透明板状体のエッジから5mm乃至10mmの間に形成されておらず、枠体と透明板状体との間に枠体と導通する導電体を設ける。透明導電膜、金属製網でなる面積抵抗は100Ω/□以下の導電層を用い、導電層と導電体とのインピーダンスを0.1〜10Ωとする。
【選択図】 図1
【解決手段】電磁遮蔽パネルが2枚の透明板状体の間に導電層を形成されてなり、該電磁遮蔽パネルを枠体に嵌め込まれてなる電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体の間に1層以上の導電層が形成され、該導電層は透明板状体のエッジから5mm乃至10mmの間に形成されておらず、枠体と透明板状体との間に枠体と導通する導電体を設ける。透明導電膜、金属製網でなる面積抵抗は100Ω/□以下の導電層を用い、導電層と導電体とのインピーダンスを0.1〜10Ωとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物、特にOA化の進んだインテリジェントビルにおいて、電磁遮蔽パネルを用いる電磁遮蔽窓に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA・通信分野に代表されるように、建物や車両等に電子機器・装置が多用されている。それら電子機器・装置から発生する電磁波は、他の電子機器や電子制御機器が誤動作をしたり、ノイズを発生させたりする原因となっている。
【0003】
特に、高度情報化時代においては、窓ガラスから侵入する電磁波が、建物内のコンピューターや通信機器等を誤動作させたり、ノイズ源となるケースが増大している。また、逆に、建物内の電子機器から発生する電磁波が、窓ガラスから屋外へ出ていき、建物の外部の電子機器等を誤動作させたり、ノイズ源になっている。
【0004】
このような誤動作やノイズ源を防止するために、さらに、建物外へ出る電波による機密漏洩を防止する目的で、窓を含む建物外壁面に、電磁遮蔽性能が要求されてきた。
【0005】
建物の窓に、電磁遮蔽性能を付与する、多くの提案がなされており、例えば、開口部に電磁遮蔽機能を付与する方法として、2枚の板ガラスをスペーサーで間隔保持し、周縁端部を封着して2枚の板ガラスの間に空気層を設ける複層ガラス構造として、透明導電膜を板ガラスの空気層側に配設したものが知られている(特許文献1)。
【0006】
また、透明導電膜の電磁遮蔽性能を十分に発揮させるため、複層ガラス構造あるいは2重ガラス構造において、板ガラスの間の空気層側に配置される透明導電膜を窓枠部材などの導電体と導通させ、接地させる必要がある。特許文献2には、空気層側に形成されている透明導電膜と窓枠等の導電体との接続に、金属箔や金属テープを用いることが示されている。
【0007】
一般に、電磁シールド処理されたビルや居室に用いられる電磁シールド部材、例えば電磁遮蔽ガラス、サッシ部材、扉、壁部材などの電磁遮蔽性能は、耐用年数が5年とされている。すなわち、電磁遮蔽ガラスにおいて、5年間は保証期間として電磁遮蔽性能を維持する必要がある。
【0008】
導通に金属箔や金属テープを用いる場合、金属箔や金属テープの部位から水分が透明導電性膜に浸入し、導電膜が劣化して抵抗が高くなり、電磁遮蔽性能が不十分になることや、また透明導電膜が不透明になる等の問題が生じる。それを改善するために、ブチルゴムを接着剤とする耐水性テープで保護する技術が開示されている(特許文献3、4)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭64−5099号公報
【特許文献2】
実開平3−83996号公報
【特許文献3】
特開平11―312892公報
【特許文献4】
特開平11―312893公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
透明導電膜と枠などの導体との導通を導電性テープでする場合、水分が浸透していまい、透明導電膜が劣化してしまう。特に透明導電膜がAgとZnOの複合膜や耐酸性を有しないITO膜などは顕著である。また、導電性テープをブチルゴム系の耐水テープで保護する場合、ブチルゴム系の粘着力のため、施工が煩雑となり、施工ミスが生じやすいとう問題があった。
【0011】
他方、電磁遮蔽性能については、建物内の電算機システムの誤動作は、装置の誤動作の許容レベルまでにノイズ源の電波強度を低減させればよく、電磁波ノイズに対する誤動作をしない許容レベルは、汎用コンピューターおよびパーソナルコンピューターで110〜120dB程度であり、一般に、ノイズ源の電磁波の強度は、最大レベルで150dB程度であるが、ノイズ源からの距離による減衰等を考慮して、開口部に求められる電磁遮蔽性能はー10〜―30dBあれば、電磁遮蔽窓として使用することができる。
【0012】
また、建物内部において、PHS電話やパーソナルコンピューター(PC)などが構内の無線LANなどに使用され、該無線通信に対するPCやサーバーの誤動作防止や盗聴防止を目的とする場合、電磁遮蔽をする周波数範囲は、20MHz〜5GHzと限定できる。
