JP2005006359A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤハーネス挿通用の挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供する。
【解決手段】パネル孔に嵌着する環状溝26を外部に形成し且つ内部には貫通孔25を形成したグロメット本体22と、貫通孔25に連通するようにグロメット本体22に連成したワイヤハーネス挿通用の挿通筒23と、を有するグロメット21の挿通筒23の内周面に、スパイラル形状の溝34を形成する。その溝34の端末部分35は、挿通筒23の端面36よりも内側に配置する。尚、溝34の途中に、その溝34を横切るリブ37を一又は複数形成してもよいものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】パネル孔に嵌着する環状溝26を外部に形成し且つ内部には貫通孔25を形成したグロメット本体22と、貫通孔25に連通するようにグロメット本体22に連成したワイヤハーネス挿通用の挿通筒23と、を有するグロメット21の挿通筒23の内周面に、スパイラル形状の溝34を形成する。その溝34の端末部分35は、挿通筒23の端面36よりも内側に配置する。尚、溝34の途中に、その溝34を横切るリブ37を一又は複数形成してもよいものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001 】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル孔に嵌着するとともにワイヤハーネスが挿通されるグロメットに関する。
【0002 】
【従来の技術】
車両パネルに形成されたパネル孔には、そのパネル孔に挿通されるワイヤハーネスとの間をシール、遮音、及び電気絶縁するための、弾性を有するグロメットが取り付けられている。
【0003 】
図5において、引用符号1は従来のグロメットを示している。そのグロメット1は、大径のグロメット本体2と小径の挿通筒3とを有しており、略漏斗形状に形成されている(例えば特許文献1参照)。グロメット本体2の外部には、車両パネル4のパネル孔5に嵌着する環状溝6が形成されている。また、グロメット本体2の内部には、グロメット軸方向に貫通する貫通孔7が形成されている。挿通筒3は、周壁によってワイヤハーネスを挿通することができるように筒状に形成されている。また、挿通筒3は、グロメット本体2の貫通孔7に連通するように、グロメット本体2の一端に連成されている。環状溝6と挿通筒3との間には、挿通筒3に向けて縮径する傾斜部8が全周にわたって形成されている。
【0004 】
上記構成において、グロメット1をパネル孔5に嵌着させるためには、先ず、小径の挿通筒3をパネル孔5に挿入し、その挿通筒3を挿入側の反対側から引っ張るようにする(図中の矢線方向に引っ張る)。挿通筒3が引っ張られると、傾斜部8がパネル孔5に当接し、その当接によって傾斜部8に弾性変形が生じる。これにより傾斜部8が縮径され、その縮径した傾斜部8がパネル孔5を摺接しながら通過すると、環状溝6がパネル孔5に嵌着する。
【0005 】
【特許文献1】
特開平7−105774号公報 (第2頁、第7図)
【0006 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のグロメット1にあっては、挿通筒3の肉厚が一定であることから、挿通筒3を屈曲させ難いという問題点を有している(図6に示される如く、挿通筒3の外周面が伸張し内周面が収縮することから、屈曲させ難い。尚、屈曲させ難いことによって、ワイヤハーネスを構成する電線の断線が懸念される)。
【0007 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、ワイヤハーネス挿通用の挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することを課題とする。
【0008 】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明のグロメットは、パネル孔に嵌着する環状溝を外部に形成し且つ内部には貫通孔を形成したグロメット本体と、前記貫通孔に連通するように前記グロメット本体に連成したワイヤハーネス挿通用の挿通筒とを有するグロメットであって、前記挿通筒の内周面にスパイラル形状の溝を少なくとも一つ形成したことを特徴としている。
【0009 】
請求項2記載の本発明のグロメットは、請求項1に記載のグロメットにおいて、前記溝の途中に該溝を横切るリブを一又は複数形成したことを特徴としている。
【0010 】
請求項3記載の本発明のグロメットは、請求項2に記載のグロメットにおいて、前記リブが複数ある場合に、該複数のリブを前記挿通筒の軸に平行な同一直線上に重ならないように配置形成したことを特徴としている。
【0011 】
請求項4記載の本発明のグロメットは、請求項1ないし請求項3いずれか記載のグロメットにおいて、前記溝の端末部分を前記挿通筒の端面よりも内側に配置したことを特徴としている。
【0012 】
請求項5記載の本発明のグロメットは、請求項1ないし請求項4いずれか記載のグロメットにおいて、前記挿通筒の外周面にスパイラル形状の第二の溝を形成したことを特徴としている。
【0013 】
