JPH0537178A - 電磁波遮蔽透明体 - Google Patents
電磁波遮蔽透明体Info
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- JPH0537178A JPH0537178A JP3214441A JP21444191A JPH0537178A JP H0537178 A JPH0537178 A JP H0537178A JP 3214441 A JP3214441 A JP 3214441A JP 21444191 A JP21444191 A JP 21444191A JP H0537178 A JPH0537178 A JP H0537178A
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- JP
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- electromagnetic wave
- wave shielding
- conductive film
- glass
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高周波において電磁波遮蔽性能を向上する。
【構成】2枚の透明板10,11を間隔をもって設け、
この2枚の透明板の少なくとも一方の少なくとも片面に
電磁波遮蔽性透明導電膜3を設け、さらに、2枚の透明
板の間に水又は水を主成分とする物質2を封入する。
この2枚の透明板の少なくとも一方の少なくとも片面に
電磁波遮蔽性透明導電膜3を設け、さらに、2枚の透明
板の間に水又は水を主成分とする物質2を封入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波遮蔽透明体、特
に高周波において優れた電磁波遮蔽性能を有する電磁波
遮蔽透明体に関するものである。
に高周波において優れた電磁波遮蔽性能を有する電磁波
遮蔽透明体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化社会の発展に伴い、ビル、
その他各種の建物において、電磁波によるノイズが大き
な問題となってきている。この電磁波によるノイズ対策
として、外部の電磁波ノイズによって建物内部の機器が
障害を受けないように、外部の電磁波を建物内部に入れ
ない技術の開発や、他の建物に対しては電磁波による影
響を与えないように、建物内部から外部に電磁波を出さ
ない技術の開発が要望されている。
その他各種の建物において、電磁波によるノイズが大き
な問題となってきている。この電磁波によるノイズ対策
として、外部の電磁波ノイズによって建物内部の機器が
障害を受けないように、外部の電磁波を建物内部に入れ
ない技術の開発や、他の建物に対しては電磁波による影
響を与えないように、建物内部から外部に電磁波を出さ
ない技術の開発が要望されている。
【0003】特に、インテリジェントビル、コンピュー
ターセンター、精密電子機器類を使用する建物、オフィ
スや病院などでは、ノイズ発生、誤動作、情報の漏洩、
あるいは情報の盗聴防止の点から、電磁波を出さない技
術および電磁波を入れない技術が必要であり、今後その
必要性は益々増大することが予想される。また、電車や
高圧送電線等に近い電磁環境の悪いところでは、電磁波
を入れない電磁波遮蔽物が要求されている。
ターセンター、精密電子機器類を使用する建物、オフィ
スや病院などでは、ノイズ発生、誤動作、情報の漏洩、
あるいは情報の盗聴防止の点から、電磁波を出さない技
術および電磁波を入れない技術が必要であり、今後その
必要性は益々増大することが予想される。また、電車や
高圧送電線等に近い電磁環境の悪いところでは、電磁波
を入れない電磁波遮蔽物が要求されている。
【0004】このような電磁波を入れない、出さないビ
ルその他各種建物、オフィス等を構築する際に、もっと
も電磁波遮蔽性能を必要とする部位に窓や出入口などの
開口部がある。しかし、従来においては、窓あるいは出
入口などの開口部の材料、特に透明性を要求されるガラ
スなどの窓・開口部材料は、電磁波遮蔽性能がなかった
ので、電磁波遮蔽を行うことができなかった。
ルその他各種建物、オフィス等を構築する際に、もっと
も電磁波遮蔽性能を必要とする部位に窓や出入口などの
開口部がある。しかし、従来においては、窓あるいは出
入口などの開口部の材料、特に透明性を要求されるガラ
スなどの窓・開口部材料は、電磁波遮蔽性能がなかった
ので、電磁波遮蔽を行うことができなかった。
【0005】そのため、今までは高度な電磁波遮蔽性能
を有する建物は窓のない建物であり、太陽光が入らず、
また、職務環境も好ましいものではなかった。電磁波を
遮蔽する空間が必要な場合には、ビル内、または室内に
窓のない電磁波シールドルームを作る必要があり、この
場合にも前述したような欠点があった。
を有する建物は窓のない建物であり、太陽光が入らず、
