JPH0685474B2 - 改良された電磁波遮蔽複層体 - Google Patents

改良された電磁波遮蔽複層体

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JPH0685474B2
JPH0685474B2 JP62327399A JP32739987A JPH0685474B2 JP H0685474 B2 JPH0685474 B2 JP H0685474B2 JP 62327399 A JP62327399 A JP 62327399A JP 32739987 A JP32739987 A JP 32739987A JP H0685474 B2 JPH0685474 B2 JP H0685474B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、優れた電磁波遮蔽性能を有し、窓、ドア等に
使用するのに適した電磁波遮蔽複層体に関するものであ
る。
[従来技術] 近年、ビル、その他各種の建物において、電磁波による
ノイズが大きな問題となっている。かかる電磁波による
ノイズ対策として、外部の電磁波ノイズによって建物内
部の機器が障害を受けない様に、外部の電磁波を建物内
部に入れない技術の開発や、他の建物に対しては電磁波
による影響を与えない様に、建物の内部から外部に電磁
波を出さない技術の開発が要望されている。特に、ビル
内に光ファイバー・ケーブルや同軸ケーブル、あるいは
無線通信などの情報ネットワークシステムを張りめぐら
したインテリジェントビル、コンピューター・センタ
ー、精密電子機器類を使用する建物、オフィスや病院な
どでは、ノイズを発生、誤動作、情報の漏洩、あるいは
情報の盗聴防止の点から、電磁波を出さない技術及び電
磁波を入れない技術が必要であり、今後その必要性は益
々増大することが予想される。又、電車や高圧送電線等
に近い電磁環境の悪い場所では、電磁波を入れない電磁
遮蔽建物が要求されている。
この様な電磁波を入れない、出さないビルその他各種建
物、オフィス等を構築する際に、最も電磁波遮蔽性能を
必要とする部位に窓や出入口などの開口部がある。しか
し従来においては、窓あるいは出入口などの開口部の材
料、特に透明性を要求されるガラスなどの窓・開口部材
料は、電磁波遮蔽性能がなかったので、電磁波遮蔽を行
なうことができなかった。そのため、今までは、高度な
電磁波遮蔽性能を有する建物は窓のない建物であり、太
陽光が入らず、又職務環境も好ましいものではなかっ
た。あるいは又、通常の建物において、電磁波を遮蔽す
る空間が必要な場合には、ビル内、又は室内に窓のない
電磁波シールドルームを作る必要があり、この場合にも
前述した様な欠点があった。
かかる点から、高い電磁波遮蔽性能を有し、かつ十分な
太陽光の可視光域の透過性能を有するガラス等の透明材
料の開発が要求されていた。
従来、高度な電磁波遮蔽性能を有し、かつ太陽光の可視
光域の透過性能を有する窓ガラスは高度な電磁波遮蔽性
能を有する細線で織られた布状のもの、例えばメッシュ
布を2枚のガラス板で挟む類いのもの、あるいは膜厚の
大きな金属膜をガラス面に付着させる類いのものであ
り、前者は電磁波遮蔽性能の面で満足のゆくものではな
く、かつ、太陽光の可視光域の透過性に難点がある。
又、後者は太陽光の可視光域の透過性に大きな問題を有
するという欠点を有していた。
又、従来のものにおいては、電磁波の遮蔽の要求性能に
応じて電磁波の遮蔽の程度の調整を行なうことができ、
通常時はある一定の電磁波遮蔽性能と高い透明性又は透
光性を有し、必要時により高い電磁波の遮蔽性能を示す
窓部材は存在しなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、前述した様な欠点がなく、通常時は充分な太
陽光の可視光が流入し、室内の充分な明るさを得ること
ができ、かつ一定の電磁波遮蔽性能を持ち、特に高い電
磁波遮蔽性能を必要とする時には、充分高い電磁波遮蔽
性能が得られるという電磁波の遮蔽の調整が任意に可能
な複層体、特に電磁波を遮蔽するビル、建物、部屋の窓
や出入口などの開口部に使用するのに適した複層体を提
供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の目的に基づき発明されたものであり、
その要旨は、複数枚の透明板を互いに間隔を設けて対向
保持せしめ、上記透明板間に内部中空層を形成し、周囲
