JPH0452475B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の技術分野〕 本発明は大きさを可変設定してなる文字パター
ンを簡易に発生することのできる実用性の高い文
字パターン発生器に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 近時、計算機を用いた文章処理が広く普及し、
そのハードコピー出力の高品位化が強く望まれて
いる。そして、ハードコピー出力される文字の大
きさも、その仕様に応じて種々可変設定可能であ
ることが望まれている。 しかして、従来の計算機システムにおける文字
のハードコピー出力は、予め登録された文字パタ
ーンを、その文字コードに応じて読出し、これを
ドツトマトリツクスとして印字して行われている
が、この際、その文字パターンの大きさを変える
ことが非常に困難であつた。これ故、倍角あるい
は半角程度と、その文字の大きさの選択数が限ら
れていた。 そこで従来、種々大きさの文字パターン出力を
可能とするべく、その文字フオントをパラメータ
化し、数学的に表現することによつて多種の大き
さの文字パターンを計算処理により作り出すこと
が考えられている。その代表的なものとして、ク
ヌース（Kunuth）のメタフオント（Metafont）
法等が知られている。然し乍ら、これらの文字パ
ターン発生方式は、いずれもその基礎となる文字
パターンを作り出すのが難しく、またそのパター
ンデータが複雑なパラメータを用いて表現される
ので、文字発生の為の計算処理に膨大な時間を要
した。また、理論的には種々の大きさの文字パタ
ーンを発生させることが可能であるが、文字パタ
ーンの大きさ可変の為の制御およびその処理が複
雑である為、実用性の点で大きな問題があつた。 〔発明の目的〕 本発明はこのような事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、種々大きさの文
字パターンを簡易に且つ効率良く発生可能な実用
性の高い文字パターン発生装置を提供することに
ある。 〔発明の概要〕 本発明は文字パターンをそのストロークの複数
の代表点の位置情報および上記各代表点における
ストロークの太さ情報として表現して記憶装置に
記憶しておき、前記各代表点の位置情報から代表
点間のストロークデータを求めると共に、前記代
表点の太さ情報によつて上記ストロークによつて
示される文字パターンの輪郭線データを求めるよ
うにしたものである。 また必要に応じて前記各代表点の位置情報およ
び太さ情報に加えてその文字パターンの属性情報
を与えておくことによつて、所謂つきだりやうろ
こ、セリフ等の付属的な文字パターンをも与える
ようにしたものである。 〔発明の効果〕 かくして本発明によれば、文字パターンがその
ストロークの代表点の位置情報と太さ情報とによ
つて与えられるので、そのデータ型式が非常に簡
単であり、取扱いが容易である。しかも簡易な処
理によつて複数の代表点の情報から文字パターン
の輪郭線情報を得ることができるので、処理性の
点で実用性が高い。また上記の如く処理によつて
文字パターンを生成するので、その大きさの可変
制御とその処理が簡単であり、種々のニーズに効
果的に対応できる。故に、その実用性が高く、絶
大なる効果が奏せられる。 〔発明の実施例〕 以下、図面を参照して本発明の一実施例につき
説明する。 第１図は実施例装置の概略構成図であり、１は
複数の文字パターンデータを記憶してなる文字パ
ターン記憶装置である。この記憶装置１に登録さ
れる文字パターンデータは、例えば第２図に示さ
れるように文字パターンＡのストロークＢの代表
点ａ，ｂ，ｃ，〜，ｆの各位置情報（Ｘ，Ｙ）
と、その太さ情報Ｚを基本パラメータとして与え
られるものである。しかして、ここでは、上記太
さ情報は更に詳しいパラメータとして、代表点に
おけるストローク進行方向の右側の線幅Ｚと左側
の線幅Ｕとして与えられるようになつており、こ
れに加えて代表点の属性情報Ｖも与えられるよう
になつている。しかして、これらの情報によつて
示される文字パターンの代表点のデータは、例え
ばそのフオーマツト情報をＦとして第３図に示す
如きフオーマツトで前記記憶装置１に登録され
る。次表は、第２図に示される文字パターン
「ノ」を示すデータ例である。

【表】 尚、ここでは、文字パターンの枠の大きさが
（Ｘ＝1000，Ｙ＝1000）として、つまり（1000×
1000）ドツトの大きさとして与えられるようにな