また、職務環境も好ましいものではなかった。電磁波を
遮蔽する空間が必要な場合には、ビル内、または室内に
窓のない電磁波シールドルームを作る必要があり、この
場合にも前述したような欠点があった。
【0006】このような点から、高い電磁波遮蔽性能を
有し、かつ十分な太陽光の可視光域の透過性を有する窓
の開発が要求されており、実開平1−108995号公
報に示される様な電磁波遮蔽ガラスが提案されている。
しかし、上記考案ではガラス板に透明導電膜を形成し、
電磁波遮蔽ガラスを透過する電波を透明導電膜により遮
蔽するものであり、その本質上、透明導電膜は電波吸収
体でないので、反射は考慮されておらず、到来する電波
の大部分は反射し、電磁波遮蔽ガラスをとりつけた建造
物のまわりの建造物が、電波障害を受けるといった問題
点を有していた。
有し、かつ十分な太陽光の可視光域の透過性を有する窓
の開発が要求されており、実開平1−108995号公
報に示される様な電磁波遮蔽ガラスが提案されている。
しかし、上記考案ではガラス板に透明導電膜を形成し、
電磁波遮蔽ガラスを透過する電波を透明導電膜により遮
蔽するものであり、その本質上、透明導電膜は電波吸収
体でないので、反射は考慮されておらず、到来する電波
の大部分は反射し、電磁波遮蔽ガラスをとりつけた建造
物のまわりの建造物が、電波障害を受けるといった問題
点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の欠点を解消しようとするものであり、前述の電磁波遮
蔽透明体において、高い電磁波遮蔽性能を有し、かつ十
分な太陽光の可視光域の透過性能を有する電磁波遮蔽透
明体、特に電磁波を遮蔽するビル、建物、部屋の窓や出
入口などの開口部に使用するのに適した電磁波遮蔽透明
体を新規に提供することを目的とするものである。
の欠点を解消しようとするものであり、前述の電磁波遮
蔽透明体において、高い電磁波遮蔽性能を有し、かつ十
分な太陽光の可視光域の透過性能を有する電磁波遮蔽透
明体、特に電磁波を遮蔽するビル、建物、部屋の窓や出
入口などの開口部に使用するのに適した電磁波遮蔽透明
体を新規に提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、2枚の透明板が間隔
をもって設けられ、かかる2枚の透明板の少なくとも一
方の少なくとも片面に電磁波遮蔽性透明導電膜が設けら
れ、さらに、かかる2枚の透明板の間に水又は水を主成
分とする物質が封入されてなることを特徴とする電磁波
遮蔽透明体を提供するものである。
を解決すべくなされたものであり、2枚の透明板が間隔
をもって設けられ、かかる2枚の透明板の少なくとも一
方の少なくとも片面に電磁波遮蔽性透明導電膜が設けら
れ、さらに、かかる2枚の透明板の間に水又は水を主成
分とする物質が封入されてなることを特徴とする電磁波
遮蔽透明体を提供するものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。図
1は本発明の電磁波遮蔽透明体の一例の断面図である。
図1において、10、11は透明板、2は水又は水を主
成分とする物質、3は電磁波遮蔽性透明導電膜である。
1は本発明の電磁波遮蔽透明体の一例の断面図である。
図1において、10、11は透明板、2は水又は水を主
成分とする物質、3は電磁波遮蔽性透明導電膜である。
【0010】本実施例においては、透明板10、11は
通常家屋に使用される市販窓ガラスであるソーダライム
ガラスであり、厚さが8mmであり、両内外ガラスの空
間部の間隔は8mmとした。
通常家屋に使用される市販窓ガラスであるソーダライム
ガラスであり、厚さが8mmであり、両内外ガラスの空
間部の間隔は8mmとした。
【0011】本発明の電磁波遮蔽透明体の透明板10、
11としては、通常の板ガラスのほか、型板ガラス、網
入りガラス、強化ガラス、合わせガラス等の透明性ある
いは半透明の着色された、または着色されないガラス材
料、あるいはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニール樹脂等の透明性、あるいは半透明の着色され
た、または着色されないプラスチック板状材などが使用
できる。
11としては、通常の板ガラスのほか、型板ガラス、網
入りガラス、強化ガラス、合わせガラス等の透明性ある
いは半透明の着色された、または着色されないガラス材
料、あるいはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニール樹脂等の透明性、あるいは半透明の着色され
た、または着色されないプラスチック板状材などが使用
できる。
【0012】本実施例においては、水又は水を主成分と
する物質2としては、純水を用いて複層ガラスの空間部
に封入し密閉したが、凝固点を下げるための薬品を添加
しても良く、また、水分を多く含み、粘性のあるゲル状
で耐候性のある物質でも良い。この場合には、万一透明
板が割れても飛散しにくく、安全性が高まるといった効
