JP5884203B1 - 鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板も、クロップ切断機で安定して切断することができる切断位置を演算処理装置で設定する。【解決手段】鋼板の搬送方向先端部及び後端部に形成されたフィッシュテール形状のクロップ部をクロップ切断機4で切断するにあたり、フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて規定長さの位置を第1切断位置とし、検出されたクロップ部の温度分布及び形状からクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出し、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置とし、第1切断位置と第2切断位置の何れかフィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方を凹部側切断位置とする。また、フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けて規定長さの位置を凸部側切断位置とし、凹部側切断位置と凹部側切断位置との間の部分をクロップ部の切断位置とする。【選択図】図5
Description
本発明は、粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部の切断位置を設定する鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法に関し、特に厚肉、広幅の熱間圧延鋼板に好適なものである。
一般に、熱間圧延鋼板の製造ラインの仕上圧延機入側では、仕上圧延時の鋼板搬送(通板ともいう)を安定させるために、粗圧延で鋼板(中間材)の搬送方向先端部と搬送方向後端部に形成されたクロップ部を切断する。クロップ部は、非定常な変形部であり、切り捨てられる。クロップ部の形状は、タング形状とフィッシュテール形状の2種類に大別される。タング形状は、鋼板の幅方向両端部に対して幅方向中央部が搬送方向に突出している。フィッシュテール形状は、鋼板の幅方向中央部に対して幅方向両端部が搬送方向に突出している。クロップ部の平面形状は、鋼板の幅方向中心線に対し幅方向両側が非対称な形状となることがある。このように幅方向に非対称なクロップ部が鋼板搬送方向先端部又は後端部に形成された鋼板を仕上圧延機に通板すると、仕上圧延ロールに鋼板幅方向への偏荷重が生じることがあり、その結果、仕上圧延中に鋼板が蛇行する可能性がある。
また、鋼板の搬送方向先端部では、搬送方向最先端面、幅方向端面、上面、及び下面の四面から放熱するために温度低下が大きく、定常部と比較して温度が低くなっている。この温度の低い鋼板搬送方向先端部は、変形抵抗が大きくなっており、仕上圧延機での噛み込み不良の原因となる。また、鋼板の搬送方向後端部では、搬送方向最後端面、幅方向端面、上面、及び下面の四面から放熱するために温度低下が大きく、定常部と比較して温度が低くなっている。この温度の低い鋼板搬送方向後端部も、変形抵抗が大きくなっており、仕上圧延中に鋼板の絞りが発生し易い。以上より、粗圧延終了後、仕上圧延前に鋼板の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の切断を行う。クロップ部の切断は、クロップ切断機(クロップシャーともいう)で行われる。鋼板の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部を切断することにより、仕上圧延における鋼板の蛇行防止、鋼板の噛み込み抑制、鋼板の絞り防止といった効果が得られる。
ところで、鋼板の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の切断では、製造される熱間圧延鋼板の種類によって切断荷重が大きく異なる。近年、需要が増加しているラインパイプ素材用鋼板は、熱間圧延鋼板の製造ラインでも製造されている。このラインパイプ素材用熱間圧延鋼板の製造では、鋼板搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部切断におけるクロップ切断機の切断荷重が従来の一般的な熱間圧延鋼板製造時に比して格段に大きくなっている。ラインパイプ材には、原油や天然ガスなどの高効率輸送の観点から高強度且つ極厚の仕様が求められる。また、地震地帯にパイプラインを敷設することもあることから、ラインパイプ材には高い靱性も求められる。このため、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を熱間圧延鋼板製造ラインで製造する場合には、以下のような留意点がある。
一つ目は鋼板の板厚である。仕上圧延後の板厚が2〜4mm程度である従来の熱間圧延鋼板の場合、仕上圧延前の中間材の板厚は30〜50mmである。一方、高い靱性が求められるラインパイプ素材用熱間圧延鋼板の場合、結晶組織を微細化して鋼板の靱性を確保するために、TMCP(Thermo-Mechanical Control Process)と呼ばれる制御圧延が行われ、その場合には、仕上圧延での圧下率を大きくする必要がある。ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板に求められる製品板厚は20mm以上30mm以下であり、また、ラインパイプ材に要求される靱性を得るためには、仕上圧延における累積圧下率が少なくとも60%必要である。つまり、板厚20mmのラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を熱間圧延鋼板製造ラインで製造するには、中間材の板厚が50mm以上の鋼板を仕上圧延しなければならない。しかしながら、現状の熱間圧延鋼板製造ラインでは、板厚が30〜50mmという一般鋼板の中間材を想定しており、クロップ切断機の切断荷重上限値も従来の中間材板厚に準じた仕様となっている。従って、現状の熱間圧延鋼板製造ラインでラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を製造するためには、板厚50mm以上の中間材のクロップ部を現有のクロップ切断機で切断する技術が必要である。
ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を熱間圧延鋼板製造ラインで製造するための重要な留意点の二つ目は、鋼板(中間材)の板幅である。ラインパイプ材はスパイラル鋼板として製造される場合がある。その場合、鋼管の溶接部をできるだけ少なくした方が、強度の面で有利であるため、パイプ素材としてより幅の広い熱間圧延鋼板が求められる。一般的に、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板として求められる板幅は1200mm以上2100mm以下であり、クロップ切断機では板幅が1200mm以上の中間材のクロップ部を切断する必要がある。
ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を熱間圧延鋼板製造ラインで製造するための重要な留意点の三つ目は、鋼板(中間材)の温度である。高い靱性の熱間圧延鋼板を得るためには、未再結晶領域の温度で仕上圧延を行わなければならない。このために、搬送方向先端部から搬送方向後端部に渡って鋼板の板厚中心温度を930℃以下として仕上圧延を行う必要がある。従って、鋼板の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の切断時、切断位置におけるクロップ部の温度も930℃近辺となっており、一般的な鋼板の温度(約1000℃)と比較して低くなっている。そのため、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板(中間材)は、従来の鋼板よりも切断抵抗値が高く、切断荷重は増大する。
以上の留意点をまとめると、熱間圧延鋼板製造ラインで製造されるラインパイプ素材用熱間圧延鋼板は、板厚が大きく、板幅も大きく、温度が低いことになり、クロップ切断機では一般的な熱間圧延鋼板よりも大きな切断荷重が加わる。また、現有のクロップ切断機の仕様は、従来製造していた一般的な熱間圧延鋼板に合わせて設計されており、増強などのクロップ切断機の大きな設備改造なしにラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を製造するためには、現有のクロップ切断機の仕様でも、板厚50mm以上、板幅1200mm以上で、且つ温度が930℃以下の鋼板を切断する手法が必要となる。
仕上圧延機入側での鋼板搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の切断に関しては、仕上圧延機における通板性や歩留まりロスの低減の観点から、様々な技術が提案されている。例えば、下記特許文献1では、鋼板(中間材)の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の形状から仕上圧延後のクロップ部の形状を予測し、製品としての外観を評価した後に、クロップ部の切断の有無を判断し、更に切断長を自動的に調整する方法が提案されている。この方法では、鋼板の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部を切断しないで圧延できるか、又は切断する場合においても最小の切断長ですむために歩留まりが向上する。また、例えば下記特許文献2では、切断前の鋼板(中間材)の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の形状を形状計で測定した後に、その測定形状から仕上圧延機噛み込み不良及び品質・歩留まりを考慮した最適切断長を判定し、その切断長でクロップ部の切断を行う方法が提案されている。この方法では、通板トラブルの低減と共に品質・歩留まりが向上する。
特許文献1に記載されているクロップ切断方法では、クロップ部の切断を行わずに仕上圧延を行う場合があるので、この場合にはクロップ切断機の切断荷重上限値に制約されることなく熱間圧延鋼板を製造することができる。しかしながら、クロップ切断の有無は鋼板(中間材)の搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の形状に依存するため、全ての鋼板(中間材)のクロップ部を切断しないで仕上圧延に通板することはできない。また、フィッシュテール形状のクロップ部を切断する場合、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板、例えばラインパイプ素材用熱間圧延鋼板ではクロップ切断機の能力不足によって切断できない状況が発生する。
