JP2005003940A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Motoaki Okitsu
元章 沖津
Tatsuya Shinkawa
達也 新川
Hideki Goto
英樹 後藤
Minoru Tomii
稔 冨依
Hiroaki Hori
裕明 堀
Shotaro Okamoto
昌太郎 岡本
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Abstract

【課題】搬送された用紙を適切に定着装置のニップ領域に誘導すること。
【解決手段】加熱ローラと加圧ローラとにより構成する定着装置Xを軸支する所定の支軸71を中心に,少なくとも上記加圧ローラ50bを自在に揺動させる。これにより,用紙先端部が加熱ローラ側に到達するよう搬送された場合であっても,その到達ポイントに上記定着ローラ対50のニップ領域52を移動させることができ,用紙を適切にニップ領域52に誘導し,その結果,定着画像の光沢化,用紙詰まり,用紙のカール状の変形等の発生を防止することが可能となる。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,未定着トナー像を担持する記録材に上記未定着トナー像を定着させる画像形成装置の定着装置に関し,特に上記記録材を定着装置のニップ領域へ適切に誘導する定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,装置の占有面積を少なくするフロントアクセスタイプの複写機等の画像形成装置においては,装置の下部に配置された用紙給紙部と,装置の上部に配置された原稿の読取部との間に配置された用紙受け部(排紙部)に印字後の用紙を排出するタイプのものが開発されている。かかる画像形成装置では,用紙は,給紙部から送り出されたところで略水平状態から略垂直上方へ向かった後にレジストローラ対により挟持搬送され,感光体に引き付けられ,その後に定着装置へ搬送される。
【0003】
一般に上記感光体に引き付けられた用紙は,その用紙の自重によって感光体から離脱するのであるが,この離脱するタイミングは,用紙の特質(硬さ,厚さ,重さ,素材等)により異なる。例えば薄い(軽い)用紙は厚い(重い)用紙に較べて感光体の静電気力に抗して離脱する力が弱いため,感光体に引き付けられる時間は長い。特に上記タイプの画像形成装置においては,感光体が略鉛直方向へ用紙を搬送する鉛直搬送路中に配設されているため,用紙の自重が感光体から離脱する方向に働き難く,そのため,上記時間差が顕著に現れる。このような時間差は,用紙の先端部分が後工程の定着装置へ到達するポイントにずれを生じさせる原因となる。
【0004】
ここで,図6を用いて,従来の定着装置Aに例えば52g/mの薄紙用紙Sが搬送された場合の用紙搬送状態について説明する。尚,図6の(a)は用紙Sの先端部分が定着装置Aに到達した場合の用紙搬送状態を,(b)は用紙Sの中央部分が定着装置Aのニップ領域52に到達した場合の用紙搬送状態を,(c)は用紙Sの後端部分が定着装置Aのニップ領域52に到達した場合の用紙搬送状態をそれぞれ示している。
転写装置に送り込まれた用紙Sは,図6(a)に示すように,感光体32に静電気的に引き付けられ,その後,転写装置36によりトナー像が転写された後,感光体32からすぐに離脱せず,しばらく感光体32に引き付けられて該感光体32と付随して回転する。しかし,その後,感光体32の除電作用が行なわれることにより,用紙Sはその自重により感光体から離脱する。この離脱のタイミングは,用紙が厚い(重い)ほど早く,用紙Sのように薄い(軽い)ほど遅くなる。このように離脱した用紙Sは,搬送ガイド53に沿うことなく,その先端部が直接的に加熱ローラ50aのP点ヘ到達する場合がある。P点に到達した用紙Sの先端部は,上記加熱ローラ50aから受ける熱及びその回転力(矢印Q方向)により加熱ローラ50aに付随して巻き取られるように上記ニップ領域52へ導かれる。
上記ニップ領域52において上記用紙Sの先端部分が搬送される際,上記定着ローラ対50はその回転力,及び挟持圧接力により用紙Sを搬送方向下流側へ引き寄せる。これにより,用紙Sは感光体32から徐々に引き剥がされ,図6(b)に示されるように,用紙Sの先端部以降(例えば中央部付近)では,用紙Sは搬送ガイド53に沿って搬送されることになる。
