JP4767494B2 - 電磁波シールド方法及び電磁波シールド窓、電磁波シールド窓を備えた製造装置、電磁波シールド窓を備えた輸送機器、並びに電磁波シールド窓を備えた建築構造物 - Google Patents

電磁波シールド方法及び電磁波シールド窓、電磁波シールド窓を備えた製造装置、電磁波シールド窓を備えた輸送機器、並びに電磁波シールド窓を備えた建築構造物 Download PDF

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Description

<技術分野>
本発明は、可視光を透過させる一方、電磁波の透過を所定のレベル以下にまで低減する電磁波シールド方法及び電磁波シールド窓、電磁波シールド窓を備えた製造装置、電磁波シールド窓を備えた輸送機器、並びに電磁波シールド窓を備えた建築構造物に関する。
<背景技術>
近年、電気的エネルギー利用の増加に伴い、不要電磁エネルギーの放出が増大し、これらの環境に与える悪影響が懸念されている。このような電磁波環境問題としては、無線通信にあっては、チャンネル間の相互干渉、放送波のゴーストが挙げられ、製造装置にあっては、ロボットシステムの安全性が挙げられ、情報処理にあっては、通信ネットワークの信頼性等が挙げられる。輸送機器にあっては、近年益々その運転制御に電子制御が組み込まれるにあたっての誤動作への不安が重要な問題となり、建築構造物にあっては、近年のインテリジェントビルと呼ばれるようなコンピューター網を構造物内に張り巡らせるに当たり、建築構造物自体が巨大なアンテナ化することにより、周辺の住民に対する電磁エネルギーの垂れ流しのような生物生態系への電磁波エネルギーの影響も重要な問題となっている。
このような事情から、電磁波シールド性を有し、且つ光透過性を有する窓材の開発がなされている。この種の窓材として、例えば特開平11−84041号公報に開示される電磁波シールド窓は、図18に示すように、二枚の透明基板1a、1b間に導電性メッシュ3を挟み込んで一体化し、透明基板1a、1bからはみ出した導電性メッシュ3の縁部を透明基板1aの縁部に沿って折り返し、導電性接着テープ5で透明基板に留め付けてなる。
また、特開平11−97878号公報に開示される電磁波シールド窓は、図19に示すように、二枚の透明基板7a、7b間に透明導電性フィルム9を挟み込んで構成され、透明導電性フィルム9の縁部から透明基板7bの端面を経て透明基板7bの表面の縁部にまで達するように、導電性粘着テープ13が貼着されてなる。
さらに、図20に示す他の電磁波シールド窓は、一対の窓面材であるプラスチック板15a、15bの間に、導電性メッシュ17を介在させ、この一対のプラスチック板15a、15bの縁部に銀ペースト等の導電塗料19を塗布した上から、導電テープ21を貼着し、さらにこの導電テープ21の外方に、シールガスケット23を介して金属製の窓枠材25を嵌着してなる。
これらの電磁波シールド窓は、透明な導電性シールド材3、9、17が貼着され、この導電性シールド材が窓枠材に導通接続されることにより、透明な開口窓において電磁波を遮蔽することができる。
しかしながら、上述した従来の電磁波シールド窓の構造は、導電性シールド材を外部の窓枠等に接続するため複雑な接続構造となる問題があった。即ち、図18に示した電磁波シールド性光透過窓材の場合には、組み立て工程において、導電性メッシュの縁部を透明基板の縁部に沿って折り返す煩雑な工程が必要になった。
また、図19に示した電磁波シールド窓の場合には、透明導電性フィルムの縁部から透明基板の端面を経て透明基板の表面の縁部にまで達する導電性粘着テープを貼着する作業が必要になった。
さらに、図20に示した電磁波シールド窓の場合には、一対の窓面材の端面に導電塗料を塗布することにより、この導電塗料を一対の窓面材の間に毛管現象を利用して進入させ、導電繊維と導通接続する煩雑な作業が必要になった。
また、いずれの電磁波シールド窓に対しても、電磁波シールド窓の組み付け時において、部分的に空隙を生じると、この空隙から電磁波が漏洩してシールド性が保たれなくなるため、正確且つ慎重な組付けが必要となる。
さらに、一般的な製造装置や輸送機器、あるいは建築構造物に取り付けられる窓枠材には、通常、酸化被膜が形成されたり塗装が施されているため、導電性シールド材との導通を得るためには、窓枠材の表面を一部削り落としたり、タップ加工等を施す必要がある。従って、従来の電磁波シールド窓では、導電性シールド材と、外部アース等とを接続するための煩雑な接続作業が必要であり、作業工数が増大すると共に、製造コストも増大する問題があった。そして、導電性シールド材が接着剤を介して外部アース等に接続される場合には、この接続部が酸化や腐食等の変質によって経年劣化することがあり、長期に亘って安定した電磁波シールド効果が得られないという問題があった
<発明の開示>
本発明は上記状況を鑑みてなされたもので、接続構造を必要とせずに、導電性シールド材を外部へ導通させることができる電磁波シールド方法及び電磁波シールド窓、電磁波シールド窓を備えた製造装置、輸送機器、並びに建築構造物を提供し、製造工数、製造コストの削減、及び長期に亘る安定した電磁波シールド効果の確保を図ることを目的とする
上記目的を達成するため、
