JP2005014041A - 熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粗圧延機と仕上圧延機の間において、誘導加熱装置により粗バーを加熱し、その後シャーにより粗バーを切断する工程において、シャーの能力に左右されない熱延鋼帯の製造方法を提供する。
【解決手段】スラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、粗バーの幅方向全体を加熱する誘導加熱装置により前記粗バーを加熱し、次いで該粗バーの任意の個所の幅方向をシャーにより切断し、引き続き前記粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱延鋼帯の製造方法において、前記誘導加熱装置により粗バーを加熱するに際し、前記シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向における前記局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱し、該局部領域を予め設定した温度以上とすることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粗圧延機と仕上圧延機の間において、誘導加熱装置により粗バーを加熱し、その後シャーにより粗バーを切断する熱延鋼帯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来行われている熱延鋼帯の製造においては、粗バー先後端部の温度が低下し、適切な仕上温度が確保できず、熱延鋼帯の先後端部では良好な材質を得ることができないという問題があることが知られている。
【0003】
このような問題に対応するため、粗バー長手方向先後端部の形状不良部分をシャーで切断した後、あるいは切断する前に、粗バー長手方向先後端部の低温部分を、粗バーの搬送を停止することなく確実に圧延仕上温度がフェライト開始変態温度以上となる温度まで加熱することができる、シャーおよび誘導加熱装置からなる熱間圧延設備列および熱延鋼帯の圧延方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1の目的は、粗バー長手方向先後端部の低温部分を加熱することにより、粗バーの先後端部においてもフェライト開始変態温度以上となる圧延仕上温度を確保することにある。そして、その効果として、第1には熱延鋼帯の最先端部および後端部においても圧延仕上温度の確保が容易で、良質な材料が得られて歩留まりが向上すること、第2に圧延荷重、トルクが軽減されるため、圧延ロールの長寿命化が図れることが記載されている。さらに、シャーで切断する前に粗バーを加熱する場合には、シャー切断時のせん断荷重、せん断トルクが軽減してシャーの刃の寿命を延長させて補修費を削減させることも一効果として記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−291016号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術には次のような問題がある。
【0007】
そもそも、上記従来技術は、熱延鋼帯の全長にわたって良質な材質を得ることを目的とするものであり、特に粗バー先後端部の低温部を、定常部と同様にフェライト開始変態温度以上の仕上温度を確保できる程度にまで加熱するものである。すなわち、先後端部を定常部よりも高い温度にまで積極的に加熱するものではなく、特に品質上の上限温度が規制される材料については加熱温度が制限されるため、必ずしもシャーの切断能力不足を解消するものではなかった。
【0008】
一方、従来は、シャーの能力が一杯となると判定された材料については、▲1▼スラブの加熱温度を上昇させるか、または▲2▼粗バー板厚を薄く変更するという対策を採っていた。しかしながら、▲1▼の対策のスラブの加熱温度を上昇させるのは燃料原単位のロスにつながり、また、▲2▼の対策の粗バー板厚を薄くするのは圧延仕上温度が確保しにくくなること、粗圧延機と仕上圧延機の間のテーブルの粗バー長さ制限のために粗バーの単重が小さくなること、粗バーの表面積が増えることにより粗バーのスケールロスが増えるという問題があった。
【0009】
したがって本発明の目的は、粗圧延機と仕上圧延機の間において、誘導加熱装置により粗バーを加熱し、その後シャーにより粗バーを切断する工程において、シャーの能力に左右されない熱延鋼帯の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の熱延鋼帯の製造方法は以下のような特徴を有する。
【0011】
(1)スラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、粗バーの幅方向全体を加熱する誘導加熱装置により前記粗バーを加熱し、次いで該粗バーの任意の個所の幅方向をシャーにより切断し、引き続き前記粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱延鋼帯の製造方法において、前記誘導加熱装置により粗バーを加熱するに際し、前記シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向における前記局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱し、該局部領域を予め設定した温度以上とすることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
【0012】
(2)切断予定部がクロップ切断予定部であることを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼帯の製造方法。