また、特許文献2に記載されているクロップ切断方法では、圧延歩留まりや通板性を考慮しているものの、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板、例えばラインパイプ素材用熱間圧延鋼板ではクロック切断機の能力不足によって切断できない状況が発生する。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板であっても、クロップ切断機の増強などの大きな設備改造を行うことなく、鋼板を安定して切断することができる鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板であっても、クロップ切断機の増強などの大きな設備改造を行うことなく、鋼板を安定して切断することができる鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、形状がフィッシュテール形状であり且つ粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部を仕上圧延の前にクロップ切断機で切断する場合に、演算処理機能を有する演算処理装置で、そのクロップ部の切断位置を設定する鋼板切断位置設定装置であって、クロップ形状計で検出されたクロップ部の形状を読込むクロップ部形状読込み部と、クロップ温度計で検出されたクロップ部の温度分布を読込むクロップ部温度分布読込み部と、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定されたクロップ形状規制量にトラッキング精度の切断位置誤差長さを加えた長さの位置を第1切断位置とする第1切断位置算出部と、読込まれたクロップ部の温度分布及び読込まれたクロップ部の形状からクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出する切断荷重分布算出部と、算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する第2切断位置算出部と、算出された第1切断位置と算出された第2切断位置の何れかフィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方をクロップ部の切断可能な凹部側切断位置として設定する凹部側切断位置設定部と、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けてトラッキング精度による切断位置誤差長さの位置をクロップ部の切断可能な凸部側切断位置として設定する凸部側切断位置設定部と、凹部側切断位置と凸部側切断位置との間の部分をクロップ部の切断位置として設定するクロップ部切断位置設定部とを備えた鋼板切断位置設定装置が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、形状がフィッシュテール形状であり且つ粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部を仕上げ圧延の前にクロップ切断機で切断する場合に、演算処理機能を有する演算処理装置で、そのクロップ部の切断位置を設定する鋼板切断位置設定方法であって、クロップ形状計で検出されたクロップ部の形状を読込むクロップ部形状読込みステップと、クロップ温度計で検出されたクロップ部の温度分布を読込むクロップ部温度分布読込みステップと、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定されたクロップ形状規制量にトラッキング精度の切断位置誤差長さを加えた長さの位置を第1切断位置とする第1切断位置算出ステップと、読込まれたクロップ部の温度分布及び読込まれたクロップ部の形状からクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出する切断荷重分布算出ステップと、算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する第2切断位置算出ステップと、算出された第1切断位置と算出された第2切断位置の何れかフィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方をクロップ部の切断可能な凹部側切断位置として設定する凹部側切断位置設定ステップと、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けてトラッキング精度による切断位置誤差長さの位置をクロップ部の切断可能な凸部側切断位置として設定する凸部側切断位置設定ステップと、凹部側切断位置と凸部側切断位置との間の部分をクロップ部の切断位置として設定するクロップ部切断位置設定ステップとを備えた鋼板切断位置設定方法が提供される。
本発明によれば、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板であっても、クロップ切断機の能力不足によって切断できないことを未然に防止することができる。また、クロップ切断機の増強などの大きな設備改造を行うことなく、鋼板を安定して切断することができる。
以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の実施形態に係る鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法について図面を参照しながら説明する。この実施形態の鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法は、例えば図1に例示する熱間圧延設備に用いられる。図1に例示する熱間圧延設備は、熱間圧延鋼板製造ラインであり、鋼板Sは、圧延機で往復圧延される場合を除き、原則的に、図の左から右に搬送(通板)される。図示しない加熱炉で加熱された鋼板(スラブ)は、幅圧延機1で幅圧下され、粗圧延機2で粗圧延される。幅圧延機1は、鋼板を幅方向、つまり搬送方向直行方向で且つ水平方向に圧延する。また、粗圧延機2は、往復圧延が可能で、予め設定された圧延スケジュールに従って鋼板(中間材)Sを所定の板厚まで圧延する。なお、幅圧延機に替えて、サイジングプレスを用いることも可能である。また、粗圧延機2は鋼板搬送方向に向けて複数配置して往復圧延の回数を少なくすることも可能である。
