JP3722474B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものであり、特にレジストローラの搬送方向上流側にフィードローラを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機等の画像形成装置にはレジストローラと呼ばれるローラ対が備えられている。このレジストローラは画像形成部(感光体ドラム等を用いて搬送されてきた用紙にトナー像を転写する部分)の搬送方向上流側に設けられており、給紙部から搬送されてきた用紙の先端斜め補正と該画像形成部にて用紙にトナー像を転写するのに最適なタイミングで用紙を送り出す(所謂、2次給紙)役目を果たしている。
【0003】
即ち,回転が停止している該レジストローラのニップ位置に給紙部から給紙されてきた用紙を当接させて用紙に撓みを形成させることで、該用紙が斜めに搬送されてきても適正に斜め補正をし、その後前述したように該画像形成部にて用紙にトナー像を転写するのに最適なタイミングで用紙を送り出すため、レジストローラが回転するようになっている。
【0004】
該レジストローラの搬送方向上流側には給紙部があるが、給紙部からレジストローラまでの搬送路長さ等の関係で、レジストローラの搬送方向上流側にフィードローラが設けられているものがある。このフィードローラは、給紙部から給紙されてきた用紙をレジストローラまで搬送する役目を果たすものであるが、レジストローラは前述したように、当初回転停止状態にあり、用紙に所定の撓みを形成するようになっている関係から、該フィードローラはレジストローラにて用紙に形成された撓みが所定量に達したタイミングで回転停止するようになっている。
【0005】
このフィードローラは専用の駆動源を有しているのではなく、他のローラ(例えば給紙ローラやレジストローラ等)と駆動源を共用している場合が多い。このため、該駆動源からギア等を介して駆動伝達され、さらにクラッチ等を用いて該フィードローラの回転や回転停止を行うようになっている。即ち、このクラッチのON、OFFによって駆動伝達及び遮断を行うことでフィードローラの回転及び回転停止を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、レジストローラへ用紙を当接させて用紙に所定量の撓みを形成する役目を果たすフィードローラの回転停止がこのようにクラッチによって行われているため、クラッチによる駆動源からの駆動伝達の遮断の後、慣性力によってフィードローラは若干回転してしまうこととなる。設計段階でこの慣性力を考慮したとしても、用紙の厚さや環境条件あるいは製品毎のバラツキによって慣性力による回転量は様々である。この慣性力による回転量の増加はレジストローラでの用紙の撓み量に直接影響を及ぼす。すなわち、慣性力による回転量が様々であると、レジストローラによる撓み量も様々なものとなり、過度の撓み量が発生するものは紙詰まりや紙折れの原因となる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レジストローラによる用紙の撓み量を適正なものとし、紙詰まりや紙折れの発生しない画像形成装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、レジストローラの搬送方向上流側に設けられたフィードローラと、該フィードローラを回転させるべく駆動力を伝達するための駆動源と、該駆動源から該フィードローラへの駆動伝達及び遮断を行うためのクラッチを備えた画像形成装置において、該フィードローラと同軸上もしくは該フィードローラからギア連結されたギアと同軸上にトルクリミッタが設けられ、該トルクリミッタは内輪と外輪とを備えており、該内輪は該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸に固定されて、該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸と一体回転し、該外輪は保持部材によって固定されており、該内輪とともに回転しないようになっており、前記フィードローラはフィードローラユニットの側板に回転可能に支持され、該フィードローラユニットは画像形成装置本体側板に支持され、前記保持部材は該画像形成装置本体側板に固定されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
この発明によれば、レジストローラで用紙の撓みを形成した後、フィードローラの駆動伝達が解除されると、上記トルクリミッタの影響により、内輪の回転に負荷がかかるので、フィードローラは慣性力の影響を受けることなく回転停止させることができる。したがって、レジストローラでの用紙の撓み量はどのような条件であっても所定量となる。このため、レジストローラでの用紙への撓みを形成する際に、紙詰まりや紙折れといった問題が発生することはない。
【0010】
さらに、内輪の回転に負荷をかけるのにトルクリミッタを使用しているので、例えば軸に負荷部材を当接させる等の方法に比べて、磨耗による負荷量の変化といった問題がない。
したがって、長期間にわたって安定した使用が可能となる。