本発明は、このような事情に鑑み、周波数範囲が20MHz〜5GHzにおいて、電磁遮蔽性能が−10〜−30dBであるような、耐久性の良い安価な電磁遮蔽窓を提供する。
【0013】
【問題を解決するための手段】
本発明の電磁遮蔽窓は、電磁遮蔽パネルが2枚の透明板状体の間に導電層を形成されてなり、該電磁遮蔽パネルを枠体に嵌め込まれてなる電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体の間に1層以上の導電層が形成され、該導電層は透明板状体のエッジから5mm乃至10mmの間に形成されておらず、枠体と透明板状体との間に枠体と導通する導電体を設けてあることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0014】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層の面積抵抗が100Ω/□以下であることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0015】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層が、透明板状体に成膜された透明導電膜、金属製網、透明導電膜が塗膜された樹脂フィルムの中から選ばれていることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0016】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、電磁遮蔽パネルと枠体との間の面クリアランスに導電性シーリング材を用いることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0017】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体が1層以上の中間膜で接着されていることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0018】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体がスペーサーを介して対向配置され、板状体とスペーサーとにより密閉された空気層を形成されてなることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0019】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層と導電体又は/および導電性シール材とのインピーダンスを0.1〜10Ωとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁遮蔽窓である。
【0020】
【発明の実施の形態】
20〜30MHzの周波数帯においては高出力のトラック無線(CB無線)があり、800MHz〜1GHz、1.5GHz帯における携帯電話および1.9GHz帯のPHS電話、また2.45GHz帯においてはPDA(情報携帯端末)やPCによる無線LAN、さらにまた5GHz帯においてもPCによる無線LANなどのノイズ電波が問題となる。
【0021】
本発明の電磁遮蔽窓に用いる電磁遮蔽パネルは、2枚の透明板状体の間に導電層を配設したものである。
【0022】
透明板状体には、ソーダ石灰系ガラス、アルミノ珪酸系ガラス、ホウ珪酸系ガラス等の各種板ガラスやポリカーボネイト板やアクリル板などが使用できる。
【0023】
導電層には、透明板状体の面に成膜された透明導電膜、透明導電膜が成膜されている透明樹脂フィルム、金属製網等を好適に用いることができる。
【0024】
透明板状体に形成する透明導電膜には、Ag膜、Ag膜とZnO膜とを交互に積層した積層膜、ITO膜等を用いることができる。Ag膜、ZnO膜およびITO膜は、スパッタリング法、真空蒸着法あるいはイオンプレーティング法などで透明板状体に成膜することが好ましい。
【0025】
透明導電膜を形成した樹脂フィルムには、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルなどの透明な樹脂フィルムの表面にAg膜、Ag膜とZnO膜とを交互に積層した積層膜、ITO膜等をスパッタリング法、真空蒸着法あるいはイオンプレーティング法などで成膜したものを用いることが好ましい
金属製網は、ステンレス鋼、銅、モネルなどの金属製ワイヤに反射防止用の黒染酸化被膜、シリコン、ネオプレンなどの絶縁被覆をしたものなど各種の金属製網を採用できる。
【0026】