が密閉されてなる複層透明体の上記透明板の少なくとも
1枚の透明板面に300MHz以上の周波数の電磁波を遮蔽す
る透明性導電膜を形成するとともに、内部中空層内に電
気良導体で400MHz以下の周波数の電磁波を遮蔽する電磁
波遮蔽性能を有し、かつ電磁波の遮蔽の調整が可能な遮
蔽体を、上記透明性導電膜と上記遮蔽体とを非導通状態
として設けたことにより10MHz以上の広い帯域の周波数
の電磁波を効果的に遮蔽することを特徴とする改良され
た電磁波遮蔽複層体に関するものである。
[実施例] 以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明に係る電磁波遮蔽透明体の一部省略概略
説明図であり、1は複層透明体、2,3は透明板、4は内
部中空層、5は透明性導電膜、6は電気良導体で電磁波
遮蔽性能を有し、かつ電磁波の遮蔽の調整が可能な遮蔽
体(以下、これを調整可能な遮蔽体と略す。)を示す。
第1図においては、調整可能な遮蔽体6として、上下に
可動可能なブラインドタイプのものを例示している。複
層透明体1は、2枚の透明板2,3をその周辺に配された
乾燥剤入りスペーサー7により互いに平行に所定の間隔
をもって隔置し、その周辺部にシーラント8を配して密
封し、2枚の透明板2,3間に内部中空層4が設けられる
様にされたものである。この複層透明体における透明板
としては、透明、半透明性、着色透明性、又は着色半透
明性のガラス板、あるいは各種プラスチック板が使用で
きるが、中でも、ガラス板は光学的特性、耐久性などの
点から好ましい。複層透明体の複層構成タイプとして
は、第1図に示したタイプに限らず、第2図に示した様
に2枚の透明板2,3をその周辺部に配された窓枠9によ
り所定巾の内部中空層が設けられる様に互いに平行に隔
置したタイプのもの、あるいはこれらに類似するタイプ
のものも同様に使用することができる。なお、上記した
例は、透明板を2枚用いた複層透明体について示したも
のであるが、更にもう1枚あるいは2枚の透明板を付加
して三層化、あるいは四層化することもできる。
本発明の複層透明体においては、該複層透明体を構成す
る透明板2,3の少なくとも一方に透明性導電膜が形成さ
れる。この透明性導電膜としては、例えば、透明性酸化
錫導電膜(アンチモン又はフッ素のドーピングされた酸
化錫導電膜)や透明性酸化インジウム導電膜(錫のドー
ピングされた酸化インジウム導電膜)などのほか、Cr,T
i,Ag,Au,Al,Cu,Ni等の透明性金属又は透明性合金などか
らなる単層薄膜タイプのもの、もしくは、これらの透明
性金属を例えば、ZnO,SnO2,In2O3,TiO2,Bi2O3,Ta2O
5,WO3,ZnSなどからなる薄膜で上下からサンドイッチ状
に挟み込んでなる多層薄膜タイプのもの、例えばTiO2
/Ag膜/TiO2膜、ZnO膜/Ag膜/ZnO膜、SnO2膜/Ag膜/SnO2
膜などの3層タイプ、TiO2膜/Ag膜/TiO2膜/Ag膜/TiO2
膜、ZnO膜/Ag膜/ZnO膜/Ag膜/ZnO膜などの5層タイプや
その他適宜の構成のものを用いることができる。これら
の透明性導電膜は、いずれも熱線反射性の高い性質を有
するものを用いた場合を例示してあるが、必要によって
は、上記以外の熱線反射性の比較的低い性質を有する膜
を用いることもできる。なお、熱線反射性に富む膜を用
いて透明性導電膜を形成してあるときは、冷暖房負荷軽
減機能を有して断熱性に富む窓材として使用することも
できる。
また、上記した構成からなる透明性導電膜は、真空蒸着
法、スパッター法、CVD法、スプレー法、CLD法、プリン
ト印刷法など、適宜の被膜形成法を用いて形成すること
ができる。この場合、透明性導電膜は、透明板面に直接
積層させて形成するのが望ましいが、例えば、ポリエス
テルフィルムなどのプラスチック・フィルム面に透明性
導電膜を積層することで形成した透明導電性プラスチッ
クフィルムを透明性導電膜として使用し、これを透明板
に積層することで使用することもできる。
本発明において使用される透明性導電膜としては、高い
電磁波遮蔽効果が得られる様に、20Ω/□以下の面積抵
抗とするのが好ましい。特に400MHzの高周波領域の電磁
波が効果的に遮蔽される様に、10Ω/□以下とするのが
最適である。透明性導電膜の膜厚は、上記した様な所望
の抵抗値と所望の可視光透過率が得られる様に、又所望
の色調が得られる様に、適宜決定される。
透明性導電膜は、複層透明体の少なくとも1枚の透明板