(1) 本発明に係る電磁波シールド方法は、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材の表面に、可視光に対して透過性を有する導電性シールド層を設け、該導電性シールド層が設けられた窓面材を周縁部に絶縁層を介して導電性の窓枠材に密着させて固定することで、前記導電性シールド層と窓枠材との間に静電容量性結合を生じさせることを特徴とする。
この電磁波シールド方法では、絶縁性を有する窓面材の表面に導電性シールド層を設け、この窓面材を、表面の導電性シールド層に対して絶縁層を介して窓枠材に密着させ固定することで、導電性シールド層と窓枠材との間に静電容量性結合が得られる。これにより、導電性シールド層と窓枠材とが直接電気的接続されずに、導電性シールド層と窓枠材との間のコンデンサ効果によって、高周波成分に対して導通接続に近い電磁波シールド効果が得られる。
(2) 本発明の電磁波シールド方法は、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材の表面に可視光に対して透過性を有する導電性シールド層を設け、該導電性シールド層が設けられた窓面材の周縁部にクッション性を有する導電性テープを所定面積相対向させて、絶縁接着層を用いて貼着する一方、該導電性シールド層を有し導電性テープが貼着された窓面材を、絶縁層を介して、略コの字形状断面を有し、前記コの字形状が一体的且つ略均一な断面を有する導電性の窓枠材に密着させて固定し、前記導電性シールド層と前記導電性テープとの間、及び前記導電性テープと前記窓枠材との間に静電容量性結合を生じさせることを特徴とする。
この電磁波シールド方法では、絶縁性を有する窓面材の表面に、導電性シールド層を設け、導電性シールド層の設けられた窓面材の周縁部にクッション性を有する導電性テープを所定の面積を有して相対向させて、絶縁接着層を用いて貼着することで、導電性シールド層と導電性テープとの間で静電容量性結合が得られる。また、導電性シールド層を有し導電性テープが貼着された窓面材を、絶縁層を介して導電性の窓枠材に密着させて固定することで、導電性テープと窓枠材との間で同様に静電容量性結合が得られる。このため、導電性テープと窓枠材との間のコンデンサ効果によって、高周波成分に対して導通接続に近い電磁波シールド効果が得られる。また、導電性接着テープを貼着するといった簡単な組み付け作業により電磁波シールド窓を組立てることができると共に、経年劣化が生じず、安定したシールド効果が長期間に亘って保持可能になる。
(4) 本発明の電磁波シールド窓は、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材と該窓面材の表面に貼着され、可視光に対して透過性を有する導電性シールド層と、該導電性シールド層の設けられた窓面材を、該窓面材の周縁部に絶縁層を介して密着させて固定する導電性の窓枠材とを備え、前記窓枠材は略コの字形状断面を有し、前記コの字形状が一体的且つほぼ均一な断面を有し、前記絶縁層の中に、前記導電性シールド層の設けられた前記窓面材の周縁部で、該周縁部に所定面積を有して相対向して貼着されたクッション性を有する導電性テープを、絶縁接着剤を用いて介装したことを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、絶縁性を有する窓面材の表面に、導電性シールド層を設けて、この窓面材を、表面の導電性シールド層に対して絶縁層を介して窓枠材に密着させ固定することで、導電性シールド層と窓枠材との間に静電容量性結合が得られる。これにより、導電性シールド層と窓枠材とが直接電気的接続されずに、導電性シールド層と窓枠材との間のコンデンサ効果によって、高周波成分に対して導通接続に近い電磁波シールド効果が得られる。このように、導電性シールド層と窓枠材とは直接電気的接合されていないので、簡単な組み付け作業により電磁波シールド窓を組立てることができると共に、経年劣化が生じず、安定したシールド効果が長期間に亘って保持可能になる。また、この電磁波シールド窓では、導電性シールド層の設けられた窓面材の周縁部で、周縁部に所定面積を有して導電性粘着テープを相対向させて貼着する簡単な貼着作業により、導電性シールド層と導電性接着テープとの間の窓面材の誘電体効果によってコンデンサ効果を生じさせることができる。
(5) 本発明の電磁波シールド窓は、前記絶縁層が、前記窓面材と前記窓枠材表面に形成される絶縁性表層との少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、導電性シールド材を、窓面材と窓枠材に形成された絶縁性表層との少なくともいずれかを介して窓枠材に固定することにより、導電性シールド材が窓枠材とは非導通状態で固定されると共に、窓面材、絶縁性表層の誘電体効果によりコンデンサ効果を生じさせることができる。
(7) 本発明の電磁波シールド窓は、前記導電性テープが、断面U字形に貼着されていることを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、断面U字形に貼着された導電性テープの相対向して配置される面が導電性シールド層と共に電極となり、その間でコンデンサ効果が生じることになる。また、窓面材の縁部が導電性テープで覆われるため、窓面材の縁部が保護されると共に、窓枠材に対して確実に密着させることが可能となる。
