JP2004343889A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電線束Wを挿通したグロメットをパネルPの円形孔Pa内に挿入する場合に、カバー部材12の円形孔Paに当てがって押し込むと、カバー部材12は凹凸面12aが円形孔Paの内縁を滑動しながら入り込み、凹凸面12aの線分12bを折り込むことにより外径をすぼめると、グロメット本体11の前端部もこれに追従して外径がすぼまることになる。更に押し込むことにより、カバー部材12、前端部は円形孔Pa内を潜り抜け、これらはその弾発性により復元し、点線で示すように環状溝11eが円形孔Paの内縁に嵌合する。
【選択図】 図5
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、パネルに挿通する電線束等を保護すると共に、パネルの内外を水密に保持するグロメットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の多くのグロメットは合成ゴムを主体とし、例えば自動車等のエンジンルームと運転席とを仕切るパネルの円形孔に取り付けられ、パネルの内外を通線する電線束の損傷を防止すると共に、パネル内外の防水性を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このグロメットを電線束を挿通した状態で、パネルの円形孔に嵌め込むことは、グロメットの円錐面がうまくすぼまらずに、熟練を要しなければなかなか難しい。このために、図9に示す例えば特許文献1には、グロメット1の円錐面12に放射状に線状凸部3を形成することが開示され、この線状凸部3を円形孔に摺接させて抵抗を低減させながら、グロメット1をすぼめて挿入するようにしている。
【特許文献1】
特開平11−27834号公報
【0004】
しかし、この従来例においてもグロメットが柔かいゴム製の場合には過大に変形し易く、円形孔を通過させることが困難であり、硬いゴムを用いるとパネルに歪み等がある場合には、円形孔とグロメットとの間に隙間が生ずる場合もあり、その部位の密着度が低下し、水漏れが発生する虞れがある。
【0005】
本発明の目的は、上述した問題点を解消し、ゴムが柔らかくとも、パネルの円形孔に容易に挿通可能で、密封性の良好なグロメットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るグロメットは、電線束をパネルの円形孔に水密に挿通するためのグロメットであって、前記電線を挿通する円筒部周囲にフランジ状に張り出した略裁頭円錐面とその後方に円環溝とを有するゴム製のグロメット本体と、該グロメット本体の前記円錐面に被着する硬質材料のカバー部材とから成り、前記カバー部材は屈曲によりその外径を可変とし、前記パネルの円形孔に前記カバー部材を被着した円錐面を変形させて挿入し前記円環溝に嵌合することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図8に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態のグロメットの正面図、図2は側面図、図3は断面図を示しており、グロメットはグロメット本体11、図4の正面図にも示すカバー部材12とから構成されている。
【0008】
柔軟な合成ゴムから成るグロメット本体11は、電線束を挿通し緊締する第1の小径筒部11aと、大径筒部11b、第2の小径筒部11cが順次に連設されている。大径筒部11bの外周側にフランジ部11dが形成され、その外周に環状溝11eが形成されている。また、フランジ部11dの周囲の第2の小径筒部11c側に、テーパ状の裁頭円錐部11fが形成されている。更に、第1の小径筒部1aと大径部11b間の内部には、柔軟なひれ部11gがオリフィス状に形成されている。
【0009】
カバー部材12は例えば硬質の合成樹脂又は金属から成り、略円環状とされ、グロメット本体11の裁頭円錐部11fのほぼ全面を密着するように覆っている。このカバー部材12の外表面には、放射状に線分を有する凹凸面12aが設けられており、これらの凹凸面12aの線分12bに沿って屈曲し得るようになっている。
【0010】
図5はこのようにして組立て、電線束Wを挿通したグロメットをパネルPの円形孔Pa内に挿入する過程の説明図を示し、カバー部材12を円形孔Paに当てがって押し込むと、カバー部材12の凹凸面12aが円形孔Paの内縁を滑動しながら入り込み、線分12bを折り込むことによって外径がすぼまると、グロメット本体11の裁頭円錐部11fもこれに追従して外径がすぼまることになる。
【0011】
更に押し込むことにより、カバー部材12、裁頭円錐部11fは円形孔Pa内を潜り抜け、これらはその弾発性により復元し、点線で示すように環状溝11eが円形孔Paの内縁に係合する。これにより、電線束Wを保持したグロメットがパネルPに対し前後移動不能にかつ水密に固定されることとなる。
【0012】
図6は第2の実施の形態の正面図、図7は断面図、図8はカバー部材の正面図を示している。合成樹脂又は金属から成るカバー部材22の内側のリング22aに、複数個の切片22bがひれ状に付設され、これらの切片22bは放射状に配置され、グロメット本体11の裁頭円錐部11fに接するように外側に傾斜している。また、各切片22bの内側には係止爪22cが設けられており、これらの係止爪22cは裁頭円錐部11fに形成された係止溝11bに嵌入されている。
