JP6015680B2 - 鋼材冷却設備および鋼材冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造された鉄鋼材を冷却する鋼材冷却設備および鋼材冷却方法に関するものである。
従来、厚鋼板等の圧延鋼材を製造する鋼材製造工程では、スラブ等の鋼素材を加熱炉に装入して加熱した後、熱間圧延が施されて所望の形状の圧延鋼材が得られる。一般に、鋳造後の高温状態にある鋳造鋼材の金属組織は、オーステナイト組織であり、しかも室温で通常見られるフェライト組織に比して粗大な結晶粒を呈している。このような粗大な結晶粒を有する鋳造鋼材を加熱炉で加熱してから熱間圧延して圧延鋼材を製造した場合、熱間圧延の際に、かかる粗大な結晶粒の粒界において割れが発生しやすい。こうした割れは、圧延鋼材の表面や端部において発生しやすく、表面に発生した割れは、表面疵として後に残るため、鋼板品質を低下させる。
熱間圧延後の圧延鋼材の表面疵を防止するために、連続鋳造されたスラブ等の鉄鋼材(以下、鋳造鋼材という)を熱間圧延のために加熱炉に装入する前に、空冷する技術が知られている。これは、次のようなものである。すなわち、鋳造後の高温な鋳造鋼材を所定時間放置し、これにより、この鋳造鋼材の表面は、もともとオーステナイト組織であったものが、所定温度以下に放冷(自然空冷)されてフェライト変態する。オーステナイト組織からフェライト組織へと変態する場合、通常、結晶粒が細かくなる。したがって、このように表面をフェライト変態させた鋳造鋼材を、加熱炉に装入して加熱した後に、熱間圧延に供すると、オーステナイト組織の粗大粒を有する鋳造鋼材を圧延する場合に比べ、結晶粒界での割れが抑制され、表面疵も大幅に軽減される。
なお、鋳造後の高温な鋳造鋼材を熱間圧延前に冷却する従来技術として、例えば、熱間圧延プロセスの加熱炉の入側に水冷式の冷却装置を設置し、この冷却装置によって鋳造鋼材(スラブ)の表面を強制的に水冷してフェライト変態させてから、この水冷後の鋳造鋼材を加熱炉に装入するものがある(特許文献1)。
特開2011−73062号公報
近年、熱間圧延後の圧延鋼材の表面疵を防止することに加え、圧延鋼材の表面全域および内部全域に亘る圧延鋼材全体の靭性を高めることが要求されている。圧延鋼材全体の靭性を高めるためには、圧延鋼材の素材である鋳造鋼材の表面のみならず内部全域を含む鋳造鋼材全体をフェライト変態させるように鋳造鋼材を冷却し、これにより、鋳造鋼材全体に亘ってその金属組織を微細化する必要がある。このように冷却によって金属組織を微細化した鋳造鋼材は、加熱炉に装入されて加熱され、その後、熱間圧延および冷却等の必要な処理を順次施される。この結果、表面および内部の全域に亘って高靭性の圧延鋼材が製造される。
しかしながら、上述した従来技術では、鋳造後の高温な鋳造鋼材全体をフェライト変態させるまでに多大な空冷時間を要する。このため、鋳造鋼材を製造(鋳造)してから同鋳造鋼材を空冷後に加熱炉に装入するまでの時間(以下、リードタイムという)が極めて長くなり、この結果、圧延鋼材の製造能率が低下するという問題がある。また、鋳造鋼材全体を短時間でフェライト変態させるために、鋳造後の高温な鋳造鋼材を過度に空冷または水冷し過ぎてしまう可能性がある。この場合、過度に低い温度に冷却された鋳造鋼材を加熱炉に装入し、この過度な低温状態の鋳造鋼材を加熱炉によって熱間圧延に好適な温度まで加熱しなければならない。この結果、加熱炉による鋳造鋼材の加熱時間が増大して圧延鋼材の製造効率の低下を招来するのみならず、加熱炉に要する使用燃料が増大することから、加熱炉の燃料原単位が増大するという問題がある。なお、上述した特許文献1に記載の従来技術では、鋳造後の高温な鋳造鋼材の表面を水冷によってフェライト変態させることは可能であるが、表面のみならず鋳造鋼材全体をフェライト変態させるために必要な鋳造鋼材の冷却手法について、明確な指針が示されていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、鋳造鋼材を過度に長時間且つ低温に冷却することなく、鋳造鋼材全体のフェライト変態を確保できるとともに、鋳造鋼材を素材とする圧延鋼材の熱間圧延後における表面疵の防止と圧延鋼材全体の靭性の向上とを実現可能な鋼材冷却設備および鋼材冷却方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる鋼材冷却設備は、鋳造された鉄鋼材を水冷する水冷装置と、前記水冷装置による水冷前の前記鉄鋼材の表面温度を測定する温度測定部と、前記水冷装置による水冷後の前記鉄鋼材を空冷する冷却床と、前記鉄鋼材のサイズを示すサイズ情報を入力する入力部と、前記水冷装置による水冷に伴って経時変化する前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と前記鉄鋼材の水冷時間との対応関係と、前記冷却床における空冷に伴って経時変化する水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と水冷後の前記鉄鋼材の空冷時間との対応関係とを、前記鉄鋼材のサイズ別に示す冷却時間データを記憶する記憶部と、前記温度測定部によって測定された水冷前の前記鉄鋼材の表面温度と、前記入力部によって入力された前記サイズ情報と、前記冷却時間データとをもとに、水冷後の前記鉄鋼材の内部温度を前記鉄鋼材のフェライト変態温度超に維持しつつ水冷後の前記鉄鋼材の表面温度を前記フェライト変態温度以下とするに必要な水冷時間と、水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度を前記フェライト変態温度以下に低下させるに必要な空冷時間とを設定し、鋳造された前記鉄鋼材を前記必要な水冷時間、水冷するように前記水冷装置を制御し、水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、前記冷却床において空冷させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却設備は、上記の発明において、前記冷却時間データは、過去に鋳造された複数の鉄鋼材を前記水冷装置によって水冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の水冷実績データと、水冷後の前記複数の鉄鋼材を前記冷却床において空冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の空冷実績データとに基づいて導出されることを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却設備は、上記の発明において、水冷後の前記鉄鋼材を前記水冷装置から前記冷却床に搬送する搬送手段と、空冷後の前記鉄鋼材を熱間圧延前に加熱する加熱炉に向けて前記冷却床から搬出する搬出手段と、を備え、前記制御部は、前記水冷装置から前記冷却床に水冷後の前記鉄鋼材を搬送してから前記加熱炉に向けて前記冷却