(8) 本発明の電磁波シールド窓は、前記導電性シールド層が、一対の前記窓面材の間に狭持されていることを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、導電性シールド層が表裏面から窓面材によって狭持されるため、外部に露出しなくなり保護される。また、導電性シールド層の表裏面それぞれが窓面材を介して導電性テープに対向配置されることになり、それぞれの導電性シールド層と導電性テープとの間にコンデンサ効果が生じることになる。
(9) 本発明の電磁波シールド窓は、前記導電性シールド層が、前記窓面材の片側の表面だけに貼着されていることを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、一枚の窓面材だけを用いた簡素な構造で、電磁波シールド窓が構成可能になる。
(10) 本発明の電磁波シールド窓は、前記窓面材の前記導電性シールド層が設けられた側の外側面に、該導電性シールド材の保護シートを貼着したことを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、導電性シールド材の外側に保護シートが設けられるため、導電性シールド層の保護と、絶縁構造としての導電性シールド層と導電性テープとの相対向する配置が同時に達成できる。
(11) 本発明の電磁波シールド窓は、前記導電性シールド層が、導電性繊維又は導電性材料が表面に被覆された繊維からなる網状のシート材であることを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、網状のシート材を構成する一本一本の繊維が導通性を有して構成されるため、繊維間の隙間により可視光に対して透過性を有しながら良好な導電性が得られることになる。
(12) 本発明の電磁波シールド窓は、前記導電性シールド層が、導電薄膜層を有するフィルム状のシート材であることを特徴とする。
この電磁波シールド窓では、フィルム状のシート材の表面に導電薄膜がスパッタリング等により形成され、可視光に対して透過性を有しながら導電性が得られる。また、フィルム状であることから、単一面での形成が可能になり、開口を有する網構造に比べて電磁波の漏洩を少なくできる。
(14) 本発明の電磁波シールド窓を備えた製造装置は、製造装置であって、製造装置の内部を視認可能な電磁波シールドされた覗き窓を有し、該覗き窓の少なくとも一部が、前項前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であることを特徴とする。
この電磁波シールド窓を備えた製造装置では、覗き窓の少なくとも一部が前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であるので、導電性シールド層と窓枠材とを非導通構造にでき、シールド窓の組立て工程が大幅に簡略化され、装置全体のコストを低減できる。しかも、装置に十分なシールド効果が得られると共に、シールド窓を簡素にできるため美観の向上を図ることができる。また、導電性シールド層と窓枠材が接することで双方が導通する場合には、より確実なシールド効果を得ることができる。
(15) 本発明の電磁波シールド窓を備えた輸送機器は、輸送機器であって、輸送機器の外部を視認可能な電磁波シールドされた覗き窓を有し、該覗き窓の少なくとも一部が、前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であることを特徴とする。
この電磁波シールド窓を備えた輸送機器では、覗き窓の少なくとも一部が前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であるので、導電性シールド層と窓枠材とを非導通構造にでき、シールド窓の組立て工程が大幅に簡略化され、装置全体のコストを低滅できる。しかも装置に十分なシールド効果が得られると共に、シールド窓を簡素にできる導電性シールド層と窓枠材が接することで双方が導通する場合には、より確実なシールド効果を得ることができる。
(16) 本発明の電磁波シールド窓を備えた建物構造物は、例えばビルディングや戸建て住宅等の建築構造物であって、建築構造物の内部から外部を視認可能な電磁波シールドされた覗き窓を有し、該覗き窓の少なくとも一部が、前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であることを特徴とする。
この電磁波シールド窓を備えた建物構造物では、覗き窓の少なくとも一部が前項(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、又は(12)記載の電磁波シールド窓であるので、導電性シールド層と窓枠材とを非導通構造にでき、シールド窓の組立て工程が大幅に簡略化され、建築コストを低滅できる。しかも建築構造物に十分なシールド効果が得られると共に、シールド窓を簡素にできるため美観の向上を図ることができる。また、導電性シールド層と窓枠材が接することで双方が導通する場合には、より確実なシールド効果を得ることができる。
<発明を実施するための最良の形態>