請求項1に記載された本発明によれば、スパイラル形状の溝により、挿通筒の内周面側の肉厚による収縮抵抗が低減される。これにより、挿通筒を屈曲させ易くなる。挿通筒のフレキシブル性が向上し、屈曲させ難さに起因する電線の断線が防止される。
【0014 】
請求項2に記載された本発明によれば、溝を伝わっての水分の浸入がリブにより阻止される。リブは水切りの機能(堰の機能)を有する。また、リブにより挿通筒の塑性変形(伸び)が防止される。
【0015 】
請求項3に記載された本発明によれば、リブが複数ある場合に、その複数のリブが同一直線上に重ならないように配置される。これにより、ある方向においての屈曲が困難になるようなことが避けられる。
【0016 】
請求項4に記載された本発明によれば、溝の端末部分が挿通筒の端面よりも内側になる。これにより、挿通筒の端面からの水分の浸入が阻止される。
【0017 】
請求項5に記載された本発明によれば、スパイラル形状の第二の溝により、挿通筒の外周面側の肉厚による伸張抵抗が低減される。これにより、挿通筒をより一層屈曲させ易くなる。挿通筒のフレキシブル性が向上し、屈曲させ難さに起因する電線の断線が防止される。
【0018 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のグロメットの一実施の形態を示す断面図である。また、図2は挿通筒の拡大断面図、図3は挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【0019 】
図1及び図2において、引用符号21で示される本発明のグロメットは、ゴム又はエラストマー製の弾性を有するものであって、例えば車両パネルに貫通形成されるパネル孔と、そのパネル孔に挿通されるワイヤハーネスとの間をシール、遮音、及び電気絶縁するために設けられている。また、本発明のグロメット21は、大径のグロメット本体22と、そのグロメット本体22の一端に連成される小径の挿通筒23とを有して構成されている。
【0020 】
本発明のグロメット21は、後述するが、挿通筒23の屈曲が容易となるように形成されている。以下、上記構成について詳細に説明する。
【0021 】
上記グロメット本体22は、パネル嵌着部24と貫通孔25とを有している。パネル嵌着部24は、グロメット本体22の外部に形成される部分であって、環状溝26と傾斜部27と厚肉部28とを有している。パネル嵌着部24は、グロメット周方向の全周にわたって形成されている。
【0022 】
環状溝26は、上記パネル孔に嵌着するように溝状に形成されている。また、環状溝26は、上記パネル孔に合わせた径を有するように環状に形成されている。このような環状溝26の底部分には、上記パネル孔の孔面に対して密着するような環状の凸部29が形成されている。
【0023 】
傾斜部27は、グロメット21の取り付けの際に上記パネル孔を通過する部分であって、環状溝26よりもグロメット本体22の上記一端側に形成されている。また、傾斜部27は、環状溝26に連成されている。さらに、傾斜部27は、グロメット本体22の上記一端側に向けて縮径するように形成されている。このような傾斜部27は、頂点30を有しており、その頂点30の位置は、上記パネル孔の径よりも大きくなるように形成されている。
【0024 】
厚肉部28は、環状溝26が嵌着する上記パネル孔の縁部を傾斜部27と共に挟み込む部分であって、環状溝26よりもグロメット本体22の他端側に形成されている。また、厚肉部28は、十分な剛性を有するように厚肉に形成されている。このような厚肉部28の環状溝26側には、上記パネル孔の縁部に密着する環状のリップ31が形成されている。
【0025 】
貫通孔25は、グロメット本体22の内部に形成される部分であって、グロメット軸方向に貫通するように形成されている。貫通孔25は、挿通される上記ワイヤハーネスよりも大きな径となるように形成されている。
【0026 】
上記挿通筒23は、上記ワイヤハーネスを挿通することができるように周壁32によって筒状に形成されている。このような挿通筒23は、挿通される上記ワイヤハーネスと同じ又は若干小さな径を有するように形成されている。また、グロメット本体22の貫通孔25に連通するように、グロメット本体22の上記一端に連成されている。
【0027 】
挿通筒23のグロメット軸方向の長さは、グロメット本体22とほぼ同じくらいの長さに形成されている。また、このような長さの挿通筒23の外周面は、平坦(後述するが、これに限らないものとする)に形成されている。挿通筒23の外周面は、上記ワイヤハーネスに対してのテープ巻き部分33として設定されている。
【0028 】
挿通筒23の内周面には、スパイラル形状の溝34が形成されている。その溝34は、挿通筒23の内周面を凹ませてなるものであって、挿通筒23の肉厚を部分的に薄肉化するように形成されている(グロメット軸方向に沿って必ず一部分が薄肉化される)。また、溝34は、本形態において、三回転分の螺旋を描くように形成されている(これに限定されるものではないものとする。挿通筒23の屈曲をし易くすることができればよい)。
【0029 】
溝34の端末部分35、35(一方のみ図示)は、挿通筒23の端面よりも内側に形成されている。具体的には、挿通筒23の端面36及びグロメット本体22の上記一端よりも内側に形成されている。
【0030 】
