JP2009285699A - 連続鋳造スラブの充当方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連続鋳造機1で鋳造した鋳片の幅を当該連続鋳造機1の下流側で計測し、計測値が当該鋳片に要求されるオーダ幅に熱延調整寸法を加算した設定幅の範囲内であるか否かを判定し、計測値が設定幅の範囲から外れた際には、計測値が設定幅内に収まる他の鋳片のオーダに振り替えて次工程へ搬出する。また、計測値が設定幅の範囲内であるか否かの判定を鋳片の切断前に行い、計測値が前記設定幅の範囲から外れた際には、鋳片の切断長さを計測値が設定幅内に収まる他の鋳片の長さに変更した上で、他の鋳片のオーダに振り替えて次工程へ搬出する。
【選択図】図2
Description
しかしながら、連続鋳造機においては、例えば、何らかの要因で鋳造速度を変化させることがよくある。加えて、連続鋳造機に設けられた鋳片幅の変更装置に異常が発生することもあったりする。その場合、当該連続鋳造機で製造された鋳片は、所定の幅寸法を有さず、関連づけられた仕様(オーダ値)を満たさないものとなり、熱間圧延前に幅異常とされ、HCR操業から外され(オフラインとされ)、寸法修正工程へと運ばれることとなる。
特許文献1〜3には、連続鋳造機において、鋳片の実測幅やモールド内での鋳片の収縮量や膨張量を予測値に基づいて、鋳型の幅を変更して鋳片の幅を所定値内に納める技術が開示されている。
特許文献4には、連続鋳造機において、鋳片の重量を測定し、測定された重量を基に次鋳片の切断長さを決定しガス切断機を制御する技術が開示されている。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、本発明は、連続鋳造直後の鋳片を効率良く熱間圧延工程に搬送することによって操業効率を向上させることができる連続鋳造スラブの充当方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る技術的手段は、連続鋳造機で鋳造した鋳片の幅を当該連続鋳造機の下流側で計測し、前記計測値が当該鋳片に要求されるオーダ幅に熱延調整寸法を加算した設定幅の範囲内であるか否かを判定し、前記計測値が前記設定幅の範囲から外れた際には、計測値が設定幅内に収まる他の鋳片のオーダに振り替えて、次工程へ搬出する点にある。
これにより、寸法修正せずに振り替えの行える他のオーダが存在する場合は、鋳造した鋳片を熱片のまま次工程に送ることが可能となり、操業効率を向上させることができる。
これにより、上述した利点に加え、鋳片切断前に計測した鋳片幅が、そのままではオーダ付け替えできない場合であっても、切断長さを変更することにより、鋳片の計測値に合うオーダの振り替えを簡単に行うことができる。
[第1実施形態]
図1は、連続鋳造工程から熱間圧延工程に至るまでの流れ(連続鋳造スラブの充当方法)を示したもので、この工程は、連続鋳造機1によって鋳片(スラブ)2を鋳造すると共に鋳造したスラブ2を切断する連続鋳造工程、切断したスラブ2を次工程である熱間圧延工程に搬送する搬送工程と、熱間圧延工程とを備える。
連続鋳造工程では、連続鋳造機1のタンディッシュ3に取鍋4内の溶鋼5を供給し、当該タンディッシュ3内の溶鋼5を鋳型6に注入し、上流から下流にかけて配置されたサポートロール7で鋳造されたスラブ2を支持しながら引き抜くことでスラブ2を鋳造する。そして、連続鋳造工程では、連続鋳造機1の下流側で鋳造したスラブ2をガス切断機(切断手段)8により所定の寸法に切断する。
本発明の連続鋳造スラブの充当方法では、連続鋳造機1の鋳造したスラブ2を、常温まで冷却することなく、温度約400℃ 〜700℃ のまま輸送車9で熱間圧延工程に搬送するHCR( ホットチャージローリング)の操業を採用している。
以下、本発明の連続鋳造スラブの充当方法について、図2のフローチャート、図3及び図4を用いて説明する。
連続鋳造工程のスケジュールの設定では、ユーザから求められているスラブの幅(スラブ幅)の仕様値(オーダ幅と呼ぶこともある)を考慮して、オーダ幅が満たされるように、連続鋳造機1での鋳造幅を決定する。ユーザから求められるオーダ幅は多様化してきていると共に、オーダ幅に対するスラブの長さの範囲(出荷可能長さということがある)も多様化してきており、連続鋳造工程では、オーダ幅や出荷可能長さが異なる小ロットでの生産が主流となってきている。
図3は、オーダ毎の各種数値をまとめたもので、1チャージ分の鋳造を行うときの各オーダ表である。
連続鋳造工程でのスケジュールの設定が完了すると、スケジュールの設定で決められた鋳造幅に対応して、鋳型6の幅やサポートロール7(ロール)等の間隔が適宜設定されて、連続鋳造機1におけるスラブ2の鋳造を開始する(S2)。
次に、スケジュールに応じて鋳造された切断後のスラブ2が、自己のオーダに対応しているか否かの判定を行う(S5)。即ち、S5では、S4にて計測した計測値(スラブ幅)が、当該スラブ2のオーダの設定幅の範囲内であるか否かの判定を行う。ここで、計測値(スラブ幅)が設定幅の範囲内であれば、スラブ2はオーダの変更をすることなく、スケジュール通りに、輸送車9で次工程である熱間圧延工程に搬送する(S6)。
一方で、計測値が設定幅の範囲外である場合、設定幅の範囲から外れたオーダのスラブ2(規格外のスラブ2ということがある)が他のオーダに振り替えられるか判定する(S7:振り替え判定)。ここで、振り替え判定について詳しく説明する。