以下、本発明に係る電磁波シールド方法及び電磁波シールド窓、電磁波シールド窓を備えた製造装置、電磁波シールド窓を備えた輸送機器、並びに電磁波シールド窓を備えた建築構造物の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、直接電気的接続を必要としていた電磁波シールド窓の導電性シールド層を積極的に非接触状態で静電容量性結合させて構成し、コンデンサ効果によってシールド効果を得ることを特徴としている。
図1は本発明に係る電磁波シールド窓の第1実施形態を示す要部拡大断面図、図2は導電性シールド層にメッシュ材が用いられた場合のシールド特性を示すグラフ、図3は導電性シールド層にフィルム材が用いられた場合のシールド特性を示すグラフである。
本実施形態の電磁波シールド窓31は、可視光に対して透過性を有するシート状の導電性シールド材(導電性シールド層)33と、この導電性シールド材33を表裏面から挟み、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する一対の窓面材35a、35bと、この一対の窓面材35a、35bの周縁を全周に亘って所定の対向幅を有して包囲しつつ断面U字状に貼着される導電性接着テープ37と、この導電性接着テープ37の外方に密着して一対の窓面材35a、35bの周縁を保持する断面コ字状に形成された導電性の窓枠材39とからなる。ここで、窓枠材39は不図示のアース回路等に接続された金属製の枠材であって、表面は酸化膜や塗装膜が形成されて絶縁されている。なお、導電性接着テープ37の接着面には絶縁性接着剤36が塗布されおり、導電性シールド材33と導電性接着テープ37とは非導通状態にされる。
この電磁波シールド窓31は、導電性シールド材33に対して所定面積の導電性接着テープ37が窓面材35a、35bを介して平行に対向配置され、導電性シールド材33と導電性接着テープ37との間が絶縁層としての絶縁性接着剤36を介して結合されている。すると、導電性シールド材33と導電性接着テープ37との間には、所定の静電容量を有したコンデンサが形成され、静電容量性結合が形成される。従って、導電性シールド材33は、例えば1MHz〜300MHz程度の高周波成分に対しては、コンデンサ効果によって導電性接着テープ37との導通が得られ、導電性シールド材33と導電性接着テープ37とが疑似的に電気的接続された状態となる。また、導電性接着テープ37と窓枠材39との間には、窓枠材39表面の酸化膜や塗装膜が介在し、これらの膜が誘電体として機能することで、上記同様に静電容量性結合を形成している。
このため、電磁波シールド窓31は、高周波成分に対しては導電性シールド材33とアース回路とが接続された接地回路が構成されることになる。
ここで、窓面材35a、35bとしては、樹脂材、ガラス材等を好適に用いることができる。この樹脂材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、アクリル板、塩化ビニル等を好適に用いることができる。
導電性シールド材33には、網状のシート材、或いはフィルム状のシート材を好適に用いることができる。網状のシート材は、例えばプラスチック繊維に金属をコーティングすることにより構成される。この場合のプラスチック繊維としては、ポリプロピレン、ポリエステル等を用いることができる。なお、このプラスチック繊維をコーティングする金属としては、例えばアルミ、銀、ニッケル−すず合金、亜鉛、タングステンが挙げられる。また、プラスチック繊維の代わりに金属繊維を用いたものであってもよい。
一方、フィルム状のシート材は、超極薄膜の導電性材料がスパッタリンダ等により被着されて構成される。この導電性材料としては、例えばアルミ、鉄、銅、タングステン、亜鉛、ニッケル、すず、イリジウム、インジウム、クロム、金、バナジウム、カドミウム、銀、プラチナ、チタン、コバルト、鉛等の金属又は合金等を用いることができる。
導電性接着テープ37としては、接着時に気泡等を生じずに密着性の高いものが好ましく、繊維質状であってクッション性を有するものを好適に用いることができる。また、導電性接着テープ37は、窓面材35a、35bに貼着した際に窓面材35a、35bの周縁から10mm〜25mm程度の略一定の幅を有して平行に相対向して配置されることが好ましい。
電磁波シールド窓31の厚みは、要求される強度や軽量性により適宜設定されるが、例えばそれぞれの窓面材35a、35bの厚みが1.5mm、その間に介在される導電性シールド材33の厚みが0.2mmの、合計3.2mm厚の窓面材35a、35bとして構成することができる。
上記のような構成となる電磁波シールド窓31を実際に製作し、そのシールド効果を測定したところ、図2、図3に示す結果を得ることができた。ここで、図2は、導電性シールド材33として網状のシート材を用いた電磁波シールド窓31に対する測定値を示し、図3は導電性シールド材33としてフィルム状のシート材を用いた電磁波シールド窓31に対する測定値を示している。
上記のシールド効果は、電磁波が遮蔽壁により遮断される隣接した二つの実験空間で、遮蔽壁に設けられた開口部に被実験対象となる電磁波シールド窓31を取り付け、一方の実験空間に電磁波発信装置を設置し、他方の実験空間に電磁波受信装置を設置し、電磁波発信装置から放出される電磁波を電磁波受信装置によって読み取ることで測定した。