その後,用紙Sの後端部が搬送され,上記ニップ領域52を通過する際,上記後端部は若干上記加熱ローラ側に引き付けられた後に上記加熱ローラから離脱する(図6(c))。このようにして,定着装置Aは,上記用紙Sに対して,上記加熱ローラ50aから熱を,上記加圧ローラ50bから圧力を与えることにより,上記用紙S上に担持する未定着トナー溶融・固着させて,用紙Sに画像を定着させる。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−341688号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,このように搬送された場合,用紙Sは,正常に搬送された場合と較べて上記加熱ローラから過剰に熱を受けることとなり,とりわけ,その先端部が必要以上に加熱されることになる。このように,必要以上にトナーが加熱されると,定着画像の品質に影響を与える。例えば,定着画像が光沢化し,看者にとって大変見にくい画像を形成する結果となる。また,溶融したトナーが固着せず,加熱ローラ50aに溶融したトナーが付着するおそれも生じる。またこのとき,用紙が加熱ローラ50aから離れず付随して回転することにより,用紙詰まりが生じるという問題が起こり得る。更に,用紙の含有水分が多い場合は,画像面側の蒸発水分が多くなり,用紙が湾曲状に変形するといった問題も生じる。
【0007】
一方,特許文献1には,加熱ローラに付勢して圧接する加圧ローラの付勢力を,調整するために,定着装置筐体に設けられた回動操作可能な操作部材を回動させることにより,上記付勢力を調整するカム機構を備えた定着装置が示されている。これにより,定着装置のトナー定着圧を外部から容易に且つ簡便に調整することができる。
【0008】
しかしながら,上記特許文献1の画像形成装置では,定着圧を調整することにより,用紙の厚さに関係なく定着画像の品質を同質に保つことができるが,前記したように1枚の用紙上の一部分(例えば先端部分)だけに生じる画像の光沢化,用紙の湾曲等の問題を解決することはできない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,定着装置に到達する用紙の到達点が用紙毎に異なっていようとも,搬送された用紙を適切に定着装置のニップ領域に誘導する定着装置及びこの定着装置を具備する画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,上記定着装置を軸支する所定の支軸を中心に,少なくとも上記加圧ローラを自在に揺動させる加圧ローラ揺動手段を具備してなることを特徴とする定着装置として構成されている。
このように,加圧ローラを揺動させることにより,上記定着ローラ対に到達し用紙先端部の位置を変化させることが可能となり,たとえば,用紙先端部が加熱ローラ側に到達するよう搬送された場合であっても,加圧ローラを揺動させることにより,その到達ポイントを加圧ローラ側に変更させることができる。これにより,用紙が過剰に加熱されることが無くなり,その結果,定着画像の光沢化,用紙詰まり,用紙の変形等の発生が防止され得る。
この場合,上記加圧ローラ揺動手段が,上記定着装置を軸支すると共に上記加熱ローラを軸支する支軸を中心に上記加圧ローラを自在に揺動させるもの,上記定着ローラ対により挟持搬送される上記記録材のニップ位置に応じて上記加圧ローラを揺動させるもの,上記記録材の特質に応じて上記加圧ローラを揺動させる揺動させるもの,或いは上記記録材の先端部を上記加圧ローラ表面上の所定の位置に当接するよう該加圧ローラを揺動させるものであることが考えられる。
【0010】
更に,上記揺動手段が,上記定着装置の筐体外部に当接して配置された所定の偏芯カムを回動させることにより上記加圧ローラを揺動させるもの,或いは上記定着装置の筐体外部に当接して配置された所定のソレノイドを作用させることにより上記加圧ローラを揺動させるものであれば,当該定着装置自身を揺動させることにより上記加圧ローラを相対的に揺動させることが可能となる。
【0011】
また,本発明を,加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,上記定着ローラ対により挟持搬送される上記記録材のニップ位置が,上記記録材の先端部から,中央部を経て,後端部に移行するに従い,上記加圧ローラを上記ニップ位置に応じて揺動させるよう制御する揺動制御手段を具備する構成として捉えてもよい。
【0012】