果も期待できる。また、水又は水を主成分とする物質に
着色し、意匠性を高めることもできる。
する物質2としては、純水を用いて複層ガラスの空間部
に封入し密閉したが、凝固点を下げるための薬品を添加
しても良く、また、水分を多く含み、粘性のあるゲル状
で耐候性のある物質でも良い。この場合には、万一透明
板が割れても飛散しにくく、安全性が高まるといった効
果も期待できる。また、水又は水を主成分とする物質に
着色し、意匠性を高めることもできる。
【0013】透明板10、11に設けられる電磁波遮蔽
性透明導電膜3としては、本実施例においてはTiNx
膜/ITO膜/TiNx 膜の構成としたが、透明性酸化
錫導電膜(アンチモンやフッ素のドーピングされた酸化
錫導電膜)や透明性酸化錫インジウム導電膜(錫のドー
ピングされた酸化インジウム導電膜)などが使用でき
る。
性透明導電膜3としては、本実施例においてはTiNx
膜/ITO膜/TiNx 膜の構成としたが、透明性酸化
錫導電膜(アンチモンやフッ素のドーピングされた酸化
錫導電膜)や透明性酸化錫インジウム導電膜(錫のドー
ピングされた酸化インジウム導電膜)などが使用でき
る。
【0014】これらのほか、Cr、Ti、Ag、Au、
Al、Cu、Ni等の透明性金属または透明性合金から
なる単層薄膜タイプのもの、もしくは、これらの金属を
たとえば、ZnO、SnO2 、In2 O3 、TiO2 、
Bi2 O3 、Ta2 O5 、WO3 、ZnS等からなる薄
膜で上下からサンドイッチ状に挟み込んでなる多層薄膜
タイプのもの、例えばTiO2 膜/Ag膜/TiO2
膜、ZnO膜/Ag膜/ZnO膜、SnO2 膜/Ag膜
/SnO2 膜等の三層タイプ、TiO2 膜/Ag膜/T
iO2 膜/Ag膜/TiO2 、ZnO膜/Ag膜/Zn
O膜/Ag膜/ZnO膜などの五層タイプやその他適宜
の構成のものを用いることができる。
Al、Cu、Ni等の透明性金属または透明性合金から
なる単層薄膜タイプのもの、もしくは、これらの金属を
たとえば、ZnO、SnO2 、In2 O3 、TiO2 、
Bi2 O3 、Ta2 O5 、WO3 、ZnS等からなる薄
膜で上下からサンドイッチ状に挟み込んでなる多層薄膜
タイプのもの、例えばTiO2 膜/Ag膜/TiO2
膜、ZnO膜/Ag膜/ZnO膜、SnO2 膜/Ag膜
/SnO2 膜等の三層タイプ、TiO2 膜/Ag膜/T
iO2 膜/Ag膜/TiO2 、ZnO膜/Ag膜/Zn
O膜/Ag膜/ZnO膜などの五層タイプやその他適宜
の構成のものを用いることができる。
【0015】また、これらの構成からなる透明導電膜3
は、真空蒸着法、スパッター法、CVD法、スプレー
法、CLD法、プリント印刷法など、適宜の被膜形成法
を用いて形成することができる。この場合、透明導電膜
は、透明板面に直接積層させて形成するのが望ましい
が、例えば、ポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルム面に透明導電膜を積層することで形成した透明
導電性プラスチックフィルムを透明導電膜として使用
し、これを透明板に積層することで使用することもでき
る。
は、真空蒸着法、スパッター法、CVD法、スプレー
法、CLD法、プリント印刷法など、適宜の被膜形成法
を用いて形成することができる。この場合、透明導電膜
は、透明板面に直接積層させて形成するのが望ましい
が、例えば、ポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルム面に透明導電膜を積層することで形成した透明
導電性プラスチックフィルムを透明導電膜として使用
し、これを透明板に積層することで使用することもでき
る。
【0016】本発明において使用される透明導電膜3と
しては、高い電磁波遮蔽効果が得られるように、20Ω
/□以下の面積抵抗とするのが好ましい。特に400M
Hz以上の広い高周波領域の電磁波が効果的に遮蔽され
るように、10Ω/□以下とするのが最適である。透明
導電膜の膜厚は、上記したような所望の抵抗値と所望の
可視光透過率が得られるように、また所望の色調が得ら
れるように、適宜決定される。
しては、高い電磁波遮蔽効果が得られるように、20Ω
/□以下の面積抵抗とするのが好ましい。特に400M
Hz以上の広い高周波領域の電磁波が効果的に遮蔽され
るように、10Ω/□以下とするのが最適である。透明
導電膜の膜厚は、上記したような所望の抵抗値と所望の
可視光透過率が得られるように、また所望の色調が得ら
れるように、適宜決定される。
【0017】透明板に形成される透明導電膜3を2つあ
るいはそれ以上に分割されたタイプとし、複数枚の透明
導電膜から構成されるようにしてもよい。この場合各透
明導電膜間の間隔は電磁波が漏れないように1cm以下
とするのが好ましい。このように複数枚の透明導電膜を
1枚の透明板に形成した場合には、それぞれを電気的に
並列接続することによって、1枚の透明板に形成された