その結果、1MHz〜700MHz周波数帯域、特には1MHz〜300MHz周波数帯において、網状のシート材を使用した電磁波シールド窓31では、30dB以上、特には34dB近傍のシールド効果の得られることが確認でき、フィルム状のシート材を使用した電磁波シールド窓31では、37dB近傍のシールド効果の得られることが確認できた。即ち、本発明の電磁波シールド窓によれば、一般的にシールド効果を有すると認められる10〜30dB以上のシールド効果が確実に得られる。
このように、本発明の電磁波シールド窓31によれば、導電性シールド材(導電性シールド層)33と窓枠材39とが非導通状態でありながら、高周波成分に対しては、コンデンサ効果によって導通接続に近いシールド効果が得られる。また、導電性接着テープ37を断面U字形に貼着することにより、窓枠材39に対しての密着性が向上して、より安定したコンデンサ効果を得ることができる。さらに、窓面材35a,35bとの間に導電性シールド材33を狭持させる構造としたため、導電性シールド材33の表裏両側でコンデンサ効果が得られ、効率よく静電容量結合を得ることができる。
このように、直接電気的接続を行う接合部がないために経年劣化が生じず、安定したシールド効果が長期間に亘って保持可能になる。また、製造による製品個体差のない安定したシールド性を得ることができる。
また、この電磁波シールド窓31は、非導通構造で導電性シールド材33と導電性接着テープ37とを組み付けるため、従来構造のように、導電性接着剤等を塗布する等の導電性シールド材33と導電性接着テープ37とを導通させる煩雑な導通接続作業を省略できる。
そして、電磁波シールド窓31は、導電性シールド材33が挟み込まれた窓面材35a、35b周縁に導電性接着テープが貼着された組立体を、単に窓枠材39に取り付けるだけの作業により組み上げることができ、導通を得るためにタップ加工する等の煩雑な導通接続作業を省略できる。このため、製造工程を大幅に簡略化することができる。
また、導電性繊維からなる網状のシート材を導電性シールド材33として用いた電磁波シールド窓31によれば、網状のシート材を構成する一本一本の繊維が導電性を有しているため、可視光に対して透過性を有しながら、金属と略同等の導電性が得られる。
一方、フィルム状のシート材を導電性シールド材33として用いた電磁波シールド窓31によれば、フィルム状であることから、単一面での形成が可能になり、開口を有する網構造に比べて電磁波の漏洩を少なくできる。
また、導電性接着テープ37の代わりに、絶縁性の接着テープを用いてもよい。この場合も、導電性シールド材33と窓枠材39との間が静電容量性結合された状態となり、高周波成分に対しては同様にコンデンサ効果によって導電性シールド材33とアース回路とが接続された接地回路が構成される。これにより、電磁波シールド効果が得られることになる。窓面材35a、35bが0.3mm程度の薄さであっても強度が確保できる構成であればこのような構成であってもよい。
なお、導電性接着テープ37は、窓面材の縁部に断面U字形に貼着する以外にも、図4に示すように相対向する面にそれぞれ別個に設けてもよい。さらに、図5に示すように、導電性接着テープ37の接着剤として導電性接着剤38を使用し、導電性接着テープ37と導電性シールド材33の端部とを密着させることで、導電性シールド材33と導電性接着テープ37とが相互に接する構成としてもよい。この場合、導電性シールド材33がアース回路に導通されると共にコンデンサ効果によっても高周波成分に対する導通が得られ、より確実にシールド効果を得ることができる。
次に、本発明に係る電磁波シールド窓の第2実施形態を説明する。
図6は本発明に係る電磁波シールド窓の第2実施形態を示す要部拡大断面図である。なお、以下の各実施形態において、図1に示した部材と同一の部材には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
この実施形態による電磁波シールド窓61は、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する一枚の窓面材35と、この窓面材35の一方の表面に貼着され、可視光に対して透過性を有するシート状の導電性シールド材33と、この導電性シールド材33の貼着された窓面材35の周縁を全周に亘って所定の幅で包囲して断面U字状に貼着される導電性接着テープ37と、少なくともこの導電性接着テープ37と導電性シールド材33との間に介在される絶縁層としての絶縁性接着剤36と、導電性接着テープ37の外方に密着して窓面材35の周縁を保持する断面コ字状の窓枠材39とからなる。
この電磁波シールド窓61では、導電性シールド材33の貼着された窓面材35の周縁に絶縁層(絶縁性接着剤36)を介して貼着された導電性シールド材33が、導電性接着テープ37とは導通されずに、窓面材35を介して対面する導電性接着テープ37aに対向して配置される。このため、導電性シールド材33と導電性接着テープ37aとの間にコンデンサ効果が生じ、電磁波シールド効果が得られるようになる。また、導電性シールド材33は、絶縁層を介して対面する導電性接着テープ37bにも対向して配置されるため、導電性シールド材33と導電性接着テープ37bとの間にもコンデンサ効果が生じることになる。
従って、この電磁波シールド窓61によれば、一対の窓面材35の間に導電性シールド材33を挟持することなく、一枚の窓面材35のみを用いた簡素な構造で電磁波シールド窓61を構成することができる。