床から空冷後の前記鉄鋼材を搬出するまでの経過時間と前記必要な空冷時間とが同一となるように、前記搬送手段および前記搬出手段を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却設備は、上記の発明において、前記入力部は、前記鉄鋼材の鋼種を示す鋼種情報を入力し、前記制御部は、前記鋼種情報に対応して前記フェライト変態温度を設定することを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却方法は、鋳造された鉄鋼材のサイズを示すサイズ情報を取得する情報取得ステップと、水冷前の前記鉄鋼材の表面温度を測定する温度測定ステップと、水冷に伴って経時変化する前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と前記鉄鋼材の水冷時間との対応関係と、空冷に伴って経時変化する水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と水冷後の前記鉄鋼材の空冷時間との対応関係とを前記鉄鋼材のサイズ別に示す冷却時間データと、前記温度測定ステップによって測定した水冷前の前記鉄鋼材の表面温度と、前記情報取得ステップによって取得した前記サイズ情報とをもとに、水冷後の前記鉄鋼材の内部温度を前記鉄鋼材のフェライト変態温度超に維持しつつ水冷後の前記鉄鋼材の表面温度を前記フェライト変態温度以下とするに必要な水冷時間と、水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度を前記フェライト変態温度以下に低下させるに必要な空冷時間とを設定する冷却時間設定ステップと、鋳造された前記鉄鋼材を前記必要な水冷時間、水冷装置によって水冷する水冷ステップと、水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、冷却床において空冷する空冷ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却方法は、上記の発明において、前記冷却時間データは、過去に鋳造された複数の鉄鋼材を前記水冷装置によって水冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の水冷実績データと、水冷後の前記複数の鉄鋼材を前記冷却床において空冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の空冷実績データとに基づいて導出されることを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却方法は、上記の発明において、水冷後の前記鉄鋼材を前記水冷装置から前記冷却床に搬送する搬送ステップと、空冷後の前記鉄鋼材を熱間圧延前に加熱する加熱炉に向けて前記冷却床から搬出する搬出ステップと、をさらに含み、前記空冷ステップは、前記水冷装置から前記冷却床に水冷後の前記鉄鋼材を搬送してから前記加熱炉に向けて前記冷却床から空冷後の前記鉄鋼材を搬出するまでの経過時間と前記必要な空冷時間とを同一にして、水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、空冷することを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼材冷却方法は、上記の発明において、前記情報取得ステップは、前記鉄鋼材の鋼種を示す鋼種情報を取得し、前記冷却時間設定ステップは、前記鋼種情報に対応して前記フェライト変態温度を設定することを特徴とする。
本発明によれば、鋳造鋼材を過度に長時間且つ低温に冷却することなく、鋳造鋼材全体のフェライト変態を確保できるとともに、鋳造鋼材を素材とする圧延鋼材の熱間圧延後における表面疵の防止と圧延鋼材全体の靭性の向上とを実現することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却設備の一構成例を示す図である。 図2は、本実施の形態におけるスラブの表面温度および内部温度を説明するための図である。 図3は、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、本実施例において水冷後のスラブを空冷した際のスラブ温度および空冷時間の相関と、スラブ内外温度差および空冷時間の相関とを例示する図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる鋼材冷却設備および鋼材冷却方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
(圧延鋼材製造設備)
まず、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却設備が適用される圧延鋼材製造設備について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却設備の一構成例を示す図である。図1には、本実施の形態にかかる鋼材冷却設備2を適用した圧延鋼材製造設備1の概略構成が図示されている。また、図1において、太線矢印は、処理対象のスラブの流れを示す。図1に示すように、本発明の実施の形態における圧延鋼材製造設備1は、連続鋳造されたスラブ5を冷却する鋼材冷却設備2と、冷却後のスラブ5を熱間圧延して圧延鋼材を製造する熱間圧延設備3とを備える。なお、スラブ5は、連続鋳造された鉄鋼材(鋳造鋼材)の一例である。
圧延鋼材製造設備1は、連続鋳造設備(図示せず)によって連続的に鋳造された高温なスラブ5を鋼材冷却設備2によって冷却し、これにより、スラブ5全体をフェライト変態させる。ついで、圧延鋼材製造設備1は、鋼材冷却設備2による冷却後のスラブ5を熱間圧延設備3によって加熱後に熱間圧延して、圧延鋼材、具体的には、厚鋼板または薄鋼板等の製品要求に応じた性状の鋼板を製造する。
(鋼材冷却設備)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却設備2について説明する。図1に示すように、本実施の形態にかかる鋼材冷却設備2は、連続鋳造されたスラブ5を搬送する搬送部21と、鋳造後の高温なスラブ5を水冷する水冷装置22と、水冷前のスラブ5の表面温度を測定する温度測定部23とを備える。また、鋼材冷却設備2は、水冷後のスラブ5を空冷する冷却床24と、水冷後のスラブ5を冷却床24に搬送するクレーン25と、空冷後のスラブ5を冷却床24から搬出するクレーン26とを備える。さらに、鋼材冷却設備2は、冷却対象のスラブ5に関する情報を入力する入力部27と、スラブ5の冷却時間の設定に用いるデータを記憶する記憶部28と、スラブ5の冷却処理等を制御する制御部29とを備える。