例えば、図4(a)のオーダ番号1(BLJ10520)では、設定幅の範囲が1220−1530mmであるのに対して、鋳造実績の欄に記載されているように計測値が1213mmであり、この計測値は設定幅の範囲外である。このような場合、まず、プロセスコンピュータは、予め記憶されている複数のオーダのデータ内から当該オーダ番号1のスラブ2の計測値が、設定幅内に収まる他のオーダを検索して、該当するものがあるか否かを判定する。
本発明によれば、連続鋳造機1で鋳造したスラブの幅を下流側で計測し、その計測値が当該スラブ2に要求されるオーダ幅に熱延調整寸法を加算した設定幅の範囲内であるか否かを判定し、計測値が設定幅の範囲から外れた際には、計測値が設定幅内に収まる他のスラブ2のオーダに振り替えて次工程である熱間圧延工程へ搬出しているため、異常事態によって予め決められた寸法からスラブ2が外れてしまった場合でも、スラブ2を寸法修正工程に搬出することなく、熱間のまま素早く熱間圧延工程へ搬出して圧延することができる。即ち、従来のように、寸法修正工程にて常温まで冷却していた規格外のスラブ2を、オーダの振り替えにより規格外であっても、直接、熱間の状態で使用することができるようになり、加熱炉10での昇熱コストを安く抑えることができる。また、加熱炉10内で生成するスケール量も低減する事が可能となる。
[第2実施形態]
図5は、本発明に係る連続鋳造スラブの充当方法の第2実施形態を示している。
以下、本発明の連続鋳造スラブの充当方法について、図5のフローチャート、図6を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は、同符号を付して説明を省略する。
その後、スラブ2を切断する前に、スケジュールに応じて鋳造された切断後のスラブ2が、自己のオーダに対応しているか否かの判定を行う(S5)。ここで、幅センサで計測した計測値が設定幅の範囲内であれば、スラブ2はオーダの変更をすることなく、スケジュール通りに、オーダに応じた長さでスラブ2を切断する(S21)。
例えば、図6(a)のオーダ番号8では、設定幅の範囲が1220−1530mmであるのに対して、鋳造実績の欄に記載されているように計測値が1217mmであり、この計測値は設定幅の範囲外である。このような場合、まず、プロセスコンピュータは、予め記憶されている複数のオーダのデータ内から当該オーダ番号8のスラブ2の計測値が、設定幅内に収まる他のオーダを検索して、該当するものがあるか否かを判定する。
ただし、この時点では、スラブ長さに着目すると、オーダ番号8のスラブ2のスラブ長さは、11270mmであり、振り替えようとするオーダ番号15のスラブ2のスラブ長さは、9200mmであり、オーダ番号8とオーダ番号15とのスラブ長さが異なると共に、振り替え元のオーダ番号8のスラブ長さの範囲(10390−11270mm)は、振り替え先のオーダ番号15のスラブのスラブの長さの範囲(9190−9960mm)から外れている。
このとき、振り替え元のスラブ2の切断長さ(切断する長さ)を、振り替え先のスラブ2の長さの範囲内に変更することで、オーダ番号8のスラブ2をオーダ番号15に振り替える(S22)。
一方で、振り替え判定において、他のオーダに振り替えられない場合(振り替え判定S7:No)は、規格外のスラブ2は、予め最初に設定していたオーダの長さの範囲内(出荷可能長さ)で切断され(S24)、その後、第1実施形態と同様に、寸法修正工程のラインに搬送される(S9)。その後、寸法調整されたスラブ2は、加熱炉10にて再加熱後に熱間圧延されることになる。
図7(a)に示すように、従来では、総オーダ数に対して1.71%のスラブ2が、切断後に寸法異常により直接、熱間圧延工程に搬送することができない、即ち、HCR操業不可能状態が発生した。
本発明の第1実施形態のように、オーダの振り替えの操業を行うことによって、寸法異常によるHCRの不可の発生率を1.02%まで低減することができた。さらには、本発明の第2実施形態のように、長さ(長さ範囲)の不一致による振り替え不可を無くすことで、寸法異常によるHCRの不可の発生率を0.17%まで低減することができた。
本発明は上記の実施形態に限定されない。
2 スラブ(鋳片)
Claims (2)
- 連続鋳造機で鋳造した鋳片の幅を当該連続鋳造機の下流側で計測し、
前記計測値が当該鋳片に要求されるオーダ幅に熱延調整寸法を加算した設定幅の範囲内であるか否かを判定し、
前記計測値が前記設定幅の範囲から外れた際には、前記計測値が設定幅内に収まる他の鋳片のオーダに振り替えて、次工程へ搬出することを特徴とする連続鋳造スラブの充当方法。 - 前記計測値が設定幅の範囲内であるか否かの判定を、鋳片の切断前に行い、
前記計測値が前記設定幅の範囲から外れた際には、前記計測値が設定幅内に収まる他の鋳片のオーダに振り替えると共に、当該鋳片の切断長さを振り替える他のオーダにおける鋳片の長さの範囲に収まるように鋳片を切断し、次工程へ搬出することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造スラブの充当方法。
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