次に、本発明に係る電磁波シールド窓の第3実施形態を説明する。
図7は本発明に係る電磁波シールド窓の第3実施形態を示す要部拡大断面図である。
この実施形態による電磁波シールド窓71は、第2実施形態における絶縁層62として、導電性シールド材33の全面に被着された絶縁性を有する保護シート73を用いた構成としている。他の構成は、上述の電磁波シールド窓61と同様である。
この電磁波シールド窓71では、窓面材35の一方の表面に貼着された導電性シールド材33の前面に、さらに、絶縁性を有する保護シート73が被着され、導電性シールド材33と導電性接着テープ37とが、この保護シート73を介して対向して配置されている。従って、導電性シールド材33の保護と、絶縁構造での導電性シールド材33と導電性接着テープ37との対向された配置が、同時に達成可能になる。
次に、本発明に係る電磁波シールド窓の第4実施形態を説明する。
図8は本発明に係る電磁波シールド窓の第4実施形態を示す要部拡大断面図である。
この実施形態による電磁波シールド窓81は、可視光に対して透過性を有するシート状の導電性シールド材33と、この導電性シールド材33を表裏面から挟み、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する一対の窓面材35a、35bと、この一対の窓面材35a、35bの端面及び少なくとも一方の周縁を全周に亘って所定の幅で包囲して貼着される断面L字状の導電性接着テープ37と、この導電性接着テープ37の外方に密着して一対の窓面材35a、35bの周縁を厚み方向で所定の間隙83を有して保持する断面コ字状の窓枠材85と、この窓枠材85に螺合され、導電性接着テープ37の貼着されていない窓面材35aの周縁に先端が当接される調節ネジ87とからなる。なお、導電性接着テープ37の接着面には絶縁性接着剤36が塗布されている。
この電磁波シールド窓81では、相互の間に導電性シールド材33を挟持した一対の窓面材35a、35bと、この窓面材35a、35bの一方の面に貼着された導電性接着テープ37との組立体が、断面コ字状の窓枠材85の内方に収容される。そして、窓枠材85に螺合された調節ネジ87を締め付けると、導電性接着テープ37の貼着されていない窓面材35aの周縁が、この調節ネジ87の先端によって押圧される。
従って、導電性シールド材33を挟持した一対の窓面材35a、35bと、導電性接着テープ37とは、この調節ネジ87と窓枠材85とによって加圧され、密着性が高められることになる。また、調節ネジ87を緩めることで窓枠材85に対する組立体の保持が解除可能になり、組立体が容易に窓枠材85から取り外しできる。
以上説明した電磁波シールド窓の各実施形態においては、導電性シールド材33を窓面材35に貼着した一例を示したが、本発明はこの構成に限らず、窓面材35表面にシールド層を噴霧塗布したり、シールド層を印刷することで、導電性シールド層を形成したり、窓面材と導電性シールド層とを貼着することなく単に組み合わせた構成としてもよい。さらに、導電性シールド層自体を窓面材として構成してもよい。また、導電性シールド材33は、窓面材35の周縁の全周に亘って設ける以外にも、少なくとも周縁の一部に設けた構成としても、ある程度のシールド効果が得られるものである。
次に、本発明に係る電磁波シールド窓の用いられた製造装置の一例として電子部品装着装置を説明する。
図9は本発明に係る電磁波シールド窓の用いられた電子部品装着装置の外観斜視図、図10は図9に示した前面カバーパネルの平面図、図11は図10の側面図、図12は図10のA−A断面図である。
LSIやIC等のパッケージ部品、コンデンサチップや抵抗チップ等のチップ部品等の電子部品を高速で回路基板上に装着する電子部品装着装置91として、ロータリーヘッドを備えた部品装着装置が広く普及している。このロータリーヘッドを備えた電子部品装着装置91は、ロータリーヘッドをインデックス回転させることで、ロータリーヘッド外周に設けられた複数の装着ヘッドにより、電子部品の保持された部品供給部93から電子部品を取り出し、XYテーブルによって位置決めされた回路基板上に順次装着する。
ロータリーヘッドの外周には周方向に複数個の装着ヘッドが等配され、各装着ヘッドは部品供給ユニットから電子部品を吸着し、吸着した電子部品をXYテーブル上の回路基板に装着し、再度部品供給ユニットから電子部品を吸着するまでのサイクルをロータリーヘッドの1回転で行うようになっている。
ロータリーヘッドの備えられた電子部品装着作業空間は、前面カバーパネル95によって覆われている。前面カバーパネル95には、ロータリーヘッドによる部品装着動作等の動作確認を行うための覗き窓が設けられ、この覗き窓には、上記各実施形態の電磁波シールド窓が取り付けられる。ここでは、一例として第1実施形態で述べた構成と同一構成の電磁波シールド窓101が設けられている。
即ち、電磁波シールド窓101は、可視光に対して透過性を有するシート状の導電性シールド層33と、この導電性シールド層33を表裏面から挟み、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する一対の窓面材35a、35bと、この一対の窓面材35a、35bの周縁を所定の幅で包囲して断面U字状に貼着される導電性接着テープ37と、この導電性接着テープ37の外方に密着して一対の窓面材35a、35bの周縁を保持する断面コ字状の窓枠材39とからなる。ここで、窓枠材39は、不図示の装置フレーム等を介してアース回路に接続される。
