JP2005003827A - 文字発生装置、文字発生方法、文字発生プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

文字発生装置、文字発生方法、文字発生プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】解像度が低い表示装置などに文字列を表示させる場合に、文字のばらつきを無くして読み易い文字を発生させる。
【解決手段】拡縮タイプ切替手段4によって、文字コード入力手段2によって入力された文字コードと、サイズ指定入力手段3によって入力されたビットマップサイズと応じて、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率をそれぞれ変化させるための拡縮タイプを決定し、その拡縮タイプに応じて、拡縮手段5によって、記憶手段1に記憶された文字データの形状を拡縮させて、文字データを出力手段7から出力させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのように解像度が低い表示装置に好適に用いられ、文字の形状を表すデータから文字を発生させる文字発生装置、文字発生方法、この方法の処理手順をコンピュータに実行させるための文字発生プログラムおよび、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に、この種の従来の文字発生装置について説明する。
【0003】
例えば図13(a)の枠内に示す「胃」や、図13(b)の枠内に示す「エ」などの文字情報を含み、文章を表現するために必要な一揃いの文字のセットはフォントと称される。これらの文字セット(フォント)には、例えばJISコード、シフトJISコード、EUCコード、JIS区点コード、UNICODEなどの文字コードが割り当てられている。これらフォントは、上記コードの全てを網羅する文字を含んでいてもよいし、例えば、かな類のみまたは、数字のみなどのフォントであってもよい。
【0004】
フォントを構成する図13(a)の「胃」や図13(b)の「エ」などは文字と称される。フォントに含まれている文字は、図13にW3で示すボディ枠を有している。このボディ枠は、複数の文字が文字列として、隣接する文字のボディ枠同士が接するように、縦または横に並べられたときに、最低必要とされる字間や行間を含む枠として定義されており、同一フォント内の全ての文字に対して共通のサイズに設定されている。
【0005】
また、フォントに含まれている文字は、図13にW2で示すレター枠を有している。このレター枠は、文字の字形がデザインされる最大のサイズとして定義されており、同一フォント内の全ての文字に対して共通のサイズに設定されている。
【0006】
さらに、フォントに含まれている文字は、図13にW1に示す文字枠を有している。この文字枠は、文字の字形が実際にデザインされている範囲を示しており、それぞれの文字でサイズが異なっている。図13(a)および(b)に示すように、文字枠は、それぞれの文字に対して異なるサイズの矩形によって表されている。例えば、図13(a)に示す「胃」の文字枠は「エ」の文字枠よりも大きい矩形で表され、図13(b)に示す「エ」の文字枠は「胃」の文字枠よりも小さい矩形で表されている。
【0007】
なお、図13(a)および図13(b)では、簡略化のため、文字の形状を文字の骨格形状を表すストロークデータで表しているが、文字の形状は、文字の輪郭形状を表すアウトラインデータで表わされていてもよい。
【0008】
このような文字の形状を表すデータから文字を発生させる従来技術として、例えば特許文献1および特許文献2には、写植機やプリンタなどの解像度が高い印刷装置によって文字列を印字する際に、文字サイズに応じて、ボディ枠に対するレター枠の比率を変化させることによって、自然でバランスのとれた文字列を出力させる文字発生装置が開示されている。
【0009】
図14(a)および図14(b)にその一例を示している。図14(a)の「胃」や「エ」のボディ枠に対するレター枠の比率は、図14(b)の「胃」や「エ」のボディ枠に対するレター枠の比率に比べて大きくなっている。
【0010】
図15(a)および図15(b)に、実際に文字が印字された例を示している。図15(a)では、最下段の文字列から最上段の文字列まで、ボディ枠に対するレター枠の比率は同じになっている。また、図15(b)では、最下段の文字列と中段の文字列と最上段の文字列とで、ボディ枠に対するレター枠の比率が変えられており、文字が大きくなる(上段)につれて、レター枠が大きくなっている。これによって、隣接する文字のボディ枠同士が接するように、縦方向または横方向に文字が並べられたときに、文字と文字との字間が開き過ぎないように調整して、文字を大きく見せることができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−177295号公報
【特許文献2】
特開平5−257450号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
例えば図15(a)において、レター枠とボディ枠との比率を保ったまま文字を拡縮させると、文字が大きくなった場合に、文字と文字との間の空間も広くなるために、文字列がばらついて読み難くくなるという問題がある。
【0013】
この問題を解決するために、上記特許文献1および特許文献2の従来技術では、例えば図15(b)において、レター枠とボディ枠との比率を変えて拡縮処理を行い、文字が大きくなった場合に、文字が小さいときと比べてボディ枠に対するレター枠の比率を大きくして文字と文字との空間を調整することによって、文字列のばらつきを抑えるように工夫されている。
【0014】
この特許文献1および特許文献2に開示されている従来技術では、例えば図13(a)および図13(b)に示すレター枠W2とボディ枠W3との比率を調整して、文字を大きく見せたり小さく見せたりすることが可能となる。
【0015】
