JP2004363467A - 電磁遮蔽ガラス - Google Patents

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JP2004363467A JP2003162292A JP2003162292A JP2004363467A JP 2004363467 A JP2004363467 A JP 2004363467A JP 2003162292 A JP2003162292 A JP 2003162292A JP 2003162292 A JP2003162292 A JP 2003162292A JP 2004363467 A JP2004363467 A JP 2004363467A
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Masaaki Katano
正昭 片野
Toru Hirotsu
透 弘津
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】耐候性にすぐれ、長期間に渡って電磁遮蔽性能を維持する電磁遮蔽ガラスを提供する。
【解決手段】2枚の板ガラス1,1'が中間膜2を用いて積層され、該2枚の板ガラスのうち少なくとも1枚に透明導電膜3が成膜されている電磁遮蔽ガラスにおいて、導電性テープ5が透明導電膜3に接触させられ、かつ板ガラス1の端面から表面に跨って配設され、積層された2枚の板ガラス1のエッジ部を囲繞するように導電性被覆材7が粘着され、導電性テープ5および導電性被覆材7の粘着力を、1〜15Nとし、また、ガラス面に折り曲げられた導電性テープ5の透明導電膜3への接着幅aを2mm〜4mmとする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物、特にOA化の進んだインテリジェントビルにおいて、使用される合わせガラス構造の電磁遮蔽ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、商用建物において、OA機器や通信機器等の電子機器・装置が多量に使用されている。これらの電子機器・装置の多くが発生させる電磁波は、他の電子機器や電子制御機器が誤動作する原因となる。また、ノイズを発生させる原因にもなっている。
【0003】
さらに、高度情報化に伴い、開口部から侵入する電磁波が、建物内の電子機器を誤動作させることがある。
【0004】
また、開口部から出ていく電磁波も、外部の電子機器などを誤動作させる原因となる。
【0005】
このため、多くの建物で、開口部に電磁遮蔽性能を付与するようになった。
【0006】
開口部に電磁遮蔽機能を付与する方法として、2枚の板ガラスを中間膜で接着する合わせガラス構造の電磁遮蔽ガラスが知られている(特許文献1)。
【0007】
合わせガラス構造の電磁遮蔽ガラスにおいて、板ガラスに成膜されている透明導電膜を、導電性テープおよび導電性被覆材を用いてサッシなどに導通させることが特許文献2に開示されている。
【0008】
さらに、特許文献2には、導電性テープとガラス面との間に水分が侵入するのを防ぐために、導電性テープのエッジをシーリングする手段が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭64−5099号報
【特許文献2】
特開平11−312893号公報
【発明が解決しようとする課題】
導電性テープのエッジをシーリングする方法は、シーリングするという工程が煩雑であり、また、生産コストアップとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁遮蔽ガラスは、2枚の板ガラスが中間膜を用いて積層され、該2枚の板ガラスのうち少なくとも1枚に透明導電膜が成膜されている電磁遮蔽ガラスにおいて、導電性テープが透明導電膜に接触させ、かつ板ガラスの端面から表面に跨って配設され、積層された2枚の板ガラスのガラスのエッジ部を囲繞するように導電性被覆材が粘着され、導電性テープおよび導電性被覆材の粘着力が、1〜15Nであることを特徴とする電磁遮蔽ガラス。
【0011】