この電子部品装着装置91では、前面カバーパネル95に上記の電磁波シールド窓101が備えられるので、直接電気的接続が必要とされる従来の電磁波シールド窓を用いる場合に比べて、導電性シールド層33と導電性接着テープ37とが非導通構造のままでよいので窓面材35a、35b端部に導通手段を設けることがなくなり、組み付け作業が大幅に簡略化され、装着装置全体のコストが低減できると共に、電子波シールド窓の外観を簡素にでき美観を向上させることができる。
また、上記のロータリヘッドの動作確認用の覗き窓の他に、例えば部品供給部93に設けられる覗き窓102に対しても本発明の電磁波シールド窓を好適に適用することができる。そして、電子部品装着装置91はロータリヘッド式に限らず、他の方式による構成であってもよく、また、電磁波シールドを必要とする他の電子回路基板加工機、例えば、回路基板上にクリーム半田を印刷するクリーム半田印刷機、電子部品固定用の接着剤を塗布する接着剤塗布機、クリーム半田の印刷状態や電子部品の装着状態を検査する基板検査機等の、いかなる装置の覗き窓に対しても同様に本発明の電磁波シールド窓を好適に適用することができる。
なお、製造装置の際に説明した電磁波シールドの効果は、他のいかなる視認確認用の窓部を有するものに同様に効果があり、輸送機器、建築構造物であってもその効果は同様に奏される。ここでは、輸送機器、建築構造物に対する要部構成の説明は重複するため省略するが、適用例の図のみ用いて説明することにする。
まず、本発明に係る電磁波シールド窓の用いられた輸送機器として自動車が挙げられる。図13に本発明に係る電磁波シールド窓を適用した自動車の一例を示した。なお、図13(a)は自動車110の正面図で(b)は側面図である。
自動車110のフロントウィンドウ111、リアウィンドウ113、及び各ドアに付帯されるサイドウィンドウ115に、それぞれ本発明に係る電磁波シールド窓を適用することで、自動車の窓枠構造を簡素にでき、美観を向上させることができると共に、その生産工程も簡略化され、軽量化やコストダウンが図られる。なお、図示した一般的な自家用自動車に限らず、例えば特殊用途の自動車に対しても同様な効果を得ることができる。
また、輸送機器の他の例として列車が挙げられる。図14に本発明に係る電磁波シールド窓を適用した列車の一例を示した。列車120に備わる窓121に、それぞれ本発明に係る電磁波シールド窓を適用することで、上記同様の効果が得られる。
さらに、輸送機器の他の例として航空機が挙げられる。図15に本発明に係る電磁波シールド窓を適用した航空機の一例を示した。航空機130の外装及び内装に備わる窓131にそれぞれ本発明に係る電磁波シールド窓を適用することで、例えば機内外からの電磁波により機器に誤動作を招くおそれを未然に防止できる。なお、図示はしないが、船舶や大気圏外への輸送手段の窓に対しても同様に適用することで、上記同様の効果が奏される。
次に、本発明に係る電磁波シールド窓が用いられた建築構造物として、ビルディング等の構造物が挙げられる。図16に本発明に係る電磁波シールド窓を適用したビルディングの一例を、図17にビルディングの壁面を拡大した一部拡大断面図を示した。ビルディング140の壁面141に設けられた窓143にそれぞれ本発明に係る電磁波シールド窓を適用することで、簡素な構成で美観にも優れた窓が得られ、また、ビルディング内で生じた電磁波をビルディングの近隣へ不要に放出することが防止され、電磁波環境に配慮した構造にできる。
<産業上の利用可能性>
以上詳細に説明したように、本発明に係る電磁波シールド方法は、絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材の表面に、可視光に対して透過性を有する導電性シールド層を設け、該導電性シールド層が設けられた窓面材を周縁部に絶縁層を介して導電性の窓枠内に密着させて固定することで、導電性シールド層と窓枠との間に静電容量性結合を生じさせている。これによるコンデンサ効果によって、非導通状態であっても高周波成分に対しては直接電気的接続した状態に近いシールド効果を得ることができる。その結果、接合部がないために経年劣化が生じず、安定したシールド効果を長期間に亘って保持することができる。
本発明に係る電磁波シールド窓は、絶縁性を有する窓面材の表面に導電性シールド層が設けられ、導電性シールド層に対して導電性接着テープが所定面積を有して相対向して配置されることでコンデンサ効果が生じ、非導通構造で導電性シールド層と導電性接着テープとが疑似的な接続状態となる。従って、従来構造のように、導電性接着剤等を塗布して、導電性シールド層と導電性接着テープとを導通させる煩雑な導通接続作業が省略でき、組み立て工数を削減して製造コストを低減することができる。
本発明に係る製造装置、輸送機器、建築構造物は、覗き窓の少なくとも一部に本発明の電磁波シールド窓を備えたので、製造コストが低減できると共に、導電性シールド層と導電性接着テープとは非導通構造のままでよいため、電磁波シールド窓の外観を簡素にでき、美観の向上を図ることができる