更にまた,本発明を,加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,上記記録材の先端部が挟持搬送される際に,該先端部が上記加圧ローラ表面上の所定の位置に当接するよう,上記定着装置を軸支する所定の支軸を中心に上記加圧ローラを揺動させる第1の揺動制御手段と,上記記録材の中央部が挟持搬送される際に,上記第1の揺動制御手段により揺動された上記加圧ローラを,更に上記所定の支軸を中心に上記記録材の搬送方向下流側へ角度θ1だけ揺動させる第2の揺動制御手段と,上記記録材の後端部が挟持搬送される際に,上記第2の揺動制御手段により揺動された上記加圧ローラを,更に上記所定の支軸を中心に上記記録材の搬送方向下流側へ角度θ2だけ揺動させる第3の揺動制御手段とを具備する構成として捉えても良い。
【0013】
また,上記定着を備えた画像形成装置であっても,前記課題を解決することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る定着装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す断面図,図2は搬送方向上流側から見た本発明に係る定着装置Xの概略構成図,図3は本発明の実施の形態に係る定着装置Xの模式断面図,図4は用紙の種類に応じた加圧ローラの揺動角度を示す図表,図5は薄紙Sが本発明の実施の形態にかかる定着装置Xにより搬送される状態を示す模式断面図,図6は薄紙Sが従来の定着装置Aにより搬送される状態を示す模式断面図である。
【0015】
まず,図1の断面図を用いて,本発明の実施の形態に係る定着装置Xを備えた画像形成装置1について説明する。
本画像形成装置1は,印刷モードとしてコピアモード(複写モード),プリンタモード,FAXモードを有しており,不図示の操作部からの操作入力や,パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが,不図示の制御部によって選択される。
図1に示すように,本画像形成装置1は,原稿読取部10,給紙部20,印刷部30,排紙部40に大別される。更に上記給紙部20は給紙カセット21及び手差しフィーダ21に分別される。上記原稿読取部10は給紙カセット21上方に配設され,排紙部40は原稿読取部10と給紙カセット21の中間部位に配設されている。
【0016】
以下に,上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。
原稿読取部10(スキャナ部)のプラテンガラス11上に原稿が載置された後,ユーザが給紙部20の給紙カセット21に用紙を装着し,装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)を入力した後に,操作パネルのスタートキーを操作するとコピー動作が開始される。
スタートキーが操作されると,メイン駆動モータ(不図示)が始動し,各駆動ギヤが回転する。その後,給紙ローラ23が回転して用紙が給紙され,給紙された用紙は搬送路R1を通ってレジストローラ対31へ到達する。用紙は,このレジストローラ対31手前において,感光体ドラム32上に形成される画像の先端部(画像形成開始部)と用紙の先端部との同期をとるために一時停止される。尚,手差しフィーダ22に用紙がセットされた場合は,給紙ローラ24が回転して給紙された用紙は搬送路R2を通ってレジストローラ対31へ到達する。
【0017】
一方,原稿読取部10においては,コピーランプ12a(光源)が点灯し,コピーランプユニット12が矢印方向へ移動することで露光が開始される。コピーランプ12aにより原稿に照射された照射光は,原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり,該反射光は,コピーランプユニット12に設けられた第1ミラー12bから第2ミラー13,第3ミラー14,光学レンズ15から,CCD16へ入力されることによって読み取られる。
このようにして読み取られた画像情報は,不図示の制御部が備えるCCD回路で,光の画像情報が電気的信号に変換され,その画像情報信号は,設定された条件で画像処理が行われ,LSUユニット33へプリントデータとして送信される。
【0018】
他方,感光体ドラム32は,帯電ユニット34により,全体が所定帯電電位に帯電される。LSUユニット33からのレーザ光は,不図示のポリゴンミラーや各種レンズを通して,感光体ドラム32へ照射されて,感光体ドラム32上に静電潜像が形成される。その後,現像槽35中のMGローラ35s上のトナーが,感光体ドラム32表面上に引き寄せられ,静電潜像はトナーによって感光体ドラム32上の電位ギャップに応じて顕像化される。