上記構成において、グロメット21を上記パネル孔に嵌着させるためには、先ず、小径の挿通筒23を上記パネル孔に挿入し、その挿通筒23を挿入側の反対側から上記ワイヤハーネスとともに引っ張るようにする。挿通筒23が上記ワイヤハーネスとともに引っ張られると、傾斜部27が上記パネル孔に当接し、その当接によって傾斜部27に弾性変形が生じる。これにより傾斜部27が縮径され、その縮径した傾斜部27が上記パネル孔を摺接しながら通過すると、環状溝26が上記パネル孔に嵌着する。環状溝26が上記パネル孔に完全に嵌着すると、グロメット21の取り付け作業が完了する。
【0031 】
以上、本発明のグロメット21は、挿通筒23にスパイラル形状の溝34が形成される。従って、挿通筒23の内周面側の肉厚による収縮抵抗を低減することができる。これにより、挿通筒23を従来よりも格段に屈曲させ易くすることができる(図3参照。挿通筒23のフレキシブル性を向上させ、屈曲させ難さに起因する電線の断線を防止することができる)。また、挿通筒23の内周面に溝34を形成するため、テープ巻き部分33にテープが巻き難くなることはない。
【0032 】
一方、溝34は、挿通筒23の端面36よりも内側に形成される。従って、その端面36からの水分の浸入を阻止することができる。
【0033 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0034 】
すなわち、上述の溝34は連続する溝であったが、図4に示される如く、溝34の途中にその溝34を横切るリブ37を一又は複数形成してもよいものとする。図4においては、複数のリブ37が挿通筒23の軸(上記グロメット軸に一致)に平行な同一直線上に重ならないように配置形成されている(ある方向においての屈曲が困難にならないようにするため)。尚、リブ37は、水切りの機能(仮に溝34に水分があった場合に堰として機能する)と挿通筒23の塑性変形(伸び)防止機能とを有している。
【0035 】
また、上述の溝34は一つであったが、溝34の間にスパイラル形状の別の溝を追加形成してもよいものとする。
【0036 】
さらに、上述の挿通筒23の外周面は平坦であったが、溝34のようなスパイラル形状の第二の溝(不図示)を形成してもよいものとする(挿通筒23の外周面側の肉厚による伸張抵抗を低減するため)。
【0037 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、挿通筒の内周面側の肉厚による収縮抵抗を低減することができる。従って、挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することができる。
【0038 】
請求項2に記載された本発明によれば、溝を伝わっての水分の浸入を阻止することができる。また、挿通筒の塑性変形(伸び)を防止することができる。
【0039 】
請求項3に記載された本発明によれば、ある方向においての屈曲が困難になるようなことを避けることができる。
【0040 】
請求項4に記載された本発明によれば、挿通筒の端面からの水分の浸入を阻止することができる。
【0041 】
請求項5に記載された本発明によれば、挿通筒の外周面側の肉厚による伸張抵抗を低減することができる。従って、より一層、挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグロメットの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】挿通筒の拡大断面図である。
【図3】挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【図4】溝の他の例を示す拡大断面図である。
【図5】従来例のグロメットの断面図である。
【図6】従来例のグロメットにおける挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
21 グロメット
22 グロメット本体
23 挿通筒
24 パネル嵌着部
25 貫通孔
26 環状溝
27 傾斜部
28 厚肉部
29 凸部
30 頂点
31 リップ
32 周壁
33 テープ巻き部分
34 溝
35 端末部分
36 端面
37 リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル孔に嵌着するとともにワイヤハーネスが挿通されるグロメットに関する。
【0002 】
【従来の技術】
車両パネルに形成されたパネル孔には、そのパネル孔に挿通されるワイヤハーネスとの間をシール、遮音、及び電気絶縁するための、弾性を有するグロメットが取り付けられている。
【0003 】
図5において、引用符号1は従来のグロメットを示している。そのグロメット1は、大径のグロメット本体2と小径の挿通筒3とを有しており、略漏斗形状に形成されている(例えば特許文献1参照)。グロメット本体2の外部には、車両パネル4のパネル孔5に嵌着する環状溝6が形成されている。また、グロメット本体2の内部には、グロメット軸方向に貫通する貫通孔7が形成されている。挿通筒3は、周壁によってワイヤハーネスを挿通することができるように筒状に形成されている。また、挿通筒3は、グロメット本体2の貫通孔7に連通するように、グロメット本体2の一端に連成されている。環状溝6と挿通筒3との間には、挿通筒3に向けて縮径する傾斜部8が全周にわたって形成されている。
【0004 】