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る電磁波シールド窓の第1実施形態を示す要部拡大断面図である。
図2は、導電性シールド層にメッシュ材が用いられた場合のシールド特性を示すグラフである。
図3は、導電性シールド層にフィルム材が用いられた場合のシールド特性を示すグラフである。
図4は、導電性接着テープを相対向させて窓面材の両側表面に貼着した電磁波シールド窓の一構成例を示す図である。
図5は、導電性接着テープの接着剤を導電性接着剤として構成した電磁波シールド窓の一構成例を示す図である。
図6は、本発明に係る電磁波シールド窓の第2実施形態を示す要部拡大断面図である。
図7は、本発明に係る電磁波シールド窓の第3実施形態を示す要部拡大断面図
図8は、本発明に係る電磁波シールド窓の第4実施形態を示す要部拡大断面図である。
図9は、本発明に係る電磁波シールド窓の用いられた電子部品装着装置の外観斜視図である。
図10は、図9に示した前面カバーパネルの平面図である。
図11は、図10の側面図である。
図12は、図10のA−A断面図である。
図13は、本発明に係る電磁波シールド窓を適用した自動車の一例を示す外観図である。
図14は、本発明に係る電磁波シールド窓を適用した列車の一例を示す外観図である。
図15は、本発明に係る電磁波シールド窓を適用した航空機の一例を示す外観図である。
図16は、本発明に係る電磁波シールド窓を適用したビルディングの一例を示す外観図である。
図17は、図16に示したビルディングの壁面を拡大した一部拡大断面図である。
図18は、従来の電磁波シールド性光透過窓材の断面図である。
図19は、従来の他の電磁波シールド性光透過窓材の断面図である。
図20は、従来の電磁波シールド窓の要部拡大断面図である。
なお、図中の符号、31,61,71,81,101は電磁波シールド窓、33は導電性シールド層、35(35a,35b)は窓面材、37は導電性接着テープ、38は導電性接着剤、39は窓枠材、73は保護シート、91は電子部品実装装置、95は前面カバーパネル、110は自動車、120は列車、130は航空機、140はビルディングである。

Claims (10)

  1. 絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材の表面に可視光に対して透過性を有する導電性シールド層を設け、該導電性シールド層の設けられた窓面材の周縁部に、クッション性を有する導電性テープを所定面積相対向させて、絶縁接着層を用いて貼着する一方、該導電性シールド層を有し導電性テープが貼着された窓面材を、絶縁層を介して、略コの字形状断面を有し、前記コの字形状が一体的且つほぼ均一な断面を有する導電性の窓枠材に密着させて固定し、前記導電性シールド層と前記導電性テープとの間、及び前記導電性テープと前記窓枠材との間に静電容量性結合を生じさせることを特徴とする電磁波シールド方法。
  2. 絶縁性を有し且つ可視光に対して透過性を有する窓面材と、該窓面材の表面に貼着され、可視光に対して透過性を有する導電性シールド層と、該導電性シールド層の設けられた窓面材を、該窓面材の周縁部に絶縁層を介して密着させて固定する導電性の窓枠材とを備え、前記窓枠材は略コの字形状断面を有し、前記コの字形状が一体的且つほぼ均一な断面を有し、前記絶縁層の中に、前記導電性シールド層の設けられた前記窓面材の周縁部で、該周縁部に所定面積を有して相対向して貼着されたクッション性を有する導電性テープを、絶縁接着剤を用いて介装したことを特徴とする電磁波シールド窓。
  3. 前記絶縁層は、前記窓面材と前記窓枠材表面に形成される絶縁性表層との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  4. 前記導電性テープが、断面U字形に貼着されていることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  5. 前記導電性シールド層は、一対の前記窓面材の間に挟持されていることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  6. 前記導電性シールド層は、前記窓面材の片側の表面だけに設けられていることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  7. 前記窓面材の前記導電性シールド層が設けられた側の外側面に、該導電性シールド層の保護シートを貼着したことを特徴とする請求項6記載の電磁波シールド窓。
  8. 前記導電性シールド層が、導電性繊維又は導電性材料が表面に被覆された繊維からなる網状のシート材であることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  9. 前記導電性シールド層が、導電薄膜層を有するフィルム状のシート材であることを特徴とする請求項2記載の電磁波シールド窓。
  10. 製造装置であって、製造装置の内部を視認可能な電磁波シールドされた覗き窓を有し、該覗き窓の少なくとも一部が、請求項2,3,4,5,6,7,8,又は9記載の電磁波シールド窓であることを特徴とする電磁波シールド窓を備えた製造装置。
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