【0019】
また,作像される用紙(記録材)は,感光体32の回転開始とタイミングを合わせて回転開始するレジストローラ対31により,感光体ドラム32方向へ搬送され,転写装置36(コロナチャージャ)により感光体ドラム32上のトナー像が用紙に転写される。感光体ドラム32上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレード37aによってかきとられ,クリーナーユニット37により回収される。
【0020】
他方,トナー像の転写が終了し,未定着トナー像が転写された用紙は,定着装置Xへ送り出される。この用紙には,加熱ローラ50aと加圧ローラ50bとが互いに圧接してニップ領域52を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対50を通過する際に,熱と圧力が加えられる。これにより,上記未定着トナー像が用紙に溶融・固着される。定着装置Xに用紙が送出されるとき,その用紙の先端部分を上記ニップ領域52へダイレクトに到達するよう誘導する必要があり,望ましくは用紙の先端部分を上記ニップ領域52よりやや加圧ローラ50b側に誘導する必要がある。これは,前記したように,加熱ローラ50a側に到達することによりトナーに過剰な熱が加えられ,定着画像の品質低下や定着装置X内での用紙の紙詰まり等の不具合の発生を防止するためである。そのため,上記定着装置Xには,該定着装置Xを軸支する所定の支軸(例えば加熱ローラ50aの支軸)を中心に,少なくとも上記加圧ローラを自在に揺動させる加圧ローラ揺動手段が設けられている。この加圧ローラ揺動手段により,用紙の先端部分が適切に上記ニップ領域52近傍に誘導されるので,上記未定着トナー像が必要以上に過剰に加熱されることがなくなり,その結果,定着画像の光沢化,紙詰まり,用紙の変形当の等の不具合の発生が防止される。当該加圧ローラ揺動手段については,後段において詳細に説明する。
定着装置Xにより未定着トナー像が定着された用紙は,排紙ローラ41により排紙トレイ42に排出される。
【0021】
次に,図2及び図3を用いて,本発明の実施の形態に係る定着装置Xについて詳しく説明する。ここに,図2は搬送方向上流側から見た本発明に係る定着装置Xの概略構成を示す図,図3は本発明の実施の形態に係る定着装置Xの断面を模式的に表した図である。
図2に示されるように,本定着装置Xは,少なくとも加熱ローラ50aと,加圧ローラ50bと,これらを格納する定着装置Xの筐体70とを備え,更に,カム駆動装置65,カム駆動ギア64,カム従動ギア63,カム軸62,及び偏芯カム61からなる揺動装置60(加圧ローラ揺動手段の一例)を備えて構成されている。
上記加熱ローラ50aと上記加圧ローラ50bとは互いに圧接してニップ領域52を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対50を構成している。上記加熱ローラ50aの支軸71は画像形成装置1本体側に軸支されており,上記筐体70及び該筐体70に軸支された加圧ローラ50bは,この支軸71に回動自在に支持されている。従って,上記加圧ローラ50bは上記支軸71を中心にして揺動自在に軸支されている。
【0022】
上記揺動装置60を構成するカム駆動装置65は電動機や該電動機を駆動制御する及びコントローラ等からなるものである。上記コントローラは,用紙の厚さを検出する図外の用紙厚検出センサや,用紙の重量を検出する図外の用紙重量検出センサ等からの出力信号に応じて上記電動機の駆動を制御するものである。すなわち,上記コントローラは用紙の厚さ,重量等の特質に応じて上記揺動装置60を駆動させるものである。このカム駆動装置65の出力軸にはカム軸62を回転駆動させるカム駆動ギア64が固定されている。上記カム軸62の上記カム駆動装置65側の端部にはカム従動ギア63が固着されている。また,上記カム駆動ギア64を具備するカム駆動装置65と,上記カム従動ギア63を具備するカム軸62とは,上記カム駆動ギア64と上記カム従動ギア63とが噛み合うよう配置されている。更に上記カム軸62には,上記定着装置Xの筐体70の上記加熱ローラ50a側の外部に当接する偏芯カム61が固着されている。