以下、本発明の実施形態に係る鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法について図面を参照しながら説明する。この実施形態の鋼板切断位置設定装置、鋼板切断位置設定方法、及び鋼板製造方法は、例えば図1に例示する熱間圧延設備に用いられる。図1に例示する熱間圧延設備は、熱間圧延鋼板製造ラインであり、鋼板Sは、圧延機で往復圧延される場合を除き、原則的に、図の左から右に搬送(通板)される。図示しない加熱炉で加熱された鋼板(スラブ)は、幅圧延機1で幅圧下され、粗圧延機2で粗圧延される。幅圧延機1は、鋼板を幅方向、つまり搬送方向直行方向で且つ水平方向に圧延する。また、粗圧延機2は、往復圧延が可能で、予め設定された圧延スケジュールに従って鋼板(中間材)Sを所定の板厚まで圧延する。なお、幅圧延機に替えて、サイジングプレスを用いることも可能である。また、粗圧延機2は鋼板搬送方向に向けて複数配置して往復圧延の回数を少なくすることも可能である。
粗圧延機2の鋼板搬送方向下流側には、鋼板Sの仕上圧延を行う仕上圧延機3が配置されている。仕上圧延機3は、鋼板搬送方向に向けて複数配置されており、夫々の仕上圧延機3で、予め設定された圧延スケジュールに従って鋼板Sを所定の板厚まで仕上圧延する。これら仕上圧延機3の鋼板搬送方向上流側で且つ粗圧延機2の鋼板搬送方向下流側には、鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部を切断するクロップ切断機(クロップシャー)4が配置されている。この実施形態のクロップ切断機4は、所謂ドラム式のものであるが、これに代えて所謂クランク式や振動型のものを用いることもできる。前述したように、粗圧延された鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部は急速に冷却されて硬くなっており、そのまま仕上圧延機3に通板したのでは、仕上圧延機3の噛み込み不良や鋼板Sの絞り発生などが生じる。そこで、鋼板搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部をクロップ切断機4で切断するのである。
このクロップ切断機4を挟んで、鋼板搬送方向上流側にはメジャーリングロール5が配置され、鋼板搬送方向下流側にはテーブルロール6が配置され、夫々のロール5,6にロール5,6の回転状態を検出するための回転センサ7が接続されている。また、メジャーリングロール5とクロップ切断機4の間には、鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部を検出する先尾端センサ8も配置されている。先尾端センサ8は、例えば線源から照射されたガンマ線を検出することで鋼板Sの通過状態を検出するものであり、例えば搬送方向先端部通過でオフ、搬送方向後端部通過でオンする信号が出力される。この先尾端センサ8は、鋼板Sの幅方向中央部に配置されている。そして、先尾端センサ8の出力や回転センサ7の出力は、例えばプロセスコンピュータなどの高度な演算処理能力を有する演算処理装置9に読込まれ、例えばメジャーリングロール5を鋼板Sが通過することで鋼板搬送方向先端部、テーブルロール6を鋼板Sが通過することで鋼板搬送方向後端部の鋼板Sの長さを検出する。また、先尾端センサ8で鋼板Sの搬送方向先端部が検出されたときから回転センサ7の出力を用いて鋼板Sのトラッキングを行い、後述するように鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の設定された位置をクロップ切断機4で切断する。
粗圧延機2とメジャーリングロール5の間には、鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の形状を検出するクロップ形状計10及びクロップ部の温度分布を検出する平面温度計(クロップ温度計)11が配置されている。クロップ形状計10は、鋼板Sの搬送ラインより下方に設けられて上向きに発光する下部光源10aと、その上方で鋼板Sの形状を撮像する複数のカメラ10bで構成され、下部光源10aからの光で映し出されるクロップ部をカメラ(デジタルカメラ)10bで撮像し、その画像からクロップ部の形状を検出する。従って、クロップ形状計10では、クロップ部の形状だけでなく、鋼板Sの幅方向両端部のエッジも検出することができる。平面温度計11は、例えば走査型放射温度計や近赤外線カメラなどで構成され、クロップ部の上面の温度分布、特にこの実施形態では鋼板搬送方向への温度分布を検出する。鋼板搬送方向へのクロップ部内の温度分布は、例えば予め設定された鋼板搬送方向長毎に鋼板Sの幅方向温度の平均値を求め、それを鋼板搬送方向に並べて鋼板搬送方向へのクロップ部内の温度分布とする。平面温度計11では、クロップ部における予め設定された鋼板搬送方向長毎の最大温度を検出することもできる。そして、クロップ形状計10の出力及び平面温度計11の出力は演算処理装置9に読込まれ、後述する演算処理に従って、クロップ部の切断位置を設定する。