搬送部21は、搬送ロールまたはクレーン等を用いて構成される。搬送部21は、連続鋳造機(図示せず)によって鋳造された高温状態のスラブ5を、連続鋳造機側から水冷装置22の入側に向けて順次搬送する。ついで、搬送部21は、水冷装置22によるスラブ5の水冷処理の間隔に合わせて、鋳造後の高温状態にあるスラブ5を水冷装置22内に順次搬送する。また、搬送部21は、水冷装置22によるスラブ5の水冷処理が完了する都度、水冷後のスラブ5を水冷装置22の出側に搬送する。
水冷装置22は、鋳造された高温状態のスラブ5を水冷するものである。具体的には、水冷装置22は、冷却水を噴射するスプレー等の水冷機構を筐体内に備え、図1に示すように、搬送部21に設置される。水冷装置22は、搬送部21によって入側に搬送された高温状態のスラブ5を筐体内に受け入れる。その都度、水冷装置22は、受け入れた高温状態のスラブ5の外表面全域に冷却水を噴射または噴霧する。これにより、水冷装置22は、鋳造後のスラブ5の外表面全域を隈なく水冷する。水冷装置22による水冷後のスラブ5は、上述したように、搬送部21によって水冷装置22の出側に搬送される。
温度測定部23は、水冷装置22による水冷前のスラブ5の表面温度を測定するものである。具体的には、温度測定部23は、放射温度計等の非接触型の温度計を用いて構成され、図1に示すように、水冷装置22の筐体内部の所定位置、望ましくは水冷装置22の入側近傍の位置に配置される。温度測定部23は、水冷装置22が鋳造後の高温状態にあるスラブ5を筐体内部に受け入れる都度、この高温状態のスラブ5の外表面(例えば上表面)の温度を水冷前に測定する。温度測定部23は、このようにスラブ5の表面温度を測定する都度、測定した表面温度を示す電気信号を制御部29に送信する。
冷却床24は、水冷装置22による水冷後のスラブ5を空冷するためのものである。具体的には、冷却床24は、水冷後のスラブ5を載置して空冷することが可能な床状の構造体であり、図1に示すように、水冷装置22と熱間圧延設備3の加熱炉32との間の所定位置に設置される。冷却床24は、載置された水冷後のスラブ5を大気中に曝しながら必要な時間放置し、これにより、この水冷後のスラブ5全体を自然に空冷(放冷)する。この際、冷却床24は、スラブ5の厚さ方向(以下、スラブ厚方向という)の全域に亘って温度分布が所定の温度範囲内に入るように、水冷後のスラブ5を空冷する。
クレーン25は、水冷後のスラブ5を水冷装置22から冷却床24に搬送する搬送手段として機能する。具体的には、クレーン25は、水冷装置22によるスラブ5の水冷処理が完了する都度、水冷装置22の出側に搬送された水冷後のスラブ5を取り上げ、この取り上げたスラブ5を冷却床24に向けて搬送し、冷却床24上の決められた位置に、この水冷後のスラブ5を載置する。この際、クレーン25は、冷却床24上の位置毎に、単一のスラブ5を載置してもよいし、複数のスラブ5を順次積み重ねてスラブ山6,7を形成してもよい。
クレーン26は、空冷後のスラブ5を熱間圧延設備3の加熱炉32に向けて冷却床24から搬出する搬出手段として機能する。具体的には、クレーン26は、冷却床24に載置された1以上のスラブ5の中から、冷却床24における空冷処理が完了したスラブすなわち空冷後のスラブ5を取り上げ、この取り上げたスラブ5を熱間圧延設備3の装入装置31に向けて搬送し、装入装置31上の所定の位置に、この空冷後のスラブ5を載置する。このように冷却床24から搬出された空冷後のスラブ5は、装入装置31によって搬送され、熱間圧延設備3の加熱炉32内に装入される。
入力部27は、処理対象のスラブ5に関する各種情報を入力するものである。具体的には、入力部27は、プロセスコンピュータ等の圧延鋼材製造設備1の操業を管理する装置を用いて実現される。入力部27は、鋳造後の高温状態にあるスラブ5が水冷装置22の入側に搬送される都度、この搬送されたスラブ5のサイズを示すサイズ情報と、同スラブ5の鋼種を示す鋼種情報とを制御部29に入力する。本実施の形態において、サイズ情報は、スラブ5のスラブ幅W、スラブ厚d、およびスラブ長Lを示す情報である。あるいは、サイズ情報は、スラブ5の体積V(=W×d×L)を示す情報であってもよい。なお、入力部27は、入力キーおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、作業者による入力操作によって、スラブ5のサイズ情報および鋼種情報を制御部29に入力してもよい。あるいは、入力部27は、プロセスコンピュータおよび入力デバイス等を適宜組み合わせたものでもよい。
記憶部28は、スラブ5の水冷処理および空冷処理の制御に必要なデータを記憶する。具体的には、図1に示すように、記憶部28は、水冷装置22によって水冷すべきスラブ5の水冷時間と冷却床24において空冷すべきスラブ5の空冷時間とを設定するための冷却時間データ28aを記憶する。冷却時間データ28aは、水冷装置22による水冷に伴って経時変化する鋳造後のスラブ5の表面温度および内部温度と鋳造後のスラブ5の水冷時間との対応関係(以下、スラブ温度と水冷時間との対応関係という)をスラブ5のサイズ別に示す。これに加え、冷却時間データ28aは、冷却床24における空冷に伴って経時変化する水冷後のスラブ5の表面温度および内部温度と水冷後のスラブ5の空冷時間との対応関係(以下、スラブ温度と空冷時間との対応関係という)をスラブ5のサイズ別に示す。
冷却時間データ28aのうち、スラブ温度と水冷時間との対応関係は、所定の水冷能力を有する水冷装置22によって水冷されて低下するスラブ5の表面温度および内部温度と同スラブ5の水冷時間とを対応付けた水冷時間データテーブルによって示される。このような水冷時間データテーブルは、異なるスラブサイズ(具体的には、スラブ厚、スラブ幅、スラブ長やスラブ体積等)別に作成される。なお、水冷装置22の水冷能力は、例えば、単位時間および単位面積当たりに噴射される冷却水量によって表される。一方、スラブ温度と空冷時間との対応関係は、冷却床24において空冷されて低下する水冷後のスラブ5の内部温度と同スラブ5の空冷時間とを対応付け、且つ、冷却床24における空冷およびスラブ内部からの復熱によって変化する水冷後のスラブ5の表面温度と同スラブ5の空冷時間とを対応付けた空冷時間データテーブルによって示される。このような空冷時間データテーブルは、上述した水冷時間データテーブルと同様に、異なるスラブサイズ別に作成される。上述したような水冷時間データテーブルと空冷時間データテーブルとをスラブサイズ別に含む冷却時間データ28aは、例えば、過去に鋳造されたスラブ群の各々を水冷装置22によって順次水冷して蓄積したスラブ群の水冷実績データと、水冷後のスラブ群の各々を冷却床24において順次空冷して蓄積したスラブ群の空冷実績データとに基づいて導出される。