しかしながら、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、プラズマディスプレイおよびCRTなどの解像度が低い表示装置において、少ないビットマップ数で文字を表示させる場合には、文字枠を意図的にレター枠に合わせなければ、漢字等の個々の文字の大きさにばらつきが生じ、読み難くなるという問題が生じる。
【0016】
このような場合に、上記特許文献1および特許文献2に開示されている従来技術では、上記図13(a)および図13(b)に示すレター枠W2に対して文字枠W1の座標位置や文字枠の中心である原点情報が定義されていないため、レター枠W2とボディ枠W3との比率情報だけでは、文字を意図的にレター枠に合わせることはできないという問題があった。以下に、この問題について詳細に説明する。
【0017】
図2Aに示すようなストロークデータ「胃」を一例に挙げて、文字枠の座標位置や文字枠の中心である原点情報を利用して、文字をレター枠に合わせる方法について説明する。
【0018】
文字「胃」の横方向のストローク#1−2からレター枠の上端までの距離は、レター枠の上端のy座標255からストローク#1−2のy座標値241を引いた14である。また、最終のストローク#1−10からレター枠の下端までの距離は、ストローク#1−10のy座標値9からレター枠の下端のy座標0を引いた9である。
【0019】
文字「胃」の場合、y方向の原点は、(255−(14+9))/2+9=125となる。また、拡縮率は、255/(255−(14+9))=1.1で求められ、約1.1となる。
【0020】
ストローク#1−2のy座標241を上記数値を用いてレター枠に接するように拡大すると、y=(241−125)×1.1+127.5=255で計算され、y座標値は255となり、レター枠の上端のy座標値=255と一致する。
また、ストローク#1−10のy座標9を上記数値を用いてレター枠に接するように拡大すると、y=(9−125)×1.1+127.5=0で計算され、y座標値は0となり、レター枠の下端のy座標値=0と一致する。
【0021】
これに対して、特許文献1および特許文献2に開示されている従来技術を用いて、例えば図15(b)に示すように、ボディ枠W3に対するレター枠W2の比率を変化させて拡縮処理を行う際に、例えば図2Aに示す文字「胃」の例において、y方向の拡縮処理の原点をレター枠の中心127.5とし、拡縮率を上記方法と同じ1.1とした場合、ストローク#1−2のy座標241を上記数値を用いて拡大すると、y=(241−127.5)×1.1+127.5=252で計算され、y座標値は252となってレター枠の上端のy座標値=255と一致しない。また、ストローク#1−10のy座標9を上記数値を用いて拡大すると、y=(9−127.5)×1.1+127.5=3で計算され、y座標値は3となってレター枠の下端のy座標値=0と一致しない。
【0022】
このように、文字をレター枠に合わせるためには、文字枠の座標位置や文字枠の中心である原点情報が必要となる。例えば、文字枠の座標位置およびy方向の原点情報がなく、y方向の拡縮処理の原点をレター枠の中心とした場合に、文字枠の上下をレター枠に合わせることはできない。
【0023】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、解像度が低い表示装置などに文字列を表示させる場合に、文字をレター枠に合わせて拡縮処理して、文字の大きさや位置のばらつきを抑制することができる文字発生装置、文字発生方法、この方法の処理手順をコンピュータに実行させるための文字発生プログラムおよび、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の文字発生装置は、文字の形状を表すデータを記憶する記憶手段と、発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力手段と、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力手段と、入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズとによって、文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で縦横別々に比率を変更可能とする拡縮タイプ切替手段と、該拡縮タイプ切替手段により求められた倍率で、文字の形状を表すデータを、指定されたビットマップサイズに拡大縮小する拡縮手段と、該拡縮手段によって変換されたデータを出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】
また、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ未満の場合、前記文字枠の上下左右がレター枠に接する方向に縦横別々に倍率を変えることを特徴とする。また、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ未満の場合、前記文字枠の上下左右がレター枠に接するように縦横別々に比率を変えることを特徴とする。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第2のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第2のサイズ以上の場合、文字枠とレター枠の比率を保持することを特徴とする。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズと第2のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ以上、該第2のサイズ未満の場合に、文字枠の上下および左右のいずれかがレター枠に接する方向に縦横同じ比率で倍率を変えることを特徴とする。また、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズと第2のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ以上、該第2のサイズ未満の場合に、文字枠の上下および左右のいずれかがレター枠に接するように縦横同じ比率で倍率を変えることを特徴とする。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮タイプ切替手段は、前記文字コード入力手段によって入力された文字コードが漢字以外の場合、文字枠とレター枠の比率を保持することを特徴とする。