また、本発明の電磁遮蔽ガラスは、前記電磁遮蔽ガラスにおいて、ガラス面に折り曲げられた導電体の幅が2mm〜4mmであることを特徴とする電磁遮蔽ガラスである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁遮蔽ガラスは、2枚の板ガラスをポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル等の中間膜を2枚用い、2枚の中間膜の間に導電体を挿入して、合わせガラスとしたものである。
【0013】
板ガラスには、ITO膜、Ag膜、Ag膜と誘電体膜とを積層した膜、酸化スズ膜等の透明導電膜が成膜されたものを用いる。
【0014】
導電性テープおよび導電性被覆材は、銅、アルミ、SUS、亜鉛などの金属箔に、導電性の粘着剤が積層されもの、あるいは前記金属箔に孔を開け導電性の粘着剤を積層したものが使用できる。導電性の粘着剤は、カーボン、Cu、Ni、Agなどの導電性粒子をアクリル樹脂などの合成樹脂に含有したものを用いることが好ましい。導電性微粒子の粒径は、1μm〜50μmであることが好ましく、この粒径の範囲から、接着力が1N〜15Nとなるように導電性微粒子を選ぶことが望ましい。
【0015】
導電性テープおよび導電性被覆材の接着面から水分の侵入を完全に防ぐために、導電性テープの粘着力を、「JIS C 2107;電気絶縁用粘着テープ試験方法」に規定される試験方法に基づいて測定し、1N〜15Nの範囲とすることが好適である。
【0016】
接着力は強い方が耐水性能は良くなるが、強すぎると作業性が困難となるので、本発明の導電性テープの接着力を1N〜15Nの範囲にすることが好ましい。導電テープの接着力の範囲を1N〜15Nの範囲にすることにより、水分の侵入を完全に防ぐことができ、その結果合わせガラス内面に配設された透明導電膜への影響をなくすだけでなく、導電性テープの導電性微粒子に用いる金属の酸化をも防ぎ、電磁遮蔽性能の低下や中間膜の白濁を防ぐことができる。
【0017】
図1は、実施例1で作製した本発明の電磁遮蔽ガラスである。導電性テ−プ5と透明導電膜3′の重なる幅aは、2〜4mmとすることが、電磁遮蔽性能を確保するために、望ましい。
【0018】
導電性テ−プ5と透明導電膜3′の重なる幅aが2mm未満では、導通性が悪く、十分な電磁遮蔽性能が得られない。また、4mm以上にすると、長期において浸入水等の影響により、ガラス部とポリビニルブチラール膜との剥がれが生じやすくなり、十分な電磁遮蔽性能を維持できない。
【0019】
また、導電性テ−プ5がガラス面に重なる幅bは、耐久性を維持するために、4mm以上とすることが好ましい。bが10mmを越えると、導電テープの接着時に、導電テープに皺が生じやすく、bは10mm以下にすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
実施例1
図1、2は、本実施例の電磁遮蔽ガラスの要部断面を示すものである。
【0021】
板ガラス1には透明導電膜3を形成した。この透明導電膜2は、AgとZnOの膜を交互にスパッタリング法で成膜したものであり、面積抵抗値が20Ω/□となるようにした。
【0022】
導電性テープ5を、図1に示すように、板ガラス1の端面を跨って、透明導電膜3には接着幅aを2mmで、ガラス面には接着幅bを4mmで接着させた。導電性テープ5には、粒径が40μmの銀粒子をアクリル系の接着剤に混合してなる粘着剤をアルミニウウム箔に積層したものを用いた。
【0023】
導電性テープ5の粘着力(JIS C 2107;電気絶縁用粘着テープ試験方法に規定される試験方法で測定した値)を1Nとした。
【0024】
導電性テープ5を設けた板ガラス1と板ガラス1′とを中間膜2を用いて積層させた。中間膜2には、ポリビニルブチラールを用いた。
【0025】
板ガラス1と板ガラス1′とを積層した後、図2に示すように、端面を囲繞するように、導電性被覆材7を接着させた。導電性被覆材7には、導電性テープ5と同じものを用いた。
【0026】
相対する辺の間の抵抗を導電性テープ5を介して、図4に示すようにして、テスターで抵抗値を測定し、100Ωの結果を得た。
【0027】
4辺に導電性テ−プ4を接着し、屋外暴露試験(1年間)とJIS R 3212に規定される耐候性試験(50℃―95%RH雰囲気中、2週間放置)を行った。耐候性試験の結果、導電性テープ4の剥離や剥がれはなく、合わせ中間膜の白濁化もなかった。対向する2辺の抵抗を、図3に示す方法で再度測定した結果、100Ωの抵抗を示し、抵抗値の変化はなかった。