面に形成されればよいものであり、1枚の透明板のみに
形成してもよいし、2枚、又はそれ以上の透明板に形成
してもよい。又、1枚又は2枚以上の透明板に形成され
る透明性導電膜を2つあるいはそれ以上に分割されたタ
イプとし、複数枚の透明性導電膜から構成される様にし
てもよい。この場合、各透明性導電膜間の間隔は電磁波
が漏れない様に1cm以下とするのが好ましい。この様に
複数枚の透明性導電膜を1枚の透明板に形成した場合に
は、それぞれ電気的並列接続することによって、1枚の
透明板に形成された複数枚の透明性導電膜の全体として
の電気抵抗値を下げることができ、電磁波遮蔽性能を向
上させることができ、電磁波遮蔽性能を向上させること
ができる。透明性導電膜の形成される透明板の面は、複
層透明体の内部中空層側であってもよいし、室外側面、
あるいは室内側面であってもよい。透明性導電膜の耐久
性が充分でない場合には、透明板の内部中空層側とする
のが、耐久性の面から有利である。
又、本発明の複層透明体の内部中空層内に設けられる調
整可能な遮蔽体としては、必要時複層透明体の入射面を
全体又はほぼ全体を覆って電磁波が遮蔽される様に、又
は電磁波の遮蔽が調整される様に、少なくとも一部が電
気良導体性を有し、かつ可動可能なものが用いられる。
この電気良導体の調整可能な遮蔽体は、電気良導体の金
属又は合金(例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、
真鍮など)あるいはその他の導電性物質により遮蔽体を
構成したものであってもよいし、あるいはプラスチック
等により遮蔽体を構成し、その表面に電気良導体の金属
又は合金あるいはその他の導電性物質の被覆層を形成し
てなるものであってもよいし、あるいは電気良導体の金
属又は合金、又はその他の導電性物質により遮蔽体を構
成し、その表面に塗装層や絶縁層を施したものであって
もよい。
本発明における調整可能な遮蔽体としては、例えば、導
電性の羽根板を使ったブラインド、導電性繊維あるいは
導電性フィルムを使ったカーテン又はロールブライン
ド、あるいは電気的に良導体となったり、不良導体とな
ったりする電気シャッター、あるいは複層透明体の内部
中空層内に良導性の液体や粉体の出入れすることにより
良導状態体と不良導状態とを切り換えるタイプのもの、
その他適宜の手段で電磁波の遮蔽が調整できるものが使
用できる。
この調整可能な遮蔽体を構成する部材は透明性であって
も、不透明性であってもよい。又、この部材には場合に
より小孔や長さの短いスリットを設けてもよい。この遮
蔽体は可動可能な様に、又は調整可能な様に複層透明体
の内部中空層内に設けられるものである。この可動方式
としては、上下方向、あるいは横方向に遮蔽体が移動す
る様にし、電磁波を高度に遮蔽しようとする時には複層
透明体の入射面の全体あるいはほぼ全体を覆う様に移動
させ、又、高い電磁波の遮蔽が不必要時には複層透明体
の上下方向あるいは横方向の一端又は両端に収納される
様に移動させるタイプのもの、あるいは遮蔽体を多数の
羽根板により構成し、各羽根板が回動又は傾動する様に
し、高い電磁波を遮蔽しようとする時には、複層透明体
の入射面の全体あるいはほぼ全体を覆う様に各羽根板を
回動又は傾動させ、又高い電磁波の遮蔽が不必要時には
各羽根板が光を通過させる様に各羽根板を回動又は傾動
させるタイプのもの、あるいはその他適宜のタイプのも
のが使用される。
第3図に示した例は、複層透明体1の内部中空層4内に
縦方向に昇降するブラインドタイプの調整可能な遮蔽体
6を設けた例であり、第4図に示した例は、横方向に移
動するブラインドタイプの調整可能な遮蔽体6を設けた
例である。かかるブラインドタイプの調整可能な遮蔽体
6は、複数枚の羽根板10が水平、又は垂直にほぼ平行に
配列され、各羽根板10がそれらの少なくとも両端部でひ
も、リボン状体、ワイヤー、棒状体等の適宜の連結手段
11で所定の間隔をもって縦方向ないし横方向に連ねられ
て連結支持されており、これら連結された複数の羽根板
10は別途設けられた移動手段により横方向又は縦方向に
移動される様になっている。又、羽根板10は別途設けら
れた羽根板の回動手段、あるいは連結手段を兼ねた回動
手段により、各羽根板が適宜の角度に回動される様にな
っており、かかる羽根板の角度調整により、電磁波の入
射をカットする様になっている。そして、かかる羽根板
10の少なくとも室外側面を熱線反射性の材料により構成
しておけば、例えば夏期においては、ブラインドの羽根