複数枚の透明導電膜の全体としての電気抵抗値を下げる
ことができ、電磁波遮蔽性能を向上させることができ
る。
るいはそれ以上に分割されたタイプとし、複数枚の透明
導電膜から構成されるようにしてもよい。この場合各透
明導電膜間の間隔は電磁波が漏れないように1cm以下
とするのが好ましい。このように複数枚の透明導電膜を
1枚の透明板に形成した場合には、それぞれを電気的に
並列接続することによって、1枚の透明板に形成された
複数枚の透明導電膜の全体としての電気抵抗値を下げる
ことができ、電磁波遮蔽性能を向上させることができ
る。
【0018】又、透明導電膜3は透明板10、11の少
なくとも一方の少なくとも片面に形成すればよいもので
あるが、必要に応じ、二面あるいはそれ以上の面に形成
してもよい。
なくとも一方の少なくとも片面に形成すればよいもので
あるが、必要に応じ、二面あるいはそれ以上の面に形成
してもよい。
【0019】透明板に形成される透明導電膜3には、こ
れらに入射した電磁波がアースに落とされ、電磁波遮蔽
性能が発揮されるように、アース用のアース接続端を設
けることもできる。透明導電膜3においては、通常A
g、Alなど導電性金属粉末を含む導電性ペーストを透
明導電膜面上の適宜の周辺部に所定パターンをもってプ
リント印刷し、焼付け、あるいは硬化させてブスバーを
形成したり、あるいは、所定パターンのAl箔やCu箔
を貼り付けてブスバーを形成し、このブスバーの適宜の
位置にアース接続端を設ける。このアース接続端には、
必要に応じて、アース線の接続を容易にするためにター
ミナルを取り付けることもできる。
れらに入射した電磁波がアースに落とされ、電磁波遮蔽
性能が発揮されるように、アース用のアース接続端を設
けることもできる。透明導電膜3においては、通常A
g、Alなど導電性金属粉末を含む導電性ペーストを透
明導電膜面上の適宜の周辺部に所定パターンをもってプ
リント印刷し、焼付け、あるいは硬化させてブスバーを
形成したり、あるいは、所定パターンのAl箔やCu箔
を貼り付けてブスバーを形成し、このブスバーの適宜の
位置にアース接続端を設ける。このアース接続端には、
必要に応じて、アース線の接続を容易にするためにター
ミナルを取り付けることもできる。
【0020】なお、透明導電膜3にアース接続端を設け
ない場合には、例えば透明導電膜の所定部分を露出さ
せ、電磁波遮蔽透明体を枠に取り付けるときに、かかる
透明導電膜の露出部分に導電性シーラント、導電ゴムな
どを配し、これを利用して導通をとる方法などが採用さ
れる。
ない場合には、例えば透明導電膜の所定部分を露出さ
せ、電磁波遮蔽透明体を枠に取り付けるときに、かかる
透明導電膜の露出部分に導電性シーラント、導電ゴムな
どを配し、これを利用して導通をとる方法などが採用さ
れる。
【0021】本発明においては、個々の導電性を有する
枠と個々の透明導電膜とを物理的に、あるいは電気的に
接続することにより枠の一箇所から、あるいは複数箇所
からアースへ落とすようして、施工される。
枠と個々の透明導電膜とを物理的に、あるいは電気的に
接続することにより枠の一箇所から、あるいは複数箇所
からアースへ落とすようして、施工される。
【0022】
【作用】本発明において、2枚の透明板を間隔をもって
設け、そのうち少なくとも一方の少なくとも片面に電磁
波遮蔽性透明導電膜を設け、さらに、2枚の透明板間に
形成された空間部に水又は水を主成分とする物質を封入
することにより、透明導電膜の電磁波遮蔽性能に加え
て、水による電波の透過損失の効果により高周波におい
て高い電磁波遮蔽性能が得られる。
設け、そのうち少なくとも一方の少なくとも片面に電磁
波遮蔽性透明導電膜を設け、さらに、2枚の透明板間に
形成された空間部に水又は水を主成分とする物質を封入
することにより、透明導電膜の電磁波遮蔽性能に加え
て、水による電波の透過損失の効果により高周波におい
て高い電磁波遮蔽性能が得られる。
【0023】水の比誘電率は10GHzにおいて63、
誘電正接は0. 55であることが文献(電子工学のため
の複合材料、電子通信学会編)により知られている。一
方、電波が物質を透過する時の波長は、物質の比誘電率
の平方根に逆比例することが知られているため、2枚の
透明板からなる複層体の空間部内に空気が存在する場合
に比べて、波長が約8分の1に短縮される。また、水の
誘電正接は空気に比べて大きいので複層体の空間部に水
又は水を主成分とする物質を封入することにより、空気
の場合より長い波長の周波数まで複層体の空間部での反
射、吸収により電波の高い透過損失を得ることができ
る。
誘電正接は0. 55であることが文献(電子工学のため
の複合材料、電子通信学会編)により知られている。一
方、電波が物質を透過する時の波長は、物質の比誘電率
の平方根に逆比例することが知られているため、2枚の
透明板からなる複層体の空間部内に空気が存在する場合
に比べて、波長が約8分の1に短縮される。また、水の
誘電正接は空気に比べて大きいので複層体の空間部に水