上記構成において、グロメット1をパネル孔5に嵌着させるためには、先ず、小径の挿通筒3をパネル孔5に挿入し、その挿通筒3を挿入側の反対側から引っ張るようにする(図中の矢線方向に引っ張る)。挿通筒3が引っ張られると、傾斜部8がパネル孔5に当接し、その当接によって傾斜部8に弾性変形が生じる。これにより傾斜部8が縮径され、その縮径した傾斜部8がパネル孔5を摺接しながら通過すると、環状溝6がパネル孔5に嵌着する。
【0005 】
【特許文献1】
特開平7−105774号公報 (第2頁、第7図)
【0006 】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のグロメット1にあっては、挿通筒3の肉厚が一定であることから、挿通筒3を屈曲させ難いという問題点を有している(図6に示される如く、挿通筒3の外周面が伸張し内周面が収縮することから、屈曲させ難い。尚、屈曲させ難いことによって、ワイヤハーネスを構成する電線の断線が懸念される)。
【0007 】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、ワイヤハーネス挿通用の挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することを課題とする。
【0008 】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためなされた請求項1記載の本発明のグロメットは、パネル孔に嵌着する環状溝を外部に形成し且つ内部には貫通孔を形成したグロメット本体と、前記貫通孔に連通するように前記グロメット本体に連成したワイヤハーネス挿通用の挿通筒とを有するグロメットであって、前記挿通筒の内周面にスパイラル形状の溝を少なくとも一つ形成したことを特徴としている。
【0009 】
請求項2記載の本発明のグロメットは、請求項1に記載のグロメットにおいて、前記溝の途中に該溝を横切るリブを一又は複数形成したことを特徴としている。
【0010 】
請求項3記載の本発明のグロメットは、請求項2に記載のグロメットにおいて、前記リブが複数ある場合に、該複数のリブを前記挿通筒の軸に平行な同一直線上に重ならないように配置形成したことを特徴としている。
【0011 】
請求項4記載の本発明のグロメットは、請求項1ないし請求項3いずれか記載のグロメットにおいて、前記溝の端末部分を前記挿通筒の端面よりも内側に配置したことを特徴としている。
【0012 】
請求項5記載の本発明のグロメットは、請求項1ないし請求項4いずれか記載のグロメットにおいて、前記挿通筒の外周面にスパイラル形状の第二の溝を形成したことを特徴としている。
【0013 】
請求項1に記載された本発明によれば、スパイラル形状の溝により、挿通筒の内周面側の肉厚による収縮抵抗が低減される。これにより、挿通筒を屈曲させ易くなる。挿通筒のフレキシブル性が向上し、屈曲させ難さに起因する電線の断線が防止される。
【0014 】
請求項2に記載された本発明によれば、溝を伝わっての水分の浸入がリブにより阻止される。リブは水切りの機能(堰の機能)を有する。また、リブにより挿通筒の塑性変形(伸び)が防止される。
【0015 】
請求項3に記載された本発明によれば、リブが複数ある場合に、その複数のリブが同一直線上に重ならないように配置される。これにより、ある方向においての屈曲が困難になるようなことが避けられる。
【0016 】
請求項4に記載された本発明によれば、溝の端末部分が挿通筒の端面よりも内側になる。これにより、挿通筒の端面からの水分の浸入が阻止される。
【0017 】
請求項5に記載された本発明によれば、スパイラル形状の第二の溝により、挿通筒の外周面側の肉厚による伸張抵抗が低減される。これにより、挿通筒をより一層屈曲させ易くなる。挿通筒のフレキシブル性が向上し、屈曲させ難さに起因する電線の断線が防止される。
【0018 】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のグロメットの一実施の形態を示す断面図である。また、図2は挿通筒の拡大断面図、図3は挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【0019 】
図1及び図2において、引用符号21で示される本発明のグロメットは、ゴム又はエラストマー製の弾性を有するものであって、例えば車両パネルに貫通形成されるパネル孔と、そのパネル孔に挿通されるワイヤハーネスとの間をシール、遮音、及び電気絶縁するために設けられている。また、本発明のグロメット21は、大径のグロメット本体22と、そのグロメット本体22の一端に連成される小径の挿通筒23とを有して構成されている。
【0020 】
本発明のグロメット21は、後述するが、挿通筒23の屈曲が容易となるように形成されている。以下、上記構成について詳細に説明する。
【0021 】
上記グロメット本体22は、パネル嵌着部24と貫通孔25とを有している。パネル嵌着部24は、グロメット本体22の外部に形成される部分であって、環状溝26と傾斜部27と厚肉部28とを有している。パネル嵌着部24は、グロメット周方向の全周にわたって形成されている。
【0022 】
環状溝26は、上記パネル孔に嵌着するように溝状に形成されている。また、環状溝26は、上記パネル孔に合わせた径を有するように環状に形成されている。このような環状溝26の底部分には、上記パネル孔の孔面に対して密着するような環状の凸部29が形成されている。