【0013】
(3)切断予定部が粗バー分割のための切断予定部であることを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼帯の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施に供される熱間圧延設備を示す説明図である。
【0015】
図1に示す熱間圧延設備は、粗圧延機2と、この粗圧延機2により粗圧延された粗バー1を加熱するためエッジヒーターやバーヒーターからなる誘導加熱装置3と、この誘導加熱装置3により加熱された粗バー1の任意の個所の幅方向を切断するためのシャー4と、任意の個所を切断された後の粗バーを順次熱延鋼帯に圧延する仕上圧延機5と、前記誘導加熱装置3の入側および出側と仕上圧延機出側にそれぞれ設置された温度計6、7、8とから構成される。
【0016】
上記設備を使用して本発明法を実施する場合には、誘導加熱装置により粗バーを加熱するに際し、シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向における前記局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱し、この局部領域を予め設定した温度以上とする。
【0017】
図2および図3は、上記切断予定部がクロップ切断予定部であるときの、本発明の熱延鋼帯の製造方法の一実施形態を示す粗バーの長手方向の温度分布の説明図である。図2および図3に示す実施形態では、クロップ切断予定部が粗バーの先端部および後端部の両方に存在する場合であるが、クロップ切断予定部が先端部および後端部のいずれか片方に存在する場合もあるし、先端部および後端部のいずれにも存在しない場合もある。クロップ切断予定部が存在しなければクロップ切断部も当然加熱する必要もないし、クロップ切断予定部が存在したとしても、シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域が予め設定した温度以上であれば加熱の必要はない。つまり、シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域が予め設定した温度に満たない場合に加熱を行う。
【0018】
図2および図3では、粗圧延機2で圧延された粗バー1をシャー4によりその先端部および後端部のクロップ切断予定部を切断する前に、温度計6により粗バー1の温度分布を測定し、その測定結果に基き、粗バーのクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも誘導加熱装置3により加重的に加熱し、この局部領域を予め設定した温度以上とする。
【0019】
具体的には図2のハッチングで示した部分の温度上昇が生じるように、粗バーのクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱する。図2に示すように粗バーのクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域の加熱をすることで、材料のせん断抵抗を下げることができ、粗バーのクロップ切断位置をシャーにより切断し易くすることができるからである。
【0020】
その後温度計7により、誘導加熱装置3にて加熱後の粗バーの温度分布を測定し、図2に示す温度分布となっていることを確認する。しかる後に、加熱された粗バーの先端部および後端部のクロップ切断予定部をシャーにより切断し、形状および/または品質不良部分を取り除いて、不良部分の取り除かれた粗バーを仕上圧延機5で仕上圧延して熱延鋼帯を製造する。仕上後の熱延鋼帯の温度分布は温度計8により測定される。
【0021】
図3は、粗バーのクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、極力局所的に温度上昇するように誘導加熱装置3にて加熱した後の長手方向の温度分布を示している。こうすることで、誘導加熱装置の省エネルギーにもつながって好ましい。
【0022】
次に、図4および図5は、本発明の熱延鋼帯の製造方法の他の実施形態を示すものであり、上記切断予定部が粗バー分割のための切断予定部であるときの、粗バーの長手方向の温度分布の説明図である。粗バー分割のための切断予定部が存在したとしても、切断予定部およびその近傍を含む局部領域が予め設定した温度以上であれば加熱の必要はない。
【0023】
加熱炉や粗圧延機のラインの制約上許される最大の長さの熱間スラブを製造して、この熱間スラブを加熱炉で加熱した後、粗圧延設備で粗バーに圧延し、その後この粗バーをシャーにより複数に分割(通常は2分割)し、しかる後にこの分割された粗バー分割材を、順次仕上圧延設備で熱延鋼帯に圧延する鋼材の熱間圧延方法が採用されている。このような方法では、粗バーを複数に分割して仕上圧延を行うので、仕上圧延待ち時間が縮まるとともに、クロップロスを削減することができ、スラブ自体を短尺化して粗圧延−仕上圧延を行う方法に比べて歩留りが向上する。
【0024】
なお、粗バーのシャーにより複数に分割するのは3分割以上も考えられるが、通常は2分割が多いので以下の説明では2分割を中心に示す。3分割以上の分割でも全く同様に考えられる。
【0025】
図4および図5では、粗圧延機2で圧延された粗バー1をシャー4により粗バー分割のための切断予定部を切断する前に、温度計6により粗バー1の温度分布を測定し、その測定結果に基き、粗バーの分割のための切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも誘導加熱装置3により加重的に加熱し、この局部領域を予め設定した温度以上とする。
【0026】