【0029】
さらに、好ましくは、本発明の文字発生装置において、文字コード入力手段によって入力された文字コードと、前記サイズ指定入力手段によって指定されたビットマップサイズとに応じて拡縮タイプが記憶された記憶内容を変更可能とする拡縮タイプ記憶手段をさらに有し、前記拡縮タイプ切替手段は、該文字コードとビットマップサイズとの相互関係に対応した拡縮タイプを拡縮タイプ記憶手段の記憶内容から選択することを特徴とする。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明の文字発生装置における拡縮手段は、文字枠のx方向およびy方向の座標位置と、レター枠のx方向およびy方向のドット数とを用いて、前記拡縮タイプ切替手段によって決定された拡縮タイプに応じて、文字の形状を表すデータの座標位置を座標変換することを特徴とする。
【0031】
本発明の文字発生方法は、文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとを有することを特徴とするものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
本発明の文字発生プログラムは、文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとをコンピュータに実行させるための処理手順が記述されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0033】
本発明の可読記憶媒体は、文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとをコンピュータに実行させるための文字発生プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能なものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0034】
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
【0035】
本発明にあっては、文字コード入力手段によって入力された文字コードの種類およびサイズ指定入力手段によって指定されたビットマップサイズに応じて、拡縮タイプ切替手段によって、レター枠をはみ出さない範囲で、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率をそれぞれ変化させるための拡縮タイプが決定される。拡縮サイズ切替手段によって設定された拡縮タイプに応じて、拡縮手段によって、記憶手段から読み出された文字の形状を表すデータが、指定されたビットマップサイズに拡大縮小されて、出力手段から出力される。
【0036】
例えば、指定ビットマップサイズが、人間が文字を見る場合に1ドットの量子化誤差が大きく影響するような第1のサイズ未満である場合には、拡縮タイプ切替手段によって、文字の上下左右がレター枠に接する方向に、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率をそれぞれ変化させることにより、文字を同じ大きさに揃えて、ばらつきがない読み易い文字列を出力させることができる。
【0037】
また、指定ビットマップサイズが、人間が文字を見る場合に1ドットの量子化誤差があまり影響しないような第2のサイズ以上である場合には、拡縮タイプ切替手段によって、文字枠とレター枠との比率を所定の比率に保持させることにより、読み易い文字列を出力させることができる。
【0038】
さらに、指定ビットマップサイズが、人間が文字を見る場合に1ドットの量子化誤差が大きく影響する第1のサイズ以上で、かつ、1ドットの量子化誤差があまり影響しない第2のサイズ未満である場合には、拡縮タイプ切替手段によって、文字の上下および左右のいずれか一方がレター枠に接する方向に、文字枠の縦方向および横方向を同じ拡縮率で変化させることにより、文字を同じ大きさに揃えて、ばらつきのない読み易い文字列を出力させることができる。
【0039】
また、指定文字コードが漢字ではない場合に、拡縮タイプ切替手段によって、文字とレター枠との比率を所定の比率に保持させることにより、読み易い文字列を出力することができる。
【0040】
さらに、指定文字コードと指定ビットマップサイズとに応じて拡縮タイプを記憶させた拡縮タイプ記憶手段を設けて、文字コード毎の指定ビットマップサイズ毎に記憶内容を変更させることにより、拡縮タイプ切替手段では、拡縮タイプ記憶手段に格納されている拡縮タイプを選択することによって、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率をそれぞれ変化させて、読み易い文字列を出力させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の文字発生装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
図1は、本発明の文字発生装置の一実施形態における要部構成を示すブロック図である。
【0043】
図1において、文字発生装置10は、記憶手段1と、文字コード入力手段2と、サイズ指定入力手段3と、拡縮タイプ切替手段4と、拡縮タイプ記憶手段6と、拡縮手段5と、出力手段7とを備えており、図示しない記憶手段(記録媒体から読み出されている)に格納されている本発明の文字発生プログラムに従って、入力文字コードに相当する文字データの記憶手段1からの選択処理、拡縮タイプ切替手段4および拡縮手段5による拡縮処理、および出力手段7による出力処理などの各処理手順を制御する制御手段(CPU;中央演算処理装置)によって本発明の文字発生処理が行われる。
【0044】
この文字発生装置10は、例えばパーソナルコンピュータで構成することができる。パーソナルコンピュータとしては、ディスクトップ型またはラップトップ型、ノート型などの任意のタイプのコンピュータが使用され得る。または、文字発生装置10はワードプロセッサであってもよい。