またこの発明によれば、前記フィードローラはフィードローラユニットの側板に回転可能に支持され、該フィードローラユニットは画像形成装置本体側板に支持されている画像形成装置である場合、例えば本発明を使用せず製品販売されている画像形成装置であったとしても、フィードローラユニットを取り外すことなくトルクリミッタを取り付けることが可能であるため非常に便利である。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記フィードローラからギア連結されたギアと同軸上に該フィードローラを手動で回転させることができる回転つまみが設けられており、前記トルクリミッタは該ギアと同軸上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0012】
この発明によれば、フィードローラからギア連結されたギアと同軸上に該フィードローラを手動で回転させることができる回転つまみが設けられた画像形成装置である場合に、前記トルクリミッタは該ギアと同軸上に設けられているので、例えばフィードローラのメンテナンスの際に該トルクリミッタを取り外す必要がないので、メンテナンス作業に負担をかけることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態である複写機の概略断面図、図2はフィードローラ近傍の断面図、図3は図2のA−A断面図、図4はトルクリミッタの取り付け構造を示す断面図である。
【0016】
以下に示す実施形態は、画像形成装置のうち複写機の例について示したものである。まず、図1を参照して、この複写機は、複写機本体1の下部に配設された給紙部100と、この給紙部100の側方及び上方に配設された用紙搬送部200と、この用紙搬送部200の上方に配設された画像形成部300と、この画像形成部300よりも排出側に配設された定着部400と、これらの画像形成部300および定着部400の上方に配設された光学系部材などからなる画像読取部500を備えている。
【0017】
給紙部100は、4つの給紙カセット111のうちの選択された給紙カセット111から、円弧外周部を有する給紙ローラ112の回転動作によって給紙カセット111の出口側(図1の右側)に用紙115を送り出すとともに、給紙カセット111の幅方向両端上部にそれぞれ設けられたさばき部116によってさばくことにより、最上位置の用紙115を1枚ずつ確実に用紙搬送部200に給紙するようになっている。また、これら4つの給紙カセット111は複写機本体1に対し、引き出し自在に構成されている。
【0018】
用紙搬送部200は、給紙部100から給紙された用紙115を、搬送ローラ201、フィードローラ(搬送ローラのうち搬送方向最下流側の搬送ローラ)202およびレジストローラ203によって画像形成部300に向けて搬送し、さらに画像形成部300から定着部400において画像形成がなされた用紙115を排出ローラ205によって排出トレイ204上に排出するようになっている。尚,搬送ローラ201、フィードローラ202、レジストローラ203及び排出ローラ205は、一対のローラによって構成されているものである。また、レジストローラ203の手前には用紙115の搬送によってON、OFFするように配置されたレジストスイッチ203aが設けられている。このレジストスイッチ203aのON、OFF信号は図外の制御手段へ送られるようになっている。
【0019】
ここで、レジストローラ203は従来技術の欄でも説明したように、画像形成部300の搬送方向上流側に設けられており、給紙部100から搬送されてきた用紙115の先端斜め補正と該画像形成部300にて用紙115にトナー像を転写するのに最適なタイミングで用紙115を送り出す(所謂、2次給紙)役目を果たしているものである。このため、該レジストローラ203は、図外の駆動源からギア及びクラッチを介して駆動伝達されており、用紙115が搬送されてきた際には、レジストローラ203の回転は停止(クラッチOFFにより、駆動源からの駆動伝達を遮断)しており、搬送されてきた用紙115の先端をレジストロ―ラ203のニップ部に当接させて用紙115の先端に所定の撓みを形成させた後(レジストスイッチ203aONから所定時間経過後)、レジストローラ203を回転(クラッチONにより、駆動源からの駆動を伝達)させて画像形成部300に用紙115を搬送するようになっている。
【0020】
このように、該レジストローラ203で用紙115に適正な撓みを形成させるために、レジストローラ203の搬送方向上流側にあるフィードローラ202の回転及び停止は重要な役目を果たす。即ち、該フィードローラ202は、図外の駆動源からギア及びクラッチを介して駆動伝達されており、用紙115が搬送されてくる際には、フィードローラ202は回転(クラッチONにより、駆動源からの駆動を伝達)しており、レジストローラ203で該用紙115の先端に所定の撓みが形成されるまで回転を継続し、用紙115がレジストローラ203にて所定の撓みが形成されれば(レジストスイッチ203aONから所定時間経過後)、該フィードローラ202はその回転を停止(クラッチOFFにより、駆動源からの駆動伝達を遮断)するようになっている。フィードローラの具体的構成については後述する。尚,上記レジストローラ203及びフィードローラ202の回転及び回転停止のため、上記駆動源及びクラッチも上記制御手段に接続されている。