透明板状体に成膜された透明導電膜については、透明板状体のエッジから5mm〜10mmの範囲には透明導電膜が成膜されていない方が、耐久性のために望ましい。このような透明導電膜は、透明板状体に透明導電膜を成膜するときに、透明板状体のエッジ付近をマスキングするか、あるいは、透明板状体の全体に透明導電膜を成膜した後に、エッジ付近の透明導電膜を、研磨あるいはエッチング等で除去して、得ることができる。
【0027】
透明導電膜を形成した樹脂フィルムを用いる場合は、該樹脂フィルムの大きさを透明板状体のエッジから5mm〜10mm小さくすることが望ましい。あるいは、透明導電膜を形成した樹脂フィルムのサイズを透明板状体と同じサイズにし、樹脂フィルムのエッジから5mm〜10mmの範囲に形成されている透明導電膜を除去してもよい。
【0028】
金属製網については、透明板状体エッジから5mm〜10mm内側に金属製網のエッジが位置するように、金属製網を裁断して用いる。
【0029】
導電層が透明板状体に形成された透明導電膜の場合は、ポリビニルブチラールやEVA等の中間膜を用いて、2枚の透明板状体を接着してなる合わせガラスの構成や、金属製や樹脂製のスペーサーを用いて2枚の透明板状体を対向配置し、スペーサーと2枚の透明板状体との間に密閉された空気層が形成される複層ガラスの構成で用いることが好ましい。
【0030】
図1(1)は、透明導電膜3が形成されている透明板状体1を、中間膜2で透明板状体1′に接着し、合わせガラスの構成にした電磁遮蔽パネルであり、図1(2)は、透明板状体1′にも、透明導電膜3′が形成されている電磁遮蔽パネルである。aは5〜10mmとすることが好ましい。aの値が5mm以上であれば、十分な耐久性が得られる。10mm以下とするのは、図7に示すように、枠体24と電磁遮蔽パネル11との間に設ける導電体25が、導電層23と対向した配置することが困難となり、導電体25と導電層23との間の電気的導通の状態を示すインピーダンスが大きくなり、その結果、十分な電磁遮蔽性能が得にくくなるためである。
【0031】
導電層が、金属製網あるいは透明導電膜の形成された樹脂フィルムである場合は、2枚の透明板状体を導電層が透明板状体の面に形成された透明導電膜の場合は、ポリビニルブチラールやEVA等の中間膜を2枚用いて、2枚の中間膜の間に導電層を配設するようにして、2枚の透明板状体を接着してなる合わせガラスの構成とすることが好ましい。
【0032】
図3(1)、(2)は、透明導電膜4の形成された樹脂フィルム5を導電層として用い、中間膜2、2′の間に導電層を配置して、合わせガラスの構成とする場合である。図3(1)は、樹脂フィル5のエッジを透明板状体1、1′と同じ位置にした場合であり、図3(2)は、樹脂フィルム5のエッジを透明板状体と同じにした場合である。
【0033】
導電性フィルムに形成された透明導電膜4のエッジと、透明板状体1、1′のエッジとの距離bは、図1のaと同様に、5〜10mmとすることが好ましい。
【0034】
また、図4は、金属製網を中間膜2、2′の間に配置して、透明板状体1、1′を合わせガラスの構成としたものであり、金属製網のエッジと透明板状体のエッジとの距離cは距離aや距離bと同様、5〜10mmとすることが好ましい。
【0035】
図7に示すように、導電層23が2枚の透明板状体21、21′の間に配設されてなる電磁遮蔽パネル11を枠体に嵌め込むとき、枠体24と電磁遮蔽パネル11との間に、導電体25を設け、導電層23と枠体24との導通を好ましい状態にする。
【0036】
枠体が金属製でなく、木製あるいは樹脂製の場合、枠体に導電性膜26を形成することが好ましい。また、枠体が金属製であっても塗膜されて枠体の表面が絶縁状態であれば、塗膜を剥いで導通状態にするか、導電性膜26を形成してもよい。
【0037】
導電層23と導電体25との間のインピーダンスは、無線LANで用いられる周波数2.45GHzにおいて、コンデンサモデルに基づいて、(1)式によって計算される。
【0038】
Z(Ω)=d/(2πf・ε0・εg・S) (1)
ここに、Iはインピーダンス、fは周波数(2.45GHz)、ε0は空気の誘電率(8.854×10―12F/m)、εgはガラスの比誘電率(7×10―2)である。またdは距離(m)で、d=L1、Sは、導電層23と導電体25とが透明板状体の面に垂直方向に見たときの重なる面積であり、S=L2×(透明板状体21の幅)である。
【0039】
さらに、インピーダンスZおよび空気のインピーダンス377の値を用いて、電磁波の反射率Rおよび遮蔽性能Spが次の(2)式、(3)式によって求められる。
【0040】
R=((377−Z)/(377+Z))2 (2)
S=10log10(1−R) (3)
導電層と導電体は透明板状体を介して対向して配置されており、電磁遮蔽性能が―10dB〜ー30dBの範囲にあって有効な電磁遮蔽性能を有するためには、透明板状体の厚みdと、導電層と導電体とが対向している面積Sを調整して、インピーダンスZが、0.1〜10Ωとなるようにすることが望ましい。
【0041】