【0045】
また、文字発生装置10は、出力手段7として表示デバイスを備えた電子機器や情報機器(電子情報装置)などの任意の情報表示装置で構成することができる。例えば文字発生装置は、液晶表示デバイスを備えた電子機器や、携帯情報ツールである携帯情報端末や、PHSを含む携帯電話装置や一般の電話機/FAXなどの通信機器(通信装置)などであってもよい。
【0046】
さらに、文字発生装置10は、サーバー装置で構成することもできる。サーバー装置としては、特に表示デバイスを備えていなくてもよい。
【0047】
まず、記憶手段1について説明する。
【0048】
記憶手段1には、フォントに含まれる文字データの形状が記憶されており、文字コード入力手段2から入力された文字コードに相当する文字データが、記憶手段1に接続された拡縮手段5に供給される。
【0049】
文字データとしては、文字の形状を記述するためのものであり、例えばベクトル情報であり得る。ベクトル情報としては、ストローク型やアウトライン型、ビットマップ型などが使用され得る。
【0050】
例えば、図2Aに示すような文字「胃」のストロークデータを記憶手段1に記憶させる際には、例えば図3Aに示すように、領域01に文字コードが記述され、「胃」の区点コードである「1663」が定義される。また、領域02には文字を構成するストロークの数が記述され、「胃」を構成するストローク数12が定義されている。
【0051】
また、領域03にはストロークの番号が記述され、例えば、図2Aに示す縦方向のストローク#1−1に対して、図3Aに示すように「1」が定義される。また、領域04にはストロークが有する座標の数が記述され、例えば、図2Aに示すストローク#1−1に対して、図3Aに示すように「2」が定義される。
【0052】
また、領域05にはストロークの種類が記述され、例えば、図2Aに示す縦方向のストローク#1−1に対して、図3Aに示すように「直線」が定義される。また、領域06にはストロークの両端の座標値が記述され、例えば、図2Aに示すストローク#1−1に対して、図3Aに示すように(25,241)と(25,162)とが定義される。
【0053】
図2Bに示すような文字「エ」のストロークデータを記憶手段1に記憶させる際には、例えば、図3Bに示すように、領域01に文字コードとして、「エ」の区点コードである「0508」が定義される。また、領域02には文字「エ」を構成するストロークの数として、ストローク数3が定義される。また、領域03にはストロークの番号が記述され、例えば、図2Bに示すストローク#2−1に対して、図3Bに示すように「1」が定義される。また、領域04にはストロークが有する座標の数が記述され、例えば、図2Bに示すストローク#2−1に対して、図3Bに示すように「2」が定義される。また、領域05にはストロークの種類が記述され、例えば、図2Bに示すストローク#2−1に対して、図3Bに示すように「直線」が定義される。また、領域06にはストロークの両端の座標値が記述され、例えば、図2Bに示すストローク#2−1に対して、図3Bに示すように(20,200)と(216,200)とが定義される。
【0054】
図2Cに示すような文字「三」のストロークデータを記憶手段1に記憶させる際には、例えば、図3Cに示すように、領域01に文字コードとして、「三」の区点コードである「2716」が定義される。また、領域02には文字「三」を構成するストロークの数として、ストローク数「3」が定義される。また、領域03にはストロークの番号が記述され、例えば、図2Cに示すストローク#3−1に対して、図3Cに示すように「1」が定義される。また、領域04にはストロークが有する座標の数が記述され、例えば、図2Cに示すストローク#3−1に対して、図3Cに示すように「2」が定義される。また、領域05にはストロークの種類が記述され、例えば、図2Cに示すストローク#3−1に対して、図3Cに示すように「直線」が定義される。また、領域06にはストロークの両端の座標値が記述され、例えば、図2Cに示すストローク#3−1に対して、図3Cに示すように(18,231)と(236,231)とが定義される。
【0055】
文字データが格納される記憶媒体としては、任意の記憶媒体が使用され得る。例えばハードディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD、ICカード、光カードなどの記憶媒体が好適に使用され得る。
【0056】
次に、文字コード入力手段2は、この文字発生装置10に文字コードを入力するために使用される。入力された文字コードは、文字コード入力手段2に接続された記憶手段1および拡縮タイプ切替手段4に供給される。
【0057】
文字コードは、例えば、文字を識別するための文字コードであり得る。この文字コードとしては、例えばJISコードやシフトJISコード、EUCコード、JIS区点コード、UNICODEなどが使用され得る。
【0058】
また、文字コード入力手段2は、例えば通信手段で構成することができる。通信手段としては、LAN、WAN、携帯電話網、有線通信網、無線通信網、コンピュータと周辺機器とを接続するためのインターフェイス、コンピュータ内部のバスなどが使用され得る。
【0059】
サイズ指定入力手段3は、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを入力するために使用される。入力されたビットマップサイズは、サイズ指定入力手段3に接続された拡縮タイプ切替手段4に供給される。ビットマップサイズは、例えば1以上の整数値を取り得る。
【0060】
また、サイズ指定入力手段3は、例えば、通信手段であり得る。通信手段としては、LAN、WAN、携帯電話網、有線通信網、無線通信網、コンピュータと周辺機器とを接続するためのインターフェイス、コンピュータ内部のバスなどが使用され得る。
【0061】
拡縮タイプ切替手段4では、文字コード入力手段2から供給される文字コードと、サイズ指定入力手段3から供給されるビットマップサイズから、図4に示すような拡縮タイプが決定される。決定された拡縮タイプは、拡縮タイプ切替手段4に接続された拡縮手段5に供給される。