【0021】
画像形成部300は、電子写真プロセスによって、用紙115に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された光導電性を有する感光体ドラム301と、この感光体ドラム301の周囲にその回転方向に沿って、帯電ユニット302、露光ユニット303、現像ユニット304、転写ユニット305、クリーナー306および除電ユニット307を備えている。
【0022】
帯電ユニット302は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備え、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体ドラム301の表面に所定電位を与えるものである。露光ユニット303は、後述する画像読取部500によって読み取られた原稿の画像データに基づいてレーザ発光器から出力されるレーザ光を、ポリゴンミラーおよび反射鏡を介して感光体ドラム301に照射することにより、感光体ドラム301表面の電位を選択的に減衰させて、この感光体ドラム301の表面に静電潜像を形成するものである。現像ユニット304は、上記静電潜像をトナーにより現像して、感光体ドラム301の表面にトナー像を形成するものである。転写ユニット305は、感光体ドラム301の表面のトナー像を用紙115に転写するものである。この複写機においては、転写ユニット305は、感光体ドラム301から所定距離だけ離間した転写ローラによって構成されている。クリーナー306は、転写後の感光体ドラム301の表面に残留しているトナーを除去するものである。除電ユニット307は、感光体ドラム301の表面の残留電荷を除去するものである。
【0023】
定着部400は、この画像形成部300の用紙搬送方向の下流側に配置され、画像形成部300においてトナー像が転写された用紙115を、加熱ローラ401およびこの加熱ローラ401に押し付けられる加圧ローラ402によって挟んで加熱し、用紙115上にトナー像を定着させるものである。
【0024】
画像読取部500は、コンタクトガラス501上に載置された原稿に、露光ランプから光を照射し、その反射光を反射鏡を介してCCDラインセンサ等からなる光電変換部に導くことにより、原稿の画像情報を読み取るものである。なお、露光ランプおよび反射鏡は走査動作部を形成しており、この走査動作部が、所定の速度で図1の左右方向に移動領域508を移動動作することにより、コンタクトガラス501上に載置された原稿の全面を走査し、原稿全面の画像を読み取ることができる様になっている。
【0025】
次に、図2乃至図4を参照してフィードローラ202及びその近傍の具体的構成について説明する。フィードローラ202は上ローラ202aと下ローラ202bとによって構成されている。これら上ローラ202aと下ローラ202bとはそれぞれの長手方向両端から突出するように軸202c、202dが備えられている。該上ローラ202aは軸受202e、202iを介して、下ローラ202bは軸受202f、202jを介してそれぞれフィードローラユニット210の前後の側板210a、210bに回転可能に支持されている。
【0026】
上ローラ202aの後面側端部にはギア202gが、下ローラ202bの後面側端部にはギア202hがそれぞれ一体回転可能に設けられている。該ギア202gとギア202hは噛合しており、また図外の駆動源とギア202hが駆動連結されている。さらに、ギア202hにはクラッチ202kが設けられており、駆動源からの駆動伝達と遮断を行えるようになっている。即ち、該クラッチ202kがONである場合、駆動源からの駆動伝達によりギア202gを介して下ローラ202bが、ギア202g、ギア202hを介して上ローラが回転するようになっており、クラッチ202kがOFFになると駆動源からの駆動伝達が遮断されて上ローラ202aと下ローラ202bはその回転が停止するようになっている。
【0027】
また、下ローラ202bの前面側端部にはギア221が設けられており、フィードローラユニット210の前面側側板210aから立設した軸224に回転可能に設けられたギア224が該ギア221に噛合している。これらフィードローラ202、軸受202e、202f、202i、202j及びギア202g、202h、221、222、クラッチ202k、前面側側板210a、後面側側板210b等によってフィードローラユニット210が醸成されている。該フィードローラユニット210は図示しない取り付け部材によって複写機本体1の前後側板1a、1bに支持されている。
【0028】
一方、複写機本体1の前側板1aには軸受226を介して軸225が回転可能に支持されており、該軸225の後面側端部には前記フィードローラユニット210に設けられたギア224と噛合するようにギア223が該軸225と一体回転可能に設けられている。また、該軸225の前面側端部には操作つまみ250が該軸225と一体回転可能に設けられている。
【0029】