このような揺動装置60が駆動されると,上記カム駆動装置65の出力トルクがカム駆動ギア64,カム従動ギア63を介して上記カム軸62に伝わり,該カム軸62が回転することにより上記偏芯カム61が回動する。この回転力は,上記偏芯カム61により,筐体70が揺動され,加熱ローラ50aに対する加圧ローラ50bの接触位置,即ちニップ点が移動する。
【0023】
次に,図5を用いて,上記揺動装置60を具備する定着装置Xに薄紙用紙S(52g/m)が搬送された場合の搬送状態について説明する。ここに,図5の(a)は用紙Sの先端部分が定着装置Xに到達したときの用紙搬送状態を,(b)は用紙Sの中央部分が定着装置Xのニップ領域52に到達したときの用紙搬送状態を,(c)は用紙Sの後端部分が定着装置Xのニップ領域52に到達したときの用紙搬送状態をそれぞれ示している。
用紙の搬送に先立って用紙の厚さ或いは重さ(用紙の特質の一例)に関する情報が手動で,或いは用紙厚みセンサ等から出力された信号が自動的に上記カム駆動装置65(若しくはそのコントローラ)に入力され,その情報に基づき上記カム駆動装置65がカム61を駆動させることにより,加圧ローラ60bの加熱ローラ60aとの接点(ニップ点)が用紙の厚さ等に適した位置にセットされる。
転写装置に送り込まれた用紙Sは,図5(a)に示すように,感光体32に静電気的に引き付けられ,その後,転写装置36により感光体32上に作像されたトナー像が転写される。前記従来技術の説明でも述べたように,トナー像が転写された用紙Aが薄紙である場合には,感光体32からすぐに離脱せず,しばらく感光体32に引き付けられて該感光体32と付随して回転する。その後,用紙Sの剛性,自重等により,用紙Sが感光体32から離脱する。このように離脱した用紙Sは,この場合薄いものであるために搬送ガイド53に沿うことなく,その先端部が直接的に加熱ローラ50a側に向かって搬送される。このとき,本定着装置Xは前記したように揺動装置60を駆動させて,上記加熱ローラ51aの支軸71を中心にして定着装置Xを揺動させる。上記用紙Sの先端部分をニップ領域52,特に,該ニップ領域52よりやや加圧ローラ51b側の加圧ローラ表面上のポイント(先端部分到達ポイント)に当接するよう,予め上記定着装置Xを揺動させている。これにより,用紙Sが直接的に加熱ローラ50aに当接せずにニップ領域52に差し込まれるので,従来生じていた用紙の過熱による定着画像の光沢化等の画像品質の低下,用紙詰まり,用紙の変形等の発生が防止され得る。
このように,用紙Sの先端部分が上記定着ローラ対50により挟持搬送されるに際して,上記先端部分が上記先端部分到達ポイントに当接するよう上記定着装置Xを揺動させる機能を実現するのが第1の揺動制御手段の一例である。
【0024】
上記定着ローラ対50がニップ領域52に差し込まれた用紙Sの先端部分を挟持すると,加熱ローラ50a及び加圧ローラ50bの回転力,挟持圧接力により用紙Sは搬送方向下流側へ引き出されて,感光体32に引き寄せられていた用紙Sは徐々に上記感光体32から引き剥がされる。上記定着ローラ対50が用紙Sの中央部分を挟持搬送する際には,用紙Sは完全に感光体32から引き剥がされて搬送ガイド53に沿って搬送される。この場合には,搬送ガイド53に沿って搬送される用紙を挟持搬送するに適した位置に上記定着ローラ対50のニップ点を移動させるため,上記先端部分到達ポイントに当接するよう予め揺動されていた上記定着装置Xを用紙搬送方向下流側へ角度θ1揺動させる。この角度θ1は上記ニップ点を用紙が挟持搬送されるに適した位置,即ち,用紙が担持するトナー像に対して最適に加熱,加圧がなされ,正常にトナー像が用紙に定着される位置であれば良い。
このように,用紙Sの中央部分が上記定着ローラ対50により挟持搬送されるに際して,上記第1の揺動制御手段により上記先端部分到達ポイントに当接するよう予め揺動された上記定着装置Xを,上記用紙Sの搬送方向下流側へ角度θ1揺動させる機能を実現するのが第2の揺動制御手段の一例である。
【0025】
その後,上記用紙Sの後端部分が上記定着ローラ対50により挟持搬送されるに際して,上記第2の揺動制御手段により揺動された上記定着装置Xを,上記用紙Sの搬送方向下流側へ更に角度θ2揺動させる。従来の定着装置Aでは,用紙の後端部分が挟持搬送される場合,その後端部分が上記加熱ローラ側に引き付けられていた。しかしこのような現象は,後端部分が必要以上に加熱されて当該部分の定着画像が光沢化するおそれがある。従って,用紙Sの後端部分を加熱ローラ50aから離脱させるために,定着ローラ対50のニップ点を更に用紙搬送方向へ移動させることとした。