【0062】
図4の例では、文字枠とレター枠とが一致するように、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率をそれぞれ変化させる拡縮タイプA「枠一杯拡大」と、文字枠とレター枠との所定の比率を保持させる拡縮タイプB「単純拡大」と、レター枠および文字枠の縦方向および横方向の比率を保持して、文字枠の縦方向および横方向のいずれか一方がレター枠に一致するように、文字枠の縦方向および横方向を同じ拡縮率で変化させる拡縮タイプC「比較保持拡大」とが含まれている。
【0063】
また、拡縮タイプCには、レター枠および文字枠の縦方向および横方向の比率を保持して、文字枠の縦方向がレター枠に一致するように、文字枠の縦方向および横方向を同じ拡縮で変化させる拡縮タイプC−1「縦枠一杯拡大」と、レター枠および文字枠の縦方向および横方向の比率を保持して、文字枠の横方向がレター枠に一致するように、文字枠の縦方向および横方向を同じ拡縮率で変化させる拡縮タイプC−2「横縦枠一杯拡大」とが含まれている。
【0064】
特に、文字コード入力手段2から供給された文字コードと、サイズ指定入力手段3から供給されたビットマップサイズとの組み合せに応じた拡縮タイプが、拡縮タイプ切替手段4に接続されている拡縮タイプ記憶手段6に設定されている場合には、拡縮タイプ切替手段4によって、その文字コードとビットマップサイズとに対応する拡縮タイプが拡縮タイプ記憶手段6から選択される。選択された拡縮タイプは、拡縮タイプ記憶手段6に接続された拡縮タイプ切替手段4を経由して、拡縮タイプ切替4に接続された拡縮手段5に供給される。この拡縮手段5の一例について図5に示している。
【0065】
図5は、図1の拡縮タイプ記憶手段6に設定されている拡縮タイプの一例を示す図である。
【0066】
図5において、拡縮タイプ記憶手段6には、クエッションマーク記号「?」の文字コード0109(JIS区点コード)に対して、ビットマップサイズ15以下では拡縮タイプAが設定され、16以上では拡縮タイプCが設定されている。また、クオーテーションマーク記号「!」の文字コード0110に対して、ビットマップサイズ14以上19以下に拡縮タイプCが設定されている。また、記号「”」および「。」の文字コード0111および0112に対して、ビットマップサイズ14以上19以下に拡縮タイプBが設定されている。また、漢字「胃」の文字コード1663には拡縮タイプが設定されていない。
【0067】
漢字「胃」のように、拡縮タイプ記憶手段6に文字コートおよびビットマップサイズに応じた拡縮タイプが設定されていない文字の場合には、図6に示すように、ビットマップサイズに応じて拡縮タイプが決定される。
【0068】
図6の例では、ビットマップサイズnが16未満である場合に拡縮タイプ切替え手段4によって拡縮タイプAが決定され、ビットマップサイズnが24以上である場合に拡縮タイプBが決定され、ビットサイズnが16以上23以下である場合に拡縮タイプCが決定されるようになっている。
【0069】
次に、拡縮手段5では、記憶手段1から供給された文字データに対して、サイズ指定入力手段3から入力されたビットマップサイズと拡縮タイプ切替手段4から供給された拡縮タイプの情報とに応じて、拡縮変換(拡大または縮小処理)が行われ、拡縮手段5に接続された出力手段7に、拡縮変換後の文字データが供給される。
【0070】
出力手段7は、例えばディスプレイ装置であり得る。ディスプレイ装置としては、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどが使用され得る。また、出力手段7は、例えば通信装置であり得る。通信装置としては、インターネットなどに接続される装置などが使用され得る。
【0071】
以下に、このように構成された本実施形態の文字発生装置を用いた文字発生方法について説明する。
【0072】
図7は、図1の文字発生装置による文字発生方法の各処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0073】
図7に示すように、まず、ステップS1において、文字コード入力手段2から文字コードが入力される。例えば漢字の「胃」の文字コードとして1663番(JIS区点コード)が入力される。このような入力は、例えばユーザがキーボードを用いてかな漢字変換を行うことによって為される。
【0074】
次に、ステップS2おいて、サイズ指定入力手段3からビットマップサイズが入力される。例えばレター枠に相当するビットマップサイズとして19が入力される。このような入力は、例えばユーザがキーボードの「1」および「9」のキーを押下げることによって為される。
【0075】
ステップS3において、ステップS1で入力された文字コードに対応する1文字分の文字データが記憶手段1から読み出される。
【0076】
例えば図2Aに示す漢字「胃」の文字コード1663番(JIS区点コード)に対応する文字データとして、図3Aに示すような文字データが読み出される。
また、図2Bに示すカタカナ「エ」の文字コード0508番に対応する文字データとして、図3Bに示すような文字データが読み出される。さらに、図2Cに示す漢字「三」の文字コード2716番に対応する文字データとして、図3Cに示すような文字データが読み出される。
【0077】
ステップS4において、拡縮タイプ切替手段4によって拡縮タイプ記憶手段6が参照されて、ステップS1で入力された文字コードおよびステップS2で入力されたビットマップサイズが、拡縮タイプ記憶手段6に拡縮タイプが設定されている指定文字コードおよび指定ビットマップサイズであるか否かが確認される。
拡縮タイプ記憶手段6に拡縮タイプが設定されている場合には、ステップS5の処理に進み、拡縮タイプが設定されていない場合には、ステップS6の処理に進む。
【0078】
例えば図5の例では、記号「?」の文字コードが0109番(JIS区点コード)であり、ビットマップサイズが「19」である場合には、図6に示す拡縮タイプCが設定されているため、ステップS5の処理に進む。また、漢字「胃」の文字コードが1663番(JIS区点コード)であり、ビットマップサイズが「19」である場合には、拡縮タイプは設定されていないため、ステップS6の処理に進む。