この実施形態の熱間圧延鋼板製造ラインでは、一般材に加えて、前述したラインパイプ素材用熱間圧延鋼板も製造される。ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板は、一般材よりも板幅が大きく、板厚も大きく、且つ温度が低いため、搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部の切断荷重が大きく、現有のクロップ切断機4の切断荷重上限値を超えてしまう恐れがある。鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部に形成されるクロップ部は、図2aに示すフィッシュテール形状と、図2bに示すタング形状に大別される。フィッシュテール形状は、鋼板Sの幅方向両端部が幅方向中央部よりも搬送方向に突出している。タング形状は、鋼板Sの幅方向中央部が幅方向両端部よりも搬送方向に突出している。クロップ切断機4によるクロップ部の切断荷重は、切断面積に比例すると考えられるから、この実施形態では、クロップ部をフィッシュテール形状とし、その中間位置でクロップ部を切断する。クロップ部をフィッシュテール形状とするには、粗圧延に先立って、幅圧延機1或いはサイジングプレスによって鋼板Sの幅圧下を行い、鋼板Sの幅方向両端部の板厚を幅方向中央部の板厚よりも大きくすればよい。なお、フィッシュテール形状のクロップ部の中間位置とは、フィッシュテール形状の凹部底と凸部先端の間を示す。
まず、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板の仕様で設定されるクロップ切断位置について説明する。図3には、例えばクロップ切断機4の位置でのラインパイプ素材用熱間圧延鋼板のクロップ部のフィッシュテール形状及びクロップ部の鋼板搬送方向への最大温度分布を示す。加熱後、粗圧延された鋼板Sは、フィッシュテール形状のクロップ部の凸部先端ほど温度が低く、その分、硬い。一方、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底に相当する位置では最大温度は高いものの、クロップ部の凹部底自体も放熱量が大きく、その分、硬い。合わせて、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底位置における切断面積も大きいので、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板では、このクロップ部の凹部底から凸部先端に向けて、予め設定された長さ、例えば20mmの領域はクロップ切断機4の切断荷重上限値を超える可能性が高く、クロップ切断位置としては不適切である。このラインパイプ素材用熱間圧延鋼板の仕様で設定される鋼板切断位置規制量をクロップ形状規制量とする。
次に、現有の熱間圧延鋼板製造ラインの仕様で設定されるクロップ切断位置について説明する。クロップ切断機4でクロップ部の切断を行う場合、目標とする切断位置と実際に切断される位置の誤差は、鋼板Sのトラッキング精度に依存する。この鋼板Sのトラッキング精度は、現有の熱間圧延鋼板製造ラインの仕様で決まるものであり、このトラッキング精度による切断位置誤差分だけ、目標とする切断位置をフィッシュテール形状のクロップ部の凹部底と凸部先端の間の中間位置の内側に設定しておかないと、フィッシュテール形状のクロップ部の中間位置で切断できないことになる。そこで、この実施形態では、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板のフィッシュテール形状のクロップ部の凸部先端から凹部底に向けて、トラッキング精度による切断位置誤差長さ、即ち予め設定された鋼板搬送方向長さ、例えば90mmの位置を凸部側切断位置として設定する。また、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板のフィッシュテール形状のクロップ部の凹部底から凸部先端に向けて、前述のクロップ形状規制量(=20mm)に加えてトラッキング精度による切断位置誤差長さ(=90mm)、即ち両者を合わせて予め設定された鋼板搬送方向長さ、例えば110mmの位置を第1切断位置として算出する。
一方、前述のように、フィッシュテール形状のクロップ部は、凹部底から凸部先端に向けて次第に切断面積が小さくなるから切断荷重も小さくなるといえるが、凹部底から凸部先端に向けて次第に温度が小さくなるから硬さも大きくなり、結果、凹部底から凸部先端に向けて温度に依存して切断荷重は大きくなる。実質的には、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底から凸部先端に向けて、切断面積による切断荷重の減少率の方が温度による切断荷重の増大率よりも大きいから、クロップ部の凸部先端ほど、切断荷重は小さい。そこで、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板では、平面温度計11で検出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への温度分布に加えて、フィッシュテール形状のクロップ部の切断面積、つまりクロップ部の形状を考慮してクロップ部内の切断荷重を算出し、その切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する。クロップ部の切断面積は、例えばクロップ切断機4の切断刃の形状から詳細に求めてもよいが、クロップ部の凹部底から凸部先端に向かう実際の切断幅で代用してもよい。この実施形態では、クロップ切断荷重の算出に際し、クロップ部の切断幅を用いることとした。
そして、前述の第1切断位置と第2切断位置のうち、何れかフィッシュテール形状のクロップ部の凹部底からの距離が大きい方を凹部側切断位置として設定し、この凹部側切断位置と前述の凸部側切断位置の間をクロップ部の切断位置として設定する。なお、第1切断位置が凸部側切断位置よりもフィッシュテール形状のクロップ部の凹部底から遠い位置に設定されてしまうような場合、凸部側切断位置で切断するとクロップ切断機4の切断荷重上限値を超えてしまうし、第1切断位置で切断するとクロップ部の中間位置でクロップ部を切断できない可能性がある。そのため、この実施形態では、フィッシュテール形状のクロップ部における二つの凸部のうち、凹部底から凸部先端までの長さの小さい側で、凹部底から凸部先端までの長さを200mm以上、望ましくは300mm以下とする。