制御部29は、冷却対象であるスラブ5の水冷処理および空冷処理を制御する。具体的には、制御部29は、温度測定部23によって測定された水冷前のスラブ5の表面温度と、入力部27によって入力された同スラブ5のサイズ情報と、このサイズ情報に対応して記憶部28から読み出した冷却時間データ28aとをもとに、鋳造後の高温なスラブ5の必要水冷時間と、水冷後のスラブ5の必要空冷時間とを設定する。また、制御部29は、入力部27によって入力されたスラブ5の鋼種情報に対応して、このスラブ5のフェライト変態温度を設定する。例えば、制御部29は、フェライト変態温度として、このスラブ5が冷却によってフェライト変態し始める温度、すなわち、フェライト変態開始温度(変態点Ar3)を設定する。ここで、必要水冷時間は、水冷後のスラブ5の内部温度を同スラブ5のフェライト変態開始温度超に維持しつつ、この水冷後のスラブ5の表面温度をこのフェライト変態開始温度以下とするために必要なスラブ5の水冷時間である。また、必要空冷時間は、水冷後のスラブ5の表面温度および内部温度を同スラブ5のフェライト変態開始温度以下に低下させるために必要なスラブ5の空冷時間である。制御部29は、上記のように設定した必要水冷時間、鋳造後の高温なスラブ5を水冷するように水冷装置22を制御する。また、制御部29は、上記のように設定した必要空冷時間、水冷装置22による水冷後のスラブ5を冷却床24において空冷させる。この際、制御部29は、水冷装置22から冷却床24に水冷後のスラブ5を搬送してから加熱炉32に向けて冷却床24から空冷後のスラブ5を搬出するまでの経過時間と上記設定の必要空冷時間とが同一となるように、クレーン25によるスラブ5の搬送動作と、クレーン26によるスラブ5の搬出動作とを制御する。一方、制御部29は、スラブ5を収容していない空状態の水冷装置22内に鋳造後の高温なスラブ5を搬送するように搬送部21を制御する。また、制御部29は、水冷装置22がスラブ5に対して必要水冷時間の水冷処理をし終えたタイミングに水冷装置22の出側に水冷後のスラブ5を搬送するように搬送部21を制御する。
(熱間圧延設備)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却設備2が適用される熱間圧延設備3について説明する。本実施の形態における熱間圧延設備3は、鋼材冷却設備2による空冷後のスラブ5を素材として熱間圧延等により鋼板を製造するものであり、図1に示すように、
装入装置31と、加熱炉32と、搬送装置33と、圧延機34とを備える。
装入装置31は、鋼材冷却設備2による空冷後のスラブ5を加熱炉32内へ装入するものである。具体的には、図1に示すように、装入装置31は、鋼材冷却設備2の冷却床24の近傍に設置される。また、装入装置31の出側端は、加熱炉32の装入口に接続される。装入装置31は、冷却床24から搬出された空冷後のスラブ5を順次受け入れ、受け入れたスラブ5を加熱炉32の装入口に向けて順次搬送する。その後、装入装置31は、この装入口に到達した空冷後のスラブ5を加熱炉32内に順次装入する。
加熱炉32は、鋼材冷却設備2による空冷後のスラブ5を熱間圧延前に加熱するものである。具体的には、加熱炉32は、装入装置31によって順次搬送された空冷後のスラブ5をその搬送順に受け入れ、受け入れたスラブ5を熱間圧延に必要な温度に加熱する。加熱炉32は、加熱処理が完了したスラブ5を搬送装置33に順次払い出す。
搬送装置33は、加熱炉32による加熱後のスラブ5を熱間圧延設備3の出側端に向けて搬送するものである。具体的には、搬送装置33は、加熱炉32から払い出された加熱後のスラブ5を順次受け入れる。ついで、搬送装置33は、加熱炉32による加熱後のスラブ5を、その払い出し順に順次、圧延機34の入側に搬送する。また、搬送装置33は、圧延機34によって熱間圧延されたスラブ5、すなわち、熱間圧延後の鋼板を、熱間圧延設備3の出側端に向けて順次搬送する。
圧延機34は、加熱炉32による加熱後のスラブ5を熱間圧延するものである。具体的には、圧延機34は、搬送装置33による搬送経路内に設置される。圧延機34は、搬送装置33によって加熱炉32側から搬送される加熱後のスラブ5を順次受け入れ、受け入れたスラブ5を熱間圧延する。これにより、圧延機34は、加熱後のスラブ5を鋼板に順次加工する。
なお、特に図1には図示しないが、熱間圧延設備3は、スラブ5をそのスラブ幅方向に圧下するサイドプレス装置、スラブ5に対して所定の表面処理を行う表面処理装置、熱間圧延後の鋼板を冷却する冷却装置等の鋼板製造に必要な各種設備を備える。熱間圧延設備3は、加熱炉32による加熱後のスラブ5に対して熱間圧延等の必要な処理を行い、これにより、製品要求に応じた鋼板を製造する。この際、熱間圧延設備3は、上述したように鋼材冷却設備2の水冷および空冷によって全体的にフェライト変態したスラブ5を鋼板素材として用いるので、外表面全域のみならずスラブ厚方向の全域に亘って製品要求に応じた高い靭性を有する鋼板を製造し得る。
(スラブの表面温度および内部温度)
つぎに、本実施の形態において冷却対象であるスラブ5の表面温度および内部温度について説明する。図2は、本実施の形態におけるスラブの表面温度および内部温度を説明するための図である。
本実施の形態において、スラブ5は、図2に示すように、スラブ厚方向の上端面を上表面5aとし、スラブ厚方向の下端面を下表面5bとする。また、図2には図示しないが、スラブ5は、そのスラブ厚方向に垂直な方向の各端面を側表面とする。この側表面には、スラブ5のスラブ幅方向の各端面と搬送方向の前後両側の各端面とが含まれる。スラブ5の外表面は、このスラブ5の辺部分を境に互いに連続する上表面5a、下表面5b、および側表面(図示せず)によって構成される。これらの上表面5a、下表面5b、および側表面は、本実施の形態において、スラブ5の外表面と適宜総称される。このようなスラブ5の外表面の温度(すなわち表面温度)のうち、上表面温度Taは、スラブ5の上表面5aの温度であり、下表面温度Tbは、スラブ5の下表面5bの温度である。本実施の形態において、これらの上表面温度Ta、下表面温度Tb、およびスラブ5の側表面の温度は、スラブ5の鋳造後、水冷後、および空冷後の何れの状態においても、互いに同程度の温度に変化する。すなわち、スラブ5の表面温度は、この外表面の各温度の何れか(例えば上表面温度Ta)によって代表される。
このように上表面温度Taに代表されるスラブ5の表面温度は、図1に示した水冷装置22の水冷処理によって、スラブ5のフェライト変態開始温度以下に低下する。この水冷処理において、スラブ5の表面温度の下限値は、水冷後のスラブ5の内部温度が同スラブ5のフェライト変態開始温度を超過する条件を満足し得る最低温度である。また、水冷後のスラブ5の表面温度は、図1に示した冷却床24における空冷処理の際、スラブ5の内部からの復熱によって上昇しつつ大気中への放熱によって低下し、上述した必要空冷時間の空冷後、スラブ5のフェライト変態開始温度以下となる。