つており、各代表点の位置は上記枠内における相
対位置として示される。またフオーマツトコード
Ｆの（0000）は文字パターンストロークの開始点
を、（0001）はそのストロークの中間部を、また
（0002）はストロークの終了点をそれぞれ示して
おり、その他、交差点等のフオーマツトコード等
が用いられる。また、属性情報Ｖのコード
（0001）は、所謂文字パターンの「つきだし」部
分であることを示しており、その他の属性情報と
しては、「うろこ」、「あし」、「セリフ」、「ケルン
」
等の属性を示すコードが与えられる。 このようにして記憶装置１に登録された文字パ
ターンデータは、その文字指定によつて上記記憶
装置１から読出され、演算部２に導びかれる。こ
の演算部２は、レジスタ３，４，５にそれぞれセ
ツトされた文字パターン出力仕様、つまり縦方向
寸法GX、横方向寸法GY、文字線幅GWの各デー
タを受けて、前記文字パターンデータに対する縮
小拡大処理を行う。即ち前述したように、文字パ
ターンデータは、その枠の大きさを（1000×
1000）ドツトとして登録されている。これに対し
て、今、出力文字パターンを（32×32）ドツトの
大きさで表示出力する場合、前記GXレジスタ３
およびGYレジスタ４にはそれぞれ「32」なる値
がセツトされる。またこの（32×32）ドツトの大
きさで出力する文字パターンの線幅を、一般標準
的なものとするときには、GWレジスタ５にも
「32」なる値がセツトされる。仮りに、（32×32）
ドツト表示において、表示文字パターンを太くし
たい場合には、GWレジスタ５に「48」等のデー
タがセツトされ、また細くしたい場合には「24」
等のデータがセツトされる。これらの、レジスタ
３，４，５にセツトされたデータに従つて、前記
記憶装置１から読出された文字パターンデータに
対して、その大きさを設定する為の演算処理を行
つている。補間部６は、この演算部２からの出力
を受け、ストロークの代表点の位置情報から、各
代表点を結ぶストロークの各点の位置を、例えば
スプライン補間法や放物線混ぜ合せ法等のアルゴ
リズムに従つて求めている。そして、ビツトスト
ローク発生部７は、これらのストロークの各点の
太さ情報から、その文字パターンの輪郭線を求め
ており、出力パターンバツフアメモリ８には、上
記輪郭線によつて囲まれる領域のデータが文字パ
ターンとして格納されるようになつている。 即ち今、前記第２図および第１表で示される文
字パターンデータを記憶装置１から得、これを
（32×32）ドツトのパターンとして出力する場合、
演算部２は、第４図に示す制御フローに従つて、
出力文字パターンの各代表点の位置OX，OYお
よび太さの情報OZ，OUを計算する。つまり、出
力文字パターンのドツト数に応じて、その代表点
の出力座標系における位置座標OX，OYを OX＝GX／1000＊Ｘ OY＝GY／1000＊Ｙ として計算している。しかるのち、その属性情報
を判別し、前述した「つきだし」や「うろこ」等
の装飾的な文字パターン部であるか否かを判定
し、装飾部でないときにはその線幅OZ，OUを OZ＝GW／1000＊Ｚ OU＝GW／1000＊Ｕ として計算し、文字パターンの大きさに応じてそ
の線幅を変えている。また代表点が上述した「つ
きだし」や「うろこ」等の装飾的部分であるとき
には OZ＝GW／1000＊Ｚ−（GW−GX＋GY／２）＊0.5＊ Ｚ／1000 OU＝GW／1000＊Ｕ−（GW−GX＋GY／２）＊0.5＊ Ｕ／1000 としてその線幅を計算し、装飾部が不本意に大き
くなつたり、あるいは小さくなることを防ぐべ
く、補正を施している。この処理が、文字パター
ンの全ての代表点のデータについて行われる。次
表は、その計算結果である。

【表】 しかして補間部６は、上記第２表に示される位
置情報から、各代表点間のストローク各点をスプ
ライン補間法等のアルゴリズムに従つて求め、こ
れによりストロークを再生する。次表は、このよ
うにして求められるストロークの部分的なデータ
を選択的に示したものであり、これらの位置情報
によつて、前記第２図中のストロークが示され
る。

【表】 しかるのち、このようなデータから文字パター
ンの輪郭線データが次のようにして求められる。
即ち、補間されて求められたストロークＢ上のｉ
番目の点をPiとし、そのストローク進行方向右側
の輪郭点をPRi、左側の輪郭点をPLiとする。こ