【0079】
ステップS5では、ステップS4で拡縮タイプ記憶手段6に拡縮タイプが設定されている場合(Yes)に、拡縮タイプ切替手段4によって、文字コードおよびビットマップサイズに応じた拡縮タイプが拡縮タイプ記憶手段6から選択されて、ステップS9の処理に進む。
【0080】
例えば図5の例では、記号「?」の文字コードが0109番(JIS区点コード)であり、ビットマップサイズが「19」である場合、拡縮タイプは「C」に決定される。
【0081】
ステップS4で拡縮タイプ記憶手段6に拡縮タイプが設定されていない場合(No)に、ステップS6において、ステップS1で入力された文字コードが漢字か否かが判断され、漢字であった場合には、ステップS7の処理に進む。また、漢字以外の場合には、ステップS8の処理に進む。
【0082】
ステップS7において、ステップS2で入力されたビットマップサイズから、拡縮タイプ切替手段4によって拡縮タイプが決定され、ステップS9の処理に進む。
【0083】
例えば図6の例では、漢字「胃」の文字コードが1663番(JIS区点コード)であり、ビットマップサイズが「11」である場合、拡縮タイプは「A」に決定される。また、漢字の「胃」文字コードが1663番(JIS区点コード)であり、ビットマップサイズが「19」である場合、拡縮タイプは「C」に決定される。
【0084】
ステップS8では、拡縮タイプが「B」に決定される。
【0085】
例えばカタカナ「エ」の文字コードが0608番(JIS区点コード)である場合、拡縮タイプは「B」に決定される。
【0086】
ステップS9において、ステップS5またはステップS7で決定された拡縮タイプが「C」でない場合(No)には、ステップS11の処理に進む。また、ステップS5またはステップS7で決定された拡縮タイプが「C」であれば(Yes)、ステップS10の処理に進む。
【0087】
ステップS10において、拡縮タイプ「C」の場合に、ステップS3で読み出された文字データの文字枠が縦長であるか、または横長であるかを計算して、拡縮タイプを決定する。
【0088】
例えば、図2Aに示すように、元の文字データがレター枠256ドット内のデータで座標データが(0,0)〜(255,255)である場合に、変換前の座標データを(x,y)、レター枠n+1ドットに変換後の座標データを(nx,ny)とし、文字枠内のx座標の最小値をmin_x、最大値をmax_x、y座標の最小値をmin_y、最大値をmax_yとすると、文字枠の実寸幅は
mx=max_x−min_x
文字枠の実寸高さは
my=max_y−min_y
となる。mx=<myの場合には縦長の文字枠になり、拡縮タイプが「C−1」に決定されて、ステップS11の処理に進む。
【0089】
また、mx>myの場合には横長の文字枠になり、拡縮タイプが「C−2」に決定されて、ステップS11の処理に進む。
【0090】
例えば図3Aに示す文字データ「胃」の場合には、文字枠の実寸幅mxは230−25=205、文字枠の実寸高さmyは241−9=232であるために縦長の文字枠になり、拡縮タイプは「C−1」に決定される。
【0091】
また、図3Cに示す文字データ「三」の場合には、文字枠の実寸幅mxは247−8=239、文字枠の実寸高さmyは231−25=206であるために横長の文字枠になり、拡縮タイプは「C−2」に決定される。
【0092】
次に、ステップS11において、ステップS2で入力されたビットマップサイズと、ステップS3で読み出された文字データと、ステップS5、ステップS7またはステップS8で決定された拡縮タイプに応じて、拡縮変換が行われる。拡縮変換の際に計算された数値は、四捨五入によって整数に丸められている。
【0093】
例えば、図2Aに示すように、元の文字データがレター枠256ドット内のデータで座標データが(0,0)〜(255,255)である場合に、変換前の座標データを(x,y)、レター枠n+1ドットに変換後の座標データを(nx,ny)とし、文字枠内のx座標の最小値をmin_x、最大値をmax_x、y座標の最小値をmin_y、最大値をmax_yとすると、文字枠の実寸幅は
mx=max_x−min_x
文字枠の実寸高さは
my=max_y−min_y
となる。
【0094】
例えば、拡縮タイプが「A」である場合に、拡縮変換後の座標(nx,ny)は、計算式
(nx,ny)=((x−min_x)×n/mx,(y−min_y)×n/my) ・・・(1)
によって求められる。
【0095】
例えば、ステップS2で入力されたビットマップサイズが11ドットである場合に、図2Aに示す文字データ「胃」を上記計算式(1)によって変換すると、図8Aに示すような値に変換され、図9(a)に示すように、文字の上下左右がレター枠に接するような文字データが生成される。
【0096】
また、例えば拡縮タイプが「B」である場合に、拡縮変換後の座標(nx,ny)は、計算式
(nx,ny)=(x×n/255,y×n/255) ・・・(2)
によって求められる。
【0097】
例えば、ステップS2で入力されたビットマップサイズが23ドットである場合に、図2Aに示す文字データ「胃」を上記計算式(2)によって変換すると、図8Cに示すような値に変換され、図9Cで示すように、文字枠とレター枠との比率が保たれた文字データが生成される。
【0098】
また、例えば、ステップS2で入力されたビットマップサイズが23ドットである場合に、図2Bに示す文字データ「エ」を、上記計算式(2)によって変換すると、図10(c)で示すような値に変換され、図9Cと同様に、文字枠とレター枠との比率が保たれた文字データが生成される。
【0099】
また、例えば拡縮タイプ「C−1」である場合に、拡縮変換後の座標(nx,ny)は、計算式
(nx,ny) =((((x−min_x)×255/my)+z)×n/255,(y−min_y)×n/my)
z=(255−(255×mx/my))×min_x/(min_x+255−max_x) ・・・(3)
によって求められる。
【0100】
例えば、ステップS2で入力されたビットマップサイズが19ドットである場合に、図2Aに示す文字データ「胃」を、上記計算式(3)によって変換すると、図8Bに示すような値に変換され、図9(b)に示すように、文字の上下がレター枠に接するような文字データが生成される。