さらに、該軸225の軸方向中央部にはトルクリミッタ230が設けられている。該トルクリミッタ230は内輪231と外輪232とを備えている。該内輪231はスプリングピン233によって軸255に固定されている。また外輪232は前側板1aに取り付けられた断面略コ字状の保持部材240に固定されている。固定方法については、ビス、圧入、接着等周知の方法による。また、該保持部材240はビス243、244によって前側板1aに取り付けられている。尚,該保持部材240には該ビス243、244が取り付けることが可能なように開口241、242が設けられている。
【0030】
このトルクリミッタ230としては、常時内輪231と外輪232とが磁力またはばね等によって所定の連結力で連結されており、内輪231に用紙搬送方向に一定以上の回転トルクが付与された際にその連結力が弱められ、内輪231が外輪232に対して回転する構造のものが用いられている。具体的には、内輪231に用紙搬送方向に5.88×10-2Nm以上の回転トルクが付与された場合に、内輪231が外輪232に対して回転するようなトルクリミッタ230が用いられている。よって、図外の駆動源からギア202h、下ローラ202b、ギア221、ギア224、ギア220を介して、5.88×10-2Nm以上の回転トルクで軸225への回転が駆動伝達された場合には、軸225が回転することとなる。本実施形態では、フィードローラ202が回転する際には、駆動源から軸225へは0.98Nmの回転トルクで駆動伝達されているので、軸225は回転することとなる。このとき、軸225から、ギア223、222、221を介して下ローラへ5.88×10-2Nmの回転負荷がかかることになる。この回転負荷が、レジストローラ203での用紙先端への撓みを形成する際に、フィードローラ202の回転を停止するためにクラッチ202kをOFFした際に発生する慣性力を抑えることとなる。このため、レジストローラ203での用紙先端への撓み量は常に一定となる。尚、トルクリミッタ230によるフィードローラへの回転負荷の値については、駆動源からの回転トルクの値等を考慮し、トルクリミッタの大きさを変更することにより適宜選択が可能である。
【0031】
また、上記回転つまみ250はフィードローラ202部で紙詰まりが発生した場合に、該回転つまみ250を手動で回転させることで、用紙115を紙詰まり処理できる個所まで移動させた後、紙詰まり処理を行うためのもので、該フィードローラ202の上ローラ202aと下ローラ202bとが固定されており各ローラ間の圧接解除機構がないために設けられた機構である。ここで、ギア222にはワンウェイクラッチ226が設けられている。該ワンウェイクラッチ226は用紙搬送方向にのみフィードローラ202を回転できるように取り付けられている。したがって、該回転つまみ250をフィードローラ202の用紙搬送方向(図3の矢印A方向)に回転させた際にはフィードローラ202まで駆動伝達されて、用紙は用紙搬送方向下流側まで搬送される。これは、紙詰まり処理できるスペースがフィードローラ202の用紙搬送方向上流側にはなく、フィードローラ202での紙詰まり処理は必ず用紙搬送方向下流側まで搬送させなければ処理できないからである。
【0032】
尚、上記のように、トルクリミッタ230はギア225と同軸上に設けられているので、例えばフィードローラ202のメンテナンス(上ローラ202aあるいは下ローラ202bの交換等)の際に該トルクリミッタ230を取り外す必要がないので、メンテナンス作業に負担をかけることはない。
【0033】
また、上記のように、フィードローラ202はフィードローラユニット210の前後の側板210a、210bに回転可能に支持され、トルクリミッタ230の外輪232を固定する保持部材240は前側板1aに固定されているので、例えば本発明を使用せず製品販売されている画像形成装置であったとしても、フィードローラユニット210を取り外すことなくトルクリミッタ230を取り付けることが可能であるため非常に便利である。
【0034】
続いて作用について説明する、給紙部100から給紙されてきた用紙115は搬送ローラ201によって搬送方向上流側にあるフィードローラ202を通ってレジストローラ203まで搬送されてくる。このとき、図外の制御手段により、フィードローラ202は回転すべくクラッチ202kはONとなっており、レジストローラ203はその回転を停止すべく図外のクラッチがOFFとなっている。このような状態で、用紙115はフィードローラ202を通過し、その先端がレジストローラ203のニップ位置に当接する。さらにフィードローラ202は回転し、レジストローラ203の手前にあるレジストスイッチ203aをONしてから所定時間経過後に、フィードローラ202の回転を停止すべく制御手段からの信号によりクラッチ202kはOFFとなり、駆動源からの駆動伝達を遮断する。このとき、下ローラ202bとギア連結された軸225にはトルクリミッタ230が設けられているので、慣性力によるフィードローラの回転はなく、即ち、クラッチ202のOFFとほぼ同時にフィードローラ202はその回転を停止する。この状態で、用紙115の先端はレジストローラ203に当接して所定の撓みを形成しており、しかもこの撓み量は様々な諸条件に関連なく一定したものとなる。しかもトルクリミッタを用いているので、軸に負荷部材を当接させる等の方法に比べて、磨耗による負荷量の変化といった問題がない。したがって、長期間にわたって安定した使用が可能となる。