一方、スラブ5は、その外表面(上表面5a、下表面5b、および側表面)によって囲まれる内側の領域(スラブ5の中実部分)をスラブ5の内部とする。例えば、本実施の形態では、スラブ5の内部として、図2に示すように、中央内部5c、上方内部5d、および下方内部5eが例示される。中央内部5cは、スラブ5のスラブ厚方向の中央部分であり、上表面5aからスラブ厚方向にスラブ5のスラブ厚dの半分(=d/2)の距離をなす。上方内部5dは、中央内部5cに比して上表面5a側の領域であり、例えば図2に示すように、上表面5aからスラブ厚方向にスラブ5のスラブ厚dの1/4(=d/4)の距離をなす。下方内部5eは、中央内部5cに比して下表面5b側の領域であり、例えば図2に示すように、上表面5aからスラブ厚方向にスラブ5のスラブ厚dの3/4(=3d/4)の距離をなす。このようなスラブ5の内部温度のうち、中央内部温度Tcは、スラブ5の中央内部5cの温度である。上方内部温度Tdは、スラブ5の上方内部5dの温度である。下方内部温度Teは、スラブ5の下方内部5eの温度である。一般に、中央内部温度Tcは、上方内部温度Tdおよび下方内部温度Teに比して高温である。
上述したスラブ5の内部温度、具体的には、中央内部温度Tc、上方内部温度Td、および下方内部温度Teは、図1に示した水冷装置22の水冷処理によって、スラブ5のフェライト変態開始温度超の温度範囲に維持されつつ若干低下する。また、水冷後のスラブ5の中央内部温度Tc、上方内部温度Td、および下方内部温度Teは、図1に示した冷却床24における空冷処理の際、スラブ5の外表面への伝熱および大気中への放熱によって低下し、上述した必要空冷時間の空冷後、スラブ5のフェライト変態開始温度以下に低下する。このようなスラブ5の空冷の進行に伴い、中央内部温度Tcと上方内部温度Tdまたは下方内部温度Teとの内部温度差の絶対値は減少する。必要空冷時間の空冷が行われた後のスラブ5において、スラブ5のスラブ厚方向の温度分布は、空冷前に比して緩和されて、略均一になる。この際、スラブ5の中央内部温度Tcと表面温度との温度差の絶対値は、スラブ5の空冷前に比して極めて小さい値(例えば40[℃]以下の値)になる。
以下、上述したスラブ5の表面温度および内部温度は、スラブ温度と適宜総称される。また、図2に示す中央内部温度Tcと上表面温度Taとの温度差等、スラブ5の外表面と内部との温度差は絶対値とする。
(鋼材冷却方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる鋼材冷却方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる鋼材冷却方法では、図1に示した鋼材冷却設備2を用い、鋳造後の高温なスラブ5を受け入れる都度、図3に示すステップS101〜S107の各処理を順次行う。これにより、冷却対象のスラブ5を、その全体がフェライト変態するように冷却し、フェライト変態後のスラブ5を鋼板素材として熱間圧延設備3に払い出す。
すなわち、図3に示すように、鋼材冷却設備2は、まず、冷却対象のスラブ5に関するスラブ情報を取得する(ステップS101)。ステップS101において、搬送部21は、鋳造された高温状態のスラブ5を水冷装置22の入側に搬送し、この鋳造後のスラブ5を冷却対象として受け入れる。入力部27は、スラブ情報として、この冷却対象である鋳造後のスラブ5のサイズを示すサイズ情報と鋼種を示す鋼種情報とを制御部29に入力する。これにより、制御部29は、この鋳造後のスラブ5のサイズ情報と鋼種情報とを取得する。
ついで、鋼材冷却設備2は、水冷前のスラブ5の表面温度を測定する(ステップS102)。ステップS102において、水冷装置22は、搬送部21によって搬送された鋳造後のスラブ5を筐体内部に受け入れる。その都度、温度測定部23は、この鋳造後のスラブ5が水冷装置22によって水冷され始める前に、同スラブ5の上表面温度Ta(図2参照)等の表面温度を測定する。その後、温度測定部23は、測定したスラブ5の表面温度を示す電気信号を制御部29に送信して、水冷前のスラブ5の表面温度を制御部29に知らせる。
続いて、鋼材冷却設備2は、冷却対象のスラブ5全体のフェライト変態に必要な水冷時間および空冷時間を設定する(ステップS103)。ステップS103において、制御部29は、ステップS101により入力部27から取得した鋼種情報に対応して、冷却対象のスラブ5のフェライト変態開始温度を設定する。フェライト変態開始温度は、鋼種情報である鋼中の各種成分値を公知のフェライト変態開始温度計算式に代入して計算することができる他、様々に鋼成分を有する多数の鋼種について、事前にフェライト変態開始温度を測定してそのデータベースを作成しておき、必要に応じて、そのデータベースからフェライト変態開始温度を読み出すこともできる。つぎに、制御部29は、冷却対象のスラブ5の水冷時間データテーブルと空冷時間データテーブルとを含む冷却時間データ28aを記憶部28から読み出す。この冷却時間データ28aのうち、水冷時間データテーブルは、水冷装置22による水冷に伴って経時変化する鋳造後のスラブ5の表面温度および内部温度と同スラブ5の水冷時間との対応関係をスラブサイズ別に示す。空冷時間データテーブルは、冷却床24における空冷に伴って経時変化する水冷後のスラブ5の表面温度および内部温度と同スラブ5の空冷時間との対応関係をスラブサイズ別に示す。制御部29は、この読み出した冷却時間データ28aと、ステップS102によって測定した水冷前のスラブ5の表面温度と、ステップS101によって取得した同スラブ5のサイズ情報とをもとに、鋳造後のスラブ5の必要水冷時間と、水冷後のスラブ5の必要空冷時間とを設定する。詳細には、制御部29は、冷却時間データ28aの中から、スラブ5のサイズ情報に合った水冷時間データテーブルおよび空冷時間データテーブルを選択し、選択した水冷時間データテーブルおよび空冷時間データテーブルと、上記水冷前のスラブ5の表面温度とをもとに、必要水冷時間および必要空冷時間を設定する。上記のように設定した必要水冷時間は、水冷後のスラブ5の内部温度を、同スラブ5の鋼種に応じたフェライト変態開始温度超に維持しつつ、この水冷後のスラブ5の表面温度をこのフェライト変態開始温度以下とするために必要なスラブ5の水冷時間である。また、上記のように設定した必要空冷時間は、水冷後のスラブ5の表面温度および内部温度を、同スラブ5の鋼種に応じたフェライト変態開始温度以下に低下させるために必要なスラブ5の空冷時間である。
つぎに、鋼材冷却設備2は、鋳造後のスラブ5に対して必要水冷時間の水冷を実行する(ステップS104)。ステップS104において、制御部29は、鋳造された高温状態のスラブ5をステップS103によって設定した必要水冷時間、水冷するように水冷装置22を制御する。水冷装置22は、この制御部29の制御に基づき、上記の必要水冷時間、鋳造後のスラブ5の外表面全域に冷却水を噴射し続けて、このスラブ5の外表面全域を水冷する。これにより、水冷装置22は、このスラブ5の内部温度を同スラブ5のフェライト変態開始温度超に維持しつつ、このスラブ5の表面温度をこのフェライト変態開始温度以下に低下させる。
その後、鋼材冷却設備2は、ステップS104による水冷後のスラブ5を水冷装置22から冷却床24に搬送する(ステップS105)。ステップS105において、搬送部21は、制御部29の制御に基づき、ステップS104による水冷処理が完了したスラブ5を水冷装置22の出側に搬送する。クレーン25は、制御部29の制御に基づき、この水冷後のスラブ5を取り上げ、取り上げたスラブ5を水冷装置22から冷却床24に向けて搬送し、冷却床24上に、この水冷後のスラブ5を載置する。