【0101】
例えば、拡縮タイプ「C−2」である場合に、拡縮変換後の座標(nx,ny)は、計算式
(nx, ny)= ((x − min_x)×n/mx),(((y−min_y)×255/mx)+z)×n/255)
z=(255−(255×my/mx))×min_y/(min_y+255−max_y) ・・・(4)
によって求められる。
【0102】
例えば、ステップS2で入力されたビットマップサイズが19ドットである場合に、図2Cに示す文字データ「三」を、上記計算式(4)によって変換すると、図11に示すような値に変換され、図9(d)に示すように、文字の左右がレター枠に接するような文字データが生成される。
【0103】
次に、図7のステップS12において、ステップS11で変換された文字データが出力手段7に供給される。
【0104】
図12(a−1)に、従来技術の場合として、レター枠のビットマップサイズを19にして、ボディ枠とレター枠との比率を調整して拡縮させた文字列を示している。
【0105】
比較のために、図12(b−1)に、本実施形態の文字発生方法によって、レター枠のビットマップサイズを19(図12(a−1)と文字の大きさを合わせるため)にして、文字枠の上下左右をレター枠に接するように拡縮させた文字列を示している(本実施形態ではビットマップサイズ16未満で拡縮タイプAの場合)。
【0106】
図12(a−2)は図12(a−1)の文字枠を黒く塗りつぶしたものであり、図12(b−2)は図12(b−1)の文字枠を黒く塗りつぶしたものである。図12(a−3)は図12(a−1)を実際に使用される大きさで出力したものであり、図12(b−3)は図12(b−1)を実際に使用される大きさで出力したものである。
【0107】
図12(a−2)と図12(b−2)とを比べると、図12(a−2)は文字枠の大きさ、位置ともにばらついていることが分かる。図12(b−2)は文字枠の大きさおよび位置ともにばらついていない。また、実際に使用される大きさで文字列を出力した図12(a−3)と(b−3)とを比べると、ばらつきの差がよく分かる。
【0108】
以上により、本実施形態によれば、拡縮タイプ切替手段4は、文字コード入力手段2によって入力された文字コードと、サイズ指定入力手段3によって入力されたビットマップサイズと応じて、文字枠の縦方向および横方向の拡縮率(比率)をそれぞれ変化させるための拡縮タイプを決定する。この拡縮タイプに応じて、拡縮手段5は、記憶手段1に記憶された文字データの形状を拡縮させて、文字データを出力手段7から出力させる。これによって、解像度が低い表示装置などに文字列を表示させる場合に、文字のばらつきをなくして読み易い文字を発生させることができる。
【0109】
なお、上記実施形態では、特に説明しなかったが、指定ビットマップサイズが第1のサイズ未満の場合に、文字枠の上下左右がレター枠に接するように縦横別々に倍率を変えるのに限らず、文字枠の上下左右がレター枠に、1ドット(視覚上は接しているように見える)かまたはそれ以上の数ドット空けた(離れた)状態になるように縦横別々に倍率を変えてもよい。要は、本発明は、文字枠の上下左右がレター枠に接する方向に(限りなく接するようにであって、接しない場合も含む)縦横別々に倍率を変える場合を含んでいる。ここで、倍率を変えるのは、文字列の文字の大きさを揃えるために行う。
【0110】
また、同様に、指定ビットマップサイズが第1のサイズ以上で第2のサイズ未満の場合に、文字枠の上下および左右のいずれかがレター枠に接する方向に縦横同じ比率で倍率を変える。この場合にも、文字枠がレター枠に接するように倍率を変えるのに限らず、文字枠がレター枠に、1ドット(視覚上は接しているように見える)かまたはそれ以上の数ドット空けた(離れた)状態になるように倍率を変えてもよい。
【0111】
【発明の効果】
以上により、本発明によれば、文字コードおよびビットマップサイズに応じて、ばらつきのない読み易い文字列を生成させることができ、特に、解像度が低い表示装置に最適な文字列を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の文字発生装置の一実施形態における要部構成を示すブロック図である

【図2A】文字枠とレター枠と文字「胃」を構成する各ストロークの座標位置を示す図である。
【図2B】文字枠とレター枠と文字「工」を構成する各ストロークの座標位置を示す図である。
【図2C】文字枠とレター枠と文字「三」を構成する各ストロークの座標位置を示す図である。
【図3A】図1の記憶手段に記憶された文字データ「胃」の記憶状態を示す図である。
【図3B】図1の記憶手段に記憶された文字データ「工」の記憶状態を示す図である。
【図3C】図1の記憶手段に記憶された文字データ「三」の記憶状態を示す図である。
【図4】図1の拡縮タイプ記憶手段に記憶された拡縮タイプの種類およびその内容を示す図である。
【図5】図1の拡縮タイプ記憶手段に設定されている拡縮タイプの一例を示す図である。
【図6】図1のサイズ指定入力手段から入力されたビットマップサイズによって決定される拡縮タイプを示す図である。
【図7】図1の文字発生装置による文字発生方法の各処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8A】図3Aの文字データ「胃」を拡縮タイプAで拡縮変換した文字データを示す図である。
【図8B】図3Aの文字データ「胃」を拡縮タイプCで拡縮変換した文字データを示す図である。
【図8C】図3Aの文字データ「胃」を拡縮タイプBで拡縮変換した文字データを示す図である。
【図9】(a)〜(d)はそれぞれ、拡縮タイプ別に変換された文字の状態を示す図である。
【図10】(a)〜(c)はそれぞれ、図3Bの文字データ「工」を各拡縮タイプA〜Bでそれぞれ拡縮変換した文字データを示す図である。
【図11】図3Cの文字データ「三」を拡縮変換した文字データを示す図である。