こうした鋼板Sのクロップ部の切断位置設定のために演算処理装置9で行われる演算処理に先立ち、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底及び凸部先端について説明する。鋼板Sの搬送方向先端部及び搬送方向後端部に形成されるフィッシュテール形状のクロップ部の二つの凸部は必ずしも同等ではない。むしろ、フィッシュテール形状のクロップ部の二つの凸部は同等でない場合の方が多い。また、クロップ部の形状がタング形状である場合もある。そこで、図4に示すように、クロップ形状計10で検出される鋼板Sの形状のうち、鋼板Sの幅方向両端部のエッジを鋼板Sの長手方向中央部、つまり搬送方向中央部から検出し、エッジの数が3点になった直後の点Vを凹部底とする。次に、クロップ形状計10で検出される凹部底Vの両側の凸部の面積A1、A2を算出すると共に、夫々の凸部先端と凹部底の距離L1、L2を算出する。この演算過程で、エッジの数が3点にならず、凹部底が存在しない場合、二つの凸部のうち、面積の小さい凸部の面積A2に対する面積の大きい凸部の面積A1の比が予め設定された規定値以上である場合、二つの凸部の凸部先端と凹部底の距離L1、L2が何れも予め設定された規定値以下である場合、クロップ部はタング形状である(又はフィッシュテール形状ではない)と判定される。一方、これら以外である場合には、クロップ部はフィッシュテール形状であると判定されるので、二つの凸部のうち、面積の小さい凸部の先端を凸部先端とする。これは、後述するクロップ部切断位置設定で、面積の大きい凸部の先端を凸部先端とした場合、面積の小さい凸部を切断できない可能性があるためである。
次に、演算処理装置9で行われる鋼板Sのクロップ部の切断位置設定のための演算処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。この演算処理は、例えばメジャーリングロール5によるラインパイプ素材用熱間圧延鋼板Sの搬送方向先端部検出と同時に開始され、まずステップS1で、クロップ形状計10で検出されたクロップ部の形状を読込む。
次にステップS2に移行して、読込まれたクロップ部の形状がフィッシュテール形状であるか否かを判定し、クロップ部の形状がフィッシュテール形状である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合には復帰する。
次にステップS2に移行して、読込まれたクロップ部の形状がフィッシュテール形状であるか否かを判定し、クロップ部の形状がフィッシュテール形状である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合には復帰する。
ステップS3では、平面温度計11で検出されたクロップ部の温度分布を読込む。
次にステップS4に移行して、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底から凸部先端に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さ(例えば110mm)の位置を第1切断位置として算出する。
次にステップS5に移行して、読込まれたクロップ部の温度分布及びクロップ部の形状からクロップ部内の切断荷重分布を算出する。
次にステップS6に移行して、算出されたクロップ部内の切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する。
次にステップS4に移行して、フィッシュテール形状のクロップ部の凹部底から凸部先端に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さ(例えば110mm)の位置を第1切断位置として算出する。
次にステップS5に移行して、読込まれたクロップ部の温度分布及びクロップ部の形状からクロップ部内の切断荷重分布を算出する。
次にステップS6に移行して、算出されたクロップ部内の切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する。
次にステップS7に移行して、算出された第1切断位置及び第2切断位置のうち、何れかクロップ部の凹部底から距離の大きい方を凹部側切断位置に設定する。
次にステップS8に移行して、フィッシュテール形状のクロップ部の凸部先端から凹部底に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さ(例えば90mm)の位置を凸部側切断位置に設定する。
次にステップS9に移行して、設定された凹部側切断位置と凸部側切断位置の間の部分をクロップ部の切断位置として設定してから復帰する。
次にステップS8に移行して、フィッシュテール形状のクロップ部の凸部先端から凹部底に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さ(例えば90mm)の位置を凸部側切断位置に設定する。
次にステップS9に移行して、設定された凹部側切断位置と凸部側切断位置の間の部分をクロップ部の切断位置として設定してから復帰する。