つぎに、鋼材冷却設備2は、冷却床24に搬送した水冷後のスラブ5に対して必要空冷時間の空冷を実行する(ステップS106)。ステップS106において、鋼材冷却設備2は、水冷後のスラブ5をステップS103によって設定した必要空冷時間、冷却床24にて空冷する。詳細には、冷却床24は、水冷装置22から搬送された水冷後のスラブ5をこの必要空冷時間放置し、これにより、この水冷後のスラブ5を自然に空冷する。この際、制御部29は、水冷装置22から冷却床24に水冷後のスラブ5を搬送してから熱間圧延設備3の加熱炉32に向けて冷却床24から空冷後のスラブ5を搬出するまでの経過時間と上記の必要空冷時間とを同一にするように、クレーン25によるスラブ5の搬送動作とクレーン26によるスラブ5の搬出動作とを制御する。このように制御部29によって制御された必要空冷時間、冷却床24において水冷後のスラブ5を継続して空冷することにより、このスラブ5の表面温度は、同スラブ5の内部からの復熱によって上昇しつつ、大気中への放熱によって低下し、結果、このスラブ5のフェライト変態開始温度以下に低下する。これと同時に、このスラブ5の内部温度は、同スラブ5の内部から外表面への伝熱と外表面から大気中への放熱との相乗作用により、上述した必要空冷時間の経過時点において、このスラブ5のフェライト変態開始温度以下に低下する。このように、冷却床24は、水冷後のスラブ5をそのスラブ厚方向の全域に亘ってフェライト変態開始温度以下に空冷し、結果、このスラブ5全体をフェライト変態させる。
その後、鋼材冷却設備2は、空冷後のスラブ5を熱間圧延前に加熱する加熱炉32に向けて冷却床24から搬出し(ステップS107)、本処理を終了する。ステップS107において、制御部29は、水冷後のスラブ5が冷却床24に搬送されてから必要空冷時間が経過するタイミングに、この必要空冷時間の空冷が完了したスラブ5を冷却床24から搬出するようにクレーン26を制御する。クレーン26は、この制御部29の制御に基づき、この空冷後のスラブ5、すなわち、スラブ厚方向の全域に亘りフェライト変態したスラブ5を冷却床24から取り上げ、取り上げたスラブ5を熱間圧延設備3の装入装置31上に搬出する。
ステップS107によって鋼材冷却設備2から熱間圧延設備3に払い出された空冷後のスラブ5は、上述したように、加熱炉32によって加熱された後、圧延機34による熱間圧延等を施されて、製品要求に応じた高靭性の鋼板に加工される。
(実施例)
つぎに、本発明の実施例について説明する。本実施例の条件として、冷却対象のスラブ5は、250[mm]のスラブ厚dと、2000[mm]のスラブ幅Wと、4000[mm]のスラブ長Lとを有する鋳造スラブとした。また、このスラブ5のフェライト変態開始温度は、スラブ5の鋼種に対応して550[℃]に設定した。一方、図1に示す鋼材冷却設備2の水冷装置22の水冷能力は、100[リットル/(m2/分)]とした。
上述した条件の下、鋼材冷却設備2を用い、図3に示したステップS101〜S107の各処理をスラブ5に対して順次行って、このスラブ5を水冷および空冷した。この際、鋼材冷却設備2の制御部29により、鋳造後のスラブ5の必要水冷時間は、1[分]に設定され、水冷後のスラブ5の必要空冷時間は、110[分]に設定された。
本実施例における必要水冷時間(=1[分])、水冷装置22によって鋳造後のスラブ5を水冷した結果、水冷後のスラブ5の表面温度、例えば上表面温度Taおよび下表面温度Tbは、550[℃]となった。また、この水冷後のスラブ5の内部温度、例えば中央内部温度Tcは877[℃]となり、上方内部温度Tdは、849[℃]となった。この際、スラブ5の表面温度は、放射温度計によって測定した。また、スラブ5の内部温度は、スラブ厚、表面温度および冷却条件等から、差分法を用いてスラブ厚方向の温度分布を計算することにより、求めた。
また、本実施例において、鋼材冷却設備2は、上述したように水冷した後のスラブ5を冷却床24において必要空冷時間(=110[分])、空冷した。図4は、本実施例において水冷後のスラブを空冷した際のスラブ温度および空冷時間の相関と、スラブ内外温度差および空冷時間の相関とを例示する図である。図4において、スラブ温度は、スラブ5の表面温度および内部温度の総称であり、本実施例では、一例として、スラブ5の上表面温度Ta、上方内部温度Td、および中央内部温度Tc(図2参照)が示される。スラブ内外温度差は、スラブ5の内部温度と表面温度との差であり、本実施例では、一例として、中央内部温度Tcと上表面温度Taとの温度差によって表される。また、相関線P1は、スラブ5の上表面温度Taと空冷時間との相関を示す。相関線P2は、スラブ5の上方内部温度Tdと空冷時間との相関を示す。相関線P3は、スラブ5の中央内部温度Tcと空冷時間との相関を示す。相関線P4は、スラブ5におけるスラブ内外温度差と空冷時間との相関を示す。
図4に示すように、水冷後のスラブ5を冷却床24において空冷した際、このスラブ5の中央内部温度Tcは、図2に示した中央内部5c、上方内部5d、および下方内部5e等のスラブ5の内部から同スラブ5の外表面(上表面5a等)への伝熱と、この外表面から大気中への放熱との相乗作用により、空冷時間の経過に伴って低下した。このスラブ5の上方内部温度Tdについても、上述した中央内部温度Tcと略同様に、空冷時間の経過に伴う温度低下が見られた。空冷時間が110[分]、すなわち本実施例における必要空冷時間に達した時点において、このスラブ5の内部温度は、中央内部温度Tcおよび上方内部温度Tdに例示されるように、フェライト変態開始温度(=550[℃])以下に低下した。
また、このスラブ5の上表面温度Taは、図4に示すように、空冷時間の経過に伴い、同スラブ5の内部からの復熱によってフェライト変態開始温度以上の温度に一旦上昇した。その後、上表面温度Taは、この内部からの復熱と大気中への放熱との相乗作用により、空冷時間の経過に伴って緩やかに低下した。このような上表面温度Taに例示されるスラブ5の表面温度は、図4に示すように、空冷時間が110[分]に達した時点において、本実施例におけるフェライト変態開始温度(=550[℃])以下であった。
このようなスラブ5の空冷処理において、スラブ内外温度差は、図4の相関線P4によって示されるように、スラブ5の空冷時間が20[分]に達するまでに、300[℃]超から100[℃]以下に急激に減少した。それ以後、スラブ内外温度差は、急激な変化のない安定した状態となり、空冷時間の経過に伴って緩やかに減少した。特に、空冷時間が110[分]に達した時点において、スラブ内外温度差は、38[℃]に減少した。