インピーダンスZは、式(1)で求められるが、インピーダンス測定器を用いて測定してもよい。
【0042】
さらに、―10dB〜ー30dBの範囲の電磁遮蔽性能を得るためには、導電層の面積抵抗が100Ω/□以下であることが望ましい。
【0043】
導電体は全体を金属線あるいはカーボン繊維をメッシュ構造としたもの、あるいはスパイラル中空構造としたもの、金属網や金属フィルムをパイプ状にしたものなどが好適に使用できる。
【0044】
窓枠と電磁遮蔽パネルとの間のシーリング材、導電性シーリング材を用いてもよい。導電性シーリング材は、金属やカーボン等の導電性材料の粉体をサルファイド系接着剤やシリコーン系接着剤等のシーリング材に混入せしめたものが使用できる。
【0045】
【実施例】
以下、図面を参考にしながら本発明を詳細に説明する。
【0046】
実施例1
透明板状体に厚み10mmの板ガラス(サイズ1010×1010mm)を2枚用い、その1枚に、Ag膜とZnO膜を交互に積層した透明導電膜3をスパッタリング法で成膜し導電層とした。透明導電膜3の面積抵抗は10Ω/□とした。板ガラスのエッジから10mmの範囲の透明導電膜は、研磨により除去した。
【0047】
図2に示すように、2枚の板ガラスを、導電層3を空気層12側に位置させて、乾燥剤10を充填したスペーサー9を用いて対向配置させ、複層ガラスの構成にした電磁遮蔽パネルを作製した。
【0048】
この電磁遮蔽パネルを、図5に示すようにサッシ24に装着し、電磁遮蔽窓とした。導電体には金属線でできたメッシュをパイプ状にし、透明板状体に垂直に見て、導電層と導電体とがL2=10mmの幅で重なるようにした。
【0049】
導電層23と導電体25およびサッシ24に塗膜した導電性被膜26との間のインピ−ダンスZ(Ω)をコンデンサモデルから、無線LANで使われる周波数2.45MHzに対して計算し、1.05Ωの値を得た。
【0050】
このインピ−ダンスに対して、(3)式から、遮蔽性能はー20dBとなるが、MIL−STD−285法(米国軍用規格)に規定されている挿入損失法で測定した結果、ガラス面での反射があり、遮蔽性能は−23dBであった。さらに、30MHz〜5GHzの帯域で、電磁遮蔽性能を測定したところ、―22〜―23dBの値であった。
【0051】
また、本実施例の電磁遮蔽窓に対し、屋外暴露試験(1年間)とJIS R 3209に規定される耐久性試験とを行ったところ、十分な耐久性のあることを確認した。
【0052】
実施例2
実施例1で作製した電磁遮蔽パネルを用い、図6に示すように、導電体を用いずに導電性シ−リング材31を用いた。
導電性シ−リング材には、カ−ボンを含有させたシリコーン樹脂にAg粉末を含有させたものを用いた。
【0053】
このようにして作製した電磁遮蔽窓も実施例1と同等の電磁遮蔽性能と耐久性の得られることを確認した。
【0054】
【発明の効果】
本発明の電磁遮蔽パネルおよび電磁遮蔽窓は、簡易な電磁遮蔽の開口部を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明導電膜が形成された透明板状体を、中間膜を用いて合わせガラスの構成とする電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図2】透明導電膜が形成された透明板状体を、スペーサーを用いて対向配置し複層ガラスの構成とする電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図3】透明導電膜を形成した樹脂フィルムを用いる電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図4】金属製網を用いる電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図5】透明導電膜を形成した透明板状体を用いて複層ガラス構成にした電磁遮蔽パネルを窓枠に嵌めた状態の要部断面図である。
【図6】実施例2の電磁遮蔽窓の要部断面図である。
【図7】エッジから10mmを越えた範囲に導電層を設けない場合の、電磁遮蔽窓の要部断面図である。
【符号の説明】
1、1′ 透明板状体
2、2′ 中間膜
3、3′ 透明導電膜
4 透明導電膜
5 樹脂フィルム
6 金属製網
7 1次シーリング材
8 2次シーリング材
9 スペーサー
10 乾燥剤
21、21′透明板状体,
22 空気層
23 透明導電膜
24 サッシ
25 導電体
26 導電性被膜
27 セッティングブロック
28 押縁
29 バックアップ材
30 シーリング材
31 導電性シ−リング材
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物、特にOA化の進んだインテリジェントビルにおいて、電磁遮蔽パネルを用いる電磁遮蔽窓に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA・通信分野に代表されるように、建物や車両等に電子機器・装置が多用されている。それら電子機器・装置から発生する電磁波は、他の電子機器や電子制御機器が誤動作をしたり、ノイズを発生させたりする原因となっている。