【0023 】
傾斜部27は、グロメット21の取り付けの際に上記パネル孔を通過する部分であって、環状溝26よりもグロメット本体22の上記一端側に形成されている。また、傾斜部27は、環状溝26に連成されている。さらに、傾斜部27は、グロメット本体22の上記一端側に向けて縮径するように形成されている。このような傾斜部27は、頂点30を有しており、その頂点30の位置は、上記パネル孔の径よりも大きくなるように形成されている。
【0024 】
厚肉部28は、環状溝26が嵌着する上記パネル孔の縁部を傾斜部27と共に挟み込む部分であって、環状溝26よりもグロメット本体22の他端側に形成されている。また、厚肉部28は、十分な剛性を有するように厚肉に形成されている。このような厚肉部28の環状溝26側には、上記パネル孔の縁部に密着する環状のリップ31が形成されている。
【0025 】
貫通孔25は、グロメット本体22の内部に形成される部分であって、グロメット軸方向に貫通するように形成されている。貫通孔25は、挿通される上記ワイヤハーネスよりも大きな径となるように形成されている。
【0026 】
上記挿通筒23は、上記ワイヤハーネスを挿通することができるように周壁32によって筒状に形成されている。このような挿通筒23は、挿通される上記ワイヤハーネスと同じ又は若干小さな径を有するように形成されている。また、グロメット本体22の貫通孔25に連通するように、グロメット本体22の上記一端に連成されている。
【0027 】
挿通筒23のグロメット軸方向の長さは、グロメット本体22とほぼ同じくらいの長さに形成されている。また、このような長さの挿通筒23の外周面は、平坦(後述するが、これに限らないものとする)に形成されている。挿通筒23の外周面は、上記ワイヤハーネスに対してのテープ巻き部分33として設定されている。
【0028 】
挿通筒23の内周面には、スパイラル形状の溝34が形成されている。その溝34は、挿通筒23の内周面を凹ませてなるものであって、挿通筒23の肉厚を部分的に薄肉化するように形成されている(グロメット軸方向に沿って必ず一部分が薄肉化される)。また、溝34は、本形態において、三回転分の螺旋を描くように形成されている(これに限定されるものではないものとする。挿通筒23の屈曲をし易くすることができればよい)。
【0029 】
溝34の端末部分35、35(一方のみ図示)は、挿通筒23の端面よりも内側に形成されている。具体的には、挿通筒23の端面36及びグロメット本体22の上記一端よりも内側に形成されている。
【0030 】
上記構成において、グロメット21を上記パネル孔に嵌着させるためには、先ず、小径の挿通筒23を上記パネル孔に挿入し、その挿通筒23を挿入側の反対側から上記ワイヤハーネスとともに引っ張るようにする。挿通筒23が上記ワイヤハーネスとともに引っ張られると、傾斜部27が上記パネル孔に当接し、その当接によって傾斜部27に弾性変形が生じる。これにより傾斜部27が縮径され、その縮径した傾斜部27が上記パネル孔を摺接しながら通過すると、環状溝26が上記パネル孔に嵌着する。環状溝26が上記パネル孔に完全に嵌着すると、グロメット21の取り付け作業が完了する。
【0031 】
以上、本発明のグロメット21は、挿通筒23にスパイラル形状の溝34が形成される。従って、挿通筒23の内周面側の肉厚による収縮抵抗を低減することができる。これにより、挿通筒23を従来よりも格段に屈曲させ易くすることができる(図3参照。挿通筒23のフレキシブル性を向上させ、屈曲させ難さに起因する電線の断線を防止することができる)。また、挿通筒23の内周面に溝34を形成するため、テープ巻き部分33にテープが巻き難くなることはない。
【0032 】
一方、溝34は、挿通筒23の端面36よりも内側に形成される。従って、その端面36からの水分の浸入を阻止することができる。
【0033 】
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0034 】
すなわち、上述の溝34は連続する溝であったが、図4に示される如く、溝34の途中にその溝34を横切るリブ37を一又は複数形成してもよいものとする。図4においては、複数のリブ37が挿通筒23の軸(上記グロメット軸に一致)に平行な同一直線上に重ならないように配置形成されている(ある方向においての屈曲が困難にならないようにするため)。尚、リブ37は、水切りの機能(仮に溝34に水分があった場合に堰として機能する)と挿通筒23の塑性変形(伸び)防止機能とを有している。
【0035 】
また、上述の溝34は一つであったが、溝34の間にスパイラル形状の別の溝を追加形成してもよいものとする。
【0036 】
さらに、上述の挿通筒23の外周面は平坦であったが、溝34のようなスパイラル形状の第二の溝(不図示)を形成してもよいものとする(挿通筒23の外周面側の肉厚による伸張抵抗を低減するため)。
【0037 】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された本発明によれば、挿通筒の内周面側の肉厚による収縮抵抗を低減することができる。従って、挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することができる。