上述したように、スラブ5の表面温度および内部温度は、双方とも、水冷後のスラブ5の空冷時間が110[分]に達した時点にフェライト変態開始温度以下になった。また、この時点において、スラブ5の外表面と内部との温度差は38[℃]であった。このような温度状態のスラブ5は、そのスラブ厚方向の全域に亘ってフェライト変態し得る。すなわち、本実施例において、スラブ5は、必要水冷時間(=1[分])の水冷後に必要空冷時間(=110[分])の空冷を施すことにより、全体的にフェライト変態して、熱間圧延設備3の加熱炉32(図1参照)に装入可能となった。一方、鋳造後のスラブ5を水冷せずに空冷する従来の鋼材冷却手法では、本実施例と同条件のスラブ5の表面温度および内部温度をフェライト変態開始温度以下に低下するために、約8時間、スラブ5を空冷しなければならなかった。これに対し、本実施例では、上述したように、鋳造後のスラブ5を1[分]水冷した後、この水冷後のスラブ5を110[分]空冷すればよく、この結果、スラブ5のリードタイム(特に冷却時間)を約6時間、短縮できることが分かった。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、スラブの内部温度をフェライト変態開始温度超に維持しつつ同スラブの表面温度をフェライト変態開始温度以下とするに要する必要水冷時間、鋳造後の高温なスラブを水冷し、この水冷後のスラブを、その表面温度および内部温度をフェライト変態開始温度以下に低下させるに要する必要空冷時間、空冷している。
このため、スラブの内部温度をフェライト変態開始温度超に維持し得る同スラブの外表面の最低温度を下限値にして、鋳造後のスラブを水冷することができる。これに加え、この水冷によってフェライト変態開始温度以下に一旦低下させたスラブの外表面に向けて同スラブの高温状態にある内部から伝熱しつつ、この外表面から大気中に放熱して、このスラブの内部温度をフェライト変態開始温度以下に低下させるとともに、この内部温度の低下時間と同じ時間分、このスラブの外表面を空冷して同スラブの表面温度をフェライト変態開始温度以下にすることができる。これにより、鋳造後のスラブの過度な水冷並びに水冷後のスラブの過度な空冷をともに防止できるとともに、スラブ全体をフェライト変態させるために要するスラブ冷却時間を可能な限り短縮することができる。この結果、スラブを過度に長時間且つ低温に冷却することなく、スラブの表面温度および内部温度を可能な限り高温に保ちながらスラブ全体のフェライト変態を確保することができる。このことから、スラブを素材とする鋼板の熱間圧延後における表面疵の防止と、鋼板全体の靭性の要求に応じた向上とをともに実現することができる。また、従来技術に比してスラブの冷却時間を可能な限り短縮できることから、スラブのリードタイムを大幅に短縮することができ、延いては、スラブを素材とする鋼板の製造時間を短縮でき、これにより、鋼板の製造効率の向上を促進することができる。さらには、スラブの冷却し過ぎを防止できるため、熱間圧延設備の加熱炉に装入するフェライト変態後のスラブの過度な低温化を防止することができ、これにより、フェライト変態後のスラブを加熱炉によって加熱する際の使用燃料を削減できることから、加熱炉の燃料原単位の低減を促進することができる。
また、本発明の実施の形態では、水冷に伴って経時変化するスラブの表面温度および内部温度と同スラブの水冷時間との対応関係と、空冷に伴って経時変化する水冷後のスラブの表面温度および内部温度と同スラブの空冷時間との対応関係とをスラブサイズ別に示す冷却時間データを予め準備し、この冷却時間データと、水冷前のスラブの表面温度と、冷却対象のスラブのサイズ情報とをもとに、上述した鋳造後のスラブの必要水冷時間と水冷後のスラブの必要空冷時間とを一度に設定している。このため、スラブ全体を可能な限り高温に保ちながらフェライト変態させることを目的として、鋳造後の高温状態にあるスラブを水冷すべき必要水冷時間と、この水冷後のスラブを空冷すべき必要空冷時間とを、順次鋳造される複数のスラブの各々に対応して容易に設定できる。この結果、スラブ全体をフェライト変態すべく、各スラブの水冷処理およびその後続の空冷処理を簡易且つ円滑に進めることができる。
なお、上述した実施の形態では、水冷前のスラブ5の表面温度を温度測定部23によって測定していたが、本発明は、これに限定されるものではない。温度測定部23は、水冷前のスラブ5の表面温度および水冷後のスラブ5の表面温度の双方を測定してもよい。この場合、制御部29は、設定した必要水冷時間の水冷が行われた後のスラブ5の表面温度を温度測定部23から取得し、この取得した表面温度の測定値と、冷却時間データ28aに示される同じ必要水冷時間に応じた水冷後のスラブ5の表面温度(データ値)との誤差を補正するように、水冷後のスラブ5の必要空冷時間を補正してもよい。
また、上述した実施の形態では、スラブ5のフェライト変態温度として、冷却時にスラブ5のフェライト変態が始まるフェライト変態開始温度を設定していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、制御部29は、スラブ5の鋼種情報に応じ、冷却時にスラブ5のフェライト変態が完了する温度、すなわち、フェライト変態完了温度(変態点Ar1)を、スラブ5のフェライト変態温度として設定してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、スラブ温度と水冷時間との対応関係並びにスラブ温度と空冷時間との対応関係をスラブサイズ別に示す冷却時間データ28aを例示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、冷却時間データ28aは、スラブサイズのみならず、鋼材冷却設備2が設置される場所の環境温度、および環境温度に応じた冷却水の温度等を加味して更に細分化されてもよい。例えば、冷却時間データ28aに含まれるスラブ温度と水冷時間との対応関係並びにスラブ温度と空冷時間との対応関係は、天候および季節に応じて変化する環境温度下のスラブ温度を加味して、スラブサイズ別および環境温度別に細分化して示されてもよいし、季節等に応じて変化する水冷装置22の冷却水温度を加味して、スラブサイズ別および冷却水温度別に細分化して示されてもよい。あるいは、上記のスラブ温度と水冷時間との対応関係並びにスラブ温度と空冷時間との対応関係は、スラブサイズ別、環境温度別、および冷却水温度別に細分化して示されてもよい。制御部29は、入力部27からの入力情報に基づき、スラブサイズ別、環境温度別、および冷却水温度別に適宜細分化された冷却時間データ28aの中から、冷却対象のスラブ5に合った水冷時間データテーブルおよび空冷時間データテーブルを選択してもよい。
また、上述した実施の形態では、冷却時間データ28aは、過去のスラブ群の水冷実績データと空冷実績データとに基づいて導出されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明において、冷却時間データ28aは、鋳造後のスラブ水冷および水冷後のスラブ空冷の実験結果またはシミュレーション結果に基づいて蓄積したスラブ温度と水冷時間との対応関係並びにスラブ温度と空冷時間との対応関係を示すものであってもよい。