【0003】
特に、高度情報化時代においては、窓ガラスから侵入する電磁波が、建物内のコンピューターや通信機器等を誤動作させたり、ノイズ源となるケースが増大している。また、逆に、建物内の電子機器から発生する電磁波が、窓ガラスから屋外へ出ていき、建物の外部の電子機器等を誤動作させたり、ノイズ源になっている。
【0004】
このような誤動作やノイズ源を防止するために、さらに、建物外へ出る電波による機密漏洩を防止する目的で、窓を含む建物外壁面に、電磁遮蔽性能が要求されてきた。
【0005】
建物の窓に、電磁遮蔽性能を付与する、多くの提案がなされており、例えば、開口部に電磁遮蔽機能を付与する方法として、2枚の板ガラスをスペーサーで間隔保持し、周縁端部を封着して2枚の板ガラスの間に空気層を設ける複層ガラス構造として、透明導電膜を板ガラスの空気層側に配設したものが知られている(特許文献1)。
【0006】
また、透明導電膜の電磁遮蔽性能を十分に発揮させるため、複層ガラス構造あるいは2重ガラス構造において、板ガラスの間の空気層側に配置される透明導電膜を窓枠部材などの導電体と導通させ、接地させる必要がある。特許文献2には、空気層側に形成されている透明導電膜と窓枠等の導電体との接続に、金属箔や金属テープを用いることが示されている。
【0007】
一般に、電磁シールド処理されたビルや居室に用いられる電磁シールド部材、例えば電磁遮蔽ガラス、サッシ部材、扉、壁部材などの電磁遮蔽性能は、耐用年数が5年とされている。すなわち、電磁遮蔽ガラスにおいて、5年間は保証期間として電磁遮蔽性能を維持する必要がある。
【0008】
導通に金属箔や金属テープを用いる場合、金属箔や金属テープの部位から水分が透明導電性膜に浸入し、導電膜が劣化して抵抗が高くなり、電磁遮蔽性能が不十分になることや、また透明導電膜が不透明になる等の問題が生じる。それを改善するために、ブチルゴムを接着剤とする耐水性テープで保護する技術が開示されている(特許文献3、4)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭64−5099号公報
【特許文献2】
実開平3−83996号公報
【特許文献3】
特開平11―312892公報
【特許文献4】
特開平11―312893公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
透明導電膜と枠などの導体との導通を導電性テープでする場合、水分が浸透していまい、透明導電膜が劣化してしまう。特に透明導電膜がAgとZnOの複合膜や耐酸性を有しないITO膜などは顕著である。また、導電性テープをブチルゴム系の耐水テープで保護する場合、ブチルゴム系の粘着力のため、施工が煩雑となり、施工ミスが生じやすいとう問題があった。
【0011】
他方、電磁遮蔽性能については、建物内の電算機システムの誤動作は、装置の誤動作の許容レベルまでにノイズ源の電波強度を低減させればよく、電磁波ノイズに対する誤動作をしない許容レベルは、汎用コンピューターおよびパーソナルコンピューターで110〜120dB程度であり、一般に、ノイズ源の電磁波の強度は、最大レベルで150dB程度であるが、ノイズ源からの距離による減衰等を考慮して、開口部に求められる電磁遮蔽性能はー10〜―30dBあれば、電磁遮蔽窓として使用することができる。
【0012】
また、建物内部において、PHS電話やパーソナルコンピューター(PC)などが構内の無線LANなどに使用され、該無線通信に対するPCやサーバーの誤動作防止や盗聴防止を目的とする場合、電磁遮蔽をする周波数範囲は、20MHz〜5GHzと限定できる。
本発明は、このような事情に鑑み、周波数範囲が20MHz〜5GHzにおいて、電磁遮蔽性能が−10〜−30dBであるような、耐久性の良い安価な電磁遮蔽窓を提供する。
【0013】
【問題を解決するための手段】
本発明の電磁遮蔽窓は、電磁遮蔽パネルが2枚の透明板状体の間に導電層を形成されてなり、該電磁遮蔽パネルを枠体に嵌め込まれてなる電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体の間に1層以上の導電層が形成され、該導電層は透明板状体のエッジから5mm乃至10mmの間に形成されておらず、枠体と透明板状体との間に枠体と導通する導電体を設けてあることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0014】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層の面積抵抗が100Ω/□以下であることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