この演算処理によれば、読込まれたラインパイプ素材用熱間圧延鋼板のクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さの位置を第1切断位置として算出すると共に、読込まれたクロップ部の温度分布及びクロップ部の形状からクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出し、算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する。そして、算出された第1切断位置と第2切断位置の何れかフィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方をクロップ部の切断可能な凹部側切断位置として設定する。また、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さの位置をクロップ部の切断可能な凸部側切断位置として設定し、凹部側切断位置と凸部側切断位置との間の部分を前記クロップ部の切断位置として設定する。
例えばクロップ形状計10で検出されたクロップ部の凸部の幅、つまりクロップ切断機4で切断したときの切断幅が図6aに示すものであった場合、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板のクロップ部の形状で決まる第1切断位置及び凸部側切断位置は、夫々、図に一点鎖線で示すように表れる。これに対し、平面温度計11で検出されたクロップ部の温度分布が図6bに示すものであった場合、その温度分布及びクロップ部の形状、即ち切断幅で決まるクロップ部の切断荷重分布は図6cの実線のように表れる。このクロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となるのが第2切断位置であるから、その第2切断位置は図6cに二点鎖線で示すように表れる。この第2切断位置は、第1切断位置よりも、凹部底から距離が大きいので、第2切断位置が凹部側切断位置に設定される。もし、クロップ部の温度分布を考慮せず、単にクロップ部の切断幅だけを考慮してクロップ部の切断荷重分布を求めると、それは図6cに破線で示すように表れる。このクロップ部形状のみを反映したクロップ部の切断荷重から第2切断位置を設定したとすると、実際のクロップ部の切断荷重はクロップ切断機4の切断荷重上限値を超えてしまう可能性がある。
現有の熱間圧延鋼板製造ラインにおいて、ラインパイプ素材用熱間圧延鋼板を製造するための中間材(板厚65mm、板幅1600mm、仕上圧延入側温度840〜890℃)に対し、搬送方向先端部及び搬送方向後端部のクロップ部をフィッシュテール形状とし、クロップ部の温度分布及び切断幅を反映した切断位置とクロップ部の切断幅のみを反映した切断位置の夫々でクロップ切断機4による切断を行った。クロップ部の温度分布及び切断幅を反映した図5の演算処理による切断位置でのクロップ切断機4の切断荷重を実施例として図7に○で示し、クロップ部の切断幅のみを反映した切断位置でのクロップ切断機4の切断荷重を比較例として図7に×で示す。横軸の温度は、中間材の代表温度として、搬送方向先端部から1mの位置の粗圧延機2出側の温度である。同図から明らかなように、クロップ部の切断幅のみを反映した切断位置でのクロップ切断機4の切断荷重はクロップ切断機4の切断荷重上限値を超えている。これに対し、クロップ部の温度分布及び切断幅を反映した切断位置でのクロップ切断機4の切断荷重はクロップ切断機4の切断荷重上限値を超えていない。
このように、この実施形態の鋼板切断位置設定装置及びその方法では、形状がフィッシュテール形状であり且つ粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部を仕上げ圧延の前にクロップ切断機で切断するにあたり、演算処理機能を有する演算処理装置9で、そのクロップ部の切断位置を設定する。その際、クロップ形状計10で検出されたクロップ部の形状をクロップ部形状読込みステップS1で読込み、平面温度計11で検出されたクロップ部の温度分布をクロップ部温度分布読込みステップS3で読込む。また、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さの位置を第1切断位置算出ステップS4で第1切断位置とする。また、読込まれたクロップ部の温度分布及びクロップ部の形状からクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を切断荷重算出ステップS5で算出し、算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、クロップ部の切断荷重がクロップ切断機4の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として第2切断位置算出ステップS6で算出する。そして、算出された第1切断位置と第2切断位置の何れかフィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方をクロップ部の切断可能な凹部側切断位置として凹部側切断位置設定ステップS7で設定する。また、読込まれたクロップ部の形状のうち、フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けて予め設定された鋼板搬送方向長さの位置をクロップ部の切断可能な凸部側切断位置として凸部側切断位置設定ステップS8で設定する。そして、凹部側切断位置と凸部側切断位置との間の部分をクロップ部の切断位置としてクロップ部切断位置設定ステップS9で設定する。従って、板厚が大きく、板幅も大きく、且つ温度が低い鋼板であっても、クロップ切断機4の増強などの大きな設備改造を行うことなく、鋼板を安定して切断することができる。
本発明がここに記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明がここに記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 幅圧延機