さらに、上述した実施の形態では、冷却対象の鋳造鋼材としてスラブ5を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、冷却対象の鋳造鋼材は、ビレットまたはブルーム等のスラブ以外の鋼材であってもよい。すなわち、本発明における鋳造鋼材を素材として製造される圧延鋼材は、条鋼または線材等の鋼板以外のものであってもよい。
また、上述した実施の形態または実施例により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 圧延鋼材製造設備
2 鋼材冷却設備
3 熱間圧延設備
5 スラブ
5a 上表面
5b 下表面
5c 中央内部
5d 上方内部
5e 下方内部
6,7 スラブ山
21 搬送部
22 水冷装置
23 温度測定部
24 冷却床
25,26 クレーン
27 入力部
28 記憶部
28a 冷却時間データ
29 制御部
31 装入装置
32 加熱炉
33 搬送装置
34 圧延機
P1〜P4 相関線

Claims (8)

  1. 鋳造された鉄鋼材を水冷する水冷装置と、
    前記水冷装置による水冷前の前記鉄鋼材の表面温度を測定する温度測定部と、
    前記水冷装置による水冷後の前記鉄鋼材を空冷する冷却床と、
    水冷後の前記鉄鋼材を前記水冷装置から前記冷却床に搬送する搬送手段と、
    空冷後の前記鉄鋼材を熱間圧延前に加熱する加熱炉に向けて前記冷却床から搬出する搬出手段と、
    前記鉄鋼材のサイズを示すサイズ情報を入力する入力部と、
    前記水冷装置による水冷に伴って経時変化する前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と前記鉄鋼材の水冷時間との対応関係と、前記冷却床における空冷に伴って経時変化する水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と水冷後の前記鉄鋼材の空冷時間との対応関係とを、前記鉄鋼材のサイズ別に示す冷却時間データを記憶する記憶部と、
    前記温度測定部によって測定された水冷前の前記鉄鋼材の表面温度と、前記入力部によって入力された前記サイズ情報と、前記冷却時間データとをもとに、水冷後の前記鉄鋼材の内部温度を前記鉄鋼材のフェライト変態温度超に維持しつつ水冷後の前記鉄鋼材の表面温度を前記フェライト変態温度以下とするに必要な水冷時間と、水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度を前記フェライト変態温度以下に低下させるに必要な空冷時間とを設定し、鋳造された前記鉄鋼材を前記必要な水冷時間、水冷するように前記水冷装置を制御し、水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、前記冷却床において空冷させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする鋼材冷却設備。
  2. 前記冷却時間データは、過去に鋳造された複数の鉄鋼材を前記水冷装置によって水冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の水冷実績データと、水冷後の前記複数の鉄鋼材を前記冷却床において空冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の空冷実績データとに基づいて導出されることを特徴とする請求項1に記載の鋼材冷却設備。
  3. 前記制御部は、前記水冷装置から前記冷却床に水冷後の前記鉄鋼材を搬送してから前記加熱炉に向けて前記冷却床から空冷後の前記鉄鋼材を搬出するまでの経過時間と前記必要な空冷時間とが同一となるように、前記搬送手段および前記搬出手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の鋼材冷却設備。
  4. 前記入力部は、前記鉄鋼材の鋼種を示す鋼種情報を入力し、
    前記制御部は、前記鋼種情報に対応して前記フェライト変態温度を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の鋼材冷却設備。
  5. 鋳造された鉄鋼材のサイズを示すサイズ情報を取得する情報取得ステップと、
    水冷前の前記鉄鋼材の表面温度を測定する温度測定ステップと、
    水冷に伴って経時変化する前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と前記鉄鋼材の水冷時間との対応関係と、空冷に伴って経時変化する水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度と水冷後の前記鉄鋼材の空冷時間との対応関係とを前記鉄鋼材のサイズ別に示す冷却時間データと、前記温度測定ステップによって測定した水冷前の前記鉄鋼材の表面温度と、前記情報取得ステップによって取得した前記サイズ情報とをもとに、水冷後の前記鉄鋼材の内部温度を前記鉄鋼材のフェライト変態温度超に維持しつつ水冷後の前記鉄鋼材の表面温度を前記フェライト変態温度以下とするに必要な水冷時間と、水冷後の前記鉄鋼材の表面温度および内部温度を前記フェライト変態温度以下に低下させるに必要な空冷時間とを設定する冷却時間設定ステップと、
    鋳造された前記鉄鋼材を前記必要な水冷時間、水冷装置によって水冷する水冷ステップと、
    水冷後の前記鉄鋼材を前記水冷装置から冷却床に搬送する搬送ステップと、
    水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、前記冷却床において空冷する空冷ステップと、
    空冷後の前記鉄鋼材を熱間圧延前に加熱する加熱炉に向けて前記冷却床から搬出する搬出ステップと、
    を含むことを特徴とする鋼材冷却方法。
  6. 前記冷却時間データは、過去に鋳造された複数の鉄鋼材を前記水冷装置によって水冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の水冷実績データと、水冷後の前記複数の鉄鋼材を前記冷却床において空冷して蓄積した前記複数の鉄鋼材の空冷実績データとに基づいて導出されることを特徴とする請求項5に記載の鋼材冷却方法。
  7. 前記空冷ステップは、前記水冷装置から前記冷却床に水冷後の前記鉄鋼材を搬送してから前記加熱炉に向けて前記冷却床から空冷後の前記鉄鋼材を搬出するまでの経過時間と前記必要な空冷時間とを同一にして、水冷後の前記鉄鋼材を前記必要な空冷時間、空冷することを特徴とする請求項5または6に記載の鋼材冷却方法。
  8. 前記情報取得ステップは、前記鉄鋼材の鋼種を示す鋼種情報を取得し、
    前記冷却時間設定ステップは、前記鋼種情報に対応して前記フェライト変態温度を設定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の鋼材冷却方法。
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