板を回動させて、羽根板10の室外側面を太陽入射光線方
向に向けることによって太陽光線を反射させ、太陽熱の
室内への流入を低減し、室内温度の上昇を防止すること
ができるので好ましい。かかる熱線反射性の材料と電磁
波を遮蔽する電気良導性である材料を同一のものから構
成することもできる。
かかる熱線反射性能及び導電性能を有する羽根板として
は、種々の材料、形態のものが使用できる。例えば、プ
ラスチック製の羽根板にAl,Cr,Ni,Cu,Au等の金属あるい
は合金属層を含む導電性・熱線反射被覆を形成したも
の、あるいはプラスチック製の羽根板に上記した様な金
属層、あるいは合金属を含む導電性・熱線反射被覆を形
成したプラスチックフィルムを貼り付けたもの、あるい
はAl,Ni,Ni-Cr等の金属箔ないしは合金箔、又は金属薄
板ないしは合金薄板とプラスチック製の羽根板とを貼り
合わせたものが代表的なものとして挙げられるが勿論こ
れらに限定されるものではない。
上記した様なブラインドタイプやカーテンタイプ、ロー
ルブラインドタイプなどの調整可能な遮蔽体は、ほぼ全
周波数帯域で高い電磁波遮蔽性能を有するので、例え
ば、10MHz以上の広い周波数帯域の電磁波を効果的に遮
蔽することができる。
透明性導電膜がより高周波数域の電磁波(例えば、300M
Hz以上の高周波帯)を、又調整可能な遮蔽体が低周波数
域の電磁波(例えば、400MHz以下)をそれぞれ効果的に
遮蔽される様に、透明性導電膜と電気良導体の遮蔽体と
を非導通状態とする透明性導電膜と電気良導体の遮蔽体
とを非導通状態とするためには、両者の少なくとも当接
する部分の間に電気絶縁層を形成してもよいし、あるい
は、両者を隔置し、非導通状態となる様にしてもよい。
あるいは又、透明性導電膜の形成する面を調整可能な遮
蔽体と接しない面に選択することにより両者を非導通状
態とすることもできる。
透明性導電膜及び調整可能な電気導電性である遮蔽体の
少なくともいずれか一方には、これらに入射した電磁波
がアースに落され、電磁波遮蔽性能が発揮される様に、
アース用のアース接続端を設けることができる。透明性
導電膜と遮蔽体がそれぞれ別々にアース接続端が設けら
れ、透明性導電膜においては、通常Ag,Alなど導電性金
属粉末を含む導電性ペーストを透明導電膜面上の適宜の
周辺部に所定パターンをもってプリント印刷し、焼付
け、あるいは硬化させてブスバーを形成したり、あるい
は、所定パターンのAl箔やCu箔を貼り付けてブスバーを
形成し、このブスバーの適宜の位置にアース接続端を設
ける。このアース接続端には、必要に応じて、アース線
の接続を容易にするためにターミナルを取付けることも
できる。
なお、透明性導電膜には、必ずしもアース接続端を設け
る必要はない。例えば、透明性導電膜の所定部分を露出
させ、複層体をサッシ等に取付ける時に、上記透明性導
電膜の露出部分に導電性シーラントを配し、これを利用
してサッシとの導通をとる様にしてもよい。
又、可動可能な電気導電性である遮蔽体においては、遮
蔽体の移動に支障がない適宜の位置に、直接、あるいは
接続用金具を介することで、アース接続端が設けられ
る。このアース接続端は1箇所でもよいし、複数箇所で
あってもよい。
第5〜8図は、本発明の他の実施例に係る透明性導電膜
5と調整可能な電気良導体である遮蔽体6とを有する複
層透明体の断面図を示したものであり、第5図は、透明
板2,3の両方の内部中空層4側面に透明性導電膜5を形
成し、それぞれ別々にアースへ落す様にした例であり、
第6図は室外側の透明板2の両面に透明性導電膜5を形
成し、それぞれ別々にアースへ落す様にした例であり、
第7図は、室内側の透明板3の内部中空層4側面に透明
性導電膜5を形成し、それぞれ別々にアースへ落す様に
した例であり、又第8図は室内側の透明板3の室内側面
に透明性導電膜5を形成し、それぞれ別々にアースへ落
す様にした例である。
[作用及び効果] 本発明によれば、複層透明体を構成する透明板の内部中
空層側に透明性導電膜が形成され、又内部空間層内に調
整可能な電気良導体である遮蔽体が設けられているの
で、電磁波を安全に遮蔽しようとする場合、調整可能な
遮蔽体を可動、又は調整させ複層透明体の入射面側の全
体あるいはほぼ全体を覆うことにより、透明性導電膜と
遮蔽体の両方の作用により高い電磁波遮蔽効果が得られ
る。特に、透明性導電膜は、300MHz以上の高周波の電磁
波の遮蔽性能が高く、又電気良導体である遮蔽体は400M