0015】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層が、透明板状体に成膜された透明導電膜、金属製網、透明導電膜が塗膜された樹脂フィルムの中から選ばれていることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0016】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、電磁遮蔽パネルと枠体との間の面クリアランスに導電性シーリング材を用いることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0017】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体が1層以上の中間膜で接着されていることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0018】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体がスペーサーを介して対向配置され、板状体とスペーサーとにより密閉された空気層を形成されてなることを特徴とする電磁遮蔽窓である。
【0019】
また、本発明の電磁遮蔽窓は、前記電磁遮蔽窓において、導電層と導電体又は/および導電性シール材とのインピーダンスを0.1〜10Ωとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁遮蔽窓である。
【0020】
【発明の実施の形態】
20〜30MHzの周波数帯においては高出力のトラック無線(CB無線)があり、800MHz〜1GHz、1.5GHz帯における携帯電話および1.9GHz帯のPHS電話、また2.45GHz帯においてはPDA(情報携帯端末)やPCによる無線LAN、さらにまた5GHz帯においてもPCによる無線LANなどのノイズ電波が問題となる。
【0021】
本発明の電磁遮蔽窓に用いる電磁遮蔽パネルは、2枚の透明板状体の間に導電層を配設したものである。
【0022】
透明板状体には、ソーダ石灰系ガラス、アルミノ珪酸系ガラス、ホウ珪酸系ガラス等の各種板ガラスやポリカーボネイト板やアクリル板などが使用できる。
【0023】
導電層には、透明板状体の面に成膜された透明導電膜、透明導電膜が成膜されている透明樹脂フィルム、金属製網等を好適に用いることができる。
【0024】
透明板状体に形成する透明導電膜には、Ag膜、Ag膜とZnO膜とを交互に積層した積層膜、ITO膜等を用いることができる。Ag膜、ZnO膜およびITO膜は、スパッタリング法、真空蒸着法あるいはイオンプレーティング法などで透明板状体に成膜することが好ましい。
【0025】
透明導電膜を形成した樹脂フィルムには、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルなどの透明な樹脂フィルムの表面にAg膜、Ag膜とZnO膜とを交互に積層した積層膜、ITO膜等をスパッタリング法、真空蒸着法あるいはイオンプレーティング法などで成膜したものを用いることが好ましい
金属製網は、ステンレス鋼、銅、モネルなどの金属製ワイヤに反射防止用の黒染酸化被膜、シリコン、ネオプレンなどの絶縁被覆をしたものなど各種の金属製網を採用できる。
【0026】
透明板状体に成膜された透明導電膜については、透明板状体のエッジから5mm〜10mmの範囲には透明導電膜が成膜されていない方が、耐久性のために望ましい。このような透明導電膜は、透明板状体に透明導電膜を成膜するときに、透明板状体のエッジ付近をマスキングするか、あるいは、透明板状体の全体に透明導電膜を成膜した後に、エッジ付近の透明導電膜を、研磨あるいはエッチング等で除去して、得ることができる。
【0027】
透明導電膜を形成した樹脂フィルムを用いる場合は、該樹脂フィルムの大きさを透明板状体のエッジから5mm〜10mm小さくすることが望ましい。あるいは、透明導電膜を形成した樹脂フィルムのサイズを透明板状体と同じサイズにし、樹脂フィルムのエッジから5mm〜10mmの範囲に形成されている透明導電膜を除去してもよい。
【0028】
金属製網については、透明板状体エッジから5mm〜10mm内側に金属製網のエッジが位置するように、金属製網を裁断して用いる。
【0029】
導電層が透明板状体に形成された透明導電膜の場合は、ポリビニルブチラールやEVA等の中間膜を用いて、2枚の透明板状体を接着してなる合わせガラスの構成や、金属製や樹脂製のスペーサーを用いて2枚の透明板状体を対向配置し、スペーサーと2枚の透明板状体との間に密閉された空気層が形成される複層ガラスの構成で用いることが好ましい。
【0030】