のとき、 Ｌ＝Xi₊₁−Xi Ｍ＝Yi₊₁−Yi Ｎ＝√²＋² を定義すると、右側輪郭点PRiは PRi＝（XRi，YRi） として、 XRi＝Xi＋Zi＊Ｍ／Ｎ YRi＝Yi−Zi＊Ｌ／Ｎ として求められる。同様にして左側輪郭点をOLi
は PLi＝（XLi，YLi） として、 XLi＝Xi＋Ui＊Ｍ／Ｎ YLi＝Yi−Ui＊Ｌ／Ｎ として求められる。このようにして求められる輪
郭点PRi，PLiの繋がりが、出力文字パターンの
輪郭を表わすことになる。しかして、この輪郭で
示されるパターンの内側を、例えばドツトによつ
て埋めることにより、上記文字パターンがドツト
マトリツクスによつて表現されることになる。第
５図ａ，ｂはその例を示すもので、第２図に示さ
れるパターンを（32×32）ドツトで出力したもの
が第５図ａであり、これを線幅を太くして出力し
たものが第５図ｂである。この第５図ｂは、（32
×32）ドツトの出力パターンの大きさにおいて、
文字線幅を太くするべく、GWデータとして
「48」をセツトした例を示すものである。この例
でも明らかなように、文字パターンの「つきだ
し」部分が補正され、不本意に太くなることが防
がれている。この結果、全体的な文字パターンと
してのバランスが、文字の太さに拘らず統一化さ
れるように補正されたものとなる。 このような本装置によれば、非常に簡単な処理
によつて、所望とする大きさの文字パターンを発
生することができる。しかも、文字パターンデー
タを、そのストロークの代表点として与えればよ
いので、原データの作成が非常に容易である。ま
たこの場合、所謂筆はこびを考慮した文字パター
ンを発生することができ、従来方式のように制御
パラメータが複雑化することもない。従つて、そ
の実用的利点は絶大である。また、処理が簡単で
あり、その高速化を図り得るので、各種計算機シ
ステムのハードコピー機器として多大な効果が奏
せられる。 尚、ひら仮名等、その線幅がストローク線に関
して対称な場合には、太さ情報を単純にＺのみと
して与えておいてもよい。第６図はこのようにし
て求められた文字パターンの例を示すものであ
り、何ら不都合を生じることがない。またこのよ
うにすれば、記憶装置１に登録するデータ構成を
簡易化できると云う効果が奏せられる。また、所
謂下揃えをしたい文字パターンについては、第７
図に示すように、下側線幅を「０」に設定するこ
とによつて簡易にその目的を達成することができ
る。 尚、本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば出力文字パターンの縦横の比を変え
得ることは勿論のことである。また文字パターン
の種類についても、漢字・数字・英文字等、特に
限定されないことは云うまでもない。要するに本
発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して
実施することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
装置の概略構成図、第２図は原パターンの例を示
す図、第３図は文字パターンのデータのフオーマ
ツト例を示す図、第４図は文字パターンの大きさ
設定処理の流れを示す図、第５図ａ，ｂ乃至第７
図はそれぞれ出力文字パターンの例を示す図であ
る。 １……文字パターン記憶装置、２……演算部、
３，４，５……レジスタ、６……補間部、７……
ドツトストローク発生部、８……出力パターンバ
ツフアメモリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 文字パターンのストロークの複数の代表点の
   位置情報および上記各代表点における前記ストロ
   ークの太さ情報を前記文字パターンを示すデータ
   として記憶した記憶装置と、この記憶装置から読
   出された前記代表点の位置情報から各代表点を結
   ぶストロークのデータを求めると共に、前記代表
   点の太さ情報から上記ストロークによつて示され
   る文字パターンの輪郭線データを求める手段とを
   具備したことを特徴とする文字パターン発生装
   置。 ２ 代表点におけるストロークの太さ情報は、そ
   の代表点からストローク進行方向右側のストロー
   ク幅と左側ストローク幅として与えられるもので
   ある特許請求の範囲第１項記載の文字パターン発
   生装置。 ３ 代表点の位置情報から各代表点を結ぶストロ
   ークのデータを求める手段は、上記位置情報の系
   列を補間処理して、各代表点間のストローク位置
   情報を求めるものである特許請求の範囲第１項記
   載の文字パターン発生装置。