【0038 】
請求項2に記載された本発明によれば、溝を伝わっての水分の浸入を阻止することができる。また、挿通筒の塑性変形(伸び)を防止することができる。
【0039 】
請求項3に記載された本発明によれば、ある方向においての屈曲が困難になるようなことを避けることができる。
【0040 】
請求項4に記載された本発明によれば、挿通筒の端面からの水分の浸入を阻止することができる。
【0041 】
請求項5に記載された本発明によれば、挿通筒の外周面側の肉厚による伸張抵抗を低減することができる。従って、より一層、挿通筒の屈曲が容易なグロメットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるグロメットの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】挿通筒の拡大断面図である。
【図3】挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【図4】溝の他の例を示す拡大断面図である。
【図5】従来例のグロメットの断面図である。
【図6】従来例のグロメットにおける挿通筒の屈曲状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
21 グロメット
22 グロメット本体
23 挿通筒
24 パネル嵌着部
25 貫通孔
26 環状溝
27 傾斜部
28 厚肉部
29 凸部
30 頂点
31 リップ
32 周壁
33 テープ巻き部分
34 溝
35 端末部分
36 端面
37 リブ
Claims (5)
- パネル孔に嵌着する環状溝を外部に形成し且つ内部には貫通孔を形成したグロメット本体と、前記貫通孔に連通するように前記グロメット本体に連成したワイヤハーネス挿通用の挿通筒とを有するグロメットであって、
前記挿通筒の内周面にスパイラル形状の溝を少なくとも一つ形成した
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1に記載のグロメットにおいて、
前記溝の途中に該溝を横切るリブを一又は複数形成した
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項2に記載のグロメットにおいて、
前記リブが複数ある場合に、該複数のリブを前記挿通筒の軸に平行な同一直線上に重ならないように配置形成した
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1ないし請求項3いずれか記載のグロメットにおいて、
前記溝の端末部分を前記挿通筒の端面よりも内側に配置した
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1ないし請求項4いずれか記載のグロメットにおいて、
前記挿通筒の外周面にスパイラル形状の第二の溝を形成した
ことを特徴とするグロメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163634A JP2005006359A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | グロメット |
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Publications (1)
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---|---|
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Family
ID=34090696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003163634A Withdrawn JP2005006359A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | グロメット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005006359A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106252934A (zh) * | 2016-08-31 | 2016-12-21 | 重庆龙煜精密铜管有限公司 | 一种射频电缆内导体 |
CN108351049A (zh) * | 2015-10-19 | 2018-07-31 | 利萨·德雷克塞迈尔有限责任公司 | 套管以及制造此类套管的方法 |
CN110884446A (zh) * | 2018-09-10 | 2020-03-17 | 矢崎总业株式会社 | 护环 |
JP2020043674A (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 矢崎総業株式会社 | グロメット |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163634A patent/JP2005006359A/ja not_active Withdrawn
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