図1(1)は、透明導電膜3が形成されている透明板状体1を、中間膜2で透明板状体1′に接着し、合わせガラスの構成にした電磁遮蔽パネルであり、図1(2)は、透明板状体1′にも、透明導電膜3′が形成されている電磁遮蔽パネルである。aは5〜10mmとすることが好ましい。aの値が5mm以上であれば、十分な耐久性が得られる。10mm以下とするのは、図7に示すように、枠体24と電磁遮蔽パネル11との間に設ける導電体25が、導電層23と対向した配置することが困難となり、導電体25と導電層23との間の電気的導通の状態を示すインピーダンスが大きくなり、その結果、十分な電磁遮蔽性能が得にくくなるためである。
【0031】
導電層が、金属製網あるいは透明導電膜の形成された樹脂フィルムである場合は、2枚の透明板状体を導電層が透明板状体の面に形成された透明導電膜の場合は、ポリビニルブチラールやEVA等の中間膜を2枚用いて、2枚の中間膜の間に導電層を配設するようにして、2枚の透明板状体を接着してなる合わせガラスの構成とすることが好ましい。
【0032】
図3(1)、(2)は、透明導電膜4の形成された樹脂フィルム5を導電層として用い、中間膜2、2′の間に導電層を配置して、合わせガラスの構成とする場合である。図3(1)は、樹脂フィル5のエッジを透明板状体1、1′と同じ位置にした場合であり、図3(2)は、樹脂フィルム5のエッジを透明板状体と同じにした場合である。
【0033】
導電性フィルムに形成された透明導電膜4のエッジと、透明板状体1、1′のエッジとの距離bは、図1のaと同様に、5〜10mmとすることが好ましい。
【0034】
また、図4は、金属製網を中間膜2、2′の間に配置して、透明板状体1、1′を合わせガラスの構成としたものであり、金属製網のエッジと透明板状体のエッジとの距離cは距離aや距離bと同様、5〜10mmとすることが好ましい。
【0035】
図7に示すように、導電層23が2枚の透明板状体21、21′の間に配設されてなる電磁遮蔽パネル11を枠体に嵌め込むとき、枠体24と電磁遮蔽パネル11との間に、導電体25を設け、導電層23と枠体24との導通を好ましい状態にする。
【0036】
枠体が金属製でなく、木製あるいは樹脂製の場合、枠体に導電性膜26を形成することが好ましい。また、枠体が金属製であっても塗膜されて枠体の表面が絶縁状態であれば、塗膜を剥いで導通状態にするか、導電性膜26を形成してもよい。
【0037】
導電層23と導電体25との間のインピーダンスは、無線LANで用いられる周波数2.45GHzにおいて、コンデンサモデルに基づいて、(1)式によって計算される。
【0038】
Z(Ω)=d/(2πf・ε0・εg・S) (1)
ここに、Iはインピーダンス、fは周波数(2.45GHz)、ε0は空気の誘電率(8.854×10―12F/m)、εgはガラスの比誘電率(7×10―2)である。またdは距離(m)で、d=L1、Sは、導電層23と導電体25とが透明板状体の面に垂直方向に見たときの重なる面積であり、S=L2×(透明板状体21の幅)である。
【0039】
さらに、インピーダンスZおよび空気のインピーダンス377の値を用いて、電磁波の反射率Rおよび遮蔽性能Spが次の(2)式、(3)式によって求められる。
【0040】
R=((377−Z)/(377+Z))2 (2)
S=10log10(1−R) (3)
導電層と導電体は透明板状体を介して対向して配置されており、電磁遮蔽性能が―10dB〜ー30dBの範囲にあって有効な電磁遮蔽性能を有するためには、透明板状体の厚みdと、導電層と導電体とが対向している面積Sを調整して、インピーダンスZが、0.1〜10Ωとなるようにすることが望ましい。
【0041】
インピーダンスZは、式(1)で求められるが、インピーダンス測定器を用いて測定してもよい。
【0042】
さらに、―10dB〜ー30dBの範囲の電磁遮蔽性能を得るためには、導電層の面積抵抗が100Ω/□以下であることが望ましい。
【0043】
導電体は全体を金属線あるいはカーボン繊維をメッシュ構造としたもの、あるいはスパイラル中空構造としたもの、金属網や金属フィルムをパイプ状にしたものなどが好適に使用できる。
【0044】
窓枠と電磁遮蔽パネルとの間のシーリング材、導電性シーリング材を用いてもよい。導電性シーリング材は、金属やカーボン等の導電性材料の粉体をサルファイド系接着剤やシリコーン系接着剤等のシーリング材に混入せしめたものが使用できる。
【0045】
【実施例】
以下、図面を参考にしながら本発明を詳細に説明する。
【0046】
実施例1
透明板状体に厚み10mmの板ガラス(サイズ1010×1010mm)を2枚用い、その1枚に、Ag膜とZnO膜を交互に積層した透明導電膜3をスパッタリング法で成膜し導電層とした。透明導電膜3の面積抵抗は10Ω/□とした。板ガラスのエッジから10mmの範囲の透明導電膜は、研磨により除去した。
【0047】
図2に示すように、2枚の板ガラスを、導電層3を空気層12側に位置させて、乾燥剤10を充填したスペーサー9を用いて対向配置させ、複層ガラスの構成にした電磁遮蔽パネルを作製した。
【0048】