【0028】
耐候性試験の結果から、十分な耐候性が得られることを確認した。
【0029】
本試作によって得られた電磁遮蔽ガラスを、図3に示すようにして、アルミニウム製のサッシ9に篏め込み、電磁遮蔽窓とした。
【0030】
サッシ12にはアルミ箔で作製した導電性被膜10を設け、電磁遮蔽ガラス8のア−スを行った。また、導電性被覆材7とサッシ9とを導通させるために、スズメッキ銅の金属線を編んでメッシュ構造としたものを金属製導電体14、14′に用いた。
【0031】
作製した電磁遮蔽窓の電磁遮蔽性能をMIL−STD−285法(米国軍用規格)に規定される方法で測定した結果、−20dB(1GHz)の性能値を得た。
【0032】
実施例2
導電性テープ5および導電性被覆材7の粘着力を15Nとした以外は、全て実施例1と同様にした。
【0033】
本実施例についても、実施例1と同等の耐候性、露点性能および電磁遮蔽性能が得られることを確認した。
【0034】
比較例1
導電性テープ5および導電性被覆材7の粘着力を0.5Nとした以外は、実施例1と同様にした。
【0035】
得られた電磁遮蔽ガラスは、屋外暴露試験において、3ヶ月で導電性テープ5および導電性被覆材7に、はくりや剥がれを生じ、また、透明導電膜3の劣化が認められた。さらに、60℃温水浸漬試験においても、30日経過時点で導電性テープ5および導電性被覆材7に、はくりや剥がれを生じ、また、透明導電膜3の劣化が認められた。
【0036】
比較例2
導電性テープ5および導電性被覆材7の粘着力を16Nとした以外は、全て実施例1と同様にした。
電磁遮蔽ガラスの作製時に、導電性テープ5の粘着力が強すぎるため、位置決めや貼り直し時に透明導電膜(Ag/ZnO複合膜)3が剥がれるなどのダメージが大きいため製作を中止とした。
【0037】
比較例3
導電性テープ5の透明導電膜3への接着幅を1mmとした以外は、実施例1と同様にして電磁遮蔽ガラスを作製した。本実施例の電磁遮蔽ガラスは、対向する辺の抵抗値が110Ωとなり、有効な電磁遮蔽性能が得られなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の電磁遮蔽ガラスは、耐候性にすぐれ、長期間に渡って電磁遮蔽性能を維持する電磁遮蔽ガラスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における導電性テープを配設した電磁遮蔽ガラスを示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施例1における導電性被覆材を配設した電磁遮蔽ガラスを示す要部断面図である。
【図3】実施例1の電磁遮蔽ガラスを応用した電磁遮蔽窓を示す要部断面図である。
【図4】対向する2辺の間の、電気抵抗の測定を示す概略図である。
【符号の説明】
1、1′ 板ガラス
2 中間膜
3 透明導電膜
5 導電テープ
7 導電性被覆材
11 押縁
12 セッティングブロック
13、13′ バックアップ材
15、15′ シーリング材
20 電気抵抗測定器
21 測定用端子

Claims (2)

  1. 2枚の板ガラスが中間膜を用いて積層され、該2枚の板ガラスのうち少なくとも1枚に透明導電膜が成膜されている電磁遮蔽ガラスにおいて、導電性テープが透明導電膜に接触させられ、かつ板ガラスの端面から表面に跨って配設され、積層された2枚の板ガラスのエッジ部を囲繞するように導電性被覆材が粘着され、導電性テープおよび導電性被覆材の粘着力が、1〜15Nであることを特徴とする電磁遮蔽ガラス。
  2. 導電性テープの透明導電膜への接着幅が、2mm〜4mmであることを特徴とする請求項3記載の電磁遮蔽ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2052289B1 (fr) * 2006-08-16 2019-09-18 Sage Electrochromics, Inc. Electrode transparente

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