【0013】
このように構成した第2の実施の形態においても、パネル部Pの円形孔Paに挿入するに際して、カバー部材22が円形孔Paにならってすぼまり、これに追従してグロメット本体11が変形するので、挿入が容易となる。
【0014】
なお、大径筒部11bを設け挿通される電線束Wの周囲に余剰空間部を形成しているので、電線束Wの間を通り抜ける衝撃波状の雑音の音圧をこの余剰空間部内で平滑するため、遮音効果を有する。また、第1の小径筒部11aと大径筒部11b間に設けたリング部11gはこれらの間の空間を機械的に遮断し、遮音効果を助長する。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るグロメットは、ゴム製のグロメット本体に硬質の変形可能なカバー部材を被着したので、電線束を挿通した状態でパネルの円形孔に容易に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の正面図である。
【図2】側面図である。
【図3】断面図である。
【図4】カバー部材の正面図である。
【図5】パネルにグロメットを嵌合する過程の説明図である。
【図6】第2の実施の形態の正面図である。
【図7】断面図である。
【図8】カバー部材の正面図である。
【図9】従来例のグロメットの斜視図である。
【符号の説明】
11 グロメット本体
11a、11c 小径筒部
11b 大径筒部
11d フランジ部
11e 環状溝
11f 裁頭円錐面
11h 係止溝
12、22 カバー部材
12a 凹凸面
12b 線分
22a リング
22b 切片
22c 係止爪
Claims (5)
- 電線束をパネルの円形孔に水密に挿通するためのグロメットであって、前記電線を挿通する円筒部周囲にフランジ状に張り出した略裁頭円錐面とその後方に円環溝とを有するゴム製のグロメット本体と、該グロメット本体の前記円錐面に被着する硬質材料のカバー部材とから成り、前記カバー部材は屈曲によりその外径を可変とし、前記パネルの円形孔に前記カバー部材を被着した円錐面を変形させて挿入し前記円環溝に嵌合することを特徴とするグロメット。
- 前記円筒部は前記円錐面の前方及び後方に突出した請求項1に記載のグロメット。
- 前記カバー部材は放射状方向の線分を有する凹凸面に形成し、これらの該凹凸面の線分に沿って屈曲可能とした請求項1に記載のグロメット。
- 前記カバー部材はリングに複数の可動のひれ状の切片を放射状に取り付け、これらの切片を前記円錐面上に係止した請求項1に記載のグロメット。
- 前記カバー部材は金属又は合成樹脂材とした請求項1に記載のグロメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003137387A JP2004343889A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | グロメット |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003137387A JP2004343889A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | グロメット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004343889A true JP2004343889A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33527061
Family Applications (1)
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JP2003137387A Pending JP2004343889A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | グロメット |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007066682A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Yazaki Corp | グロメット |
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CN115117824A (zh) * | 2021-03-19 | 2022-09-27 | 住友电装株式会社 | 护线套组件及线束 |
-
2003
- 2003-05-15 JP JP2003137387A patent/JP2004343889A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4668740B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2011-04-13 | 矢崎総業株式会社 | グロメット |
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CN115117824A (zh) * | 2021-03-19 | 2022-09-27 | 住友电装株式会社 | 护线套组件及线束 |
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