又は水を主成分とする物質を封入することにより、空気
の場合より長い波長の周波数まで複層体の空間部での反
射、吸収により電波の高い透過損失を得ることができ
る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、電磁波遮蔽性透明導電
膜に加えて、水による電波の透過損失の効果により高周
波遮断特性の良い電磁波遮蔽透明体が構成されるといっ
た優れた効果を有する。
膜に加えて、水による電波の透過損失の効果により高周
波遮断特性の良い電磁波遮蔽透明体が構成されるといっ
た優れた効果を有する。
【0025】本発明の電磁波遮蔽透明体は、透明性、透
光性の要求され、かつ高い電磁波遮蔽性能が要求される
インテリジェントビルやコンピューターセンター、精密
電子機器類を使用する建物、オフィス、病院あるいはそ
の他種々の建物の窓用ガラスとして有用である。
光性の要求され、かつ高い電磁波遮蔽性能が要求される
インテリジェントビルやコンピューターセンター、精密
電子機器類を使用する建物、オフィス、病院あるいはそ
の他種々の建物の窓用ガラスとして有用である。
【0026】さらに用途としては、外壁の開口部での電
磁波遮蔽採光窓ばかりでなく、室内での電磁波遮蔽性能
が要求される間仕切あるいは、衝立て等にも利用するこ
とができる。これらの透明導電膜は、いずれも熱線反射
性の高い性質を有するものを用いた場合を例示している
が、必要によっては、上記以外の熱線反射性の比較的低
い性質を有する膜を用いることもできる。なお、熱線反
射性に富む膜を用いて透明導電膜を形成してあるとき
は、冷暖房負荷軽減機能を有して断熱性に富む窓材とし
て使用することもできる。
磁波遮蔽採光窓ばかりでなく、室内での電磁波遮蔽性能
が要求される間仕切あるいは、衝立て等にも利用するこ
とができる。これらの透明導電膜は、いずれも熱線反射
性の高い性質を有するものを用いた場合を例示している
が、必要によっては、上記以外の熱線反射性の比較的低
い性質を有する膜を用いることもできる。なお、熱線反
射性に富む膜を用いて透明導電膜を形成してあるとき
は、冷暖房負荷軽減機能を有して断熱性に富む窓材とし
て使用することもできる。
【図1】本発明の電磁波遮蔽透明体の一例の断面図
2 水又は水を主成分とする物質 3 電磁波遮蔽性透明導電膜 10、11 透明板
Claims (1)
- 【請求項1】2枚の透明板が間隔をもって設けられ、か
かる2枚の透明板の少なくとも一方の少なくとも片面に
電磁波遮蔽性透明導電膜が設けられ、さらに、かかる2
枚の透明板の間に水又は水を主成分とする物質が封入さ
れてなることを特徴とする電磁波遮蔽透明体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3214441A JPH0537178A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 電磁波遮蔽透明体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3214441A JPH0537178A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 電磁波遮蔽透明体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0537178A true JPH0537178A (ja) | 1993-02-12 |
Family
ID=16655830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3214441A Withdrawn JPH0537178A (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 電磁波遮蔽透明体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0537178A (ja) |
Cited By (8)
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---|---|---|---|---|
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WO2007129607A1 (ja) | 2006-05-02 | 2007-11-15 | Central Glass Company, Limited | 無線lanに用いる電磁波吸収板 |
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-
1991
- 1991-07-31 JP JP3214441A patent/JPH0537178A/ja not_active Withdrawn
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