【図12】(a−1)〜(a−3)はそれぞれ、従来技術によって拡縮させた文字列を示す図であり、(b−1)〜(b−3)はそれぞれ、本実施形態の文字発生方法によって拡縮させた文字列を示す図である。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ、従来の文字枠とレター枠とボディ枠について説明するための図である。
【図14】(a)および(b)はそれぞれ、従来の文字のレター枠とボディ枠との比率を変えた例を示す図である。
【図15】(a)は従来技術によってレター枠とボディ枠との比率を変えないで拡縮した状態を示す図であり、(b)はレター枠とボディ枠との比率を変えて拡縮した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 記憶手段
2 文字コード入力手段
3 サイズ指定入力手段
4 拡縮タイプ切替手段
5 拡縮手段
6 拡縮タイプ記憶手段
7 出力手段
10 文字発生装置

Claims (10)

  1. 文字の形状を表すデータを記憶する記憶手段と、
    発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力手段と、
    文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力手段と、
    入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズとによって、文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で縦横別々に比率を変更可能とする拡縮タイプ切替手段と、
    該拡縮タイプ切替手段により求められた倍率で、文字の形状を表すデータを、指定されたビットマップサイズに拡大縮小する拡縮手段と、
    該拡縮手段によって変換されたデータを出力する出力手段とを備えたことを特徴とする文字発生装置。
  2. 前記拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ未満の場合、前記文字枠の上下左右がレター枠に接する方向に縦横別々に倍率を変えることを特徴とする請求項1に記載の文字発生装置。
  3. 前記拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第2のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第2のサイズ以上の場合、文字枠とレター枠の比率を保持することを特徴とする請求項1に記載の文字発生装置。
  4. 前記拡縮タイプ切替手段は、前記ビットマップサイズに第1のサイズと第2のサイズを定めて、指定ビットマップサイズが該第1のサイズ以上、該第2のサイズ未満の場合に、文字枠の上下および左右のいずれかがレター枠に接する方向に縦横同じ比率で倍率を変えることを特徴とする請求項1に記載の文字発生装置。
  5. 前記拡縮タイプ切替手段は、前記文字コード入力手段によって入力された文字コードが漢字以外の場合、文字枠とレター枠の比率を保持することを特徴とする請求項1に記載の文字発生装置。
  6. 前記文字コード入力手段によって入力された文字コードと、前記サイズ指定入力手段によって指定されたビットマップサイズとに応じて拡縮タイプが記憶された記憶内容を変更可能とする拡縮タイプ記憶手段をさらに有し、
    前記拡縮タイプ切替手段は、該文字コードとビットマップサイズとの相互関係に対応した拡縮タイプを拡縮タイプ記憶手段の記憶内容から選択することを特徴とする請求項1に記載の文字発生装置。
  7. 前記拡縮手段は、文字枠のx方向およびy方向の座標位置と、レター枠のx方向およびy方向のドット数とを用いて、前記拡縮タイプ切替手段によって決定された拡縮タイプに応じて、文字の形状を表すデータの座標位置を座標変換することを特徴とする請求項6に記載の文字発生装置。
  8. 文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、
    発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、
    入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、
    該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、
    該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとを有することを特徴とする文字発生方法。
  9. 文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、
    発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、
    入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、
    該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、
    該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとをコンピュータに実行させるための処理手順が記述された文字発生プログラム。
  10. 文字の形状を表すデータを記憶する記憶ステップと、
    発生させる文字に対応する文字コードを入力する文字コード入力ステップと、文字のレター枠に対応するビットマップサイズを指定するサイズ指定入力ステップと、
    入力された文字コードの種類と指定されたビットマップサイズによって文字枠がレター枠をはみ出さない範囲で、縦横別々に比率を変える拡縮タイプ切替ステップと、
    該拡縮タイプ切替ステップで求めらた倍率で、文字の形状を表すデータを指定ビットマップサイズに拡大縮小する拡縮ステップと、
    該拡縮ステップにより変換されたデータを出力させる出力ステップとをコンピュータに実行させるための文字発生プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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