このように,用紙Sの後端部分が上記定着ローラ対50により挟持搬送されるに際して,上記第2の揺動制御手段により角度角度θ1揺動された上記定着装置Xを,上記用紙Sの搬送方向下流側へ更に角度θ2揺動させる機能を実現するのが第3の揺動制御手段である。
尚,本実施例では上記揺動角度θ1は搬送される用紙の特質によって変位するものであり,例えば,A4サイズの上記用紙が搬送された場合は,その揺動角度θ1は15°である。また,上記揺動角度θ2は搬送される用紙の特質によっては変位しないものであり,どのような特質を有する用紙が搬送された場合であっても,その揺動角度は略5°である。このような用紙の特質と上記角度θ1,θ2との関係を図4に示す。
【0026】
上述のように,上記定着ローラ対50により挟持搬送される用紙Sの先端部,中央部,そして後端部に応じて,即ち,用紙Sがニップされるニップ位置に応じて上記加圧ローラ50bを揺動させることにより,用紙の搬送状況に応じて適切に用紙の搬送を行なうことが可能となり,これにより前記定着画像の光沢化,用紙詰まり,用紙の変形等の不具合を防止する効果が更に高まる結果となる。
【0027】
【実施例】
上記実施の形態では,加圧ローラ揺動手段の一例として,上記揺動装置60のカム駆動装置65を駆動制御することにより偏芯カム61に伝達された回転力を直線往復運動に変換し,更に加熱ローラ50aの軸心71を中心とした回転運動(揺動運動)に変換することにより,上記定着装置Xを揺動させる構成について説明した。しかし,本発明の上記加圧ローラ揺動手段は特にこれに限定されるものではない。例えば,上記揺動装置60に換えて,コイルの磁気的エネルギーを内部可動鉄心の直線往復運動という機械エネルギーに変換するソレノイドを用いることが考えられる。該ソレノイドを上記定着装置Xの筐体70の外部に当接するよう配置し,このソレノイドを制御することにより,上記加圧ローラ50bを揺動させる構成としても良い。上記ソレノイドは,基本的に電源のON/OFFのみの容易な制御で動作するため,定着装置Xの構成を簡易化することができ,更に,ギア等の複雑な駆動部を必要としないため,装置規模を縮小化することも可能となる。
【0028】
また,上記実施の形態では,上記定着ローラ対50が挟持する用紙の先端部,中央部,後端部の3段階に分けて上記加圧ローラ50bの揺動を制御する第1の揺動制御手段,第2の揺動制御手段,及び第3の揺動制御手段について説明したが,特にこれに限定されることない。例えば,上記定着ローラ対50により挟持搬送される用紙のニップ位置が,上記先端部から中央部を経て後端部に移行するに従い上記加圧ローラ50bを上記ニップ位置に応じて無段階に(リニアに)揺動するよう制御するものであっても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,上記定着装置を軸支する所定の支軸を中心に,少なくとも上記加圧ローラを自在に揺動させることにより,上記定着ローラ対50に到達した用紙先端部分の到達ポイントに上記定着ローラ対50のニップ領域52を移動させることが可能となり,例えば,用紙先端部分が加熱ローラ50a側に到達するよう搬送された場合であっても,その到達ポイントをニップ領域52に変更させることができる。これにより,用紙上の未定着トナーが過剰に加熱されることが無くなり,その結果,定着画像の光沢化,用紙詰まり,用紙のカール状の変形等の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る定着装置Xを具備する画像形成装置の概略構成を表す断面図
【図2】搬送方向上流側から見た本発明に係る定着装置Xの概略構成図。
【図3】本発明の実施の形態に係る定着装置Xの模式断面図。
【図4】用紙の種類に応じた加圧ローラの揺動角度を示す図表。
【図5】薄紙Sが本発明の実施の形態にかかる定着装置Xにより搬送される状態を示す模式断面図。
【図6】薄紙Sが従来の定着装置Aにより搬送される状態を示す模式断面図。
【符号の説明】
1…画像形成装置
10…画像読取部
20…給紙部
21…給紙カセット
22…手差しフィーダ
23,24…給紙ローラ
30…印刷部
31…レジストローラ対
32…感光体ドラム
34…帯電ユニット
35…現像槽
36…転写装置
40…排紙部
41…排紙ローラ
42…排紙トレイ
50…定着ローラ対
50a…加熱ローラ
50b…加圧ローラ
52…ニップ領域
53…搬送ガイド
60…揺動装置
61…偏芯カム
62…カム軸
63…カム従動ギア
64…カム駆動ギア
65…カム駆動装置
70…定着装置Xの筐体
71…加熱ローラ50aの支軸