Hz以下の低周波の電磁波の遮蔽性能が高いので、透明性
導電膜と遮蔽体の組合せ使用により、コンピュータ、ワ
ードプロセッサー、計測器類、ロボット類、その他各種
デジタル技術を応用した電子機器類から周囲に放射する
周波数域の電磁波、及びこれら種々の電子機器類や情報
ネットワーク等に誤動作や悪影響を与える周波数域の電
磁波、例えば10MHz以上の広い帯域の電磁波を効果的に
遮蔽することができる。
又、本発明の電磁波遮蔽複層体は、遮蔽体が調整可能と
なっているので、高い電磁波遮蔽の必要性がない場合、
調整可能な遮蔽体を複層透明体の一部に収納させたり、
ブラインドタイプの遮蔽体の場合は羽根板を回動又は傾
動させることで、太陽光の透光性を得ることができると
いう利点も有する。この場合においても透明板面には透
明性導電膜が形成されているので、ある一定の電磁波遮
蔽効果を有する。又、電磁波遮蔽の必要のない場合にお
いても遮蔽体を日射を遮えぎる単なるブラインドやカー
テンとしても使用できるという利点もある。
又、本発明の電磁波遮蔽複層体は、透明板の周囲が密閉
され、内部中空層が形成されているので遮音効果が高い
とともに、断熱効果が高く、冬期においては、暖房エネ
ルギーの節約を計ることができ、又夏期においても、室
外の熱の流入を抑えることができ、冷房負荷を低くする
ことができる効果も併せ持つものである。更に、透明性
導電膜は通常、赤外線反射性能も有するので、その特性
を利用することにより、夏期においては太陽光の熱線の
室内への流入を抑えることができ、又冬期においては室
内の熱の流出を抑えることもできるという効果も併わせ
持つもので、多機能ガラスとして有用である。
本発明の電磁波遮蔽複層体は、高い電磁波遮蔽性能が要
求され、又必要時透視性透光性が要求されるインテリジ
ェントビルやコンピューターセンター、精密電子機器類
が使用される建物、オフィース、病院あるいはその他種
々の建物の窓用ガラスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
第1,2図は、本発明の具体例に係る電磁波遮蔽複層体の
一部省略概略説明図、第3,4図は本発明の他の具体例に
係る平面図、第5〜8図は本発明の他の具体例に係る電
磁波遮蔽複層体の一部概略断面図を示す。 1:複層透明体、2,3:透明板、 4:内部中空層、5:透明性導電膜、 6:調整可能な遮蔽体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 9/00 N 7128−4E (72)発明者 中村 正武 東京都世田谷区砧2―16―1―304 (72)発明者 石川 敏行 千葉県市川市相ノ川3―2―18 (56)参考文献 実開 昭60−176596(JP,U) 実開 昭60−183497(JP,U) 実開 昭62−230098(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の透明板を互いに間隔を設けて対向
    保持せしめ、上記透明板間に内部中空層を形成し、周囲
    が密閉されてなる複層透明体の上記透明板の少なくとも
    1枚の透明板面に300MHz以上の周波数の電磁波を遮蔽す
    る透明性導電膜を形成するとともに、内部中空層内に電
    気良導体で400MHz以下の周波数の電磁波を遮蔽する電磁
    波遮蔽性能を有し、かつ電磁波の遮蔽の調整が可能な遮
    蔽体を、上記透明性導電膜と上記遮蔽体とを非導通状態
    として設けたことにより10MHz以上の広い帯域の周波数
    の電磁波を効果的に遮蔽することを特徴とする改良され
    た電磁波遮蔽複層体。
  2. 【請求項2】透明性導電膜及び遮蔽体の少なくともいず
    れか一方にはアース接続端を設けたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の改良された電磁波遮蔽複層
    体。
  3. 【請求項3】遮蔽体がブラインドであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の改良された電磁波遮蔽複
    層体。
  4. 【請求項4】遮蔽体がカーテンであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の改良された電磁波遮蔽複層
    体。
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