具体的には図4のハッチングで示した部分の温度上昇が生じるように、粗バーの分割のための切断予定部およびおよびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱する。図4に示すように粗バーの分割のための切断予定部およびその近傍を含む局部領域の加熱をすることで、材料のせん断抵抗を下げることができ、粗バーの分割のための切断予定部をシャーにより切断し易くすることができるからである。
【0027】
その後温度計7により、誘導加熱装置3にて加熱後の粗バーの温度分布を測定し、図4に示す温度分布となっていることを確認する。しかる後に、シャー4により粗バーの分割のための切断予定部で2分割して2つの粗バー分割材とし、その1節目と2節目をそれぞれ仕上圧延機5にて仕上圧延をする。仕上げ後のそれぞれの熱延鋼帯の温度分布は温度計8により測定される。
【0028】
図5は、粗バーの2つに分割される切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、極力局所的に温度上昇するように誘導加熱装置3にて加熱した後の長手方向の温度分布を示している。こうすることで、誘導加熱装置の省エネルギーにもつながって好ましい。
【0029】
粗バーを3分割以上にする場合についても、粗バーを2分割する場合と同様に、複数に分割される予定の粗バーの切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱し、この局部領域を予め設定した温度以上とする。
【0030】
ところで、シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を加熱する温度は、そのときのシャーのせん断能力から、予め設定しておく必要がある。
【0031】
シャー4の形式には大きく分けてドラム型とクランク型とがある。ドラム型は、シャーのせん断能力がシャーのクロップカット速度と被切断材の温度に依存し、シャーのクロップカット速度が増すほど、被切断材の温度が増すほど、シャーのせん断能力は増加することになる。一方、クランク型は、シャーのせん断能力がシャーのクロップカット速度にあまり依存せずに、主に被切断材のせん断抵抗すなわち被切断材の温度に大きく依存することが知られている。
【0032】
図2に示すように、粗バーの先端部は後端部に比較して温度が高くなる長手方向に傾斜した温度分布が付いている。また、一般に、仕上圧延では加速圧延を行う場合が多く、粗バーの先端部よりも後端部の方が粗バーの搬送速度が速い。したがって、ドラム型の場合、粗バーの先端部は温度は高いが搬送速度が低い場合にはその分不利であり、また粗バー後端部は搬送速度が高い場合にはその分有利であるが温度は低いので、粗バー先端部および後端部両方のクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域の加熱をする場合が多い。しかし、粗バー先端部のみ、または粗バー後端部のみのクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域の加熱をする場合もある。
【0033】
このように、ドラム型の場合には、シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を加熱すべき、予め設定した温度は簡単には決まらないが、例えば、以下のようにして求めることができる。
【0034】
シャーの形式がドラム型のときには、シャーにより切断可能な材料のせん断抵抗の最大値τmax(kgf/mm)は、例えば下式(1)で示される。
【0035】
τmax(kgf/mm)=a+b×V+c×RH+d×RW …(1)
ここで、a,b,c,dは本シャーに特有の係数でbは正値、cおよびdは負値であり、V(mpm)はシャーによる切断予定部での材料の搬送速度、RHは粗バー厚(mm)、RWは粗バー幅(mm)である。
【0036】
上式(1)より、シャーによる切断予定部での搬送速度Vすなわちシャーのクロップカット速度が増すほど、シャーのせん断能力は増加することが判る。
【0037】
また、材料のせん断抵抗τは、引張強度TS(kgf/mm)の関数として例えば下式(2)のように示される。
【0038】
τ=α×TS+β…(2)
ここで、α、βは係数である。
【0039】
図6は、材料のせん断抵抗τと引張強度TSとの関係をグラフに示したもので、材料の温度が上昇するに従い材料のせん断抵抗が減少することが判る。すなわち、
上式(2)におけるα、βはシャーによる切断予定部の材料の温度T(℃)に応じた係数であることが判る。すなわち、α=f(T)、β=g(T)である。
【0040】
これら二つの式を用い、まず上式(1)においてシャーによる切断予定部での搬送速度Vより、その搬送速度で切断可能な材料のせん断抵抗τmaxを求め、次に、上式(2)において材料の引張強度TSと材料の温度Tにより求まる材料のせん断抵抗τが、上式(1)で求めたτmaxよりも小さくなるように、材料の温度Tを決める。こうすることにより、クロップカット時の粗バーの切断予定部での搬送速度と材料の引張強度TSに応じて、粗バーのシャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を誘導加熱装置により温度上昇させるべき温度が得られることになる。
【0041】
なお、シャーの形式がクランク型のときには、シャーのせん断能力がシャーのクロップカット速度にあまり依存せずに、被切断材のせん断抵抗に依存する。すなわち、上式(1)における材料の搬送速度に関する項を考慮しなくてもよい。そのようにして求めた予め設定した温度に基づき、ドラム型同様にシャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を加熱することで、せん断抵抗が軽減されシャーの寿命延長が図れる。