この電磁遮蔽パネルを、図5に示すようにサッシ24に装着し、電磁遮蔽窓とした。導電体には金属線でできたメッシュをパイプ状にし、透明板状体に垂直に見て、導電層と導電体とがL2=10mmの幅で重なるようにした。
【0049】
導電層23と導電体25およびサッシ24に塗膜した導電性被膜26との間のインピ−ダンスZ(Ω)をコンデンサモデルから、無線LANで使われる周波数2.45MHzに対して計算し、1.05Ωの値を得た。
【0050】
このインピ−ダンスに対して、(3)式から、遮蔽性能はー20dBとなるが、MIL−STD−285法(米国軍用規格)に規定されている挿入損失法で測定した結果、ガラス面での反射があり、遮蔽性能は−23dBであった。さらに、30MHz〜5GHzの帯域で、電磁遮蔽性能を測定したところ、―22〜―23dBの値であった。
【0051】
また、本実施例の電磁遮蔽窓に対し、屋外暴露試験(1年間)とJIS R 3209に規定される耐久性試験とを行ったところ、十分な耐久性のあることを確認した。
【0052】
実施例2
実施例1で作製した電磁遮蔽パネルを用い、図6に示すように、導電体を用いずに導電性シ−リング材31を用いた。
導電性シ−リング材には、カ−ボンを含有させたシリコーン樹脂にAg粉末を含有させたものを用いた。
【0053】
このようにして作製した電磁遮蔽窓も実施例1と同等の電磁遮蔽性能と耐久性の得られることを確認した。
【0054】
【発明の効果】
本発明の電磁遮蔽パネルおよび電磁遮蔽窓は、簡易な電磁遮蔽の開口部を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明導電膜が形成された透明板状体を、中間膜を用いて合わせガラスの構成とする電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図2】透明導電膜が形成された透明板状体を、スペーサーを用いて対向配置し複層ガラスの構成とする電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図3】透明導電膜を形成した樹脂フィルムを用いる電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図4】金属製網を用いる電磁遮蔽パネルの要部断面図である。
【図5】透明導電膜を形成した透明板状体を用いて複層ガラス構成にした電磁遮蔽パネルを窓枠に嵌めた状態の要部断面図である。
【図6】実施例2の電磁遮蔽窓の要部断面図である。
【図7】エッジから10mmを越えた範囲に導電層を設けない場合の、電磁遮蔽窓の要部断面図である。
【符号の説明】
1、1′ 透明板状体
2、2′ 中間膜
3、3′ 透明導電膜
4 透明導電膜
5 樹脂フィルム
6 金属製網
7 1次シーリング材
8 2次シーリング材
9 スペーサー
10 乾燥剤
21、21′透明板状体,
22 空気層
23 透明導電膜
24 サッシ
25 導電体
26 導電性被膜
27 セッティングブロック
28 押縁
29 バックアップ材
30 シーリング材
31 導電性シ−リング材
Claims (7)
- 電磁遮蔽パネルが2枚の透明板状体の間に導電層を形成され、該電磁遮蔽パネルを枠体に嵌め込まれてなる電磁遮蔽窓において、2枚の透明板状体の間に1層以上の導電層が形成され、該導電層のエッジが透明板状体のエッジから5mm乃至10mmの間に形成されておらず、枠体と透明板状体との間に枠体と導通する導電体を設けてあることを特徴とする電磁遮蔽窓。
- 導電層の面積抵抗が100Ω/□以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁遮蔽窓。
- 導電層が、透明板状体に成膜された透明導電膜、金属製網、透明導電膜が塗膜された樹脂フィルムの中から選ばれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁遮蔽窓。
- 電磁遮蔽パネルと枠体との間の面クリアランスに導電性シーリング材を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁遮蔽窓。
- 2枚の透明板状体が1層以上の中間膜で接着されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁遮蔽窓。
- 2枚の透明板状体がスペーサーを介して対向配置され、板状体とスペーサーとにより密閉された空気層を形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁遮蔽窓。
- 導電層と導電体又は/および導電性シール材とのインピーダンスが0.1〜10Ωであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁遮蔽窓。
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