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 クロップ切断機
5 メジャーリングロール
6 テーブルロール
7 回転センサ
8 先尾端センサ
9 演算処理装置
10 クロップ形状計
11 平面温度計(クロップ温度計)
S 鋼板
2 粗圧延機
3 仕上圧延機
4 クロップ切断機
5 メジャーリングロール
6 テーブルロール
7 回転センサ
8 先尾端センサ
9 演算処理装置
10 クロップ形状計
11 平面温度計(クロップ温度計)
S 鋼板
Claims (4)
- 形状がフィッシュテール形状であり且つ粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部を仕上圧延の前にクロップ切断機で切断する場合に、演算処理機能を有する演算処理装置で、そのクロップ部の切断位置を設定する鋼板切断位置設定装置であって、
クロップ形状計で検出されたクロップ部の形状を読込むクロップ部形状読込み部と、
クロップ温度計で検出されたクロップ部の温度分布を読込むクロップ部温度分布読込み部と、
前記読込まれたクロップ部の形状のうち、前記フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定されたクロップ形状規制量にトラッキング精度の切断位置誤差長さを加えた長さの位置を第1切断位置とする第1切断位置算出部と、
前記読込まれたクロップ部の温度分布及び前記読込まれたクロップ部の形状から前記クロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出する切断荷重分布算出部と、
前記算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、前記クロップ部の切断荷重が前記クロップ切断機の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する第2切断位置算出部と、
前記算出された第1切断位置と前記算出された第2切断位置の何れか前記フィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方を前記クロップ部の切断可能な凹部側切断位置として設定する凹部側切断位置設定部と、
前記読込まれたクロップ部の形状のうち、前記フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けてトラッキング精度による切断位置誤差長さの位置を前記クロップ部の切断可能な凸部側切断位置として設定する凸部側切断位置設定部と、
前記凹部側切断位置と前記凸部側切断位置との間の部分を前記クロップ部の切断位置として設定するクロップ部切断位置設定部と
を備えたことを特徴とする鋼板切断位置設定装置。 - 前記請求項1に記載の鋼板切断位置設定装置で設定されたクロップ部の切断位置に応じ、鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部のクロップ部をクロップ切断機で切断することを特徴とする鋼板製造方法。
- 形状がフィッシュテール形状であり且つ粗圧延によって鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部に形成されたクロップ部を仕上げ圧延の前にクロップ切断機で切断する場合に、演算処理機能を有する演算処理装置で、そのクロップ部の切断位置を設定する鋼板切断位置設定方法であって、
クロップ形状計で検出されたクロップ部の形状を読込むクロップ部形状読込みステップと、
クロップ温度計で検出されたクロップ部の温度分布を読込むクロップ部温度分布読込みステップと、
前記読込まれたクロップ部の形状のうち、前記フィッシュテール形状の凹部底から凸部先端に向けて予め設定されたクロップ形状規制量にトラッキング精度の切断位置誤差長さを加えた長さの位置を第1切断位置とする第1切断位置算出ステップと、
前記読込まれたクロップ部の温度分布及び前記読込まれたクロップ部の形状から前記クロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布を算出する切断荷重分布算出ステップと、
前記算出されたクロップ部内の鋼板搬送方向への切断荷重分布のうち、前記クロップ部の切断荷重が前記クロップ切断機の切断荷重上限値以下となる位置を第2切断位置として算出する第2切断位置算出ステップと、
前記算出された第1切断位置と前記算出された第2切断位置の何れか前記フィッシュテール形状の凹部底からの距離の大きい方を前記クロップ部の切断可能な凹部側切断位置として設定する凹部側切断位置設定ステップと、
前記読込まれたクロップ部の形状のうち、前記フィッシュテール形状の凸部先端から凹部底に向けてトラッキング精度による切断位置誤差長さの位置を前記クロップ部の切断可能な凸部側切断位置として設定する凸部側切断位置設定ステップと、
前記凹部側切断位置と前記凸部側切断位置との間の部分を前記クロップ部の切断位置として設定するクロップ部切断位置設定ステップと
を備えたことを特徴とする鋼板切断位置設定方法。 - 前記請求項3に記載の鋼板切断位置設定方法で前記鋼板の搬送方向先端部又は搬送方向後端部のクロップ部の形状をフィッシュテール形状とするためにサイジングプレス又は幅圧延機を用いて幅圧下を行うことを特徴とする鋼板製造方法。
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JP2005014041A (ja) * | 2003-06-26 | 2005-01-20 | Jfe Steel Kk | 熱延鋼帯の製造方法 |
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