【0042】
【実施例】
図1に示す熱間圧延設備を用いて、粗圧延機により粗圧延された粗バーを、誘導加熱装置により粗バーの先端部および後端部のクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後よりも加重的に加熱し、この局部領域を予め設定した温度以上とした。次にドラム型のシャーによりクロップ切断予定部を切断し、引き続きこの粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とした。
【0043】
本熱延鋼帯の粗バーの形状は、粗バー厚が35(mm)、粗バー幅が1650(mm)で、粗バー先端部搬送速度は60(mpm)であり、粗バー後端部搬送速度は90(mpm)であり、所要の引張強度は70(kgf/mm)であった。
【0044】
このとき、粗バー先端部については、まず上式(1)においてシャーによる切断予定部での搬送速度V=60、RH=35、RW=1650として、この搬送速度で切断可能な材料のせん断抵抗τmaxを求め、次に上式(2)において材料の引張強度TSと材料の温度Tにより求まる材料のせん断抵抗τを求めた。なお、上式(2)のα、βを表1に示すような材料の温度T毎のテーブル値とした。そして表1において上式(2)より求めた材料のせん断抵抗τが上式(1)より求めたτmaxよりも小さくなるように、材料の温度Tを決めたところ、粗バー先端部のシャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を誘導加熱装置により温度上昇させるべき温度T(℃)は1000℃と得られた。
【0045】
次に、粗バー後端部については、先端部と同様にまず上式(1)においてシャーによる切断予定部での搬送速度V=90、RH=35、RW=1650として、この搬送速度で切断可能な材料のせん断抵抗τmaxを求め、次に上式(2)において材料の引張強度TSと材料の温度Tにより求まる材料のせん断抵抗τを求めた。表2において上式(2)より求めた材料のせん断抵抗τが上式(1)より求めたτmaxよりも小さくなるように、材料の温度Tを決めたところ、粗バー後端部のシャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を誘導加熱装置により温度上昇させるべき温度T(℃)は900℃と得られた。
【0046】
【表1】
Figure 2005014041
【0047】
【表2】
Figure 2005014041
【0048】
粗バーをシャーによりその先端部および後端部のクロップ切断予定部を切断する前に、温度計により粗バーの温度分布を測定したところ、先端部および後端部のクロップ切断予定部はそれぞれ970℃、870℃であったので、誘導加熱装置で先端部および後端部のクロップ切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向におけるこの局部領域の前後の領域よりも、それぞれ30℃以上上昇するように加熱した。その結果、本粗バーの引張強度および粗バー幅の場合、通常は粗バー厚は32mmがシャー切断能力の限界と思われるが、本発明によれば35mmまでシャーによる切断が容易となった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、誘導加熱装置により粗バーのシャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を所定の下限温度以上まで加熱することにより、材料のせん断抵抗を下げることができ、粗バーをシャーにより切断し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供する熱間圧延設備の一例を示す側面図
【図2】本発明の熱延鋼帯の製造方法の一実施形態を示す粗バーの長手方向の温度分布の説明図
【図3】本発明の熱延鋼帯の製造方法の一実施形態を示す粗バーの長手方向の温度分布を示す説明図
【図4】本発明の熱延鋼帯の製造方法の他の実施形態を示す粗バーの長手方向の温度分布を示す説明図
【図5】本発明の熱延鋼帯の製造方法の他の実施形態を示す粗バーの長手方向の温度分布を示す説明図
【図6】材料のせん断抵抗τと引張強度TSとの関係をシャーによる切断予定部の材料の温度T(℃)に応じて示したグラフ
【符号の説明】
1 粗バー
2 粗圧延機
3 誘導加熱装置
4 シャー
5 仕上圧延機
6 温度計
7 温度計
8 温度計

Claims (3)

  1. スラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、粗バーの幅方向全体を加熱する誘導加熱装置により前記粗バーを加熱し、次いで該粗バーの任意の個所の幅方向をシャーにより切断し、引き続き前記粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼帯とする熱延鋼帯の製造方法において、
    前記誘導加熱装置により粗バーを加熱するに際し、前記シャーによる切断予定部およびその近傍を含む局部領域を、粗バー長手方向における前記局部領域の前後の領域よりも加重的に加熱し、該局部領域を予め設定した温度以上とすることを特徴とする熱延鋼帯の製造方法。
  2. 切断予定部がクロップ切断予定部であることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
  3. 切断予定部が粗バー分割のための切断予定部であることを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼帯の製造方法。
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