Claims (11)

  1. 加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,
    上記定着装置を軸支する所定の支軸を中心に,少なくとも上記加圧ローラを自在に揺動させる加圧ローラ揺動手段を具備してなることを特徴とする定着装置。
  2. 上記加圧ローラ揺動手段が,上記定着装置を軸支すると共に上記加熱ローラを軸支する支軸を中心に上記加圧ローラを自在に揺動させるものである請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記加圧ローラ揺動手段が,上記定着ローラ対により挟持搬送される上記記録材のニップ位置に応じて上記加圧ローラを揺動させるものである請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 上記加圧ローラ揺動手段が,上記記録材の特質に応じて上記加圧ローラを揺動させる揺動させるものである請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 上記加圧ローラ揺動手段が,上記記録材の先端部を上記加圧ローラ表面上の所定の位置に当接するよう該加圧ローラを揺動させるものである請求項1〜4に記載の定着装置。
  6. 上記揺動手段が,上記定着装置の筐体外部に当接して配置された所定の偏芯カムを回動させることにより上記加圧ローラを揺動させるものである請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 上記揺動手段が,上記定着装置の筐体外部に当接して配置された所定のソレノイドを作用させることにより上記加圧ローラを揺動させるものである請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 上記加圧ローラ揺動手段が,当該定着装置自身を揺動させることにより上記加圧ローラを揺動させるものである請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,
    上記定着ローラ対により挟持搬送される上記記録材のニップ位置が,上記記録材の先端部から,中央部を経て,後端部に移行するに従い,上記加圧ローラを上記ニップ位置に応じて揺動させるよう制御する揺動制御手段を具備してなることを特徴とする定着装置。
  10. 加熱ローラと加圧ローラとが互いに圧接してニップ領域を形成しつつ回転する一対の定着ローラ対によって,未定着トナー像を担持する記録材を挟持搬送することにより,上記未定着トナー像を上記記録材上に定着させる画像形成装置の定着装置において,
    上記記録材の先端部が挟持搬送される際に,該先端部が上記加圧ローラ表面上の所定の位置に当接するよう,上記定着装置を軸支する所定の支軸を中心に上記加圧ローラを揺動させる第1の揺動制御手段と,
    上記記録材の中央部が挟持搬送される際に,上記第1の揺動制御手段により揺動された上記加圧ローラを,更に上記所定の支軸を中心に上記記録材の搬送方向下流側へ角度θ1だけ揺動させる第2の揺動制御手段と,
    上記記録材の後端部が挟持搬送される際に,上記第2の揺動制御手段により揺動された上記加圧ローラを,更に上記所定の支軸を中心に上記記録材の搬送方向下流側へ角度θ2だけ揺動させる第3の揺動制御手段と,
    を具備してなることを特徴とする定着装置。
  11. 上記1〜10に記載の定着装置を備えてなる画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009282116A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム
JP2011248299A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Kyocera Mita Corp 定着装置及び画像形成装置
US8238791B2 (en) 2008-12-24 2012-08-07 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing unit including pivoting frame and image forming apparatus having the same

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