【0035】
その後(フィードローラ202の回転停止からさらに所定時間経過後)、レジストローラ203が回転すべく図外のクラッチがONとなり、所謂2次給紙を開始し、画像形成部300によって用紙115にトナー像が形成された後、定着部400にて用紙115にトナー像が定着され、排出ローラ205によって排紙トレイ204に排出されることとなる。このようにして、所望のコピーが得られることとなる。
【0036】
以上説明したのは、本発明の一実施形態であって本発明はこれに限定されるものではない。例えば、レジストローラでの用紙先端への所定撓み形成後のフィードローラ回転停止に伴う慣性力の発生を防止するために、上記実施形態では下ローラからギア連結された軸にトルクリミッタを設けたが、下ローラあるいは上ローラの軸へ直接トルクリミッタを設けるようにしてもかまわない。
【0037】
また、上記実施形態では、フィードローラをユニット構成としているものへの適用例について示したが、本発明はこれに限定されず本体側板へ支持させたものへの適用も可能である。さらに、上記実施形態では、回転つまみを回転させてフィードローラ部での紙詰まり処理を行うものへの適用例を示したが、一方のローラに対し他方のローラを退避させてフィードローラ部での紙詰まり処理を行うものへの適用も可能である。この場合、上記実施形態のようにフィードローラ(下ローラ)からギア連結された軸が存在しない場合があるので、このような場合にはフィードローラのうちのいずれかのローラ(上ローラ又は下ローラ)の軸へトルクリミッタを設ければよい。
【0038】
また、上記実施形態は複写機の例について説明したが、本発明はファクシミリやプリンター等の画像形成装置全般に適用が可能である。
【0039】
【発明の効果】
この発明によれば、フィードローラと同軸上もしくは該フィードローラからギア連結されたギアと同軸上にトルクリミッタが設けられており、該トルクリミッタは内輪と外輪とを備えており、該内輪は該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸に固定されて、該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸と一体回転し、該外輪は保持部材によって固定されており、該内輪とともに回転しないようになっているので、レジストローラで用紙の撓みを形成した後、フィードローラの駆動伝達を遮断するのにクラッチをOFFしても上記トルクリミッタの影響により、内輪の回転に負荷がかかるので、慣性力の影響を受けることがない。したがって、レジストローラでの用紙の撓み量はどのような条件であっても所定量となる。このため、レジストローラでの用紙への撓みを形成する際に、紙詰まりや紙折れといった問題が発生することはない。
【0040】
さらに、内輪の回転に負荷をかけるのにトルクリミッタを使用しているので、例えば軸に負荷部材を当接させる等の方法に比べて、磨耗による負荷量の変化といった問題がない。したがって、長期間にわたって安定した使用が可能となる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である複写機の概略断面図。
【図2】 フィードローラ近傍の断面図。
【図3】 図2のA−A断面図。
【図4】 トルクリミッタの取り付け構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 複写機本体
200 用紙搬送部
202 フィードローラ
203 レジストローラ
210 フィードローラユニット
230 トルクリミッタ
231 内輪
232 外輪
240 保持部材
250 回転つまみ

Claims (2)

  1. レジストローラの搬送方向上流側に設けられたフィードローラと、該フィードローラを回転させるべく駆動力を伝達するための駆動源と、該駆動源から該フィードローラへの駆動伝達及び遮断を行うためのクラッチを備えた画像形成装置において、
    該フィードローラと同軸上もしくは該フィードローラからギア連結されたギアと同軸上にトルクリミッタが設けられ、
    該トルクリミッタは内輪と外輪とを備えており、
    該内輪は該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸に固定されて、該フィードローラの軸もしくは該フィードローラからギア連結された軸と一体回転し、
    該外輪は保持部材によって固定されており、該内輪とともに回転しないようになっており、
    前記フィードローラはフィードローラユニットの側板に回転可能に支持され、該フィードローラユニットは画像形成装置本体側板に支持され、前記保持部材は該画像形成装置本体側板に固定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記フィードローラからギア連結されたギアと同軸上に該フィードローラを手動で回転させることができる回転つまみが設けられており、
    前記トルクリミッタは該ギアと同軸上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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